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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Linux
B56271-15
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4 クラスタ用Oracle Grid Infrastructureのインストール

この章では、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureをインストールする手順について説明します。Oracle Grid Infrastructureは、Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)で構成されます。後でOracle DatabaseおよびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)をインストールする場合、このフェーズは2つあるインストール・フェーズの1つとなります。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 OUIを使用してOracle Grid Infrastructureをインストールするための準備

インストーラを使用してOracle Grid Infrastructureをインストールする前に、次のチェックリストを使用して、インストール中に必要なすべての情報が揃っていること、およびインストールを開始する前に実行しておく必要があるすべての作業が完了していることを確認します。次に示す各作業を完了するたびにチェック・マークを付け、インストール中に使用できるように必要な情報を書き込みます。

  • 実行中のOracleプロセスを停止する

    実行中のOracleプロセスを停止する必要がある場合があります。

    Oracle ASMを使用していないスタンドアロンのデータベースが存在するノードにインストールする場合: Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストールの間、データベースを停止する必要はありません。

    Oracle ASM上で実行しているスタンドアロンのOracle Database 11gリリース2(11.2)インストールがすでに存在するノードにインストールする場合: 既存のOracle ASMインスタンスを停止します。Oracle ASMインスタンスは、インストール中に再起動されます。

    Oracle RAC Databaseノードにインストールする場合: このインストールでは、Oracle ClusterwareがOracle RACを実行する必要があるため、Oracle Clusterwareのアップグレードが必要です。アップグレードの一環として、データベースを停止する必要がありますが、その際、一度に1ノードずつ停止します。これは、ローリング・アップグレードがノードからノードへと実行されるためです。


    注意:

    Oracle RAC 9iリリース2 (9.2)ノードをOracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (リリース11.2.0.1および11.2.0.2)にアップグレードし、TNSLSNRがSCANと同じポートをリスニングしている場合、TNSLSNRを停止する必要があります。

    Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.3)以降にアップグレードしている場合は、この問題を無視できます。


    Oracle9iリリース9.2以前のグローバル・サービス・デーモン(GSD)が実行されている場合は、まずそれを停止し、次のコマンドを実行してOracle Grid Infrastructureをインストールします。

    $ Oracle_home/bin/gsdctl stop
    

    Oracle_homeは、GSDが実行されているOracle Databaseのホームです。


    注意:

    Oracle9iリリース2(9.2)の既存のOracle Cluster Manager(Oracle CM)がインストールされている場合、Oracle CMサービスは停止しないでください。停止すると、Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2(11.2)のソフトウェアでOracle9iリリース2のノード・リストを検出できなくなり、Oracle Grid Infrastructureのインストールが失敗する原因になります。


    注意:

    Oracle Universal Installer(OUI)を起動した後にすべてのOracleサービスの停止を要求する警告が表示された場合は、次のコマンドを入力します。
    Oracle_home/bin/localconfig delete
    

    Oracle_homeは既存のOracle Clusterwareホームです。


  • Oracle Automatic Storage ManagementおよびOracle Clusterwareのインストール環境がすでにある場合は、そのアップグレードを準備する

    Oracle Grid Infrastructureのインストール中に、既存のOracle Clusterwareおよびクラスタ化されたOracle ASMインストールの両方がアップグレードされます。

    クラスタ内のすべてのメンバー・ノードでOracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)が実行されている場合は、新しいクラスタウェアがアクティブなバージョンになります。

    Oracle RACをインストールする場合は、最初にすべてのクラスタ・ノードでOracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)へのアップグレードを完了してから、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)バージョンのOracle RACをインストールする必要があります。


    注意:

    Oracle Grid Infrastructureのアップグレード(Oracle ClusterwareおよびOracle ASMの既存のインストール環境のアップグレード)は、すべてアウトオブプレース・アップグレードです。

