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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows
B58878-10
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4 Oracle Databaseのインストール

Oracle Databaseをインストールするための32ビット・メディアは、サポートされているすべての32ビット・オペレーティング・システムで使用できます。Oracle Databaseをインストールするための64ビット・メディアは、サポートされているすべての64ビットx64オペレーティング・システムで使用できます。このマニュアルは、Windows(32-bit)およびWindows x64の両方に対するものです。この章の内容は、次のとおりです。

4.1 Oracle Databaseのインストール前の考慮事項

Oracle Databaseソフトウェアはインストール・メディアに収録されていますが、Oracle Technology Network(OTN)のWebサイトからもダウンロードできます。ほとんどの場合、ソフトウェアのインストールには、Oracle Universal Installerのグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を使用します。ただし、サイレントまたはレスポンス・ファイル・モードでレスポンス・ファイルを指定することにより、このGUIではなく、Oracle Universal Installerを使用することもできます。


注意:

Windows Vista、Windows Server 2008およびそれ以上のバージョンでは、コマンド・プロンプトで管理者権限が必要です。

インストールを開始する前に、第2章「Oracle Databaseのインストール前の要件」および「コンポーネント固有のインストール・ガイドラインの参照」に説明されている要件を満たします。

さらに、次の問題を検討します。

4.1.1 Windows Vista、Windows Server 2008およびそれ以上へのインストールの考慮事項

Windows Vista、Windows Server 2008およびそれ以上のバージョンでは、コマンド・プロンプトは管理者権限で開く必要があります。

4.1.2 複数のOracle Databaseインストールの実行

Oracle Databaseの複数のインストールを実行する必要がある場合は、次のいずれかの方法を使用してOracle Databaseをインストールできます。

  • レスポンス・ファイル: 各ノードで、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用してコマンドラインからOracle Universal Installerを実行し、レスポンス・ファイルを用意してOracle Universal Installerに必要な情報を提供します。レスポンス・ファイルは、Oracle Universal InstallerのGUIダイアログ・ボックスに通常入力する設定内容が含まれているテキスト・ファイルです。

  • 既存のOracle DatabaseインストールのOracleホームのクローニング: この方法では、Oracle Databaseの1つのインスタンスをインストールし、追加する各インストールに対してそのOracleホームをクローニングします。

4.1.3 すでにOracleコンポーネントがあるシステムへのインストール


関連項目:

Oracle Universal Installerを実行する前に、「アップグレードの考慮事項」を参照してください。

コンピュータ上に他のコンポーネントがある場合は、次の手順に従います。

  1. 管理者グループのメンバーとして、Oracleコンポーネントをインストールするコンピュータにログオンします。

    プライマリ・ドメイン・コントローラ(PDC)またはバックアップ・ドメイン・コントローラ(BDC)にインストールする場合は、ドメイン管理者グループのメンバーとしてログインします。

  2. ORACLE_HOME環境変数が存在する場合は、削除します。環境変数の削除の詳細は、Microsoftのオンライン・ヘルプを参照してください。


    注意:

    ORACLE_HOME環境変数は、レジストリで自動的に設定されます。この変数を手動で設定すると、インストールできません。

  3. アップグレードする必要があるすべてのデータベースをバックアップします。 詳細は、「アップグレードの考慮事項」を確認してください。


関連項目:

Oracle Universal Installerを実行する前に、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドのWindowsベースのシステムでOracle Real Application Clustersをインストールする前の作業に関する項を参照してください。

4.1.4 最小のメモリー要件でのインストール

RAMと必要最小限に満たない仮想メモリーを持つコンピュータにOracle Databaseをインストールする場合、次の制限があります。

  • コンピュータでは、Oracle Universal Installerのインストール・セッション中に、Oracle Database Upgrade Assistant、Oracle Database Configuration AssistantまたはOracle Net Services Configuration Assistantを実行できません。

  • 仮想メモリーが不足する場合に、コンピュータで実行するアプリケーションの数に応じて、ページング・ファイルのサイズをさらに増やすか、システム・グローバル領域(SGA)のサイズを減らす必要があります。一時ファイルとページング・ファイルがどちらも同じ物理ドライブに格納されている場合、一方の領域要件が他方のサイズを制限する可能性があります。システムの空き領域が限定されている場合は、まずOracle Databaseソフトウェアをインストールします。インストールの終了後に、Oracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成します。


注意:

メモリーと仮想メモリーの最小限の要件である1GBのみを満たすコンピュータ・システムには、データベースをインストールしないでください。

「インストール・オプションの選択」画面の「データベース・ソフトウェアのみインストール」オプションを選択してデータベース・ソフトウェアのみをインストールできます。

インストール後、必要性に応じて適切なコンフィギュレーション・アシスタントを実行します。

  • 新しいデータベースを作成するには、Oracle Database Configuration Assistantを実行します。「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAME」構成および移行ツール「Database Configuration Assistant」の順に選択します。

  • 既存のデータベースをアップグレードするには、Oracle Database Upgrade Assistantを実行します。「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAME」構成および移行ツール「Database Upgrade Assistant」の順に選択します。

4.2 コンポーネント固有のインストール・ガイドラインの参照

Oracle Universal Installerを起動する前に、次のガイドラインを参照してください。

  • Oracle Universal Installer

    以前のOracleリリースでこのリリースのコンポーネントをインストールする場合は、Oracle Universal Installerを使用しないでください。

  • Oracle Automatic Storage Management

    以前のリリースでは、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)は、Oracle Databaseのインストールの一環としてインストールされました。Oracle Database 11gリリース2(11.2)では、Oracle Automatic Storage Managementは、クラスタ用またはスタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのインストールに含まれます。

    Oracle Automatic Storage Managementの既存のインストールをアップグレードするには、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードを実行してOracle Automatic Storage Managementをアップグレードする必要があります。Oracle Automatic Storage Managementをインストールしておらず、Oracle Automatic Storage Managementを記憶域オプションとして使用する場合は、Oracle Grid Infrastructureのインストールを完了した後にOracle Databaseのインストールを開始する必要があります。


    関連項目:

    スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureの詳細は、「スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructure」を参照してください。

  • クラスタでのインストール

    Oracle ClusterwareまたはOracle RACがシステムにインストール済の場合、Oracle Universal Installerには「ハードウェアのクラスタ・インストール・モードの指定」ページが表示されます。Oracle RACをインストールしない場合は、「ローカル・インストール」を選択する必要があります。


    関連項目:

