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Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド
リリース1.3.1 for Windows, Linux, Solaris, and AIX
E48234-03
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4 Oracle R Enterprise Serverのインストール

この章では、Oracle R Enterprise Serverをインストールする方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

4.1 Oracle R Enterprise Serverについて

4.1.1 Oracle R Enterprise Serverの概要

Oracle R Enterprise Serverによって、Oracle DatabaseでOracle R Enterprise Clientがサポートされます。

Oracle R Enterprise Serverには次のものが含まれます。

  • RQSYSスキーマ

  • Oracle Databaseによって使用されるライブラリ

  • Oracle R Enterpriseパッケージ(埋込みRの実行がサポートされます)

4.1.2 Oracle R Enterpriseのサーバー・コンポーネント

Oracle R Enterpriseには、サーバー・コンピュータに個別にインストールする必要のある複数のコンポーネントが含まれています。

Oracle R Enterprise Serverコンポーネントは、次の順序でインストールする必要があります。

  1. Oracle Database Enterprise Edition

  2. Oracle R Distributionまたはオープン・ソースR

  3. Oracle R Enterprise Server(Oracle R Enterpriseパッケージを含む)

  4. Oracle R Enterprise Client Supporting Packages

Oracle R Enterpriseのクライアントおよびサーバー・コンポーネントの説明を図1-2に示します。

4.1.3 Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトについて

Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトでは、次の手順が実行されます。

  1. 環境が確認されます。

    • Rがインストールされていることが確認されます。

    • libR.solibRblas.soおよびlibRlapack.soライブラリが$R_HOME/libに存在することが確認されます($R_HOME/usr/lib64/Rの場合)。

    • $ORACLE_HOMEおよび$ORACLE_SIDが設定されていることが確認されます。

  2. SQL*Plusがsysdbaで起動され、ORACLE_SIDで指定されているデータベースに接続されます。

  3. データベースで次の手順が実行されます。

    • DBA_USERSにユーザーRQSYSの存在を問い合せることにより、Oracle R Enterprise Serverがインストール済かどうかが判断されます。

      RQSYSが見つかった場合は、インストーラによりsys.rq_configファイルでOracle R Enterpriseのバージョンが確認されます。バージョン情報は、適切なPL/SQLパッケージをインストールするために、後でインストーラにより使用されます。

    • RQSYSの永続表領域および一時表領域の場所の入力を求めるプロンプトが表示されます。デフォルトでは、表領域はSYSAUXおよびTEMPに作成されます。

    • Oracle R Enterprise Serverのライブラリが$ORACLE_HOME/libにコピーされます。

    • RQSYSスキーマが存在しない場合は、作成されます。

    • RQSYSにオブジェクトが作成され、Oracle R Enterprise PL/SQLパッケージがインストールされます。

  4. Oracle R Enterprise Client Packagesが$ORACLE_HOME/R/libraryにインストールされます。

4.2 Oracle R Enterprise Serverの要件

Oracle R Enterprise Serverをインストールする前に、次の要件を確認します。

4.2.1 システム要件

  • オペレーティング・システムは、第1.7項で指定されている要件に準拠している必要があります。

  • Oracle Databaseは、第2章の説明に従ってインストールおよび構成される必要があります。

  • Rは、Chapter 3の説明に従って、インストールされる必要があります。

4.2.1.1 Microsoft Windowsでの64ビット・アーキテクチャの確認

Oracle R Enterpriseは、64ビットのオペレーティング・システムでのみ実行されます。ご使用のWindowsシステムが64ビットかどうかを判断するには、次の手順を実行します。

  • Windows 7またはWindows Vista:

    1. Windowsの「コントロール・パネル」で「システム」を選択します。

    2. 「システムの種類」「64 ビット オペレーティング システム」であることを確認します。

  • Windows XP:

