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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows
B58878-10
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6 Oracle Databaseの開始

この章では、インストールした内容の確認方法、各種ツールの起動方法、各種ファイルの識別および検索方法など、Oracle Databaseのインストールの完了後の操作について説明します。内容は次のとおりです。

6.1 インストール済Oracle Databaseの内容とディレクトリ位置の確認

Oracle Universal Installerを使用して、インストールしたOracle Databaseの内容とディレクトリの位置を確認できます。

次の手順に従います。

  1. 「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAMEOracle Installation Products「Universal Installer」の順に選択します。

  2. ようこそウィンドウで、「インストールされた製品」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを表示します。

  3. インストールした内容を確認するには、リストからOracle Database製品を探します。

    インストールした製品の詳細情報を見るには、「詳細」をクリックします。

  4. インストールした内容のディレクトリの場所を確認するには、「環境」タブをクリックします。

  5. 「閉じる」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを閉じます。

  6. Oracle Universal Installerを終了するには、「取消」をクリックし、「はい」をクリックして確定します。

6.2 Enterprise Manager Database Controlへのログイン

Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、Oracleデータベースの監視、管理および保守に使用できるWebベースのユーザー・インタフェースが提供されます。これにはOracle Automatic Storage Managementが含まれます。

Oracle Enterprise Manager Database Controlにログインする手順は、次のとおりです。

  1. Webブラウザを開き、次のURLを入力します。

    https://hostname:port/em
    
    
    

    デフォルトのインストールでは、ポート番号は1158です。使用する正しいポート番号がわからない場合は、ORACLE_HOME\install\portlist.iniファイルで次の行を探します。

    Enterprise Manager Console HTTP Port (dbhome_name) = port
    

    注意:

    Oracle Databaseのインストール後にポート番号を変更した場合、portlist.iniファイルは更新されません。この状況で、Oracle Enterprise Manager Database Controlのポート番号を検索する方法は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlポートの変更」を参照してください。

    たとえば、mgmt42というホスト・コンピュータにデータベースをインストールし、portlist.iniファイルに記載されたポート番号が5500の場合、次のURLを入力します。

    http://mgmt42:5500/em
    
    
    

    Enterprise ManagerにDatabase Controlのログイン・ページが表示されます。

  2. ユーザー名SYSTEMを使用して、データベースにログインし、SYSDBAとして接続します。 Enterprise Managerでは「データベース・ホーム」ページが表示されます。

    インストール時にSYSTEMアカウントに対して指定したパスワードを使用してください。


    注意:

    SYSSYSTEMまたはSYSMANの各アカウントを使用してもDatabase Controlにログインできます。また、他のデータベース・ユーザーにログイン権限を付与することもできます。

6.2.1 Database Controlのログイン権限の理解

SYSMANユーザー・アカウントを使用してOracle Enterprise Manager Database Controlにログインする場合、Oracle Enterprise Managerスーパーユーザーとしてログインします。SYSMANアカウントには、Database Controlで提供されているすべての管理機能へのアクセスに必要なロールと権限が自動的に付与されます。

Database Controlへのログインには、SYSおよびSYSTEMアカウントを使用することもできます。また、ログイン権限を他のデータベース・ユーザーに付与することもできます。他のデータベース・ユーザーに管理アクセス権を付与する手順は、次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。


    関連項目:


  2. Database Controlホーム・ページの最上部にある「設定」をクリックします。

  3. 左ナビゲーション・バーの「管理者」をクリックします。

  4. 「作成」をクリックしてEnterprise Managerユーザーを作成します。

  5. 「名前」フィールドに既存のデータベース・ユーザー名を入力するか、検索アイコンをクリックしてポップアップ・ウィンドウからユーザーを選択します。

  6. このユーザー用のパスワードを入力して「確認」をクリックします。

  7. プロパティ・ページで、「終了」をクリックします。

Enterprise Managerにより指定したユーザーにログイン権限が割り当てられ、このユーザーが「管理者の設定」ページのEnterprise Managerユーザー・リストに組み込まれます。

