この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。
このマニュアルには、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)をインストールするために必要な情報が含まれています。Oracle Database 11gをインストールするプラットフォームに関連した情報を必ず確認してください。
注意:
|
内容は次のとおりです。
この項では、ハードウェア・コンポーネントおよびハードディスク領域の要件について説明します。
次の表では、Windows(32-bit)のOracle Databaseで必須のハードウェア・コンポーネントを示します。
表2-1 Windows(32-bit)のハードウェア要件
要件 | 値 |
---|---|
システム・アーキテクチャ |
プロセッサ: Intel(x86)、AMD64、Intel EM64T 注意: Oracle Database for Windowsには、32ビット(Windows x86)および64ビット(Windows x64)のバージョンがあります。 |
物理メモリー(RAM) |
1GB(最小) Windows 7、Windows 8、Windows 8.1では、2GB以上 |
仮想メモリー |
|
ディスク領域 |
「標準インストール」タイプ合計: 5.35GB 「拡張インストール」タイプ合計: 4.89GB 詳細は、表2-3を参照。 |
ビデオ・アダプタ |
256色 |
画面解像度 |
1024 X 768以上 |
次の表では、Windows x64のOracle Databaseで必須のハードウェア・コンポーネントを示します。
表2-2 Windows x64のハードウェア要件
要件 | 値 |
---|---|
システム・アーキテクチャ |
プロセッサ: AMD64およびIntel EM64T 注意: Oracle Database for Windowsには、32ビット(Windows x86)および64ビット(Windows x64)のバージョンがあります。 |
物理メモリー(RAM) |
1GB(最小) Windows 7、Windows 8、Windows 8.1では、2GB以上 |
仮想メモリー |
|
ディスク領域 |
「標準インストール」タイプ合計: 5.39GB 「拡張インストール」タイプ合計: 5.89GB 詳細は、表2-4を参照。 |
Windows x64プロセッサ |
最小550MHz |
ビデオ・アダプタ |
256色 |
画面解像度 |
1024 X 768以上 |
このセクションでは、NT File System(NTFS)を使用するWindowsプラットフォームのシステム要件を示します。Oracleデータベース・ホーム(Oracleデータベース・バイナリ、トレース・ファイルなど)をOracle ACFSまたはNTFSにインストールすることを強くお薦めします(Oracle ACFSを使用する場合は、データベース・ファイル自体をOracle ASMに置く必要があり、それ以外の場合は、NTFSに置くことができます)。これらのファイルのセキュリティのため、Oracle ACFSおよびOracle ASMまたはNTFSを、FAT32のかわりに使用することをお薦めします。
この項で示すNTFSのシステム要件は、Oracle Universal Installerのサマリー・ウィンドウで報告されるハードディスクの値より正確です。サマリー・ウィンドウには、ディスク領域、データベースの作成に必要な領域、またはハード・ドライブで展開される圧縮ファイルのサイズの正確な値は表示されません。
Oracle Databaseコンポーネントのハードディスク要件には、オペレーティング・システムがインストールされているパーティションにJava Runtime Environment(JRE)およびOracle Universal Installerをインストールするために32MBが含まれます。 十分な領域が検出されない場合、インストールは失敗し、エラー・メッセージが表示されます。
表2-3に、Windows(32-bit)のNTFSでのディスク領域要件を示します。
表2-4に、Windows x64のNTFSでのディスク領域要件を示します。初期データベースの場合、必要なディスク領域は720MBです。
この表の数値には、初期データベースが含まれています。FAT32の場合、必要な領域は若干大きくなります。
表2-3 NTFSのWindows(32-bit)のディスク領域要件
インストール・タイプ | TEMP領域 | SYSTEM_DRIVE:\ Program Files\Oracle | Oracleホーム | データファイル * | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
標準インストール |
500MB |
4.0MB |
3.6GB |
1.9GB |
5.99GB |
拡張インストール: すべてのエディション |
500MB |
4.0MB |
3.6GB ** |
1.9GB ** |
5.99GB ** |
表2-4 NTFSのWindows x64のディスク領域要件
インストール・タイプ | TEMP領域 | SYSTEM_DRIVE:\ Program Files\Oracle | Oracleホーム | データファイル * | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
標準インストール |
500MB |
4.0MB |
3.80GB |
1.9GB |
6.22GB |
拡張インストール: すべてのエディション |
500MB |
4.55MB |
3.80GB ** |
1.9GB ** |
6.22GB ** |
* ORACLE_BASE
ディレクトリ内の
admin
、cfgtoollogs
、flash_recovery_areaおよびoradata
ディレクトリの内容を指します。
