Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows x64 (64-Bit) B58877-06 |
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ここでは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のインストールおよび構成に関連する新機能について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)より、次の新機能が提供されます。
ソフトウェアの更新機能を使用し、Oracle Databaseインストールの一部として、ソフトウェアの更新を動的にダウンロードして適用します。downloadUpdatesオプションを使用して更新を個別にダウンロードし、更新が格納されている場所を指定することによって、インストール中に後で適用することもできます。
Oracle RAC One Nodeは、クラスタの1つのノードで実行されているシングル・インスタンスのOracle RACです。Oracle RAC One Nodeを使用すると、最小のオーバーヘッドで単一クラスタ上の多くのデータベースを統合する一方で、オペレーティング・システムおよびOracle Clusterwareに対してフェイルオーバー保護、オンライン・ローリング・パッチ適用およびローリング・アップグレードの高可用性のメリットを提供できます。Oracle RAC One Nodeで、企業全体ですべてのOracle Databaseデプロイメントを標準化できます。
Oracle DatabaseとOracle Grid Infrastructure構成アシスタント(Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)、RCONFIGなど)を使用すると、Oracle RAC One Nodeデータベースを構成できます。
Oracle RAC One Nodeは、シングル・インスタンスのOracle RACデータベースです。計画的なオンライン再配置を使用すると、新しいターゲット・ノードで一時的に2つ目のOracle RAC One Nodeインスタンスを起動して、この新しいターゲット・ノードに現在のOracle RAC One Nodeインスタンスを移行できるようになります。移行後、ソース・ノードのインスタンスは停止されます。Oracle RAC One Nodeデータベースは、Oracle RAC One Nodeデータベースの現在のノードが失敗した場合に、クラスタ・ノードのホスティング・サーバー・プール内の別のクラスタ・ノードにフェイルオーバーすることもできます。
サード・パーティのクラスタウェア・ソフトウェア(Veritas、SFRAC、IBMPowerHA、HP Serviceguardなど)を使用する場合、Oracle RAC One Nodeはサポートされません。現在、Oracle Solaris Clusterはサポートされていません。
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)以降、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)の動作が保証されるプラットフォームすべてでOracle RAC One Nodeがサポートされます。Oracle RAC One NodeによるOracle Data Guardのサポートは、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)より提供されます。
Oracle RAC 11g リリース2(11.2)での新機能を次に示します。
Oracle Automatic Storage ManagementおよびOracle Clusterwareのインストール
Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)
Oracle Enterprise ManagerおよびOracle Clusterware Resource Management
Oracle Grid Infrastructure 11g リリース2(11.2)では、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)およびOracle Clusterwareが1つのホーム・ディレクトリ(グリッド・インフラストラクチャ・ホーム)にインストールされます。インストーラのインタビュー・プロセスが終了すると、Oracle ASMおよびOracle Clusterwareを構成するコンフィギュレーション・アシスタントが起動します。
これらの製品を組み合せたインストール環境をOracle Grid Infrastructureと呼びます。ただし、Oracle ClusterwareとOracle Automatic Storage Managementは依然として別々の製品です。
Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)は、新しいマルチプラットフォームのスケーラブルなファイル・システムであり、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)テクノロジを強化し、あらゆるアプリケーション・データをサポートするためのストレージ管理設計です。Oracle ACFSでは、ファイル・システムの動的なサイズ変更が可能で、使用可能なすべてのディスクにわたる分散、バランシングおよびストライプ化のテクノロジによってパフォーマンスを向上させ、Oracle ASMのミラー化およびパリティ保護によってストレージの信頼性をもたらします。
注意: Oracle ASM 11gリリース2 (11.2.0.1)では、Oracle ACFSは次のプラットフォームでのみサポートされます。
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)以降、Oracle ACFSは次のプラットフォームでもサポートされます。
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降、Oracle ACFSは次のプラットフォームでもサポートされます。
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Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)は、Oracle ASMボリューム・ファイルとして割り当てられているOracle ASM記憶域へのディスク・ドライバ・インタフェースを提供することで、Oracle ASMを拡張します。Oracle ADVMは、ファイル・システムを含む仮想ディスクの作成に使用できます。ファイル・システムと他のディスク・ベースのアプリケーションは、ベンダー・オペレーティング・システムにある、他のストレージ・デバイスに対してと同様に、Oracle ADVMボリューム・デバイスに対してI/Oリクエストを発行します。Oracle ASMボリュームに含まれるファイル・システムは、Oracle Databaseファイル(実行可能ファイル、レポート・ファイル、トレース・ファイル、アラート・ログおよびその他のアプリケーション・データ・ファイル)以外のファイルをサポートできます。
クラスタ・ノードの時刻は同期させておく必要があります(特にクラスタをOracle Real Application Clustersに使用する場合)。このリリースのOracle Clusterwareでは、同期サービスがクラスタ内にあることを保証するクラスタ時刻同期化サービス(CTSS)を提供しています。クラスタの構成時にネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)およびWindowsタイム・サービスのいずれも検出されなかった場合は、CTSSが構成されて時刻の同期が保証されます。
今回のリリースでは、Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)によってLOCAL_LISTENER
の値が設定されなくなりました。Oracle Clusterwareによってデータベース・リソースが起動されると、インスタンス・パラメータが更新されます。LOCAL_LISTENER
は、ローカル・ノードのリスナー・アドレスの仮想IPエンドポイントに設定されます。このLOCAL_LISTENER
の設定は変更しないでください。新しいインストール・インスタンスは、リモート・リスナーとして単一クライアント・アクセス名(SCAN)リスナーへの登録のみを行います。SCANは、個々のノードではなくクラスタに割り当てられる仮想IPアドレスであるため、クラスタによるクライアントの更新を必要とせずに、クラスタ・メンバーを追加または削除できます。アップグレードされたデータベースは、引き続きすべてのノード・リスナーに登録され、さらにSCANリスナーにも登録されます。
タイムゾーン・ファイルが新しいバージョンに更新されると、TIMESTAMP WITH TIMEZONE(TSTZ)データが古くなる可能性があります。以前のリリースでは、データベース管理者がSQLスクリプトutltzuv2.sql
を実行し、タイムゾーン・バージョンの変更によって影響を受けたTSTZデータを検出し、多くの手動手順を実行してTSTZデータを更新する必要がありました。
今回のリリースでは、新しく提供されたDBMS_DST PL/SQLを使用して、最小限の手動手順でTSTZデータが透過的に更新されます。また、クライアントがタイムゾーン・ファイルにパッチを適用する必要がなくなりました。
関連項目:
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Oracle Enterprise Manager Database Control 11g には、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのインストール環境を新しいノードに自動的にプロビジョニングし、それらのプロビジョニングしたノードに対してOracle Grid InfrastructureおよびOracle RACの既存のデータベースを拡張する機能があります。このプロビジョニング手順を実行するには、この機能を使用する前にOracle RACが正常にインストールされている必要があります。
関連項目: この機能の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