非管理ユーザーがDatabase Controlにログインできるようにするには、そのユーザーにSELECT ANY DICTIONARYシステム権限を付与する必要があります。

6.3 Oracle Automatic Storage Managementの管理

この項の内容は、次のとおりです。

6.3.1 Oracle Automatic Storage Managementの起動および停止

Oracle Automatic Storage Managementを起動および停止するには、SQL*Plusの使用に加え、srvctlユーティリティを使用できます。

srvctlユーティリティを使用してOracle Automatic Storage Managementインスタンスを起動するには、次のコマンドを実行します。

srvctl start asm

srvctlユーティリティを使用してOracle Automatic Storage Managementインスタンスを停止するには、次のコマンドを実行します。

srvctl stop asm

関連項目:

SQL*Plusを使用したOracle Automatic Storage Managementインスタンスの起動および停止の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

6.3.2 Oracle Automatic Storage Managementユーティリティ

Oracle Automatic Storage Managementの管理には、次のツールを使用できます。

  • asmcmd: このコマンドライン・ツールを使用すると、Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループのファイルおよびディレクトリを管理できます。

  • asmtool: このコマンドライン・ツールは、データベースのインストール後、ディスク・グループを後で作成または変更するためにディスクにスタンプを付けるのに必要です。

  • Oracle Automatic Storage Management Configuration Assistant: Oracle Automatic Storage Management Configuration Assistant:(Oracle ASMCA)は対話型ユーティリティで、Oracle Automatic Storage Managementインスタンスの作成または既存Oracle Automatic Storage Managementインスタンスのアップグレードを実行できます。これを使用すると、ディスク・グループOracle Automatic Storage ManagementボリュームおよびOracle Automatic Storage Managementファイル・システム(ASMFS)の作成および構成も可能になります。

  • Oracle Enterprise Manager Grid Control: Oracle Enterprise Managerがインストールされている場合は、Grid Controlを使用してOracle Automatic Storage Management機能を管理できます。たとえば、Oracle Automatic Storage Managementへの既存のデータベースの移行、Oracle Automatic Storage Managementインスタンスのステータス・チェック、Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループのパフォーマンス・チェック、Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループの作成または削除などを実行できます。

  • Oracle Enterprise Manager Database Control: このユーティリティは、Grid Controlと同様の機能を実行できます。

  • SQL*Plus: Oracle Automatic Storage Managementに固有のコマンドをこのツールから使用できます。Oracle Automatic Storage Managementインスタンスに接続するには、Oracle Databaseインスタンスへの接続時と同じ方法を使用します。


関連項目:

  • 「Enterprise Manager Database Controlへのログイン」

  • Oracle Automatic Storage Managementの管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

  • asmcmdユーティリティの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。


6.4 Oracle Databaseの起動および停止

次のいずれかの方法でOracle Databaseを起動および停止できます。

6.4.1 Oracle Enterprise Manager Database Controlによるデータベースの起動および停止

データベースを起動または停止する手順は、次のとおりです。

  1. WebブラウザからEnterprise Manager Database Controlを起動して、ログインします。次に例を示します。

    http://myserver:1158/em
    
  2. 「ホーム」をクリックしてホーム・ページに移動します。

  3. 「一般」で「起動」をクリックしてデータベースを起動するか、「停止」をクリックしてデータベースを停止します。

6.4.2 Oracle Administration Assistant for Windowsによるデータベースの起動および停止

データベースを起動または停止する手順は、次のとおりです。

  1. 「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAME構成および移行ツールAdministrative Assistant for Windowsの順に選択します。

