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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows
B58878-10
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2 Oracle Databaseのインストール前の要件

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。

このマニュアルには、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)をインストールするために必要な情報が含まれています。Oracle Database 11gをインストールするプラットフォームに関連した情報を必ず確認してください。


注意:


内容は次のとおりです。

2.1 Oracle Databaseのハードウェア要件

この項では、ハードウェア・コンポーネントおよびハードディスク領域の要件について説明します。

2.1.1 Windows(32-bit)のハードウェア・コンポーネントの要件

次の表では、Windows(32-bit)のOracle Databaseで必須のハードウェア・コンポーネントを示します。

表2-1 Windows(32-bit)のハードウェア要件

要件

システム・アーキテクチャ

プロセッサ: Intel(x86)、AMD64、Intel EM64T

注意: Oracle Database for Windowsには、32ビット(Windows x86)および64ビット(Windows x64)のバージョンがあります。

物理メモリー(RAM)

1GB(最小)

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1では、2GB以上

仮想メモリー

  • 物理メモリーが2GBから16GBの間の場合、仮想メモリーはRAMのサイズの1倍に設定します。

  • 物理メモリーが16GBを超える場合、仮想メモリーを16GBに設定します。

ディスク領域

「標準インストール」タイプ合計: 5.35GB

「拡張インストール」タイプ合計: 4.89GB

詳細は、表2-3を参照。

ビデオ・アダプタ

256色

画面解像度

1024 X 768以上


2.1.2 Windows x64のハードウェア・コンポーネントの要件

次の表では、Windows x64のOracle Databaseで必須のハードウェア・コンポーネントを示します。

表2-2 Windows x64のハードウェア要件

要件

システム・アーキテクチャ

プロセッサ: AMD64およびIntel EM64T

注意: Oracle Database for Windowsには、32ビット(Windows x86)および64ビット(Windows x64)のバージョンがあります。

物理メモリー(RAM)

1GB(最小)

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1では、2GB以上

仮想メモリー

  • 物理メモリーが2GBから16GBの間の場合、仮想メモリーはRAMのサイズの1倍に設定します。

  • 物理メモリーが16GBを超える場合、仮想メモリーを16GBに設定します。

ディスク領域

「標準インストール」タイプ合計: 5.39GB

「拡張インストール」タイプ合計: 5.89GB

詳細は、表2-4を参照。

Windows x64プロセッサ

最小550MHz

ビデオ・アダプタ

256色

画面解像度

1024 X 768以上


2.1.3 ハードディスク領域の要件

このセクションでは、NT File System(NTFS)を使用するWindowsプラットフォームのシステム要件を示します。Oracleデータベース・ホーム(Oracleデータベース・バイナリ、トレース・ファイルなど)をOracle ACFSまたはNTFSにインストールすることを強くお薦めします(Oracle ACFSを使用する場合は、データベース・ファイル自体をOracle ASMに置く必要があり、それ以外の場合は、NTFSに置くことができます)。これらのファイルのセキュリティのため、Oracle ACFSおよびOracle ASMまたはNTFSを、FAT32のかわりに使用することをお薦めします。

この項で示すNTFSのシステム要件は、Oracle Universal Installerのサマリー・ウィンドウで報告されるハードディスクの値より正確です。サマリー・ウィンドウには、ディスク領域、データベースの作成に必要な領域、またはハード・ドライブで展開される圧縮ファイルのサイズの正確な値は表示されません。

Oracle Databaseコンポーネントのハードディスク要件には、オペレーティング・システムがインストールされているパーティションにJava Runtime Environment(JRE)およびOracle Universal Installerをインストールするために32MBが含まれます。 十分な領域が検出されない場合、インストールは失敗し、エラー・メッセージが表示されます。

表2-3に、Windows(32-bit)のNTFSでのディスク領域要件を示します。

表2-4に、Windows x64のNTFSでのディスク領域要件を示します。初期データベースの場合、必要なディスク領域は720MBです。

この表の数値には、初期データベースが含まれています。FAT32の場合、必要な領域は若干大きくなります。

表2-3 NTFSのWindows(32-bit)のディスク領域要件

インストール・タイプ TEMP領域 SYSTEM_DRIVE:\ Program Files\Oracle Oracleホーム データファイル * 合計

標準インストール

500MB

4.0MB

3.6GB

1.9GB

5.99GB

拡張インストール: すべてのエディション

500MB

4.0MB

3.6GB **

1.9GB **

5.99GB **


表2-4 NTFSのWindows x64のディスク領域要件

インストール・タイプ TEMP領域 SYSTEM_DRIVE:\ Program Files\Oracle Oracleホーム データファイル * 合計

標準インストール

500MB

4.0MB

3.80GB

1.9GB

6.22GB

拡張インストール: すべてのエディション

500MB

4.55MB

3.80GB **

1.9GB **

6.22GB **


* ORACLE_BASEディレクトリ内のadmincfgtoollogsflash_recovery_areaおよびoradataディレクトリの内容を指します。