  • Oracle Inventory(oraInventory)の位置を指定する

    システムにすでにOracleソフトウェアがインストールされている場合は、OUIによって既存のOracle Inventory(oraInventory)ディレクトリが/etc/oraInst.locファイルから検出され、この位置が使用されます。このディレクトリは、システムにインストールされているOracleソフトウェアの中央インベントリです。プライマリ・グループがOracle Inventoryグループであるユーザーは、中央インベントリに書込みできるOINSTALL権限が付与されます。

    Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールする際にoraInventoryディレクトリがシステムに存在しない場合、インストール所有者のプライマリ・グループはOracle Inventoryグループになります。使用するOracleソフトウェア・インストール所有者のすべてが、このグループをプライマリ・グループとして利用できることを確認します。


    注意:

    oraInventoryディレクトリは、共有ファイル・システム上に配置することはできません。


    関連項目:

    Oracle Inventoryの作成方法および必要なシステム構成の設定方法については、第2章のインストール前の手順に関する章を参照してください。

  • rootアカウントへのアクセス権を取得する

    インストール中に、rootユーザーとして構成スクリプトを実行する必要があります。これらのスクリプトは、rootユーザーとして実行するか、またはシステム管理者に実行を依頼する必要があります。最初のノードでroot.shスクリプトを実行し、完了するまで待機する必要があります。クラスタに4つ以上のノードが存在する場合、最初と最後のノードを除いて、すべてのノードでroot.shを同時に実行することができます。

  • 他の言語をインストールするかどうかを決定する

    インストール中に、ユーザー・インタフェースのテキストをデフォルト(英語)以外の言語に翻訳するかどうかを選択します。


    注意:

    オペレーティング・システムの言語セットがインストーラでサポートされていない場合、インストーラは、デフォルトでは英語で実行されます。


    関連項目:

    キャラクタ・セットおよび言語設定の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。

  • クラスタ名、パブリック・ノード名、SCAN、仮想ノード名、GNS VIP、およびクラスタ内の各ノードのインタフェース使用計画を指定する

    インストール中、他社のクラスタ・ソフトウェアを使用していないかぎり、パブリック・ホスト名および仮想ホスト名を提供するように求められます。その場合は、パブリック・ホスト名の情報を入力します。また、どのインタフェースがパブリックまたはプライベートなのか、あるいは別の目的(ネットワーク・ファイル・システムなど)で使用されるインタフェースなのか、指定するように求められます。

    グリッド・ネーミング・サービス(GNS)を使用している場合、パブリック・ホスト名および仮想ホスト名のアドレスは自動的に構成されるため、OUIはこれらのアドレスにAUTOと表示します。


    注意:

    IPアドレスを手動で構成した場合は、Oracle Grid Infrastructureをインストールした後で、ドメイン修飾子の追加や削除も含め、ホスト名を変更しないでください。新しいホスト名を持つノードは、新しいホストと見なされるので、クラスタに追加する必要があります。古い名前のノードは、クラスタから削除されるまで、停止状態で表示されます。

    パブリック・ノード名の入力には、各ノードのプライマリ・ホスト名を使用します。この名前は、hostnameコマンドによって表示される名前です。

    さらに、次の処理を実行します。

    • 次の特性を持ったクラスタ名を指定します。

      • ホスト・ドメイン内でグローバルに一意である。

      • 1文字以上、15文字以下である。

      • RFC 1123に準拠して、ホスト名に使用されるキャラクタ・セット(ハイフン(-)およびシングルバイト英数字(aからz、AからZ、および0から9)を含む)と同じキャラクタ・セットで構成されている。他社ベンダーのクラスタウェアを使用する場合は、そのベンダーのクラスタ名を使用することをお薦めします。

    • グリッド・ネーミング・サービス(GNS)を使用していない場合は、各ノードに仮想ホスト名を指定します。仮想ホスト名は、パブリック・ノード名で、ノードが停止している場合にノードに送信されるクライアントの要求を再ルーティングするために使用されます。Oracle Databaseでは、クライアントとデータベース間の接続にVIPを使用するため、VIPアドレスはパブリックにアクセス可能である必要があります。名前はhostname-vip形式で指定することをお薦めします。たとえば、myclstr2-vipです。

