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Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56289-08
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E CRSCTLユーティリティのリファレンス

この付録では、Oracle Clusterware制御(CRSCTL)ユーティリティを使用してOracle Clusterwareを管理する方法について説明します。


注意:

My Oracle Supportで指示された場合を除き、oraで始まる名前を持つOracleエンティティ(リソース、リソース・タイプ、サーバー・プールなど)でCRSCTLコマンドを使用しないでください。Oracleエンティティではサーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)を使用します。

内容は次のとおりです。

CRSCTLの概要

CRSCTLはユーザーとOracle Clusterwareのインタフェースであり、Oracle Clusterwareオブジェクト用のOracle Clusterware APIを解析およびコールします。

Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)にはクラスタ対応コマンドが導入されており、これらを使用して、チェック、起動、停止操作をクラスタで実行できます。これらのコマンドは、操作に応じてクラスタ内の任意のノードから、クラスタ内の別のノードで、またはクラスタ内のすべてのノードで実行できます。

CRSCTLコマンドを使用すると、次に示すいくつかの操作をOracle Clusterwareで実行できます。

  • Oracle Clusterwareリソースの起動および停止

  • Oracle Clusterwareデーモンの有効化および無効化

  • クラスタの状態のチェック

  • サード・パーティ製アプリケーションのリソースの管理

  • Intelligent Platform Management Interface(IPMI)とOracle Clusterwareとの統合による障害分離サポートおよびクラスタの整合性の実現

  • Oracle Clusterwareコンポーネントのデバッグ

クラスタ用に変更された(クラスタ対応)コマンド

あるノードでクラスタ対応コマンドを実行してクラスタ内の別のノードで操作を実行できます。これらの操作はリモート操作と呼ばれます。これによって、たとえば、すべてのノードのOracle Clusterwareのステータスをチェックするために各ノードにログインする必要がなくなるため、管理が簡素化されます。

クラスタ対応コマンドはオペレーティング・システムにはまったく依存しませんが、OHASD(Oracle高可用性サービス・デーモン)に依存します。このデーモンが実行されているときに、リモート・ノードの起動、停止、ステータスのチェックなどのリモート操作を実行できます。

クラスタ対応コマンドには次のコマンドがあります。

  • crsctl check cluster

  • crsctl start cluster

  • crsctl stop cluster

使用上の注意

使用方法

  • CRSCTLユーティリティは、Grid_home/binディレクトリに格納されています。CRSCTLコマンドを実行するには、次の例に示すように、オペレーティング・システム・プロンプトでまずcrsctl、次にコマンドおよび引数を入力します。

    crsctl stop crs
    
  • CRSCTLコマンドには3つのカテゴリがあります。

    • Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境またはOracle Restart環境のいずれかで使用するコマンド

    • Oracle RAC環境でのみ使用するコマンド

    • Oracle Restart環境でのみ使用するコマンド

  • 多くのCRSCTLコマンドでは、-fオプションを使用することによってチェックが無視されコマンドが強制実行されます。

    たとえば、あるリソースに対するcrsctl stop resourceコマンドに強制オプション指定すると、そのリソースが実行中であり、それを依存先としている依存リソースも実行中である場合、強制オプションはエラー・メッセージを省略し、かわりに、すべての依存リソースを停止または再配置してからコマンドに示すリソースを停止します。

  • Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)の管理に、11gリリース2(11.2)より前のバージョンのCRSCTLを使用しないでください

CRSCTLヘルプの使用

CRSCTLのヘルプ情報を出力するには、次のコマンドを使用します。

crsctl -help

startなどの特定のコマンドのヘルプを出力する場合は、次の例に示すように、コマンドを入力し、-helpを末尾に追加します。

crsctl start -help

-helpのかわりに省略形-hまたは-?を使用することもできます(このオプションはLinux、UNIXおよびWindows環境で機能します)。

非推奨のサブプログラムまたはコマンド

表E-1は、Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)で非推奨のコマンドおよびそれらの代替(同じまたは類似した機能を実行するのに使用可能)を示しています。これらのコマンドはOracle Restart環境ではサポートされません。

表E-1 非推奨のCRSCTLコマンドおよびその代替

非推奨コマンド 代替コマンド

crs_stat

crsctl check cluster -all

crsctl stat res -t

crs_register

crsctl add resource

crsctl add type

crsctl modify resource

crsctl modify type

crs_unregister

crsctl stop resource

crsctl modify resource resource_name -attr "AUTO_START=never"

crs_start

crsctl start resource

crsctl start crs

crsctl start cluster

crs_stop

crsctl stop resource

crsctl stop crs

crsctl stop cluster

crs_getperm

crsctl getperm resource

crsctl getperm type

crs_profile

crsctl add resource

crsctl add type

crsctl status resource

crsctl status type

crsctl modify resource

crsctl modify type

crs_relocate

crsctl relocate resource

crs_setperm

crsctl setperm resource

crsctl setperm type

crsctl check crsd

crsctl check crs

crsctl check cssd

crsctl check css

crsctl check evmd

crsctl check evm

crsctl debug res log resource_name:level

crsctl set log

crsctl set css votedisk

crsctl add css votedisk

crsctl delete css votedisk

crsctl query css votedisk

crsctl replace votedisk

crsctl start resources

crsctl start resource -all

crsctl stop resources

crsctl stop resource -all


CRSCTLのコマンド・リファレンス

この項では、CRSCTLコマンドを3つのカテゴリに分けて説明します。

デュアル環境のCRSCTLコマンド

Oracle RACまたはOracle Restart環境で次のコマンドを使用できます。

crsctl add resource

Oracle Clusterwareで管理するリソースを登録するには、crsctl add resourceコマンドを使用します。リソースには、アプリケーション・プロセス、データベース、サービス、リスナーなどがあります。

構文

crsctl add resource resource_name -type resource_type [-file file_path |
-attr "attribute_name=attribute_value,attribute_name=attribute_value,..."]
[-i] [-f]

パラメータ

表E-2 crsctl add resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

短く、わかりやすいリソース名。

-type resource_type

追加するリソースの種類。前に-typeフラグを付けます。

-file file_path

リソースを定義する属性名/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。

-attr "attribute_name=
attribute_value

追加するリソースの属性を2つの異なる方法で指定できます。

  • -attrフラグの後に、1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。次に例を示します。

    -attr "CHECK_INTERVAL=30,START_TIMEOUT=25"
    
  • また、特定のカーディナリティ値および特定の程度値を付加してリソース・インスタンスの属性値を指定できます。この方法は特定のサーバーに関連付けられるアプリケーションに役立ちます。-attrフラグの後の構文は次のとおりです。

    attribute_name{@SERVERNAME(server_name)
    [@DEGREEID(did)] | @CARDINALITYID(cid)
    [@DEGREEID(did)]}=attribute_value
    

    @SERVERNAME(server_name)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、指定したサーバーに存在するリソース・インスタンスに限定されます。

    または、@CARDINALITYID(cid)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、特定のカーディナリティID(cid)を持つリソース・インスタンスに限定されます。

    必要に応じて、@DEGREEID(did)構文をSERVERNAMEまたはCARDINALITYID構文のいずれか、または両方と組み合せて、特定のDEGREEが設定されているリソースに属性値を限定することができます。

    CHECK_INTERVAL@SERVERNAME(node1)=45
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@SERVERNAME(node1)@DEGREEID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(3)@DEGREEID(2)=65
    
-i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

次の場合に強制オプションを使用します。

  • まだ存在しない他のリソースに依存するリソースを追加する場合。強制オプションによってチェックが無効になるため、コマンドの完了が妨げられません。

  • 他のリソースへのhard依存性がリソースに設定されており、1つ以上の依存性に対する実行権限がリソース所有者にない状態でリソースを追加する場合。この場合には、強制オプションを指定しないとエラーが表示されます。

  • 汎用サーバー・プールにサーバーを移動する必要がある場合があり、このために、applicationタイプのリソースを追加する場合。停止する必要のあるリソースがサーバーで現在ホスティングされている場合、強制オプションが必要です。



関連項目:

リソースおよびリソース属性の詳細は、付録B「Oracle Clusterwareのリソース・リファレンス」を参照してください。

使用上の注意

  • resource_nameパラメータおよび-type resource_typeパラメータのどちらも必須です。関連付けられたリソース・タイプをcrsctl add typeを使用して作成できます。

  • 任意のユーザーがリソースを作成できますが、SERVER_POOLS=*が設定されているlocal_resourceタイプのリソースまたはcluster_resourceタイプのリソースを作成できるのはクラスタウェア管理者のみです。

    リソースの定義後、どのユーザーがリソースに関する特定の操作を実行できるかはACLによって制御されます。Oracle Clusterware管理者のリストは影響しなくなります。

    Windowsでは、管理者グループのメンバーがすべてを完全に制御できます。


    関連項目:

    ACLの詳細は、「crsctl setperm resource」を参照してください。

  • 属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。

  • 属性ファイルの例を次に示します。

    PLACEMENT=favored
    HOSTING_MEMBERS=node1 node2 node3
    RESTART_ATTEMPTS@CARDINALITYID(1)=0
    RESTART_ATTEMPTS@CARDINALITYID(2)=0
    FAILURE_THRESHOLD@CARDINALITYID(1)=2
    FAILURE_THRESHOLD@CARDINALITYID(2)=4
    FAILURE_INTERVAL@CARDINALITYID(1)=300
    FAILURE_INTERVAL@CARDINALITYID(2)=500
    CHECK_INTERVAL=2
    CARDINALITY=2
    
  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

例1

Oracle Clusterwareを使用してVIPをリソースとして登録するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl add resource app.appvip -type app.appvip.type -attr "RESTART_ATTEMPTS=2,
START_TIMEOUT=100,STOP_TIMEOUT=100,CHECK_INTERVAL=10,
USR_ORA_VIP=172.16.0.0,
START_DEPENDENCIES=hard(ora.net1.network)pullup(ora.net1.network),
STOP_DEPENDENCIES=hard(ora.net1.network)"

例2

test_type1リソース・タイプに基づくリソースを登録するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl add resource r1 -type test_type1 -attr "PATH_NAME=/tmp/r1.txt"
$ crsctl add resource r1 -type test_type1 -attr "PATH_NAME=/tmp/r2.txt"

crsctl add type

Oracle Clusterwareでリソース・タイプを作成するには、crsctl add typeコマンドを使用します。

構文

crsctl add type type_name -basetype base_type_name {-attr
"ATTRIBUTE=attribute_name | -file file_path,TYPE={string | int}
 [,DEFAULT_VALUE=default_value][,FLAGS=[READONLY][|REQUIRED]]"}

パラメータ

表E-3 crsctl add typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
type_name

xxx.yyy.typeの書式のリソース・タイプ名。リソース・タイプの名前は一意である必要があり、リソース・タイプの登録後は変更できません。

-basetype base_type_name

ベースになる既存のタイプの名前。作成するリソース・タイプのベースになるリソース・タイプは、local_resourceまたはcluster_resourceのいずれかである必要があります。

-attr

-attr引数を使用してリソース・タイプ属性を指定できます。各タイプ属性定義には最大4つのタイプ属性キーワードを含めることができ、それらはここに示す順序で表示される必要があります。1つ以上のリソース・タイプ属性の説明をカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで入力します。属性のキーワードは次のとおりです。

  1. ATTRIBUTE: 属性の名前を指定します。名前では大/小文字が区別され、空白は使用できません。

  2. TYPE: 属性のタイプがintegerstringかを指定します。

  3. DEFAULT_VALUE: (オプション)属性が必須である場合、デフォルト値は不要です。必須でない属性の場合は、このリソース・タイプに基づいてリソースを作成する際にOracle Clusterwareによって使用されるデフォルト値を指定する必要があります。

  4. FLAGS: (オプション)属性がREADONLYREQUIREDかを指定します。READONLYは、このリソース・タイプのリソースを登録した後、この属性を変更できないことを意味します。

    REQUIREDは、このリソース・タイプに基づくリソースを作成するときに、この属性の名前および値を指定する必要があることを意味します。この属性は必須でないと指定した場合、Oracle Clusterwareではこの属性に指定されたデフォルト値が使用されます。

複数の-attr引数を使用して、このリソース・タイプに複数の引数を定義することはできません。かわりに、-attrフラグの後の二重引用符の中に複数のタイプを指定できます。次に例を示します。

"ATTRIBUTE=FOO,TYPE=integer,DEFAULT_
VALUE=0,FLAGS=REQUIRED,ATTRIBUTE=BAR,TYPE=string"

前述の例では、2つのタイプ属性(FOOおよびBAR)を定義しています。ATTRIBUTEキーワードを指定すると、前のタイプ属性(存在する場合)が終わり、新しいタイプ属性が始まります。

-file file_path

リソース・タイプを定義するリソース・タイプのキーワード/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。ファイルの内容の例は、次のとおりです。

ATTRIBUTE=FOO
TYPE=integer
DEFAULT_VALUE=0
FLAGS=REQUIRED
ATTRIBUTE=BAR
TYPE=string

注意: キーワードは、ATTRIBUTETYPEDEFAULT_VALUEおよびFLAGSの順序である必要があります。ATTRIBUTEキーワードを指定すると、前のタイプ属性(存在する場合)が終わり、新しいタイプ属性が始まります。

前述の例では、2つのタイプ属性(FOOおよびBAR)を定義しています。



関連項目:

リソース・タイプの詳細は、「リソース・タイプ」を参照してください。

使用上の注意

  • type_nameパラメータおよびbase_type_nameパラメータのどちらも必須です。

  • タイプ情報を含むファイルを指定するか、またはコマンドラインにタイプ情報を指定することができます。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

  • ベースとなるタイプに対する読取り権限が必要です。

demoActionScriptのリソース・タイプを作成するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add type test_type1 -basetype cluster_resource 
 -attr "ATTRIBUTE=FOO,TYPE=integer,DEFAULT_VALUE=0"

crsctl check css

クラスタ同期サービスのステータスをチェックするには、crsctl check cssコマンドを使用します。このコマンドを最も頻繁に使用するのは、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)がローカル・サーバーにインストールされている場合です。

構文

crsctl check css

使用上の注意

  •  

crsctl check cssコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online

crsctl check evm

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、イベント・マネージャのステータスをチェックするには、crsctl check evmコマンドを使用します。

構文

crsctl check evm

使用上の注意

  •  

crsctl check evmコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4533: Event Manager is online

crsctl delete resource

Oracle Clusterwareの構成からリソースを削除するには、crsctl delete resourceコマンドを使用します。

構文

crsctl delete resource resource_name [-i] [-f]

パラメータ

表E-4 crsctl delete resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

削除するリソースの名前を指定します。

-i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

実行中のリソースを削除する場合、または他のリソースがこのリソースにhard依存性を持っていてもこのリソースを削除する場合、強制オプションを使用します。


使用上の注意

  • resource_nameパラメータは必須です。

  • 指定したリソースを削除するには、読取りおよび書込み権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

Oracle Clusterwareからリソースを削除するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl delete resource myResource

crsctl delete type

Oracle Clusterwareの構成からリソース・タイプを削除するには、crsctl delete typeコマンドを使用します。

構文

crsctl delete type type_name [-i]

使用上の注意

  • type_nameパラメータは必須です。

  • -iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

リソース・タイプを削除するには、そのリソース・タイプに対する書込み権限を持つユーザーとして次のコマンドを実行します。

$ crsctl delete type app.appvip.type

crsctl get hostname

ローカル・サーバーのホスト名を取得するには、crsctl get hostnameコマンドを使用します。

構文

crsctl get hostname

Oracle Clusterwareによってローカル・サーバーのホスト名が戻されます。

$ crsctl get hostname
node2

crsctl getperm resource

指定したリソースに対するユーザー権限およびグループ権限を表示するには、crsctl getperm resourceコマンドを使用します。

構文

crsctl getperm resource resource_name [ {-u user_name | -g group_name} ]

関連項目:

リソースおよびリソース属性の詳細は、付録B「Oracle Clusterwareのリソース・リファレンス」を参照してください。

パラメータ

表E-5 crsctl getperm resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

権限を取得するリソースの名前を指定します。

-u user_name

-uを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のユーザーの権限が取得されます。

-g group_name

-gを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のグループの権限が取得されます。


使用上の注意

  • resource_nameパラメータは必須です。

  • 指定したリソースの権限を取得するには、それらのリソースに対する読取り権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

crsctl getperm resourceコマンドでは、選択するコマンド・オプションに応じて次のような出力が戻されます。

$ crsctl getperm resource app.appvip

Name: app.appvip
owner:root:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--
$ crsctl getperm resource app.appvip -u oracle

Name: app.appvip
rwx
$ crsctl getperm resource app.appvip -g dba

Name: app.appvip
r--

crsctl getperm type

特定のリソース・タイプの権限を取得するには、crsctl getperm typeコマンドを使用します。

構文

crsctl getperm type resource_type  [-u user_name] | [-g group_name]

関連項目:

リソース・タイプの詳細は、「リソース・タイプ」を参照してください。

パラメータ

表E-6 crsctl getperm typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_type

権限を取得するリソース・タイプを指定します。

-u user_name

-uを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のユーザーの権限が取得されます。

-g group_name

-gを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のグループの権限が取得されます。


使用上の注意

  • resource_typeパラメータは必須です。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

crsctl getperm typeコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl getperm type app.appvip.type

Name: app.appvip.type
owner:root:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--

crsctl modify resource

Oracle Clusterwareの特定のリソースの属性を変更するには、crsctl modify resourceコマンドを使用します。

構文

crsctl modify resource resource_name -attr "attribute_name=attribute_value"
[-i] [-f] [-delete]

パラメータ

表E-7 crsctl modify resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

変更するリソースの名前。

-attr "attribute_name=
attribute_value"

変更するリソースの属性を2つの異なる方法で指定できます。

  • -attrフラグの後に、変更対象の1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。次に例を示します。

    -attr "CHECK_INTERVAL=30, START_TIMEOUT=25"
    
  • または、特定のカーディナリティ値および特定の程度値を付加して特定のサーバーに存在するリソースの属性値を指定できます。この方法は特定のサーバーに何らかの方法で関連付けられるアプリケーションに役立ちます。-attrフラグの後の構文は次のとおりです。

    attribute_name{@SERVERNAME(server_name)
    [@DEGREEID(did)] | @CARDINALITYID(cid)
    [@DEGREEID(did)]}=attribute_value
    

    @SERVERNAME(server_name)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、指定したサーバーに存在するリソースに限定されます。

    または、@CARDINALITYID(cid)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、特定のカーディナリティID(cid)を持つリソース・インスタンスに限定されます。

    必要に応じて、@DEGREEID(did)構文をSERVERNAMEまたはCARDINALITYID構文のいずれか、または両方と組み合せて、特定のDEGREEが設定されているリソースに属性値を限定することができます。

    CHECK_INTERVAL@SERVERNAME(node1)=45
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@SERVERNAME(node1)@DEGREEID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(3)@DEGREEID(2)=65
    
-i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

次の場合に-fオプションを使用します。

  • 存在しないリソースへのhard依存性がリソースに設定されている場合

  • 1つ以上のhard依存性に対する実行権限がリソース所有者にない場合

  • 変更によってサーバーが汎用プールに移動され、サーバーの移動を完了するためにリソースが停止または再配置される場合

-delete

-deleteオプションを使用すると、指定した属性がOracle Clusterwareによって削除されます。



関連項目:

リソースおよびリソース属性の詳細は、付録B「Oracle Clusterwareのリソース・リファレンス」を参照してください。

使用上の注意

  • resource_nameパラメータは必須です。

  • 属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。次に例を示します。

    "START_DEPENDENCIES='hard(res1,res2,res3)'"
    
  • 指定したリソースを変更するには、それらのリソースに対する読取りおよび書込み権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

appsvipリソースの属性を変更するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl modify resource appsvip -attr USR_ORA_VIP=10.1.220.17 -i

crsctl modify type

既存のリソース・タイプを変更するには、crsctl modify typeコマンドを使用します。

構文

crsctl modify type type_name -attr "ATTRIBUTE=attribute_name,TYPE={string | int}
[,DEFAULT_VALUE=default_value [,FLAGS=[READONLY][| REQUIRED]]" [-i] [-f]]

パラメータ

表E-8 crsctl modify typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
type_name

変更するリソース・タイプの名前を指定します。複数のリソース・タイプの名前は変更できません。

-attr

次のリソース・タイプ・キーワードを変更できます。

  • TYPE

  • DEFAULT_VALUE

  • FLAGS

注意: ATTRIBUTEキーワードは、指定する必要がありますが、変更することはできません

関連項目: これらのキーワードの詳細は、表E-3「crsctl add typeコマンドのパラメータ」を参照してください。

-i

-iオプションを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。



関連項目:

リソース・タイプの詳細は、「リソース・タイプ」を参照してください。

使用上の注意

  • type_nameパラメータは必須です。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

次の例では、2つのタイプ属性(FOOおよびBAR)を変更します。

$ crsctl modify type myType.type -attr "ATTRIBUTE=FOO,DEFAULT_VALUE=0
ATTRIBUTE=BAR,DEFAULT_VALUE=baz"

crsctl setperm resource

特定のリソースに権限を設定するには、crsctl setperm resourceコマンドを使用します。

構文

crsctl setperm resource resource_name {-u acl_string | -x acl_string |
-o user_name | -g group_name}

パラメータ

表E-9 crsctl setperm resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

権限を設定するリソースの名前を指定します。

{-u | -x | -o | -g}

リソースには次の権限のうち1つのみを設定できます。

  • -u acl_string: リソースのアクセス制御リスト(ACL)を更新できます。

  • -x acl_string: リソースのACLを削除できます。

  • -o user_name: ユーザー名を入力することによってリソースの所有者を変更できます。

  • -g group_name: グループ名を入力することによってリソースのプライマリ・グループを変更できます。

ユーザー、グループ、他のACL文字列は次のように指定します。

user:user_name[:readPermwritePermexecPerm] |
group:group_name[:readPermwritePermexecPerm] |
other[::readPermwritePermexecPerm]
  • user: ユーザーACL

  • group: グループACL

  • other: その他のACL

  • readPerm: リソースに対する読取り権限。文字rはユーザー、グループ、その他の読取り権限を付与し、マイナス記号(-)は読取り権限を付与しません。

  • writePerm: リソースに対する書込み権限。文字wはユーザー、グループ、その他の書込み権限を付与し、マイナス記号(-)は書込み権限を付与しません。

  • execPerm: リソースに対する実行権限。文字xはユーザー、グループ、その他の実行権限を付与し、マイナス記号(-)は実行権限を付与しません。



関連項目:

リソースおよびリソース属性の詳細は、付録B「Oracle Clusterwareのリソース・リファレンス」を参照してください。

使用上の注意

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

  • 権限を設定するには、指定したリソースに対する読取りおよび書込み権限が必要です。

リソースに対する読取り、書込み、および実行権限をユーザーScottに付与するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl setperm resource myResource -u user:scott:rwx

crsctl setperm type

特定のリソース・タイプの権限リソースを設定するには、crsctl setperm typeコマンドを使用します。

構文

crsctl setperm type resource_type_name {-u acl_string | -x acl_string |
-o user_name | -g group_name}

パラメータ

表E-10 crsctl setperm typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_type_name

権限を設定するリソース・タイプの名前を指定します。

{-u | -x | -o | -g}

リソース・タイプには次のパラメータのうち1つのみを指定できます。

  • -u acl_string: リソース・タイプのアクセス制御リスト(ACL)を更新できます。

  • -x acl_string: リソース・タイプのACLを削除できます。

  • -o user_name: ユーザー名を入力することによってリソース・タイプの所有者を変更できます。

  • -g group_name: グループ名を入力することによってリソース・タイプのプライマリ・グループを変更できます。

ユーザー、グループ、他のACL文字列は次のように指定します。

user:user_name[:readPermwritePermexecPerm] |
group:group_name[:readPermwritePermexecPerm] |
other[::readPermwritePermexecPerm]
  • user: ユーザーACL

  • group: グループACL

  • other: その他のACL

  • readPerm: リソース・タイプに対する読取り権限。文字rはユーザー、グループ、その他の読取り権限を付与し、マイナス記号(-)は読取り権限を付与しません。

  • writePerm: リソース・タイプに対する書込み権限。文字wはユーザー、グループ、その他の書込み権限を付与し、マイナス記号(-)は書込み権限を付与しません。

  • execPerm: リソース・タイプに対する実行権限。文字xはユーザー、グループ、その他の実行権限を付与し、マイナス記号(-)は実行権限を付与しません。


使用上の注意

  • resource_type_nameパラメータは必須です。

  • 権限を設定するには、指定したリソースに対する読取りおよび書込み権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソース・タイプはOracleリソース・タイプであるため、これらのリソース・タイプにはこのコマンドを使用しないでください。

リソース・タイプに対する読取り、書込み、および実行権限をユーザーScottに付与するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl setperm type resType -u user:scott:rwx

crsctl start resource

クラスタ内の特定のサーバーに存在するアイドル状態の多数のリソースを起動するには、crsctl start resourceコマンドを使用します。

構文

crsctl start resource {resource_name [...] | -w filter | -all} [-n server_name]
[-k cid] [-d did] [-env "env1=val1,env2=val2,..."] [-i] [-f]

パラメータ

表E-11 crsctl start resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...]

空白区切りの1つ以上の起動対象のリソース名。

-w filter

Oracle Clusterwareによってリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定します。

-all

クラスタ内のすべてのリソースを起動する場合に、このオプションを使用します。

-n server_name

起動するリソースが存在するサーバーの名前を指定します。サーバーを指定しない場合、Oracle Clusterwareでは各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバー上のリソースが起動されます。

-k cid

リソースのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって起動されます。

-d did

リソースの程度IDを指定します。このパラメータに1より大きい程度IDを指定すると、この基準を満たすすべてのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって起動されます。

注意: -kオプションを指定せずに-dオプションを使用することはできません。

-env "env1=val1,
env2=val2,..."

