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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Linux
B56274-14
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5 Oracle Database Clientソフトウェアの削除

この章では、削除ツールを使用して、指定したOracleホームに関連するOracleソフトウェアおよび構成ファイルを完全に削除する方法を説明します。

deinstallコマンドは、Oracle Database Clientインストールを削除します。

Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以降、削除ツールを使用して、Oracle Database、Oracle Clusterware、Oracle ASM、Oracle RAC、Oracle Database Clientインストールに関連付けられているOracleホーム全体を削除することをお薦めします。個々の製品やコンポーネントの削除はサポートされません。

内容は次のとおりです。

5.1 削除ツールについて

削除ツール(deinstall)は、インストール・メディアからインストールした後、Oracleホーム・ディレクトリから使用できます。削除ツールの場所は、$ORACLE_HOME/deinstallディレクトリです。

deinstallコマンドでは、ユーザーが入力した情報およびソフトウェア・ホームから収集した情報を使用してパラメータ・ファイルが作成されます。このファイルのかわりに、以前のdeinstallコマンドで生成されたパラメータ・ファイルを指定するには、–checkonlyオプションを使用するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。


注意:

deinstallコマンドを実行した場合に、構成解除して削除しようとしているホーム以外の登録済ホームが中央インベントリ(oraInventory)に含まれていなければ、削除コマンドは、Oracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリ内の次のファイルとディレクトリ・コンテンツを削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • fast_recovery_area

Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成すること、およびOracleソフトウェアが排他的に使用するOracleベースとOracleホーム・パスを予約することを強くお薦めします。Oracleソフトウェア所有者であるユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所に、ユーザー・データがある場合、このデータはdeinstallコマンドによって削除されます。

Oracle Database構成ファイル、ユーザー・データおよび高速リカバリ領域(FRA)がOracleベース・ディレクトリ・パスの外に配置されていても、これらは削除ツールによって削除されます。


このコマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。

deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local] [-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files]
[-tmpdir complete path of temporary directory to use]
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]
 

Oracleソフトウェア・インストールの所有者として削除ツールを実行することをお薦めします。削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。

$ $ORACLE_HOME/deinstall/deinstall

サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。

deinstallコマンドによって、Oracleソフトウェアが停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルが削除されます。


注意:

Oracleソフトウェアを削除するには、同じリリースの削除ツールを実行する必要があります。以前のリリースからOracleソフトウェアを削除するとき、それより新しいリリースの削除ツールは実行しないでください。たとえば、既存の11.2.0.4 OracleホームからOracleソフトウェアを削除する場合、12.1.0.1のインストール・メディアから削除ツールを実行しないでください。

削除ツールは、別の場所で実行またはパラメータ・ファイルを指定して実行できます。また、ツールを実行するその他のオプションも選択できます。

オプションは次のとおりです。

  • -home

    このフラグは、確認または削除するOracleホームのパスを指定します。削除するOracleホームでdeinstallコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、別の場所のパラメータ・ファイルを指定し、-homeフラグは使用しません。

    $ORACLE_HOME/deinstallパスからdeinstallを実行する場合は、ツールを実行しているホームが認識されるため、-homeフラグは不要です。スタンドアロン・バージョンのツールを使用する場合は、-homeを指定する必要があります。

  • -silent

    このフラグは、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでコマンドを実行する場合に使用します。-silentフラグを使用する場合は、-paramfileフラグを使用して、削除または構成解除するOracleホームの構成値を含むパラメータ・ファイルを指定する必要があります。

    使用または変更するパラメータ・ファイルは、-checkonlyフラグを指定してdeinstallを実行すると生成できます。deinstallコマンドにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。生成されたプロパティ・ファイルは、-silentオプションで使用できます。

    $ORACLE_HOME/deinstall/responseフォルダにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更することもできます。

  • -checkonly

    このフラグは、Oracleソフトウェア・ホームの構成の状態を確認する場合に使用します。-checkonlyフラグを使用してコマンドを実行しても、Oracle構成は削除されません。-checkonlyフラグにより、deinstallコマンドと-silentオプションで使用できるパラメータ・ファイルが生成されます。

