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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit)
B58877-06
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C シングル・インスタンスのOracle DatabaseからOracle RACおよびOracle RAC One Nodeへの変換

この付録では、Oracle Database 11g リリース2(11.2)のシングル・インスタンスのデータベースからOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースおよびOracle RAC One Nodeデータベースに変換する方法について説明します。

この付録の手順は、元のシングル・インスタンス・データベースとターゲットのOracle RACデータベースが同じリリースを使用して、同じプラットフォーム上で実行されていることを前提としています。以前のリリースのOracle RACからOracle RAC 11g リリース2にアップグレードする場合、Oracle Database Upgrade Assistant(DBUA)を使用します。

この付録の内容は次のとおりです。


注意:

Oracle RACデータベースでは、クラスタ化されたOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)インスタンスを使用する必要があります。


関連項目:

購入したライセンスに適用するコンプライアンス要件の詳細は、『Oracle Databaseライセンス情報』を参照してください。

C.1 データベースをOracle RACに変換する場合の管理上の問題点

シングル・インスタンスのデータベースをOracle RACに変換する前に、次の管理上の問題点に注意してください。

  • シングル・インスタンスのOracle DatabaseからOracle RACに変換する前に、正しい手順でバックアップを行う必要があります。これには、Oracle RACへの変換前に既存のデータベースのバックアップを作成することと、変換直後にOracle RACデータベースのバックアップを作成する準備をすることも含まれます。

  • Oracle RAC環境でアーカイブする場合、アーカイブ・ファイル形式にはスレッド番号が必要です。

  • メディア・リカバリには、Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスのアーカイブ・ログが必要です。そのため、ファイルにアーカイブして、クラスタ・ファイル・システムを使用しない場合または共有ファイル・システムを使用するための他の方法を採用しない場合、クラスタ・データベースのインスタンスがあるすべてのノードからアーカイブ・ログにアクセスするなんらかの方法が必要です。

  • デフォルトでは、すべてのデータベース・ファイルはOracle Managed Files(OMF)に移行されます。この機能によって、表領域の作成が簡単になり、データ・ファイルの場所の一貫性およびOracle Flexible Architecture(OFA)規則への準拠が確保されるため、データ・ファイル管理での人為的なミスが減少します。


関連項目:

REDOログおよびREDOスレッドの詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。

C.2 DBCAを使用したOracle RACおよびOracle RAC One Nodeへの変換

Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)を使用して、シングル・インスタンスのOracle DatabaseをOracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースに変換できます。DBCAを使用すると、制御ファイル属性が自動的に構成され、UNDO表領域とREDOログが作成されて、クラスタ対応環境用の初期化パラメータ・ファイルのエントリが作成されます。また、DBCAは、Oracle Enterprise Managerまたはサーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)で使用するために、Oracle Net ServicesとOracle Clusterwareリソースの構成およびOracle RACデータベース管理用の構成を行います。

DBCAを使用してシングル・インスタンスのデータベースをOracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースに変換する前に、システムが次の条件を満たしていることを確認します。

  • システムで、サポートされているハードウェアおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアが使用されている。システムが、Oracle RACデータベースをサポートするように適切に構成されている。

  • ノードから共有記憶域にアクセスできる。Windows用のOracle Cluster File System(Windows用のOCFS)またはOracle ASMが使用可能で、すべてのノードからアクセスできる。

  • 使用しているアプリケーションが、その特性によりクラスタ・データベース・プロセスで使用不可能になることがない。

ご使用のプラットフォームがクラスタ・ファイル・システムをサポートしている場合は、Oracle RACでそのクラスタ・ファイル・システムを使用できます。Oracle RACに変換して、非共有ファイル・システムを使用することもできます。いずれの場合も、Oracle Universal Installer(OUI)を使用してOracle Database 11g リリース2(11.2)をインストールし、クラスタで選択された各ノード上の同じ位置にOracleホームおよびインベントリを設定することをお薦めします。

この項の内容は次のとおりです。

C.2.1 DBCAを使用したOracle Database 11g のインストールのOracle RACへの変換

クラスタ・コンピュータ以外のコンピュータ上にあるシングル・インスタンスのOracle DatabaseをOracle RACに変換するには、次の項に説明する手順を、その順序で実行します。

C.2.1.1 DBCAを使用したシングル・インスタンス・データベースのイメージの作成

次の手順に従い、DBCAを使用してシングル・インスタンス・データベースの事前構成済イメージを作成します。

  1. %ORACLE_HOME%の下のbinディレクトリに移動して、DBCAを起動します。

  2. 「ようこそ」ページで「次へ」をクリックします。

  3. 「操作」ページで、「テンプレートの管理」を選択して「次へ」をクリックします。

  4. 「テンプレート管理」ページで、「データベース・テンプレートの作成」および「既存のデータベースを使用(データおよび構造)」を選択して「次へ」をクリックします。

