| Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit) B58877-06 |
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この付録では、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のインストールに関するトラブルシューティング情報について説明します。
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関連項目: インストール・メディアのドキュメント・ディレクトリに含まれるOracle Database 11gリリース2(11.2)Oracle Real Application Clustersのドキュメントを参照してください。
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この付録の内容は次のとおりです。
この項では、Oracle RACのインストール時にエラーが発生した場合の対処方法について説明します。
この付録のトラブルシューティング手順を試行する前に、次のことを実行してください。
第1章「インストール前のチェックリスト」を参照して、システムが要件を満たしていること、およびインストール前の作業がすべて完了していることを確認してください。
インストールの前に、ご使用のプラットフォームのその製品に関するリリース・ノートをお読みください。リリース・ノートは、Oracle Databaseのインストール・メディアに収録されています。リリース・ノートの最新バージョンは、次のURLにあるOracle Technology NetworkのWebサイトから入手できます。
http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/
インストール時にエラーが発生した場合は、次のように対応してください。
Oracle Universal Installer(OUI)を終了しないでください。
インストール・ウィンドウで誤った情報を入力して「次へ」をクリックした場合は、「戻る」をクリックしてそのウィンドウに戻り、情報を修正してください。
OUIのファイルのコピー中にエラーが発生した場合、対話型インストールの場合は第A.1.3項「インストール・セッションのログ・ファイルの特定」、詳細は第A.4項「サイレント・インストールまたは非対話型のインストールのトラブルシューティング」を参照してください。
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中にエラーが発生した場合は、第A.3項「コンフィギュレーション・アシスタントのエラーのトラブルシューティング」の項を参照してください。
問題を解決できない場合は、第A.6項「インストールが失敗した後のクリーンアップ」に示されている手順に従って、失敗したインストールを削除してください。
OUIでは、インストール中、実行されたすべての動作がログ・ファイルに記録されます。インストール中に問題が発生した場合は、ログ・ファイルを参照して、考えられる問題の原因についての情報を確認してください。
デフォルトでは、ログ・ファイルは次のディレクトリに格納されます。
%SYSTEMDRIVE%\Program Files\Oracle\Inventory\logs
対話型のインストールのログ・ファイル名は、次の形式になります。
installActionsdate_time.log
たとえば、対話型のインストールが2009年10月14日の午前9時00分56秒に実行された場合、ログ・ファイルの名前は次のようになります。
installActions2009-10-14_09-00-56AM.log
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注意: Inventoryディレクトリまたはその内容を、削除または手動で変更しないでください。OUIがシステムにインストールする製品を検索できなくなります。 |
次に、インストール中に発生する可能性のある様々なエラーの例を示します。
Grid_home\log\hostname\client\ocrconfig_pid.logでエラー「Not enough space in the backing store」を検索してください。XCOPYを使用して、既存のRAWパーティションの内容を新しいデバイスにコピーします。ORA_DBAと呼ばれるWindowsローカル・グループを作成し、このグループにインストールを実行したユーザーのユーザー名を追加します。このORA_DBAのメンバーには、自動的にSYSDBA権限が付与されます。ただし、クラスタ・インストールに関しては、リモートでインストールを実行すると、OUIはインストールを実行しているユーザーをORA_DBAに追加しません。そのため、このユーザーはSYSDBA権限を使用してSQL*Plusにログインすることができませんでした。ORA_DBAに手動で追加します。
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関連項目: SQL*Plusを使用してデータベースに接続する方法については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle RACのインストール時にOUIの「ノードの選択」ページが表示されない場合は、Oracle Clusterwareホーム(Grid_home\bin)のバイナリ・ディレクトリからolsnodes -vコマンドを実行してクラスタウェア診断を行い、その出力を分析します。出力の詳細情報でクラスタウェアが動作していないことが示された場合は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
