Oracle Interface Configurationツール(OIFCFG)のコマンドライン・インタフェースにより、ネットワーク・インタフェースを定義および管理できます。Oracle Clusterware環境では、次の作業に対してOIFCFGコマンドを使用できます。
ネットワーク・インタフェースのコンポーネントへの割当ておよび割当て解除
特定のネットワーク・インタフェースを使用するようにコンポーネントを設定
コンポーネント構成情報の取得
内容は次のとおりです。
OIFCFGを起動する前に、コマンドに-global
オプションを指定する場合は、少なくともローカル・ノードで(可能な場合はすべてのノードで)Oracle Clusterwareを起動していることを確認します。
注意: グローバル・ネットワーク・インタフェースを変更するには、Oracle Clusterwareがすべてのクラスタ・ノードで実行されている必要があります。 |
Oracle Clusterwareソフトウェアをインストールしたユーザーとして、Grid_home
/bin/
ディレクトリからOIFCFGを実行します。次に例を示します。
$ ./oifcfg
OIFCFGのオンライン・ヘルプを表示するには、oifcfg -help
コマンドを実行します。
$ ./oifcfg -help Name: oifcfg - Oracle Interface Configuration Tool. Usage: oifcfg iflist [-p [-n]] oifcfg setif {-node nodename | -global} {if_name/subnet:if_type}... oifcfg getif [-node nodename | -global] [ -if if_name[/subnet] [-type if_type] ] oifcfg delif {{-node nodename | -global} [if_name[/subnet]] [-force] | -force} oifcfg [-help] nodename - name of the host, as known to a communications network if_name - name by which the interface is configured in the system subnet - subnet address of the interface if_type - type of the interface {cluster_interconnect | public}
この項の内容は次のとおりです。
oifcfg iflist [-p [-n]] oifcfg setif {-node nodename | -global} {if_name/subnet:if_name}... oifcfg getif [-node nodename | -global] [ -if if_name[/subnet] [-type if_type]] oifcfg delif {{-node nodename | -global} [ -if if_name[/subnet]] [-force] | -force} oifcfg [-help]
OIFCFGコマンド
表D-1に示されたOIFCFGコマンドのいずれかを入力できます。
表D-1 OIFCFGコマンド
コマンド | 説明 |
---|---|
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インタフェースのインタフェース・タイプ(パブリックまたはクラスタ・インターコネクト)を設定します。 |
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グローバル・インタフェースまたはノード固有のインタフェースとして格納されたネットワーク構成を削除します。クラスタのすべてのノードから格納されたネットワーク構成を削除するには、 |
OIFCFGコマンドのパラメータ
この項では、OIFCFGコマンドのパラメータを示します。実行するコマンドによっては、一部のパラメータがオプションとなることに注意してください。
olsnodes
コマンドの出力結果にリストされるOracle Clusterwareノードの名前。OLSNODESコマンドの詳細は、付録C「OLSNODESのコマンド・リファレンス」
を参照してください。
ネットワーク・インタフェースは、グローバル・インタフェースとしても(iflist
コマンドによりレポートされた場合)、ノード固有のインタフェースとしても格納できます。
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)クラスタのすべてのノードが同じサブネットに接続された同じインタフェースを使用している場合、インタフェースはグローバル・インタフェースとして格納されます。グローバル・インタフェース(各パブリック・サブネットのすべてのノード、および各プライベート・サブネットのすべてのノードが、それぞれ同一ネットワーク・インタフェースを持つ構成)は、推奨構成であるだけでなく、デフォルトのインストール構成です。
インタフェースは、ノード固有の(ローカル)インタフェースとして格納できます。
注意: Oracleでは、現在、クラスタ内の各ノードで複数のネットワーク・インタフェースを持つことはできません。各パブリック・サブネットのすべてのノード、各プライベート・サブネットのすべてのノードが、それぞれ同一のネットワーク・インタフェースを持つように構成することをお薦めします。 |
システムでインタフェースが構成されるときの名前。
インタフェースのサブネット番号
インタフェースのタイプ(public
またはcluster_interconnect
)
OIFCFGコマンドのオンライン・ヘルプを表示します。
OIFCFGの使用方法
ネットワーク・インタフェースの指定には、次の形式を使用します。
if_name
/subnet
:if_type
この指定では、次の項目を使用して、ネットワーク・インタフェースを一意に識別します。
インタフェース名
oifcfg setif
コマンドを使用する場合、インタフェース名には、任意の文字列に一致するアスタリスク(*)などのワイルドカード文字を含めることができます。ただし、ワイルドカードを含むインタフェース名は二重引用符(""
)で囲む必要があります。