  5. 「ソース・データベース」ページで、「データベース・インスタンス」リストでデータベース名を選択して「次へ」をクリックします。

  6. 「テンプレート・プロパティ」ページで、「名前」フィールドにテンプレート名を入力します。データベース名を使用することをお薦めします。

    デフォルトでは、テンプレート・ファイルはディレクトリ%ORACLE_HOME%\assistants\dbca\templatesに生成されます。「説明」フィールドにファイルの説明を入力して、「テンプレート・データファイル」フィールドでテンプレート・ファイルの位置を変更できます。

    入力が完了したら、「次へ」をクリックします。

  7. 「データベース関連ファイルの位置」ページで、現行のディレクトリ構造にデータベースをリストアできるように「ファイル位置を保持」を選択して「終了」をクリックします。

DBCAは、データベース構造ファイル(template_name.dbc)およびデータベースの事前構成済イメージ・ファイル(template_name.dfb)の2つのファイルを生成します。

C.2.1.2 Oracle Clusterwareのインストール

ご使用のプラットフォーム用のOracle Grid Infrastructureのインストレーション・ガイドの説明に従って、Oracle Clusterwareのインストールを実行します。

C.2.1.3 クラスタの検証

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を使用して、クラスタの構成を検証します。CVUの使用方法については、第1.6項「クラスタ検証ユーティリティを使用したクラスタ準備状況の確認」を参照してください。

C.2.1.4 事前構成済データベース・イメージのコピー

事前構成済データベース・イメージをコピーします。第C.2.1.1項「DBCAを使用したシングル・インスタンス・データベースのイメージの作成」でDBCAを使用して作成したデータベース構造ファイル(*.dbc)およびデータベースの事前構成済イメージ・ファイル(*.dfb)も、DBCAを実行するクラスタのノード上の一時的な位置にコピーします。

C.2.1.5 Oracle Database 11gソフトウェアおよびOracle RACのインストール

  1. OUIを実行して、Oracle DatabaseおよびOracle RACをインストールします。

  2. OUIの「ハードウェアのクラスタ・インストール・モードの指定」ページで「クラスタ・インストール」モードを選択し、Oracle RACデータベースに含めるノードを選択します。

  3. OUIのデータベースの構成タイプのページで、「詳細」インストール・タイプを選択します。

    Oracle Databaseソフトウェアのインストール後、OUIはインストール後の構成ツール(Oracle Net Configuration Assistant(NETCA)、DBCAなど)を実行します。

  4. DBCAのテンプレートを選択するページで、第C.2.1.4項「事前構成済データベース・イメージのコピー」で一時的な場所にコピーしたテンプレートを使用します。テンプレートの場所を選択するには、「参照」オプションを使用します。

    デプロイするオプションを選択します。Oracle RACデータベース、Oracle RAC One Nodeデータベースまたはシングル・インスタンスのOracle Databaseから選択できます。

  5. Oracle RACデータベースを作成すると、DBCAにより「パスワード管理」ページが表示され、このページで、SYSDBAとSYSOPERの権限を持つデータベース・ユーザーのパスワードを変更する必要があります。DBCAを終了すると、変換処理が完了します。


注意:

RAWデバイスは、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のOUIまたはDBCAではサポートされません。データベースでRAWストレージを使用するには、第C.2.3.1.2項「手動変換の手順」の手順を実行する必要があります。


関連項目:


C.2.2 DBCAを使用したクラスタ上のシングル・インスタンスのOracle RAC One Nodeへの変換

DBCAでシングル・インスタンスのOracle DatabaseをOracle RAC One Nodeに変換するには、次の手順を実行します。

  1. %ORACLE_HOME%\binディレクトリに移動します。

  2. 次のように、DBCAを起動します。

    C:\..\bin> dbca
    
  3. 「ようこそ」ウィンドウから、「Oracle Real Application Clusters」データベースを選択します。

  4. 第C.2.1.5項「Oracle Database 11gソフトウェアおよびOracle RACのインストール」で選択したデプロイ用のテンプレートを使用します。

C.2.3 DBCAを使用したクラスタ上のシングル・インスタンスのOracle RACへの変換

シングル・インスタンス・データベースがクラスタのノードであるサーバー上に存在できるシナリオは、次の3つです。

C.2.3.1 シングル・インスタンス・データベースおよびOracle RACが有効なホーム

Oracle RACオプションが有効なOracleホームから実行されているクラスタ・ノードでシングル・インスタンス・データベースを変換するには、次の手順を実行します。

  1. 第C.2.1.1項「DBCAを使用したシングル・インスタンス・データベースのイメージの作成」の説明に従って、DBCAを使用してシングル・インスタンス・データベースの事前構成済イメージを作成します。手動で変換を行う場合は、シングル・インスタンス・データベースを停止します。