必要に応じて、-envコマンド・オプションを使用して、1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

-i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

起動するリソースが別のサーバーで実行中であり、そのサーバーに対するhard起動依存性が定義されている場合、-fオプションを使用してそのリソースを再配置します。この場合には、強制オプションを指定しないとstartコマンドが失敗します。


使用上の注意

  • 起動対象のリソースを指定するには、次の3つの方法のいずれかを使用する必要があります。

    • 起動対象の1つ以上のリソースを指定します。

    • Oracle Clusterwareによって起動対象のリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定します。

    • -allオプションを指定することによって、指定したサーバー上のすべてのリソースを起動します。

  • 指定したリソースを起動するには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

リソースを起動するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl start resource myResource -n server1

crsctl status resource

多くの特定のリソースのステータスおよび構成情報を取得するには、crsctl status resourceコマンドを使用します。

構文

crsctl status resource {resource_name [...] | -w "filter"}  [-p | -v [-e]] |
[-f | -l | -g] [[-k cid | -n server_name] [-d did]] | [-s -k cid [-d did]] [-t]

パラメータ

表E-12 crsctl status resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...] |
-w "filter"

ステータスのチェック対象である空白区切りの1つ以上のリソース名。

または、表示されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定することもできます。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。値にカッコまたは空白が含まれる場合、一重引用符('')で囲む必要があります。演算子は空白で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを表示するように制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを表示するように制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを表示するように制限します。

  • "START_DEPENDENCIES = 'hard(appsvip)'": このフィルタはappsvipリソースに対するhard起動依存性を持つリソースを表示するように制限します。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

[-p | -v [-e]] | [-f | -l | -g]

[-p | -v [-e]][-f | -l | -g]の2つのオプションのうちいずれかを指定できます。それぞれ次の場合に指定します。

  • リソースの静的な構成を表示する場合は-pパラメータを指定し、リソースの実行時の構成を表示する場合は-vパラメータを指定します。リソース・インスタンスの特別な値を評価するには、-vパラメータとともに-eパラメータを使用します。

  • リソースのすべての構成を表示する場合は-fパラメータを、リソースのすべてのカーディナル値および程度値を表示する場合は-lパラメータを、指定したリソースが登録されているかどうかをチェックする場合は-gパラメータを指定します。

[-k cid | 
-n server_name] [-d did |
[-s -k cid [-d did]]]

[-k cid | -n server_name]と[-s -k cid [-d did]]の2つのオプションのうちいずれかを指定できます。それぞれ次の場合に指定します。

  • 問合せ対象のリソースのカーディナリティIDを指定する場合は-k cidを指定します。または、-nパラメータを指定して、リソースをチェックする特定のサーバーを指定できます。必要に応じて-nパラメータとともに-dパラメータを指定して、チェックするリソースの程度IDを指定できます。1より大きい程度IDを指定すると、この基準を満たすサーバー上のすべてのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによってチェックされます。

  • 再配置対象のサーバーのリストを取得する場合は、-kパラメータとともに-sパラメータを指定します。-dパラメータとともに程度IDを指定することによって、出力をさらに制限できます。

-t

表形式で出力を表示する場合は-tパラメータを指定します。


使用上の注意

  • リソースの空白区切りのリストまたはリソース・フィルタのいずれかが必要です。

  • 指定したリソースのステータスを取得するには、それらのリソースに対する読取り権限が必要です。

  • クラスタにデプロイされている任意のリソースのステータス情報を問い合せるには、crsctl status resourceを使用します。ただし、Oracle(ora.*)リソースのステータス情報を問い合せる場合は、対応するSRVCTLコマンドを使用することをお薦めします。

crsctl status resourceコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl status resource ora.staii14.vip

NAME=ora.staii14.vip
TYPE=ora.cluster_vip_net1.type
TARGET=ONLINE
STATE=ONLINE on staii14

crsctl status type

1つ以上の特定のリソース・タイプの構成情報を取得するには、crsctl status typeコマンドを使用します。

構文

crsctl status type resource_type_name [...]] [-g] [-p] [-f]

パラメータ

表E-13 crsctl status typeコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
[resource_type_name [...]

ステータスのチェック対象である1つ以上のリソース・タイプ名を空白区切りで指定します。

-g] [-p] [-f

Oracle Clusterwareで特定のサーバー・プールのステータスをチェックする場合のオプションとして、次のパラメータを指定できます。

  • -g: 指定したリソース・タイプが登録されているかどうかをチェックする場合にこのパラメータを使用します。

  • -p: 指定したリソース・タイプの静的な構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • -f: リソース・タイプのすべての構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。


使用上の注意

  • resource_type_nameパラメータまたはフィルタは必須です。

crsctl status typeコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl status type ora.network.type

TYPE_NAME=ora.network.type
BASE_TYPE=ora.local_resource.type

crsctl stop resource

実行中のリソースを停止するには、crsctl stop resourceコマンドを使用します。

構文

crsctl stop resource {resource_name [...] | -w "filter" | -all} [-n server_name]
[-k cid] [-d did] [-env "env1=val1,env2=val2,..."] [-i] [-f]

パラメータ

表E-14 crsctl stop resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name [...]

空白区切りの1つ以上の停止対象のリソース名。

-w "filter"

停止されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを停止するようにOracle Clusterwareを制限します。

-all

クラスタ内のすべてのリソースを停止する場合にこのオプションを使用します。

-n server_name

停止するリソース・インスタンスが存在するサーバーの名前を指定します。サーバーを指定しない場合、Oracle Clusterwareではリソースのすべてのインスタンスが停止されます。

-k cid

リソースのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって停止されます。

-d did

リソースの程度IDを指定します。このパラメータに1より大きい程度IDを指定すると、この基準を満たすすべてのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって停止されます。

-env "env1=val1,
env2=val2,..."

必要に応じて、-envコマンド・オプションを使用して、1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

-i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

停止対象のリソースに依存している他のリソースが実行中である場合に停止対象のリソースを強制的に停止するには、-fオプションを指定します。このオプションを使用すると、依存リソースは再配置または停止されます。


使用上の注意

  • 停止対象のリソースを指定するには、次の3つの方法のいずれかを使用する必要があります。

    • 停止対象の1つ以上のリソースを指定します。

    • Oracle Clusterwareによって停止対象のリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定します。

    • 特定のサーバーのすべてのリソースを停止するには、-n server_nameオプションとともに-allオプションを指定します。

  • 指定したリソースを停止するには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

リソースを停止するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl stop resource -n node1 -k 2

Oracle RAC環境のCRSCTLコマンド

この項に示すコマンドは、次のもので構成されるOracle RAC環境のOracle Clusterwareスタックを管理します。

  • Oracle Clusterware、メンバー・ノードおよびサーバー・プール

  • Oracle ASM(インストールされている場合)

  • クラスタ同期サービス

  • クラスタ時刻同期化サービス

次のコマンドはOracle RAC環境でのみ使用できます。

crsctl add crs administrator

クラスタ管理者のリストにユーザーを追加するには、crsctl add crs administratorコマンドを使用します。

構文

crsctl add crs administrator -u user_name [-f]

パラメータ

表E-15 crsctl add crs administratorコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-u user_name

Oracle Clusterware管理権限の付与対象のユーザー名。

-f

ユーザー名の妥当性チェックを無視するには、このオプションを使用します。


使用上の注意

  • このコマンドは、rootまたはクラスタ管理者として、またはWindowsシステムの場合、管理者として実行する必要があります。

  • デフォルトでは、root、Oracle Clusterwareをインストールしたユーザーおよび*ワイルドカードが、Oracle Clusterware管理権限を持つユーザーのリストのメンバーです。ワイルドカードを削除し、Oracle Clusterwareのロール別管理を有効にするには、crsctl delete crs administratorコマンドを実行します。


    関連項目:

    詳細は、「ロール別管理」を参照してください。

Oracle Clusterware管理者のリストにユーザーを追加するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add crs administrator -u scott

crsctl add css votedisk

Oracle ASMディスク・グループ以外のストレージ・デバイス上のクラスタに1つ以上の投票ディスクを追加するには、crsctl add css votediskコマンドを使用します。

構文

crsctl add css votedisk path_to_voting_disk [path_to_voting_disk ...] [-purge]

パラメータ

表E-16 crsctl add css votediskコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
path_to_voting_disk

追加する投票ディスクへの完全修飾されたパス。複数の投票ディスクを追加するには、各パスを空白で区切ります。

-purge

既存のすべての投票ディスクを一度に削除します。投票ファイルの既存のセットを1つの操作で置換できます。


使用上の注意

  • 外部冗長性を提供するディスク・アレイなどのストレージ・デバイスを持たないかぎり、3つ以上の投票ディスクを使用する必要があります。6つ以上の投票ディスクは使用しないことをお薦めします。サポートされる投票ディスクの最大数は15です。


関連項目:

詳細は、「投票ディスクの追加、削除または移行」を参照してください。

クラスタに投票ディスクを追加するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl add css votedisk /stor/grid/ -purge

crsctl add serverpool


注意:

デフォルトでは、すべての名前付きユーザーがサーバー・プールを作成できます。この権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーを制限するには、特定のユーザーをCRS管理者リストに追加することをお薦めします。


関連項目:

CRS管理者のリストへのユーザーの追加の詳細は、「ロール別管理」を参照してください。

データベース以外のリソース(アプリケーション・サーバーなど)をホスティングするためのサーバー・プールをOracle Clusterwareに追加するには、crsctl add serverpoolコマンドを使用します。

構文

crsctl add serverpool server_pool_name {-file file_path | 
                  -attr "attr_name=attr_value[,attr_name=attr_value[,...]]"}
                  [-i] [-f]

パラメータ

表E-17 crsctl add serverpoolコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_pool_name

短く、わかりやすいサーバー・プール名。

-file file_path

サーバー・プールを定義する属性ファイルへの完全修飾されたパス。

attribute_name

サーバー・プールを管理するのにOracle Clusterwareが使用するサーバー・プール属性の名前で、前に-attrフラグを付けます。使用可能な属性名は次のとおりです。

  • IMPORTANCE

  • MIN_SIZE

  • MAX_SIZE

  • SERVER_NAMES

  • PARENT_POOLS

  • EXCLUSIVE_POOLS

  • ACL

  • ACTIVE_SERVERS

attribute_value

サーバー・プール属性の値。

注意: attribute_nameパラメータおよびattribute_valueパラメータは、カンマで区切って二重引用符("")で囲む必要があります。次に例を示します。

-attr "MAX_SIZE=30, IMPORTANCE=3"
-i

-iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

-f

-fオプションを指定すると、Oracle Clusterwareでは別のサーバー・プール内のサーバーで実行中のリソースが停止され、追加対象のサーバー・プールにそのサーバーが再配置されます。-fオプションを指定しない場合、Oracle Clusterwareでは、サーバー・プールを作成した結果、追加対象のサーバー・プールにサーバーを渡す別のサーバー・プール内のサーバーで、リソースが停止されるかどうかがチェックされます。その場合、Oracle Clusterwareではcrsctl add serverpoolコマンドが拒否されます。


使用上の注意

  • server_pool_nameパラメータは必須です。

  • 属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。

  • oraで始まる名前を持つサーバー・プールはOracleのサーバー・プールであるため、これらのサーバー・プールにはこのコマンドを使用しないでください。

  • このコマンドを実行すると、新しい構成に適合するように、Oracle Clusterwareによって他のサーバーがサーバー・プール間で再配置されることがあります。

  • このコマンドは、rootまたはクラスタ管理者で実行する必要があります。

  • データベース以外のリソースをホスティングするサーバー・プールを作成するには、crsctl add serverpoolコマンドを使用します。Oracle Databaseをホスティングするサーバー・プールを作成するには、SRVCTLコマンド・ユーティリティを使用します。


    関連項目:

    SRVCTLコマンド・ユーティリティを使用したサーバー・プールの作成の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

例1

サーバーの最大サイズが5であるtestspというサーバー・プールを追加するには、rootまたはOracle Clusterwareインストール所有者として次のコマンドを実行します。

# crsctl add serverpool testsp -attr "MAX_SIZE=5"

例2

sp1サーバー・プールの属性値を行ごとに記載したsp1_attrファイルを作成します。次に例を示します。

IMPORTANCE=1
MIN_SIZE=1
MAX_SIZE=2
SERVER_NAMES=node3 node4 node5
PARENT_POOLS=Generic
EXCLUSIVE_POOLS=testsp
ACL=owner:oracle:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--

入力としてsp1_attrファイルを使用してsp1サーバー・プールを作成するには、次のコマンドを使用します。

$ crsctl add serverpool sp1 -file /tmp/sp1_attr

crsctl check cluster

Oracle Clusterwareスタックのステータスをチェックするには、クラスタ内の任意のノードでcrsctl check clusterコマンドを使用します。

構文

crsctl check cluster [-all | [-n server_name [...]]

