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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
11g リリース2 (11.2) for Linux and UNIX Systems
B56272-08
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4 Oracle Real Application Clustersのインストール後の手順

この章では、Oracle Database 11g リリース2(11.2)およびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)ソフトウェアをインストールした後に実行する、インストール後の作業について説明します。この章の内容は次のとおりです。


注意:

この章では、基本的な構成についてのみ説明しますより高度な構成およびチューニング情報については、『Oracle Database管理者ガイド』および製品の管理者ガイドとチューニング・ガイドを参照してください。また、インストール後の構成情報の詳細は、ご使用のプラットフォーム用のOracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照してください。

4.1 インストール後に必要な作業

インストールを完了したら、次の作業を実行します。

4.1.1 パッチの更新のダウンロードおよびインストール

My Oracle Support Webサイトを参照して、インストールした環境に必要なパッチの更新を確認します。


注意:

My Oracle Supportを使用するには、ブラウザにバージョン9.0.115以上のAdobe Flashプラグインがインストールされている必要があります。Adobe Flashのチェッカ・ページに移動して、ご使用のブラウザでFlashプラグインの正確なバージョンをチェックし、最新バージョンのAdobe Flashがインストールされていることを確認します。

Flashをインストールしていない場合は、次のAdobe Webサイトから最新バージョンのFlash Playerをダウンロードします。

http://www.adobe.com/go/getflashplayer

必要なパッチの更新をダウンロードするには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザを使用して、次のMy Oracle Support Webサイトを表示します。

    https://support.oracle.com

  2. My Oracle Supportにログインします。


    注意:

    My Oracle Supportの登録ユーザーでない場合は、「My Oracle Supportへの登録」をクリックして、登録します。

  3. My Oracle Supportのメイン・ページで「パッチと更新版」をクリックします。

  4. 「パッチ」セクションで「簡易検索」をクリックします。

  5. 次の情報を指定して、「実行」をクリックします。

    • 「検索条件」フィールドで「製品またはファミリ」を選択し、「RDBMSサーバー」を指定します。

    • 「リリース」フィールドで現在のリリース番号を指定します。

    • 「パッチ・タイプ」フィールドで「パッチセット/ミニパック」を指定します。

    • 「プラットフォームまたは言語」フィールドでご使用のプラットフォームを選択します。

  6. 「結果」リストで、Oracle Databaseの最新のパッチ・セットを見つけます。

    Oracle Databaseのパッチ・セットは、「説明」列の説明(Product:Patchset x.x.x.x PATCH SET FOR ORACLE DATABASE SERVER)で確認できます。

  7. 「Patch」列のダウンロードするパッチの番号をクリックします。

  8. 「パッチセット」ページで「READMEの表示」 をクリックして、表示されるページを読みます。READMEページには、そのパッチ・セットに関する情報と、パッチの適用方法が記載されています。

  9. 「パッチセット」ページに戻って「ダウンロード」をクリックし、ファイルをシステムに保存します。

  10. Oracle Database 11g リリース2(11.2)に付属のunzipユーティリティを使用して、My Oracle SupportからダウンロードしたOracleパッチの更新を解凍します。unzipユーティリティは$ORACLE_HOME/binディレクトリにあります。

4.1.2 HP-UX上のインストールに対する外部ジョブ所有者の設定

HP-UXプラットフォームの場合にのみ、次の手順を実行して権限の低いユーザーextjobに外部ジョブ所有者を設定します。

  1. rootとしてログインします。

  2. ディレクトリをOracle Database Oracleホームに変更します。

    # cd $ORACLE_HOME/rdbms/admin/
    
  3. テキスト・エディタでexternaljob.oraを開き、パラメータrun_userおよびrun_groupを検索します。

  4. run_userに外部ジョブ・ユーザー(extjob)を設定し、run_groupに権限の低いグループ(otherなど)を設定します。次に例を示します。

    run_user=extproc
    run_group=other
    
  5. ファイルを保存します。


    注意:

    rootとしてexternaljob.oraのみを変更します。

4.1.3 Oracle製品の構成

多くのOracle製品およびオプションは、初めて使用する前に構成する必要があります。個々のOracle Database 11g リリース2(11.2)のデータベース製品またはオプションを使用する前に、Oracle Databaseインストール・メディアのDOCディレクトリから参照できるその製品のドキュメント・ライブラリ内のマニュアル、またはOTN Webサイトから入手できるマニュアルを参照してください。