  2. クラスタにノードを追加するには、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』のWindowsシステムでのクラスタ・ノードの追加に関する項の説明に従って、これらのノードをクラスタに追加して接続する手順を実行します。すべてのノードがOracle ClusterwareおよびOracle RACで使用される共有記憶域にアクセスできることを確認します。

  3. 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』のインストール済のOracle Clusterwareを使用したノードへのOracle RACの追加に関する項の手順に従って、既存のOracleホームから、このホームを新しいノードに拡張します。

  4. 新しく追加したノードから、Oracle Net Configuration Assistant(NETCA)を使用して追加のノードにリスナーを構成します。既存のノードで使用したポート番号およびプロトコルと同じポート番号およびプロトコルを選択します。NETCAでノード・リスト・ページに既存のノードが表示される場合は、リスナーがすでに構成されているため、ノードを選択しないでください。

  5. 次のいずれかの手順でデータベースを変換します。

C.2.3.1.1 DBCAを使用した自動変換の手順

第C.2.1.1項「DBCAを使用したシングル・インスタンス・データベースのイメージの作成」の説明に従って、DBCAを使用してシングル・インスタンス・データベースの事前構成済イメージを作成する場合は、次の手順を実行して変換を完了します。

  1. 元のノードからDBCAを起動します。クラスタ・データベースの一部として含めるノードの名前を選択します。テンプレートの選択ページで、作成した事前構成済テンプレートを選択します。データベース名を入力し、DBCAのプロンプトに従って残りの項目を入力します。

  2. Oracle Databaseデータ・ファイルの共有記憶域の場所を指定します。データ・ファイル用にRAWデバイスを使用する場合は、DBCAを使用できません。かわりに、第C.2.3.1.2項「手動変換の手順」で説明されている手順を実行します。

Oracle RACデータベースを作成すると、DBCAにより「パスワード管理」ページが表示され、このページで、SYSDBAとSYSOPERの権限を持つデータベース・ユーザーのパスワードを変更する必要があります。DBCAを終了すると、変換処理が完了します。

C.2.3.1.2 手動変換の手順

第C.2.1.1項「DBCAを使用したシングル・インスタンス・データベースのイメージの作成」の説明に従ってDBCAを使用してシングル・インスタンス・データベースの事前構成済イメージを作成しなかった場合は、次の手順を実行して変換を完了します。

  1. 追加した各ノード上にOFAディレクトリ構造を作成します。


    関連項目:

    OFAの詳細は、第D.2項「Oracle RACのディレクトリ構造」を参照してください。

  2. ファイル・システム上のシングル・インスタンス・データベースをRAWデバイスに変換する場合は、ocopyコマンドを使用して、データベースのデータ・ファイル、制御ファイル、REDOログおよびSPFILEを対応するRAWデバイスにコピーします。それ以外の場合は、次の手順に進みます。

  3. SQL文のCREATE CONTROLFILEREUSEキーワード付きで実行して制御ファイルを再作成し、Oracle RAC構成に必要なMAXINSTANCESMAXLOGFILESなどを指定します。MAXINSTANCESのデフォルト値は、32に指定することをお薦めします。

  4. データベース・インスタンスを停止します。

  5. シングル・インスタンス・データベースでSPFILEを使用していた場合は、次のSQL文を使用して、SPFILEから一時的なパラメータ・ファイル(PFILE)を作成します。

    CREATE PFILE='pfile_name' from spfile='spfile_name'
    
  6. CLUSTER_DATABASEパラメータをTRUEに設定し、sid.parameter=value構文を使用して、INSTANCE_NUMBERパラメータをインスタンスごとに一意の値に設定します。

    シングル・インスタンス・データベースのメモリ使用量を最適化していた場合は、システム・グローバル領域(SGA)のサイズを調整して、Oracle RACへの変換時にスワップおよびページングが発生しないようにします。この調整が必要な理由は、Oracle RACでは、グローバル・キャッシュ・サービス(GCS)用に、各バッファに約350バイトずつ必要になるためです。たとえば、バッファが10000ある場合、Oracle RACは約350×10000バイトの追加メモリーを必要とします。したがって、DB_CACHE_SIZEパラメータとDB_nK_CACHE_SIZEパラメータをこれに応じて変更し、SGAのサイズを調整します。

  7. 手順5で作成したPFILEを使用して、データベース・インスタンスを起動します。

  8. シングル・インスタンス・データベースで自動UNDO管理を使用していた場合は、CREATE UNDO TABLESPACE SQL文を使用して、追加インスタンスごとにUNDO表領域を作成します。RAWデバイスを使用している場合は、UNDO表領域用のデータ・ファイルがRAWデバイス上にあることを確認します。

  9. 2つ以上のREDOログを持つREDOスレッドを追加インスタンスごとに作成します。RAWデバイスを使用している場合は、REDOログ・ファイルがRAWデバイス上にあることを確認します。SQL文のALTER DATABASEを使用して、新しいREDOスレッドを使用可能にします。その後で、データベース・インスタンスを停止します。

