ヘッダーをスキップ
Oracle® Warehouse Builderソースおよびターゲット・ガイド
11gリリース2 (11.2)
B61349-03
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

4 ゲートウェイを使用したOracle以外のデータ・ソースへの接続

ゲートウェイは、OracleおよびOracle以外のデータベースの透過的な接続を提供します。ゲートウェイを使用してデータベースを接続すると、Oracleデータベースのアクセスと同じようにアクセスできます。その結果、Oracle Warehouse Builderで使用できる任意の変換操作を使用して、ターゲット・データベースにロードする前にデータを変換できます。

Oracle Databaseゲートウェイを使用すると、SQL Server、Sybase、Informix、Teradata、DRDAなどの様々なOracle以外のデータベースに接続できます。DRDA接続性を使用すると、DB2データベースに接続できます。ゲートウェイには、各データベースの特定の接続エージェントが用意されています。たとえば、Sybaseデータ・ソースの場合、エージェントはSybase固有のゲートウェイです。このエージェントをインストールおよび構成して、2つのシステム間の通信をサポートする必要があります。データベースへのゲートウェイ接続を作成した後は、メタデータをOracle Warehouse Builderにインポートできます。


注意:

ゲートウェイを使用してOracle以外のデータベースからメタデータをインポートする前に、データベースの特定のゲートウェイがシステムにインストールされていることを確認してください。Oracle Databaseゲートウェイの詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。


関連項目:

様々なデータベースの特定のゲートウェイ・エージェントのインストール手順および詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/pls/db112/gateways


この章では、Oracle Warehouse BuilderがOracle Database Gatewaysを使用してデータベース同士を接続する方法について説明します。ゲートウェイによる接続に関する基本的な情報を提供し、最もよく使用されるソースとターゲットの例をいくつか紹介します。この章の内容は次のとおりです。

DB2データベースへの接続

DB2データベースへのゲートウェイ接続を作成するには、DRDAのOracle Databaseゲートウェイがインストールされていることを確認します。ゲートウェイ接続が確立されると、Oracleデータベースのアクセスと同じようにDB2データベースにアクセスできます。

DB2モジュールの作成

DB2データベースからメタデータをインポートするには、DRDAノードにモジュールを作成します。DRDAノードは、プロジェクト・ナビゲータの「データベース」ノードの下にあります。DRDAモジュールを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「DRDA」を右クリックし、「新規DRDAモジュール」を選択します。

    モジュールの作成ウィザードが表示されます。

  2. 名前と説明ページに、名前と説明(オプション)を入力し、モジュール・ステータスを選択します。

  3. 「接続情報」ページで、既存のロケーションを選択するか、「編集」をクリックして「Oracle以外のロケーションの編集」ダイアログ・ボックスを開いて新しいロケーションを作成します。

