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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)
B57781-08
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G トラブルシューティング

この付録では、トラブルシューティングについて説明します。内容は次のとおりです。


関連項目:

Oracle Configuration Managerの使用中に発生する可能性がある一部のエラーの詳細と、これらのエラーのトラブルシューティングに関するヒントは、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』の第6章「Oracle Configuration Managerのトラブルシューティング」を参照してください。

G.1 要件の確認

この付録に示すトラブルシューティングの手順を実行する前に、システムが要件を満たしていること、および第2章に説明されているインストール前の作業をすべて完了していることを確認してください。

リリース・ノートの参照

製品をインストールする前に、その製品に関するリリース・ノートを参照してください。リリース・ノートは、Oracle Database 11gのDVDで提供されています。最新版のリリース・ノートは、次の場所からも入手できます。

http://docs.oracle.com/en/

G.2 X Windowの表示エラー

Oracle Universal Installerをリモート・システム上で実行し、ローカル・システム上でOracle Universal Installerのユーザー・インタフェースを表示しようとすると、次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。

"Failed to connect to server"
"Connection refused by server"
"Can't open display"

このうちいずれかのエラー・メッセージが表示された場合は、次の手順を実行してください。


注意:

この手順は、UNIXワークステーションのユーザーにのみ適用されます。Xサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたは他のシステムを使用している場合、リモート・システムでローカル・システムにXアプリケーションを表示できるようにする方法については、Xサーバーのドキュメントを参照するか、Xサーバーのベンダーまたはシステム管理者に問い合せてください。

  1. ローカル・ターミナル・ウィンドウから、X Windowセッションを起動したユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力します。

    $ xhost fully_qualified_remote_host_name
    

    次に例を示します。

    $ xhost somehost.us.example.com
    
  3. 次のコマンドを入力します。workstation_nameは、ワークステーションのホスト名またはIPアドレスです。

    • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

      $ DISPLAY=workstation_name:0.0
      $ export DISPLAY
      
    • Cシェルの場合:

      % setenv DISPLAY workstation_name:0.0
      
  4. 次のコマンドを入力して、ローカル・システムでX Windowアプリケーションが正しく表示されているかどうかを確認します。

    $ xclock
    

    Xクロックがモニターに表示されます。

  5. Xクロックが表示されたら、Xクロックを閉じ、Oracle Universal Installerを再起動します。


    関連項目:

    追加の情報は、PC-X Serverまたはオペレーティング・システム・ベンダーのドキュメントを参照してください。

G.3 リモート端末でのインストール・エラー

リモート端末からインストールを実行したり、suコマンドを使用してユーザーを変更すると、次のようなエラーが発生する場合があります。

Could not execute auto check for display colors using command
/usr/X11R6/bin/xdpyinfo

このエラーは、DISPLAY変数が設定されていないか、インストールを実行しているユーザーにX Windowを開く権限が付与されていない場合に発生します。たとえば、suコマンドを使用して、X Windowを開く権限が付与されているユーザーから、ディスプレイにX Windowを開く権限が付与されていないユーザー・アカウント(rootユーザーのコンソール・ディスプレイでウィンドウを開いているより低い権限のユーザーなど)に変更する場合です。

この問題をトラブルシューティングするには、echo $DISPLAYコマンドを実行してDISPLAY変数が正しいビジュアルまたは正しいホストに設定されていることを確認します。DISPLAY変数が正しく設定されている場合は、X Windowを開く権限を付与されたユーザーとしてログインしていることを確認するか、xhost +コマンドを実行して任意のユーザーがX Windowを開くことができるようにします。

G.4 インストール・エラーが発生した場合の対処方法

インストール中にエラーが発生した場合は、次のように操作してください。

  • Oracle Universal Installerを終了しないでください。

  • インストール画面の1つに間違った情報を入力して「次へ」をクリックした場合は、「戻る」をクリックして元の画面に戻り、情報を訂正します。

  • Oracle Universal Installer (OUI)がファイルをコピーまたはリンクしているときにエラーが発生した場合、インストール・ログで詳細を確認してください。

    ファイル・コピーのエラーでは、次のログを確認します。

    /u01/app/oraInventory/logs/timestamp for date of install.log
    /u01/app/oraInventory/logs/timestamp for date of install.err
    /u01/app/oraInventory/logs/timestamp for date of install.out
    