このリリースでは、高可用性アプリケーションおよびOracle Clusterwareのリソース管理を使用し、スタンドアロン・データベース環境とOracle RAC環境の両方について、Oracle Enterprise Managerの「クラスタ・ホーム」ページから、すべての管理および監視を行うことができます。これらの管理作業には、サーバー・プールの作成と変更などがあります。
今回のリリースでは、Oracle Enterprise Managerを使用して、Oracle RACデータベースにパッチを適用できます。Oracle Enterprise Managerの新機能であるプロビジョニング・アドバイザ・コンソールを使用すると、クラスタ上のノードに対するパッチ適用のカスタマイズ、監視およびデプロイが可能になります。
これまで、クラスタでサーバーを追加または削除するには手動による多大な準備が必要でした。今回のリリースでは、引き続き手動でサーバー・ノードを構成することも、クラスタでノードが追加または削除されたときに、グリッドのプラグ・アンド・プレイを使用して動的に構成することもできます。
グリッドのプラグ・アンド・プレイは、サーバー・ノードのインストール、構成および管理にかかるコストを低減できます。これは、クラスタ内でグリッド・ネーミング・サービス(GNS)を起動し、各ノードで次のタスクを動的に実行できるようすることで実現されます。
ノードの適切なネットワークIDをネゴシエートする。
動作に必要な追加情報を構成プロファイルから取得する。
プロファイル・データを使用してノードを構成または再構成し、ホスト名およびアドレスをネットワーク上で解決可能にする。
これらの作業がサーバーによって動的に実行されるため、ノードの追加および削除を行う場合に管理者が行う必要があるのは、サーバーをクラスタに接続し、クラスタでノードを構成できるようにすることのみです。グリッドのプラグ・アンド・プレイとベスト・プラクティスの推奨事項を使用すると、データベース・クラスタへのノードの追加はサーバーの再起動の一環として行われ、サーバーが停止されると、自動的にクラスタからノードが削除されます。
Oracle Configuration Assistantを使用すると、推奨されるデプロイメントが確実に行われ、構成の問題を防ぐことができます。
Oracle Configuration Assistantには、手動による追加手順なしでOracle Real Application Clustersの構成解除と削除を行う機能もあります。
今回のリリースでは、単一クライアント・アクセス名(SCAN)が、クラスタに接続しているすべてのクライアントに提供されるアドレスです。SCANは、ドメイン・ネーム・サービス(DNS)またはグリッド・ネーミング・サービス(GNS)のいずれかにある、1つ以上3つ以下のIPアドレスに登録されたドメイン名です。SCANにより、クラスタに対してノードを追加または削除するときにクライアントを変更する必要がなくなります。SCANを使用しているクライアントは、簡易接続ネーミングを使用してクラスタにアクセスすることもできます。
このリリースでは、パッチ処理の準備をするために、サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)を使用して、Oracleホーム内で実行されているすべてのOracleソフトウェアを停止できます。Oracle Grid Infrastructureのパッチ処理はすべてのノードで自動化され、複数ノードに対してマルチパッチ方式でパッチを適用できます。
このリリースには、デスクトップ・クラスとサーバー・クラスという2つのインストール・タイプがあります。
デスクトップ・クラス・インストール・タイプは、手動による構成選択の数が少ない、簡単なインストールです。デスクトップ・クラス・インストールは、基本的な構成で完全なOracle Databaseインストールを実行します。
サーバークラス・インストール・タイプでは、より高度な構成オプションが使用できるようになります。Oracle Enterprise Manager Grid Controlを使用するか、Oracle ASMでデータベース記憶域を構成する場合、Oracle RACのインストール時に、このオプションを選択します。
Oracleパッチ・ユーティリティ(Opatch)は、複数ノードに対してマルチパッチ方式でパッチを適用できるようになり、非ローリング・パッチが適用されているインスタンスを起動しなくなりました(データベース内の他のインスタンスにこのパッチがない場合)。また、データベース・スキーマが新しいパッチより前のパッチ・レベルかどうかを検出し、SQL文を実行してそのデータベース・スキーマを現行のパッチ・レベルにするようにもなりました。
関連項目: 『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Microsoft Windows and UNIX Systems』 |
ここでは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のインストールおよび構成に関連するOracle Database 11gリリース1の機能について説明します。
内容は次のとおりです。
Oracle Database 11g リリース1(11.1)では、Oracle Clusterwareを独立した製品としてインストールまたは構成できます。また、Oracle Database記憶域管理に関して追加のマニュアルが提供されています。インストール計画については、次の項に示すマニュアルを参照してください。