** このサイズは、選択したインストール・オプション(言語や追加コンポーネントなど)によって値が大きくなる場合があります。自動バックアップを有効にしてOracle Databaseをインストールする場合、データファイルのディスク領域用に2GB以上を追加してください。


関連項目:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「NTFSファイル・システムとWindowsレジストリの権限」

2.1.4 ハードウェア要件の確認

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. 物理RAMサイズを確認します。

    たとえば、Windows Server 2003のコンピュータの場合、Windowsのコントロール パネルの「システム」をダブルクリックして、「全般」タブをクリックします。

    Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、Windowsのコントロール パネルの「システムとセキュリティ」をクリックして、「システム」をクリックします。

    システムにインストールされている物理RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 構成済の仮想メモリーのサイズ(ページング・ファイル・サイズ)を確認します。

    たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「システム」をダブルクリックし、「詳細設定」タブをクリックし、「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。次に、「詳細設定」タブをクリックします。

    Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、「システムとセキュリティ」をクリックし、「システム」をクリックして、「システムの詳細設定」をクリックし、「システムのプロパティ」ページで「詳細」タブをクリックし、「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。次に、「パフォーマンス オプション」ページで「詳細」タブを選択します。

    「仮想メモリ」セクションに仮想メモリーが表示されます。

    追加の仮想メモリーを構成する方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  3. システムの空きディスク領域量を確認します。

    たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「マイ コンピュータ」をダブルクリックし、Oracleソフトウェアをインストールするドライブを右クリックし、「プロパティ」を選択します。

    Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、「マイ コンピュータ」を右クリックして、「開く」をクリックします。

  4. tempディレクトリ内の使用可能なディスク領域の量を確認します。これは、空きディスク領域の合計容量からOracleソフトウェアをインストールするために必要な容量を引いた値になります。

    Windows 32-bitの場合、tempディレクトリで使用可能なディスク領域が500MB未満の場合は、不要なファイルをすべて削除します。それでもtempディスク領域が500MB未満の場合は、TEMPまたはTMP環境変数が別のハード・ドライブの場所を指すように設定します。

    Windows x64では、tempディレクトリで使用可能なディスク領域が500MB未満の場合は、まず不要なファイルをすべて削除します。それでもtempディスク領域が125MB未満の場合は、TEMPまたはTMP環境変数が別のハード・ドライブの場所を指すように設定します。

    たとえば、Windows Server 2003のコンピュータで環境変数を変更するには、「システム」をダブルクリックし、「詳細設定」タブをクリックして、「環境変数」をクリックします。

    Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、「システムとセキュリティ」をクリックし、「システム」をクリックして、「システムの詳細設定」をクリックし、「システムのプロパティ」ページで「詳細」タブをクリックし、「環境変数」をクリックします。

2.2 Oracle Databaseのソフトウェア要件

表2-5に、Windows(32-bit)上のOracle Databaseのソフトウェア要件を示します。

表2-6に、Windows x64上のOracle Databaseのソフトウェア要件を示します。

表2-5 Windows(32-bit)のソフトウェア要件

要件

オペレーティング・システム

32ビットWindows対応のOracle Databaseは、次のオペレーティング・システムでサポートされています。

  • Windows Server 2003 - すべてのエディション

  • Windows Server 2003 R2 - すべてのエディション

  • Windows XP Professional

  • Windows Vista - Business、EnterpriseおよびUltimateエディション

  • Windows Server 2008 - Standard、Enterprise、DatacenterおよびWebエディション。

  • Windows 7 - Professional、EnterpriseおよびUltimateエディション

  • Windows 8 - ProおよびEnterpriseエディション

  • Windows 8.1 - ProおよびEnterpriseエディション

Windows Multilingual User Interface Packがサポートされています。

サーバー・コア・オプションは、すべてのWindows Serverオペレーティング・システムでサポートされていません。

注意: Hyper-Vサポートの詳細は、My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)を参照してください。

https://support.oracle.com/epmos/faces/DocumentDisplay?id=1563794.1

関連項目: 最新のシステム要件へのアクセス方法は、「ハードウェアおよびソフトウェアの動作保証」を参照してください。

コンパイラ

Pro*COBOLは、Net Express 5.0でテストおよび動作保証されています。

次のコンポーネントは、Microsoft Visual C++ .NET 2005 8.0、Microsoft Visual C++ .NET 2008 9.0およびIntel 10.1 Cの各コンパイラでサポートされています。

  • Oracle Call Interface

  • 外部コールアウト

  • Pro*C/C++

  • XDK

Oracle C++ Call Interfaceは、次のコンパイラでサポートされています。

  • Microsoft Visual C++ .NET 2005 8.0

  • Microsoft Visual C++ .NET 2008 9.0 - OCCIライブラリは、ORACLE_HOME\oci\lib\msvc\vc9にインストールされています。OCCIアプリケーションをMSVC++ 9.0で開発する場合、リンクや実行用にこのディレクトリのOCCIライブラリが正しく選択されていることを確認します。