  10. Oracleパスワード・ファイルを、元のノードまたは作業中のノードから追加ノード(クラスタ・データベースのインスタンスが存在するノード)の対応する位置にコピーします。追加インスタンスごとに、各パスワード・ファイルのORACLE_SID名を適切に置換します。

  11. REMOTE_LISTENERパラメータに単一クライアント・アクセス名(SCAN)およびポートを設定します。

  12. データベースとインスタンスのネット・サービス・エントリ、インスタンスごとのLOCAL_LISTENERのアドレス・エントリ、およびtnsnames.oraファイルのREMOTE_LISTENERのアドレス・エントリを構成します。これを行った後、tnsnames.oraファイルをすべてのノードにコピーします。

  13. 第5.5項「Oracle RAC環境でのSPFILEへの移行」の手順を使用して、PFILEからSPFILEを作成します。Oracle ASMまたはクラスタ・ファイル・システムを使用していない場合は、SPFILEがクラスタ内のすべてのノードからアクセス可能なRAWデバイス上にあることを確認します。

  14. 次のエントリを含むOracle_home\database\initsid.oraファイルを作成します。spfile_path_nameはSPFILEの完全パス名です。

    spfile='spfile_path_name'
    
  15. ローカル・ノードで、SQL*Plusを使用してcatclust.sqlを実行します。このスクリプトによって、Oracle RACデータベースに必要なディクショナリ・ビューが作成されます。次に例を示します。

    SQL> start %ORACLE_HOME%\rdbms\admin\catclust.sql
    
  16. SRVCTLを使用して、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースの構成とそのインスタンスのノードへのマッピングを追加します。

    1. Oracle RACデータベースの構成を追加するには、次のコマンドを使用します。

      srvctl add database -d db_name -o Oracle_home -p spfile_path_name
      srvctl add instance -d db_name -i inst1_name -n node1_name
      srvctl add instance -d db_name -i inst2_name -n node2_name
      ...
      
    2. Oracle RAC One Nodeデータベースの構成を追加するには、次のコマンドを使用します。

      srvctl add database -d db_name -c RACONENODE -o Oracle_home
      -p spfile_path_name
      
  17. SRVCTLを使用してOracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースを起動します。

    C:\> srvctl start database -d db_name
    

SRVCTLでデータベースを起動すると、変換処理は完了です。次のSQL文を実行すると、Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスのステータスを確認できます。

SQL> select * from v$active_instances;

C.2.3.2 Oracle RAC非対応のホームを使用するシングル・インスタンス・データベース

Oracle RACオプションが無効なOracleホームを使用するクラスタで、シングル・インスタンス・データベースを作成できます。Oracle RAC非対応のクラスタでOracleホームを作成する場合は、Oracle Databaseソフトウェアのインストール時にOracle Universal Installer(OUI)の「ノードの選択」ページでローカルおよび非クラスタを選択できます。単一ノードのクラスタ(およびOracle RAC)のインストールを実行して、後でOracle RACオプションを無効にすることもできます。

次の手順に従って、このタイプのシングル・インスタンス・データベースをOracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースに変換します。

  1. 第C.2.1.1項「DBCAを使用したシングル・インスタンス・データベースのイメージの作成」の説明に従って、DBCAを使用してシングル・インスタンス・データベースの事前構成済イメージを作成します。手動で変換を行う場合は、シングル・インスタンス・データベースを停止します。

  2. Oracleホームのbinサブディレクトリに移動します。

  3. 次のコマンドでorarac11.dll.dblファイルの名前を変更して、Oracle RACオプションを有効にします。

    C:\..\bin> copy /Y orarac11.dll.dbl orarac11.dll
    
  4. 第C.2.3.1項「シングル・インスタンス・データベースおよびOracle RACが有効なホーム」の手順2に進みます。

C.2.4 Oracle RAC One NodeデータベースのOracle RACデータベースへの変換

Oracle RAC One Nodeデータベース所有者としてログインして、次のSRVCTLコマンドを入力すると、Oracle RAC One NodeデータベースをOracle RACデータベースに変換できます。

C:\> srvctl convert database -c RAC

注意:

デフォルトでは、すべての名前付きユーザーがサーバー・プールを作成できます。この権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーを制限するには、CRS管理者リストに特定のユーザーを追加することをお薦めします。CRS管理者リストへのユーザーの追加の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

このコマンドを実行した後に、データベース・サーバー・プールの他に、各データベース・サービスのサーバー・プールを作成する必要があります。このデータベース・サービスが使用するサーバー・プールのSERVER_NAMESの値に、Oracle RAC One NodeからOracle RACノードに変換したノードが設定されている必要があります。CRSCTLユーティリティまたはOracle Enterprise Managerを使用すると、サーバー・プールを作成して構成できます。