このマニュアルでは、2ノードのOracle ClusterwareおよびOracle RAC環境をインストールおよび構成する手順の概要および例を示しています。
このマニュアルでは、Oracle Clusterwareをスタンドアロン製品としてインストールする手順、またはOracle ClusterwareとともにOracle DatabaseまたはOracle RACをインストールする手順について説明しています。システム管理者権限が必要なシステム構成手順が含まれています。
現在参照中のこのマニュアルでは、Oracle Clusterwareのインストールが正常に完了した後に、Oracle RACをインストールする手順について説明します。データベース管理者用のデータベース構成手順が含まれています。
このマニュアルでは、ストレージの管理またはOracle ASMの構成および管理を行うデータベース管理者およびストレージ管理者用の情報を記載しています。
Oracle Database 11g リリース1(11.1)でのインストール・オプションの変更を次に示します。
Oracle Application Express: この機能はOracle Database 11gとともにインストールされます。以前はHTML DBと呼ばれ、Companion CDの個別のコンポーネントとして使用可能でした。
Oracle Configuration Manager: Oracle Configuration Manager(OCM)は、OUIと統合されています。ただし、データベースおよびクライアントのインストールではオプションのコンポーネントであり、「カスタム・インストール」を選択して有効にする必要があります。Oracle Configuration Managerは、以前のリリースではカスタマ構成リポジトリ(CCR)として使用されていたツールで、Oracle ASMおよびOracle Databaseのホーム・ディレクトリ内のソフトウェアの構成に関連する詳細情報を収集および格納します。
詳細は、「サポート強化のためのOracle Configuration Manager」を参照してください。
Oracle Data Mining: Enterprise Editionインストール・タイプでは、デフォルトで、インストールにOracle Data Miningオプションが選択されます。
Oracle Database Vault: この機能は拡張インストール中にインストールできます。データベース・インストールではオプションのコンポーネントであり、カスタム・インストールを介して使用できます。
Oracle SQL Developer: この機能は、汎用、トランザクション処理、データ・ウェアハウスなどのテンプレートベースのデータベースのインストール時に、デフォルトでインストールされます。また、データベース・クライアントの管理者、ランタイムおよびカスタム・インストールでもインストールされます。
Oracle Warehouse Builder: この情報統合ツールは、Oracle DatabaseのStandard EditionとEnterprise Editionの両方でインストールされるようになりました。Enterprise Editionの場合は、追加の拡張プロセスを購入できます。Oracle Databaseをインストールすると、Oracle Warehouse Builderの使用に必要な事前生成リポジトリOWBSYSもインストールされます。
Oracle XML DB: Oracle Database 11g以上では、Oracle XML DBはオプションの機能ではなくなりました。すべてのデータベースのインストールで、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してインストールおよび構成されます。
Oracle Database 11g のインストール時にインストール可能な新しいコンポーネントを次に示します。
Oracle Application Express: Oracle Database 11g以上では、HTML DBはCompanion CDのコンポーネントとして使用できなくなりました。Oracle Application Expressという名前に変更され、Oracle Database 11gとともにインストールされます。
Oracle Database 11gでは、Oracle Application ExpressにiSQL*Plusの機能も含まれています。
Oracle Configuration Manager: この機能はカスタム・インストール中にインストールできます。以前はカスタマ構成リポジトリ(CCR)と呼ばれていました。データベースおよびクライアントのインストールではオプションのコンポーネントになります。Oracle Configuration Managerでは、Oracle Databaseホーム・ディレクトリ内のソフトウェアの構成に関連する詳細情報が収集および格納されます。
Oracle SQL Developer: この機能は、汎用、トランザクション処理、データ・ウェアハウスなどのテンプレートベースのデータベースのインストール時に、デフォルトでインストールされます。また、データベース・クライアントの管理者、ランタイムおよびカスタム・インストールでもインストールされます。