  4. サマリー・ページで、詳細を確認して「終了」をクリックします。

新しく作成したDB2モジュールを「DRDA」ノードで使用できます。

「Oracle以外のロケーションの編集」ダイアログ・ボックス

「接続タイプ」を選択して、「Host:Port:Service」「データベース・リンク」または「SQL*Net」を指定します。

Host:Port:Service

「Host:Port:Service」を選択した場合、次の接続詳細を入力します。

  • ユーザー名/パスワード: データベースにアクセスするユーザー名およびパスワード。

  • ホスト: データベースをホスティングしているコンピュータ。

  • ポート: データベースのSQLポート番号。DB2にアクセスするデフォルトのポート番号は、1111に設定されます。

  • サービス名: データベースのサービス名。

  • スキーマ: インポートするスキーマを参照して選択します。

データベース・リンク

「データベース・リンク」を選択した場合、次の接続詳細を入力します。

  • 元ロケーション: データベース・リンクが定義される既存のロケーション。

  • データベース・リンク名: データベース・リンクのオブジェクト名。

  • スキーマ: ソース・データが格納される、またはターゲット・オブジェクトがデプロイされるスキーマ。

SQL*Net

SQL*Netの場合、次の接続詳細を入力します。

  • ユーザー名: スキーマ・ロケーションにアクセスする権限を含むデータベース・ユーザー資格証明。

    ユーザー名を使用しないデータベースに接続する場合、仮のユーザー名の文字を入力します。

  • パスワード: ユーザー名に関連付けられたパスワード。

    パスワードを必要としないデータベースに接続する場合、仮のパスワードの文字を入力します。

  • ネット・サービス名: 事前に定義された接続の名前。

  • グローバル名の使用: database_name.database_domain形式のデータベース名およびドメインで構成されるデータベースの一意の名前。たとえば、db2.us.example.comは、us.example.comドメインのdb2データベースを識別します。異なるネットワークのデータベースに接続する場合、このオプションを選択します。

「接続テスト」をクリックして入力した詳細を確認し、「OK」をクリックして接続詳細を設定します。

SQL Serverデータベースへの接続

SQL Serverデータベースへのゲートウェイ接続を作成するには、SQL ServerのOracle Databaseゲートウェイがインストールされていることを確認します。

SQL Serverモジュールの作成

SQL Serverノードは、プロジェクト・ナビゲータの「データベース」ノードの下にあります。SQL Serverモジュールを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「SQL Server」を右クリックし、「新規SQL Serverモジュール」を選択します。

    モジュールの作成ウィザードが表示されます。

  2. 名前と説明ページに、名前と説明(オプション)を入力し、モジュール・ステータスを選択します。アクセス方法として「SQL Serverゲートウェイ」を選択します。

  3. 「接続情報」ページで、既存のロケーションを選択するか、「編集」をクリックして「Oracle以外のロケーションの編集」ダイアログ・ボックスを開いて新しいロケーションを作成します。

  4. サマリー・ページで、詳細を確認して「終了」をクリックします。

新しく作成したSQL Serverモジュールを「SQL Server」ノードで使用できます。

「Oracle以外のロケーションの編集」ダイアログ・ボックス

「接続タイプ」を選択して、「Host:Port:Service」「データベース・リンク」または「SQL*Net」を指定します。

Host:Port:Service

「Host:Port:Service」を選択した場合、次の接続詳細を入力します。

  • ユーザー名/パスワード: データベースにアクセスするユーザー名およびパスワード。

  • ホスト: データベースをホスティングしているコンピュータ。

  • ポート: データベースのSQLポート番号。SQL Serverにアクセスするデフォルトのポート番号は、1526に設定されます。

  • サービス名: データベースのサービス名。

  • スキーマ: インポートするスキーマを参照して選択します。

データベース・リンク

「データベース・リンク」を選択した場合、次の接続詳細を入力します。

  • 元ロケーション: データベース・リンクが定義される既存のロケーション。

  • データベース・リンク名: データベース・リンクのオブジェクト名。

  • スキーマ: ソース・データが格納される、またはターゲット・オブジェクトがデプロイされるスキーマ。

SQL*Net

SQL*Netの場合、次の接続詳細を入力します。

  • ユーザー名: スキーマ・ロケーションにアクセスする権限を含むデータベース・ユーザー資格証明。

    ユーザー名を使用しないデータベースに接続する場合、仮のユーザー名の文字を入力します。

  • パスワード: ユーザー名に関連付けられたパスワード。

    パスワードを必要としないデータベースに接続する場合、仮のパスワードの文字を入力します。

  • ネット・サービス名: 事前に定義された接続の名前。

  • グローバル名の使用: database_name.database_domain形式のデータベース名およびドメインで構成されるデータベースの一意の名前。たとえば、sqlserver.us.example.comは、us.example.comドメインのSQL Serverデータベースを識別します。異なるネットワークのデータベースに接続する場合、このオプションを選択します。

「接続テスト」をクリックして入力した詳細を確認し、「OK」をクリックして接続詳細を設定します。

ODBCデータ・ソースへの接続

Oracle Warehouse Builderを使用すると、Open Database Connectivity(ODBC)をサポートするデータ・ソースにアクセスできます。Oracle DatabaseのODBCサポートを使用して、これを実現します。特定のゲートウェイ・エージェントでサポートされていないデータ・ソースのODBCアクセスを使用できます。