使用上の注意

  • -allオプションを使用してクラスタ内のすべてのノードでOracle Clusterwareスタックのステータスをチェックするか、1つ以上のノードを空白区切りで指定できます。どちらのオプションも指定しない場合、Oracle Clusterwareはローカル・サーバーのOracle Clusterwareスタックのステータスをチェックします。

  • クラスタ内の任意のノードでこのクラスタ対応コマンドを使用できます。

crsctl check clusterコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl check cluster -all
*****************************************************************
node1:
CRS-4537: Cluster Ready Services is online
CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online
CRS-4533: Event Manager is online
*****************************************************************
node2:
CRS-4537: Cluster Ready Services is online
CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online
CRS-4533: Event Manager is online
*****************************************************************

crsctl check crs

Oracle高可用性サービスのステータスおよびローカル・サーバーのOracle Clusterwareスタックのステータスをチェックするには、crsctl check crsコマンドを使用します。

構文

crsctl check crs

ローカル・サーバーのOracle Clusterwareの状態をチェックするには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl check crs
CRS-4638: Oracle High Availablity Services is online
CRS-4537: Cluster Ready Services is onlin
CRS-4529: Cluster Synchronization Services is online
CRS-4533: Event Manager is online

crsctl check resource

特定のリソースのアプリケーション固有のエージェントでcheckアクションを開始するには、crsctl check resourceコマンドを使用します。リソース名に誤りがあるなど、何らかの理由でシステムがcheckリクエストを発行できない場合のみ、Oracle Clusterwareは出力を行います。

構文

crsctl check resource {resource_name [...] | -w "filter" }
      [-n node_name] [-k cardinality_id] [-d degree_id] }

パラメータ

表E-18 crsctl check resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

特定のリソースを指定します。複数のリソース名を空白で区切って入力することによって、複数のリソースをチェックできます。

-w "filter"

チェックされるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみをチェックするようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースをチェックするようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースをチェックするようにOracle Clusterwareを制限します。

-n node_name

特定のノードのリソース・インスタンスをチェックします。-nオプションを指定しない場合、Oracle Clusterwareではローカル・サーバーのみのリソース・インスタンスがチェックされます。

-k cardinality_id

リソースのカーディナリティIDを指定します。

-d degree_id

リソースの程度IDを指定します。


使用上の注意

  • 指定したリソースをチェックするには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

  • このコマンドの成功は、checkが発行されたということのみを意味します。CHECKアクションが完了したという意味ではありません。

特定のリソースのアプリケーション固有のエージェントでcheckアクションを開始するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl check resource appsvip

crsctl check ctss

クラスタ時刻同期化サービスのステータスをチェックするには、crsctl check ctssコマンドを使用します。

構文

crsctl check ctss

crsctl check ctssコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4700: The Cluster Time Synchronization Service is in Observer mode.

または

CRS-4701: The Cluster Time Synchronization Service is in Active mode.
CRS-4702: Offset from the reference node (in msec): 100

crsctl config crs

Oracle高可用性サービスの自動起動構成を表示するには、crsctl config crsを使用します。

構文

crsctl config crs

crsctl config crsコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4622: Oracle High Availability Services autostart is enabled.

crsctl delete crs administrator

Oracle Clusterware管理者のリストからユーザーを削除するには、crsctl delete crs administratorコマンドを使用します。

構文

crsctl delete crs administrator -u user_name [-f]

パラメータ

表E-19 crsctl delete crs administratorコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-u user_name

削除対象のOracle Clusterware管理権限を持つユーザーの名前。

デフォルトでは、Oracle Clusterware管理権限を持つユーザーのリストは、Oracle Clusterwareをインストールしたユーザー、rootおよび*で構成されます。Oracle Clusterwareをインストールしたユーザーおよびrootは、このリストの永続的なメンバーです。*値によってOracle Clusterware管理権限がすべてのユーザーに付与されるため、ロール別管理を有効にするには、この値を削除する必要があります。

関連項目: 詳細は、「ロール別管理」を参照してください。

-f

ユーザー名の妥当性チェックを無視するには、このオプションを使用します。


使用上の注意

  • user_nameパラメータは必須です。

  • このコマンドは、rootまたはクラスタ管理者として、またはWindowsシステムの場合、管理者として実行する必要があります。

  • ロール別管理を有効にするには、二重引用符("")で囲まれた*値を削除する必要があります。

クラスタ管理者のリストからユーザーを削除するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl delete crs administrator -u scott

crsctl delete css votedisk

投票ディスクをOracle Clusterwareの構成から削除するには、crsctl delete css votediskを使用します。

構文

crsctl delete css votedisk voting_disk_GUID [voting_disk_GUID [...]]

パラメータ

表E-20 crsctl delete css votediskコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
voting_disk_GUID

削除対象の投票ディスクのファイル・ユニバーサル識別子(GUID)を入力します。複数のGUIDを指定する場合は、空白区切りのリストを入力します。


使用上の注意

  • このコマンドは、Oracle ASM以外のストレージ・デバイスから投票ディスクを削除する場合にのみ使用できます。

  • crsctl query css votediskコマンドを実行することによって、現在の各投票ディスクのファイル・ユニバーサル識別子を取得できます。

投票ディスクを削除するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl delete css votedisk 26f7271ca8b34fd0bfcdc2031805581e

crsctl delete node

クラスタからノードを削除するには、crsctl delete nodeを使用します。

構文

crsctl delete node -n node_name

使用上の注意

  • このコマンドを実行するには、rootである必要があります。

  • node_nameパラメータは必須です。

クラスタからnode06というノードを削除するには、rootとして次のコマンドを実行します。

# crsctl delete node -n node06

crsctl delete serverpool

Oracle Clusterwareの構成からサーバー・プールを削除するには、crsctl delete serverpoolコマンドを使用します。

構文

crsctl delete serverpool server_pool_name [server_pool_name [...]] [-i]

関連項目:

サーバー・プールおよびサーバー・プール属性の詳細は、「サーバー・プールの理解」を参照してください。

使用上の注意

  • server_pool_nameパラメータは必須です。

  • -iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

  • oraで始まる名前を持つサーバー・プールはOracleのサーバー・プールであるため、これらのサーバー・プールにはこのコマンドを使用しないでください。

  • このコマンドはどの環境でも使用できますが、Oracle RAC環境でのみ役立ちます。

サーバー・プールを削除するには、rootまたはOracle Clusterwareインストール所有者として次のコマンドを実行します。

# crsctl delete serverpool sp1

crsctl disable crs

サーバーの起動時にOracle高可用性サービスが自動的に起動しないようにするには、crsctl disable crsコマンドを使用します。

構文

crsctl disable crs

使用上の注意

  • このコマンドはローカル・サーバーにのみ影響します。

  • Oracle高可用性サービスの自動起動を無効にしている場合にOracle高可用性サービスを起動するには、crsctl start crsコマンドを使用する必要があります。

crsctl disable crsコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4621: Oracle High Availability Services autostart is disabled.

crsctl discover dhcp

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、指定したポートでネットワークでのDHCP検出パケットを送信するには、crsctl discover dhcpコマンドを使用します。DHCPサーバーがネットワークに存在すると、そのサーバーは検出メッセージに応答し、コマンドが成功します。

構文

crsctl discover dhcp -clientid clientid [-port port]

パラメータ

表E-21 crsctl discover dhcpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-clientid clientid

検出したいクライアントIDを指定します。クライアントIDは、crsctl get clientid dhcpコマンドを実行して取得します。

-port port

CRSCTLが検出パケットを送信するポート。


使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります

crsctl discover dhcpコマンドでは次のような出力が戻されます。

# crsctl discover dhcp -clientid stmjk0462clr-stmjk01-vip

CRS-10009: DHCP server returned server: 192.168.53.232,
 loan address : 192.168.29.221/255.255.252.0, lease time: 43200

crsctl enable crs

サーバーの起動時のOracle高可用性サービスの自動起動を有効にするには、crsctl enable crsコマンドを使用します。

構文

crsctl enable crs

使用上の注意

  • このコマンドはローカル・サーバーにのみ影響します。

crsctl enable crsコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4622: Oracle High Availability Services autostart is enabled.

crsctl get clientid dhcp

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、crsctl get clientid dhcpコマンドを使用して、DHCPサーバーから構成済クラスタ・リソースのIPアドレスを取得するためにOracle Clusterwareエージェントが使用するクライアントIDを表示します。VIPタイプは必須です。

構文

crsctl get clientid dhcp -cluname cluster_name -viptype vip_type
[-vip vip_res_name] [-n node_name]

パラメータ

表E-22 crsctl get clientid dhcpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-cluname cluster_name

クラスタ・リソースが構成されるクラスタの名前を指定します。

-viptype vip_type

クライアントIDを表示するVIPリソースのタイプ(HOSTVIPSCANVIPまたはAPPVIP)を指定します。

-vip vip_resource_name

VIPリソースの名前を指定します。APPVIP VIPタイプを指定する場合、このパラメータは必須です。

-n node_name

クライアントIDを取得するノードの名前を指定します。HOSTVIP VIPタイプを指定する場合、このパラメータは必須です。


crsctl get clientid dhcpコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl get clientid dhcp -cluname stmjk0462clr -viptype HOSTVIP -n stmjk01

CRS-10007: stmjk0462clr-stmjk01-vip

crsctl get css

クラスタ同期サービスの特定のパラメータ値を取得するには、crsctl get cssコマンドを使用します。

構文

crsctl get css parameter

使用上の注意

  • クラスタ同期サービスのパラメータとそのデフォルト値は次のとおりです。

    clusterguid
    diagwait
    disktimeout (200 (seconds))
    misscount (30 (seconds))
    reboottime (3 (seconds))
    priority (4 (UNIX), 3 (Windows))
    logfilesize (50 (MB))
    
  • このコマンドはデフォルト値を表示しません。

  • このコマンドはローカル・サーバーにのみ影響します。

crsctl get css disktimeoutコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl get css disktimeout
CRS-4678: Successful get disktimeout 200 for Cluster Synchronization Services.

crsctl get css ipmiaddr

ローカルのIntelligent Platform Management Interface(IPMI)デバイスのOracle Local Registryに格納されているアドレスを取得するには、crsctl get css ipmiaddrコマンドを使用します。

構文

crsctl get css ipmiaddr

使用上の注意

  • Oracle Clusterwareのインストールに使用されたユーザー・アカウントでコマンドを実行します。

  • このコマンドでは、Oracle Local Registryに格納されているIPアドレスのみが取得されます。これは、IPMIが実際に使用するIPアドレスではない場合があります。

    ローカル・サーバーで、rootとしてipmiutilまたはipmitoolを使用して、IPMIによって使用されているIPアドレスを取得します。

IPMIデバイスのIPアドレスを取得するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl get css ipmiaddr

crsctl get nodename

ローカル・ノードの名前を取得するには、crsctl get nodenameコマンドを使用します。

構文

crsctl get nodename

crsctl get nodenameコマンドでは次のような出力が戻されます。

node2

crsctl getperm serverpool

特定のサーバー・プールの権限を取得するには、crsctl getperm serverpoolコマンドを使用します。

構文

crsctl getperm serverpool server_pool_name  [-u user_name | -g group_name]

関連項目:

サーバー・プールおよびサーバー・プール属性の詳細は、「サーバー・プールの理解」を参照してください。

パラメータ

表E-23 crsctl getperm serverpoolコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_pool_name

権限を取得するサーバー・プールの名前を指定します。

-u user_name

-uを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のユーザーの権限が取得されます。

-g group_name

-gを指定すると、Oracle Clusterwareでは特定のグループの権限が取得されます。


使用上の注意

  • server_pool_nameパラメータは必須です。

  • oraで始まる名前を持つサーバー・プールはOracleのサーバー・プールであるため、これらのサーバー・プールにはこのコマンドを使用しないでください。

  • このコマンドはどの環境でも使用できますが、Oracle RAC環境でのみ役立ちます。

crsctl getperm serverpoolコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl getperm serverpool sp1
NAME: sp1
owner:root:rwx,pgrp:root:r-x,other::r--

crsctl lsmodules

デバッグが可能なモジュールのコンポーネントをリストするには、crsctl lsmodulesコマンドを使用します。


関連項目:

デバッグの詳細は、「動的デバッグ」を参照してください。

構文

crsctl lsmodules {mdns | gpnp | css | crf | crs | ctss | evm | gipc}

使用上の注意

次のいずれかのコンポーネントを指定できます。


mdns: マルチキャスト・ドメイン名サーバー
gpnp: グリッド・プラグ・アンド・プレイ・サービス
css: クラスタ同期サービス
crf: クラスタ状態モニター
crs: クラスタ・レディ・サービス
ctss: クラスタ時刻同期化サービス
evm: イベント・マネージャ
gipc: グリッド・プロセス間通信

crsctl lsmodulesコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl lsmodules evm
List EVMD Debug Module: CLSVER
List EVMD Debug Module: CLUCLS
List EVMD Debug Module: COMMCRS
List EVMD Debug Module: COMMNS
List EVMD Debug Module: CRSOCR
List EVMD Debug Module: CSSCLNT
List EVMD Debug Module: EVMAGENT
List EVMD Debug Module: EVMAPP
...

crsctl modify serverpool

既存のサーバー・プールを変更するには、crsctl modify serverpoolコマンドを使用します。

構文

crsctl modify serverpool server_pool_name -attr "attr_name=attr_value
                      [,attr_name=attr_value[, ...]]" [-i] [-f]

パラメータ

表E-24 crsctl modify serverpoolコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_pool_name

変更するサーバー・プールの名前。

attr_name

変更するサーバー・プール属性の名前。名前の前には-attrフラグを付けます。

関連項目: サーバー・プール属性の詳細は、表2-2「サーバー・プール属性」を参照してください。

attr_value

サーバー・プール属性の値。

注意: attr_nameパラメータおよびattr_valueパラメータは、カンマで区切って二重引用符("")で囲む必要があります。次に例を示します。

-attr "CHECK_INTERVAL=30,START_TIMEOUT=25"

関連項目: サーバー・プール属性の詳細は、表2-2「サーバー・プール属性」を参照してください。

-i

-iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

-f

-fオプションを指定すると、Oracle Clusterwareでは別のサーバー・プール内のサーバーで実行中のリソースが停止され、追加対象のサーバー・プールにそのサーバーが再配置されます。

-fオプションを指定しない場合、Oracle Clusterwareでは、サーバー・プールを作成した結果、追加対象のサーバー・プールにサーバーを渡す別のサーバー・プール内のサーバーで、リソースが停止されるかどうかがチェックされます。その場合、Oracle Clusterwareではcrsctl add serverpoolコマンドが拒否されます。



関連項目:

サーバー・プールおよびサーバー・プール属性の詳細は、「サーバー・プールの理解」を参照してください。

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります

  • server_pool_nameパラメータは必須です。

  • 属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。次に例を示します。

    "START_DEPENDENCIES='hard(res1,res2,res3)'"
    
  • このコマンドを実行すると、新しい構成に適合するように、Oracle Clusterwareによって他のサーバーがサーバー・プール間で再配置されることがあります。

  • oraで始まる名前を持つサーバー・プールはOracleのサーバー・プールであるため、これらのサーバー・プールにはこのコマンドを使用しないでください。

  • このコマンドはどの環境でも使用できますが、Oracle RAC環境でのみ役立ちます。

既存のサーバー・プールを変更するには、rootまたはOracle Clusterwareインストール所有者として次のコマンドを実行します。

# crsctl modify serverpool sp1 -attr "MAX_SIZE=7"

crsctl pin css

多数の特定のノードを固定するには、crsctl pin cssコマンドを使用します。ノードの固定とは、ノード名とノード番号との関連付けを固定することです。固定されていないノードの場合、停止中にその期限が切れると、ノード番号が変更される可能性があります。固定されたノードの場合、期限切れになりません。

構文

crsctl pin css -n node_name [ node_name [..]]

