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Oracle® OLAPユーザーズ・ガイド
11g リリース2(11.2)
B61345-01
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Oracle OLAPに関する最新情報

Oracle DatabaseのOLAPオプションの主な拡張は次のとおりです。

Oracle Database 11g リリース2(11.2.0.2)のOracle OLAP

今回のリリースでの様々な改善により、Oracle OLAPの強力な分析機能へのアクセス性が向上しました。

OLAP DMLのサポート

Analytic Workspace Managerでは、OLAP DMLのサポートが拡張されたことで、予測、割当て、モデルといったOracle OLAPの強力な分析機能へのアクセスが容易になりました。OLAP DMLを使用して、それぞれの目的に合わせた計算済メジャーを定義できます。また、OLAP Worksheetのかわりに、Analytic Workspace Managerでプログラムを直接作成できるようになりました。作成したプログラムは、計算済メジャー、キューブ・スクリプトまたはメンテナンス・スクリプトから起動できます。OLAP DMLオブジェクトの定義とプログラムは、アナリティック・ワークスペースのテンプレートを作成する際にXML形式で保存されます。

いくつかの新しいOLAP DML文がディメンション対応に加わり、キューブやキューブ・ディメンションなど、データベースの次元オブジェクトをサポートするための物理オブジェクトすべてが生成されるようになりました。

Analytic Workspace Managerの機能

Analytic Workspace Managerでの様々な改善により、使いやすく向上したユーザー操作がサポートされています。

Oracle Database 11g リリース2(11.2)のOracle OLAP

リリース2では、Oracle Database 11gのOLAPオプションにより、操作性を向上する数多くの機能が提供されています。

アップグレードのサポート

Oracle OLAP 10gのCWMまたは標準形式の(AWXML)メタデータから、アナリティック・ワークスペースを簡単にアップグレードできます。アップグレード後には、このマニュアルで説明するようにOracle OLAP 11gのすべての機能を組み込むことができます。

Analytic Workspace Managerの管理機能の向上

Analytic Workspace Managerには、次元オブジェクトの作成と変更を簡略化するための様々な新機能が追加されています。このリリースでは、すべてのオブジェクトの名前変更や、マッピングの部分的な保存、ディメンション、レベル、階層および属性の削除または変更、マッピングでのWHERE条件の使用が可能になりました。既存のオブジェクトをXMLテンプレートの定義とマージして、その内容をプレビューし、重複する名前を修正したり、既存のオブジェクトを変更することができます。

SQL集計管理

SQL集計管理は、既存のリレーショナル・マテリアライズド・ビューからのキューブ・マテリアライズド・ビューの高速デプロイメントをサポートするDBMS_CUBEのPL/SQLサブプログラムのグループです。単一のキューブ・マテリアライズド・ビューは、ファクト表のサマリーを構成する多くのリレーショナル・マテリアライズド・ビューを置き換えることができます。これによって、クエリー・リライトを使用したすべてのサマリー・データの応答時間が均一化されます。

キューブ・マテリアライズド・ビューの作成プロセスでは、DBMS_CUBEによって、キューブおよびキューブ・ディメンションを含むすべての機能を備えたアナリティック・ワークスペースも作成されます。そのため、計算済メジャーの機能を拡張して、分析アプリケーションから直接問合せを行う多次元データ・ストアが必要な場合に、SQL集計管理は、その初期メタデータを作成する際にも使用されます。


参照:

『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』

作成ログ

OLAPでは、作成ログ、操作ログ、拒否レコード・ログおよびディメンション・コンパイル・ログといった複数のログが提供されるようになりました。これらのログは、Analytic Workspace Manager内で、またはPL/SQL DBMS_CUBE_LOGパッケージを使用して表示できます。

これらのログを使用すると、長時間実行されているプロセスの進行状況を追跡し、その結果を使用してパフォーマンスの特徴をプロファイルできます。これらのログから、リレーショナル・ソース表で不適切に構造化された階層、ロードに失敗するレコードまたは完了に時間がかかりすぎるデータ更新など、キューブの作成中やメンテナンス中に発生する可能性がある問題を診断して、問題の解決に役立つ情報が得られます。また、キューブに問い合せる際のパフォーマンスの問題の診断にも役立ちます。