  • Intel 10.1 C++ compilerとMicrosoft Visual C++ .NET 2005 STL。

ネットワーク・プロトコル

Oracle Net foundationレイヤーでは、Oracle Protocol Supportを使用して、業界標準の次のネットワーク・プロトコルと通信します。

  • TCP/IP

  • SSL付きTCP/IP

  • Named Pipes


表2-6 Windows x64のソフトウェア要件

要件

オペレーティング・システム

Oracle Database for Windows x64は、次のオペレーティング・システムでサポートされています。

  • Windows Server 2003 - すべてのx64エディション

  • Windows Server 2003 R2 - すべてのx64エディション

  • Windows XP Professional x64エディション

  • Windows Vista x64 - Business、EnterpriseおよびUltimateエディション

  • Windows Server 2008 x64 - Standard、Enterprise、DatacenterおよびWebエディション

  • Windows Server 2008 R2 x64 - Standard、Enterprise、Datacenter、WebおよびFoundationエディション

  • Windows 7 x64 - Professional、EnterpriseおよびUltimateエディション

  • Windows 8 x64 - ProおよびEnterpriseエディション

  • Windows 8.1 x64 - ProおよびEnterpriseエディション

注意: Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降、Oracle Databaseでは、Standard、Datacenter、EssentialsおよびFoundationエディションでWindows Server 2012 x64およびWindows Server 2012 R2 x64がサポートされています。Windows Server 2012 R2 x64には、Windows Databaseバンドル・パッチ11.2.0.4.14以上が必要となります。

注意: Windows Multilingual User Interface Packがサポートされています。

注意: サーバー・コア・オプションは、すべてのWindows Serverオペレーティング・システムではサポートされていません。

関連項目: Hyper-Vサポートの詳細は、My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)を参照してください。

https://support.oracle.com/epmos/faces/DocumentDisplay?id=1563794.1

関連項目: 最新のシステム要件へのアクセス方法は、「ハードウェアおよびソフトウェアの動作保証」を参照してください。

コンパイラ

Pro*COBOLは、Net Express 5.0でテストおよび動作保証されています。

次のコンポーネントは、Microsoft Visual C++ .NET 2005 8.0、Microsoft Visual C++ .NET 2008 9.0およびIntel 10.1 Cの各コンパイラでサポートされています。

  • Oracle Call Interface

  • 外部コールアウト

  • Pro*C/C++

  • XDK

Oracle C++ Call Interfaceは、次のコンパイラでサポートされています。

  • Microsoft Visual C++ .NET 2005 8.0

  • Microsoft Visual C++ .NET 2008 9.0 - OCCIライブラリは、ORACLE_HOME\oci\lib\msvc\vc9にインストールされています。OCCIアプリケーションをMSVC++ 9.0で開発する場合、リンクや実行用にこのディレクトリのOCCIライブラリが正しく選択されていることを確認します。

  • Intel 10.1 C++ compilerとMicrosoft Visual C++ .NET 2005 STL。

ネットワーク・プロトコル

Oracle Net foundationレイヤーでは、Oracle Protocol Supportを使用して、業界標準の次のネットワーク・プロトコルと通信します。

  • TCP/IP

  • SSL付きTCP/IP

  • Named Pipes


2.3 Windowsの動作保証およびWebブラウザのサポート

動作保証について次の各項で説明します。

2.3.1 リモート・デスクトップ・サービス

Oracleでは、リモート・デスクトップ・サービス(以前のWindowsのターミナル・サービス)を介してOracle Databaseのインストール、構成および実行がサポートされます。Oracle Databaseをインストールする場合、あらゆる構成ツールをサーバーのTerminal Serverコンソール・セッションから(mstsc/consoleを使用して)開始することをお薦めします。

プラットフォーム固有のサポート情報は、次のとおりです。

  • Windows Server 2003およびWindows Server 2003 R2: 管理者モードまたはターミナル・サーバー・モードのリモート・デスクトップでターミナル・サービスを使用するようにWindows Server 2003およびWindows Server 2003 R2を構成できます。

  • Windowsクライアント・オペレーティング・システム: リモート・デスクトップを使用できるのは、単一ユーザー・モードの場合のみです。

  • Windows Server 2008以上: 複数のリモート・デスクトップ・セッションを持つことができます。


関連項目:

  • リモート・デスクトップ・サービスの詳細は、次のURLのMicrosoftのホームページを参照してください。

    http://www.microsoft.com/

  • 最新のターミナル・サービスおよびリモート・デスクトップの情報は、My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)のWebサイトを参照してください。

    https://support.oracle.com/


2.3.2 Oracle Services for Microsoft Transaction Server

Windows Vistaで実行するOracle Services for Microsoft Transaction Serverは、最低Service Pack 1以上が必要です。

2.3.3 Webブラウザのサポート

Oracle Databaseのインストールには、Webブラウザは不要です。ただし、ドキュメントにアクセスしたり、Oracle Enterprise Manager Database ControlおよびOracle Application Expressを使用するには、Webブラウザが必要です。WebブラウザがJavaScriptおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。

