Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド リリース1.3.1 for Windows, Linux, Solaris, and AIX E48234-03 |
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この章では、Oracle R Enterpriseの保守及び最適化のための管理タスクについて説明します。この章の内容は次のとおりです。
Oracleウォレットは、Oracle Databaseのセキュリティ資格証明書の格納に使用する、パスワードで保護されたコンテナです。ウォレットを使用することで、埋込みRスクリプトで接続の詳細を指定するためのセキュアなメカニズムが得られます。
Oracle R Enterprise接続のウォレットを作成するには、次の手順を実行します。
Oracle Wallet Managerを起動します。
(LinuxおよびUNIXの場合)コマンド・ラインでowm
と入力します。
(Windowsの場合)「スタート」→「プログラム」→「Oracle - HOME_NAME」→「Integrated Management Tools」→「Wallet Manager」の順に選択します。
ご使用のOracle Databaseのドキュメントの手順に従って、ウォレットを作成します。
Oracle Database 11.2の場合は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』のOracle Wallet Managerの使用に関する項を参照してください。
Oracle Database 12.1の場合は、『Oracle Databaseエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ管理者ガイド』のOracle Wallet Managerの使用に関する項を参照してください。
tnsnames.ora
で、Oracle R Enterprise用の接続文字列を探します。例:
mydb_test = (DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP) (HOST = server23) (PORT = 1521) ) (CONNECT_DATA = (sid=ORCL)) )
ウォレットに接続情報を指定します。手順2で参照されているOracle Databaseのセキュリティに関するドキュメントの手順に従います。
ウォレットを構成した後は、接続識別子を指定するだけで、Oracle R Enterprise Serverのデータベースに接続できます。例:
ore.connect(conn_string = "mydb_test", all = TRUE)
関連項目: ore.connect の詳細は、Rのヘルプを参照してください。 |
Rのgc
メカニズムで自動的に管理されるヒープ・メモリー(R用語でのベクトルとコンス)を制限することによって、埋込みRの実行で使用されるメモリーを制御できます。データベースでヒープ・メモリーのサイズを制限するには、sys.rqconfigset
ユーティリティを使用します。sys.rqconfigset
のキーワード引数を、表7-1に示します。
表7-1 SYS.RQCONFIGSETのキーワード引数
キーワード | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|
|
32MB |
最小のRベクター・ヒープ・メモリー |
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4GB |
最大のRベクター・ヒープ・メモリー |
|
1M |
Rコンス・セルの最小値 |
|
20M |
Rコンス・セルの最大値 |
例7-1 埋込みRで使用されるメモリのSYS.RQCONFIGSETを使用した制御
-- Set the minimum R vector heap memory to 20MB SQL> EXEC sys.rqconfigset('MIN_VSIZE', '20MB'); -- Set the maximum R vector heap memory to 100MB SQL> EXEC sys.rqconfigset('MAX_VSIZE', '100MB') -- Set the minimum number of R cons cells to 500x1024 SQL> EXEC sys.rqconfigset('MIN_NSIZE', '500K'); -- Set the maximum number of R cons cells to 10x10x1024 SQL> EXEC sys.rqconfigset('MAX_NSIZE', '10MB'); -- Set maximum vector heap memory and maximum cons cells to unlimited SQL> EXEC sys.rqconfigset('MAX_VSIZE', NULL); SQL> EXEC sys.rqconfigset('MAX_NSIZE', NULL);
注意: sys.rqconfigset プロシージャでは、Calloc、Realloc、callocまたはmallocによって割り当てられる場合のあるCタイプのメモリーを制御できません。Cタイプのメモリーは、Cで実装されるRの関数により使用される、一時的な値を保存するために作成されます。通常、Cタイプのメモリーのサイズは限定的であるため、Rのメモリー使用量に著しく影響することはありません。 |
Oracle R Enterpriseを再インストールすることで、以前のリリースから現在のリリースにアップグレードできます。