管理者管理Oracle RAC One NodeデータベースをOracle RACデータベースに変換することで、すべてのデータベース・サービスでシングル・インスタンスがそのサービスの優先インスタンスになるように構成されます。データベースを変換した後は、SRVCTL add instanceコマンドを実行してインスタンスをデータベースに追加できます。

ポリシー型管理のOracle RAC One NodeデータベースをOracle RACデータベースに変換すると、すべてのデータベース・サービスのカーディナリティがUNIFORMに設定されます。また、このデータベースが現在実行されているサーバー・プールが再利用されることになります。変換では、このデータベースがサーバー・プール内のすべてのノードで実行されるように再構成されます。このコマンドでは、追加のインスタンスは起動されませんが、SRVCTL start databaseコマンドを実行すると、サーバー・プール内のすべてのノードでこのデータベースが起動します。


関連項目:

ポリシー管理および管理者管理データベース、サーバー・プールおよびデータベース・サービスの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

C.3 rconfigおよびOracle Enterprise Managerを使用して変換するための準備

rconfigまたはOracle Enterprise Managerを使用すると、シングル・インスタンスのデータベースのインストールをOracle RACデータベースに簡単に変換できます。rconfigは、コマンドライン・ユーティリティです。Oracle Enterprise Manager Grid Controlのデータベース管理オプション(「クラスタ・データベースへの変換」)は、GUIベースの変換ツールです。次の項では、これらの変換ツールを使用する方法について説明します。


注意:

変換を実行する前には、既存のデータベースのバックアップを作成しておきます。大規模な変更を行う前にも、データベースのバックアップを作成してください。

C.3.1 Oracle RACデータベースへの変換の前提条件

シングル・インスタンスのデータベースをOracle RACデータベースに変換する前に、Oracle RACデータベース・ノードを作成する各クラスタ・ノードで次の条件が満たされていることを確認します。

  • Oracle Clusterware 11g リリース2(11.2)がインストールおよび構成済で実行されている。

  • Oracle RAC 11g リリース2(11.2)ソフトウェアがインストールされている。

  • Oracleソフトウェアで、Oracle RACオプションが有効になっている。

  • Oracle Cluster File SystemまたはOracle ASMのいずれかの共有記憶域がすべてのノードから使用可能でアクセスできる。

  • oracleアカウント、またはOracleソフトウェアのインストールに使用されたユーザー・アカウントにユーザー等価関係が存在する。

  • Oracle Enterprise Managerを使用する場合は、各ノードのOracle Management Agentが構成され、実行中であり、クラスタおよびホスト情報とともに構成されている。

  • 既存のデータベースをバックアップしている。


注意:

Oracle RACデータベースでは、クラスタ化されたOracle ASMインスタンスを使用する必要があります。Oracle ASMは、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアとともにインストールされます。

C.3.2 rconfigを使用したOracle RACへの変換時の構成の変更

rconfigユーティリティを使用してシングル・インスタンス・データベースをOracle RACに変換すると、次の変更が行われます。

  • 変換時に、rconfigによってターゲットのOracle RACデータベースがアーカイブ・ログ・モードに設定され、データベースのアーカイブが有効になります。アーカイブ・ログ領域を使用しない場合は、変換の完了後にアーカイブ・ログを無効にできます。

  • 共有記憶域タイプの値として「CFS」と入力し、シングル・インスタンスのデータベース記憶域に対してクラスタ・ファイル・システムを使用している場合は、rconfigによって、データベース記憶域に対してOracle Managed Files(OMF)が使用されるように環境が変換され、データ・ファイルが共有記憶域の場所の下にあるサブディレクトリに配置されます。

  • 変換時に、rconfigによって、データベース・ファイルが指定した共有の場所に移動され、OMFを使用して構成されます。

    変換されたデータベースでOMFを使用しないようにするには、シングル・インスタンスのデータベースのファイルを共有ファイル・システムに配置して、rconfigでこれらのファイルが移動されないように指定する必要があります。

C.3.3 rconfigまたはEnterprise Managerを使用したデータベースのOracle RACへの変換

次に、シングル・インスタンスのOracle DatabaseをOracle RACデータベースに変換するシナリオを示します。

  • シングル・インスタンスのOracle Database 11g リリース2(11.2)データベースを、このシングル・インスタンスのデータベースと同じOracleホームから実行し、同じデータ・ファイルを使用するOracle RAC 11g リリース2(11.2)データベースに変換する。

    このシナリオでは、Oracle RACデータベース・ホームからrconfigユーティリティを実行するか、またはOracle Enterprise Manager Grid Controlのシングル・インスタンスのデータベース・ターゲットでRACへの変換オプションを使用します。

  • Oracle Database 11g リリース2(11.2)より前のリリースのOracle Databaseを使用するシングル・インスタンス・データベースを、このシングル・インスタンス・データベースと同じOracleホームから実行し、同じデータ・ファイルを使用するOracle RAC 11g リリース2(11.2)データベースに変換する。