4.1.4 シンボリック・リンクを使用したOCFS2からのインスタンス関連メモリー・マップ・ファイルの再配置

標準のローカル・ファイル・システムにOracle RACをインストールした場合、この項を読む必要はありません。

Linuxでは、Oracle RACのインストールがOCFS2に作成され、ご使用のOCFS2のバージョンが1.4.1以前のバージョンである場合、そのバージョンを引き続き使用するには、次の作業を行う必要があります。

1.4.1以前のバージョンのOCFS2では、ヘルス・チェック・ファイル(*.dat)(通常は、$ORACLE_HOME/dbsにあります)をローカル・ファイル・システムに再配置し、そこに元のパスからシンボリック・リンクを作成する必要があります。これは、OCFS2バージョンfor Linuxでは、ヘルス・チェック・ファイルを操作するためにOracleソフトウェアが使用する、書込み可能な共有mapアクセスをサポートしていないためです。

ファイルを再配置するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Databaseインスタンスを停止します。

  2. $ORACLE_HOME/dbs/*.datファイルをローカル・ファイル・システムのディレクトリに移動します。

  3. $ORACLE_HOME/dbsディレクトリからローカル・ファイル・システムにある*.datファイルへのシンボリック・リンクを作成します。

  4. Oracle Databaseインスタンスを再起動します。

4.2 インストール後の推奨作業

Oracle RACをインストールした後で、次の作業を行うことをお薦めします。

4.2.1 root.shスクリプトのバックアップ

インストールの完了後に、root.shスクリプトをバックアップすることをお薦めします。同じOracleホーム・ディレクトリに他の製品をインストールすると、Oracle Universal Installer(OUI)は、インストール中に既存のroot.shスクリプトの内容を更新します。元のroot.shスクリプトの情報が必要になった場合は、root.shファイルのコピーから元に戻すことができます。

4.2.2 Oracleユーザー環境変数の設定

各ノードで、インストール所有者ユーザーのprofileファイル(この例ではoracle)の環境変数ORACLE_BASEORACLE_HOMEおよびORACLE_SIDを設定し、ORACLE_HOME/binをパス環境変数に追加します。

次に例を示します。

export ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/11.2.0/dbhome_1
export PATH=$PATH:$ORACLE_HOME/bin
export ORACLE_SID=sales1

環境変数ORACLE_HOMEおよびORACLE_SIDを設定せずに、SQL*Plusなどのツールを使用しようとすると、これらの変数を設定するように求めるエラー・メッセージが表示されます。

4.2.3 すべてのPL/SQLモジュールの再コンパイル

データベースの作成またはアップグレード後に、utlrp.sqlスクリプトを実行することをお薦めします。このスクリプトを実行すると、パッケージ、プロシージャ、タイプなど、無効な状態になっている可能性があるすべてのPL/SQLモジュールが再コンパイルされます。この手順の実行は任意ですが、後日ではなくインストール直後に実行することをお薦めします。

  1. 前述の項「oracleユーザーの環境変数の設定」の説明に従って、Oracleソフトウェア所有者のユーザー・アカウントの環境(oracleなど)を設定します。

  2. 次のコマンドを実行して、SQL*Plusを起動します。

    $ sqlplus "/ AS SYSDBA"
    