また、次のコマンドを使用してCluster Managerの整合性を確認します。node_list変数はクラスタのノードのカンマ区切りリストです。
cluvfy comp clumgr -n node_list -verbose
OUIでは、インストール中、実行されたすべての動作がログ・ファイルに記録されます。インストール中に問題が発生した場合は、ログ・ファイルを参照して、考えられる問題の原因についての情報を確認してください。
ログ・ファイルを表示するには、次の手順を実行します。
Oracle Inventoryディレクトリのlogsサブディレクトリに移動します。
C:\> cd Program Files\Oracle\Inventory\logs
フォルダのファイルの詳細を確認して、最新のファイルを判別します。インストーラのログ・ファイルは、次のような名前になります。date_timeは、インストールが開始された日時を示します。
installActionsdate_time.log
テキスト・エディタを使用して、ログ・ファイルの最新のエントリを表示します。最新のエントリは、問題についての情報が示されている可能性が最も高い箇所です。
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中に発生したインストール・エラーをトラブルシューティングするには、次の作業を行います。
第A.3.1項「コンフィギュレーション・アシスタントのエラーの確認」に示すインストール・ログ・ファイルを確認します。
Oracleベース・ディレクトリ(パス%ORACLE_BASE%\cfgtoollogs)にある特定のコンフィギュレーション・アシスタントのログ・ファイルを確認します。エラーの原因になった問題を修正します。
「致命的エラー。再インストールしてください」というメッセージが表示された場合は、ログ・ファイルを確認して問題の原因を調査します。手順については、第A.3.3項「コンフィギュレーション・アシスタントからレポートされる修復不能なエラーの解決」を参照してください。
Oracle Net Configuration Assistant(NETCA)などのコンフィギュレーション・アシスタントの実行中に発生したインストール・エラーのトラブルシューティングを行うには、次の手順を実行します。
第A.2.3「インストール・セッションのログの確認」の説明に従って、インストール・ログ・ファイルを確認します。
第A.3.2項「コンフィギュレーション・アシスタントのエラーの特定」の説明に従って、特定のコンフィギュレーション・アシスタント・ログ・ファイルを確認します。可能な場合は、エラーの原因となった問題を解決します。
「致命的エラー。再インストールしてください」というメッセージが表示された場合は、ログ・ファイルを確認して問題の原因を調査します。詳細は、第A.3.3項「コンフィギュレーション・アシスタントからレポートされる修復不能なエラーの解決」を参照してください。
Oracle Configuration Assistantがその構成タスクを完了できない場合、失敗のステータスがレポートされます。Oracle Configuration Assistantのエラーは、インストール画面の下部に表示されます。コンフィギュレーション・アシスタント・インタフェースに追加情報が表示される場合もあります。
コンフィギュレーション・アシスタントの実行状態は、次のファイルに保存されています。
C:\Program Files\Oracle\Inventory\logs\installActionsdate_time.log
完了ステータス・コードを次に示します。
| ステータス | 結果コード |
|---|---|
| コンフィギュレーション・アシスタントの成功 | 0 |
| コンフィギュレーション・アシスタントの失敗 | 1 |
| コンフィギュレーション・アシスタントの取消し | -1 |
コンフィギュレーション・アシスタントに関連するエラーの詳細は、次のディレクトリで参照できます。ORACLE_BASEディレクトリは、Oracle RACインストールを実行しているユーザーのOracleベースです。
ORACLE_BASE\cfgtoollogs
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中に修復不能(致命的)なエラーが発生した場合は、次の作業を行う必要があります。
第A.6項「インストールが失敗した後のクリーンアップ」の説明に従って失敗したインストールを削除します。
修復不能なエラーの原因を解決します。
Oracleソフトウェアを再インストールします。
サイレント・インストールまたは非対話型のインストールの成功または失敗を確認するには、silentInstallActionsdate_time.logファイルを確認します。このファイルは、DRIVE_LETTER:\Program Files\Oracle\Inventory\logsにあります。第A.2.3項「インストール・セッションのログの確認」を参照してください。
サイレント・インストールまたは非対話型のインストールは、次の場合に失敗します。
レスポンス・ファイルを指定していない場合。
誤った、または不完全なレスポンス・ファイルを指定した場合。
たとえば、一般的には、すべての製品固有のデータは正しくても、ステージング領域の場所が誤っていることがあるという問題があります。この場合は、FROM_LOCATION変数を確認して、インストール・メディアのproducts.xmlファイルが指定されていることを確認します。このproducts.xmlは、インストール・メディアのdatabase\stageにあります。
OUIでエラーが発生した場合(ディスク領域の不足など)。
OUIまたはコンフィギュレーション・アシスタントは、実行時にレスポンス・ファイルを検証します。検証が失敗した場合、サイレント・インストールまたは対話型のインストールあるいは構成プロセスが終了します。OUIは、コンテキスト、形式またはタイプが誤っているパラメータ値については、値がファイルに指定されていない場合と同様に処理します。
Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2.0.3)以上では、CVUのhealthcheckコマンド・オプションを使用してOracle ClusterwareおよびOracle Databaseインストールをチェックし、必須要件およびベスト・プラクティス・ガイドラインへの適合性を調べたり、正しく動作していることを確認できます。
次の構文を使用してhealthcheckコマンド・オプションを実行します。
cluvfy comp healthcheck [-collect {cluster|database}] [-db db_unique_name] [-bestpractice|-mandatory] [-deviations] [-html] [-save [-savedir directory_path]
次に例を示します。
$ cd /home/grid/cvu_home/bin $ ./cluvfy comp healthcheck -collect cluster -bestpractice -deviations -html
オプションは次のとおりです。
-collect [cluster|database]
このフラグを使用して、Oracle Clusterware(クラスタ)またはOracle Database(データベース)のチェックを実行することを指定します。healthcheckオプションでcollectフラグを使用しない場合は、cluvfy comp healthcheckではOracle ClusterwareおよびOracle Databaseの両方に対するチェックが実行されます。
-db db_unique_name
このフラグを使用して、dbフラグの後に入力した一意のデータベース名に対するチェックを指定します。
CVUでは、JDBCを使用してcvusysユーザーとしてデータベースに接続し、様々なデータベース・パラメータが検証されます。このため、-dbフラグで指定したデータベースに対してチェックを実行する場合は、まずそのデータベースにcvusysユーザーを作成し、そのユーザーにCVU固有のロールCVUSAPPを付与する必要があります。また、CVUSAPPロールのメンバーにシステム表に対するSELECT権限を付与する必要もあります。CVU_home/cv/adminディレクトリにSQLスクリプトcvusys.sqlが含まれており、このユーザーの作成を容易にします。このSQLスクリプトを使用して、CVUで検証するすべてのデータベースにcvusysユーザーを作成します。
dbフラグを使用し、一意のデータベース名を指定しない場合、CVUではクラスタのすべてのOracle Databaseが検出されます。これらのデータベースでベスト・プラクティス・チェックを実行する場合は、各データベースでcvusysユーザーを作成し、ベスト・プラクティス・チェックを実行するのに必要なCVUSAPPロールとSELECT権限をこのユーザーに付与する必要があります。
[-bestpractice | -mandatory] [-deviations]
ベスト・プラクティス・チェックを指定するにはbestpracticeフラグを使用し、必須チェックを指定するにはmandatoryフラグを使用します。ベスト・プラクティスの推奨事項または必須要件からの差異のみを確認することを指定するには、deviationsフラグを追加します。-bestpracticeまたは-mandatoryのいずれかのフラグを指定できますが、両方のフラグを指定することはできません。-bestpracticeまたは-mandatoryのいずれも指定しない場合は、ベスト・プラクティスと必須要件の両方が表示されます。
-html
htmlフラグを使用すると、詳細レポートがHTML形式で生成されます。
htmlフラグを指定し、CVUで認識されるブラウザがシステムで使用可能な場合は、チェックの完了時にブラウザが起動されてレポートがブラウザに表示されます。
htmlフラグを指定しない場合、詳細レポートはテキスト・ファイルで生成されます。
-save [-savedir dir_path]
検証レポート(cvuchecdkreport_timestamp.txtおよびcvucheckreport_timestamp.htm)を保存するには、saveフラグまたは-save -savedirフラグを使用します(timestampは検証レポートの日時)。
saveフラグを単独で使用すると、レポートはパスCVU_home/cv/reportに保存されます(CVU_homeはCVUバイナリの場所)。
-save -savedirフラグを使用し、CVUレポートを保存するパスを入力すると、指定したパスにCVUレポートが保存されます。
インストールが失敗した場合は、Oracleホーム・ディレクトリを削除し、OUIがインストール試行中に作成したすべてのファイルを削除する必要があります。失敗したインストールをクリーンアップするには、次の手順を実行します。
第8章「Oracle Real Application Clustersソフトウェアの削除」の手順に従って、OUIを実行してOracle RACを削除します。
インストール時にOracleホーム・ディレクトリとして使用されたディレクトリを手動で削除します。
前のインストール試行時にOUIによって作成された次のWindowsレジストリ・キーを削除します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC\ODBCINST.INI
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Oracle11\Performance
\KEY_ORACLE_HOME_NAME
これらの手順を完了したら、再びインストールを開始できます。