    『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド』

4.2.1 データベース・キャラクタ・セットの選択

Oracle Databaseでは、次の3つに対してデータベース・キャラクタ・セットが使用されます。

  • SQL文字データ型(CHAR、VARCHAR2、CLOB、およびLONG)で格納されているデータ。

  • 表名、列名、PL/SQL変数などの識別子。

  • ストアドSQLおよびPL/SQLソース・コード(このコードに埋め込まれたテキスト・リテラルも含む)。

通常、データベースが作成された後にそのキャラクタ・セットを変更するには、膨大な時間とリソースが必要になります。このような処理を行うには、データベース全体をエクスポートした後で再びインポートすることにより、すべての文字データの変換が必要な場合もあります。そのため、データベース・キャラクタ・セットは、インストールの時点で慎重に選択することが重要です。

データベース・キャラクタ・セットには、Unicode AL32UTF8を使用することをお薦めします。Unicodeは、現在世界で使用されている言語のほとんどをサポートしている汎用キャラクタ・セットです。また、現在では使用されていない歴史的な文字(アルファベット)も多数サポートしています。Unicodeは、Java、XML、XHTML、ECMAScriptおよびLDAPなど様々な技術におけるネイティブ・エンコーディングです。Unicodeは、インターネットや世界経済をサポートしているデータベースに非常に適しています。

AL32UTF8はマルチバイト・キャラクタ・セットであるため、WE8MSWIN1252などのシングルバイト・データベース・キャラクタ・セットに比べると、文字データに対するデータベースでの処理が若干遅くなることがあります。使用する文字がASCIIの対象外である大部分の言語について、その言語のテキストに必要な記憶領域をみると、その言語をサポートしているレガシー・キャラクタ・セットを使用した場合よりもAL32UTF8を使用した場合の方が大きくなります。記憶領域が大きくなるのは、英語以外の文字データに関してのみです。Unicodeでは、汎用性や柔軟性があるために、通常はこうした過剰な負担が生じます。

テキスト処理における互換性、記憶域の要件、またはパフォーマンスが重要な要素であり、かつデータベースがサポートしているのが単一グループの言語に限定される場合には、レガシー・キャラクタ・セットの使用を検討する必要があります。この場合、対象のデータベースに接続しているクライアントに最も多く使用されているキャラクタ・セットを、データベース・キャラクタ・セットとして選択します。

Oracle Universal InstallerおよびこのリリースのDatabase Configuration Assistantで提案または使用されるデフォルトのキャラクタ・セットは、オペレーティング・システムの言語構成に基づいています。

大部分の言語では、Microsoft Windowsのキャラクタ・セットの1つであるWE8MSWIN1252などがデフォルトのキャラクタ・セットとなります。UNIXベースのプラットフォームで同じデフォルト設定がデータベース・インストール処理で使用されることは、注目に値します。これは、データベースに接続しているクライアントの大多数が、オペレーティング・システムとしてMicrosoft Windowsを使用しているという前提に基づくものです。データベースには、クライアントから受け取った文字をすべて格納できる必要がある一方、Microsoft Windowsのキャラクタ・セットは、対応するISO 8859キャラクタ・セットよりも扱える文字が豊富なため、通常はMicrosoft Windowsのキャラクタ・セットを選択するのが適切です。たとえば、EE8MSWIN1250キャラクタ・セットではユーロ通貨記号や様々なスマート・クォート文字がサポートされているのに対し、対応するEE8ISO8859P2キャラクタ・セットでは、そのような記号や文字はサポートされていません。Oracleではいずれの場合も、NLS_LANG設定で宣言されたデータベース・キャラクタ・セットとクライアントのキャラクタ・セットの間でデータが変換されます。

Oracle Universal Installerで選択用に表示されるデータベース・キャラクタ・セットのリストには、推奨するキャラクタ・セットのみが含まれています。Oracle Databaseでは、この他にも多くのキャラクタ・セットがサポートされていますが、それらは非推奨であるか、または別の推奨キャラクタ・セットのバイナリ・サブセットです。たとえば、WE8DECは非推奨のキャラクタ・セットであり、US7ASCIIおよびWE8ISO8859P1はいずれもWE8MSWIN1252のバイナリ・サブセットです。

互換性を維持するため、非推奨のキャラクタ・セットでデータベースを作成する必要がある場合は、「詳細」データベース構成オプションを選択してください。対話モードでDatabase Configuration Assistantを使用すると、Windowsでサポートされている任意のデータベース・キャラクタ・セットを選択できます。


注意:

AL32UTF8は、XMLTypeデータに適したOracle Databaseキャラクタ・セットです。これはIANAの登録済標準であるUTF-8エンコーディングと同等であり、すべての有効なXML文字をサポートします。

Oracle Databaseのデータベース・キャラクタ・セットUTF8(ハイフンなし)をデータベース・キャラクタ・セットAL32UTF8またはキャラクタ・エンコーディングUTF-8と混同しないでください。データベース・キャラクタ・セットUTF8はAL32UTF8で置き換えられています。XMLデータにはUTF8を使用しないでください。UTF8でサポートされるのはUnicodeバージョン3.0以下のみで、有効なXML文字がすべてサポートされるわけではありません。AL32UTF8には、このような制限はありません。

XMLデータにデータベース・キャラクタ・セットUTF8を使用すると、リカバリできないエラーが発生したりセキュリティに悪影響を及ぼす可能性があります。データベース・キャラクタ・セットでサポートされていない文字がinput-document要素名に表示される場合は、置換文字(通常は疑問符)で置き換えられます。このため、解析が終了して例外が発生します。


4.2.2 Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループの使用

この項はオプションで、ディスク・グループの識別方法およびディスク・グループに含まれる空きディスク領域の判別方法を説明します。Oracle Grid Infrastructureをインストールする際に作成されたOracle Automatic Storage Managementの既存ディスク・グループに、データベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルを格納できます。


注意:

既存のディスク・グループを管理するOracle Automatic Storage Managementインスタンスは、別のOracleホーム・ディレクトリで実行されます。

既存のOracle Automatic Storage Managementディスク・グループが存在するかどうか、またはディスク・グループ内に十分なディスク領域があるかどうかを判別するには、次の手順を実行します。

  1. 「コントロール パネル」の「サービス」で、OracleASMService+ASMサービスが開始されていることを確認します。

  2. コマンド・プロンプトを開き、ORACLE_SID環境変数を一時的に設定して、Oracle Automatic Storage Managementインスタンスに適切な値を指定します。

    たとえば、Oracle Automatic Storage ManagementのSIDが+ASMasmディレクトリにある場合は、次の設定を入力します。

    DRIVE_LETTER:\>set ORACLE_SID=+ASM
    
  3. SYSASM権限を持つSYSユーザーとしてOracle Automatic Storage Managementインスタンスに接続し、必要に応じてインスタンスを起動します。

    DRIVE_LETTER:\>sqlplus /nolog
    SQL> CONNECT SYS as SYSASM
    Enter password: SYS_password 
    SQL> STARTUP
    