  2. コンソール・ウィンドウで、Oracle Administration Assistant for Windowsのツリー構造を展開します。

  3. データベースの下にあるデータベースの名前を右クリックし、メニューから次のオプションのいずれかを選択します。

    • データベースに接続

    • サービスの起動

    • データベースから切断

    • サービスの停止

    • 起動/停止オプション

    • プロセス情報

6.4.3 Microsoft Windowsの「サービス」ユーティリティからのデータベースの起動および停止

SQLまたはsrvctlユーティリティを使用してデータベース・インスタンスを起動または停止できます。SRVCTLにより、サービスが自動的に開始されます。

SQLを使用してデータベース・インスタンスを起動するには、Windowsのサービスを開始します。

  1. 「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」「管理ツール」「サービス」の順に選択します。

  2. 「サービス」ダイアログ・ボックスで、起動または停止するデータベースの名前を探します。

  3. データベースの名前を右クリックし、メニューから「開始」「停止」または「一時停止」のいずれかを選択します。

    スタートアップ・プロパティを設定するには、「プロパティ」を右クリックし、ダイアログ・ボックスで「自動」「手動」、または初期タイプのリストで「無効」のいずれかを選択します。

6.5 SQL*Plusを使用したOracle Databaseへのアクセス

Oracle Databaseに対するSQL文やPL/SQL文を発行するには、SQL*Plusを使用できます。このツールを使用すると、同じデータベース管理操作を実行し、データベースに対して直接、データの問合せ、挿入、更新、または削除を行うことができます。

SQL*Plusを起動するには、「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAME」「アプリケーション開発」「SQL Plus」を選択します。

コマンドラインの場合は、Windowsコマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。

C:\> sqlplus /nolog
SQL> CONNECT user_name
Enter password: password 

たとえば、passwordというパスワードを使用して、SYSTEMとしてログインするには、次のように入力します。

C:\> sqlplus /nolog
SQL> CONNECT SYSTEM
Enter password: password

SYSとしてログインする場合、SYSDBAとして接続する必要があります。

C:\> sqlplus /nolog
SQL> CONNECT SYS AS SYSDBA
Enter password: password

関連項目:

  • 『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』

  • 『SQL*Plusクイック・リファレンス』

  • SQL*Plusを使用したOracle Databaseへのアクセスの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。


6.6 Oracle SQL Developerを使用したOracle Databaseへのアクセス

Oracle Databaseに対するSQL文やPL/SQL文を発行するには、SQL Developerを使用できます。すべてのSQLおよびPL/SQLコマンドは、SQLワークシートからOracle Databaseへ直接渡される際にサポートされます。

SQL Developerを起動する手順は、次のとおりです。

  1. 「スタート」メニューから「すべてのプログラム」「Oracle - HOME_NAME「アプリケーション開発」「SQL Developer」を選択します。

  2. java.exeのフルパス名を入力するよう求められた場合、「参照」をクリックしてjava.exeを探します。たとえば、C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_06\bin\java.exeのようになります。

  3. SQL Developerが起動したら、次の手順を実行します。

    • 「接続」を右クリックします。

    • 「接続の作成」を選択します。

    • 新規/データベース接続の選択ダイアログ・ボックスに、接続名、ユーザー名、パスワードを入力し、ホストの文字列には、接続するデータベースの名前を入力します。

    • 「接続」をクリックします。

接続が完了すると、「接続ナビゲータ」を使用してデータベース・オブジェクトの表示、作成、変更を行うことができ、SQLワークシートを使用して、任意のSQLまたはPL/SQLコマンドを発行できます(「ツール」メニューから、「SQLワークシート」を選択)。

SQL*Plusコマンドは、データベースに渡される前に、SQLワークシートで解析する必要があります。SQLワークシートは現在、多くのSQL*Plusコマンドをサポートしています。SQLワークシートでサポートされていないSQL*Plusコマンドは無視され、Oracle Databaseに送信されません。


関連項目:

『Oracle Database SQL Developerユーザーズ・ガイド』のSQLワークシートでサポートされるSQL*Plus文およびされないSQL*Plus文に関する項を参照してください。