    リンク中のエラーでは、次のログを確認します。

    $ORACLE_HOME/install/make.log
    

    OUIを実行しているときにエラーが発生した場合、-debugオプションを指定してOUIを再実行します。

    $./runInstaller -debug
    

    ログ・ファイルの詳細を確認します。「インストール・セッションのログの確認」を参照してください。

  • コンフィギュレーション・アシスタントの実行中にエラーが発生した場合は、「コンフィギュレーション・アシスタントのトラブルシューティング」を参照してください。

  • 問題を解決できない場合は、「インストール失敗後のクリーン・アップ」の手順に従って、失敗したインストールの内容を削除してください。

G.5 インストール・セッションのログの確認

インストール中には、Oracle Universal Installerにより実行されるすべてのアクションがログ・ファイルに記録されます。インストール中にエラーが発生した場合は、問題の原因と考えられる情報をログ・ファイルで確認してください。

ログ・ファイルを表示する手順は、次のとおりです。

  1. 必要な場合は、次のコマンドを入力して、oraInventoryディレクトリの位置を確認してください。

    $ cat /etc/oraInst.loc
    

    oraInventoryディレクトリの位置は、このファイルのinventory_locパラメータで指定します。

  2. 次のコマンドを入力して、ディレクトリをOracle Universal Installerのログ・ファイル・ディレクトリに変更します。orainventory_locationには、oraInventoryディレクトリの位置を指定します。

    $ cd /orainventory_location/logs
    
  3. 次のコマンドを入力して、ログ・ファイルの名前を指定します。

    $ ls -ltr
    

    これらのコマンドを実行すると、ファイルが作成順に表示され、最新のファイルが最後に示されます。インストーラのログ・ファイルには、次のような名前が付けられます(date_timeはインストールが開始された日時を示します)。

    installActionsdate_time.log
    oraInstalldate_time.err
    oraInstalldate_time.out
    
  4. 問題に関する情報が含まれている可能性が高いログ・ファイルの最新エントリを表示するには、次のようなコマンドを入力します。

    $ tail -50 installActionsdate_time.log | more
    

    このコマンドを実行すると、ログ・ファイルの最後の50行が表示されます。

  5. Oracle Universal Installerにより表示されたエラーまたはログ・ファイルに記録されたエラーが、再リンクに問題があることを示している場合は、次のファイルで詳細を確認してください。

    $ORACLE_HOME/install/make.log
    

G.6 Oracle Restartのトラブルシューティングおよび構成解除

-deconfig -forceフラグを使用してroothas.plコマンドを実行すると、インストールしたバイナリを削除せずにOracle Restartを構成解除できます。この機能は、スタンドアロン・サーバー用Oracle Grid Infrastructureのインストール時、root.shコマンドの実行でオペレーティング・システム・パッケージがないなどのエラーが発生した場合に有用です。roothas.pl -deconfig -forceを実行してOracle Restartを構成解除し、エラーの原因を修正して再度root.shを実行できます。


注意:

Oracle Restartを構成解除する前に、インストールされ実行されているすべてのデータベース、サービスおよびリスナーを停止してください。

Oracle Restartを構成解除する手順:

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. Grid_home/crs/installディレクトリに移動します。次に例を示します。

    # cd /u01/app/11.2.0/grid/crs/install
    
  3. -deconfig -forceフラグを指定してroothas.plを実行します。次に例を示します。

    # roothas.pl -deconfig -force
    

G.7 ホスト名の変更およびCSSのトラブルシューティング

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)のホスト名を変更すると、Oracle CSSデーモンは起動しません。この問題を解決するには、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. roothas.plを実行し、CSSの構成を解除します。

    # cd /u01/app/oracle/product/12.1.0/grid/crs/install
    # perl roothas.pl -deconfig -force
    

    これにより、古いホスト名を参照していたシステム上の構成が削除されます。

  3. root.shを実行し、新しいホスト名を使用してCSSを再構成します。

    # cd /u01/app/oracle/product/12.1.0/grid
    # ./root.sh
    
  4. Gridホームのbinディレクトリに移動します。

    -c SINGLEフラグを指定したsrvctl add databaseコマンドを使用して、Oracle Restart構成内にデータベースを追加します。また、srvctl addコマンドを使用して、リスナー、Oracle ASMインスタンス、すべてのOracle ASMディスク・グループおよびデータベース・サービスをOracle Restart構成に追加します。