    1. 「スタート」メニューで、「マイ コンピュータ」を選択します。

    2. 「プロパティ」をクリックします。

    3. 「システム」タブで、システムが「x64 Edition」であることを確認します。

4.2.2 環境変数要件

Oracle R Enterprise Serverをインストールする前に、環境変数が表4-1のように設定されていることを確認します。

表4-1 Oracle R Enterprise Server用の環境変数要件

プラットフォーム 環境変数要件

すべて

ORACLE_SIDで、Oracle R Enterpriseをサポートするデータベースのサービス識別子(SID)が指定されている必要があります。

ORACLE_HOMEで、ORACLE_SIDによって識別されるデータベースのホーム・ディレクトリが指定されている必要があります。

Linux

LD_LIBRARY_PATH$ORACLE_HOME/libが含まれている必要があります。

PATH$ORACLE_HOME/binが含まれている必要があります。

Oracle Solaris

LD_LIBRARY_PATH$ORACLE_HOME/libが含まれている必要があります。

PATH$ORACLE_HOME/binが含まれている必要があります。

IBM AIX

LIBPATH$ORACLE_HOME/libが含まれている必要があります。

PATH$ORACLE_HOME/binが含まれている必要があります。

Microsoft Windows

PATH%ORACLE_HOME%\binが含まれている必要があります。


4.2.2.1 Windowsでの環境変数の作成

環境変数PATHORACLE_SIDおよびORACLE_HOMEが存在しない場合は、それらを作成して表4-1に指定されている値を割り当てる必要があります。Windowsシステムでは、環境変数を作成または変更するには管理者である必要があります。

次の手順に従って、Windowsで環境変数を作成または変更します。

  • Windows VistaおよびWindows 7:

    1. 「コンピューター」アイコンを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    2. 「システムの詳細設定」を選択します。

    3. 「詳細設定」タブで、「環境変数」を選択します。

    4. 環境変数を作成または変更します。

  • Windows XP:

    1. 「マイ コンピュータ」アイコンを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    2. 「詳細設定」タブで、「環境変数」を選択します。

    3. 環境変数を作成または変更します。

4.2.3 ユーザー要件

Oracle R Enterprise Serverをインストールするオペレーティング・システム・ユーザーは、表4-2の要件を満たす必要があります。

表4-2 Oracle R Enterprise Serverのインストール実行者のユーザー要件

プラットフォーム ユーザー要件

LinuxおよびUNIX

  • DBAグループのメンバーである必要があります。

  • $ORACLE_HOME/libへの書込み権限が必要です。

Microsoft Windows

  • 管理者のアクセス権が必要です。

  • ORA_DBAグループのメンバーである必要があります。

  • %ORACLE_HOME%\libの書込み権限が必要です。


4.2.3.1 オペレーティング・システム認証について

Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトでは、ORACLE_HOMEおよびORACLE_SIDによって識別されるデータベースへの接続にシステム認証が使用されます。システム認証は、データベース資格証明書ではなくユーザーのオペレーティング・システム資格証明書に基づいています。

たとえば、Linuxシステムでは、Oracle R Enterpriseのインストール・スクリプトで、次の文を使用してパスワードなしでSQL*Plusが起動されます。

$ORACLE_HOME/bin/sqlplus / as sysdba

特別なオペレーティング・システム・グループのメンバーシップによって、Oracle Databaseのシステム認証が行われます。このオペレーティング・システム・グループは、データベースのインストール時に作成され、インストール実行者のIDがグループに自動的に割り当てられます。グループの一般的な名前はOSDBAです。LinuxおよびUNIXでは、OSDBAの名称はDBAです。Windowsでは、OSDBAの名称はORA_DBAです。

Oracle R Enterprise ServerをインストールするユーザーはOSDBAに属している必要があります。


関連項目:

  • 『Oracle Database管理者ガイド』の「オペレーティング・システム認証について」

  • 『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』の「インストール時に有効化されるオペレーティング・システム認証」


4.3 LinuxまたはUNIXへのOracle R Enterprise Serverのインストール

このインストール手順は、第1.7項に示されているLinuxおよびUNIXプラットフォームを対象とします。

Oracle R Enterprise ServerをLinuxまたはUNIXにインストールするには、次の手順を実行します。

  1. システムが第4.2項「Oracle R Enterprise Serverの要件」で指定されている要件を満たしていることを確認します。

  2. ユーザーIDに第4.2.3項「ユーザー要件」で示されている権限があることを確認します。

  3. Oracle R Enterprise Serverコンポーネントのインストール・ディレクトリを作成します。ディレクトリには任意の名前を使用できます。例:

    ~/oreserver_install_dir
    
  4. Oracle Technology NetworkのOracle R Enterprise Downloadsページに移動します。

    http://www.oracle.com/technetwork/database/options/advanced-analytics/r-enterprise/ore-downloads-1502823.html