Oracle Enterprise Managerでは次のブラウザをサポートしています。

  • Netscape Navigator 8.1

  • Netscape Navigator 9.0

  • Microsoft Internet Explorer 10.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.3以上をサポート)

  • Microsoft Internet Explorer 9.0

  • Microsoft Internet Explorer 8.0

  • Microsoft Internet Explorer 7.0 SP1

  • Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2

  • Firefox 21.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)

  • Firefox 17.0.6 ESR (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)

  • Firefox 3.6

  • Firefox 3.5

  • Firefox 3.0.7

  • Firefox 2.0

  • Safari 4.0.x

  • Safari 3.2

  • Safari 3.1

  • Google Chrome 27.0 (Oracle Enterprise Manager Database Control 11.2.0.4をサポート)

  • Google Chrome 4.0

  • Google Chrome 3.0


関連項目:

Oracle Application Expressでサポートされるブラウザの一覧については、『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』を参照してください。

2.3.4 デフォルトの共有構成要件

Oracle Databaseのインストール中の前提条件チェックでは、コンピュータのシステム・ドライブにデフォルト共有が構成されている必要があります。net useコマンドを使用して、たとえば次のように検証します。

C:\> net use \\hostname\c$
The command completed successfully

現在のユーザー、つまり管理者グループのユーザーにデフォルト共有のすべての権限が付与されていることを確認してください。

2.4 オペレーティング・システムの一般的なセキュリティの措置の確認

セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。

2.5 ホスト名解決の確認

通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続されています。ドメイン・ネーム・システム(DNS)、ネットワーク情報サービス(NIS)、または集中管理されているTCP/IPホスト・ファイル(/etc/hostsなど)を介して、コンピュータのホスト名が解決可能であることを確認してください。コンピュータのホスト名が解決可能かどうかを確認するには、pingコマンドを使用します。次に例を示します。

ping myhostname
pinging myhostname.example.com [192.0.2.2] with 32 bytes of data:
Reply from 192.0.2.2: bytes=32 time=138ms TTL=56

コンピュータのホスト名が解決されない場合は、システム管理者に問い合せてください。

2.6 ネットワーク設定の確認

通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続され、Oracle Databaseインストールを格納するためのローカル記憶域があり、ディスプレイ・モニターとメディア・ドライブを備えています。

この項では、このような標準的な構成とは異なるコンピュータにOracle Databaseをインストールする方法を説明します。内容は次のとおりです。

2.6.1 複数のIPアドレスを持つコンピュータへのOracle Databaseのインストール

複数のIPアドレスを持つコンピュータ(マルチホーム・コンピュータ)にOracle Databaseをインストールできます。通常、マルチホーム・コンピュータには複数のネットワーク・カードがあります。各IPアドレスにはホスト名が関連付けられており、ホスト名には別名を設定できます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME環境変数の設定を使用してホスト名を検索します。

クライアントは、ホスト名を使用して(またはこのホスト名の別名を使用して)コンピュータにアクセスできる必要があります。これを確認するには、短縮名(ホスト名のみ)および完全名(ホスト名とドメイン名)を使用して、クライアント・コンピュータからホスト名をpingします。どちらも動作する必要があります。

ORACLE_HOSTNAME環境変数の設定

ORACLE_HOSTNAME環境変数を設定する手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「コントロール パネル」で「システム」を表示します。

  2. 「システムのプロパティ」ダイアログ・ボックスで、「詳細設定」をクリックします。

  3. 「詳細設定」タブで、「環境変数」をクリックします。

  4. 「環境変数」ダイアログ・ボックスで、「システム環境変数」の下の「新規」をクリックします。

  5. 「新しいシステム変数」ダイアログ・ボックスで、次の情報を入力します。

    • 変数名: ORACLE_HOSTNAME

    • 変数値: 使用するコンピュータのホスト名。

  6. 「OK」をクリックし、続いて「環境変数」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

  7. 「環境変数」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックしてから、「システムのプロパティ」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

2.6.2 複数の別名を持つコンピュータへのOracle Databaseのインストール

複数の別名を持つコンピュータは、ネーミング・サービスに1つのIPアドレスと複数の別名で登録されます。ネーミング・サービスでは、これらの別名のいずれかが同じコンピュータに解決されます。この種のコンピュータにOracle Databaseをインストールする前に、ORACLE_HOSTNAME環境変数に、使用するコンピュータのホスト名を設定してください。

2.6.3 ネットワークに接続されていないコンピュータへのOracle Databaseのインストール

Oracle Databaseを非ネットワーク・コンピュータにインストールできます。ラップトップなどのコンピュータがDHCP用に構成されており、Oracle Databaseのインストール後にコンピュータをネットワークに接続する予定の場合は、Oracle Databaseを非ネットワーク・コンピュータにインストールする前に、次の手順を実行します。

  1. ループバック・アダプタをコンピュータにインストールします。

    ループバック・アダプタとローカルIPアドレスは、ネットワーク化されたコンピュータをシミュレートします。コンピュータをネットワークに接続した場合も、Oracle DatabaseはローカルIPアドレスおよびホスト名を使用します。

  2. DRIVE_LETTER:\system32\drivers\etc\hostsファイル内にある、ホスト名のみおよび完全修飾名を使用して、コンピュータを自身からpingします。

    たとえば、ループバック・アダプタをmydomain.comドメインのmycomputerというコンピュータにインストールした場合、次の項目をチェックします。

    DRIVE_LETTER:\>ping mycomputer                Ping itself using just the hostname.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns local IP.
    DRIVE_LETTER:\>ping mycomputer.mydomain.com   Ping using a fully qualified name.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns local IP.
    