6.7 ユーザー・アカウントとパスワードの確認

Oracle Database Configuration Assistantによって作成されたすべてのデータベースには、SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSNMPデータベース・アカウントが含まれています。また、他の複数の管理アカウントも用意されています。これらの他のアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。この項の内容は、次のとおりです。


関連項目:

  • Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用してデータベースに定義されたユーザー・アカウントの完全なリストを表示する方法の詳細は、「ユーザー・パスワードのロック解除およびリセット」を参照してください。

  • Oracle Counters for Windows Performance Monitorのパスワードの変更方法は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「Oracle Counters for Windows Performance Monitorパラメータの変更」を参照してください。

  • Oracleのセキュリティの手順およびセキュリティの最良事例の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。


6.7.1 管理アカウントの確認

表6-1は、管理ユーザー名について説明しています。

表6-1 管理アカウント

ユーザー名 説明 関連項目

ANONYMOUS

HTTPによるOracle XML DBへのアクセスを許可。

『Oracle XML DB開発者ガイド』


APEX_030200

Oracle Application Expressスキーマおよびメタデータを所有するアカウント。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』


APEX_PUBLIC_USER

Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用するOracle Application Express構成向けに使用される、最も権限の少ないアカウント。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』


APPQOSSYS

Oracle Quality of Service Managementで必要なすべてのデータおよびメタデータの格納または管理に使用されます。

なし

BI

Oracleサンプル・スキーマに含まれるBusiness Intelligenceスキーマを所有。サンプル・スキーマをロードした場合にのみ使用できます。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


CTXSYS

Oracle Textアカウント。

『Oracle Textリファレンス』


DBSNMP

Oracle Enterprise Managerの管理エージェントによりデータベースの監視および管理に使用。

『Oracle Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド』


DIP

Directory Integration Platform(DIP)で、Oracle Internet Directoryでの変更をデータベース内のアプリケーションと同期化するために使用。

なし

DVSYS

このアカウントには2つのロールが関連付けられています。Database Vault所有者ロールは、Database Vaultロールおよび構成を管理します。Database Vaultアカウント・マネージャは、データベース・ユーザー・アカウントの管理に使用されます。

注意: Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェース・テキストの一部は、DVSYSスキーマの中のデータベース表に格納されます。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。Oracle Database Vault Configuration Assistantを使用すると、Oracle Database Vaultに別の言語を追加できます。必要な手順は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』の付録Cを参照してください。

『Oracle Database Vault管理者ガイド』


EXFSYS

Expression Filterスキーマを所有。

なし

FLOWS_FILES

Oracle Application Expressのアップロードされたファイルを所有するアカウント。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』


HR

Oracleサンプル・スキーマに含まれるHuman Resourcesスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、Sample Schemasをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


IX

Oracleサンプル・スキーマに含まれるInformation Transportスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、サンプル・スキーマをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


LBACSYS

Oracle Label Securityの管理者アカウント。

『Oracle Label Security管理者ガイド』

MDDATA

Oracle SpatialでGeocoderおよびルーター・データの格納に使用。

『Oracle Spatial開発者ガイド』


MDSYS

Oracle SpatialおよびOracle Multimedia Locatorの管理者アカウント。

『Oracle Spatial開発者ガイド』

MGMT_VIEW

Oracle Enterprise Manager Database Controlで使用。

なし

OE

Oracleサンプル・スキーマに含まれるOrder Entryスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、サンプル・スキーマをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


ORACLE_OCM

このアカウントには、Oracle Configuration Managerで使用される構成収集向けのインスツルメーションが含まれます。

『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』


ORDDATA

このアカウントには、Oracle Multimedia DICOMデータ・モデルが含まれます。

『Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド』


ORDPLUGINS

Oracle Multimediaユーザー。オラクル社が提供するプラグインとサード・パーティのプラグインは、このスキーマにインストールされます。

『Oracle Multimediaリファレンス』


ORDSYS

Oracle Multimedia管理者アカウント。

『Oracle Multimediaリファレンス』


OUTLN

主として、格納されたアウトラインに関連付けられたメタデータを管理。プラン・スタビリティをサポートしており、同じSQL文の同じ実行計画の保守が可能です。

『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』


OWBSYS

Oracle Warehouse Builderでデフォルトのリポジトリとして使用されるアカウント。Oracle Databaseのインストール後、Warehouse Builderリポジトリ・アシスタントを起動する前に、このアカウントのロックを解除する必要があります。

『Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイド』


PM

Oracleサンプル・スキーマに含まれるProduct Mediaスキーマを所有。このアカウントが作成されるのは、サンプル・スキーマをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


SCOTT

Oracleサンプル・プログラムおよび例で使用されるアカウント。

『Oracle Database管理者ガイド』

SH

Oracleサンプル・スキーマに含まれるSales Historyスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、Enterprise Editionのインストール時にサンプル・スキーマをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


SI_INFORMTN_SCHEMA

SQL/MM Still Image Standardの情報ビューを格納。

『Oracle Multimediaリファレンス』


SPATIAL_CSW_ADMIN_USR

Catalog Services for the Web(CSW)アカウント。データベースからすべてのレコード・タイプ・メタデータとすべてのレコード・インスタンスを、キャッシュされたレコード・タイプのメイン・メモリーにロードするために、Oracle Spatial CSWキャッシュ・マネージャで使用されます。

『Oracle Spatial開発者ガイド』


SPATIAL_WFS_ADMIN_USR

Web Feature Service(WFS)アカウント。データベースからすべての機能タイプ・メタデータとすべての機能インスタンスを、キャッシュされた機能タイプのメイン・メモリーにロードするために、Oracle Spatial WFSキャッシュ・マネージャで使用されます。

『Oracle Spatial開発者ガイド』


SYS

データベース管理タスクの実行に使用。

『Oracle Database管理者ガイド』

SYSMAN

Oracle Enterprise Managerデータベース管理タスクの実行に使用されるアカウント。

『Oracle Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド』


SYSTEM

データベース管理タスクの実行に使用。

『Oracle Database管理者ガイド』

WMSYS

Oracle Workspace Manager用のメタデータ情報の格納に使用されるアカウント。

『Oracle Database Workspace Manager開発者ガイド』


XDB

Oracle XML DBのデータおよびメタデータの格納に使用。

『Oracle XML DB開発者ガイド』




関連項目:

  • 『Oracle Database概要』の「データベース・ユーザーとスキーマ」

  • 『Oracle Database管理者ガイド』のデータベース管理者のユーザー名に関する項

  • 『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「Windowsでの外部ユーザーおよびロールの管理」


6.7.2 ユーザー・パスワードのロック解除およびリセット

SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSNMPを除く、すべてのOracleシステム管理アカウントのパスワードは、インストール後に取り消されます。ロックされているアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。インストール時に初期データベースを作成した場合、Oracle Database Configuration Assistantには、データベース情報が示された「パスワード管理」ボタン付きの画面が表示されます。「パスワード管理」ボタンを使用して、使用するユーザー名についてのみロックを解除します。

パスワードを指定する前に、次のガイドラインを参照してください。

  • パスワードの長さは8から30文字であること。

  • パスワードの1文字目には数字を使用しないこと。

  • パスワードに無効な文字列である! @ % ^ & * ( ) + = \ | ` ~ [ { ] } ; : ' " , < > ?を含めることはできません。

  • パスワードとユーザー名を同じにしないこと。

  • パスワードにはOracleの予約語を使用しないこと。

  • SYSアカウントのパスワードにはchange_on_installを使用できません。(大/小文字を区別しない)

  • SYSTEMアカウントのパスワードにはmanagerを使用できません。(大/小文字を区別しない)

  • SYSMANアカウントのパスワードにはsysmanを使用できません。(大/小文字を区別しない)

  • DBSNMPアカウントのパスワードにはdbsnmpを使用できません。(大/小文字を区別しない)

