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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
11g リリース2 (11.2) for Linux and UNIX Systems
B56272-08
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A Oracle Real Application Clustersのインストールに関するトラブルシューティング

この付録では、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のインストールに関するトラブルシューティング情報について説明します。この章の内容は、次のとおりです。


関連項目:

インストール・メディアのドキュメント・ディレクトリに含まれるOracle Database 11gリリース2(11.2)Oracle Real Application Clustersのドキュメントを参照してください。
  • 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

  • 『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』


A.1 Oracle Real Application Clustersのインストールに関するトラブルシューティング

この項には次のトピックが含まれます:

A.1.1 一般的なインストールの問題

次に、インストール中に発生する可能性のある様々なエラーの例を示します。次のような問題が発生する可能性があります。

ディスクの取得中にエラーが発生する
原因: 存在しないOracleホームを指しているエントリが/etc/oratabにあります。OUIのエラー・ファイルには、エラーが「java.io.IOException: /home/oracle/OraHome//bin/kfod: 見つかりませんでした」のように出力されます。
処置: 存在しないOracleホームを指しているエントリを/etc/oratabから削除してください。
サーバーに接続できない(サーバーによって接続を拒否されたか、または表示を開くことができない)
原因: 通常、xhostが適切に構成されていないWindowsまたはUNIXシステムで発生する、X Windowの表示エラーです。
処置: ローカル端末ウィンドウで、X Windowセッションを開始したユーザーとしてログインし、次のコマンドを入力してください。

$ xhost fully_qualified_remote_host_name

次に例を示します。

$ xhost somehost.example.com

その後で、次のコマンドを入力します。workstation_nameは、ご使用のワークステーションのホスト名またはIPアドレスです。

Bourne、BashまたはKornシェル:

$ DISPLAY=workstation_name:0.0
$ export DISPLAY

次のコマンドを入力して、ローカル・システムでX Windowアプリケーションが正しく表示されているかどうかを確認します。

$ xclock

モニターにxclockが表示されます。エラーが発生した場合は、xhostコマンドの使用がサーバーで制限されている可能性があります。

VNCクライアントを使用してサーバーにアクセスしている場合は、インストールに使用しようとしているユーザーに割り当てられているビジュアルにアクセスしていることを確認します。たとえば、suコマンドを使用して、別のユーザー・ビジュアルでインストール所有者になった場合、xhostコマンドの使用は制限され、xhostコマンドを使用して表示を変更することはできません。インストール所有者に割り当てられたビジュアルを使用すると、正しく表示でき、xclockコマンドの入力によってxclockが表示されます。

OUIのノードの選択画面で選択可能なノードがない
原因: Oracle Clusterwareがインストールされていないか、またはOracle Clusterwareサービスが起動および実行されていません。
処置: Oracle Clusterwareをインストールするか、またはOracle Clusterwareの状態を確認してください。また、ノードを再起動すると問題を解決できる場合があります。
ノードnodenameに到達できない
原因: IPホストが使用不可能です。
処置: 次の手順を実行してください。
  1. コマンドifconfig -aを実行します。このコマンドの出力と/etc/hostsファイルの内容を比較して、ノードIPがリストされていることを確認します。

  2. コマンドnslookupを実行して、ホストが到達可能であるかどうかを確認します。

  3. oracleユーザーで、sshまたはrshを使用してノードへの接続を試行します。パスワードを求められた場合、ユーザー等価関係が適切に設定されていません。SSH構成を完了するには、システム管理者に連絡するか、ご使用のプラットフォーム用のOracle Grid Infrastructureのインストレーション・ガイドを参照してください。