ODBC接続性の設定

ODBC接続性は広範囲に使用できますが、Windowsプラットフォームのデータ・ソースの接続に最も一般的に使用されます。Oracle Database構成プロセスは、ODBCソースの接続と実質的に同じです。ソース・システムのODBC設定は、様々な環境で大幅に異なる場合があります。次に、システムDSNを使用してWindowsプラットフォームのソースにODBC接続性を設定する一般的な方法を示します。Windows以外のプラットフォームを使用している場合、ODBC設定に関するベンダーのドキュメントを参照してください。

ODBCドライバのインストール

データ・ソースへのODBC接続性を有効にするには、特定のデータ・ソースのODBCドライバを最初にインストールする必要があります。

システムDSNの作成

ドライバのインストール後、Microsoft ODBC Administratorを使用してシステムDSNを作成します。

  1. 「スタート」「設定」「コントロール パネル」、「管理ツール」、「データ ソース (ODBC)」を選択します。

    これにより、「ODBC データ ソース アドミニストレータ」ダイアログ・ボックスが開きます。

  2. 「システム DSN」タブにナビゲートし、「追加」をクリックして「データ ソースの新規作成」ダイアログ・ボックスを開きます。

  3. データ・ソースを設定するドライバを選択します。

    「完了」をクリックすると、「ODBC セットアップ」ダイアログ・ボックスが開きます。

  4. データ・ソースの名前およびデータ・ソースの他の関連する接続詳細を指定します。ここで入力する接続詳細は、データ・ソースのタイプによって異なります。

データベースの構成

次に、Oracle Databaseを構成してデータ・ソースに接続する必要があります。Oracle Warehouse Builderでは、この構成を使用してデータ・ソースからメタデータを抽出できます。内容は次のとおりです。

異機種間サービス初期化ファイルの作成

ODBC接続エージェントを構成するには、エージェントの異機種間サービス初期化ファイルを作成する必要があります。このファイルは、データベースのOWB_HOME\hs\adminディレクトリ内に作成します。

ファイル名はinitで開始し、拡張子は.oraです。initSID.oraという形式にします(SIDはODBCエージェントのシステムID)。このファイルに入力する値は、次のとおりです。

HS_FDS_CONNECT_INFO = DSN_NAME

DSN_NAMEは、システムDSNの作成中に入力するデータ・ソース名です。このファイルに入力する必要がある他の関連データは、接続するデータ・ソースによって異なります。

listener.oraファイルの構成

新しいSIDの説明をlistener.oraファイルに追加します。このファイルはOWB_HOME\network\adminディレクトリにあります。

SID_LIST_LISTENER =
  (SID_LIST =
    (SID_DESC =
      (SID_NAME = SID)
      (OWB_HOME = owbhome)
      (PROGRAM = program)
    )
    (SID_DESC =
      (SID_NAME = PLSExtProc)
      (OWB_HOME = owbhome)
      (PROGRAM = program)
      )
  )

SID_NAMEパラメータには、前の手順で作成した構成ファイルの名前が含まれている必要があります。ただし、init接頭辞は含まれません。たとえば、前の手順で作成した構成ファイルがinitdb2.oraの場合、SID_NAMEパラメータの値はdb2である必要があります。

OWB_HOMEは、データベース・インストールのOracleホーム・ロケーションを示します。

PROGRAMキーワードに関連付けられた値は、実行可能エージェントの名前を定義し、データ・ソースのタイプごとに異なります。

これらの変更を行った後、リスナー・サービスを再開します。

ODBC接続性の設定に含まれる手順は、すべてのデータ・ソースの手順と似ています。ただし、「システムDSNの作成」「異機種間サービス初期化ファイルの作成」および「listener.oraファイルの構成」の実行中に指定するデータは、データ・ソースごとに異なります。

ExcelワークシートおよびSQL Serverデータベースに接続する特定の例は、第5章「ODBC接続によるMicrosoftデータ・ソースへの接続」を参照してください。


関連項目:

Oracle Gatewayを使用した異機種間接続性の詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。