  4. 次のコマンドを入力して、既存のディスク・グループ、そのディスク・グループの冗長性レベルおよび各グループの空きディスク領域を表示します。

    SQL> SELECT NAME,TYPE,TOTAL_MB,FREE_MB FROM V$ASM_DISKGROUP;
    
  5. この出力から、ディスク・グループと適切な冗長性レベルを識別し、含まれる空き領域を書き留めます。

  6. 前述の項で記述した記憶域の要件を満たすために、必要に応じて追加のディスク・デバイスをインストールまたは指定します。


    注意:

    既存のディスク・グループにデバイスを追加する場合、そのディスク・グループにある既存のデバイスと同じサイズおよび同じパフォーマンス特性を持つデバイスを使用することをお薦めします。

4.3 インストール・ソフトウェアへのアクセス

Oracle Databaseソフトウェアはインストール・メディアで提供されますが、Oracle Technology NetworkのWebサイトまたはOracle Software CloudのWebサイトからもダウンロードできます。ソフトウェアをハードディスクからインストールするには、ソフトウェアをダウンロードして解凍するか、インストール・メディアがある場合はそこからソフトウェアをコピーする必要があります。

Oracle Databaseのアクセスおよびインストールは、次のいずれかの方法で実行できます。

4.3.1 リモートDVDドライブからのインストール

Oracle DatabaseをインストールするコンピュータにDVDドライブがない場合は、リモートDVDドライブからインストールを実行できます。次の手順を実行する必要があります。

4.3.1.1 手順1: リモート・コンピュータでのDVDドライブの共有

リモートDVDドライブで、共有アクセスを可能にする必要があります。これを設定するには、DVDドライブがあるリモート・コンピュータで次の手順を実行します。

  1. 管理者ユーザーとしてリモート・コンピュータにログインします。

  2. Windowsエクスプローラを起動します。

  3. DVDドライブ文字を右クリックして、「共有」(または「共有とセキュリティ」)を選択します。

  4. 「共有」タブをクリックして、次の手順を実行します。

    1. 「このフォルダを共有する」を選択します。

    2. 「共有名」で、dvdなどの共有名を指定します。この名前は、次の項の手順dで、ローカル・コンピュータでDVDドライブをマッピングする際に使用します。

    3. 「アクセス許可」をクリックします。Oracle Databaseをインストールするためにドライブにアクセスするユーザーには、少なくとも「読み取り」アクセス許可が必要です。

    4. 終了したら「OK」をクリックします。

  5. Oracle Databaseインストール・メディアをDVDドライブに挿入します。

4.3.1.2 手順2: ローカル・コンピュータでのDVDドライブのマッピング

リモートのDVDドライブをマッピングし、マッピングされたドライプからOracle Universal Installerを実行するには、次の手順をローカル・コンピュータで実行します。

  1. リモートのDVDドライブをマッピングします。

    1. ローカル・コンピュータでWindowsエクスプローラを起動します。

    2. 「ツール」メニューから、「ネットワーク ドライブの割り当て」を選択して「ネットワーク ドライブの割り当て」ダイアログ・ボックスを表示します。

    3. リモートDVDドライブに使用するドライブ文字を選択します。

    4. 「フォルダ」で、次の形式を使用して、リモートDVDドライブの場所を入力します。

      \\remote_hostname\share_name
      

      各パラメータの意味は次のとおりです。

      • remote_hostnameは、DVDドライブのあるリモート・コンピュータの名前です。

      • share_nameは、前述の手順の手順4で入力した共有名です。次に例を示します。

        \\computer2\dvd
        
    5. 別のユーザーとしてリモート・コンピュータに接続する必要がある場合は、「異なるユーザー名」をクリックして、ユーザー名を入力します。

    6. 「完了」をクリックします。

  2. マッピングされたDVDドライブからOracle Universal Installerを実行します。

  3. 「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」に進んでください。

4.3.2 リモート・アクセス・ソフトウェアを介したリモート・コンピュータへのインストール

Oracle Databaseをリモート・コンピュータでインストールおよび実行(つまり、リモート・コンピュータにハード・ドライブがあり、Oracle Databaseコンポーネントを実行)する場合、コンピュータへの物理アクセスがなくても、リモート・コンピュータでVNCやSymantec pcAnywhereなどのリモート・アクセス・ソフトウェアを実行していれば、リモート・コンピュータでインストールを実行できます。ローカル・コンピュータでもリモート・アクセス・ソフトウェアを実行する必要があります。

次の2つの方法のいずれかで、リモート・コンピュータにOracle Databaseをインストールできます。

  • Oracle Database DVDの内容をハード・ドライブにコピーした場合は、ハード・ドライブからソフトウェアをインストールできます。

  • DVDをローカル・コンピュータ上のドライブに挿入し、DVDからソフトウェアをインストールできます。

4.3.2.1 ハード・ドライブからのリモート・コンピュータへのインストール

Oracle Database DVDの内容をハード・ドライブにコピーした場合は、ハード・ドライブからソフトウェアをインストールできます。

ハード・ドライブからリモート・コンピュータにソフトウェアをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. リモート・アクセス・ソフトウェアがインストールされ、リモート・コンピュータとローカル・コンピュータで稼働していることを確認します。

  2. Oracle Database DVDの内容を格納したハード・ドライブを共有します。

  3. リモート・コンピュータで、ドライブ文字を共有ハード・ドライブにマッピングします。ローカル・コンピュータでこの操作を行うには、リモート・アクセス・ソフトウェアを使用します。

  4. リモート・アクセス・ソフトウェアを介して、リモート・コンピュータでOracle Universal Installerを実行します。共有ハード・ドライブからOracle Universal Installerにアクセスします。

  5. 「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」に進んでください。

4.3.2.2 リモートDVDドライブからのリモート・コンピュータへのインストール

DVDをローカル・コンピュータのドライブに挿入し、DVDからインストールできます。

リモートDVDドライブからリモート・コンピュータにソフトウェアをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. リモート・アクセス・ソフトウェアがインストールされ、リモート・コンピュータとローカル・コンピュータで稼働していることを確認します。

  2. ローカル・コンピュータで、DVDドライブを共有します。

    リモート・コンピュータで、ドライブ文字を共有DVDドライブにマッピングします。ローカル・コンピュータでこの操作を行うには、リモート・アクセス・ソフトウェアを使用します。