** このサイズは、選択したインストール・オプション(言語や追加コンポーネントなど)によって値が大きくなる場合があります。自動バックアップを有効にしてOracle Databaseをインストールする場合、データファイルのディスク領域用に2GB以上を追加してください。
関連項目: 『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「NTFSファイル・システムとWindowsレジストリの権限」 |
システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。
物理RAMサイズを確認します。
たとえば、Windows Server 2003のコンピュータの場合、Windowsのコントロール パネルの「システム」をダブルクリックして、「全般」タブをクリックします。
Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、Windowsのコントロール パネルの「システムとセキュリティ」をクリックして、「システム」をクリックします。
システムにインストールされている物理RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。
構成済の仮想メモリーのサイズ(ページング・ファイル・サイズ)を確認します。
たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「システム」をダブルクリックし、「詳細設定」タブをクリックし、「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。次に、「詳細設定」タブをクリックします。
Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、「システムとセキュリティ」をクリックし、「システム」をクリックして、「システムの詳細設定」をクリックし、「システムのプロパティ」ページで「詳細」タブをクリックし、「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。次に、「パフォーマンス オプション」ページで「詳細」タブを選択します。
「仮想メモリ」セクションに仮想メモリーが表示されます。
たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「マイ コンピュータ」をダブルクリックし、Oracleソフトウェアをインストールするドライブを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、「マイ コンピュータ」を右クリックして、「開く」をクリックします。
temp
ディレクトリ内の使用可能なディスク領域の量を確認します。これは、空きディスク領域の合計容量からOracleソフトウェアをインストールするために必要な容量を引いた値になります。
Windows 32-bitの場合、temp
ディレクトリで使用可能なディスク領域が500MB未満の場合は、不要なファイルをすべて削除します。それでもtempディスク領域が500MB未満の場合は、TEMP
またはTMP
環境変数が別のハード・ドライブの場所を指すように設定します。
Windows x64では、temp
ディレクトリで使用可能なディスク領域が500MB未満の場合は、まず不要なファイルをすべて削除します。それでもtempディスク領域が125MB未満の場合は、TEMP
またはTMP
環境変数が別のハード・ドライブの場所を指すように設定します。
たとえば、Windows Server 2003のコンピュータで環境変数を変更するには、「システム」をダブルクリックし、「詳細設定」タブをクリックして、「環境変数」をクリックします。
Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、「システムとセキュリティ」をクリックし、「システム」をクリックして、「システムの詳細設定」をクリックし、「システムのプロパティ」ページで「詳細」タブをクリックし、「環境変数」をクリックします。
表2-5に、Windows(32-bit)上のOracle Databaseのソフトウェア要件を示します。
表2-6に、Windows x64上のOracle Databaseのソフトウェア要件を示します。
表2-5 Windows(32-bit)のソフトウェア要件
要件 | 値 |
---|---|
32ビットWindows対応のOracle Databaseは、次のオペレーティング・システムでサポートされています。
Windows Multilingual User Interface Packがサポートされています。 サーバー・コア・オプションは、すべてのWindows Serverオペレーティング・システムでサポートされていません。 注意: Hyper-Vサポートの詳細は、My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)を参照してください。
関連項目: 最新のシステム要件へのアクセス方法は、「ハードウェアおよびソフトウェアの動作保証」を参照してください。 |
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Pro*COBOLは、Net Express 5.0でテストおよび動作保証されています。 次のコンポーネントは、Microsoft Visual C++ .NET 2005 8.0、Microsoft Visual C++ .NET 2008 9.0およびIntel 10.1 Cの各コンパイラでサポートされています。
Oracle C++ Call Interfaceは、次のコンパイラでサポートされています。
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Oracle Net foundationレイヤーでは、Oracle Protocol Supportを使用して、業界標準の次のネットワーク・プロトコルと通信します。
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表2-6 Windows x64のソフトウェア要件
