Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 11g リリース2 (11.2) for Linux and UNIX Systems B56272-08 |
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この付録では、デフォルトのポート番号と、インストール後に割当て済ポートを変更する方法について説明します。この付録の内容は次のとおりです。
インストール中、Oracle Universal Installer(OUI)によって、ポート番号がデフォルトの一連のポート番号からコンポーネントに割り当てられます。Oracle RACの多くのコンポーネントおよびサービスがポートを使用します。管理者は、これらのサービスで使用されているポート番号を把握し、サーバー上の2つのサービスで同じポート番号が使用されないようにする必要があります。
ほとんどのポート番号は、インストール中に割り当てられます。すべてのコンポーネントおよびサービスには割り当てられるポート範囲がありますが、この範囲は、ポートの割当て時にOracle RACが使用する一連のポート番号です。Oracle RACでは、範囲の最小番号から順番に次のチェックが実行されます。
ポートが、ホスト上の別のOracle Databaseインストールで使用されているか。
この時点で、インストールがアクティブである可能性も、アクティブでない可能性もありますが、Oracle Databaseは、ポートが使用されているかどうかを検出できます。
ポートが、現在実行中のプロセスによって使用されているか。
これは、ホスト上のいずれのポートにも(Oracle Database以外のプロセスにも)適用されます。
前述のいずれかのチェックに該当するものがあると、Oracle RACは、割り当てられるポート範囲の中で次に大きい番号に移動し、空きポートが見つかるまでチェックを続けます。
ほとんどの場合、Oracle Databaseコンポーネントのポート番号は、ポートの構成に使用するツールで表示されます。また、いくつかのOracle Databaseアプリケーションのポートは、portlist.ini
ファイルにリストされています。このファイルは、$
ORACLE_HOME
/install
ディレクトリにあります。
インストール後にポート番号を変更しても、portlist.ini
ファイルでは更新されないため、このファイルを信頼できるのはインストール直後のみです。ポート番号を検出または変更するには、この付録で説明する方法を使用します。
表F-1に、インストール中に構成されるコンポーネントが使用するポート番号およびプロトコルを示します。デフォルトでは、範囲の中の最初のポートが使用可能であれば、そのポートがコンポーネントに割り当てられます。
表F-1 Oracleコンポーネントで使用されるポート
コンポーネントおよび説明 | デフォルトのポート番号 | ポート範囲 | プロトコル | インターコネクトでのみ使用 |
---|---|---|---|---|
ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 このポートは、クラスタ・インターコネクト専用ですが、クラスタ・インターコネクトは、パブリック・ネットワークから物理的に分離されたプライベート・ネットワークであり、インターコネクト専用のハードウェアを使用します。 |
動的 |
動的 |
UDP |
可 |
Cluster Synchronization Service(CSSD) ノードの再起動を薦めるメッセージによる固定ポートです。 このポートは、ブロードキャスト機能を持つすべてのインタフェースで使用されます。ブロードキャストは、ノード削除による再起動が差し迫っている場合にのみ発生します。 |
42424 |
動的 |
UDP |
可 |
ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 このポートは、クラスタ・インターコネクト専用ですが、クラスタ・インターコネクトは、パブリック・ネットワークから物理的に分離されたプライベート・ネットワークであり、インターコネクト専用のハードウェアを使用します。 |
動的 |
動的 |
UDP |
可 |
グリッド・プラグ・アンド・プレイ(GPNPD) GPNPDを使用すると、グリッド・プラグ・アンド・プレイ・プロファイルにアクセスでき、クラスタのノード間でプロファイルの更新が調整され、すべてのノードで最新のプロファイルが保持されます。 |
動的 |
動的 |
TCP |
不可 |
マルチキャスト・ドメイン名サービス(MDNSD) グリッド・プラグ・アンド・プレイでは、クラスタ内のプロファイルの検索にmDNSプロセスが使用され、GNSで名前解決が実行されます。mDNSプロセスは、LinuxとUNIXのバックグラウンド・プロセス、およびWindowsのサービスです。 |
5353 |
動的 |
UDP/TCP |
不可 |
Oracle Netポートを共有し、インストール中に構成されます。このポートを再構成するには、Net Configuration Assistantを使用して、Oracle Net Listenerを再構成します。詳細は、次を参照してください。 『Oracle Database Net Servicesリファレンス』 |
デフォルトは1521(リスナーと同じ値) |
使用可能な任意のポートに手動で変更可能 |
TCP |
不可 |