    これらの手順は、「リモートDVDドライブからのインストール」で説明されています。

  3. リモート・アクセス・ソフトウェアを介して、リモート・コンピュータでOracle Universal Installerを実行します。共有DVDドライブからOracle Universal Installerにアクセスします。

  4. 「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」に進んでください。

4.3.3 Oracleソフトウェアのダウンロード

試用版のインストール・ファイルをOracle Technology Network (OTN)またはOracle Software Delivery CloudのWebサイトからダウンロードして、ハードディスクに解凍できます。必ずライセンス規約をすべて確認し、理解してください。ほとんどのダウンロードには、開発ライセンスが含まれています。この項の内容は、次のとおりです。

4.3.3.1 Oracle Technology Networkからのインストール用アーカイブ・ファイルのダウンロード

Oracle Technology Networkからインストール用アーカイブ・ファイルをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. ブラウザを使用して、次のURLにあるOracle Technology Networkのソフトウェア・ダウンロード・ページにアクセスします。

    http://www.oracle.com/technetwork/indexes/downloads/index.html
    
  2. インストールする製品のダウンロード・ページにナビゲートします。

  3. ダウンロード・ページで、各必須ファイルのサイズを合計して必要なディスク領域を確認します。

    ファイル・サイズは、ファイル名の隣に表示されます。

  4. アーカイブ・ファイルの格納および展開用に、十分な空き領域のあるファイル・システムを選択します。

    ほとんどの場合、使用可能なディスク領域としては、全アーカイブ・ファイルの2倍以上のサイズが必要です。

  5. 手順4で選択したファイル・システム上で、インストール・ディレクトリを保持するための親ディレクトリ(OraDB11gなど)を製品ごとに作成します。

  6. すべてのインストール用アーカイブ・ファイルを、手順5で作成したディレクトリにダウンロードします。

  7. ダウンロードしたファイルのサイズが、Oracle Technology Network上の対応するファイルと一致することを確認します。また、チェックサムがOracle Technology Networkに記載されているものと同じであることを確認してください。

  8. 作成した各ディレクトリでファイルを解凍します。

  9. 必須インストール・ファイルを解凍した後、4.5項「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。

4.3.3.2 Oracle Software Delivery Cloudからのソフトウェアのダウンロード

Oracle Software Delivery Cloudからソフトウェアをメディア・パックとしてダウンロードできます。メディア・パックは電子版のソフトウェアで、Oracleのお客様はCD-ROMまたはDVDでも入手可能です。メディア・パックをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. ブラウザを使用して、次の場所にあるOracle Software Delivery CloudのWebサイトにアクセスします。

    http://edelivery.oracle.com/
    
  2. オンライン・フォームに情報(名前、会社、電子メール・アドレス、国)を入力して、「輸出確認」手続きを行います。

  3. メディア・パックの検索ページで、ダウンロードするメディア・パックを特定するための製品パックとプラットフォームを指定します。製品パックの名前がわからない場合は、ライセンス・リストを使用して検索できます。

  4. オプションで、ダウンロードする関連製品を「結果」リストから選択します。

  5. 検索結果ページで「Readme」をクリックし、ダウンロード手順と製品情報が記載されたReadmeファイルをダウンロードして確認します。

  6. Readmeを確認したら、検索結果から適切なメディア・パックを選択し、個別のzipファイルをダウンロードします。このページに記載されたダウンロードの注意事項に従います。必要なzipファイルのコンテンツをダウンロードして解凍した後、ソフトウェアのインストールを開始します。


    注意:

    ダウンロード可能なファイルのリストが記載されたページを印刷しておいてください。インストール中に参照する部品番号とその説明のリストが含まれています。

  7. ファイルをダウンロードした後、「ダイジェストの表示」をクリックして、MD5またはSHA-1チェックサムが、メディア・ダウンロード・ページに示されている内容と一致することを検証します。


関連項目:

  • ソフトウェア・ダウンロードの整合性を検証する方法の詳細は、次のMy Oracle Supportノート549617.1を参照してください。

    https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=549617.1
    
  • メディア・パックの詳細は、Oracle Software Delivery Cloud Webサイトのよくある質問セクションを参照してください。


4.3.3.3 インストール・ファイルの解凍

インストール用アーカイブ・ファイルを解凍する手順は、次のとおりです。

  1. 必要に応じて、ダウンロードしたインストール用アーカイブ・ファイルが格納されているディレクトリに変更します。

  2. Oracle Databaseソフトウェアは2つのzipファイルで使用できます。必ず、両方のzipファイルを同じディレクトリに抽出します。

必須インストール・ファイルをすべて解凍した後、「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。

4.3.4 ハードディスクへのOracle Databaseソフトウェアのコピー

インストール・メディアの内容をハードディスクにコピーする手順は、次のとおりです。

  1. ハード・ドライブにディレクトリを作成します。次に例を示します。

    C:\> mkdir \install
    C:\> mkdir \install\database
    
  2. インストール・メディアの内容を作成したディレクトリにコピーします。

  3. 必須インストール・ファイルをすべてコピーした後に、「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。

4.4 データベース・セキュリティ・オプション

インストールの実行中、データベースのセキュリティ構成を選択するよう求めるメッセージが表示されます。セキュアな構成オプションでは、データベース監査オプションによるデータベースの構成の他、パスワード・ポリシーやパスワードの有効期限に関する設定を行います。

データベースを新規にインストールする場合、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のデフォルト構成には、セキュアな構成オプションが含まれています。これらの高度なセキュリティ制御を無効にする場合は、インストール中に表示される「構成オプションの指定」画面の「すべての新規セキュリティ設定のアサート」チェック・ボックスを選択解除します。この場合、Oracle Databaseは、Oracle Database 10gリリース2のデフォルト・オプションと同じ状態でインストールされます。インストールした後でも、DBCAを起動して設定内容を変更すると、セキュリティ設定を変更できます。監査やパスワードに関するセキュリティ設定の有効/無効を切り替えることができる他、セキュリティ設定を以前の状態に戻すこともできます。

データベースをアップグレードした場合でも、アップグレード後のデータベースでは、それまでのデータベース・セキュリティ構成が維持されるため、既存のアプリケーションとの互換性は確保されます。インストール後、DBCAを使用すると、セキュアな構成オプションの有効/無効を切り替えてテストできます。


注意:

  • データベースの構成には、インストール中、またはインストール後にDBCAを使用して、セキュアな構成オプションを指定することをお薦めします。

  • Oracle Database Vaultをデータベースとともにインストールする場合、データベースは保護されているためセキュアな構成を確認しません。


4.5 Oracle Databaseソフトウェアのインストール

ほとんどの場合、Oracle Databaseのインストールには、Oracle Universal Installerのグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を使用します。この項では、Oracle Universal InstallerのGUIを使用してほとんどのデータベースのインストールを実行する方法について説明します。