PROT-8: 指定したファイルからクラスタ・レジストリにデータをインポートできない
原因: 既存のOracle Cluster RegistryのRAWデバイス・パーティションで領域が不足しているため、rootupgrade.shの実行中に移行が失敗します。確認するには、ログ・ファイル$ORA_CRS_HOME/log/hostname/client/ocrconfig_pid.logで「utopen:12:バッキング・ストアに十分な領域がありません」というエラーを検索します。
処置: 使用可能な領域が280MB以上のRAWデバイスを特定します。/etc/oracle/srvConfig.loc(AIX、HP-UX、Linux)または/var/opt/oracle/srvConfig.loc(Solaris)で、既存のRAWデバイス名を確認し、コマンドddを使用して、このRAWデバイスの内容を新しいデバイスにコピーしてください。
PRKP-1001: インスタンスの開始でエラーが発生する
原因: ODBCドライバ・マネージャが存在しません。関連メッセージとして「CRS-0215: リソースを開始できません。」があります。
処置: インストールをクリーン・アップします。その後、http://www.unixodbc.orgからODBCドライバをダウンロードしてインストールし、このインストールを再起動します。このドライバはOracle RACデータベースの要件です。詳細は、ご使用のプラットフォーム用のOracle Grid Infrastructureのインストレーション・ガイドで、システム要件に関する項を参照してください。
タイムスタンプが進んでいる
原因: 1つ以上のノードの時計の時刻がローカル・ノードと異なっています。このような場合には、次のような出力が表示される場合があります。
time stamp 2005-04-04 14:49:49 is 106 s in the future
処置: クラスタ内のすべてのメンバー・ノードの時計を同じ時刻にしてください。
YPBINDPROC_DOMAIN: ドメインがバインドされない
原因: このエラーは、インストール後のテスト時に、ノードのパブリック・ネットワーク・インターコネクトが取り外され、VIPによるフェイルオーバーが行われない場合に発生する可能性があります。このエラーでは、ノードがハングし、ユーザーはシステムにログインできなくなります。このエラーは、Oracleホーム、listener.ora、Oracleログ・ファイルまたはアクション・スクリプトがNASデバイスまたはNFSマウントに格納されていて、ネーム・サービス・キャッシュ・デーモンnscdがアクティブになっていない場合に発生します。
処置: クラスタ内のすべてのノードで次のコマンドを入力して、nscdサービスを起動してください。
/sbin/service  nscd start

A.1.2 Oracle RACのインストール時のエラー・メッセージ

Oracle RACのインストールを実行するユーザーには、oinstallグループとOSDBAグループ(通常、oinstalldba)の両方のメンバーシップが必要です。該当しない場合、インストールは失敗します。

エラー・メッセージの解決でさらに支援が必要な場合は、My Oracle Supportを参照してください。たとえば、Doc ID 1372375.1のNoteにはOracle Real Application Clustersのインストールに関する最も一般的な問題のいくつかが含まれます。

A.1.3 Oracle Clusterwareのインストール中のクラスタ診断の実行

Oracle Universal Installer(OUI)のノードの選択ページが表示されない場合、LinuxおよびUNIXベース・システムのOracle Clusterwareホーム(Grid_home/bin)のバイナリ・ディレクトリからolsnodes -vコマンドを実行してクラスタウェア診断を実行し、その出力を分析します。出力の詳細情報でクラスタウェアが動作していないことが示された場合は、クラスタウェアのドキュメントを参照してください。

また、次のコマンド構文を使用してクラスタ・マネージャの整合性を検証します。

cluvfy comp clumgr -n node_list -verbose

前述の構文例で、node_list変数は、クラスタ内のノードのカンマ区切りリストです。

A.1.4 インストール・セッションのログの確認

Oracle Universal Installerでは、インストール中、実行されたすべての動作がログ・ファイルに記録されます。インストール中に問題が発生した場合は、ログ・ファイルを参照して、考えられる問題の原因についての情報を確認してください。

ログ・ファイルを表示するには、次の手順を実行します。

  1. 必要に応じて、次のコマンドを入力し、oraInventoryディレクトリの場所を確認します。

    $ cat /opt/oracle/oraInst.loc
    $ cat /var/opt/oracle/oraInst.loc
    
  2. 次のコマンドを入力して、ログ・ファイルの名前を確認します。

    $ ls -ltr
    

    このコマンドでは、ファイルが作成順に表示され、最新のファイルが最後に示されます。インストーラのログ・ファイルは、次のような名前になります。date_timeは、インストールが開始された日時を示します。

    installActionsdate_time.log
    

    ログ・ファイルで、問題についての情報が示されている可能性の高い最新のエントリを表示するには、次のコマンドを入力します。

    $ tail -50 installActions2007-07-20_09-53-22AM.log | more
    

    このコマンドでは、ログ・ファイルの最新の50行が表示され、ページ間を移動してそれらの行を確認できます。

    Oracle Universal Installerによって表示されたエラーや、ログ・ファイルに記録されたエラーが再リンクの問題を示している場合は、次のファイルを参照してください。

    $ORACLE_HOME/install/make.log
    

A.1.5 Configuration Assistantのエラー

Configuration Assistantの実行中に発生したインストール・エラーをトラブルシューティングするには、次の作業を行います。

「インストール・セッションのログの確認」に示すインストール・ログ・ファイルを確認します。

Oracle RACインストール所有者のOracleベース・ディレクトリ(パス$ORACLE_BASE/cfgtoollogs)にある特定のConfiguration Assistantのログ・ファイルを確認します。エラーの原因になった問題を修正します。

「致命的エラー。 再インストールしてください」というメッセージが表示された場合は、ログ・ファイルを確認して問題の原因を調査します。手順については、「致命的エラー」を参照してください。

この項には次のトピックが含まれます:

A.1.5.1 Configuration Assistantのエラー

Oracle Configuration Assistantのエラーは、インストール画面の下部に表示されます。Configuration Assistantインタフェースに追加情報が表示される場合もあります。Configuration Assistantの実行状態は、次のファイルに保存されています。

oraInventory_location/logs/installActionsdate_time.log

Configuration Assistantに関連するエラーの詳細は、次のディレクトリ下で確認できます。

$ORACLE_BASE/cfgtoollogs

Oracleベース・ディレクトリは、Oracle RACインストール所有者のOracleベースです。完了ステータス・コードを次に示します。

Status Result Code 
Configuration assistant succeeded 0 
Configuration assistant failed 1 
Configuration assistant cancelled -1 

A.1.5.2 致命的エラー

Configuration Assistantの実行中に致命的エラーが発生した場合は、次の作業を行う必要があります。

  1. Oracleソフトウェアを削除します。

  2. 致命的エラーの原因を解決します。

  3. Oracleソフトウェアを再インストールします。

A.2 インストール後のCVUクラスタ・ヘルス・チェックの使用

Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2(11.2.0.3)以上では、CVUのhealthcheckコマンド・オプションを使用してOracle ClusterwareおよびOracle Databaseインストールをチェックし、必須要件およびベスト・プラクティス・ガイドラインへの適合性を調べたり、正しく動作していることを確認できます。

healthcheckコマンド・オプションを実行するには、次の構文を使用します。

cluvfy comp healthcheck [-collect {cluster|database}] [-db db_unique_name] [-bestpractice|-mandatory] [-deviations] [-html] [-save [-savedir directory_path]

次に例を示します。

$ cd /home/grid/cvu_home/bin
$ ./cluvfy comp healthcheck -collect cluster -bestpractice -deviations -html

オプションは次のとおりです。

  • -collect [cluster|database]

    このフラグは、Oracle Clusterware(クラスタ)またはOracle Database(データベース)に対するチェックの実行を指定するために使用します。healthcheckオプションでcollectフラグを使用しない場合は、cluvfy comp healthcheckではOracle ClusterwareおよびOracle Databaseの両方に対するチェックが実行されます。

  • -db db_unique_name

    このフラグは、dbフラグの後に入力したデータベースの一意の名前に対するチェックを指定するために使用します。

    CVUでは、JDBCを使用してcvusysユーザーとしてデータベースに接続し、様々なデータベース・パラメータが検証されます。このため、-dbフラグで指定したデータベースに対してチェックを実行する場合は、まずそのデータベースにcvusysユーザーを作成し、そのユーザーにCVU固有のロールcvusappを付与する必要があります。また、cvusappロールのメンバーにシステム表に対するselect権限を付与する必要もあります。CVU_home/cv/admin/cvusys.sqlにSQLスクリプトが含まれており、このユーザーの作成を容易にします。このSQLスクリプトを使用して、CVUで検証するすべてのデータベースにcvusysユーザーを作成します。

    dbフラグを使用し、一意のデータベース名を指定しない場合、CVUではクラスタのすべてのOracle Databaseが検出されます。これらのデータベースでベスト・プラクティス・チェックを実行する場合は、各データベースでcvusysユーザーを作成し、ベスト・プラクティス・チェックを実行するのに必要なcvusappロールとselect権限をこのユーザーに付与する必要があります。

  • [-bestpractice | -mandatory] [-deviations]

    ベスト・プラクティスのチェックを指定するためにはbestpracticeフラグを使用し、必須のチェックを指定するためにはmandatoryフラグを使用します。ベスト・プラクティスの推奨事項または必須要件からの差異のみを確認することを指定するには、deviationsフラグを追加します。-bestpracticeまたは-mandatoryフラグのいずれかを指定できますが、両方のフラグは指定できません。-bestpracticeまたは-mandatoryのいずれも指定しない場合は、ベスト・プラクティスと必須要件の両方が表示されます。

  • -html

    htmlフラグは、詳細なレポートをHTML形式で生成するために使用します。

    htmlフラグを指定し、CVUによって認識されるブラウザがシステムで使用可能な場合は、チェックの完了時にそのブラウザが起動され、レポートがブラウザに表示されます。

    htmlフラグを指定しない場合、詳細なレポートはテキスト・ファイルで生成されます。

  • -save [-savedir dir_path]

    saveまたは-save -savedirフラグは、cvuchecdkreport_timestamp.txtおよびcvucheckreport_timestamp.htmという検証レポート(timestampは検証レポートの日時)を保存するために使用します。

    saveフラグを単独で使用すると、レポートはパスCVU_home/cv/report(CVU_homeはCVUバイナリの場所)に保存されます。

    -save -savedirフラグを使用し、CVUレポートを保存するパスを入力すると、指定したパスにCVUレポートが保存されます。