Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド リリース1.3.1 for Windows, Linux, Solaris, and AIX E48234-03 |
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この章では、Oracle R Enterprise Serverをインストールする方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
Oracle R Enterprise Serverによって、Oracle DatabaseでOracle R Enterprise Clientがサポートされます。
Oracle R Enterprise Serverには次のものが含まれます。
RQSYS
スキーマ
Oracle Databaseによって使用されるライブラリ
Oracle R Enterpriseパッケージ(埋込みRの実行がサポートされます)
Oracle R Enterpriseには、サーバー・コンピュータに個別にインストールする必要のある複数のコンポーネントが含まれています。
Oracle R Enterprise Serverコンポーネントは、次の順序でインストールする必要があります。
Oracle Database Enterprise Edition
Oracle R Distributionまたはオープン・ソースR
Oracle R Enterprise Server(Oracle R Enterpriseパッケージを含む)
Oracle R Enterprise Client Supporting Packages
Oracle R Enterpriseのクライアントおよびサーバー・コンポーネントの説明を図1-2に示します。
Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトでは、次の手順が実行されます。
環境が確認されます。
Rがインストールされていることが確認されます。
libR.so
、libRblas.so
およびlibRlapack.so
ライブラリが$R_HOME/lib
に存在することが確認されます($R_HOME
が/usr/lib64/R
の場合)。
$ORACLE_HOME
および$ORACLE_SID
が設定されていることが確認されます。
SQL*Plusがsysdbaで起動され、ORACLE_SID
で指定されているデータベースに接続されます。
データベースで次の手順が実行されます。
DBA_USERS
にユーザーRQSYS
の存在を問い合せることにより、Oracle R Enterprise Serverがインストール済かどうかが判断されます。
RQSYS
が見つかった場合は、インストーラによりsys.rq_config
ファイルでOracle R Enterpriseのバージョンが確認されます。バージョン情報は、適切なPL/SQLパッケージをインストールするために、後でインストーラにより使用されます。
RQSYS
の永続表領域および一時表領域の場所の入力を求めるプロンプトが表示されます。デフォルトでは、表領域はSYSAUX
およびTEMP
に作成されます。
Oracle R Enterprise Serverのライブラリが$ORACLE_HOME/lib
にコピーされます。
RQSYS
スキーマが存在しない場合は、作成されます。
RQSYS
にオブジェクトが作成され、Oracle R Enterprise PL/SQLパッケージがインストールされます。
Oracle R Enterprise Client Packagesが$ORACLE_HOME/R/library
にインストールされます。
Oracle R Enterprise Serverをインストールする前に、次の要件を確認します。
オペレーティング・システムは、第1.7項で指定されている要件に準拠している必要があります。
Oracle Databaseは、第2章の説明に従ってインストールおよび構成される必要があります。
Rは、Chapter 3の説明に従って、インストールされる必要があります。
Oracle R Enterpriseは、64ビットのオペレーティング・システムでのみ実行されます。ご使用のWindowsシステムが64ビットかどうかを判断するには、次の手順を実行します。
Windows 7またはWindows Vista:
Windowsの「コントロール・パネル」で「システム」を選択します。
「システムの種類」が「64 ビット オペレーティング システム」であることを確認します。
Windows XP:
「スタート」メニューで、「マイ コンピュータ」を選択します。
「プロパティ」をクリックします。
「システム」タブで、システムが「x64 Edition」であることを確認します。
Oracle R Enterprise Serverをインストールする前に、環境変数が表4-1のように設定されていることを確認します。
表4-1 Oracle R Enterprise Server用の環境変数要件
プラットフォーム | 環境変数要件 |
---|---|
すべて |
|
Linux |
|
Oracle Solaris |
|
IBM AIX |
|
Microsoft Windows |
|
環境変数PATH
、ORACLE_SID
およびORACLE_HOME
が存在しない場合は、それらを作成して表4-1に指定されている値を割り当てる必要があります。Windowsシステムでは、環境変数を作成または変更するには管理者である必要があります。
次の手順に従って、Windowsで環境変数を作成または変更します。
Windows VistaおよびWindows 7:
「コンピューター」アイコンを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
「システムの詳細設定」を選択します。
「詳細設定」タブで、「環境変数」を選択します。
環境変数を作成または変更します。
Windows XP:
「マイ コンピュータ」アイコンを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
「詳細設定」タブで、「環境変数」を選択します。
環境変数を作成または変更します。
Oracle R Enterprise Serverをインストールするオペレーティング・システム・ユーザーは、表4-2の要件を満たす必要があります。
表4-2 Oracle R Enterprise Serverのインストール実行者のユーザー要件
プラットフォーム | ユーザー要件 |
---|---|
LinuxおよびUNIX |
|
Microsoft Windows |
|
Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトでは、ORACLE_HOME
およびORACLE_SID
によって識別されるデータベースへの接続にシステム認証が使用されます。システム認証は、データベース資格証明書ではなくユーザーのオペレーティング・システム資格証明書に基づいています。
たとえば、Linuxシステムでは、Oracle R Enterpriseのインストール・スクリプトで、次の文を使用してパスワードなしでSQL*Plusが起動されます。
$ORACLE_HOME/bin/sqlplus / as sysdba
特別なオペレーティング・システム・グループのメンバーシップによって、Oracle Databaseのシステム認証が行われます。このオペレーティング・システム・グループは、データベースのインストール時に作成され、インストール実行者のIDがグループに自動的に割り当てられます。グループの一般的な名前はOSDBAです。LinuxおよびUNIXでは、OSDBAの名称はDBA
です。Windowsでは、OSDBAの名称はORA_DBA
です。
Oracle R Enterprise ServerをインストールするユーザーはOSDBAに属している必要があります。
関連項目:
|
このインストール手順は、第1.7項に示されているLinuxおよびUNIXプラットフォームを対象とします。
Oracle R Enterprise ServerをLinuxまたはUNIXにインストールするには、次の手順を実行します。
システムが第4.2項「Oracle R Enterprise Serverの要件」で指定されている要件を満たしていることを確認します。
ユーザーIDに第4.2.3項「ユーザー要件」で示されている権限があることを確認します。
Oracle R Enterprise Serverコンポーネントのインストール・ディレクトリを作成します。ディレクトリには任意の名前を使用できます。例:
~/oreserver_install_dir
Oracle Technology NetworkのOracle R Enterprise Downloadsページに移動します。
ライセンス契約に同意して、「Oracle R Enterprise Downloads (v1.3.1)」を選択します。
ご使用のプラットフォームの「Oracle R Enterprise Server Install for Oracle Database」を選択します。ファイルを、手順3で作成したインストール・ディレクトリに保存します。
~/oreserver_install_dir/ore-server-platform-arch-1.3.1.zip
次のようにして、ファイルを解凍します。
% unzip ore-server-platform-arch-1.3.1.zip
ファイルは、server
サブディレクトリに解凍されます。
~/oreserver_install_dir/server/
server
サブディレクトリでインストール・スクリプトを実行します。
% cd server/ % ./install.sh
プロンプトが表示されたら、RQSYS
スキーマの永続表領域および一時表領域の場所を入力します。デフォルトではSYSAUX
およびTEMP
が使用されます。
Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトが終了したら、Client Supporting Packagesをインストールしてインストール作業を完了します。
Oracle Technology NetworkのOracle R Enterprise Downloadsページに戻ります(手順4)。
ライセンス契約に同意して、ご使用のプラットフォームの「Oracle R Enterprise Client Supporting Packages」を選択します。ファイルをインストール・ディレクトリに保存します。
~/oreserver_install_dir/ore-supporting-platform-arch-1.3.1.zip
次のようにして、ファイルを解凍します。
% unzip ore-supporting-platform-arch-1.3.1.zip
ファイルは、supporting
サブディレクトリに解凍されます。
~/oreserver_install_dir/supporting/
パッケージをインストールします。
% cd supporting % ORE CMD INSTALL ROracle_1.1-9_R_x86_64-unknown-linux-gnu.tar.gz % ORE CMD INSTALL DBI_0.2-5_R_x86_64-unknown-linux-gnu.tar.gz % ORE CMD INSTALL png_0.1-4_R_x86_64-unknown-linux-gnu.tar.gz
パッケージは$ORACLE_HOME/R/library
にインストールされます。
第6.1項の手順に従って、Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザー・アカウントを作成および構成します。
LinuxおよびUNIXプラットフォームでは、Oracle R Enterprise ServerのインストールにORE