Oracle Warehouse Builder: この機能はOracle Databaseのインストール時に、オプションとして選択できるようになりました。
Oracle Real Application Testing: Oracle Database 11gのEnterprise Editionインストール・タイプでは、この機能はデフォルトでインストールされます。
関連項目: Oracle Real Application Testingの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。 |
次に、Oracle Database 11gリリース1(11.1)での拡張機能および新機能を示します。
自動診断リポジトリ(ADR)は、Oracle Database 11gで追加された機能です。この機能の主な目的は、バグの解決に必要な時間を短縮することです。ADRは、Oracle Database 11gで実装される診断フレームワークのレイヤーで、診断データが格納されているほか、データにアクセスするためのサービスAPIも提供されます。診断データが格納されるデフォルトのディレクトリは、ORACLE_BASE\diag
です。
自動診断リポジトリでは、次のものが実装されます。
ディスク上のリポジトリに書き込まれる、すべてのOracle製品の診断データ
リポジトリへの簡単なナビゲーションとデータの読取りおよび書込み機能を提供するインタフェース
Oracle RACインストールで共有Oracle Databaseホームを使用する場合は、ADRをすべてのノードからアクセス可能な共有記憶域の場所に配置する必要があります。
Oracle Clusterwareでは、診断データは継続してCRS_home
\log
ディレクトリに配置されます。CRS_home
はOracle Clusterwareホームです。
Oracle ASMの高速ミラー再同期化では、ディスク・パスに一時的な障害が発生した場合でも、ディスク・ドライブのメディアが破損していないかぎり、1つのディスク・グループ内のOracle ASMディスクを迅速に再同期できます。障害グループが一時的に使用不可能になるすべての障害が、一時的な障害とみなされます。一時的な障害は、ケーブルの切断、ホスト・バス・アダプタまたはコントローラの障害、ディスクの電源障害などのディスク・パス障害によって発生する可能性があります。高速ミラー再同期化にかかる時間は、停止していた時間によって異なります。再同期化にかかる時間は、通常、Oracle ASMディスク・グループ全体を完全に再構築する場合にかかる時間よりも大幅に短くなります。
関連項目: 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』 |
Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)、Database Upgrade Assistant(DBUA)、Oracle Net Configuration Assistant(NETCA)の機能は改善されています。改善点は、次のとおりです。
この機能では、Oracle ASMの管理タスクを実行するための新しいSYSASM権限が導入されています。SYSDBA権限のかわりにSYSASM権限を使用すると、Oracle ASM管理とデータベース管理での役割を明確に区別できます。
以前のリリースのOracle ASMでは、データ読取り操作の優先ディスクとして、ミラー化されたエクステントのプライマリ・コピーを持つディスクが使用されていました。今回のリリースでは、ファイルの新しい初期化パラメータasm_preferred_read_failure_groups
を使用することで、特定のクラスタ・ノードの近くに配置されているディスクを、そのノードがミラー化されたデータを取得するための優先ディスクとして指定できます。このオプションはDBCAで提供され、インストール後に構成できます。この変更によって、分散されている共有ストレージ・システムや拡張クラスタ(様々な場所にノードが分散されているクラスタ)のデータの処理が高速になり、障害に対するリカバリ準備も向上します。
Oracle ASMのローリング移行では、データベースの可用性を低下させることなく、クラスタOracle ASMノードのOracle ASMインスタンスをアップグレードしたり、パッチを適用することができます。ローリング移行によって、可用性が大幅に向上し、あるリリースから次のリリースへのOracle ASMソフトウェアの移行をよりスムーズに実行できるようになります。この機能は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)以上で実行されるOracle ASM構成に適用されます。つまり、ローリング移行を実行するには、Oracle Database 11gリリース1(11.1)がインストールされている必要があります。
注意: アップグレード中に、Oracle ASMまたはOracle Databaseホームの所有者を変更することはできません。既存のOracle ASMまたはOracle Databaseホームを所有しているOracleソフトウェア所有者を使用する必要があります。 |
関連項目: 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』 |