  • すべてのアカウントに同じパスワードを使用するように選択した場合は、change_on_installmanagersysmanまたはdbsnmpをパスワードとして使用することはできません。(大/小文字を区別しない)

  • パスワードには、アルファベット、数字、および特殊文字をそれぞれ1文字以上使用すること。

  • パスワードには、welcomeaccountdatabaseuserなど、単純なワードやありふれたワードを使用しないこと。

インストール時に初期データベースを作成しても、必要なアカウントのロックを解除していない場合は、次のいずれかの方法を使用して解除します。


関連項目:

次の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
  • インストール後のパスワードのロック解除および変更

  • Oracleのセキュリティ手順

  • セキュリティの最良事例


6.7.2.1 Enterprise Manager Database Controlを使用したパスワードのロック解除および変更

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用したロック解除およびユーザー・アカウント・パスワードのリセットの手順は、次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。

  2. 「スキーマ」をクリックします。

  3. 「スキーマ」ページの「ユーザーおよび権限」セクションで「ユーザー」をクリックします。

    すべてのデータベース・アカウントを含む表が表示されます。「アカウント・ステータス」列は、そのアカウントがロックされているかどうかと、パスワードが期限切れかどうかを示します。

  4. 変更するユーザー・アカウントを選択して「編集」をクリックします。

  5. 「ユーザー」プロパティ・シートの「一般」ページを使用して、パスワードの変更や選択したアカウントのロックまたはロック解除を行います。「ヘルプ」をクリックすると詳細を参照できます。

6.7.2.2 SQL*Plusを使用したパスワードのロック解除および変更

インストール・プロセス後にアカウントのロックを解除し、パスワードを変更するには、SQL*Plusを使用します。

インストール後にパスワードを変更する手順は、次のとおりです。

  1. SQL*Plusを起動します。

    C:\> sqlplus /nolog
    
  2. SYSDBAとして接続します。

    SQL> CONNECT SYS AS SYSDBA
    Enter password: SYS_password 
    
  3. 次のコマンドを入力します。accountはロックを解除するユーザー・アカウント、passwordは新規パスワードです。

    SQL> ALTER USER account IDENTIFIED BY password ACCOUNT UNLOCK;;
    

    この例では、ACCOUNT UNLOCK句でアカウントのロックが解除されます。

6.8 データベースの識別

Oracle Database 11gソフトウェアで、データベースをグローバル・データベース名により識別します。グローバル・データベース名は、データベース名とデータベース・ドメインで構成されます。通常、データベース・ドメインはネットワーク・ドメインと同じですが、異なる場合もあります。グローバル・データベース名では、あるデータベースが同じネットワーク内の他のデータベースと一意に区別されます。グローバル・データベース名は、インストール時にデータベースを作成するとき、またはOracle Database Configuration Assistantを使用するときに指定します。

データベース名入力フィールドを使用して、DB_NAMEDB_UNIQUE_NAMEおよびDB_DOMAIN Oracle初期化パラメータ値を設定します。

次に例を示します。

sales_world.example.com

各項目の意味は次のとおりです。

  • sales_worldはデータベース名です。データベース名(DB_UNIQUE_NAME)部分は、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)および番号記号(#)を含めることができる30文字未満の文字列ですが、アルファベットで開始する必要があります。その他の特殊文字をデータベース名に使用することはできません。

  • sales_woDB_NAMEです。DB_NAME初期化パラメータによって、最大8文字のデータベース識別子が指定されます。

  • example.comは、データベースが位置するネットワーク・ドメインです。データベース名とネットワーク・ドメインの組合せにより、グローバル・データベース名が一意になります。ドメイン部分は128文字以内の文字列で、英数字、アンダースコア(_)およびシャープ記号(#)を含めることができます。ドメイン名はDB_DOMAIN初期化パラメータで指定します。

DB_UNIQUE_NAMEパラメータとDB_DOMAIN名パラメータを組み合せて、初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAMESパラメータに割り当てるグローバル・データベース名の値を作成します。