    • クラスタへのクライアント・アクセス用のSCANアドレスを指定します。このアドレスは、ドメイン・ネーム・サービス(DNS)にラウンド・ロビン・アドレスとして構成してください。SCANアドレスは、3つ指定することをお薦めします。


      注意:

      次に、ノードIPアドレスに関する追加情報を示します。
      • ローカル・ノードの場合のみ、OUIによってパブリックおよびVIPフィールドが自動的に書き込まれます。システムでベンダーのクラスタウェアが使用されている場合は、OUIにより追加のフィールドが書き込まれることがあります。

      • ホスト名および仮想ホスト名は、ドメイン修飾されません。インストール中にアドレス・フィールドにドメインを入力すると、そのドメインは、OUIによってアドレスから削除されます。

      • プライベートIPアドレス用にプライベートとして指定したインタフェースは、パブリック・インタフェースとしてアクセスできないようにする必要があります。キャッシュ・フュージョンにパブリック・インタフェースを使用すると、パフォーマンスの問題が発生する可能性があります。


    • パブリック・インタフェースおよびプライベート・インタフェースを指定します。OUIは、パブリックIPアドレスおよび仮想IPアドレスによって使用されるようにパブリック・インタフェースを構成し、プライベートIPアドレスをプライベート・インタフェース上に構成します。

      プライベート・インタフェースが使用するプライベート・サブネットは、クラスタ・メンバーにする予定のすべてのノードに接続する必要があります。

  • ネットワーク上にプロキシ・レルムがある場合は、プロキシ・レルムの認証情報を取得する

    インストール時に、OUIによって更新のダウンロードが試行されます。プロキシ・サービスを介してインターネットにアクセスするために、プロキシ・レルムおよびユーザー認証情報を入力するように求められます。プロキシ・レルムを構成済の場合は、この情報を入力する準備をしておきます。プロキシ・レルムがない場合は、プロキシ認証のフィールドを空白のままにできます。

  • Oracle Clusterwareファイル用の共有記憶域を指定し、記憶域を準備する(必要な場合)

    インストール中に、次のOracle Clusterwareファイルのパスを指定するように求められます。これらのファイルは、クラスタのすべてのノードで共有し、Oracle ASMまたはサポートされているファイル・システム上のいずれかに存在する必要があります。

    • 投票ディスクは、Oracle Clusterwareでクラスタ・ノードのメンバーシップおよび状態の検証に使用されるファイルです。

      投票ディスク・ファイルは、インストールを実行しているユーザー(oracleまたはgrid)が所有し、権限が640に設定されている必要があります。

    • Oracle Cluster Registryファイル(OCR)には、Oracle Clusterwareのクラスタおよびデータベースの構成情報が含まれます。

      インストールを始める前に、OCRファイルは、インストールを実行するユーザー(gridまたはoracle)が所有している必要があります。そのインストール・ユーザーのプライマリ・グループはoinstallである必要があります。インストール中、OUIによってOCRファイルの所有権がrootに変更されます。

    ファイル・システムに外部記憶域の冗長性が適用されていない場合は、OCRディスク用に2つ、投票ディスク用に2つの場所を追加し、合計6つのパーティション(OCR用に3つ、投票ディスク用に3つ)を確保することをお薦めします。冗長性のある記憶域の場所を作成すると、障害の発生時にOCRおよび投票ディスクが保護されます。クラスタを完全に保護するには、OCRおよび投票ディスクのコピーを格納する記憶域の場所について、そのパス、コントローラおよびディスクを完全に別にして、複数の記憶域の場所に影響するシングル・ポイント障害がないようにする必要があります。

    OCRをOracle ASM上に格納するように選択した場合、デフォルト構成では、OCRは1つのOracle ASMディスク・グループとして作成されます。標準冗長または高冗長でディスク・グループを作成した場合は、OCRは物理ディスク障害から保護されます。