Oracle Enterprise Manager Grid Controlまたはrconfig
スクリプトのいずれかを使用して、既存のOracle ASMインスタンスを、シングル・インスタンスのストレージ・マネージャからクラスタ・ストレージ・マネージャに変換できます。Oracle ASMリリース11.1のインスタンスを直接変換することも、11.1より前のリリースのインスタンスを11.1にアップグレードして変換することもできます。
Oracle Database 11gでは、SYSユーザーとしてSQLスクリプトcatproc.sql
を実行すると、データ・マイニング・スキーマが作成されます。このため、DBCAの「データベース・オプション」画面からデータ・マイニングのオプションが削除されています。
Oracle Disk Manager(ODM)では、オペレーティング・システム・カーネルのNFSドライバを使用せずに、独自でネットワーク・ファイル・システム(NFS)を管理できます。これは、Direct NFSと呼ばれます。Direct NFSによって、Oracle Databaseカーネルでバージョン3のNFSプロトコルが実装されます。この変更によって、ODMインタフェースを使用して、NFSの状態を監視できるようになりました。Oracle Databaseカーネル・ドライバでは、ドライバの自動チューニングによって、使用可能なリソースを最大限活用できます。
この機能の特長は次のとおりです。
Direct NFSクライアントがネットワーク・ファイル・システムへのI/Oパスを制御することで、オペレーティング・システム・レベルでのネットワーク・パフォーマンスのチューニングが不要になるため、チューニングの簡素化と診断能力を提供できます。
データベース操作に対して、高度な安定性を持ち、高度に最適化されたNFSクライアントを提供します。
ファイル・システム・キャッシュではなく、Oracleバッファ・キャッシュを使用することで、チューニングが簡単になります。
Linux、UNIXおよびWindowsプラットフォーム間で、一貫性のある共通NFSインタフェースを使用できます。
NFSマウントの追加構成は必要ありません。
オペレーティング・システムのNFSドライバでは、ローカルでファイル属性を保持することでファイル・システム・キャッシュが最適化されないように、noac
オプション(属性キャッシュなし)を指定してNFSドライバをマウントする必要があります。ODMでは、Oracle RACインスタンスが自動的に認識され、ユーザー、システム管理者またはDBAに追加の再構成を要求することなく、データ・ファイルに対して適切な操作が実行されます。
Stripe and Mirror Everything(SAME)アーキテクチャの開発と、ストレージ・デバイスの記憶域およびスループットの容量拡大により、OFAの役割は、当初のパフォーマンスの向上から、別々のソフトウェア、構成ファイルおよびデータを使用した計画的なOracleのインストールを提供する役割へと変化しています。この分割によって、セキュリティが向上し、アップグレード、クローニングおよび他の管理作業が簡単になります。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)では、こうした用途の変化に対応するため、OFAにいくつかの改善が行われています。
このような役割の変化に伴い、次の機能が追加されました。
Oracle RACのインストール中に、デフォルトの場所を使用するか、またはOracleホーム・ディレクトリではなく、Oracleベース・ディレクトリの場所を選択するように求められます。この変更によって、共通の場所に複数のOracleホーム・ディレクトリを簡単にインストールできるようになり、また、ソフトウェア・ユニットを分割することで、管理が簡単になります。このリリースでは、Oracleベース・ディレクトリを使用する必要はありませんが、今後のリリースでは必要になる可能性があります。
今回のリリースでは、自動診断リポジトリ(ADR)の実装の一部として、次のadmin
ディレクトリが変更されています。
bdump
: background_dump_dest
初期化パラメータで設定される場所で、Oracleバックグラウンド・プロセスのトレース・ファイルの記憶域です。
cdump
: core_dump_dest
初期化パラメータで設定される場所で、Oracleコア・ダンプ・ファイルの記憶域です。
udump
: user_dump_dest
初期化パラメータで設定される場所で、OracleユーザーSQLのトレース・ファイルの記憶域です。
デフォルトでは、これらのトレース・ファイルおよびコア・ファイルの場所は、\diag
ディレクトリ(パスORACLE_BASE\diag
)にあります。
初期化パラメータbackground_dump_dest
およびuser_dump_dest
は非推奨となりました。引き続き設定できますが、これらのパラメータを手動で設定しないでください。
新しい初期化パラメータが導入されました。DIAGNOSTIC_DEST
にADRベース・ディレクトリの場所が格納され、このディレクトリには1つ以上のADRホームが含まれます。通常、Oracleドキュメントでは、これらのホームをADRホームと呼んでいます。各データベース・インスタンスにはADRホームが含まれています。ADRホームは、トレース・ファイル、アラート・ログ、状態モニター・レポート、重大なエラーのダンプが含まれている複数のディレクトリに対するルート・ディレクトリです。また、SQL文select name, value from v$diag_info