要件 | 値 |
---|---|
Oracle Database for Windows x64は、次のオペレーティング・システムでサポートされています。
注意: Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降、Oracle Databaseでは、Standard、Datacenter、EssentialsおよびFoundationエディションでWindows Server 2012 x64およびWindows Server 2012 R2 x64がサポートされています。Windows Server 2012 R2 x64には、Windows Databaseバンドル・パッチ11.2.0.4.14以上が必要となります。 注意: Windows Multilingual User Interface Packがサポートされています。 注意: サーバー・コア・オプションは、すべてのWindows Serverオペレーティング・システムではサポートされていません。 関連項目: Hyper-Vサポートの詳細は、My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)を参照してください。
関連項目: 最新のシステム要件へのアクセス方法は、「ハードウェアおよびソフトウェアの動作保証」を参照してください。 |
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Pro*COBOLは、Net Express 5.0でテストおよび動作保証されています。 次のコンポーネントは、Microsoft Visual C++ .NET 2005 8.0、Microsoft Visual C++ .NET 2008 9.0およびIntel 10.1 Cの各コンパイラでサポートされています。
Oracle C++ Call Interfaceは、次のコンパイラでサポートされています。
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Oracle Net foundationレイヤーでは、Oracle Protocol Supportを使用して、業界標準の次のネットワーク・プロトコルと通信します。
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動作保証について次の各項で説明します。
Oracleでは、リモート・デスクトップ・サービス(以前のWindowsのターミナル・サービス)を介してOracle Databaseのインストール、構成および実行がサポートされます。Oracle Databaseをインストールする場合、あらゆる構成ツールをサーバーのTerminal Serverコンソール・セッションから(mstsc/console
を使用して)開始することをお薦めします。
プラットフォーム固有のサポート情報は、次のとおりです。
Windows Server 2003およびWindows Server 2003 R2: 管理者モードまたはターミナル・サーバー・モードのリモート・デスクトップでターミナル・サービスを使用するようにWindows Server 2003およびWindows Server 2003 R2を構成できます。
Windowsクライアント・オペレーティング・システム: リモート・デスクトップを使用できるのは、単一ユーザー・モードの場合のみです。
Windows Server 2008以上: 複数のリモート・デスクトップ・セッションを持つことができます。
関連項目:
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Windows Vistaで実行するOracle Services for Microsoft Transaction Serverは、最低Service Pack 1以上が必要です。
Oracle Databaseのインストールには、Webブラウザは不要です。ただし、ドキュメントにアクセスしたり、Oracle Enterprise Manager Database ControlおよびOracle Application Expressを使用するには、Webブラウザが必要です。WebブラウザがJavaScriptおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。
Oracle Enterprise Managerでは次のブラウザをサポートしています。
Netscape Navigator 8.1
Netscape Navigator 9.0
Microsoft Internet Explorer 10.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.3以上をサポート)
Microsoft Internet Explorer 9.0
Microsoft Internet Explorer 8.0
Microsoft Internet Explorer 7.0 SP1
Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2
Firefox 21.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Firefox 17.0.6 ESR (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Firefox 3.6
Firefox 3.5
Firefox 3.0.7
Firefox 2.0
Safari 4.0.x
Safari 3.2
Safari 3.1
Google Chrome 27.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)
Google Chrome 4.0
Google Chrome 3.0