    OCRを論理ディスク障害から保護するには、インストール後に別のOracle ASMディスク・グループを作成し、ocrconfigコマンドを使用してOCRをこの2つ目のディスク・グループに追加します。


    関連項目:

    ディスク・グループへのディスクの追加については、第2章「クラスタ用Oracle Grid Infrastructureの拡張インストールのインストール前作業」および『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

  • インストール中にcronジョブが実行されないことを確認する

    日常のcronジョブが開始するときにインストーラが実行中の場合、インストールの完了前にcronジョブによるクリーンアップが実行されて一時ファイルが削除されると、予期しないインストールの問題が発生することがあります。日常のcronジョブを実行する前にインストールを完了するか、インストールが完了するまで、クリーンアップを行う日常のcronジョブを無効にすることをお薦めします。

  • IPMI構成を完了し、IPMI管理者アカウント情報を用意する

    IPMIを使用する場合は、BMCインタフェースが構成されていることを確認し、インストール時の指示に従って管理アカウントのユーザー名およびパスワードを指定できるように用意します。

    非標準のインストールで、インストール後に1つ以上のノード構成の変更が必要な場合は(たとえば、クラスタ・ノード上のBMCインタフェースの管理者のユーザー名およびパスワードを別のものにする場合は)、インストール後にBMCインタフェースを構成し直すかどうかや、IPMI管理者アカウント情報を変更するかどうかを決定します。

  • Oracle Grid Infrastructureホームに選択するOracleホームのパスに、ASCII文字のみが使用されていることを確認する

    この制限には、ホームのパスによってはデフォルト名に使用されるインストール所有者ユーザー名に加えて、パスに選択する可能性があるその他のディレクトリ名も含まれます。

  • Oracle環境変数の設定を削除する。環境変数にORA_CRS_HOMEを設定した場合は、インストールまたはアップグレードを開始する前に、その設定を削除します。ORA_CRS_HOMEをユーザー環境変数に使用しないでください。

    システムに既存のインストール環境があり、同じユーザー・アカウントを使用して今回のインストールを行う場合、次の環境変数ORA_CRS_HOMEORACLE_HOMEORA_NLS10TNS_ADMINの設定を削除します。

  • ソフトウェア更新オプションを使用するかどうかを決定する。OUIでは、重要なパッチ更新、サポートされているオペレーティング・システムのシステム要件の更新(ハードウェア、オペレーティング・システム・パラメータおよびカーネル・パッケージ)、およびインストールをスムーズに行うためのその他の重要な更新をインストールすることができます。インストール時はソフトウェア更新を有効にすることをお薦めします。

    ソフトウェア更新を有効にする場合は、OUIで最新の更新をダウンロードするためにインストール中にMy Oracle Supportの有効なユーザー名とパスワードを指定する必要があります。または、すでにダウンロード済のソフトウェア更新パッケージの場所へのパスを指定する必要があります。

    保護されたデータ・センターでインストールを実行する場合は、更新ダウンロード・モードでインターネットにアクセスできるシステムでOUIを起動することによって、インストールを開始する前に更新をダウンロードできます。OUIを起動して更新をダウンロードするには、次のコマンドを入力します。

    $ ./runInstaller -downloadUpdates
    

    My Oracle Supportのユーザー名とパスワード、および必要に応じてプロキシ設定を指定します。更新をダウンロードした後、インストールを実行するサーバー上のディレクトリに更新ファイルを転送します。