    このシナリオでは、OUIおよびDBUAを使用して、シングル・インスタンス・データベースをOracle Database 11g リリース2(11.2)にアップグレードします。その後で、前述のシナリオで説明したようにrconfigまたはOracle Enterprise ManagerのRACへの変換オプションを使用します。

  • シングル・インスタンスのOracle Database 11g リリース2(11.2)を、このシングル・インスタンスのデータベースとは異なるOracleホームから実行し、このシングル・インスタンスのデータベースと同じデータ・ファイルを使用するOracle 11g リリース2(11.2)のOracle RACデータベースに変換する。

    このシナリオでは、ターゲットのデータベース・ホームでrconfigユーティリティを実行するか、またはOracle Enterprise Manager Grid Controlのシングル・インスタンスのデータベース・ターゲットでRACへの変換オプションを使用します。プロンプトに従って、ファイル記憶域の場所を指定します。

  • シングル・インスタンスのデータベースが実行されているホストがOracle RACデータベースのノードではない環境で、シングル・インスタンスのOracle Database 11g リリース2(11.2)データベースを、異なるOracleホームから実行するOracle RAC 11g リリース2(11.2)データベースに変換する。

    このシナリオでは、シングル・インスタンスのデータベースのクローン・イメージを作成し、そのクローン・イメージをOracle RACデータベースが使用するノードであるホストに移動します。その後で、前述のシナリオで説明したようにrconfigまたはOracle Enterprise ManagerのRACへの変換オプションを使用します。

C.3.4 Oracle Enterprise Managerを使用したデータベースのOracle RACへの変換

Oracle Enterprise Manager Grid Controlを使用して、シングル・インスタンスのデータベースをOracle RACデータベースに変換できます。この機能を使用するには、次の手順を実行します。


関連項目:

既存のOracle Databaseのインストールのアップグレードについては、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  1. Grid Controlにログインします。Grid Controlのホームページで、「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「ターゲット」ページで、「データベース」タブをクリックし、Oracle RACに変換するデータベースの「名前」列にあるリンクをクリックします。

  3. 「データベース・インスタンス」の「ホーム」ページで、「データベースの変更」タブをクリックします。

  4. 「管理」ページにある「データベース管理」の「データベースの変更」セクションで、「クラスタ・データベースへの変換」をクリックします。

  5. SYSDBA権限を持つデータベース・ユーザーSYSとして、変換するデータベースにログインし、「次へ」をクリックします。

  6. 「クラスタ・データベースへの変換: クラスタ資格証明」ページで、oracleユーザーのユーザー名とパスワード、および変換するターゲット・データベースのパスワードを指定します。ターゲット・データベースでOracle ASMを使用している場合は、SYSASMユーザーとパスワードも指定して、「次へ」をクリックします。

  7. 「ホスト」ページで、インストールしたOracle RACデータベースのクラスタ・メンバーにするクラスタ内のホスト・ノードを選択します。選択が完了したら、「次へ」をクリックします。

  8. 「データベースへの変換: オプション」ページで、既存のリスナーとポート番号を使用するか、またはクラスタに新しいリスナーとポート番号を指定するかどうかを選択します。また、クラスタのクラスタ・データベース・インスタンスの接頭辞も指定します。

    情報の入力が終了したら、「次へ」をクリックします。または、情報の入力方法の決定についての情報が必要な場合は、「ヘルプ」をクリックします。

  9. 「クラスタ・データベースへの変換: 共有記憶域」ページで、既存の共有記憶域領域を使用するオプションを選択するか、またはデータベース・ファイルを新しい共有記憶域の場所にコピーするオプションを選択します。また、既存の高速リカバリ領域を使用するか、またはOracle Databaseによって管理されたファイルを使用して、リカバリ・ファイルを新しい高速リカバリ領域にコピーするかどうかを決定します。

    Oracle ASMを使用する場合、データ・ファイルとリカバリ・ファイルを別の障害グループに配置することをお薦めします。障害グループは、2つのディスク間で共有されているコントローラなどの共有ハードウェアまたは同じスピンドル上にある2つのディスクによって定義されます。2つのディスクで障害が発生したハードウェアを共有しており、両方のディスクが使用できなくなった場合、これらのディスクは同じ障害グループに属しています。Oracle ASMを使用しない場合、データ・ファイルとリカバリ・ファイルを(ASMを使用する場合の別の障害グループと同様の)別の場所に配置して、ハードウェアの障害によって可用性が低下しないようにすることをお薦めします。


    関連項目:

    障害グループの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

    情報の入力が終了したら、「次へ」をクリックします。または、情報の入力方法の決定についての情報が必要な場合は、「ヘルプ」をクリックします。

  10. 「クラスタ・データベースへの変換: 確認」ページで、選択したオプションを確認します。変換に進むには、「ジョブの発行」をクリックします。選択したオプションを変更するには、「戻る」をクリックします。変換を取り消す場合は、「取消」をクリックします。

