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Oracle® Database Net Servicesリファレンス
11gリリース2 (11.2)
B56287-07
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B Oracle Net Servicesのアップグレードに関する考慮事項

この付録では、Oracle Net Servicesの共存とアップグレードに関する考慮事項について説明します。ここで説明する項目は、次のとおりです。

Oracle Internet Directoryへの匿名アクセス

ディレクトリ・ネーミング(LDAP)の一般ユーザーは、名前参照でOracle Internet Directoryに匿名アクセスする必要があります。Oracle Internet DirectoryソフトウェアがOracle Internet Directory 11gにアップグレードされている場合は、Oracle Internet Directoryのデフォルト設定が変更されていることに注意してください。デフォルトでは、ディレクトリへの匿名アクセスが許可されなくなりました。ディレクトリ管理者は、ディレクトリをリリース11gにアップグレードした後に、匿名バインドが有効になるようにディレクトリを設定する必要があります。また、Oracle Internet Directoryでの匿名バインドの設定方法もOracle Database 10gとOracle Database 11gの間で変更されています。


関連項目:

匿名バインドの詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。

デフォルト以外のリスナーのOracle Database 11g リリース2(11.2)への移行

Oracle Real Application Clusters環境でOracle Database 11gリリース1(11.1.0.7)をOracle Database 11gリリース2(11.2)に移行する場合、デフォルト以外のリスナーはOracle Net Configuration Assistantによっては移行されません。デフォルト以外のリスナーを移行するには、次の手順を使用します。

  1. Oracle Database 11gリリース1(11.1.0.7)のOracle Net Configuration Assistantを使用して、デフォルト以外のリスナーを削除します。

  2. Oracle Database 11g リリース2(11.2)のOracle Net Configuration Assistantを使用して、デフォルト以外のリスナーを作成します。

リスナーのパスワードの削除

Oracle Database 11g リリース2(11.2)では、パスワード機能は非推奨になっています。ローカル・オペレーティング・システム認証によって認証が実施されるため、これによってセキュリティが低下することはありません。パスワードが設定されたリスナーを移行するには、次の手順を実行します。

  1. すべてのPASSWORDS_listener_nameエントリをlistener.oraファイルから削除します。

  2. 次のコマンドを使用して、リスナーを再ロードします。

    lsnrctl reload listener_name
    

リスナーのリモート管理が必要な場合は、次のいずれかの方法で接続してリスナーを管理します。

  • リスナーが動作しているホストにSSHまたは他のセキュアな方法で接続して、ローカル管理を実行します。ローカル管理はオペレーティング・システム認証によって実施されます。

  • Oracle Enterprise Managerを使用してリスナーを管理します。Oracle Enterprise Managerでは、HTTPSを使用してセキュリティを確実なものにしています。


関連項目:

リスナーの管理の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

クライアントとデータベースの共存に関する考慮事項

クライアントおよびデータベース・サーバーは、Oracle Net Servicesのリリースとの互換性が必要です。たとえば、Oracle9i クライアントにはOracle Net Servicesのインストールが必要であり、Oracle9i データベースにはOracle Net ServicesとOracle Net Listenerのインストールが必要です。

使用環境のアップグレードが適切かどうかを決定する前に、クライアントとデータベース間の接続に関する次の考慮事項を検討してください。

Oracle9iデータベースの接続

Oracle9iデータベースへの接続用に作成された接続記述子は、サービス名とSERVICE_NAMEパラメータによってデータベースを識別します。

Oracle9iまたはOracle8データベースの接続記述子には、次の例に示すようにSERVICE_NAMEパラメータが使用されます。

sales= 
(DESCRIPTION= 
  (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
  (CONNECT_DATA=
     (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))

SIDパラメータを使用して現在構成されている接続記述子も使用できます。ただし、クライアント・ロード・バランシングや接続時フェイルオーバーなどの新機能を利用するには、SIDSERVICE_NAMEに置き換えることをお薦めします。

SERVICE_NAMEを使用するように接続記述子を変更するには、Oracle Net Managerの互換性モードを使用します。


関連項目:

SIDではなく、SERVICE_NAMEを使用したデータベースの識別の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Names

Oracle Namesは集中化されたネーミング・メソッドとしてサポートされていません。Oracle Namesに新しい拡張機能が追加されないため、ディレクトリ・ネーミングを使用するか、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』で説明されているように、既存のOracle Names構成をディレクトリ・ネーミングにアップグレードすることを検討してください。