4.2 IBM: Linux on System zへのOracle Clusterwareのインストール準備

IBM: Linux on System zではDVD-ROMドライブを直接接続できないため、DVD-ROMドライブをサポートするシステムのハード・ディスクにディスクからインストール・ファイルをコピーするか、Oracle Technology NetworkのWebサイトからシステムにインストール・ファイルをダウンロードする必要があります。

http://www.oracle.com/technology/software

別のシステムにインストール・ファイルをコピーする場合は、次のようにします。

ディスクごとに、Disknという名前のディレクトリを作成し(nはディスク番号)、ディスクからそのディレクトリにファイルをコピーします。

インストール・ファイルをコピーした後、次のいずれかの方法で、IBM: Linux on System zにあるそれらにアクセスできます。

  • IBM: Linux on System zにインストール・ファイルをコピーします(たとえば、FTPを使用)。

  • NFSやSambaなどの方法で、インストール・ファイルを含むファイル・システムをIBM: Linux on System zで使用可能にします。


注意:

IBM: Linux on System zサーバーでは、ブロック・サイズの互換性の問題により、Oracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.1以上用にSCSIストレージ・デバイスおよびファイバ・チャネル・プロトコル(FCP)でASMLIBを使用できません。

4.3 Oracle Grid Infrastructureのインストール

この項では、インストーラを使用してOracle Grid Infrastructureをインストールする方法について説明します。内容は次のとおりです。

4.3.1 OUIの実行によるOracle Grid Infrastructureのインストール

クラスタにOracle Grid Infrastructure(Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management)をインストールするには、次の手順を実行します。インストール中に、求められている操作に対して疑問がある場合は、OUIページの「ヘルプ」ボタンをクリックします。

  1. インストール・メディア上の/Disk1ディレクトリか、インストールのバイナリをダウンロードした場所に移動し、runInstallerコマンドを実行します。次に例を示します。

    $ cd /home/grid/oracle_sw/Disk1
    $ ./runInstaller
    
  2. 「標準」または「詳細」インストールを選択します。

  3. OUIのプロンプトが表示されたら、情報を入力するか、またはrootとしてスクリプトを実行します。インストール手順の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。 「詳細」をクリックしてログファイルを確認します。いずれかのノードでroot.shが失敗する場合は、問題を修正してから第6.5項「バイナリを削除せずに行うOracle Clusterwareの構成解除」の手順に従い、そのノードでroot.shを再実行して続行します。


    注意:

    最初のノードでroot.shスクリプトを実行し、完了するまで待機する必要があります。クラスタに4つ以上のノードが存在する場合、最初と最後のノードを除いて、すべてのノードでroot.shを同時に実行することができます。最後のノードでは、最初のノードと同様に、root.shスクリプトを個別に実行する必要があります。

  4. すべてのノードでroot.shを実行すると、OUIによってNet Configuration Assistant(netca)およびクラスタ検証ユーティリティが起動されます。これらのプログラムはユーザーの介入なしに起動されます。

  5. Oracle Automatic Storage Managementコンフィギュレーション・アシスタント(asmca)によって、インストール中にOracle ASMが構成されます。

Oracle Grid Infrastructureのインストールが正常に完了したことが検証されると、他のアプリケーションの高可用性を維持するために使用するか、またはOracle Databaseをインストールできます。

次に、インストールに関する追加情報を示します。

  • Linuxシステムにインストールする場合は、ASMライブラリ・ドライバ(ASMLIB)を使用することになります。インストール時に、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)を選択してください。これを選択すると、Oracle ASMのデフォルト検出によって、ASMLIBがOracle ASMディスクとしてマーキングしたすべてのディスクが検出されます。

  • Oracle Database 11g リリース2 (11.2)およびOracle RACをインストールする場合は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。


    関連項目:

    Oracle Grid Infrastructureのクローニングについては『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を、クローニングの使用、およびOracle RACノードを追加するためのノード追加手順については『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

  • Oracle Grid Infrastructureのインストール時にroot.shを実行すると、ディレクトリgrid_home/tfaに、トレース・ファイル(TF)アナライザおよびコレクタもインストールされます。


    関連項目:

    トレース・ファイル・アナライザおよびコレクタの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

4.3.2 クラスタ構成ファイルを使用したOracle Grid Infrastructureのインストール

Oracle Grid Infrastructureのインストール時には、クラスタ構成情報を手動で指定するか、クラスタ構成ファイルを使用するかを選択できます。クラスタ構成ファイルはテキスト・ファイルで、OUIを起動する前に作成でき、このファイルによって、クラスタの構成に必要なクラスタ・ノード・アドレスがOUIに提供されます。

テスト・クラスタへのインストールを繰り返し実行する場合、または多数のノードでインストールを実行する場合は、クラスタ構成ファイルの使用をお薦めします。

クラスタ構成ファイルを手動で作成するには、テキスト・エディタを起動し、各クラスタ・メンバー・ノードのパブリックIPアドレスと仮想IPアドレスの名前を提供するファイルを次の形式で作成します。

node1 node1-vip 
node2 node2-vip
.
.
.

次に例を示します。

mynode1 mynode1-vip
mynode2 mynode2-vip

4.4 ソフトウェアのみのインストールを使用したOracle Grid Infrastructureのインストール

この項の内容は次のとおりです。


注意:

ソフトウェアのみのインストールにはOracle Grid Infrastructureソフトウェアを有効にするための手動のインストール後の手順が必要なため、上級ユーザーのみが実行することをお薦めします。

ソフトウェアのみのインストールでは、1つのノードでクラスタ用Oracle Grid Infrastructureをインストールします。

インストール時に「グリッド・インフラストラクチャ・ソフトウェアのみのインストール」オプションを使用した場合は、ローカル・ノードにソフトウェア・バイナリがインストールされます。クラスタのインストールを完了するには、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMを構成し、ローカル・インストールのクローンを作成し、他のノードにこのクローンをデプロイした後、他のノードをクラスタに追加する追加の手順を実行する必要があります。


参照:

Oracle Grid Infrastructureインストールを他のノードにクローニングして、クラスタに追加する方法については、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

4.4.1 ソフトウェア・バイナリのインストール

ソフトウェアのみのインストールを行うには、次の手順を実行します。

  1. ローカル・ノードで、runcluvfy.sh stage -pre crsinstコマンドを使用して、クラスタ・ノードがインストール要件を満たしていることを検証します。すべての記憶域およびサーバーのインストール前要件が満たされていることを確認してください。

  2. Oracle Database 11gリリース2 (11.2)のインストール・メディア上の関連ディレクトリまたはダウンロード・ディレクトリで、runInstallerコマンドを実行します。次に例を示します。

    $ cd /home/grid/oracle_sw/Disk1
    $ ./runInstaller
    
  3. 最初のノードで、Oracle Grid Infrastructureのソフトウェアのみのインストールを完了します。

  4. ソフトウェアがインストールされたら、プロンプトに従ってorainstRoot.shスクリプトを実行します。

  5. Oracle RACリリース11.2.0.2以上でのインストールの場合は、手順6に進みます。Oracle RACリリース11.2.0.1でのインストールの場合、Oracle RACオプションが有効になっているOracle Clusterwareを再リンクするには、次のようなコマンドを実行します(この例では、Gridホームは/u01/app/11.2.0/gridです)。

    $ cd /u01/app/11.2.0/grid/
    $ set env ORACLE_HOME pwd
    $ cd rdbms/lib
    $ make -f ins_rdbms.mk rac_on ioracle
    
  6. root.shスクリプトの出力は、このインストールで完了しようとする構成内容に基づいて、どのように処理を進めるかについての情報を提供します。この情報を記録します。

    ただし、Oracle Grid Infrastructureをスタンドアロン・サーバー(Oracle Restart)にインストールしない場合は、roothas.plスクリプトを実行する指示は無視してください。

  7. 残りの各ノードで、runcluvfy.sh stage -pre crsinstコマンドを使用して、クラスタ・ノードがインストール要件を満たしていることを検証します。すべての記憶域およびサーバーのインストール前要件が満たされていることを確認してください。