IBM AIXに関する注意: Oracle R Enterprise 1.1からのアップグレードはIBM AIXでサポートされていません。IBM AIXでOracle R Enterprise 1.1をアップグレードするには、まずOracle R Enterprise 1.1を(Rを含めて)アンインストールした後、新しいバージョンをダウンロードしてインストールします。 |
Oracle R Enterpriseをアップグレードするには次の手順を実行します。
新しいバージョンのOracle R Enterpriseに必要なバージョンのRがインストールされていることを確認します。最新の要件は、『Oracle R Enterpriseリリース・ノート』を参照してください。
Rをインストールするには、第3章「Rのインストール」の手順に従います。
Oracle R Enterprise Serverをアップグレードするには、次のインストール手順に従います。インストール・スクリプトによって旧バージョンのOracle R Enterpriseが検出された場合は、アップグレードするかどうかを確認されます。No
を選択するとプロセスが終了し、Yes
を選択するとアップグレードが開始されます。
Oracle R Enterprise Serverのインストール手順は、第4章を参照してください。
Oracle R Enterprise Clientをアップグレードするには、Client PackagesおよびClient Supporting Packagesを再インストールします。新しいパッケージをインストールする前に現在のパッケージをアンインストールする必要はありません。
Oracle R Enterprise Clientのインストール手順は、第5章を参照してください。
Oracle R Enterpriseをアンインストールするには、次のトピックの手順に従います。
アンインストール・スクリプトは、server
ディレクトリのOracle R Enterprise Serverのファイルに含まれています。このスクリプトによって、$ORACLE_HOME/lib
にインストールされたライブラリが削除され、Oracle R Enterprise Serverのインストールによって作成されたすべてのデータベース・オブジェクトが削除されます。
アンインストール・スクリプトを実行するユーザーは、第4.2.3項「ユーザー要件」に指定されている要件を満たしている必要があります。
Linuxシステムでは、次の手順に従ってOracle R Enterprise Serverをアンインストールします。
% cd download_path
/server/
% ./uninstall.sh
Oracle R Enterprise Client PackagesおよびClient Supporting Packagesをアンインストールするには、Rを起動して次のコマンドを入力します。
R> remove.packages("ORE") R> remove.packages("ORExml") R> remove.packages("OREeda") R> remove.packages("OREgraphics") R> remove.packages("OREstats") R> remove.packages("OREbase") R> remove.packages("ROracle") R> remove.packages("DBI") R> remove.packages("png") R> remove.packages("OREdm") R> remove.packages("OREpredict")
Rをアンインストールするには、次のトピックの手順に従います。
Windowsの「コントロール パネル」の「プログラムの追加と削除」を使用して、他のWindowsプログラムのアンインストールと同様にオープン・ソースのRをアンインストールします。
Oracle R DistributionをLinuxからアンインストールするには、rootでログインし、次のコマンドをこの順序どおりに実行します。異なるバージョンのRをアンインストールする場合は、2.15.3
をそのバージョン番号で置き換えます。
# rpm -e R-2.15.3 # rpm -e R-devel # rpm -e R-core # rpm -e libRmath-devel # rpm -e libRmath
Oracle SolarisでOracle R Distributionをアンインストールするには、Oracle Technology NetworkのOracle R Distributionのダウンロード・ページのREADMEに記載されている手順に従います。
Oracle SolarisにおけるOracle R Distributionのインストール・ディレクトリには、アンインストール・スクリプトが含まれています。rootでログインして、次のスクリプトを実行します。
# ./uninstall.sh
IBM AIXでOracle R Distributionをアンインストールするには、Oracle Technology NetworkのOracle R Distributionのダウンロード・ページのREADMEに記載されている手順に従います。
すべてのファイル・セットをアンインストールするには、rootで次のコマンドを実行します。
# installp -u ORD
ファイル・セットを単独でアンインストールすることもできます。たとえば、次のコマンドを実行すると、ORD.dev
およびORD.core
のみがアンインストールされます。
# installp -u ORD.devel # installp -u ORD.core