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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
11g リリース2 (11.2) for Linux and UNIX Systems
B56272-08
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8 Oracle Real Application Clustersソフトウェアの削除

この章では、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のOracleホーム・ディレクトリから、すべてのOracle Database、インスタンスおよびソフトウェアを完全に削除する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。


関連項目:

製品を1つのみ削除するとき、その製品に適用する要件および制限がないかを確認するには、製品固有のドキュメントを参照してください。

8.1 削除手順の概要

Oracleホーム・ディレクトリからすべてのOracle Database、インスタンスおよびソフトウェアを完全に削除するには、次の手順を実行します。

  • Oracleホームに関連付けられたすべてのインスタンスの確認

  • プロセスの停止

  • Oracle Databaseホームにインストールされたリスナーの削除

  • データベース・インスタンスの削除

  • Oracle Automatic Storage Management(11.1以下)の削除

  • Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle Grid Infrastructure)の削除


注意:

Oracle Database Vaultオプションを削除またはアンインストールすることはできません。ただし、無効にすることはできます。詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Configuration Managerは削除できます。詳細は、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。

リリース11.2以上では、Oracle Automatic Storage ManagementとOracle Clusterwareは、Oracle Grid Infrastructureインストールに含まれています。これらのコンポーネントは一緒にインストールされ、削除されます。



注意:

1台のサーバー上の複数のデータベースで同じグローバル・データベース名(GDN)を使用するクラスタ・メンバー・ノードがある場合、1つのデータベースのみを削除ツールで削除することはできません。たとえば、クラスタ・ノードのいずれかにあるスタンドアロンのデータベースがGDN mydb.example.comを使用し、Oracle RACデータベースのGDNもmydb.example.comである場合は、そのノードの両方のデータベースが削除されます。

8.2 クラスタ上のすべてのインスタンスの確認

削除するOracleホームに関連付けられたすべてのインスタンスを確認するには、次のコマンドを入力します。

AIX、HP-UXまたはLinuxの場合:

$ more /etc/oratab

Solarisの場合:

$ more /var/opt/oracle/oratab

このコマンドの出力結果には、次のようなエントリが含まれます。

+ASM1:/u01/app/grid/11.2.0:N
CUST:/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1:N

これらのエントリは、Oracle Automatic Storage Managementインスタンス+ASM、クラスタ用のOracle Grid Infrastructureホーム(/u01/app/grid/11.2.0)およびOracle DatabaseインスタンスCUSTが、Oracleホーム・ディレクトリ/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1に関連付けられていることを示しています。

8.3 Oracle RACソフトウェアの削除

削除ツールは、サーバーからOracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)またはスタンドアロンOracle Databaseの環境を削除します。次の項では、スクリプトおよびこのツールを使用するための追加オプションについて説明します。

8.3.1 削除ツールについて

削除ツール(deinstall)によって、Oracleソフトウェアが停止され、Oracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。これは、インストール・メディアからインストールした後、Oracleホーム・ディレクトリから使用できます。このツールは、パス$ORACLE_HOME/deinstallにあります。


注意:

削除コマンドを実行した場合に、構成解除して削除しようとしているホーム以外の登録済ホームが中央インベントリ(oraInventory)に含まれていなければ、削除コマンドは、Oracle RACインストール所有者のOracleベース・ディレクトリ内の次のファイルとディレクトリ・コンテンツを削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • flash_recovery_area

Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成し、Oracleソフトウェアが排他的に使用するために、OracleベースとOracleホーム・パスを予約しておくことをお薦めします。Oracleソフトウェアを所有するユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所にユーザー・データがある場合、削除コマンドはこのデータを削除します。


deinstallコマンドによって、Oracleソフトウェアが停止され、Oracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。このコマンドでは次の構文を使用します。可変的な内容はイタリック体で示されています。

deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local]
[-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help]
 

デフォルトでは、削除ツールはOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。次に例を示します。

$ cd $ORACLE_HOME/deinstall
$ ./deinstall

また、他の場所から削除ツールを実行したり、パラメータ・ファイルを記述したり、ツールを実行するための他のオプションを選択することができます。

オプションは次のとおりです。

  • -home

    このフラグは、確認または削除するOracleホームのパスを指定します。削除するOracleホームと同じホームでdeinstallコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合、パラメータ・ファイルは別の場所に指定し、-homeフラグは使用しないでください。