  3. utlrp.sqlスクリプトを実行します。Oracle_homeはOracleホームのパスです。

    SQL> @Oracle_home/rdbms/admin/utlrp.sql
    

4.2.4 その他のユーザー・アカウントの設定

ユーザー・アカウントを任意に追加する設定の詳細は、Oracle Databaseの管理者ガイドを参照してください。

この章の手順を完了すると、第5章「Oracle Real Application Clusters環境でのサーバー・パラメータ・ファイルの構成」で説明する基本的な構成作業を実行できます。

4.2.5 Oracle RAC構成監査ツールの実行

Oracle RAC構成監査ツール(RACcheck)を実行して、Oracle RACインストールをチェックすることをお薦めします。RACcheckは、Oracle Real Application Clusters、Oracle Clusterware、Oracle Automatic Storage ManagementおよびOracle Grid Infrastructure環境の重要な様々な構成設定を確認するOracle RAC監査ツールです。

My Oracle SupportからRACcheckの最新バージョンをダウンロードして実行することをお薦めします。RACcheck構成監査ツールのダウンロード、構成および実行の詳細は、次のURLからMy Oracle Supportのノート1268927.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1268927.1


関連項目:

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

4.3 Oracle RACのためのOracle Configuration Managerのインストール後の構成

Oracle Configuration Managerをインストールした場合、スクリプトを実行して、データベース構成収集を行うデータベース・アカウントを作成する必要があります。このアカウントは、接続モードと切断モードの両方で作成する必要があります。データベース・アカウントには、構成情報を収集するPL/SQLプロシージャが格納され、そのアカウントが、収集を行うデータベース管理システム(DBMS)・ジョブの所有者になります。アカウントの設定後、ログイン権限は不要になるため、アカウントはロックされます。

構成収集が行われるようにデータベースを構成するには、次のスクリプトを実行します。

$ORACLE_HOME/ccr/admin/scripts/installCCRSQL.sh collectconfig -s SID -r\ 
SYSDBA-USER -p SYSDBA-PASSWORD

スクリプトinstallCCRSQL.shを実行すると、Oracle Configuration Managerユーザーが作成され、PL/SQLプロシージャがORACLE_SIDで定義されているデータベースにロードされます。コマンドラインで-sオプションを使用して、データベースSIDを指定することもできます。次の例では、SIDをorclに指定しています。

$ORACLE_HOME/ccr/admin/scripts/installCCRSQL.sh collectconfig -s orcl

Oracle RACの場合、データベース・スクリプトを実行する必要があるのは、インストールを行ったローカル・インスタンスなど、1つのインスタンスに対してのみです。ただし、Oracle Configuration Managerはすべてのインスタンス・ホームにインストールする必要があります。


関連項目:

  • 詳細は、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。

  • その他の構成作業の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。


4.4 インストール後のデータベース・オプションの有効化および無効化

Oracle Databaseをインストールすると、一部のオプションは有効になり、それ以外は無効になります。Oracleホームの特定のデータベース機能を有効または無効にするには、データベースを停止してchoptツールを使用します。

choptツールはコマンドライン・ユーティリティで、ディレクトリORACLE_HOME/binに格納されています。次の構文を使用し、db_optionにステータスを変更する対象のオプションを指定します。

chopt [enable | disable] db_option

db_optionに指定可能な値を、表4-1に示します。

表4-1 データベース・オプションに対応するChoptツールのコマンド・オプション

説明

dm

Oracle Data Miningデータベース・ファイル

dv

Oracle Database Vault

lbac

Oracle Label Security

olap

Oracle OLAP

partitioning

Oracle Partitioning

rat

Oracle Real Application Testing

ode_net

.NET 1.x用のOracle Databaseの拡張機能

ode_net_2

.NET 2.0用のOracle Databaseの拡張機能


例4-1 Choptを使用してデータベース・オプションを有効にする方法

この例では、choptツールを使用して、データベースoradb1でOracle Label Securityを有効にします。

$ cd $ORACLE_HOME/bin
$ srvctl stop database -d oradb1
$ chopt enable lbac
$ srvctl start database -d oradb1