  • -local

    このフラグは、複数ノード環境でクラスタ内のOracleソフトウェアを削除する場合に使用します。

    このフラグを指定してdeinstallを実行すると、ローカル・ノード(deinstallが実行されたノード)でOracleソフトウェアが構成解除および削除されます。リモート・ノードでは、Oracleソフトウェアは構成解除されますが、削除されません。

  • -paramfile 入力パラメータ・プロパティ・ファイルの完全パス

    このフラグは、デフォルト以外の場所にあるパラメータ・ファイルを使用してdeinstallを実行する場合に使用します。このフラグを使用するときは、パラメータ・ファイルがある完全パスを指定します。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの場所は、deinstallの場所によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合: $ORACLE_HOME/inventory/response

    • OTNからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: /ziplocation/response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -params [name1= name 2= name3= . . .]

    このフラグは、作成しておいたパラメータ・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、パラメータ・ファイルとともに使用します。

  • -o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

    このフラグは、プロパティ・ファイル(deinstall.rsp.tmpl)が保存されている、デフォルトの場所以外のパスを指定する場合に使用します。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの場所は、deinstallの場所によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合(インストール前): $ORACLE_HOME/

    • OTNからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: /ziplocation/response/

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -tmpdir 一時ディレクトリの完全パス

    このフラグは、Oracle Deinstallation Toolが削除時に一時ファイルを書き込む場所としてデフォルト以外を指定する場合に指定します。

  • -logdir 一時ディレクトリの完全パス

    このフラグは、Oracle Deinstallation Toolが削除時にログ・ファイルを書き込む場所としてデフォルト以外を指定する場合に指定します。

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。

5.2 失敗したインストールで使用する削除ツールのダウンロード

失敗したインストールまたは不完全なインストールを、削除ツール(deinstall)を使用して削除する必要がある場合、Oracle Technology Network(OTN)のWebサイトで個別にダウンロードできます。

削除ツールをダウンロードする手順は次のとおりです。

  1. 次のURLに移動します。

    http://www.oracle.com/technetwork/database/enterprise-edition/downloads/index.html

  2. Oracle Database 11gリリース2の下で、削除ツールをダウンロードするプラットフォームごとにすべて表示をクリックします。

    削除ツールは、このWebページの最後で、ダウンロードできます。

5.3 Deinstallコマンドの実行例

deinstallコマンドを実行すると、システムから削除するOracleソフトウェアのホーム・ディレクトリを入力するように要求されます。プロンプトに従って追加情報を入力してください。

オプション・フラグ-paramfileを使用してパラメータ・ファイルへのパスを指定します。

次の例では、deinstallコマンドはパス/u01/app/oracle/product/11.2.0/client_1/deinstallにあり、ソフトウェア所有者の場所/home/usr/oracleにあるパラメータ・ファイルを使用します。

# cd /u01/app/oracle/product/11.2.0/client_1/deinstall/
# ./deinstall -paramfile /home/usr/oracle/myparamfile.tmpl

$ORACLE_HOME/deinstallフォルダの外でdeinstallコマンドを入力すると、-homeフラグを入力してパスを指定しないかぎり、ヘルプが表示されます。$ORACLE_HOME/deinstallフォルダからdeinstallコマンドを実行すると、削除が開始されます。この時、ホーム・アドレスの入力は求められません。

5.4 削除パラメータ・ファイルの例

deinstallコマンドを-paramfileオプションとともに使用すると、パラメータ・ファイルで指定した値を使用できます。次に示すパラメータ・ファイルの例では、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracle、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)の場所はパス/u01/app/oracle/product/11.2.0/client_1/、Oracleベース(Oracleソフトウェアのインストール先)は/u01/app/oracle/、Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory、クライアントはclient1です。

ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
INVENTORY_LOCATION=/u01/app/oraInventory
CRS_HOME=false
HOME_TYPE=CLIENT
silent=false
local=false
LOCAL_NODE=node1
ObaseCleanupPtrLoc=/var/tmp/install/orabase_cleanup.lst.
LOGDIR=/u01/app/oraInventory/logs/
ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.2.0/client_1