関連項目: Oracle Application Expressでサポートされるブラウザの一覧については、『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Databaseのインストール中の前提条件チェックでは、コンピュータのシステム・ドライブにデフォルト共有が構成されている必要があります。net use
コマンドを使用して、たとえば次のように検証します。
C:\> net use \\hostname
\c$
The command completed successfully
現在のユーザー、つまり管理者グループのユーザーにデフォルト共有のすべての権限が付与されていることを確認してください。
セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。
通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続されています。ドメイン・ネーム・システム(DNS)、ネットワーク情報サービス(NIS)、または集中管理されているTCP/IPホスト・ファイル(/etc/hosts
など)を介して、コンピュータのホスト名が解決可能であることを確認してください。コンピュータのホスト名が解決可能かどうかを確認するには、ping
コマンドを使用します。次に例を示します。
ping myhostname pinging myhostname.example.com [192.0.2.2] with 32 bytes of data: Reply from 192.0.2.2: bytes=32 time=138ms TTL=56
コンピュータのホスト名が解決されない場合は、システム管理者に問い合せてください。
通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続され、Oracle Databaseインストールを格納するためのローカル記憶域があり、ディスプレイ・モニターとメディア・ドライブを備えています。
この項では、このような標準的な構成とは異なるコンピュータにOracle Databaseをインストールする方法を説明します。内容は次のとおりです。
複数のIPアドレスを持つコンピュータ(マルチホーム・コンピュータ)にOracle Databaseをインストールできます。通常、マルチホーム・コンピュータには複数のネットワーク・カードがあります。各IPアドレスにはホスト名が関連付けられており、ホスト名には別名を設定できます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME
環境変数の設定を使用してホスト名を検索します。
クライアントは、ホスト名を使用して(またはこのホスト名の別名を使用して)コンピュータにアクセスできる必要があります。これを確認するには、短縮名(ホスト名のみ)および完全名(ホスト名とドメイン名)を使用して、クライアント・コンピュータからホスト名をpingします。どちらも動作する必要があります。
ORACLE_HOSTNAME環境変数の設定
ORACLE_HOSTNAME
環境変数を設定する手順は、次のとおりです。
Windowsの「コントロール パネル」で「システム」を表示します。
「システムのプロパティ」ダイアログ・ボックスで、「詳細設定」をクリックします。
「詳細設定」タブで、「環境変数」をクリックします。
「環境変数」ダイアログ・ボックスで、「システム環境変数」の下の「新規」をクリックします。
「新しいシステム変数」ダイアログ・ボックスで、次の情報を入力します。
変数名: ORACLE_HOSTNAME
変数値: 使用するコンピュータのホスト名。
「OK」をクリックし、続いて「環境変数」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。
「環境変数」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックしてから、「システムのプロパティ」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。
複数の別名を持つコンピュータは、ネーミング・サービスに1つのIPアドレスと複数の別名で登録されます。ネーミング・サービスでは、これらの別名のいずれかが同じコンピュータに解決されます。この種のコンピュータにOracle Databaseをインストールする前に、ORACLE_HOSTNAME
環境変数に、使用するコンピュータのホスト名を設定してください。
Oracle Databaseを非ネットワーク・コンピュータにインストールできます。ラップトップなどのコンピュータがDHCP用に構成されており、Oracle Databaseのインストール後にコンピュータをネットワークに接続する予定の場合は、Oracle Databaseを非ネットワーク・コンピュータにインストールする前に、次の手順を実行します。
ループバック・アダプタをコンピュータにインストールします。
ループバック・アダプタとローカルIPアドレスは、ネットワーク化されたコンピュータをシミュレートします。コンピュータをネットワークに接続した場合も、Oracle DatabaseはローカルIPアドレスおよびホスト名を使用します。
DRIVE_LETTER:
\system32\drivers\etc\hosts
ファイル内にある、ホスト名のみおよび完全修飾名を使用して、コンピュータを自身からpingします。
たとえば、ループバック・アダプタをmydomain.com
ドメインのmycomputer
というコンピュータにインストールした場合、次の項目をチェックします。
DRIVE_LETTER:\>ping mycomputer Ping itself using just the hostname. Reply from 10.10.10.10 Returns local IP. DRIVE_LETTER:\>ping mycomputer.mydomain.com Ping using a fully qualified name. Reply from 10.10.10.10 Returns local IP.