スクリプトが用意されており、これをオペレーティング・システムのプロンプトから実行して追加のRパッケージをインストールできます。ORE
スクリプトは、Rのインストール・コマンド、R CMD INSTALL
のラッパーです。
デフォルトでは、Rパッケージは/usr/lib64/R/library
にインストールされます。ただし、ORE
スクリプトでは、Rパッケージが$ORACLE_HOME/R/library
のサブディレクトリにインストールされます。
スクリプトを実行するには、次のコマンドを入力します。
% ORE CMD INSTALL R_package_name
このインストール手順は、表1-1に示されているようにMicrosoft Windows 64ビット・プラットフォームを対象とします。
Oracle R Enterprise ServerをWindowsにインストールするには、次の手順を実行します。
システムが表4-2で指定されている要件を満たしていることを確認します。
ユーザーIDに第4.2.3項「ユーザー要件」で示されている権限があることを確認します。
Oracle R Enterprise Serverコンポーネントのインストール・ディレクトリを作成します。ディレクトリには任意の名前を使用できます。例:
c:\oreserver_install_dir
Oracle Technology NetworkのOracle R Enterprise Downloadsページに移動します。
ライセンス契約に同意して、「Oracle R Enterprise Server Install for Oracle Database on Windows 64 bit platform」を選択します。ファイルを、手順3で作成したインストール・ディレクトリに保存します。
c:\oreserver_install_dir\ore-server-win-x86_64-1.3.1.zip
ファイルを解凍します。ファイルは、server
サブディレクトリに解凍されます。
c:\oreserver_install_dir\server
コマンド・ウィンドウで、server
サブディレクトリに移動してインストール・バッチ・ファイルを実行します。
> cd c:\oreserver_install_dir\server
> install.bat
プロンプトが表示されたら、RQSYS
スキーマの永続表領域および一時表領域の場所を入力します。デフォルトではSYSAUX
およびTEMP
が使用されます。
Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトが終了したら、Client Supporting Packagesをインストールしてインストール作業を完了します。
Oracle Technology NetworkのOracle R Enterprise Downloadsページに戻ります(手順4)。
ライセンス契約に同意して、「Oracle R Enterprise Client Supporting Packages for Windows Platform」を選択します。ファイルをインストール・ディレクトリに保存します。
c:\oreserver_install_dir\ore-supporting-win-x86_64-1.3.1.zip
ファイルを解凍します。ファイルは、supporting
サブディレクトリに解凍されます。
c:\oreserver_install_dir\supporting\
Windowsの「スタート」メニューからRを起動します。32ビット版および64ビット版Rの両方をインストールしている場合は、64ビット版Rを選択してください。
Rコンソール・ウィンドウが表示されます。
次に示すようにパッケージをインストールします。
R> install.packages("c:/oreserver_install_dir/supporting/ ROracle_1.1-9.zip", repos=NULL) R> install.packages("c:/oreserver_install_dir/supporting/ DBI_0.2-5.zip", repos=NULL) R> install.packages("c:/oreserver_install_dir/supporting/ png_0.1-4.zip", repos=NULL)
パッケージは$ORACLE_HOME/R/library
にインストールされます。
第6.1項の手順に従って、Oracle R Enterpriseのユーザー・アカウントを作成および構成します。
Oracle Exadata Database Machineは、記憶域およびその他の機能とともに、複数の計算ノードで構成されます。各ノードでOracle Databaseがホストされます。
Oracle R Enterprise ServerをOracle Exadata Database Machineにインストールするには、次の手順に従います。
Oracle R Enterprise Serverインストール・スクリプトによって、インストール・ディレクトリのserverサブディレクトリにログ・ファイルが作成されます。ログ・ファイルを調べて、インストール・プロセスが正常に終了していることを確認します。
LinuxまたはUNIXシステムでは、次のコマンドでログ・ファイルがリストされます。
% cd ./oreserver_install_dir/server
% ls *.log
rqinst.log rqproc.log
インストールに問題があり、解決できない場合は、My Oracle Supportまたはthe Oracle R Enterpriseのディスカッション・フォーラムで助力を求めることができます。
My Oracle Support — https://support.oracle.com
Oracle R Enterpriseのフォーラム— https://forums.oracle.com/community/developer/english/business_intelligence/data_warehousing/r