関連項目:

  • Oracle RestartまたはOracle Automatic Storage Managementを使用する場合は、データベースのインストールおよび作成を行う前に、Oracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。そうでない場合は、データベースを手動でOracle Restartに登録する必要があります。Oracle Grid Infrastructureのインストールの詳細は、「スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのインストールおよび構成」を参照してください。

  • データベースのインストールを開始する前に、既存のOracleプロセスを停止することが必要になる場合があります。既存のOracleサービスの停止に関する項を参照してください。

  • GUIではなく、サイレント・インストール方法またはレスポンス・ファイル・インストール方法を使用してOracle Databaseをインストールするには、付録C「レスポンス・ファイルを使用したOracle Databaseのインストールおよび構成」を参照してください。既存のOracleホームのクローニング方法についても説明されています。これらの方法は、Oracle Databaseの複数インストールを実行する場合に便利です。


Oracle Databaseソフトウェアをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. 管理者グループのメンバーとして、Oracleコンポーネントをインストールするコンピュータにログオンします。

    プライマリ・ドメイン・コントローラ(PDC)またはバックアップ・ドメイン・コントローラ(BDC)にインストールする場合は、ドメイン管理者グループのメンバーとしてログインします。

  2. 複数のネットワーク・インタフェース・カードまたは複数の別名を持ったコンピュータにOracle Databaseをインストールする場合は、「コントロール パネル」の「システム」を使用して、ORACLE_HOSTNAMEシステム環境変数を作成します。Oracle Databaseをインストールするコンピュータのホスト名を指すように、この変数を設定します。

  3. Oracle Databaseのインストール・メディアを挿入して、databaseディレクトリに移動します。あるいは、インストール・ファイルをダウンロードまたはコピーしたディレクトリに移動します。

    サポートされているすべてのWindowsオペレーティング・システムでは、Oracle Databaseのインストールに同じインストール・メディアを使用します。

  4. setup.exeをダブルクリックし、Oracle Universal Installerを起動します。

    インストール前の更新のダウンロード

    Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)からは、保護されたデータ・センターでインストールを実行する場合、インストールを開始する前に更新をダウンロードするには、インターネットに接続されたシステムでOracle Universal Installerを更新ダウンロード・モードで起動します。インストールの前にOracle Universal Installerで更新のダウンロードを開始するには、次のコマンドを入力します。

    setup.exe -downloadUpdates
    

    My Oracle Support資格証明の入力画面で、My Oracle Supportのユーザー名とパスワードを入力し、必要に応じてプロキシ設定を入力します。ダウンロード先を入力し、ソフトウェア更新のダウンロード画面の「ダウンロード」をクリックします。更新を使用できる場合は、指定した場所にダウンロードされます。更新終了画面に更新のダウンロードが終了したことが表示されます。「閉じる」をクリックします。

    更新をダウンロードした後、インストールを実行するサーバー上のディレクトリに更新ファイルを移動します。


    関連項目:


  5. 次のガイドラインに従ってインストールを実行します。

    • Oracle Database 11gリリース2(11.2)ソフトウェアは、既存のOracleホームにインストールしないでください。

    • Oracle Universal Installerの画面に表示される指示に従って操作を行います。追加情報が必要な場合は、「ヘルプ」をクリックします。


      関連項目:

      パスワードのガイドラインは、「ユーザー・パスワードのロック解除およびリセット」を参照してください。

    • Oracleサポート・サービスによって提供されたパッチを使用しないかぎり、Java Runtime Environment(JRE)を変更しないでください。Oracle Universal Installerにより、Oracleが提供するバージョンのJREが自動的にインストールされます。Oracle Universal Installerおよび複数のOracleアシスタントを実行するには、このバージョンが必要です。

    • ソフトウェアのインストール中にエラーが表示された場合は、付録Fのトラブルシューティング情報を参照してください。

    • Oracle Database Configuration Assistantを対話モードで実行するインストール・タイプを選択した場合は、データベースとネットワークの構成に関する詳細情報を指定する必要があります。

      Oracle Database Configuration Assistantを対話モードで使用しているときに不明な点がある場合は、画面にある「ヘルプ」をクリックします。


      注意:

      デフォルトのインストールを選択した場合、Oracle Database Configuration Assistantは対話的には実行されません。

  6. コンフィギュレーション・アシスタントのタスクが終了したら、「終了」をクリックし、「終了」をクリックしてから「はい」をクリックして、Oracle Universal Installerを終了します。

  7. オプションで、インストール・プロセス中に作成された一時ファイルを削除する場合は、OraInstalldate_timeディレクトリを削除します。OraInstalldate_timeディレクトリには、約45MBのファイルが保持されます。このディレクトリは、TEMP環境変数の設定によって設定されている場所に作成されます。

    コンピュータを再起動しても、OraInstalldate_timeディレクトリは削除されます。

  8. Oracle Databaseをインストールした後に実行する必要がある作業の詳細は、第5章「Oracle Databaseのインストール後の作業」を参照してください。

次の表は、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のEnterprise Editionのインストール中に表示される様々な画面をまとめたものです。

表4-1 Oracle Universal Installerのウィンドウ

画面 アクション

セキュリティ・アップデートの構成

「電子メール」フィールドに、電子メール・アドレス、できればMy Oracle Support(以前のOracleMetaLink)の電子メール・アドレスまたはユーザー名を入力します。

セキュリティ更新を受信する場合は、「セキュリティ・アップデートをMy Oracle Support経由で受け取る」チェック・ボックスを選択します。

「My Oracle Supportパスワード」フィールドに、My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)のパスワードを入力します。

「次へ」をクリックします。

ソフトウェアの更新のダウンロード

Starting with Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)から、ソフトウェア更新機能を使用して、最新の更新を動的にダウンロードして適用できるようになりました。次のいずれかのオプションを選択し、「次へ」をクリックします。

  • My Oracle Support資格証明を使用してダウンロード: 最新のソフトウェア更新をダウンロードして適用するには、このオプションを選択します。

    Oracle Universal Installerのインターネット接続に使用するプロキシを構成するには、プロキシ設定をクリックします。サイトのプロキシ・サーバーの情報、およびサーバーを接続するローカル・エリア・ネットワークにアクセスするユーザー・アカウントを入力します。Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降、プロキシ・レルム情報を入力できます。プロキシ・レルム情報では大/小文字が区別されます。プロキシ・レルムがない場合、「プロキシ・ユーザー名」、「プロキシ・パスワード」および「プロキシ・レルム」の各フィールドにエントリを入力する必要はありません。