注意: コンピュータを自身からpingすると、ping コマンドはローカルIPアドレス(ループバック・アダプタのIPアドレス)を返します。 |
ping
コマンドに失敗した場合は、ネットワーク管理者に問い合せてください。
インストール後のコンピュータのネットワーク接続
インストール後にコンピュータをネットワークに接続すると、コンピュータ上のOracle Databaseインスタンスはネットワーク上の他のインスタンスと連携できます。コンピュータにループバック・アダプタがインストール済である必要があることに注意してください。コンピュータは、接続しているネットワークに応じて静的IPまたはDHCPを使用できます。
ループバック・アダプタのインストール時に、ループバック・アダプタはコンピュータのローカルIPアドレスを割り当てます。ループバック・アダプタをインストールすると、コンピュータのネットワーク・アダプタは、独自のネットワーク・アダプタとループバック・アダプタの少なくとも2つになります。WindowsでOracle Databaseを実行するには、ループバック・アダプタをプライマリ・アダプタとして設定します。
アダプタのバインド順は、ループバック・アダプタを再インストールせずに変更できます。プロトコルに対するアダプタのバインド順は、アダプタが使用される順序を示しています。ループバック・アダプタがTCP/IPプロトコルに対して最初に使用される場合、TCP/IPにアクセスするすべてのプログラムは、まずループバック・アダプタを調査します。Oracle Enterprise Managerなどのツールには、ローカル・アドレスが使用されます。異なるイーサネット・セグメントを使用するその他のアプリケーションは、ネットワーク・カードにルーティングされます。
ループバック・アダプタは、次の場合に必要です。
DHCPコンピュータにインストールする場合
非ネットワーク・コンピュータにインストールし、インストール後にコンピュータをネットワークに接続する予定の場合。
この項の内容は、次のとおりです。
ループバック・アダプタがコンピュータにインストールされているかどうかをチェックするには、ipconfig /all
コマンドを実行します。
DRIVE_LETTER:\>ipconfig /all
注意: コンピュータにインストールされているループバック・アダプタは、プライマリ・ネットワーク・アダプタとされている必要があります。 |
ループバック・アダプタがインストールされている場合、そのループバック・アダプタの値をリストするセクションが表示されます。次に例を示します。
Ethernet adapter Local Area Connection 2: Connection-specific DNS Suffix . : Description . . . . . . . . . . . : Microsoft Loopback Adapter Physical Address. . . . . . . . . : 02-00-4C-4F-4F-50 DHCP Enabled. . . . . . . . . . . : No IP Address. . . . . . . . . . . . : 10.10.10.10 Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.0.0
Windows 2003、Windows Server 2003 R2、またはWindows XPでループバック・アダプタをインストールする手順は、次のとおりです。
Windowsの「コントロール パネル」を開きます。
「ハードウェアの追加」をダブルクリックして、ハードウェアの追加ウィザードを開始します。
「ようこそ」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。
「ハードウェアは接続されていますか?」ウィンドウで、「はい、ハードウェアを接続しています」を選択して、「次へ」をクリックします。
「次のハードウェアは既にコンピュータ上にインストールされています。」ウィンドウで、インストール済ハードウェアのリストから「新しいハードウェア デバイスの追加」を選択し、「次へ」をクリックします。
「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます。」ウィンドウで、「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択し、「次へ」をクリックします。
「共通ハードウェアの種類」リストから、「ネットワーク アダプタ」を選択し、「次へ」をクリックします。
「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の選択を行います。
製造元: 「Microsoft」を選択します。
ネットワーク アダプタ: 「Microsoft Loopback Adapter」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「ハードウェアのインストールの開始」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。
「ハードウェアの追加と削除ウィザードの完了」ウィンドウで、「完了」をクリックします。
Windows 2003を使用している場合は、コンピュータを再起動します。
デスクトップで「マイ ネットワーク」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。「コントロール パネル」の「ネットワーク接続」が表示されます。
作成された接続を右クリックします。通常、これは「ローカル エリア接続2」です。「プロパティ」を選択します。
「全般」タブで、「インターネット プロトコル (TCP/IP)」を選択し、「プロパティ」をクリックします。
「プロパティ」ダイアログ・ボックスで、「次のIPアドレスを使う」をクリックして、次の処理を実行します。
IPアドレス: ループバック・アダプタのルーティング不能IPを入力します。次のルーティング不能アドレスをお薦めします。
192.168.