    注意:

    コンピュータを自身からpingすると、pingコマンドはローカルIPアドレス(ループバック・アダプタのIPアドレス)を返します。

    pingコマンドに失敗した場合は、ネットワーク管理者に問い合せてください。

インストール後のコンピュータのネットワーク接続

インストール後にコンピュータをネットワークに接続すると、コンピュータ上のOracle Databaseインスタンスはネットワーク上の他のインスタンスと連携できます。コンピュータにループバック・アダプタがインストール済である必要があることに注意してください。コンピュータは、接続しているネットワークに応じて静的IPまたはDHCPを使用できます。

2.6.4 ループバック・アダプタのインストール

ループバック・アダプタのインストール時に、ループバック・アダプタはコンピュータのローカルIPアドレスを割り当てます。ループバック・アダプタをインストールすると、コンピュータのネットワーク・アダプタは、独自のネットワーク・アダプタとループバック・アダプタの少なくとも2つになります。WindowsでOracle Databaseを実行するには、ループバック・アダプタをプライマリ・アダプタとして設定します。

アダプタのバインド順は、ループバック・アダプタを再インストールせずに変更できます。プロトコルに対するアダプタのバインド順は、アダプタが使用される順序を示しています。ループバック・アダプタがTCP/IPプロトコルに対して最初に使用される場合、TCP/IPにアクセスするすべてのプログラムは、まずループバック・アダプタを調査します。Oracle Enterprise Managerなどのツールには、ローカル・アドレスが使用されます。異なるイーサネット・セグメントを使用するその他のアプリケーションは、ネットワーク・カードにルーティングされます。

ループバック・アダプタは、次の場合に必要です。

この項の内容は、次のとおりです。

2.6.4.1 ループバック・アダプタがコンピュータにインストールされているかどうかのチェック

ループバック・アダプタがコンピュータにインストールされているかどうかをチェックするには、ipconfig /allコマンドを実行します。

DRIVE_LETTER:\>ipconfig /all

注意:

コンピュータにインストールされているループバック・アダプタは、プライマリ・ネットワーク・アダプタとされている必要があります。

ループバック・アダプタがインストールされている場合、そのループバック・アダプタの値をリストするセクションが表示されます。次に例を示します。

Ethernet adapter Local Area Connection 2:
Connection-specific DNS Suffix  . :
Description . . . . . . . . . . . : Microsoft Loopback Adapter
Physical Address. . . . . . . . . : 02-00-4C-4F-4F-50
DHCP Enabled. . . . . . . . . . . : No
IP Address. . . . . . . . . . . . : 10.10.10.10
Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.0.0

2.6.4.2 Windows Server 2003、Windows Server 2003 R2またはWindows XPへのループバック・アダプタのインストール

Windows 2003、Windows Server 2003 R2、またはWindows XPでループバック・アダプタをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「コントロール パネル」を開きます。

  2. 「ハードウェアの追加」をダブルクリックして、ハードウェアの追加ウィザードを開始します。

  3. 「ようこそ」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。

  4. 「ハードウェアは接続されていますか?」ウィンドウで、「はい、ハードウェアを接続しています」を選択して、「次へ」をクリックします。

  5. 「次のハードウェアは既にコンピュータ上にインストールされています。」ウィンドウで、インストール済ハードウェアのリストから「新しいハードウェア デバイスの追加」を選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます。」ウィンドウで、「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択し、「次へ」をクリックします。

  7. 「共通ハードウェアの種類」リストから、「ネットワーク アダプタ」を選択し、「次へ」をクリックします。

  8. 「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の選択を行います。

    • 製造元: 「Microsoft」を選択します。

    • ネットワーク アダプタ: 「Microsoft Loopback Adapter」を選択します。

  9. 「次へ」をクリックします。

  10. 「ハードウェアのインストールの開始」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。

  11. 「ハードウェアの追加と削除ウィザードの完了」ウィンドウで、「完了」をクリックします。

  12. Windows 2003を使用している場合は、コンピュータを再起動します。

  13. デスクトップで「マイ ネットワーク」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。「コントロール パネル」の「ネットワーク接続」が表示されます。

  14. 作成された接続を右クリックします。通常、これは「ローカル エリア接続2」です。「プロパティ」を選択します。

  15. 「全般」タブで、「インターネット プロトコル (TCP/IP)」を選択し、「プロパティ」をクリックします。

  16. 「プロパティ」ダイアログ・ボックスで、「次のIPアドレスを使う」をクリックして、次の処理を実行します。

    1. IPアドレス: ループバック・アダプタのルーティング不能IPを入力します。次のルーティング不能アドレスをお薦めします。

      • 192.168.x.x(xは0から255の任意の値)