システム識別子(SID)は、特定のデータベース・インスタンスを識別します。SIDにより、あるインスタンスが同じコンピュータ上の他のインスタンスから一意に区別されます。各データベース・インスタンスには一意のSIDとデータベース名が必要です。

たとえば、Oracle DatabaseのSIDおよびデータベース名がORCLの場合、各データベース・ファイルはORACLE_BASE\oradata\orclディレクトリにあり、初期化パラメータ・ファイルはORACLE_BASE\admin\orcl\pfileディレクトリにあります。


関連項目:

『Oracle Databaseリファレンス』DB_UNIQUE_NAMEおよびDB_NAME

6.9 サーバー・パラメータ・ファイルの検索

初期データベースには、1つのデータベース初期化パラメータ・ファイルが含まれています。初期化パラメータ・ファイルinit.ora.xxxxxは、インスタンスを起動するために必要です。パラメータ・ファイルは、インスタンス構成パラメータのリストが含まれるテキスト・ファイルです。初期データベースのinit.oraファイルには、事前定義済パラメータがあります。初期データベースを使用するために、このファイルを編集しないでください。

サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)は、初期化パラメータ・ファイルから作成され、初期化パラメータ・ファイルの名前が変更されます。SPFILEファイル名はspfileSID.oraで、ORACLE_HOME\databaseディレクトリにあります。

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用すると、サーバー・パラメータ・ファイルの場所とすべての初期化パラメータのリストを表示できます。この操作の手順は次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「データベース構成」セクションで、「すべての初期化パラメータ」をクリックします。

    各初期化パラメータの現行の値を示す表が表示されます。

  4. 「SPFile」をクリックします。

    サーバー・パラメータ・ファイルに指定されている各初期化パラメータの値を示す表が表示されます。この表の上に、サーバー・パラメータ・ファイルの場所が表示されます。


関連項目:

  • Windows用のOracle Database固有の初期化パラメータとそれらのデフォルト値のリストは、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「Windows用のOracle Databaseの指定」を参照してください。

  • 初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。


6.10 表領域およびデータファイルの識別

Oracle Databaseは、表領域と呼ばれる小さい論理領域に分割されています。各表領域は、1つ以上の物理データファイルに対応しています。データファイルには、表や索引など、論理データベース構造の内容が含まれています。各データファイルを関連付けられる表領域およびデータベースは1つのみです。


注意:

SYSAUX表領域およびSYSTEM表領域は、すべてのOracle Database 11gリリース2(11.2)のデータベースに存在している必要があります。

表6-2は、Oracle Database内の表領域とデータファイルを示しています。デフォルトでは、データファイルはORACLE_BASE\oradata\DB_NAMEディレクトリにあります。

表6-2 表領域およびデータファイル

表領域 データファイル 説明

EXAMPLE

EXAMPLE01.DBF

サンプル・スキーマを組み込んだ場合は、それが格納されます。

SYSAUX

SYSAUX01.DBF

SYSTEM表領域の補助表領域として機能します。これまでSYSTEM表領域を使用していた一部の製品およびオプションでは、SYSAUX表領域が使用されるようになり、SYSTEM表領域の負荷が低減します。

SYSTEM

SYSTEM01.DBF

Oracle Databaseに必要な表、ビューおよびストアド・プロシージャの定義を含むデータ・ディクショナリが格納されます。この領域の情報は自動的に保守されます。

TEMP

TEMP01.DBF

SQL文の処理中に作成された一時表および索引が格納されます。構成メンバーGROUP BYORDER BY、またはDISTINCTなど、多くのソートが必要なSQL文を実行する場合は、この表領域を拡張する必要があります。

UNDOTBS

UNDOTBS01.DBF

UNDO情報が格納されます。UNDO表領域には、データベースに対する変更をロールバックまたはUNDOするために使用されるトランザクション履歴を保持する、1つ以上のUNDOセグメントが含まれています。