  11. 「確認」ページで、「ジョブの表示」をクリックし、変換の状態を確認します。

C.4 rconfigを使用したデータベースのOracle RACへの変換

コマンドライン・ユーティリティrconfigを使用すると、ConvertToRAC.xmlファイルで提供する値に応じて、シングル・インスタンス・データベースをOracle RACデータベースに変換することも、Oracle RAC One Nodeデータベースに変換することもできます。この機能を使用するには、次の手順を実行します。


関連項目:

既存のOracle Databaseのインストールのアップグレードについては、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  1. oracleユーザーで、%ORACLE_HOME%\assistants\rconfig\sampleXMLsディレクトリに移動し、テキスト・エディタを使用してConvertToRAC.xmlファイルを開きます。

  2. ConvertToRAC.xmlファイルを確認し、システムに必要なパラメータを変更します。XMLサンプル・ファイルには、ファイルの構成方法を説明するコメントが含まれています。


    注意:

    変換が正常に完了することを確認するには、変換オプションConvert verify="ONLY"を設定して、テスト変換を実行します。

    パラメータの変更が終了したら、filename.xmlという形式の名前を付けてファイルを保存します。選択した名前を記録しておきます。

  3. %ORACLE_HOME%\binディレクトリに移動し、次のコマンドを使用してrconfigを実行します。input.xmlは手順2で構成したXML入力ファイルの名前です。

    C:\..\bin> rconfig input.xml
    

    たとえば、convert.xmlというXML入力ファイルを作成した場合は、次のコマンドを使用します。

    C:\...\bin> rconfig.bat convert.xml
    

注意:

ConvertToRAC.xmlファイルのConvert verifyオプションには、3つのオプションがあります。
  • Convert verify="YES": rconfigは変換を開始する前に、シングル・インスタンスからOracle RACに変換するための前提条件が満たされていることを確認するチェックを行います。

  • Convert verify="NO": rconfigは前提条件のチェックを行わずに、変換を開始します。

  • Convert verify="ONLY": rconfigは前提条件のチェックのみを行います。前提条件のチェックが完了しても変換は開始されません。


変換の実行に失敗した場合、次の手順を使用してリカバリを実行し、変換を再試行します。

  1. DBCAのデータベースの削除オプションを使用して、データベースの削除を試行します。

  2. ソース・データベースをリストアします。

  3. 変換ログを確認し、rconfigでレポートされた問題で変換の失敗の原因になった可能性があるものを修正します。rconfigのログ・ファイルは、%ORACLE_BASE%\cfgtoollogsrconfigディレクトリの下に作成されます。

  4. 変換を再試行します。

C.5 ConvertToRAC用のrconfig XML入力ファイルの例

次の2つの例は、rconfigユーティリティ用のConvertToRAC XML入力ファイルです。例C-1のXML入力ファイルは、Oracle ASMを使用したシングル・インスタンスのデータベースを、Oracle ASM記憶域でポリシー管理型のOracle RACデータベース(サーバー・プールを使用)に変換するものです。例C-2のXML入力ファイルは、Oracle ASMを使用したシングル・インスタンスのデータベースを、管理者管理型のOracle RACデータベースに変換するものです。

例C-1 ポリシー管理データベースのrconfig ConvertToRAC XMLファイルの例

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<n:RConfig xmlns:n="http://www.oracle.com/rconfig"
           xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
           xsi:schemaLocation="http://www.oracle.com/rconfig">
    <n:ConvertToRAC>   
<!-- Verify does a precheck to ensure all pre-requisites are met, before the
conversion is attempted. Allowable values are: YES|NO|ONLY -->
        <n:Convert verify="YES">
<!--Specify current OracleHome of non-rac database for SourceDBHome -->
              <n:SourceDBHome>C:\app\oracle\product\11.2.0\db_1</n:SourceDBHome>
<!--Specify OracleHome where the rac database should be configured. It can be same
as SourceDBHome -->
              <n:TargetDBHome>C:\app\oracle\product\11.2.0\db_1</n:TargetDBHome>
<!--Specify SID of non-rac database and credential. User with sysdba role is
required to perform conversion -->
              <n:SourceDBInfo SID="sales">
                <n:Credentials>
                  <n:User>sys</n:User>
                  <n:Password>oracle</n:Password>
                  <n:Role>sysdba</n:Role>
                </n:Credentials>
              </n:SourceDBInfo>
<!--Specify the list of existing or new server pools which are used by the Policy
Managed Cluster Database. -->
              <n:ServerPoolList>
                <n:ExistingServerPool name="custom"/>
                <n:NewServerPool name="newpool" cardinality="2"/>
              </n:ServerPoolList>
<!--Specify RacOneNode along with servicename to convert database to RACOne Node
-->
 <!--n:RacOneNode  servicename="salesrac1service"/-->
<!--InstancePrefix is not required for Policy Managed database. If specified, it
will be ignored. Instance names are generated automatically based on db_unique_
name for Policy Managed dababase.-->
<!-- Listener details are no longer needed starting 11.2. Database is registered
with default listener and SCAN listener running from Oracle Grid Infrastructure
home. -->
<!--Specify the type of storage to be used by rac database. Allowable values are
CFS|ASM. The non-rac database should have same storage type. ASM credentials are
not needed for conversion. -->
              <n:SharedStorage type="ASM">
<!--Specify Database Area Location to be configured for rac database.If this field
is left empty, current storage will be used for rac database. For CFS, this field
will have directory path. -->
                <n:TargetDatabaseArea>+ASMDG</n:TargetDatabaseArea>
<!--Specify Fast Recovery Area to be configured for rac database. If this field
is left empty, current recovery area of non-rac database will be configured for
rac database. If current database is not using recovery Area, the resulting rac
database will not have a recovery area. -->
                <n:TargetFlashRecoveryArea>+ASMDG</n:TargetFlashRecoveryArea>
              </n:SharedStorage>
        </n:Convert>
    </n:ConvertToRAC>
</n:RConfig>