    「接続のテスト」をクリックして、プロキシの設定が正しく入力されてインストーラで更新をダウンロードできるかどうかを確認します。

  • 事前にダウンロードしたソフトウェア更新を使用: Oracle Universal installerコマンドsetup.exe -downloadUpdatesを使用して、すでにソフトウェア更新をダウンロードしてある場合に、このオプションを選択します。

  • ソフトウェア更新のスキップ: 更新を適用しない場合は、このオプションを選択します。

関連項目: 「ソフトウェアの更新オプション」

ソフトウェア更新の適用

ソフトウェア更新をダウンロードするよう選択するか、事前にダウンロードしたソフトウェア更新のダウンロード場所を指定すると、この画面が表示されます。

  • 前の画面でMy Oracle Support資格証明を使用してダウンロードを選択した場合は、すべての更新のダウンロードおよび適用を選択し、「次へ」をクリックして更新を適用します。

    デフォルトでは、ソフトウェア更新のダウンロード場所は、このインストールの実行に使用しているOracleインストール所有者のホーム・ディレクトリになります。ソフトウェア更新を別の場所にダウンロードするよう選択する場合は、「参照」をクリックして、サーバーの別の場所を選択します。

  • 前の画面で事前にダウンロードしたソフトウェア更新を使用を選択した場合は、すべての更新の適用を選択して「次へ」をクリックし、インストールを開始する前にダウンロードした更新を適用します。

インストール・オプションの選択

次のいずれかのインストール・オプションを選択し、「次へ」をクリックします。

  • データベースの作成および構成: このオプションを選択すると、データベースおよびサンプル・スキーマが作成されます。

  • データベース・ソフトウェアのみインストール: このオプションを選択すると、データベース・バイナリのみがインストールされます。データベースを構成するには、ソフトウェアのインストール後、Oracle Database Configuration Assistantを実行する必要があります。

  • 既存のデータベースのアップグレード: このオプションを選択すると、新しいOracleホームにソフトウェア・バイナリがインストールされます。インストールの終了後、既存のデータベースをアップグレードできます。

システム・クラス

データベース・インストール用のシステム・タイプを選択し、「次へ」をクリックします。

  • デスクトップ・クラス: ラップトップまたはデスクトップ・クラス・システムにインストールする場合に、このオプションを選択します。このオプションには初期データベースが含まれ、最小構成が可能です。このオプションは、データベースを短時間で設定して実行するユーザーを対象としています。

  • サーバー・クラス: 本番データ・センターにOracleをデプロイする際に使用するようなサーバー・クラス・システムにインストールする場合に、このオプションを選択します。このオプションでは、より拡張された構成オプションを使用できます。このオプションで使用できる拡張構成オプションには、Oracle RAC、Oracle Automatic Storage Management、バックアップおよびリカバリ構成、Enterprise Manager Grid Controlとの統合、より細かいメモリー・チューニングなどがあります。

Gridインストール・オプション

実行するデータベース・インストールのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。

  • 単一インスタンス・データベースのインストール: データベースおよびリスナーがインストールされます。

  • Real Application Clustersデータベースのインストール: Oracle Real Application Clustersがインストールされます。

  • Oracle RAC One Nodeデータベース・インストール: Oracle RAC One Nodeデータベースがインストールされます。

    注意: Oracle RAC One Nodeは、Oracle Clusterwareでのみサポートされます。

インストール・タイプの選択

次のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。

  • 標準インストール: このインストール方法がデフォルトで選択されています。この方法の場合、最小限の入力でOracle Databaseを簡単にインストールできます。この方法では、ソフトウェアがインストールされ、この画面上で指定する情報を使用することにより、汎用のデータベースがオプションで作成されます。

  • 拡張インストール: このインストール方法を使用すると、より複雑なインストールを実行できます。たとえば、異なるアカウントに対して個別のパスワードを作成する、特定のタイプの初期データベース(トランザクション処理やデータ・ウェアハウス用など)を作成する、異なる言語グループを使用する、電子メール通知を指定する、などの操作が可能です。

製品言語の選択

このオプションを選択すると、製品を実行する言語を選択できます。

製品の言語を、「使用可能な言語」リストから選択して、「選択された言語」リストに移します。「次へ」をクリックします。

データベース・エディションの選択

「Enterprise Edition」、「Standard Edition」または「Personal Edition」を選択します。「次へ」をクリックします。

「オプションの選択」をクリックすると、選択内容に基づいてコンポーネント・リストの製品を有効または無効にできます。使用可能なコンポーネントは次のとおりです。

  • Oracleパーティション化

  • Oracle OLAP

  • Oracle Label Security

  • Oracle Data MiningのRDBMSファイル

  • Oracle Database Vaultオプション

  • Oracle Real Applicationテスト

  • .NET用のOracle Databaseの拡張機能

「OK」をクリックして操作を続行します。

「次へ」をクリックします。

注意: 「オプションの選択」ボタンは、「Enterprise Edition」インストール・タイプを選択した場合にのみ使用できます。

インストール場所の指定

デフォルトでは、Oracleベースのパスが表示されます。このパスは要件に応じて変更できます。「Oracleベース」「ソフトウェアの場所」を指定し、「次へ」をクリックします。

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleインストールの所有者アカウントが所有するOracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。デフォルトのOracleベースのパスは、DRIVE_LETTER:\app\user (userはインストールを実行するユーザー・アカウント)です。このパスは必要に応じて変更できます。

「ソフトウェアの場所」フィールドで、デフォルト値のままにするか、OracleコンポーネントをインストールするOracleホームのディレクトリ・パスを入力します。ディレクトリ・パスにはスペースを入れないようにしてください。

「次へ」をクリックします。

注意: この画面は、「拡張インストール」でのみ使用できます。

関連項目: ディレクトリのネーミング規則の詳細は、「Optimal Flexible Architectureディレクトリのネーミング規則」を参照してください。

構成タイプの選択

次のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。

  • 汎用目的/トランザクション処理: これは汎用用途または大量のトランザクションを処理するアプリケーションのために設計された初期データベースです。

  • データ・ウェアハウス: データ・ウェアハウス・アプリケーションを実行するために最適化された初期データベースです。

これらの事前構成済データベース・タイプの説明は、Oracle Universal InstallerまたはOracle Database Configuration Assistantのオンライン・ヘルプを参照してください。

データベース識別子の指定

次の情報を指定して「次へ」をクリックします。

データベースのネーミング

次の構文を使用して、グローバル・データベース名を指定します。

database_unique_name.db_domain

各パラメータの意味は次のとおりです。

  • database_unique_nameはデータベースの名前です。データベース名の最大文字数は30で、先頭8文字は一意のものでアルファベットで始める必要があります。英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)、ナンバー記号(#)は使用できますが、その他の特殊文字をデータベース名に使用することはできません。