  8. 手順1から4の説明に従って、Oracle Universal Installerを使用して、クラスタに含める残りのすべてのノードでOracle Grid Infrastructureソフトウェアをインストールします。そして、すべてのノードでOracle Grid Infrastructureのソフトウェアのみのインストールを完了します。

    Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.2以上では、第4.4.2項「ソフトウェア・バイナリの構成」で説明されているとおり、完全なOUI構成ウィザードGUIを使用してクラスタを構成するか、または第4.4.3項「レスポンス・ファイルを使用したソフトウェア・バイナリの構成」の項で説明されているとおり、レスポンス・ファイルを使用してクラスタを構成します。

4.4.2 ソフトウェア・バイナリの構成

リリース11.2.0.2以上で使用可能なOracle Grid Infrastructure構成ウィザードをGUIモードで起動して、ソフトウェア・バイナリを構成します。

  1. グリッド・インフラストラクチャ・インストール所有者として端末にログインし、grid_home/crs/configに移動します。

  2. 次のコマンドを入力します。

    $ ./config.sh
    

    構成スクリプトによってOUIが構成ウィザード・モードで起動します。必要に応じて構成情報を指定します。各ページには同じユーザー・インタフェースが表示され、OUIが通常実行するのと同じ妥当性チェックが実行されます。ただし、インストールを実行するのではなく、構成ウィザード・モードで入力が検証され、すべてのクラスタ・ノードでインストールが構成されます。

  3. 入力を完了すると、OUIにより「サマリー」ページが表示され、クラスタに指定したすべての入力がリストされます。サマリーにクラスタの正しい情報が表示されていることを確認し、「インストール」をクリックしてローカル・ノードの構成を開始します。

    ローカル・ノードの構成が完了すると、Oracle Grid Infrastructure構成ファイルが他のクラスタ・メンバー・ノードにOUIによりコピーされます。

  4. プロンプトが表示されたら、rootスクリプトを実行します。

  5. すべてのrootスクリプトが実行されたことを確認すると、OUIによってクラスタの構成ステータスが確認され、必要に応じてその他の構成ツールが起動されます。

4.4.3 レスポンス・ファイルを使用したソフトウェア・バイナリの構成

ソフトウェアをどのノードにインストールまたはコピーする場合でも、構成を後で行うことができます。この項では、リリース11.2.0.2以上で使用可能な構成ウィザード・ユーティリティ(config.sh)を使用して、ノードにソフトウェアをインストールまたはコピーした後で構成を行う手順について説明します。


関連項目:

構成ウィザードの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

レスポンス・ファイルを使用してOracle Grid Infrastructureソフトウェア・バイナリを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Grid Infrastructureインストール所有者(grid)として、次の構文を使用して、Oracle Grid InfrastructureソフトウェアのみのホームからOracle Grid Infrastructure構成ウィザード・モードでOUIを起動します。Grid_homeはOracle Grid Infrastructureホームで、filenameはレスポンス・ファイル名です。

    Grid_home/crs/config/config.sh [-debug] [-silent -responseFile filename]

    次に例を示します。

    $ cd /u01/app/grid/crs/config/
    $ ./config.sh -responseFile /u01/app/grid/response/response_file.rsp
    

    構成スクリプトによってOUIが構成ウィザード・モードで起動します。各ページには同じユーザー・インタフェースが表示され、OUIが通常実行するのと同じ妥当性チェックが実行されます。ただし、インストールを実行するのではなく、構成ウィザード・モードで入力が検証され、すべてのクラスタ・ノードでインストールが構成されます。

  2. 入力を完了すると、OUIにより「サマリー」ページが表示され、クラスタに指定したすべての入力がリストされます。サマリーにクラスタの正しい情報が表示されていることを確認し、「インストール」をクリックしてローカル・ノードの構成を開始します。

    ローカル・ノードの構成が完了すると、Oracle Grid Infrastructure構成ファイルが他のクラスタ・メンバー・ノードにOUIによりコピーされます。