注意: Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)より前のデータベースでワールドカードを使用した場合、Oracleは、ローカル・ノードでワイルドカードを展開してインタフェース名を解決します。したがって、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)より前のデータベースが使用されるクラスタでワイルドカードを使用することはお薦めしません。Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)より前のデータベースでワイルドカードを使用する場合は、そのデータベースで、かわりにCLUSTER_INTERCONNECTS パラメータを使用する必要があります。 |
関連付けられたサブネット
インタフェース・タイプ
インタフェース・タイプは、ネットワークを構成する目的を示します。サポートされるインタフェース・タイプは次のとおりです。
public
: Oracle Netや仮想インターネット・プロトコル(VIP)・アドレスなど、Oracle RACインスタンスの外部にあるコンポーネントと通信するために使用できるインタフェース
cluster_interconnect
: インスタンス間の通信やキャッシュ・フュージョン脚注1 通信を提供するため、クラスタ・インターコネクトに使用されるプライベート・インタフェース
cluster_interconnect
のインタフェース・タイプを設定すると、それは起動時にインスタンスに適用されます。変更内容はインスタンスを再起動するまで反映されません。
次の指定では、アドレス204.152.65.0にあるクラスタ・インターコネクトとしてqfe0
を識別します。
qfe0/204.152.65.0:cluster_interconnect
Oracle Universal Installerは、OIFCFGを使用して、使用可能なインタフェースの識別および表示を行います。
インタフェース名の変更による影響は、どの名前を変更するか、またIPアドレスも変更するかどうかによって異なります。インタフェース名のみを変更する場合、影響はわずかです。Oracle Cluster Registry(OCR)内に格納されたパブリック・インタフェースの名前を変更する場合、各ノードのnodeappsを変更する必要があります。したがって、この変更を有効にするために、nodeappsを停止する必要があります。
グローバル変更を実行する場合は、クラスタのすべてのメンバー上でOracle Clusterwareを再起動する必要があります。ローカル変更の場合は、ノードの再起動のみ実行する必要があります。データベースのインターコネクトの変更は、インスタンスの起動時に行われます。ただし、Oracle Clusterwareのインターコネクトは、異なる場合があります。
インターコネクトはインスタンスの起動時に選択されるため、OIFCFGコマンドの発行のみで、実行中のシステムにすぐに影響することはありません。そのかわり、このコマンドにより影響される可能性のあるコンポーネントの再起動後に、変更内容は有効になります。
OIFCFGを使用してクラスタ全体のネットワーク分類を変更するには、そのグリッド・プラグ・アンド・プレイ・プロファイルが更新可能になるように、既知のすべてクラスタ・ノードが起動されている必要があります。
OIFCFGの例
次の例では、OIFCFGコマンドの一般的な使用方法をいくつか示します。
ローカル・ノード上で使用可能なすべてのインタフェースのインタフェース名とサブネットを表示するには、OIFCFGを使用して、次の例に示すようにiflist
キーワードを実行します。
oifcfg iflist eth0 172.19.141.0 eth1 172.21.65.0
また、getif
コマンドを使用すると、特定のOIFCFG情報を取得できます。
たとえば、Oracle Clusterwareのインストール後に、次のコマンドを入力することで、パブリックおよびクラスタ・インターコネクトが適切な値に設定されているかどうかを確認できます。
$ oifcfg getif
このコマンドは、次のようなglobal public
およびcluster_interconnect
の値を戻します。
eth0 172.19.141.0 global public eth1 172.21.65.0 global cluster_interconnect
インタフェースを格納するには、setif
キーワードを使用します。たとえば、サブネットが172.19.141.0のインタフェースeth0
をグローバル・インタフェース(クラスタおよびOracle Clusterware内のすべてのOracle RACインスタンスに対するインターコネクトとして使用するインタフェース)として格納するには、次のコマンドを使用します。
oifcfg setif -global eth0/172.19.141.0:cluster_interconnect
注意: 実行されていないノードでグリッド・プラグ・アンド・プレイ・プロファイルを更新できないため、setif コマンドを実行するときはすべてのノードが実行されていることを確認します。 |
グローバルまたはノード固有のインタフェースとして格納された構成を削除するには、oifcfg delif
コマンドを使用します。特定のノード固有のインタフェースまたはグローバル・インタフェースは、コマンドラインにインタフェース名を指定することで(オプションでサブネットを指定して)削除できます。
注意: コマンドラインでoifcfg delif のみを入力し、他の引数を指定しない場合、OIFCFGはクラスタ内のすべてのノードですべてのインタフェースを削除します。 |
たとえば、次のコマンドでは、サブネット172.21.65.0のグローバル・インタフェースeth1
が削除されます。
oifcfg delif -global eth1/172.21.65.0
次の例では、コマンドによって、OIFCFGで割り当てられたすべてのグローバル・インタフェースが削除されます。
oifcfg delif -global
脚注の説明
脚注1: キャッシュ・フュージョンは、ブロックを保持しているインスタンスのメモリー・キャッシュから要求側インスタンスのメモリー・キャッシュにブロックを直接コピーするディスク不要のキャッシュ一貫性メカニズムです。