使用上の注意

  • サーバーを空白区切りのリストで指定できます。

  • 固定されたサーバーには、11gリリース2(11.2)より前のOracleソフトウェアが必要です。

  • crsctl unpin cssを使用するとノードの固定が解除されます。

  • crsctl delete nodeコマンドを使用してノードを削除すると、ノードの固定も暗黙的に解除されます。

node2というノードを固定するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl pin css -n node2

crsctl query crs administrator

Oracle Clusterware管理権限を持つユーザーのリストを表示するには、crsctl query crs administratorコマンドを使用します。

構文

crsctl query crs administrator

crsctl query crs administratorコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS Administrator List: scott

crsctl query crs activeversion

クラスタ内で実行されているOracle Clusterwareソフトウェアのアクティブなバージョンを表示するには、crsctl query crs activeversionコマンドを使用します。ただし、ローリング・アップグレード時は、クラスタ全体でアップグレードが終了するまでアクティブなバージョンは表示されず、その時点まで、クラスタはアップグレード前のバージョンで動作します。

構文

crsctl query crs activeversion

crsctl query crs activeversionコマンドでは次のような出力が戻されます。

Oracle Clusterware active version on the cluster is [11.2.0.2.0]"

crsctl query crs releaseversion

ローカル・ノードにバイナリで格納されているOracle Clusterwareソフトウェアのバージョンを表示するには、crsctl query crs releaseversionコマンドを使用します。

構文

crsctl query crs releaseversion

crsctl query crs releaseversionコマンドでは次のような出力が戻されます。

Oracle High Availablity Services release version on the local node is [11.2.0.2.0]

crsctl query crs softwareversion

指定したノードで正常に起動されたソフトウェアの最新バージョンを表示するには、crsctl query crs softwareversionコマンドを使用します。

構文

crsctl query crs softwareversion node_name

使用上の注意

  • ノード名を指定しない場合、Oracle Clusterwareではローカル・サーバーで実行中のOracle Clusterwareのバージョンが表示されます。

crsctl query crs softwareversionコマンドでは次のような出力が戻されます。

Oracle Clusterware version on node [node1] is [11.2.0.2.0]

crsctl query css ipmiconfig

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、ローカル・サーバーのOracle Clusterwareが障害分離に備えてIPMIを使用するように構成されているかどうかを判断するには、crsctl query css ipmiconfigコマンドを使用します。このコマンドは構成データの存在を検出しますが、その正しさは検証できないことに注意してください。

構文

crsctl query css ipmiconfig

使用上の注意

  • このコマンドは、Oracle Cluster Registry(OCR)に格納されているIPMI構成を特定してアクセスしようとするため、Oracle Clusterwareのインストールに使用したアカウントで実行する必要があります。そうしないと、認可の失敗が報告される場合があります。

  • レジストリにIPMI構成データが含まれていない場合、別のアカウントで実行すると、認可の失敗にならない場合があります。

crsctl query css ipmiconfigコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4236: Oracle Clusterware configured to use IPMI

または

CRS-4237: Oracle Clusterware is not fully configured to use IPMI

crsctl query css ipmidevice

ローカル・システムにIntelligent Platform Management Interface(IPMI)ドライバがあるかどうかを判断するには、crsctl query css ipmiconfigコマンドを使用します。

構文

crsctl query css ipmidevice

使用上の注意

  • このコマンドは、IPMIインストール中に事前チェックを実行し、通常、インストーラによってのみ発行されます。

  • このコマンドでは形式的なチェックが実行されるため、成功リターンは、IPMIハードウェアの構成が完了しており使用できることを保証するものではありません。

  • このコマンドの実行に特別な権限は必要ありません。

crsctl query css ipmideviceコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4231: IPMI device and/or driver found

または

CRS-4218: Unable to access an IPMI device on this system

crsctl query css votedisk

クラスタ同期サービスによって使用される投票ディスク、投票ディスクのステータス、ディスクの格納場所(Oracle ASMやその他の場所など)を表示するには、crsctl query css votediskコマンドを使用します。

構文

crsctl query css votedisk

使用上の注意

  •  

crsctl query css votediskコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl query css votedisk
##  STATE    File Universal Id                File Name Disk group
--  -----    -----------------                --------- ---------
1. ONLINE   296641fd201f4f3fbf3452156d3b5881 (/ocfs2/host09_vd3) []
2. ONLINE   8c4a552bdd9a4fd9bf93e444223146f2 (/netapp/ocrvf/newvd) []
3. ONLINE   8afeee6ae3ed4fe6bfbb556996ca4da5 (/ocfs2/host09_vd1) []
Located 3 voting disk(s).

crsctl query dns

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、指定されたDNSサーバーの名前のDNS参照によって戻されるアドレスのリストを取得するには、crsctl query dnsコマンドを使用します。

構文

crsctl query dns {-servers | -name name [-dnsserver DNS_server_address]
[-port port] [-attempts number_of_attempts] [-timeout timeout_in_seconds] [-v]}

パラメータ

表E-25 crsctl query dnsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-servers

-serversパラメータを使用して、コマンドを実行するノードの現在のDNS構成をリストします。通常、Linux/UNIXでは、起動時にCRSCTLが/etc/resolv.confファイルを読み取り、ユーザーが再起動するか、リゾルバが再起動されるまで、そのファイルの内容がシステムの構成となります。CRSCTLは、その情報をリゾルバから取得します。このパラメータを使用したり、必要に応じて、コマンド構文文字列に他のパラメータを指定することもできます。

-name name

参照する完全修飾ドメイン名を指定します。

-dnsserver DNS_server_address

ドメイン名を参照するDNSサーバーのアドレスを指定します。

-port port

DNSサーバーがリスニングするポート。ポートを指定しないと、デフォルトのポート53が使用されます。

-attempts number_of_attempts

再試行の回数を指定します。

-timeout timeout_in_seconds

タイムアウトの時間(秒)を指定します。

-v

詳細な出力。


crsctl query dnsコマンドによって、stmjk07-vip.stmjk0462.foo.comというDNSサーバーについて、次のような出力が戻されます。

CRS-10024: DNS server returned 192.168.29.250 for name
stmjk07-vip.stmjk0462.foo.com

-serversオプションを選択すると、次のような出力が戻されます。

CRS-10018: the following configuration was found on the system:
CRS-10019: There are 3 domains in search order. They are:
us.foo.com
foo.com
foocorp.com
CRS-10022: There are 3 name servers. They are:
192.168.249.41
192.168.249.52
192.168.202.15
CRS-10020: number of retry attempts for name lookup is: 2
CRS-10021: timeout for each name lookup is: 1

crsctl release dhcp

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、DHCPリースの解放リクエストを特定のクライアントIDに送信し、ネットワークでの解放パケットを特定のポートに送信するには、crsctl release dhcpコマンドを使用します。

構文

crsctl release dhcp -clientid clientid [-port port]

パラメータ

表E-26 crsctl release dhcpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-clientid clientid

解放したいクライアントIDを指定します。クライアントIDは、crsctl get clientidコマンドを実行して取得します。

-port port

CRSCTLが解放パケットを送信するポート。ポートを指定しないと、CRSCTLはデフォルト値の67を使用します。


crsctl release dhcpコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl release dhcp -clientid  stmjk0462clr-stmjk01-vip

CRS-10012: released DHCP server lease for client ID stmjk0462clr-stmjk01-vip
on port 67

crsctl relocate resource

クラスタ内の別のサーバーにリソースを再配置するには、crsctl relocate resourceコマンドを使用します。

構文

crsctl relocate resource {resource_name | resource_name | -all -s source_server |
-w "filter"} [-n destination_server] [-k cid] [-env "env1=val1,env2=val2,..."]
[-i] [-f]

パラメータ

表E-27 crsctl relocate resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

再配置するリソースの名前。

resource_name | -all
-s source_server

1つの特定のリソース、または再配置対象のリソースの再配置である特定のサーバーに存在するすべてのリソースを指定します。

-w "filter"

再配置されるリソースの数を制限するためにOracle Clusterwareによって使用されるリソース・フィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。次にリソース・フィルタの例を示します。

  • "TYPE == cluster_resource": このフィルタは、cluster_resourceタイプのリソースのみを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "CHECK_INTERVAL > 10": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持つリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

  • "(CHECK_INTERVAL > 10) AND (NAME co 2)": このフィルタは、CHECK_INTERVALリソース属性に10より大きい値を持ち、かつ、リソースの名前に数字2が含まれるリソースを再配置するようにOracle Clusterwareを制限します。

-n destination_server

リソースの再配置サーバーの名前を指定します。宛先サーバーを指定しない場合、Oracle Clusterwareでは各リソースの属性プロファイルに従い、最適なサーバーにリソースが再配置されます。

-k cid

リソースのカーディナリティIDを指定します。このパラメータを指定すると、指定したカーディナリティのリソース・インスタンスがOracle Clusterwareによって再配置されます。

-env "env1=val1,
env2=val2,..."

必要に応じて、このコマンドの1つ以上のリソース・プロファイル属性値を上書きできます。複数の環境名/値ペアを指定する場合、各ペアをカンマで区切り、リスト全体を二重引用符("")で囲む必要があります。

-i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

再配置対象のリソースに依存している他のリソースが実行中である場合に再配置対象のリソースを強制的に再配置するには、-fオプションを指定します。このオプションを使用すると、依存リソースは再配置または停止されます。

注意: 1より大きいカーディナリティを持つリソースを再配置する場合、-kまたは-sのいずれかを使用して、再配置対象のリソース・インスタンスを絞り込む必要があります。


使用上の注意

  • 再配置対象のリソースを指定するには、次の3つの方法のいずれかを使用する必要があります。

    • 再配置対象の1つの特定のリソースを指定します。

    • または、特定のソース・サーバーから再配置する1つの特定のリソースまたはすべてのリソースを指定できます。

    • 3つ目の方法として、Oracle Clusterwareによって再配置対象のリソースの照合に使用されるリソース・フィルタを指定します。

  • リソースの程度IDが1より大きい場合、このリソースのすべてのインスタンスがOracle Clusterwareによって再配置されます。

  • 指定したリソースを再配置するには、それらのリソースに対する読取りおよび実行権限が必要です。

  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

あるサーバーから別のサーバーに1つの特定のリソースを再配置するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl relocate resource myResource1 -s node1 -n node3

crsctl relocate server

別のサーバー・プールにサーバーを再配置するには、crsctl relocate serverコマンドを使用します。

構文

crsctl relocate server server_name [...] -c server_pool_name [-i] [-f]

パラメータ

表E-28 crsctl relocate serverコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_name

再配置するサーバーの名前。複数のサーバーを再配置する場合は、空白区切りのリストでサーバーを指定できます。

-c server_pool_name

サーバーの再配置のサーバー・プールの名前を指定します。

-i

-iを指定すると、Oracle Clusterwareでリクエストをすぐに処理できない場合にコマンドが失敗します。

-f

-fオプションを指定すると、Oracle Clusterwareでは別のサーバー・プール内のサーバーで実行中のリソースが停止され、指定したサーバー・プールにそのサーバーが再配置されます。

-fオプションを指定しない場合、Oracle Clusterwareでは停止する必要のあるリソースが再配置対象のサーバーにあるかどうかがチェックされます。該当するものが検出された場合、Oracle Clusterwareではcrsctl relocate serverコマンドが拒否されます。


使用上の注意

  • server_nameパラメータおよび-c server_pool_nameパラメータは必須です。

node6サーバーおよびnode7サーバーを、それらのノード上のアクティブなリソースを阻害することなくsp1サーバー・プールに移動するには、次のコマンドを使用します。

$ crsctl relocate server node6 node7 -c sp1

crsctl replace discoverystring

投票ディスク・ファイルの配置に使用される既存の検出文字列を置換するには、crsctl replace discoverystringコマンドを使用します。

構文

crsctl replace discoverystring "absolute_path[,...]"