すべての初期データベースは、自動UNDO管理モードで実行するように構成されます。

USERS

USERS01.DBF

データベース・ユーザーにより作成されたデータベース・オブジェクトが格納されます。


Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して、データベースで現在使用可能なデータファイルのリストを表示する手順は、次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「データファイル」をクリックします。

    各データファイルと関連する表領域を示す表が表示されます。表領域の表示、変更および作成にDatabase Controlを使用する方法の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。


関連項目:

  • 『Oracle Database概要』の「表領域、データファイルおよび制御ファイル」

  • 『Oracle Database管理者ガイド』の表領域の管理、データファイルおよび一時ファイルの管理に関する項

  • 『Oracle Database管理者ガイド』のUNDO表領域の管理に関する項


6.11 REDOログ・ファイルの位置

事前構成済データベースには、ORACLE_BASE\oradata\DB_NAMEディレクトリに2つの制御ファイルがあります。データベースごとに2つ以上の制御ファイルを(個別の物理ドライブに)保持し、CONTROL_FILES初期化パラメータを各制御ファイルが示されるように設定することをお薦めします。

制御ファイルは、管理ファイルの一種です。Oracle Database 11gでは、データベースを起動して実行するために制御ファイルが必要です。制御ファイルは、データベースの物理構造を定義します。たとえば、制御ファイルは、データベース名と、データベースのデータファイルおよびREDOログ・ファイルの名前と場所を定義します。

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して初期データベースのREDOログ・ファイルを表示または変更する手順は、次のとおりです。

  1. Webブラウザを起動し、Database Controlにログインします。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「REDOログ・グループ」をクリックします。

    このデータベース・インスタンスに現在定義されている制御ファイルが含まれている表が表示されます。

  4. 特定のグループに関連付けられたREDOログ・ファイルの名前と位置を表示するには、そのグループを選択して「ビュー」をクリックします。

    表領域の表示、変更および作成にDatabase Controlを使用する方法の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。


関連項目:

  • 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』

  • 『Oracle Database管理者ガイド』のアーカイブREDOログの管理に関する項


6.12 制御ファイルの位置

事前構成済データベースには、ORACLE_BASE\oradata\DB_NAMEディレクトリに2つの制御ファイルがあります。データベースごとに2つ以上の制御ファイルを(個別の物理ドライブに)保持し、CONTROL_FILES初期化パラメータを各制御ファイルが示されるように設定することをお薦めします。

制御ファイルは、データベースを起動して実行するために必要な管理ファイルです。制御ファイルには、データベースの物理構造が記録されます。たとえば、制御ファイルには、データベース名と、データベースのデータファイルおよびREDOログ・ファイルの名前と場所が記録されています。

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用して初期データベースの制御ファイルを表示または変更する手順は、次のとおりです。

  1. Database Controlへログインします。

  2. 「サーバー」をクリックします。

  3. 「サーバー」ページの「記憶域」セクションで「制御ファイル」をクリックします。

    このデータベース・インスタンスに現在定義されている制御ファイルが含まれている表が表示されます。制御ファイルの使用およびバックアップの詳細を参照するには、「ヘルプ」をクリックしてください。


関連項目:

この初期化パラメータ値の設定の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の制御ファイルの管理に関する項を参照してください。

6.13 WindowsでのOracleデータベース・サービスの理解

インストール後にデータベースを作成すると、次の2つの主なOracleサービスが自動的に開始されます。

  • OracleServiceSID(Oracleデータベース・サービス)

  • OracleHOME_NAMETNSListener(Oracleデータベース・リスナー・サービス)

Oracle Enterprise Manager Database Controlをインストールすると、OracleDBConsoleSIDサービスが自動的に開始されます。構成されたOracle Automatic Storage Managementには、OracleOHServiceおよびOracleASMService+ASMサービスも表示されます。ただし、ネットワーク用の他のサービスやその他の個々のコンポーネントは、自動的に起動されない場合があります。