ODBCモジュールの作成

データ・ソースへのODBC接続性を設定した後、ODBCモジュールを作成して、このデータ・ソースからメタデータをインポートする必要があります。ODBCノードは、プロジェクト・ナビゲータの「データベース」ノードの下にあります。ODBCモジュールを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「ODBC」を右クリックし、「新規ODBCモジュール」を選択します。

    モジュールの作成ウィザードが表示されます。

  2. 名前と説明ページに、名前と説明(オプション)を入力し、モジュール・ステータスを選択します。

  3. 「接続情報」ページで既存のロケーションを選択するか、「編集」をクリックして「Oracle以外のロケーションの編集」ダイアログ・ボックスを開き、接続詳細を入力します。

  4. サマリー・ページで、詳細を確認して「終了」をクリックします。

新しく作成したODBCモジュールを「ODBC」ノードで使用できます。

「Oracle以外のロケーションの編集」ダイアログ・ボックス

「接続タイプ」を選択して、「Host:Port:Service」「データベース・リンク」または「SQL*Net」を指定します。

Host:Port:Service

「Host:Port:Service」を選択した場合、次の接続詳細を入力します。

  • ユーザー名/パスワード: Oracleデータベースに接続していないため、仮のユーザー名とパスワードを入力できます。

  • ホスト: データベースをホスティングしているコンピュータ。

  • ポート: データベースのSQLポート番号。

  • サービス名: listener.oraファイル内に指定するSID_NAME

  • スキーマ: スキーマからインポートしていない場合、このフィールドを空のままにできます。

データベース・リンク

「データベース・リンク」を選択した場合、次の接続詳細を入力します。

  • 元ロケーション: データベース・リンクが定義される既存のロケーション。

  • データベース・リンク名: データベース・リンクのオブジェクト名。

  • スキーマ: ソース・データが格納される、またはターゲット・オブジェクトがデプロイされるスキーマ。

SQL*Net

SQL*Netの場合、次の接続詳細を入力します。

  • ユーザー名: スキーマ・ロケーションにアクセスする権限を含むデータベース・ユーザー資格証明。

    ユーザー名を使用しないデータベースに接続する場合、仮のユーザー名の文字を入力します。

  • パスワード: ユーザー名に関連付けられたパスワード。

    パスワードを必要としないデータベースに接続する場合、仮のパスワードの文字を入力します。

  • ネット・サービス名: 事前に定義された接続の名前。

  • グローバル名の使用: database_name.database_domain形式のデータベース名およびドメインで構成されるデータベースの一意の名前。異なるネットワークのデータベースに接続する場合、このオプションを選択します。

「接続テスト」をクリックして入力した詳細を確認し、「OK」をクリックして接続詳細を設定します。

データベース・オブジェクトのインポート

DB2、SQL Serverまたは他の汎用ODBCデータベースへの接続を確立した後、データベースのデータ・オブジェクトからメタデータをインポートできます。インポートできるデータベース・オブジェクトは、表、ビューおよび順序です。データベース・オブジェクトをインポートする手順は、次のとおりです。

  1. 新しく作成したモジュールを右クリックし、「インポート」「データベース・オブジェクト」の順に選択します。

    インポート・メタデータ・ウィザードが表示されます。

  2. フィルタ情報ページで、インポートするオブジェクト・タイプを選択します。文字列パターンを指定して、オブジェクトの選択を絞り込むこともできます。

  3. 「選択されたオブジェクト」ページで、「使用可能」リストから「選択済」リストに必要なオブジェクトを移動します。「オブジェクトの検索」ボタンを使用して、「使用可能」リストのオブジェクトを検索します。また、依存オブジェクトをインポートするかどうかも指定します。

  4. サマリーとインポート・ページで、インポートするオブジェクトを確認します。「拡張インポート・オプション」をクリックして、「拡張インポート・オプション」ダイアログ・ボックスを開きます。デフォルトで、次のオプションが選択されます。

    • ワークスペースの追加列を保持

    • ワークスペースの追加制約を保持

    • 記述のインポート

    オプションを保持するか、選択を解除します。

これで、マッピングのインポートしたオブジェクトを使用して、データをロードできます。