    関連項目:

    『Oracle Database管理者ガイド』のsrvctl addに関する項

G.8 コンフィギュレーション・アシスタントのトラブルシューティング

コンフィギュレーション・アシスタントの実行中に発生したインストール・エラーのトラブルシューティング方法は、次のとおりです。

  • 「インストール・セッションのログの確認」に示したインストール・ログ・ファイルを確認します。

  • $ORACLE_HOME/cfgtoollogsディレクトリにある特定のコンフィギュレーション・アシスタントのログ・ファイルを確認します。エラーの原因となった問題を修正します。

  • 「致命的エラー。再インストール」というメッセージが表示される場合は、ログ・ファイルを確認して問題の原因を調べます。これ以降の手順は、「リカバリ不能なエラー」を参照してください。

G.8.1 コンフィギュレーション・アシスタントの障害

Oracleのコンフィギュレーション・アシスタントの障害は、インストール画面の最下部に表示されます。追加情報がある場合は、コンフィギュレーション・アシスタントのインタフェースに表示されます。コンフィギュレーション・アシスタントの実行ステータスは、次のファイルに格納されます。

oraInventory_location/logs/installActionsdate_time.log

次の表に、実行ステータス・コードを示します。

ステータス 結果コード
コンフィギュレーション・アシスタントの正常終了 0
コンフィギュレーション・アシスタントの異常終了 1
コンフィギュレーション・アシスタントの取消し -1

G.8.2 リカバリ不能なエラー

コンフィギュレーション・アシスタントの実行中にリカバリ不能なエラーが発生した場合は、次の手順に従って現在のインストールを削除し、Oracleソフトウェアを再インストールしてください。

  1. 「インストール失敗後のクリーン・アップ」の説明に従って、失敗したインストールの内容を削除します。

  2. リカバリ不能なエラーの原因を修正します。

  3. Oracleソフトウェアを再インストールします。

G.9 インベントリ問題のトラブルシューティング

Oracleホームにおいて次の状況のいずれかに該当する場合は、opatch lsinventory -detailコマンドを実行してインベントリの内容を表示し、問題の修正について『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』のインベントリの破損からのリカバリに関する項を参照してください。

  • インベントリの手順を完了せずに、Oracleホームがクローニングされている場合。

  • 不良インベントリが存在する場合。

  • インベントリが使用できないのに、別のOracleホームにOracle Enterprise Manager Agentがインストールされた時に作成されている場合。

G.10 画面表示問題のトラブルシューティング

画面の解像度を640x480または800x600にしてOracleデータベースに接続している場合、タスクバーの背後に隠れてしまうため、GUIの「次へ」ボタンが表示されません。この問題を解決するには、次のいずれかを実行します。

  • タスクバーを非表示にします。

  • Oracle Universal Installerの画面を上に移動します。

  • 画面の解像度を1024x768以上に設定します。

G.11 サイレント・モード・インストールでのレスポンス・ファイルのエラー処理

サイレント・モード・インストールが正常に実行されたかどうかを判断するには、次のログ・ファイルを参照してください。

/oraInventory_location/logs/silentInstalldate_time.log

必要な場合は、前項を参照してoraInventoryディレクトリの位置を確認してください。

サイレント・インストールは、次の場合に失敗します。

  • レスポンス・ファイルを指定していない場合

  • 不正または不完全なレスポンス・ファイルを指定している場合

  • Oracle Universal Installerにディスク領域不足などのエラーが発生した場合

Oracle Universal Installerまたはコンフィギュレーション・アシスタントは、実行時にレスポンス・ファイルの妥当性を検査します。妥当性検査に失敗すると、サイレント・モード・インストールまたは構成プロセスは終了します。

G.12 インストール失敗後のクリーンアップ

インストールが失敗した場合は、インストールの際にOracle Universal Installerによって作成されたファイルを、削除ツールを使用して削除する必要があります。

削除ツールの実行方法の詳細は、第7章「Oracle Databaseソフトウェアの削除」および「Oracle Restartのトラブルシューティングおよび構成解除」を参照してください。