      • 10.10.10.10

    2. サブネット マスク: 255.255.255.0を入力します。

    3. 入力した値を記録します。この値は、この手順で後で必要になります。

    4. その他すべてのフィールドは空白のままにします。

    5. 「OK」をクリックします。

  17. 「閉じる」をクリックします。

  18. 「ネットワーク接続」を閉じます。

  19. コンピュータを再起動します。

  20. DRIVE_LETTER:\ WINDOWS\system32\drivers\etc\hostsファイルで、localhostの行の直後に次の形式の行を追加します。

    IP_address   hostname.domainname   hostname
    

    各パラメータの意味は次のとおりです。

    • IP_addressは、手順16で入力したルーティング不能IPアドレスです。

    • hostnameはコンピュータ名です。

    • domainnameはドメイン名です。

    次に例を示します。

    10.10.10.10   mycomputer.mydomain.com   mycomputer
    
  21. ネットワーク構成をチェックします。


    注意:

    ドメイン名はオプションです。

    1. 「コントロール パネル」で「システム」を開き、「コンピュータ名」タブを選択します。Windows VistaおよびWindows Server 2008では、「コンピュータ名」タブはありません。「フル コンピュータ名」に、ホスト名とドメイン名がsales.us.example.comのように表示されていることを確認します。

    2. 「変更」をクリックします。「コンピュータ名」にホスト名が表示され、「フル コンピュータ名」にホスト名とドメイン名が表示されていることを確認します。前述の例を使用すると、ホスト名はsales、ドメインはus.example.comです。

    3. 「詳細」をクリックします。「このコンピュータのプライマリDNSサフィックス」に、ドメイン名がus.example.comのように表示されます。

2.6.4.3 Windows VistaおよびWindows Server 2008へのループバック・アダプタのインストール

ループバック・アダプタをWindows VistaまたはWindows Server 2008にインストールする手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「コントロール パネル」を開きます。

  2. 「ハードウェアの追加」をダブルクリックして、ハードウェアの追加ウィザードを開始します。

  3. 「ようこそ」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。

  4. 「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます。」ウィンドウで、「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「次の一覧からインストールするハードウェアの種類を選択してください。」ウィンドウの「ハードウェアの種類」リストから、「ネットワーク アダプタ」を選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の選択を行います。

    • 製造元: 「Microsoft」を選択します。

    • ネットワーク アダプタ: 「Microsoft Loopback Adapter」を選択します。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「ハードウェアのインストールの開始」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。

  9. 「ハードウェアの追加と削除ウィザードの完了」ウィンドウで、「完了」をクリックします。

  10. 前述の項の手順12に移動します。以降の手順はWindows Vistaの場合と同様です。

2.6.4.4 Windows 7およびWindows Server 2008 R2でのループバック・アダプタのインストール

ループバック・アダプタをWindows 7およびWindows Server 2008 R2にインストールする手順は、次のとおりです。

  1. 「スタート」をクリックして、検索ボックスにhdwwizを入力します。

  2. hdwwizをクリックして、ハードウェアの追加ウィザードを開始します。

  3. 「Windows Server 2003、Windows Server 2003 R2またはWindows XPへのループバック・アダプタのインストール」の手順3に進みます。以降の手順はWindows XPの場合と同様です。

2.6.4.5 Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2でのMicrosoft KM-TEST Loopback Adapterのインストール

Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012およびWindows Server 2012 R2でループバック・アダプタをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. 「Windows Server 2003、Windows Server 2003 R2またはWindows XPへのループバック・アダプタのインストール」の手順1-5を実行します。

  2. 「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の選択を行います。

    • 製造元: 「Microsoft」を選択します。

    • ネットワーク アダプタ: 「Microsoft KM-TEST Loopback Adapter」を選択します。

    以降の手順は、Windows Server 2008の場合と同じです。

2.6.4.6 ループバック・アダプタの削除

ループバック・アダプタを削除する手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「コントロール パネル」で「システム」を表示します。

  2. 「ハードウェア」タブで、「デバイス マネージャ」をクリックします。このタブは、Windows VistaおよびWindows Server 2008にはありません。かわりに「デバイス マネージャ」をクリックしてください。

  3. 「デバイス マネージャ」ウィンドウで、「ネットワーク アダプタ」を展開します。「Microsoft Loopback Adapter」が表示されます。

  4. 「Microsoft Loopback Adapter」を右クリックし、「削除」を選択します。

  5. 「OK」をクリックします。

  6. コンピュータを再起動します。

  7. その他のWindowsオペレーティング・システムにループバック・アダプタをインストールした際に、DRIVE_LETTER:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hostsファイルでlocalhostの行の後に追加した行を削除します。

2.7 個々のコンポーネントの要件

この項の内容は、次のとおりです。


関連項目:

  • 『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』の第2章「Oracle Application Expressのインストール要件」およびインストール前の推奨タスクに関する項

  • 『Oracle Configuration Managerインストールおよび管理ガイド』および『Oracle Configuration Manager前提条件』のインストール前の要件に関する項(Oracle Configuration Managerのインストール前の要件)

  • Oracle Configuration Managerをインストールする際に使用できる有効な国コードのリストは、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』の付録A「国コード」を参照してください。


2.7.1 Oracleデータファイルおよびリカバリ・ファイルのディスク記憶域の構成

この項では、Oracleデータファイルおよび必要に応じてOracleデータベース・リカバリ・ファイルを格納するための記憶域オプションについて説明します。各ファイル・タイプに使用する記憶域メソッドを選択した後、次の各項で必要な記憶域を構成します。


注意:

各ファイル・タイプに、同じ記憶域オプションを使用する必要はありません。

2.7.1.1 Oracleデータファイルの記憶域オプションの選択

インストール時にデータベースを作成する場合、データファイルについて次の記憶域オプションのいずれか1つを選択する必要があります。

  • ファイル・システム

  • Oracle Automatic Storage Management

データベース・ファイルは、Oracle ACFSを使用する場合はOracle ASMに置く必要があります。それ以外の場合は、NTFSに置くことができます。

2.7.1.2 Oracle Databaseリカバリ・ファイルの記憶域オプションの選択

インストール時に自動バックアップを有効にする場合は、リカバリ・ファイル(高速リカバリ領域)用に次の記憶域オプションのいずれか1つを選択する必要があります。

  • ファイル・システム

  • Oracle Automatic Storage Management

リカバリ・ファイルには、データファイルと同じ記憶域または別の記憶域のどちらでも選択できます。リカバリ・ファイルは、Oracle ACFSを使用する場合はOracle ASMに置く必要があります。それ以外の場合は、NTFSに置くことができます。

2.7.1.3 ディスク記憶域の構成

これらのオプションの詳細は、「データベース記憶域オプション」を参照してください。インストールを開始する前にディスク記憶域を構成する方法については、選択するオプションに応じて次の各項を参照してください。

2.7.2 Oracleデータファイルまたはリカバリ・ファイル用ディレクトリの作成

ファイル・システムにOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定します。

2.7.2.1 Oracleデータファイルのファイル・システムの記憶域に関するガイドライン

  • データファイルの格納には、単一のファイル・システムまたは複数のファイル・システムのどちらでも選択できます。

    • 単一のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の物理デバイス上でファイル・システムを選択してください。

      最適のパフォーマンスと信頼性を得るには、複数の物理デバイス上でRedundant Array of Independent Disks(RAID)デバイスまたは論理ボリュームを選択して、Stripe And Mirror Everything(SAME)方法論を実装します。

    • 複数のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の個別物理デバイス上でファイル・システムを選択します。

      この方法を選択すると、様々なデバイスに物理I/Oを分散させ、個別の制御ファイルを作成して信頼性を高めることができます。このメソッドを実装するには、インストール時に「詳細」データベース作成オプションを選択する必要があります。

  • インストール時に事前構成済データベースを作成する場合は、選択するファイル・システム(複数も可)に950MB以上の空きディスク領域が必要です。

    本番データベースの場合は、データベースの用途に応じて必要なディスク領域の量を見積もる必要があります。

  • 最適なパフォーマンスを得る場合は、データベース専用の物理デバイス上にあるファイル・システムを選択する必要があります。

  • Oracle Universal Installerにより提示されるデータベース・ファイル・ディレクトリのデフォルトの位置は、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリです。ただし、このデフォルトの位置は、本番データベースにはお薦めしません。

2.7.2.2 Oracleリカバリ・ファイルのファイル・システムの記憶域に関するガイドライン


注意:

インストール時に自動バックアップを有効にする場合のみ、リカバリ・ファイルの位置を選択する必要があります。

ファイル・システムにOracleリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定します。

  • データファイルとリカバリ・ファイルの両方が使用できなくなるディスク障害を防ぐには、リカバリ・ファイルをデータファイルと異なる物理ディスク上にあるファイル・システムに格納します。


    注意:

    または、データファイルとリカバリ・ファイルの両方にOracle Automatic Storage Managementディスク・グループを使用します。

  • 選択するファイル・システムには、2GB以上の空きディスク領域が必要です。

    ディスク領域要件は、高速リカバリ領域用に構成されたデフォルトのディスク割当て制限です(DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE初期化パラメータで指定されています)。

    「拡張」データベース構成オプションを選択した場合、異なるディスク割当て制限値を指定できます。データベースの作成後、Oracle Enterprise Manager Grid ControlまたはDatabase Controlを使用して異なる値を指定することもできます。


    関連項目:

    高速リカバリ領域の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • Oracle Universal Installerにより提示されるデータベース・ファイル・ディレクトリのデフォルトの位置は、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリです。ただし、このデフォルトの位置は、本番データベースにはお薦めしません。