x
.x
(x
は0から255の任意の値)
10.10.10.10
サブネット マスク: 255.255.255.0
を入力します。
入力した値を記録します。この値は、この手順で後で必要になります。
その他すべてのフィールドは空白のままにします。
「OK」をクリックします。
「閉じる」をクリックします。
「ネットワーク接続」を閉じます。
コンピュータを再起動します。
DRIVE_LETTER
:\ WINDOWS\system32\drivers\etc\hosts
ファイルで、localhost
の行の直後に次の形式の行を追加します。
IP_address hostname.domainname hostname
各パラメータの意味は次のとおりです。
IP_address
は、手順16で入力したルーティング不能IPアドレスです。
hostname
はコンピュータ名です。
domainname
はドメイン名です。
次に例を示します。
10.10.10.10 mycomputer.mydomain.com mycomputer
ネットワーク構成をチェックします。
注意: ドメイン名はオプションです。 |
「コントロール パネル」で「システム」を開き、「コンピュータ名」タブを選択します。Windows VistaおよびWindows Server 2008では、「コンピュータ名」タブはありません。「フル コンピュータ名」に、ホスト名とドメイン名がsales.us.example.com
のように表示されていることを確認します。
「変更」をクリックします。「コンピュータ名」にホスト名が表示され、「フル コンピュータ名」にホスト名とドメイン名が表示されていることを確認します。前述の例を使用すると、ホスト名はsales
、ドメインはus.example.com
です。
「詳細」をクリックします。「このコンピュータのプライマリDNSサフィックス」に、ドメイン名がus.example.com
のように表示されます。
ループバック・アダプタをWindows VistaまたはWindows Server 2008にインストールする手順は、次のとおりです。
Windowsの「コントロール パネル」を開きます。
「ハードウェアの追加」をダブルクリックして、ハードウェアの追加ウィザードを開始します。
「ようこそ」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。
「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます。」ウィンドウで、「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択し、「次へ」をクリックします。
「次の一覧からインストールするハードウェアの種類を選択してください。」ウィンドウの「ハードウェアの種類」リストから、「ネットワーク アダプタ」を選択し、「次へ」をクリックします。
「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の選択を行います。
製造元: 「Microsoft」を選択します。
ネットワーク アダプタ: 「Microsoft Loopback Adapter」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「ハードウェアのインストールの開始」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。
「ハードウェアの追加と削除ウィザードの完了」ウィンドウで、「完了」をクリックします。
前述の項の手順12に移動します。以降の手順はWindows Vistaの場合と同様です。
ループバック・アダプタをWindows 7およびWindows Server 2008 R2にインストールする手順は、次のとおりです。
「スタート」をクリックして、検索ボックスにhdwwiz
を入力します。
hdwwizをクリックして、ハードウェアの追加ウィザードを開始します。
「Windows Server 2003、Windows Server 2003 R2またはWindows XPへのループバック・アダプタのインストール」の手順3に進みます。以降の手順はWindows XPの場合と同様です。
Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2でループバック・アダプタをインストールする手順は、次のとおりです。
「Windows Server 2003、Windows Server 2003 R2またはWindows XPへのループバック・アダプタのインストール」の手順1-5を実行します。
「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の選択を行います。
製造元: 「Microsoft」を選択します。
ネットワーク アダプタ: 「Microsoft KM-TEST Loopback Adapter」を選択します。
以降の手順は、Windows Server 2008の場合と同じです。
ループバック・アダプタを削除する手順は、次のとおりです。
Windowsの「コントロール パネル」で「システム」を表示します。
「ハードウェア」タブで、「デバイス マネージャ」をクリックします。このタブは、Windows VistaおよびWindows Server 2008にはありません。かわりに「デバイス マネージャ」をクリックしてください。
「デバイス マネージャ」ウィンドウで、「ネットワーク アダプタ」を展開します。「Microsoft Loopback Adapter」が表示されます。
「Microsoft Loopback Adapter」を右クリックし、「削除」を選択します。
「OK」をクリックします。
コンピュータを再起動します。
その他のWindowsオペレーティング・システムにループバック・アダプタをインストールした際に、DRIVE_LETTER:
\WINDOWS\system32\drivers\etc\hosts
ファイルでlocalhostの行の後に追加した行を削除します。
この項の内容は、次のとおりです。
関連項目:
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この項では、Oracleデータファイルおよび必要に応じてOracleデータベース・リカバリ・ファイルを格納するための記憶域オプションについて説明します。各ファイル・タイプに使用する記憶域メソッドを選択した後、次の各項で必要な記憶域を構成します。
注意: 各ファイル・タイプに、同じ記憶域オプションを使用する必要はありません。 |
インストール時にデータベースを作成する場合、データファイルについて次の記憶域オプションのいずれか1つを選択する必要があります。
ファイル・システム
Oracle Automatic Storage Management
データベース・ファイルは、Oracle ACFSを使用する場合はOracle ASMに置く必要があります。それ以外の場合は、NTFSに置くことができます。
インストール時に自動バックアップを有効にする場合は、リカバリ・ファイル(高速リカバリ領域)用に次の記憶域オプションのいずれか1つを選択する必要があります。
ファイル・システム
Oracle Automatic Storage Management
リカバリ・ファイルには、データファイルと同じ記憶域または別の記憶域のどちらでも選択できます。リカバリ・ファイルは、Oracle ACFSを使用する場合はOracle ASMに置く必要があります。それ以外の場合は、NTFSに置くことができます。
これらのオプションの詳細は、「データベース記憶域オプション」を参照してください。インストールを開始する前にディスク記憶域を構成する方法については、選択するオプションに応じて次の各項を参照してください。
データベース記憶域またはリカバリ・ファイル記憶域にファイル・システムを使用する場合は、「Oracleデータファイルまたはリカバリ・ファイル用ディレクトリの作成」を参照してください。
データベース記憶域またはリカバリ・ファイル記憶域にOracle Automatic Storage Managementを使用する場合は、「Oracle Automatic Storage Managementインストールのためのディスクの準備」を参照してください。
ファイル・システムにOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定します。
データファイルの格納には、単一のファイル・システムまたは複数のファイル・システムのどちらでも選択できます。
単一のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の物理デバイス上でファイル・システムを選択してください。
最適のパフォーマンスと信頼性を得るには、複数の物理デバイス上でRedundant Array of Independent Disks(RAID)デバイスまたは論理ボリュームを選択して、Stripe And Mirror Everything(SAME)方法論を実装します。
複数のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の個別物理デバイス上でファイル・システムを選択します。
この方法を選択すると、様々なデバイスに物理I/Oを分散させ、個別の制御ファイルを作成して信頼性を高めることができます。このメソッドを実装するには、インストール時に「詳細」データベース作成オプションを選択する必要があります。
インストール時に事前構成済データベースを作成する場合は、選択するファイル・システム(複数も可)に950MB以上の空きディスク領域が必要です。
最適なパフォーマンスを得る場合は、データベース専用の物理デバイス上にあるファイル・システムを選択する必要があります。
Oracle Universal Installerにより提示されるデータベース・ファイル・ディレクトリのデフォルトの位置は、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリです。ただし、このデフォルトの位置は、本番データベースにはお薦めしません。
注意: インストール時に自動バックアップを有効にする場合のみ、リカバリ・ファイルの位置を選択する必要があります。 |
ファイル・システムにOracleリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定します。
データファイルとリカバリ・ファイルの両方が使用できなくなるディスク障害を防ぐには、リカバリ・ファイルをデータファイルと異なる物理ディスク上にあるファイル・システムに格納します。
注意: または、データファイルとリカバリ・ファイルの両方にOracle Automatic Storage Managementディスク・グループを使用します。 |
選択するファイル・システムには、2GB以上の空きディスク領域が必要です。
ディスク領域要件は、高速リカバリ領域用に構成されたデフォルトのディスク割当て制限です(DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE
初期化パラメータで指定されています)。
「拡張」データベース構成オプションを選択した場合、異なるディスク割当て制限値を指定できます。データベースの作成後、Oracle Enterprise Manager Grid ControlまたはDatabase Controlを使用して異なる値を指定することもできます。
関連項目: 高速リカバリ領域の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
Oracle Universal Installerにより提示されるデータベース・ファイル・ディレクトリのデフォルトの位置は、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリです。ただし、このデフォルトの位置は、本番データベースにはお薦めしません。
注意: この手順を行う必要があるのは、Oracleベース・ディレクトリから個別のファイル・システム上にOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイルを格納する場合のみです。 |