パラメータ

表E-29 crsctl replace discoverystringコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
absolute_path

1つ以上の投票ディスク・ファイルの場所に一致する絶対パスを、カンマ区切りで指定します。ワイルドカードを使用できます。

パスのリストは、二重引用符("")で囲んで記述します。


使用上の注意

  • このコマンドを実行するには、root、Oracle Clusterwareインストール所有者または管理者グループのメンバーである必要があります。

  • クラスタ内の任意のノードでこのコマンドを実行できます。

現在の検出文字列が/oracle/css1/*だとします。/oracle/css2/ディレクトリの投票ディスク・ファイルも使用するには、次のコマンドを使用して現在の検出文字列を置換します。

# crsctl replace discoverystring "/oracle/css1/*,/oracle/css2/*"

crsctl replace votedisk

既存の投票ディスクを移動または置換するには、crsctl replace votediskコマンドを使用します。このコマンドを使用すると、Oracle ASMであれ他の記憶域オプションであれ、指定した場所に投票ディスクが作成されます。Oracle Clusterwareによって既存の投票ディスク情報が新しい場所にコピーされ、以前の場所からその投票ディスクが削除されます。

構文

crsctl replace votedisk [+asm_disk_group | path_to_voting_disk [...]]

パラメータ

表E-30 crsctl replace votediskコマンドのパラメータ

パラメータ 説明

+asm_disk_group

投票ディスクの配置先Oracle ASMのディスク・グループを指定します。

path_to_voting_disk [...]

Oracle ASMの外部に存在する投票ディスク・ファイルへの投票ディスク・ファイル・パスの空白区切りのリスト。


使用上の注意

  • このコマンドを実行するには、root、Oracle Clusterwareインストール所有者または管理者グループのメンバーである必要があります。

  • 投票ディスクを置換する場合は、Oracle ASMディスク・グループや他のストレージ・デバイスに存在するものを指定します。

  • クラスタ内の任意のノードでこのコマンドを実行できます。

例1

Oracle ASM内に配置されている投票ディスクを置換するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl replace votedisk +diskgroup1

例2

共有ファイル・システムに配置されている投票ディスクを置換するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl replace votedisk /mnt/nfs/disk1 /mnt/nfs/disk2

crsctl request dhcp

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、指定したポートでネットワークでのDHCP要求パケットを送信するには、crsctl request dhcpコマンドを使用します。DHCPサーバーに提供可能なIPアドレスがある場合は、クライアントIDのIPアドレスで応答します。

構文

crsctl request dhcp -clientid clientid [-port port]

パラメータ

表E-31 crsctl request dhcpコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-clientid clientid

要求したいクライアントIDを指定します。クライアントIDは、crsctl get clientidコマンドを実行して取得します。

-port port

CRSCTLが要求パケットを送信するポート。ポートを指定しないと、CRSCTLはデフォルト値の67を使用します。


crsctl request dhcpコマンドでは次のような出力が戻されます。

$ crsctl request dhcp -clientid stmjk0462clr-stmjk01-vip

CRS-10009: DHCP server returned server: 192.168.53.232,
 loan address : 192.168.29.228/255.255.252.0, lease time: 43200

crsctl set css

クラスタ同期サービスのパラメータ値を設定するには、crsctl set cssコマンドを使用します。

構文

crsctl set css parameter value

使用上の注意

  • My Oracle Supportから指示された場合を除き、crsctl set cssコマンド使用して次のパラメータを設定しないでください。

  • クラスタ同期サービスのパラメータは次のとおりです。

    diagwait
    disktimeout
    logfilesize
    misscount
    priority
    reboottime
    

crsctl set css ipmiaddr

ローカルのIntelligent Platform Management Interface(IPMI)デバイスのアドレスをOracle Local Registryに格納するには、crsctl set css ipmiaddrコマンドを使用します。

構文

crsctl set css ipmiaddr ip_address

使用上の注意

  • Oracle Clusterwareのインストールに使用されたユーザー・アカウントでコマンドを実行します。

  • ローカル・サーバーで、rootとしてipmiutilまたはipmitoolを使用して、IPMIデバイスによって使用されるIPアドレスを取得します

  • Oracle ClusterwareによってIPMIのIPアドレスが構成ストアに格納され、必要に応じてアドレスが配布されます。

  • このコマンドでは、コマンドを実行したサーバーのIPMI IPアドレスのみが格納されます。

  • 指定したアドレスのIPMIに別のサーバーがアクセスできない場合、このコマンドは失敗します。

IPMI IPアドレスをローカル・サーバーに格納して他のクラスタ・ノードに配布するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl set css ipmiaddr 192.0.2.244

crsctl set css ipmiadmin

Intelligent Platform Management Interface(IPMI)管理者のログイン資格証明をOracle Local Registryに格納するには、crsctl set css ipmiadminコマンドを使用します。

構文

crsctl set css ipmiadmin ipmi_administrator_name

使用上の注意

  • このコマンドは、Oracle Clusterwareをインストールしたユーザー・アカウントで実行する必要があります。

  • プロンプトに従い、新しい管理者アカウントの名前と関連付ける新しいパスワードを指定します。Oracle ClusterwareによってローカルのIPMIの名前およびパスワードが構成ストアに格納され、必要に応じて新しい資格証明が配布されます。

  • このコマンドでは、このコマンドを実行したサーバーのIPMI管理者のみが変更されます。

  • 指定したアドレスのローカルIPMIに別のサーバーがアクセスできない場合、このコマンドは失敗します。

IPMI管理者scottを変更するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl set css ipmiadmin scott

crsctl setperm serverpool

特定のサーバー・プールの権限を設定するには、crsctl setperm serverpoolコマンドを使用します。

構文

crsctl setperm serverpool server_pool_name {-u acl_string | -x acl_string |
-o user_name | -g group_name}

パラメータ

表E-32 crsctl setperm serverpoolコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_pool_name

権限を設定するサーバー・プールの名前を指定します。

{-u | -x | -o | -g}

サーバー・プールには次のパラメータのうち1つのみを指定できます。

  • -u acl_string: サーバー・プールのアクセス制御リスト(ACL)を更新できます。

  • -x acl_string: サーバー・プールのACLを削除できます。

  • -o user_name: ユーザー名を入力することによってサーバー・プールの所有者を変更できます。

  • -g group_name: グループ名を入力することによってサーバー・プールのプライマリ・グループを変更できます。

ユーザー、グループ、他のACL文字列は次のように指定します。

user:user_name[:readPermwritePermexecPerm] |
group:group_name[:readPermwritePermexecPerm] |
other[::readPermwritePermexecPerm]
  • user: ユーザーACL

  • group: グループACL

  • other: その他のACL

  • readPerm: サーバー・プールに対する読取り権限。文字rはユーザー、グループ、その他の読取り権限を付与し、マイナス記号(-)は読取り権限を付与しません。

  • writePerm: サーバー・プールに対する書込み権限。文字wはユーザー、グループ、その他の書込み権限を付与し、マイナス記号(-)は書込み権限を付与しません。

  • execPerm: サーバー・プールに対する実行権限。文字xはユーザー、グループ、その他の実行権限を付与し、マイナス記号(-)は実行権限を付与しません。


使用上の注意

  • server_pool_nameパラメータは必須です。

  • oraで始まる名前を持つサーバー・プールはOracleのサーバー・プールであるため、これらのサーバー・プールにはこのコマンドを使用しないでください。

  • このコマンドはどの環境でも使用できますが、Oracle RAC環境でのみ役立ちます。

サーバー・プールに対する読取り、書込み、および実行権限をユーザーScott Tigerに付与するには、次のコマンドを実行します。

crsctl setperm serverpool sp3 -u user:scott.tiger:rwx

crsctl start cluster

Oracle Clusterwareスタックを起動するには、クラスタ内の任意のノードでcrsctl start clusterコマンドを使用します。

構文

crsctl start cluster [-all | -n server_name [...]]

使用上の注意

  • クラスタ内のすべてのサーバーのOracle Clusterwareスタックを起動するか、クラスタ内の指定した(複数の場合はサーバー名を空白で区切って指定した)1つ以上のサーバー上のOracle Clusterwareスタックを起動するか、または、-all-nも指定せずに、ローカル・サーバー上のOracle Clusterwareスタックを起動するかを選択できます。

  • クラスタ内の任意のノードでこのクラスタ対応コマンドを使用できます。

指定した2つのサーバー上のOracle Clusterwareスタックを起動するには、rootとして次のコマンドを実行します。

# crsctl start cluster -n node1 node2

crsctl start crs

ローカル・サーバーでOracle高可用性サービスを起動するには、crsctl start crsコマンドを使用します。

構文

crsctl start crs

使用上の注意

  • このコマンドによって起動されるのは、ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスのみです。

ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを起動するには、rootとして次のコマンドを実行します。

# crsctl start crs

crsctl start ip

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、指定したサブネット・マスクの特定のインタフェースで特定のIP名またはIPアドレスを起動するには、crsctl start ipコマンドを使用します。このコマンドは、起動するIPが存在するサーバーで実行します。

構文

crsctl start ip -A {IP_name | IP_address}/netmask/interface_name

パラメータ

表E-33 crsctl start ipコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
{IP_name | IP_address}

ドメイン名またはIPアドレスを指定します。

完全修飾ドメイン名を指定しないと、CRSCTLでは標準の名前検索が使用されます。

netmask

起動するIPのサブネット・マスクを指定します。

interface_name

IPを起動するインタフェースを指定します。


ローカル・サーバーでIPを起動するには、次のようなコマンドを実行します。

$ crsctl start ip -A 192.168.29.220/255.255.252.0/eth0

crsctl start testdns

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、指定したIPアドレスおよびポートをリスニングするテストDNSサーバーを起動するには、crsctl start testdnsコマンドを使用します。テストDNSサーバーは、受信したパケットを表示しますが、受信パケットに応答することはありません。通常、このコマンドは、ドメイン転送がGNSドメイン用に正しく設定されていることを確認するために使用します。

構文

crsctl start testdns [-address address [-port port]] [-once] [-v]

パラメータ

表E-34 crsctl start testdnsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-address address

サーバー・アドレスをIP_address/netmask [/interface_name]の書式で指定します。

-port port

サーバーがリスニングするポート。ポートを指定しないと、デフォルトのポート53が使用されます。

-once

DNSサーバーが1つのDNS問合せパケットを受信した後に終了する必要がある場合、このフラグを指定します。

-v

詳細な出力。


ローカル・サーバーでテストDNSサーバーを起動するには、次のようなコマンドを実行します。

$ crsctl start testdns -address 192.168.29.218 -port 63 -v

crsctl status ip

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、特定のIPアドレスがネットワークで起動しているかどうかをチェックするには、crsctl status ipコマンドを使用します。

構文

crsctl status ip -A {IP_name | IP_address}

パラメータ

表E-35 crsctl status ipコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
{IP_name | IP_address}

ドメイン名またはIPアドレスを指定します。

完全修飾ドメイン名を指定しないと、CRSCTLでは標準の名前検索が使用されます。


crsctl status ipコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-10003: IP address 192.168.29.220 could be reached from current node

crsctl status server

1つ以上の特定のサーバーのステータスおよび構成情報を取得するには、crsctl status serverコマンドを使用します。

構文

crsctl status server [-p | -v | -f]

crsctl status server { server_name [...] | -w "filter"} [-g | -p | -v | -f]

パラメータ

表E-36 crsctl status serverコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
server_name [...]

1つ以上のサーバー名を空白区切りで指定します。

-w "filter"

表示対象のサーバーを決定するフィルタを指定します。フィルタは二重引用符("")で囲む必要があります。値にカッコまたは空白が含まれる場合、一重引用符('')で囲む必要があります。たとえば、"STATE = ONLINE"と指定すると、オンラインのサーバーのみが表示されます。

関連項目: フィルタの詳細は、「フィルタ」を参照してください。

-g | -p | -v | -f

Oracle Clusterwareで特定のサーバーのステータスをチェックする場合には、次のパラメータのいずれかを指定できます。

  • -g: 指定したサーバーが登録されているかどうかをチェックする場合にこのパラメータを使用します。

  • -p: 指定したサーバーの静的な構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • -v: 指定したサーバーの実行時の構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • -f: 指定したサーバーのすべての構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。


例1

crsctl status serverコマンドでは次のような出力が戻されます。

NAME=node1
STATE=ONLINE

NAME=node2
STATE=ONLINE

例2

特定のサーバーのすべての構成を表示するには、次のようなコマンドを入力します。

$ crsctl status server node2 -f
NAME=node2
STATE=ONLINE
ACTIVE_POOLS=Generic ora.orcl
STATE_DETAILS=

crsctl status serverpool

1つ以上の特定のサーバー・プールのステータスおよび構成情報を取得するには、crsctl status serverpoolコマンドを使用します。

構文

crsctl status serverpool [-p | -v | -f]

crsctl status serverpool [server_pool_name [...]] [-w] [-g | -p | -v | -f]

パラメータ

表E-37 crsctl status serverpoolコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
[server_pool_name [...]