例C-2 管理者管理データベースのrconfig ConvertToRAC XMLファイルの例

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<n:RConfig xmlns:n="http://www.oracle.com/rconfig"
           xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
           xsi:schemaLocation="http://www.oracle.com/rconfig rconfig.xsd">
    <n:ConvertToRAC>   
<!-- Verify does a precheck to ensure all pre-requisites are met, before the
conversion is attempted. Allowable values are: YES|NO|ONLY -->
        <n:Convert verify="YES">
<!--Specify current OracleHome of non-rac database for SourceDBHome -->
              <n:SourceDBHome>C:\app\oracle\product\11.2.0\db_1</n:SourceDBHome>
<!--Specify OracleHome where the rac database should be configured. It can be same
as SourceDBHome -->
              <n:TargetDBHome>C:\app\oracle\product\11.2.0\db_1</n:TargetDBHome>
<!--Specify SID of non-rac database and credential. User with sysdba role is
required to perform conversion -->
              <n:SourceDBInfo SID="sales">
                <n:Credentials>
                  <n:User>sys</n:User>
                  <n:Password>oracle</n:Password>
                  <n:Role>sysdba</n:Role>
                </n:Credentials>
              </n:SourceDBInfo>
<!--Specify the list of nodes that should have rac instances running for the Admin
Managed Cluster Database. LocalNode should be the first node in this nodelist. -->
              <n:NodeList>        
                <n:Node name="node1"/>
                <n:Node name="node2"/>
              </n:NodeList>
<!--Specify RacOneNode along with servicename to convert database to RACOne Node
-->
<!--n:RacOneNode  servicename="salesrac1service"/-->
<!--Instance Prefix tag is optional starting with 11.2. If left empty, it is
derived from db_unique_name.-->
              <n:InstancePrefix>sales</n:InstancePrefix>
<!-- Listener details are no longer needed starting 11.2. Database is registered
with default listener and SCAN listener running from Oracle Grid Infrastructure
home. -->
<!--Specify the type of storage to be used by rac database. Allowable values are
CFS|ASM. The non-rac database should have same storage type. ASM credentials are
no needed for conversion. -->
              <n:SharedStorage type="ASM">
<!--Specify Database Area Location to be configured for rac database.If this field
is left empty, current storage will be used for rac database. For CFS, this field
will have directory path. -->
                <n:TargetDatabaseArea>+ASMDG</n:TargetDatabaseArea>
<!--Specify Fast Recovery Area to be configured for rac database. If this field
is left empty, current recovery area of non-rac database will be configured for
rac database. If current database is not using recovery Area, the resulting rac
database will not have a recovery area. -->
                <n:TargetFlashRecoveryArea>+ASMDG</n:TargetFlashRecoveryArea>
              </n:SharedStorage>
        </n:Convert>
    </n:ConvertToRAC>
</n:RConfig>

C.6 変換後の手順

変換の終了後は、Oracle RACドキュメントで説明されているとおり、Oracle RAC環境に関する次の推奨事項に注意してください。

  • ロード・バランシングおよび透過的アプリケーション・フェイルオーバーの使用方法については、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』で説明する推奨事項に従ってください。

  • 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』の説明に従って、ディクショナリ管理表領域ではなくローカル管理表領域を使用して、競合を軽減し、順序をOracle RACで管理します。

  • 自動セグメント領域管理の使用方法については、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』のガイドラインに従ってください。

Oracle RACでのバッファ・キャッシュおよび共有プールの容量に関する要件は、シングル・インスタンスのOracle Databaseでの要件よりもわずかに大きくなります。このため、バッファ・キャッシュのサイズを約10%、共有プールのサイズを約15%増加する必要があります。