を使用してアラートおよびトレース・ファイルを表示することもできます。
デフォルトの高速リカバリ領域(以前のフラッシュ・リカバリ領域)は、ORACLE_HOME\..\flash_recovery_area
からORACLE_BASE\flash_recovery_area
に移動されています。
デフォルトのデータ・ファイルの場所は、ORACLE_HOME\..\oradata
からORACLE_BASE\oradata
に移動されています。
新しいユーティリティであるADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)が導入されています。ADRCIによって、アラート・ログおよびトレース・ファイルを簡単に確認できます。
Oracle RACインストールでは、高速リカバリ領域とデータ・ファイルの場所は、すべてのノードで共有されている場所である必要があります。Oracle Universal Installer(OUI)を使用する場合、この要件はインストール時にのみ適用されます。この変更は、Oracle Clusterwareのトレース・ファイルの場所には影響しません。
関連項目: これらの変更の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。ADRCIを使用したアラート・ログの確認およびトレース・ファイルの表示方法の詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。 |
カスタム・インストール中に、Oracle Configuration Manager(OCM)をインストールするかどうかを選択します。OCMはオプションのツールで、構成情報をMy Oracle Supportアカウントに関連付けることができます。これによって、サーバー・システム情報を常に使用できるため、サービス要求の処理が簡単になります。
OCMツールを構成するには、サービス契約の次の情報が必要です。
顧客サポートID(CSI)番号
My Oracle Supportのユーザー・アカウント名
国番号
ホスト・システムがインターネットに直接接続されていない場合、サーバー・プロキシ情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。
大規模なデータ・ファイルのサポートは、Oracle ASM上の大きいファイルの効率的なサポートとファイルの最大サイズの増加を可能にする自動機能です。
関連項目: 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』 |
以前のリリースでは、Oracle Database Configuration Assistant(DBCA)に、作成時にデータベースをDatabase ControlまたはGrid Controlで構成する機能や、作成後にデータベースを再構成する機能が組み込まれていました。ただし、Database ControlからGrid Controlへの構成変更は、手間がかかる作業でした。Oracle Database 11gでは、DBCAでOracle Enterprise Manager構成プラグインを実行することで、データベースの構成をDatabase ControlからGrid Controlに切り替えることができます。
Oracle Database 11g リリース11.1には、次のものが含まれています。
ODP.NETの構成における改善:
開発者は、アプリケーションまたはWebの構成ファイルや、machine.config
などの構成ファイルを使用して、ODP.NETを構成できるようになりました。
特定のバージョンのODP.NETの設定は、優先順位における特有の影響があるため、いくつかの方法で構成されることがあります。たとえば、machine.config
設定は、Windowsのレジストリ値をオーバーライドする.NETフレームワーク全体の設定です。アプリケーションまたはWebの構成ファイルの設定は、machine.config
設定とWindowsのレジストリ設定をオーバーライドするアプリケーション固有の設定です。
次のようなパフォーマンスの強化:
パラメータ・コンテキスト・キャッシュの向上
このリリースでは、既存のキャッシング・インフラストラクチャで、ODP.NETパラメータ・コンテキストがキャッシュされるように拡張されました。この機能拡張はデータベース・バージョンに関係なく、サポートされているすべてのデータベース・バージョンで使用できます。この機能によって、同じ文を繰り返し実行するアプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上します。
ラージ・オブジェクト(LOB)の効果的な取得
このリリースでは、データベースへのラウンドトリップ回数を減らすことで、サイズの小さいLOB取得のパフォーマンスを改善しています。この拡張機能はOracle 11gリリース1以上のデータベース・リリースでのみ使用できます。
開発者は、この拡張機能を意識する必要はありません。この機能を使用するためにコードを変更する必要はありません。