1つ以上のサーバー・プール名を空白区切りで指定します。

[-g | -p | -v | -f]

必要に応じて、次のパラメータのいずれかを指定できます。

  • -w: MIN_SIZE > 3などのフィルタを二重引用符("")で囲んで指定する場合にこのパラメータを使用します。

  • -g: 指定したサーバー・プールが登録されているかどうかをチェックする場合にこのパラメータを使用します。

  • -p: 指定したサーバー・プールの静的な構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • -v: 指定したサーバー・プールの実行時の構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。

  • -f: 指定したサーバー・プールのすべての構成を表示する場合にこのパラメータを使用します。


使用上の注意

  • server_pool_nameパラメータまたはフィルタは必須です。

  • oraで始まる名前を持つサーバー・プールはOracleのサーバー・プールであるため、これらのサーバー・プールにはこのコマンドを使用しないでください。

  • このコマンドはどの環境でも使用できますが、Oracle RAC環境でのみ役立ちます。

例1

サーバー・プールsp1のすべての構成を表示するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl status serverpool sp1 -f 
NAME=spl
IMPORTANCE=1
MIN_SIZE=0
MAX_SIZE=-1
SERVER_NAMES=node3 node4 node5
PARENT_POOLS=Generic
EXCLUSIVE_POOLS=
ACL=owner:oracle:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--
ACTIVE_SERVERS=node3 node4

例2

すべてのサーバー・プールおよびそれらに関連付けられたサーバーを表示するには、次のコマンドを使用します。

$ crsctl status serverpool
NAME=Free
ACTIVE_SERVERS=

NAME=Generic
ACTIVE_SERVERS=node1 node2

NAME=ora.orcl
ACTIVE_SERVERS=node1 node2

NAME=sp1
ACTIVE_SERVERS=node3 node4

例3

特定の基準を満たすサーバー・プールを検索するには、次のコマンドを使用します。

$ crsctl status serverpool -w "MAX_SIZE > 1"
NAME=sp2
ACTIVE_SERVERS=node3 node4

crsctl status testdns

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、指定したアドレスおよびローカル・ホスト名で実行されているテストDNSサーバーを問い合せるには、crsctl status testdnsコマンドを使用します。

構文

crsctl status testdns [-server DNS_server_address] [-port port] [-v]

パラメータ

表E-38 crsctl status testdnsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-server DNS_server_address

ステータスを確認するDNSサーバーのアドレスを指定します。

-port port

DNSサーバーがリスニングするポート。ポートを指定しないと、デフォルトのポート53が使用されます。

-v

詳細な出力。


crsctl status testdnsコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-10024: DNS server returned 192.168.28.74 for name
stmjk07-vip.stmjk0462.foo.com

crsctl stop cluster

クラスタ内の任意のノードで、クラスタ内のすべてのサーバー上または特定のサーバー上のOracle Clusterwareスタックを停止するには、crsctl stop clusterコマンドを使用します。

構文

crsctl stop cluster [-all | -n server_name [...]] [-f]

使用上の注意

  • -allを指定しない場合、または空白区切りの1つ以上のサーバー名を指定しない場合、Oracle Clusterwareによってローカル・サーバーのOracle Clusterwareスタックが停止されます。

  • クラスタ内の任意のノードでこのクラスタ対応コマンドを使用できます。

  • このコマンドでは、Oracle Clusterwareスタックの停止試行中、Oracle Clusterwareによって管理されるリソースの正常な停止が試行されます。

    Oracle Clusterwareによって管理される任意のリソースが、crsctl stop clusterコマンドの実行後も実行されている場合、コマンドは失敗します。すべてのリソースを無条件で停止し、Oracle Clusterwareスタックを停止するには、-fオプションを使用します。

  • すべてのノードまたはリストされたノードでOracle Clusterwareを停止する場合は、crsctl stop clusterコマンドを使用しますが、これは、このコマンドを使用すると、Oracle Clusterwareスタックが特定のサーバーで停止される前に特定のリソースがクラスタ内の他のサーバーに再配置されないためです。1つ以上のノードでOracle高可用性サービスを停止する必要がある場合は、crsctl stop clusterコマンドが完了するまで待機してから、必要に応じて、特定のノードでcrsctl stop crsコマンドを実行します。

特定のサーバー上のOracle Clusterwareスタックを停止するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl stop cluster -n node1

crsctl stop crs

ローカル・サーバーでOracle高可用性サービスを停止するには、crsctl stop crsコマンドを使用します。

構文

crsctl stop crs [-f]

使用上の注意

  • このコマンドでは、ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスの停止試行中、Oracle Clusterwareによって管理されるリソースの正常な停止が試行されます。

    Oracle Clusterwareによって管理される任意のリソースが、crsctl stop crsコマンドの実行後も実行されている場合、コマンドは失敗します。すべてのリソースを無条件で停止し、ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを停止するには、-fオプションを使用します。

  • すべてのノードまたはリストされたノードでOracle Clusterwareを停止する場合は、crsctl stop clusterコマンドを使用しますが、これは、このコマンドを使用すると、Oracle Clusterwareスタックが特定のサーバーで停止される前に特定のリソースがクラスタ内の他のサーバーに再配置されないためです。1つ以上のノードでOracle高可用性サービスを停止する必要がある場合は、crsctl stop clusterコマンドが完了するまで待機してから、必要に応じて、特定のノードでcrsctl stop crsコマンドを実行します。

  • Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2.0.3)では、このコマンドをSolaris Sparc環境およびSolaris X64環境で実行すると、停止時およびその後の起動時にドライバはロードされたままになります。これは、Linux環境では発生しません

ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを停止するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl stop crs

crsctl stop ip

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、指定したサブネット・マスクの特定のインタフェースで特定のIP名またはIPアドレスを停止するには、crsctl stop ipコマンドを使用します。このコマンドは、停止するIPが存在するサーバーで実行します。

構文

crsctl stop ip -A {IP_name | IP_address}/interface_name

パラメータ

表E-39 crsctl stop ipコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
{IP_name | IP_address}

ドメイン名またはIPアドレスを指定します。

完全修飾ドメイン名を指定しないと、CRSCTLでは標準の名前検索が使用されます。

interface_name

IPを起動するインタフェースを指定します。


ローカル・サーバーでIPを停止するには、次のようなコマンドを実行します。

$ crsctl stop ip -A MyIP.domain.com/eth0

crsctl stop testdns

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、テストDNSサーバーを停止するには、crsctl stop testdnsコマンドを使用します。

構文

crsctl stop testdns [-address address [-port port]] [-domain GNS_domain] [-v]

パラメータ

表E-40 crsctl stop testdnsコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-address address

テストDNSサーバーを起動したときのサーバー・アドレスをIP_address/netmask [/interface_name]の書式で指定します。

-port port

DNSサーバーがリスニングするポート。ポートを指定しないと、デフォルトのポート53が使用されます。

[-domain GNS_domain]

サーバーによるリスニングを停止する必要があるドメイン。

-v

詳細な出力。


crsctl stop testdnsコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-10032: successfully stopped the DNS listening daemon running on port 53 on
local node

crsctl unpin css

多数のサーバーの固定を解除するには、crsctl unpin cssコマンドを使用します。固定されていないノードの場合、停止中にその期限が切れると、ノード番号が変更される可能性があります。

構文

crsctl unpin css -n node_name [node_name [...exit]]

使用上の注意

  • ノードを空白区切りのリストで指定できます。

  • 1週間より長い期間停止していた固定解除済サーバーは、olsnodesではレポートされません。これらのサーバーはクラスタから動的に離れるため、ユーザーがクラスタから明示的に削除する必要はありません。

  • crsctl delete nodeコマンドを使用してノードを削除すると、ノードの固定も暗黙的に解除されます。

  • Oracle Clusterwareのアップグレード時にはすべてのサーバーが固定されますが、Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)の新規インストール後は、クラスタに追加するすべてのサーバーの固定が解除されます。

  • 11gリリース2(11.2)より古いOracle RACインスタンスがあるサーバーにOracle Clusterware 11gリリース2(11.2)をインストールした場合、そのサーバーの固定を解除することはできません

2つのノードの固定を解除するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl unpin css -n node1 node4

crsctl unset css

クラスタ同期サービスのパラメータ値の設定を解除してデフォルト値にリストアするには、crsctl unset cssコマンドを使用します。

構文

crsctl unset css parameter

使用上の注意

  • 次のクラスタ同期サービスのパラメータを指定できます。

    • diagwait

    • disktimeout

    • misscount

    • reboottime

    • priority

    • logfilesize

クラスタ同期サービスのパラメータreboottimeをデフォルト値にリストアするには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl unset css reboottime

crsctl unset css ipmiconfig

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以降では、Oracle Local Registryから以前に格納されたすべてのIPMI構成(ログイン資格証明およびIPアドレス)を消去するには、crsctl unset css ipmiconfigコマンドを使用します。このコマンドは、クラスタでIPMIを構成解除する場合、またはIPMI構成が不適切なユーザーによって以前に格納された場合に適しています。

構文

crsctl unset css ipmiconfig

使用上の注意

  • このコマンドは、IPMIを構成するときに使用したユーザー・アカウントまたは権限を持つユーザーで実行する必要があります。

  • このコマンドでは、このコマンドを実行したサーバーのIPMI構成のみが消去されます。

  • Oracle Clusterwareが、このコマンドで削除する構成データにアクセスして使用できていた場合、Oracle Clusterwareを再起動するまで、引き続きアクセスおよび使用が可能です。

Oracle Local RegistryからIPMI構成データを消去し、IPMIが今後使用されないようにOracle Clusterwareを再起動するには、rootまたはWindowsの管理者グループのメンバーとしてログインし、次のコマンドを実行します。

crsctl unset css ipmiconfig
crsctl stop crs
crsctl start crs

Oracle Restart環境のCRSCTLコマンド

この項に示すコマンドは、Oracle高可用性サービスを制御します。これらのコマンドは、Oracle高可用性サービス・デーモン(ohasd)、Oracle ASM(インストールされている場合)およびクラスタ同期サービス(Oracle ASMがインストールされている場合)で構成される、Oracle Restart環境のOracle高可用性サービス・スタックを管理します。これらのコマンドは、コマンドを実行するローカル・サーバーにのみ影響します。


注意:

Oracleでは、Oracle Restart環境でのcrs_*コマンドの使用はサポートされていません。

クラスタ内の各サーバーの状態は、次の2つのいずれかです。

  • スタック全体が起動している状態。Oracle高可用性サービスがアクティブであることを意味します。

  • スタック全体が停止している状態。Oracle高可用性サービスが非アクティブであることを意味します。

次のコマンドはOracle Restart環境でのみ使用できます。

crsctl check has

ohasdのステータスをチェックするには、crsctl check hasコマンドを使用します。

構文

crsctl check has

使用上の注意

  •  

crsctl check hasコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4638: Oracle High Availability Services is online

crsctl config has

サーバー上のOracle高可用性サービス・スタックの自動起動構成を表示するには、crsctl check hasコマンドを使用します。

構文

crsctl config has

使用上の注意

  •  

crsctl config hasコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4622 Oracle High Availability Services autostart is enabled.

crsctl disable has

サーバーの起動時にOracle高可用性サービス・スタックの自動起動を無効にするには、crsctl disable hasコマンドを使用します。

構文

crsctl disable has

使用上の注意

  •  

crsctl disable hasコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4621 Oracle High Availability Services autostart is disabled.

crsctl enable has

サーバーの起動時にOracle高可用性サービス・スタックの自動起動を有効にするには、crsctl enable hasコマンドを使用します。

構文

crsctl enable has

使用上の注意

  •  

crsctl enable hasコマンドでは次のような出力が戻されます。

CRS-4622 Oracle High Availability Services autostart is enabled.

crsctl query has releaseversion

ローカル・ノードにバイナリで格納されているOracle Clusterwareソフトウェアのリリース・バージョンを表示するには、crsctl query crs releaseversionコマンドを使用します。

構文

crsctl query has releaseversion

使用上の注意

  •  

crsctl query has releaseversionコマンドでは次のような出力が戻されます。

Oracle High Availability Services release version on the local node is [11.2.0.0.2]

crsctl query has softwareversion

ローカル・ノードのソフトウェアのバージョンを表示するには、crsctl query has softwareversionコマンドを使用します。

構文

crsctl query has softwareversion

使用上の注意

  • サーバー名を指定しない場合、Oracle Clusterwareではローカル・サーバーで実行中のOracle Clusterwareのバージョンが表示されます。

crsctl query has softwareversionコマンドでは次のような出力が戻されます。

Oracle High Availability Services version on the local node is [11.2.0.2.0]

crsctl start has

ローカル・サーバーでOracle高可用性サービスを起動するには、crsctl start hasコマンドを使用します。

構文

crsctl start has

使用上の注意

  •  

ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを起動するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl start has

crsctl stop has

ローカル・サーバーでOracle高可用性サービスを停止するには、crsctl stop hasコマンドを使用します。

構文

crsctl stop has [-f]

使用上の注意

  • このコマンドでは、Oracle高可用性サービスの停止試行中、Oracle Clusterwareによって管理されるリソースの正常な停止が試行されます。

    Oracle Clusterwareによって管理される任意のリソースが、crsctl stop hasコマンドの実行後も実行されている場合、コマンドは失敗します。すべてのリソースを無条件で停止し、Oracle高可用性サービスを停止するには、-fオプションを使用します。

ローカル・サーバーのOracle高可用性サービスを停止するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl stop has

トラブルシューティングおよび診断出力

rootユーザーとしてcrsctl set logコマンドを使用して、クラスタ・レディ・サービス(CRS)、クラスタ同期サービス(CSS)、イベント・マネージャ(EVM)およびクラスタウェア・サブコンポーネントの動的デバッグを有効にできます。crsctl debugコマンドを使用して、デバッグ・レベルを動的に変更できます。デバッグ情報は、次回の起動で使用するために、Oracle Cluster Registry(OCR)に保存されます。リソースのデバッグを有効にすることもできます。

この項の内容は次のとおりです。

動的デバッグ

この項では、デバッグに役立つ次のCRSCTLコマンドについて説明します。

crsctl set log

Oracle Clusterwareのログ・レベルを設定するには、crsctl set logコマンドを使用します。

構文

crsctl set log {[crs | css | evm "component_name=log_level, [...]"] | 
[all=log_level]}

次のように、特定のリソースのエージェントのログ・レベルを設定することもできます。

crsctl set log res "resource_name=log_level, [...]"