Oracleベース・ディレクトリから個別のファイル・システム上にOracleデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのディレクトリを作成する手順は、次のとおりです。
Windowsのエクスプローラを使用して、ファイル・システム上の空きディスク領域を確認します。
表示される内容から、使用するファイル・システムを識別します。
ファイル・タイプ | ファイル・システム要件 |
---|---|
データファイル | 次のいずれかを選択します。
|
リカバリ・ファイル | 2GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。 |
複数のファイル・タイプに対して同じファイル・システムを使用している場合は、各タイプに必要なディスク領域の量を加算して、必要なディスク領域の合計量を確認します。
指定したファイル・システム用のディレクトリの名前を書き留めます。
Oracle Automatic Storage Managementも使用する場合は、手順について「Oracle Automatic Storage Managementインストールのためのディスクの準備」を参照してください。あるいは、「既存のOracleサービスの停止」を参照してください。
注意: Oracle Database 11g製品を既存のOracleホームに追加でインストールする場合、Oracleホームで実行中のすべての処理を停止します。実行中のプロセスで使用されているファイルは上書きできないので、この作業を完了する必要があります。 |
Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseをインストールする前に、次のことを考慮します。
Oracle Restartを使用する場合は、データベースをインストールして作成する前にOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。データベースをインストールするときは、Oracle Grid Infrastructureのインストールの際に作成されたリスナーを使用する必要があるため、この項で示す手順を実行する必要はありません。
デフォルト・リスナーおよびその他のすべてのリスナーは、Oracle Grid Infrastructureホームで実行する必要があります。
Oracle Automatic Storage Management上ですでに動作しているOracle Database 11gリリース2(11.2)がある場合、既存のOracle ASMインスタンスをすべて停止します。Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストールが終了した後に、Oracle ASMインスタンスを再び起動します。
インストール時にデータベースの作成を選択すると、ほとんどのインストール・タイプではTCP/IPポート1521
とIPCキー値EXTPROC
を使用して、デフォルトのOracle Netリスナーが構成および起動されます。しかし、既存のOracle Netリスナーが同じポートまたはキー値を使用している場合には、Oracle Universal Installerは次に使用可能な空きポート(1522
など)を探し、そのポートで新しいリスナーを構成および起動します。
Oracle Databaseによる強力な認証(Kerberos、PKI)を使用できるように、ハードウェアおよびソフトウェアの要件を必ず満たしてください。
Oracle Enterprise Manager製品は、すべて同じリリースであることが必要です。新しいリリースでは、旧リリースのEnterprise Managerはサポートされていません。
注意: Oracle Enterprise Manager Database Controlを除くすべてのOracle Enterprise Manager製品は、Enterprise Manager Grid Controlインストール・メディアでリリースされています。Enterprise Manager Database Controlは、Oracle Databaseインストール・メディアに収録されています。 |
「詳細」データベース作成オプションを選択すると、新規データベースでOracle Managed Filesの機能を使用できます。この機能を使用すると、データベース・ファイルを作成または削除するときに、ファイル名ではなく、データベース・オブジェクト名を指定するのみで実行できます。Oracle Managed Filesを有効にするには、構成手順を実行する必要があります。
関連項目: 『Oracle Database管理者ガイド』のOracle Managed Filesの使用に関する項を参照してください。 |
Oracle RACまたはグリッド・コンピューティング環境をインストールする場合は、最初にクラスタ用のOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。
関連項目: Oracle Clusterwareインストール・メディアに収録されているOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドおよびOracle Grid Infrastructureのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
Oracle Volume Shadow Copy Serviceライターは、Windows Serverオペレーティング・システムでサポートされています。Service Pack 1なしのWindows Server 2003では、システムに1つのデータベースのみを持つことができます。Service Pack 1以上では、システムに複数のOracleデータベースを持つことができます。
関連項目: 『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「VSSを使用したデータベースのバックアップおよびリカバリの実行」 |