参照:

『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』

Oracle Database 11g リリース1(11.1)のOracle OLAP

Oracle Database 11gのOLAPオプションについては、特にデータベースとの統合の深化、キューブ、セキュリティおよびメタデータへのSQLアクセスの強化において、Oracle9iとOracle Database 10gから引き続き開発が進められています。OLAPの機能は、SQLアプリケーションから簡単にアクセス可能です。また、Oracle Database 11gでは、リレーショナルOLAP(ROLAP)の実装のサマリー管理ソリューションとしてキューブを導入しています。

OLAPメタデータの統合

キューブおよびディメンションのメタデータはすべて、Oracleデータベースに格納され、データ・ディクショナリ・ビューで表示されるため、SQLでビジネス・モデル全体を問い合せることができます。データ・ディクショナリを使用してメタデータを格納すると、データベース内の次元モデルが正式に体系化され、メタデータの問合せが大幅に向上し、また、キューブやディメンションのSQLオブジェクト・セキュリティなど新しい機能がサポートされます。


参照:


キューブ・ビューとディメンション・ビューの自動メンテナンス

Oracle Database 11gでは、データベース内のすべてのキューブ、ディメンションおよび階層について、リレーショナル・ビューの作成とメンテナンスが自動的に行われます。計算済メジャーをキューブに追加するなど、次元オブジェクトを変更した場合、ビューはただちに再作成され、その変更が反映されます。Oracle Databaseは、CUBE_TABLEファンクションを使用して、これらのビューを定義します。これにより、SQLオプティマイザの拡張が可能となります。


参照:


キューブ・スクリプト

キューブ・スクリプトは、データのクリア、データのロード、集計、PL/SQLの実行、OLAP DMLの実行など、問合せ用のキューブを準備するコマンドを順序付けしたリストです。多くのアプリケーションでは、キューブ・スクリプトにより、キューブを処理するための手続き型プログラムを使用する必要がなくなります。

コストベースの集計

迅速な更新と均一な問合せのパフォーマンスが、OLAPオプションの2つの特徴です。コストベースの集計により、詳細な事前集計方法を実行してスパースなデータセットを非常に効率よく格納し、双方のパフォーマンスが強化されます。

計算式の構文

OLAP計算式は、SQL分析関数の構文を拡張したものです。この構文は、SQL開発者やDBAによく知られているため、独自のOLAP言語やAPIよりも容易に導入できます。

この構文を使用して、動的に計算されるファクトやメジャーなど、キューブに埋め込まれる計算を定義します。

キューブ・マテリアライズド・ビュー

キューブ・マテリアライズド・ビューは、Oracle Databaseの自動リフレッシュおよびクエリー・リライト機能を使用できるように拡張されたキューブです。

キューブ・マテリアライズド・ビューにより、詳細なリレーショナル表を問い合せるアプリケーションで、OLAPオプションの迅速な更新や問合せの機能を使用できます。サマリー・データが生成されてキューブに格納され、クエリー・リライトにより問合せが自動的にキューブ・マテリアライズド・ビューにリダイレクトされます。アプリケーションの問合せのパフォーマンスが向上します。

オブジェクトおよびデータのセキュリティ

Oracle Database 11gでは、OLAPのキューブおよびディメンションに対してオブジェクト・セキュリティとデータ・セキュリティの両方を導入しています。両方のタイプのセキュリティがデータベースのユーザーとロールに付与されます。

オブジェクト・セキュリティは、標準SQLのGRANTおよびREVOKE構文を使用して、アナリティック・ワークスペース、キューブ、ディメンションへのアクセスを制御します。

データ・セキュリティは、キューブやディメンションのデータへのアクセスを制御します。ディメンション・メンバー(キー)に対し、グローバルに、または特定のキューブを選択して、SELECTINSERTUPDATEおよびDELETE権限を付与することにより、キューブ内のデータへのアクセスを制御します。