使用上の注意

  • CRS、CSSおよびEVMの3つのモジュールの様々なコンポーネントにログ・レベルを設定できます。allオプションを選択すると、1つのモジュールのすべてのコンポーネントに1つのコマンドでログ・レベルを設定できます。各モジュールのコンポーネントのリストを取得するには、crsctl lsmodulesコマンドを使用します。

  • コンポーネント名/ログ・レベルのペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んだリストを入力します。


    注意:

    Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)では、コンポーネント名/ログ・レベルのペアは等号(=)で分割します。以前のバージョンのOracle Clusterwareでは、コロン(:)が使用されていました。

  • log_levelは、コンポーネントまたはリソースのログ・レベルを設定する1から5までの番号です。1は最小ログ出力、5は最も詳細なログ出力を表します。デフォルトのログ・レベルは2です。

  • リソースのログ・レベルを設定するには、特定のリソースの名前か、またはリソース名/ログ・レベルのペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んだリストを指定します。

CRSモジュールのCRSRTIコンポーネントおよびCRSCOMMコンポーネントのログ・レベルを設定するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl set log crs "CRSRTI=1,CRSCOMM=2"

EVMモジュールのすべてのコンポーネントのログ・レベルを設定するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl set log evm all=2

リソースのログ・レベルを設定するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl set log res "myResource1=3"

コンポーネント・レベルのデバッグ

rootユーザーとしてcrsctl set logおよびcrsctl set traceコマンドを使用して、様々なOracle Clusterwareモジュールの動的デバッグを有効にできます。

この項には次のトピックが含まれます:

Oracle Clusterwareモジュールのデバッグの有効化

環境変数を設定するか、または次の構文を使用してcrsctl set logコマンドを実行することによって、Oracle Clusterwareモジュールおよびそれらのコンポーネントやリソースのデバッグを有効にできます。

crsctl set {log | trace} module_name "component:debugging_level
[,component:debugging_level][,...]"

crsctl setコマンドをrootユーザーとして実行し、次の情報を指定します。

  • module_name: 次のいずれかのモジュールの名前。


    mdns: マルチキャスト・ドメイン名サーバー
    gpnp: グリッド・プラグ・アンド・プレイ・サービス
    css: クラスタ同期サービス
    crf: クラスタ状態モニター
    crs: クラスタ・レディ・サービス
    ctss: クラスタ時刻同期化サービス
    evm: イベント・マネージャ
    gipc: グリッド・プロセス間通信
  • component: いずれかのモジュールのコンポーネントの名前。すべてのコンポーネントのリストについては、表E-41を参照してください。

  • debugging_level: 1から5までの番号は、デバッグ・コマンドで戻す詳細レベルを示します。1は最小デバッグ出力、5は最も詳細なデバッグ出力を表します。デフォルトのデバッグ・レベルは2です。

    crsctlコマンドでデバッグ・レベルを動的に変更するか、「デバッグ・レベルを含む初期化ファイルの作成」で説明するとおり、デバッグ・レベルを変更できるように初期化ファイルを構成できます。

次のコマンドでは、様々なモジュールに対してデバッグを有効にする方法の例を示します。

  • Oracle Clusterwareのデバッグを有効にする方法

    crsctl set log crs "CRSRTI:1,CRSCOMM:2"
    
  • OCRのデバッグを有効にする方法

    crsctl set log crs "CRSRTI:1,CRSCOMM:2,OCRSRV:4"
    
  • EVMのデバッグを有効にする方法

    crsctl set log evm "EVMCOMM:1"
    
  • リソースのデバッグを有効にする方法

    crsctl set log res "resname:1"
    

デバッグに使用可能なコンポーネントのリストを取得するには、次のようにcrsctl lsmodulesコマンドを実行します。

crsctl lsmodules {mdns | gpnp | css | crf | crs | ctss | evm | gipc}

注意:

crsctl lsmoduluesコマンドを実行するために、rootユーザーである必要はありません。

表E-41に、モジュールCRS、CSSおよびEVMのそれぞれのコンポーネントを示します。一部のコンポーネント名はCRS、EVMおよびCSSのデーモン間で共通であり、特定のデーモンで有効な場合があることに注意してください。たとえば、COMMNSはNSレイヤーで、NSレイヤーは各デーモンで使用されるため、いずれかのデーモンでこの特定のモジュール・コンポーネントを有効にして、特定のデバッグ情報を取得できます。

表E-41 CRS、CSSおよびEVMモジュールのコンポーネント

CRSコンポーネント脚注1  CSSコンポーネント脚注2  EVMコンポーネント脚注3 
CRSUI
CRSCOMM
CRSRTI
CRSMAIN
CRSPLACE
CRSAPP
CRSRES
CRSCOMM
CRSOCR
CRSTIMER
CRSEVT
CRSD
CLUCLS
CSSCLNT
COMMCRS
COMMNS
CLSF
CSSD
GIPCCM
GIPCGM
GIPCNM
GPNP
OLR
SKGFD
EVMD
EVMDMAIN
EVMCOMM
EVMEVT
EVMAPP
EVMAGENT
CRSOCR
CLUCLS
CSSCLNT
COMMCRS
COMMNS

脚注1: crsctl lsmodules crsコマンドを使用して、CRSコンポーネントのリストを取得します。

脚注2: crsctl lsmodules cssコマンドを使用して、CSSコンポーネントのリストを取得します。

脚注3: crsctl lsmodules evmコマンドを使用して、EVMコンポーネントのリストを取得します。

例1    

特定のクラスタ・ノードにデバッグ・レベルを設定するには、-nodelistキーワードおよびノードの名前を次のように含めます。

crsctl set log crs "CRSRTI:1,CRSCOMM:2" -nodelist node1,node2

表E-42に、クラスタ同期サービス・モジュールを示します。

表E-42 クラスタ同期サービス(CSS)・モジュールおよびその機能

モジュール 説明

CSS

CSSクライアント・コンポーネント

CSSD

CSSデーモン・コンポーネント


表E-43に、各通信(COMM)モジュールを示します。

表E-43 通信(COMM)モジュールおよびその機能

モジュール 説明

COMMCRS

Clusterware通信レイヤー

COMMNS

NS通信レイヤー


表E-44に、各CRSモジュールで実行される機能を示します。

表E-44 Oracle Clusterware(CRS)モジュールおよびその機能

モジュール 説明

CRSUI

ユーザー・インタフェース・モジュール

CRSCOMM

通信モジュール

CRSRTI

リソース管理モジュール

CRSMAIN

メイン・モジュール/ドライバ

CRSPLACE

CRS配置モジュール

CRSAPP

CRSアプリケーション

CRSRES

CRSリソース

CRSOCR

Oracle Cluster Registryインタフェース

CRSTIMER

CRSに関連する様々なタイマー

CRSEVT

CRS EVM/イベント・インタフェース・モジュール

CRSD

CRSデーモン


crsctl set log crsコマンドを使用して、表E-45にリストされているOCRコンポーネントをデバッグできます。表E-45にリストされているコンポーネントは、OCRMASおよびOCRASMを除くOracle Local Registry(OLR)にも使用できます。また、OCRMASおよびOCRSRVを除くOCRクライアントおよびOLRクライアントにも使用できます。一部のOCRクライアントおよびOLRクライアントにはOCRCONFIG、OCRDUMPなどがあります。

表E-45 Oracle Cluster Registry(OCR)コンポーネント名

モジュール 説明

OCRAPI

OCR抽象化コンポーネント

OCRCLI

OCRクライアント・コンポーネント

OCRSRV

OCRサーバー・コンポーネント

OCRMAS

OCRマスター・スレッド・コンポーネント

OCRMSG

OCRメッセージ・コンポーネント

OCRCAC

OCRキャッシュ・コンポーネント

OCRRAW

OCR RAWデバイス・コンポーネント

OCRUTL

OCRユーティリティ・コンポーネント

OCROSD

OCRオペレーティング・システム固有(OSD)レイヤー

OCRASM

OCR ASMコンポーネント


表E-46に、OCRツール・モジュールを示します。

表E-46 OCRCONFIGモジュールおよびその機能

モジュール 説明

OCRCONFIG

OCRを構成するためのOCRCONFIGコンポーネント

OCRDUMP

Oracle Cluster Registryの内容を表示するOCRDUMPコンポーネント

OCRCHECK

すべての構成済OCRを検証するOCRCHECKコンポーネント


デバッグ・レベルを含む初期化ファイルの作成

この項では、初期化ファイルでデバッグ・レベルを指定する方法について説明します。このデバッグ情報は、次回の起動で使用できるように保存されます。

デバッグする各プロセスに対して、デバッグ・レベルを指定する初期化ファイルを作成できます。

初期化ファイルのファイル名には、デバッグするプロセスの名前(process_name.ini)が含まれます。ファイルは、Grid_home/log/host_name/admin/ディレクトリに格納されます。たとえば、node1にあるCLSCFGデバッグ初期化ファイルは次のような名前です。

Grid_home/log/node1/admin/clscfg.ini

OCRユーティリティを使用するときに初期化ファイルを使用することもできます。ocrconfigocrdumpおよびocrcheckの初期化ファイルは次のとおりです。

Grid_home/srvm/admin/ocrlog.ini

初期化ファイルの書式は次のとおりです。

mesg_logging_level=2
comploglvl="OCRAPI:0;OCRSRV:0"
comptrclvl="OCRAPI:0;OCRSRV:0"

コンポーネント名、ロギングおよびトレース・レベルを指定できます。


関連項目:

crsctlコマンドでレベル番号(1から5まで)を指定して、デバッグ・レベルを動的に変更する情報については、「Oracle Clusterwareモジュールのデバッグの有効化」を参照してください。

Oracle Clusterwareリソースのデバッグの有効化

次の構文を使用してcrsctl set logコマンドを実行することによって、Oracle Clusterwareのリソースのデバッグを有効にできます。

crsctl set log res "resource_name=debugging_level"

crsctl set logコマンドをrootユーザーとして実行し、次の情報を指定します。

  • resource_name: デバッグするリソースの名前。

  • debugging_level: 1から5までの番号は、デバッグ・コマンドで戻す詳細レベルを示します。1は最小デバッグ出力、5は最も詳細なデバッグ出力を表します。デフォルトのデバッグ・レベルは2です。

    crsctlコマンドでデバッグ・レベルを動的に変更するか、「デバッグ・レベルを含む初期化ファイルの作成」で説明するとおり、デバッグ・レベルを変更できるように初期化ファイルを構成できます。

デバッグに使用可能なリソースのリストを取得するには、crsctl status resourceコマンドを実行します。

例1    

node1上のVIPリソースのデバッグ・ログを生成するには、次のコマンドを発行します。

crsctl set log res "ora.node1.vip:1"

Oracle Clusterwareコンポーネントのための追加トレースの有効化

My Oracle Supportから、追加情報を取得するトレースを有効にするように要求されることがあります。この項で説明する手順は、パフォーマンスに影響を及ぼすことがあるため、必ずMy Oracle Supportの支援のもとで実行してください。

次の構文を使用してcrsctl set traceコマンドを実行することによって、Oracle Clusterwareのリソースのトレースを有効にできます。

crsctl set trace module_name "component_name=tracing_level,..."

crsctl set traceコマンドをrootユーザーとして実行し、次の情報を指定します。

  • module_name: 次のいずれかのモジュールの名前。


    mdns: マルチキャスト・ドメイン名サーバー
    gpnp: グリッド・プラグ・アンド・プレイ・サービス
    css: クラスタ同期サービス
    crf: クラスタ状態モニター
    crs: クラスタ・レディ・サービス
    ctss: クラスタ時刻同期化サービス
    evm: イベント・マネージャ
    gipc: グリッド・プロセス間通信
  • component_name: いずれかのモジュールのコンポーネントの名前。コンポーネントのリストについては、表E-41を参照してください。

  • tracing_level: 1から5までの番号は、トレース・コマンドで戻す詳細レベルを示し、1は最小トレース出力、5は最も詳細なトレース出力を表します。

例1    

クラスタ同期サービスのトレース・ファイルを生成するには、次のコマンドを使用します。

crsctl set trace "css=3"