  • db_domainは、データベースに使用されるコンピュータ環境です。最大128文字(ピリオドを含む)で、英数字、アンダースコア(_)およびシャープ記号(#)を使用できます。

注意: データベース名(一意のデータベース名の先頭8文字)、デリミタおよびデータベース・ドメイン名の組合せは、最大128文字です。

次に例を示します。

sales.us.example.com

各パラメータの意味は次のとおりです。

  • database_unique_namesales

  • db_domainus.example.com

グローバル・データベース名を入力すると、Oracle Universal Installerにより、SID接頭辞にデータベース名が自動的に移入されます。この名前は、拡張インストールで変更できます。

SIDはOracle Universal Installerで英数字12文字に制限され、SIDはアンダースコア(_)、ドル記号($)およびシャープ記号(#)を含めることはできません。

構成オプションの指定

次の構成詳細を指定して「次へ」をクリックします。

メモリー:

「自動メモリー管理有効」オプションがデフォルトで選択されています。このオプションを選択すると、データベースのメモリーがSGAとPGAの間に自動的に分配されます。このオプションの選択を解除する場合、SGAおよびPGAのサイズを手動で設定する必要があります。

キャラクタ・セット:

このオプションを選択すると、文字データを次のいずれかの方法でデータベース内に格納できます。

  • デフォルトを使用: このオプションにより、オペレーティング・システムの言語設定が使用されます。

  • Unicodeを使用: このオプションを選択すると、複数の言語グループを格納できます。

  • 次のキャラクタ・セットのリストから選択: このオプションを選択すると、「データベース・キャラクタ・セットの選択」ドロップダウン・リストが使用できます。

関連項目:

セキュリティ:

「すべての新規セキュリティ設定のアサート」オプションがデフォルトで選択されています。設定には、監査の有効化および新しいパスワード・プロファイルの使用が含まれます。

注意: デフォルト設定を使用することをお薦めします。

サンプル・スキーマ:

サンプル・スキーマ付きデータベースを作成オプションはデフォルトでは選択されません。ただし、サンプル・スキーマで初期データベースを作成する場合、このオプションを選択できます。

管理オプションの指定

次のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。

  • データベース管理に既存のOracle Enterprise Manager Grid Controlを使用する: このオプションは、Oracle Enterprise Managerがインストールされている場合に役に立ちます。

  • データベース管理にOracle Enterprise Manager Database Controlを使用: このオプションを選択すると、Oracle Databaseをローカルで管理できます。オプションで、「電子メール通知を有効にする」を選択して、送信SMTPサーバーと電子メール・アドレスを入力します。

    関連項目: 「電子メール通知オプション」

    注意: 電子メール通知を有効にするオプションは、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)以降使用できません。

データベース記憶域オプションの指定

次のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。

  • ファイルシステム: データベースのファイルの場所を指定します。

  • 自動ストレージ管理: ASMSNMPユーザーのパスワードを指定します。

注意: Oracle ACFSファイル・システムでのOracleデータファイルのインストールはサポートされていません。これらのデータファイルは、Oracle ASMディスク・グループにインストールすることをお薦めします。

関連項目: 「Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループの使用」

リカバリ・オプションの指定

次のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。

  • 自動バックアップを有効にしない。

  • 自動バックアップを有効にする: このオプションを選択すると、バックアップ・ジョブで指定したリカバリ領域が使用されます。

    高速リカバリ領域にファイル・システム・ディレクトリを使用する場合は、「ファイル・システム」を選択し、リカバリ領域の場所フィールドで高速リカバリ領域のパスを指定します。

    高速リカバリ領域のOracle Automatic Storage Managementディスク・グループを使用するには、Oracle Automatic Storage Managementを選択します。

    オペレーティング・システムのユーザー資格証明を指定して、バックアップ・ジョブを実行します。

関連項目: 「Oracle Automatic Storage Managementインストールのためのディスクの準備」

ASMディスク・グループの選択

この画面は、Oracle Automatic Storage Managementをストレージ・オプションとして選択した場合にのみ表示されます。

ディスク・グループは、Oracle Grid Infrastructureのインストール時に作成されます。ディスク・グループは、asmcmdまたはSQL create diskgroupコマンドを使用してSYSASM権限により構成されます。ASMディスク・グループは、複数のディスク・パーティションで構成されます。

この画面の表には、Oracle Grid Infrastructureのインストール時に作成された既存のディスク・グループが表示されます。データベース・ファイルの格納に使用するディスク・グループを選択します。

スキーマ・パスワードの指定

権限を持つデータベース・アカウント(SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMP)のパスワードを入力および確認します。

「次へ」をクリックします。

注意: 必要に応じて、すべてのアカウントに同じパスワードを使用できます。ただし、アカウントごとに異なるパスワードを指定することをお薦めします。指定したパスワードを覚えておく必要があります。

関連項目: パスワードのガイドラインは、「ユーザー・パスワードのロック解除およびリセット」を参照してください。

前提条件チェックの実行

このオプションを選択すると、データベース・インストールを実行するための最小システム要件が満たされているかどうか確認できます。

インストーラで問題を修正してシステム要件を確認するには、「修正および再チェック」をクリックします。

「再チェック」をクリックすると、前提条件のチェックを再実行して、データベース・インストールを実行できる最低要件が満たされているかどうか確認できます。

失敗した前提条件チェックのリストを取得するには、リストから「失敗を表示」を選択します。OUIによって実行されたすべての前提条件チェックのリストを取得するには、「すべて表示」を選択します。成功した前提条件チェックのリストを取得するには、「成功を表示」を選択します。

注意: 「すべて無視」オプションを選択する場合は注意が必要です。このオプションを選択すると、Oracle Databaseをシステムに正常にインストールできるかどうかをOracle Universal Installerが確認できない場合があります。

関連項目: システム要件の詳細は、「Oracle Databaseのインストール前の要件」を参照してください。

サマリー

この画面に表示された情報を確認して、「インストール」をクリックします。

注意: Oracle Database 11gリリース2(11.2)以降では、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックすると、すべてのインストール手順をレスポンス・ファイルに保存できます。後で、サイレント・インストールを実行する際にこのファイルを使用できます。

製品のインストール

この画面に、データベースのインストールの進捗が表示されます。製品のインストール中に、ステータス情報も表示されます。「次へ」をクリックします。

次に、この画面には、ソフトウェアの構成およびデータベースの作成を実行するコンフィギュレーション・アシスタントのステータス情報が表示されます。Database Configuration Assistantプロセスの後にメッセージが表示されたら、「OK」をクリックして続行します。