  5. ライセンス契約に同意して、「Oracle R Enterprise Downloads (v1.3.1)」を選択します。

  6. ご使用のプラットフォームの「Oracle R Enterprise Server Install for Oracle Database」を選択します。ファイルを、手順3で作成したインストール・ディレクトリに保存します。

    ~/oreserver_install_dir/ore-server-platform-arch-1.3.1.zip
    
  7. 次のようにして、ファイルを解凍します。

    % unzip ore-server-platform-arch-1.3.1.zip
    

    ファイルは、serverサブディレクトリに解凍されます。

    ~/oreserver_install_dir/server/
    
  8. serverサブディレクトリでインストール・スクリプトを実行します。

    % cd server/
    % ./install.sh
    
  9. プロンプトが表示されたら、RQSYSスキーマの永続表領域および一時表領域の場所を入力します。デフォルトではSYSAUXおよびTEMPが使用されます。


    ヒント:

    Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトで実行されるアクションの説明は、第4.1.3項を参照してください。

  10. Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトが終了したら、Client Supporting Packagesをインストールしてインストール作業を完了します。

    1. Oracle Technology NetworkのOracle R Enterprise Downloadsページに戻ります(手順4)。

    2. ライセンス契約に同意して、ご使用のプラットフォームの「Oracle R Enterprise Client Supporting Packages」を選択します。ファイルをインストール・ディレクトリに保存します。

      ~/oreserver_install_dir/ore-supporting-platform-arch-1.3.1.zip
      
    3. 次のようにして、ファイルを解凍します。

      % unzip ore-supporting-platform-arch-1.3.1.zip
      

      ファイルは、supportingサブディレクトリに解凍されます。

      ~/oreserver_install_dir/supporting/
      
    4. パッケージをインストールします。

      % cd supporting
      % ORE CMD INSTALL ROracle_1.1-9_R_x86_64-unknown-linux-gnu.tar.gz
      % ORE CMD INSTALL DBI_0.2-5_R_x86_64-unknown-linux-gnu.tar.gz
      % ORE CMD INSTALL png_0.1-4_R_x86_64-unknown-linux-gnu.tar.gz
      

      パッケージは$ORACLE_HOME/R/libraryにインストールされます。

  11. 第6.1項の手順に従って、Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザー・アカウントを作成および構成します。


関連項目:

LinuxサーバーおよびWindowsクライアントでのOracle R Enterpriseの一般的なインストール手順は、付録Aを参照してください。

4.3.1 LinuxまたはUNIXへの追加のRパッケージのインストール

LinuxおよびUNIXプラットフォームでは、Oracle R Enterprise ServerのインストールにOREスクリプトが用意されており、これをオペレーティング・システムのプロンプトから実行して追加のRパッケージをインストールできます。OREスクリプトは、Rのインストール・コマンド、R CMD INSTALLのラッパーです。

デフォルトでは、Rパッケージは/usr/lib64/R/libraryにインストールされます。ただし、OREスクリプトでは、Rパッケージが$ORACLE_HOME/R/libraryのサブディレクトリにインストールされます。

スクリプトを実行するには、次のコマンドを入力します。

% ORE CMD INSTALL R_package_name

4.4 Microsoft WindowsへのOracle R Enterprise Serverのインストール

このインストール手順は、表1-1に示されているようにMicrosoft Windows 64ビット・プラットフォームを対象とします。

Oracle R Enterprise ServerをWindowsにインストールするには、次の手順を実行します。

  1. システムが表4-2で指定されている要件を満たしていることを確認します。

  2. ユーザーIDに第4.2.3項「ユーザー要件」で示されている権限があることを確認します。

  3. Oracle R Enterprise Serverコンポーネントのインストール・ディレクトリを作成します。ディレクトリには任意の名前を使用できます。例:

    c:\oreserver_install_dir
    
  4. Oracle Technology NetworkのOracle R Enterprise Downloadsページに移動します。

    http://www.oracle.com/technetwork/database/options/advanced-analytics/r-enterprise/ore-downloads-1502823.html