  • -silent

    このフラグを指定すると、コマンドが非対話モードで実行されます。-silentオプションを指定する場合、-paramFileフラグを指定し、削除または構成解除するOracleホームの構成値が記述されたパラメータ・ファイルを指定する必要があります。

    プロパティ・ファイルを作成し、必須パラメータを指定するには、削除ツール・ホームまたはOracleホームのresponseフォルダにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを参照してください。

    作業システムがある場合、テンプレート・ファイルを使用するかわりに、-checkonlyフラグを指定してdeinstallコマンドを実行することで、プロパティ・ファイルを生成できます。deinstallコマンドにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。生成されたプロパティ・ファイルは、-silentオプションで使用できます。

  • -checkonly

    このフラグを指定すると、Oracleソフトウェアのホーム構成の状態が確認されます。checkonlyフラグを指定してコマンドを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。checkonlyフラグによって、deinstallコマンドとともに使用できるパラメータ・ファイルが生成されます。

    パラメータ・ファイルを生成するためにcheckonlyを実行すると、システムに関する情報を入力するように求められます。Oracle環境からツールが取得したデフォルト値(カッコ([])内に表示されます)をそのまま使用するか、または別の値を指定できます。デフォルト値を使用するには、「入力」をクリックします。

  • -local

    このフラグを複数ノード環境で指定すると、クラスタのOracleソフトウェアの構成が解除されます。

    このフラグを指定してdeinstallを実行すると、ローカル・ノード(deinstallが実行されたノード)のOracleソフトウェアの構成が解除され、Oracleソフトウェアが削除されます。リモート・ノードでは、Oracleソフトウェアの構成は解除されますが、Oracleソフトウェアは削除されません。

  • -paramfile 入力パラメータのプロパティ・ファイルの完全パス

    このフラグを指定すると、デフォルト以外の場所にあるパラメータ・ファイルを使用してdeinstallが実行されます。このフラグを使用する場合は、パラメータ・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。削除する予定のOracleホームからdeinstallコマンドを実行している場合、-paramfileオプションを使用する必要はありません。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は、deinstallの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージングの場所: $ORACLE_HOME/inventory/response

    • OTNから解凍されたアーカイブ・ファイル: /ziplocation/response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -params [name1=value name 2=value name3=value . . .]

    このフラグをパラメータ・ファイルとともに使用すると、作成済のパラメータ・ファイルに記述された1つ以上の値を上書きして変更できます。

  • -o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

    このフラグを指定すると、デフォルト以外の場所に、プロパティ・ファイル(deinstall.rsp.tmpl)を保存するパスが指定されます。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は、deinstallの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはインストール前のステージングの場所: $ORACLE_HOME/

    • OTNから解凍されたアーカイブ・ファイル: /ziplocation/response/

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。

8.3.2 Oracle RACの削除コマンドの実行例

deinstallコマンドを実行すると、システムから削除するOracleソフトウェアのホーム・ディレクトリを指定するように求めるプロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、さらに情報を入力します。

$ORACLE_HOME/deinstallフォルダ以外で削除コマンドを入力すると、フラグを入力してパスを指定しないかぎり、ヘルプが表示されます。$ORACLE_HOME/deinstallフォルダから削除コマンドを実行すると、ホーム・アドレスの入力を求めるプロンプトを表示せずに削除を開始します。

オプションのフラグ-paramfileを指定すると、パラメータ・ファイルにパスが指定されます。

次の例では、deinstallコマンドはパス/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/deinstallで実行されます。

$ cd /u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/deinstall
$ ./deinstall

8.3.3 Oracle RACのパラメータ・ファイルの削除例

-paramfileオプションを指定してdeinstallコマンドを実行し、パラメータ・ファイルで指定した値を使用できます。パラメータ・ファイルの例を次に示します。ここでは、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracle、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)はパス/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている)は/u01/app/oracle/、中央Oracle Inventoryホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory、仮想IPアドレス(VIP)は192.0.2.1、ローカル・ノード(削除セッションが実行されているノード)はnode1、リモート・ノードはnode2、OSDBAグループはdbaです。

#Copyright (c) 2005, 2006 Oracle Corporation. All rights reserved.
#Wed Feb 11 16:30:21 PST 2009
DISK_GROUPS.typi=
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LOCAL_SID.typi=typi1
CLUSTER_NODES=node1,node2
DB_UNIQUE_NAME_LIST=typi
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