2.7.2.3 必要なディレクトリの作成


注意:

この手順を行う必要があるのは、Oracleベース・ディレクトリから個別のファイル・システム上にOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイルを格納する場合のみです。

Oracleベース・ディレクトリから個別のファイル・システム上にOracleデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのディレクトリを作成する手順は、次のとおりです。

  1. Windowsのエクスプローラを使用して、ファイル・システム上の空きディスク領域を確認します。

  2. 表示される内容から、使用するファイル・システムを識別します。

    ファイル・タイプ ファイル・システム要件
    データファイル 次のいずれかを選択します。
    • 950MB以上の空きディスク領域を持つ単一のファイル・システム。

    • 合計で950MB以上の空きディスク領域を持つ2つ以上のファイル・システム。

    リカバリ・ファイル 2GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。

    複数のファイル・タイプに対して同じファイル・システムを使用している場合は、各タイプに必要なディスク領域の量を加算して、必要なディスク領域の合計量を確認します。

  3. 指定したファイル・システム用のディレクトリの名前を書き留めます。

  4. Oracle Automatic Storage Managementも使用する場合は、手順について「Oracle Automatic Storage Managementインストールのためのディスクの準備」を参照してください。あるいは、「既存のOracleサービスの停止」を参照してください。

2.7.3 既存のOracleサービスの停止


注意:

Oracle Database 11g製品を既存のOracleホームに追加でインストールする場合、Oracleホームで実行中のすべての処理を停止します。実行中のプロセスで使用されているファイルは上書きできないので、この作業を完了する必要があります。

Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseをインストールする前に、次のことを考慮します。

  • Oracle Restartを使用する場合は、データベースをインストールして作成する前にOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。データベースをインストールするときは、Oracle Grid Infrastructureのインストールの際に作成されたリスナーを使用する必要があるため、この項で示す手順を実行する必要はありません。

    デフォルト・リスナーおよびその他のすべてのリスナーは、Oracle Grid Infrastructureホームで実行する必要があります。

  • Oracle Automatic Storage Management上ですでに動作しているOracle Database 11gリリース2(11.2)がある場合、既存のOracle ASMインスタンスをすべて停止します。Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストールが終了した後に、Oracle ASMインスタンスを再び起動します。

インストール時にデータベースの作成を選択すると、ほとんどのインストール・タイプではTCP/IPポート1521とIPCキー値EXTPROCを使用して、デフォルトのOracle Netリスナーが構成および起動されます。しかし、既存のOracle Netリスナーが同じポートまたはキー値を使用している場合には、Oracle Universal Installerは次に使用可能な空きポート(1522など)を探し、そのポートで新しいリスナーを構成および起動します。

2.7.4 Oracle Database Securityの強力な認証要件

Oracle Databaseによる強力な認証(Kerberos、PKI)を使用できるように、ハードウェアおよびソフトウェアの要件を必ず満たしてください。

2.7.5 Oracle Enterprise Manager要件

Oracle Enterprise Manager製品は、すべて同じリリースであることが必要です。新しいリリースでは、旧リリースのEnterprise Managerはサポートされていません。


注意:

Oracle Enterprise Manager Database Controlを除くすべてのOracle Enterprise Manager製品は、Enterprise Manager Grid Controlインストール・メディアでリリースされています。Enterprise Manager Database Controlは、Oracle Databaseインストール・メディアに収録されています。


関連項目:


2.7.6 Oracle Managed Files要件

「詳細」データベース作成オプションを選択すると、新規データベースでOracle Managed Filesの機能を使用できます。この機能を使用すると、データベース・ファイルを作成または削除するときに、ファイル名ではなく、データベース・オブジェクト名を指定するのみで実行できます。Oracle Managed Filesを有効にするには、構成手順を実行する必要があります。


関連項目:

『Oracle Database管理者ガイド』のOracle Managed Filesの使用に関する項を参照してください。

2.7.7 Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)

Oracle RACまたはグリッド・コンピューティング環境をインストールする場合は、最初にクラスタ用のOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。


関連項目:

Oracle Clusterwareインストール・メディアに収録されているOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドおよびOracle Grid Infrastructureのインストレーション・ガイドを参照してください。

2.7.8 Oracle Volume Shadow Copy Service(VSS)ライター

Oracle Volume Shadow Copy Serviceライターは、Windows Serverオペレーティング・システムでサポートされています。Service Pack 1なしのWindows Server 2003では、システムに1つのデータベースのみを持つことができます。Service Pack 1以上では、システムに複数のOracleデータベースを持つことができます。


関連項目:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「VSSを使用したデータベースのバックアップおよびリカバリの実行」

2.7.9 Oracle Database Vaultのインストール前の要件

Oracle Database Vaultをインストールする場合は、DB_BLOCK_SIZE初期化パラメータを4096以上に設定します。この値が4096未満の場合は、変更できません。DB_BLOCK_SIZE値を変更するには、データベースを再作成する以外に方法はありません。


関連項目:

『Oracle Database管理者ガイド』のデータベース・ブロック・サイズの指定に関する項