  3. プロンプトが表示されたら、rootスクリプトを実行します。

  4. すべてのrootスクリプトが実行されたことを確認すると、OUIによってクラスタの構成ステータスが確認され、必要に応じてその他の構成ツールが起動されます。

4.5 Oracle Berkeley DBの制限事項

クラスタ用Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2(11.2.0.2)に含まれるOracle Berkeley DB埋込みデータベース・インストールは、Oracle Grid Infrastructureインストール製品でのみ使用できます。Berkeley DBのライセンス条項については、次のURLを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/database/berkeleydb/downloads/index.html

4.6 Oracle Clusterwareの機能の確認

インストール後にrootとしてログインし、各ノードで次のコマンド構文を使用して、Oracle Clusterwareインストールが適切にインストールされ、動作していることを確認します。

crsctl check crs

次に例を示します。

$ crsctl check crs
 
CRS-4638: Oracle High Availability Services is online
CRS-4537: Cluster Ready Services is online
CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online
CRS-4533: Event Manager is online

注意:

インストールが完了したら、Oracle Clusterwareの動作中は/tmp/.oracleまたは/var/tmp/.oracle、あるいはそのファイルを手動で削除したり、それらを削除するcronジョブを実行しないでください。これらのファイルを削除すると、Oracle Clusterwareが断続的にハングアップする可能性があり、エラーCRS-0184「CRSデーモンと通信できません。」が発生します。

4.7 Oracle Clusterwareファイルを対象とするOracle ASM機能の確認

OCRおよび投票ディスク・ファイルをOracle ASMにインストールした場合、Oracle Grid Infrastructureインストール所有者として次のコマンド構文を使用し、Oracle ASMインストールが実行されていることを確認します。

srvctl status asm

次に例を示します。

$ srvctl status asm
ASM is running on node1,node2

Oracle ASMは、Oracle Clusterwareファイルに必要な場合のみ、実行されています。OCRおよび投票ディスク・ファイルをOracle ASMにインストールしなかった場合、Oracle ASMインスタンスは停止しています。


注意:

Oracle ASMまたはOracle Net 11gリリース2(11.2)以上のインストールを管理するには、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)のsrvctlバイナリを使用します。Oracle Real Application ClustersまたはOracle Databaseがインストールされている場合は、データベース・ホームのsrvctlバイナリを使用してOracle ASMまたはOracle Netを管理することはできません。

4.8 Oracle Grid Infrastructureでのオフライン・プロセスの理解

Oracle Grid Infrastructureでは、様々なOracle製品およびコンポーネントに必要なリソースが提供されます。一部の製品およびコンポーネントはオプションのため、Oracle Grid Infrastructureのインストール後にインストールして有効にできます。インストール後の追加を簡単にするため、Oracle Grid Infrastructureでは、これらの製品およびコンポーネントで使用可能なすべての製品に必要なすべてのリソースが構成および登録されます。ただし、アクティブ化するのはそれらを追加することを選択した場合のみです。そのため、一部のコンポーネントは、Oracle Grid Infrastructureのインストール後はOFFLINEとして表示される場合があります。

TARGET:OFFLINEおよびSTATE:OFFLINEとして表示されるリソースを監視する必要はありません。登録済でも有効でないコンポーネントであるため、システム・リソースは使用されません。Oracle製品またはコンポーネントがシステムにインストールされていて、オンラインにする特定のリソースが必要な場合は、必要なオフライン・リソースのアクティブ化を求めるプロンプトが表示されます。

Oracle GSD(グローバル・サービス・デーモン)プロセスora.gsdは通常はオフラインです。Oracle 9i Real Application ClustersデータベースをOracle Clusterware 11gリリース2(11.2)クラスタで使用する場合は、Oracle GSDを手動で有効にする必要があります。第5.3.4項「Oracle Databaseリリース9.2のためのグローバル・サービス・デーモン(GSD)の有効化」の手順に従って、Oracle GSDデーモンをアクティブにしてください。