  5. ライセンス契約に同意して、「Oracle R Enterprise Server Install for Oracle Database on Windows 64 bit platform」を選択します。ファイルを、手順3で作成したインストール・ディレクトリに保存します。

    c:\oreserver_install_dir\ore-server-win-x86_64-1.3.1.zip
    
  6. ファイルを解凍します。ファイルは、serverサブディレクトリに解凍されます。

    c:\oreserver_install_dir\server
    
  7. コマンド・ウィンドウで、serverサブディレクトリに移動してインストール・バッチ・ファイルを実行します。

    > cd c:\oreserver_install_dir\server
    > install.bat
    
  8. プロンプトが表示されたら、RQSYSスキーマの永続表領域および一時表領域の場所を入力します。デフォルトではSYSAUXおよびTEMPが使用されます。


    ヒント:

    Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトで実行されるアクションの説明は、第4.1.3項を参照してください。

  9. Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトが終了したら、Client Supporting Packagesをインストールしてインストール作業を完了します。

    1. Oracle Technology NetworkのOracle R Enterprise Downloadsページに戻ります(手順4)。

    2. ライセンス契約に同意して、「Oracle R Enterprise Client Supporting Packages for Windows Platform」を選択します。ファイルをインストール・ディレクトリに保存します。

      c:\oreserver_install_dir\ore-supporting-win-x86_64-1.3.1.zip
      
    3. ファイルを解凍します。ファイルは、supportingサブディレクトリに解凍されます。

      c:\oreserver_install_dir\supporting\
      
    4. Windowsの「スタート」メニューからRを起動します。32ビット版および64ビット版Rの両方をインストールしている場合は、64ビット版Rを選択してください。

      Rコンソール・ウィンドウが表示されます。

    5. 次に示すようにパッケージをインストールします。

      R> install.packages("c:/oreserver_install_dir/supporting/
                          ROracle_1.1-9.zip", repos=NULL)
      R> install.packages("c:/oreserver_install_dir/supporting/
                          DBI_0.2-5.zip", repos=NULL)
      R> install.packages("c:/oreserver_install_dir/supporting/
                          png_0.1-4.zip", repos=NULL)
      

      パッケージは$ORACLE_HOME/R/libraryにインストールされます。

  10. 第6.1項の手順に従って、Oracle R Enterpriseのユーザー・アカウントを作成および構成します。

4.5 Oracle Exadata Database MachineへのOracle R Enterprise Serverのインストール

Oracle Exadata Database Machineは、記憶域およびその他の機能とともに、複数の計算ノードで構成されます。各ノードでOracle Databaseがホストされます。

Oracle R Enterprise ServerをOracle Exadata Database Machineにインストールするには、次の手順に従います。

  1. ノードで、次の手順を実行します。

    • 第3.5項の説明に従って、Oracle R Distributionをインストールします。

    • 環境が、第4.2項に示されているとおりに構成されていることを確認します。環境変数は、各ノードで設定する必要があります。

    • 第4.3項の説明に従って、Oracle R Enterprise Serverをインストールします。

    • 第5.2項の説明に従って、Oracle R Enterprise Client Supporting Packagesをインストールします。

  2. 最初のノードでのみ、第6.1項の説明に従ってユーザーを作成します。

4.6 Oracle R Enterprise Serverのインストールの検証

Oracle R Enterprise Serverインストール・スクリプトによって、インストール・ディレクトリのserverサブディレクトリにログ・ファイルが作成されます。ログ・ファイルを調べて、インストール・プロセスが正常に終了していることを確認します。

LinuxまたはUNIXシステムでは、次のコマンドでログ・ファイルがリストされます。

% cd ./oreserver_install_dir/server
% ls *.log
rqinst.log  rqproc.log

インストールに問題があり、解決できない場合は、My Oracle Supportまたはthe Oracle R Enterpriseのディスカッション・フォーラムで助力を求めることができます。