終了

この画面は、すべての構成ツールが成功すると自動的に表示されます。

この画面に表示されたEnterprise Manager Database ControlのURL情報を確認して、「閉じる」をクリックします。


4.6 Oracleホームのクローニング

既存のOracleホームをコピーし、新しい環境用に構成できます。このプロセスをクローニングと呼びます。複数のOracle Databaseインストールを実行している場合は、この方法を使用して新規の各Oracleホームを作成できます。既存のOracle Databaseインストールからファイルをコピーしたほうが、新たに作成するよりも時間を節約できます。この方法は、クローニング元のOracleホームにパッチが適用されている場合にも便利です。Oracleホームのクローニングを実行すると、新しいOracleホームにパッチ更新が含まれます。

リリース11.2のDatabase Controlを使用してOracleホームをクローニングする場合、除外ファイル・リストを更新する必要があります。このファイル・リストでは、クローニング操作に必要ないため、ソースOracleホームのアーカイブ時に含める必要のないファイルが指定されます。次のファイルはアーカイブに含めないでください。

  • sqlnet.ora

  • tnsnames.ora

  • listener.ora


注意:

Enterprise Manager Database Controlを使用して、Oracleホームをクローニングする以外に、個々のOracleデータベースをクローニングすることもできます。OracleデータベースのクローニングおよびOracleホームのクローニングの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

この項の内容は、次のとおりです。

4.6.1 Oracleホームのクローニング

Oracleホームをクローニングするには、次の手順を実行します。

  1. ホームをクローニングするOracle Databaseが正常にインストールされていることを確認します。

    インストール・セッションのinstallActionsdate_time.logファイルを検証することで、正常にインストールされたことを確認できます。通常、このファイルはC:\Program Files\Oracle\Inventory\logsディレクトリにあります。

    パッチをインストールした場合は、コマンド・プロンプトで次のコマンドを実行することで状態を確認できます。

    C:\ORACLE_HOME\OPatch> set ORACLE_HOME=ORACLE_HOME_using_patch
    C:\ORACLE_HOME\OPatch> opatch lsinventory
    
  2. このコンピュータのOracle関連サービスを停止します。

    次のいずれかの方法を使用してOracleサービスを停止できます。

    • Oracle Administration Assistant for Windows: 「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAME」構成および移行ツールAdministrative Assistant for Windows「Oracle Managed Objects」「コンピュータ」machine-nameの順に選択します。データベースを選択して、global database nameをクリックし、「サービスの停止」を選択します。


      注意:

      「起動/停止オプション」を選択して、サービスとともにデータベース・インスタンスを停止するかどうかを選択します。

    • Microsoft Windowsの「サービス」ユーティリティ: 「スタート」メニューから、「コントロール パネル」「管理ツール」「サービス」を選択します。名前がOracleで始まるサービスを右クリックし、メニューから「停止」を選択します。

  3. 「Save full path info」オプションを選択して、Oracleホーム(Oracleベースではなく)ディレクトリのZIPファイルを作成します。

    たとえば、元のOracleインストールがC:\app\username\product\11.2.0\dbhome_1にある場合は、11.2.0の下のadminflash_recovery_areaおよびoradataディレクトリは除外して、dbhome_1ディレクトリのZIPファイルを作成します。これらのディレクトリは、後で新しいデータベースを作成するときに、ターゲットのインストールで作成されます。

  4. ZIPファイルをターゲット・コンピュータのルート・ディレクトリにコピーします。

  5. 「Use folder names」オプションを選択して、ZIPファイルの内容を抽出します。

  6. Oracleホームが共有ストレージ・デバイス上にある場合を除き、Oracleホームをクローニングする各コンピュータごとに手順4から5を繰り返します。

  7. 元のOracleホームで、手順2で停止したサービスを再起動します。

  8. ターゲット・コンピュータで、解凍したOracleホーム・ディレクトリにcd(移動)し、次の手順を実行します。

    1. 解凍したORACLE_HOME\network\adminディレクトリに存在している*.oraファイル(listener.orasqlnet.oratnsnames.oraなど)を削除します。

    2. clone\binディレクトリで、解凍したOracleホームのclone.plを実行します。次の構文を使用します。

      C:\ORACLE_HOME\clone\bin>%ORACLE_HOME%\perl\bin\per.exe clone.pl
      ORACLE_HOME="target location" ORACLE_BASE="target Base location"
      
      -defaultHomeName

      次に例を示します。

      C:\ORACLE_HOME\clone\bin> clone.pl 
       
      ORACLE_HOME="C:\app\username\product\11.2.0\dbhome_1" -defaultHomeName ORACLE_BASE="C:\app\username"

    Oracle Universal Installerが起動し、クローニング・アクションがcloneActionstimestamp.logファイルに記録されます。通常、このログ・ファイルはC:\Program Files\Oracle\Inventory\logsに格納されます。

  9. 新しいデータベースの接続情報を構成するには、Net Configuration Assistantを実行します。

    Net Configuration Assistantを起動するには、「スタート」から、「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAME」構成および移行ツールNet Configuration Assistantを選択します。

  10. 新しくクローニングされたOracleホームに新しいデータベースを作成するには、Oracle Database Configuration Assistantを実行します。

    Oracle Database Configuration Assistantを起動するには、「スタート」から、「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAME」構成および移行ツール「Database Configuration Assistant」を選択します。


関連項目:

  • OracleホームおよびOracleデータベースのクローニングの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracleホームのクローニングの詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Windows and UNIX』を参照してください。


4.6.2 クローニングされたOracleホームでのOracle Configuration Managerの構成

クローニングされたOracleホームに合せてOracle Configuration Managerを構成するには、次の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOME\ccr\stateから次のコマンドを実行します。

    del *.ll*
    
  2. ORACLE_HOMEから次のコマンドを実行します。

    copy ccr\inventory\core.jar ccr\inventory\pending
    
  3. ORACLE_HOME\ccr\binからこれらのコマンドを実行します。

    emSnapshotEnv
    deployPackages
    
  4. 新しい資格証明が必要な場合、ORACLE_HOME\ccr\binからこのコマンドを実行します。

    configCCR
    

setupCCRを使用してOracle Configuration Managerを手動で構成した場合は、クローニングされたOracleホームで次の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOME\ccr\hostsディレクトリのすべてのサブディレクトリを削除して、以前に構成したホストを削除します。

  2. ORACLE_HOME\ccr\binから次のコマンドを実行します。

    configCCR -a
    

Oracle Configuration Managerを元のOracleホームにインストールし、まだ構成していない場合は、クローニングされたOracleホームで次のコマンドを実行して構成します。

setupCCR