OracleクライアントからOracle Connection Managerへの接続用リスニング・ポートです。Oracle Connection Managerは、インストール後にNet Configuration Assistantを使用して構成することができます。 |
1630 |
1630 |
TCP |
不可 |
CRSデーモン(クラスタ・レディ・サービス・デーモン)ノード間接続です。ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 このポートは、クラスタ・インターコネクト専用です。 |
動的 |
動的 |
UDP |
可 |
ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 このポートは、クラスタ・インターコネクト専用です。 |
動的 |
動的 |
UDP |
可 |
Oracle Containers for J2EE (OC4J) CRSエージェントは、ローカルにポート8888を使用して、コンテナのライフサイクルを管理します。 |
8888 23944 (11.2.0.3以前。11.2.0.4では削除) |
8888 |
TCP |
不可 |
Oracle Enterprise Manager Databaseコンソール Oracle Enterprise Manager Database Control用のHTTPポート。インストール中に構成されます。ポート番号の変更方法については、「Oracle Enterprise Manager Databaseコンソールのポートの変更」を参照してください。 |
1158 |
5500–5519 |
TCP/HTTP |
不可 |
Oracle Enterprise Manager Databaseコンソール Oracle Enterprise Manager Database Control用のRMIポート。インストール時に構成されます。ポート番号の変更方法は、「Oracle Enterprise Manager Databaseコンソールのポートの変更」を参照してください。 |
5520 |
5520–5539 |
TCP |
不可 |
Oracle Enterprise Manager Databaseコンソール Oracle Enterprise Manager Database Control用のJMSポート。インストール中に構成されます。ポート番号の変更方法については、「Oracle Enterprise Manager Databaseコンソールのポートの変更」を参照してください。 |
5540 |
5540–5559 |
TCP |
不可 |
Oracle Enterprise Manager パブリック・インターコネクトを介してQoSと通信するためのOracle Enterprise Manager向けRMIポート。 |
23792 |
手動構成 |
RMI |
不可 |
Oracleグリッド・プロセス間通信(GIPCD) 冗長インターコネクトの使用を有効にするサポート・デーモン。 |
42424 |
動的 |
UDP |
可 |
Oracleグリッド・ネーミング・サービス(GNSD) Oracleグリッド・ネーミング・サービス・デーモンは、クラスタmDNSと外部DNSサーバー間のゲートウェイを提供します。 |
53(パブリック)、 動的(インターコネクト) |
53(パブリック)、 動的(インターコネクト) |
UDP/TCP(パブリック)、 TCP(インターコネクト) |
不可 |
Oracle高可用性サービス(OHASD) Oracle高可用性サービス(OHAS)デーモンによってOracle Clusterwareスタックが起動されます。 このポートは、クラスタ・インターコネクト専用です。 |
42424 |
動的 |
UDP |
可 |
Oracle Management Agent用のHTTPポートで、Oracle Enterprise Managerの一部です。インストール中に構成されます。 このポート番号の変更方法については、「Oracle Management Agentポートの変更」を参照してください。 |
3938 |
1830–1849 |
HTTP |
不可 |
Oracle Notification Services(ONS) ONS用のポートで、すべてのFast Application Notification(FAN)イベントに関する情報の通信を行うためのサービスの公開およびサブスクライブに使用されます。FAN通知プロセスでは、クラスタ・サーバーが使用不可になるか、またはネットワーク・インタフェースに障害が発生した場合にOracleが発行するシステム・イベントが使用されます。ONSポートを変更するには |
6100(ローカル) 6200(リモート) |
手動構成 |
TCP |
不可 |
Oracle Real Application Clusters ポート番号は、インストール中に自動的に割り当てられます。後でこれを表示または変更することはできません。 このポートは、クラスタ・インターコネクト専用です。 |
動的 |
動的 |
UDP |
可 |
Oracle NetのプロトコルでのOracleクライアントからデータベースへの接続が可能になります。これは、インストール中に構成できます。このポートを再構成するには、Net Configuration Assistantを使用します。 |
1521 |
ポート番号は、次の使用可能なポートに変更されます。 使用可能な任意のポートに手動で変更可能です。 |
TCP |
不可 |
WebベースのアプリケーションがHTTPリスナーからOracle Databaseにアクセスする必要がある場合は、Oracle XML DB HTTPポートが使用されます。これはインストール中に構成されますが、後で表示することはできません。このポート番号の変更方法については、「Oracle XML DBポートの変更」を参照してください。 |
0 |
手動構成 |
HTTP |
不可 |
Oracle XML DB アプリケーションがFTPリスナーからOracle Databaseにアクセスする必要がある場合は、Oracle XML DB FTPが使用されます。これはインストール中に構成されますが、後で表示することはできません。このポート番号の変更方法については、「Oracle XML DBポートの変更」を参照してください。 |
0 |
手動構成 |
FTP |
不可 |
Oracle Management Agentポートの現在の設定を確認するには、ORACLE_HOME
/
host_sid
/sysman/config/emd.properties
ファイル(host_sid
はOracle RACデータベースのローカル・ホスト名およびSIDを含む文字列)でEMD_URL
を検索します。
Oracle Management Agent HTTPポートを変更するには、emca -reconfig
ポート・コマンドを使用します。
emca -reconfig ports -AGENT_PORT 1831
現行のHTTP、RMIおよびJMSポート設定を確認するには、次のファイル(host_sid
はOracle RACデータベースのローカル・ホスト名およびSIDを含む文字列)で検索します。
HTTPポート: ORACLE_HOME
/host_sid
/sysman/config/emd.properties
ファイルでREPOSITORY_URL
を検索します。
RMIポート: ORACLE_HOME
/
oc4j/j2ee/OC4J_DBConsole_
host_sid
/config/rmi.xml
ファイルでrmi-server
タグ内のport
属性を検索します。
JMSポート: ORACLE_HOME
/
oc4j/j2ee/OC4J_DBConsole_
host_sid
/config/jms.xml
ファイルで、jms-server
タグ内のport
属性を検索します。
Oracle Enterprise Manager Database Controlポートを変更するには、次のようにemca -reconfig ports
コマンドを使用します。
ORACLE_HOME/bin> emca -reconfig ports option setting
前述の例のoption
には次に示すポートを1つ以上を指定し、setting
には新しいポート値を指定します。
オプション | 説明 | 例 |
---|---|---|
DBCONTROL_HTTP_PORT |
HTTPポートを設定します | emca -reconfig ports -DBCONTROL_HTTP_PORT 1820 |
RMI_PORT |
RMIポートを設定します | emca -reconfig ports -RMI_PORT 5520 |
JMS_PORT |
JMSポートを設定します | emca -reconfig ports -JMS_PORT 5521 |
次のように、1行に複数の-reconfig port
設定を指定できます。
emca -reconfig ports -DBCONTROL_HTTP_PORT 1820 -AGENT_PORT 1821 -RMI_PORT 5520
デフォルトでは、Oracle XML DBのFTPおよびHTTP(HTTPSを含む)ポートは0に設定されており、Oracle XML DBへのFTPまたはHTTPアクセスは無効にされています。
Oracle XML DBポートを変更するには、catxdbdbca.sql
スクリプトを実行する必要があり、これは、デフォルトのインストールの$ORACLE_HOME
/rdbms/admin
にあります。
Oracle XML DBポートを変更するには、次の手順を実行します。
Oracleリスナーが実行されていることを確認します。
リスナーを起動できない場合は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
SQL*Plusに、SYSDBA
権限を使用してSYS
またはXDB
としてログインします。
たとえば、SQL*PlusにSYS
としてログインするには、次のようにします。
SQL> sqlplus sys/ as sysdba
catxdbdbca.sql
スクリプトを実行します。
たとえば、FTPポートに2200
、HTTPポートに8200
を使用し、Oracleホームが/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/
にあるとすると、次のコマンドを実行します。
SQL> /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/rdbms/admin/catxdbdbca.sql 2200 8200
SQL*Plusを終了します。
関連項目: SQL*Plusを使用してデータベースに接続する方法については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |