データ・ウェアハウスの管理、設計および実装を行うユーザーとして、組織内のOracleデータ・ウェアハウスの操作全体を監視し、効率的なパフォーマンスを維持します。
この項の内容は次のとおりです。
『Oracle Database 2日でデータ・ウェアハウス・ガイド』では、データ・ウェアハウスを実装して管理するために必要な共通の日常のタスクを実行する方法を説明しています。このガイドの目標は、Oracle Databaseで使用可能なデータ・ウェアハウス・ソリューションの概要を示すことです。
基本的なパフォーマンス監視タスクを実行する方法を含め、データ・ウェアハウスの稼働を続けるために必要な共通の管理タスクおよび設計タスクを行う方法を説明します。
このガイドで使用する主要なインタフェースは、Oracle Enterprise Manager(Enterprise Manager)、Oracle Warehouse Builder(Warehouse Builder)およびSQL*Plusです。
参照:
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このガイドを使用する前に、次の準備を実行する必要があります。
Oracle Databaseを管理するOracle Enterprise Manager(EM)の使用方法についての理解を深めます。『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。
「データ・ウェアハウス管理用ツール」に示されている必要なツールを入手します。
『Oracle Database 2日でデータ・ウェアハウス・ガイド』は、データ・ウェアハウスをOracle Databaseに実装するための完全なガイドではありません。このガイドの目的は、タスクがタスク指向方式で実行される理由と時期を説明することです。必要に応じて、現行のタスクを理解して完了するために必要な概念を説明します。
機能および使用上の詳細な手順に関する完全な概念の情報は、次の適切なドキュメントを参照してください。
『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』
『Oracle Warehouse Builderソースおよびターゲット・ガイド』
管理タスクについては、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
データ・マイニングについては、『Oracle Data Mining Concepts』を参照してください。
データ・ウェアハウスは、問合せと分析のために設計されたリレーショナル・データベースまたは多次元データベースです。OLTPシステムのドメインであるトランザクション処理用には最適化されません。通常はデータ・ウェアハウスにより、複数のソースから導出された履歴データおよび分析データが統合されます。データ・ウェアハウスにより、トランザクション・ワークロードから分析ワークロードが分割され、組織が複数のソースからデータを統合できるようにします。
データ・ウェアハウスには通常、複数月または複数年のデータが格納されており、履歴の分析をサポートします。データ・ウェアハウス内のデータは通常、OLTPアプリケーション、メインフレーム・アプリケーション、または外部データのプロバイダなどのような1つ以上のデータ・ソースから抽出、変換およびロード(ETL)の各プロセスを介してロードされます。
データ・ウェアハウスのユーザーは、多くの場合、時間に関連するデータの分析を実行します。例として、昨年の連結売上高、在庫分析、製品別収益および顧客別収益があります。より高度な分析に、傾向分析とデータ・マイニングがあり、既存のデータを使用して傾向または今後を予測します。一般にデータ・ウェアハウスでは、ビジネス・インテリジェンス環境の基盤を提供します。
このガイドでは、スター・スキーマなど、リレーショナル実装について説明しています。
参照: 多次元データ・ウェアハウスの詳細は、『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。 |
データの一部は、単純化およびパフォーマンスの向上のために非正規化されています。
大量の履歴データが使用されます。
問合せにより大量のデータを取得することがあります。
計画済問合せと非定型問合せの両方とも一般的です。
データのロードは制御されます。
一般的に、データ・ウェアハウスを正常に動作させるためには、高いデータ・スループットによる高速な問合せのパフォーマンスが重要となります。
Oracleデータ・ウェアハウス管理者または設計者として、次のタスクを行うことが予想されます。
データ・ウェアハウスとして使用するためのOracle Databaseの構成
データ・ウェアハウスの設計
データベース・ソフトウェアおよびデータ・ウェアハウス・ソフトウェアの新規リリースへのアップグレードの実行
スキーマ・オブジェクトの管理(表、索引およびマテリアライズド・ビューなど)
ユーザーおよびセキュリティの管理
抽出、変換およびロード(ETL)の各プロセスに使用するルーチンの開発
データ・ウェアハウス内のデータに基づいたレポートの作成
必要に応じたデータ・ウェアハウスのバックアップおよびリカバリの実行
データ・ウェアハウスのパフォーマンスの監視と必要に応じた予防処理または修正処理
中小規模のデータ・ウェアハウス環境では、これらのタスクを単独で実行する可能性があります。大企業のような環境の場合、ジョブはデータベース・セキュリティまたはデータベースのチューニングなどの専門を持つ数名のDBAおよび設計者に分割されます。
このガイドでは、次のタスクについて説明します。
データ・ウェアハウスとして使用するためのOracle Databaseを構成します。
第2章「データ・ウェアハウス・システムの設定」を参照してください。この項では、このガイド全体の演習で参照されるデモンストレーションにアクセスする方法についても説明されています。
データを統合する最初のステップを実行します。
第3章「データ・ソースの識別およびメタデータのインポート」の説明に従います。
ウェアハウス内のターゲット・オブジェクトの定義を開始します。
ターゲット・ウェアハウスの外部表、ディメンションおよびキューブを定義する方法については、第4章「Oracle Warehouse Builderでのウェアハウスの定義」を参照してください。
ターゲットにデータを抽出、変換およびロードする計画を定義します。
手順2で指定したソースからデータを抽出し、そのデータを変換し、次に手順3で設計したターゲットにデータをロードするETLロジックを定義する方法については、第5章「ETLロジックの定義」を参照してください。
ターゲット・スキーマへ配布し、ETLロジックを実行します。
マッピングからのコードを使用してターゲット・スキーマを準備する方法、およびその後にそのコードを実行する方法については、第6章「ターゲット・スキーマへの配布およびETLロジックの実行」を参照してください。
効率的なSQLを書きます。
第7章「レポートおよび分析のSQL」を参照し、説明されているタスクを完了します。この項では、効率的なSQLを書く方法について説明されています。
データ・ウェアハウスをリフレッシュします。
第8章「データ・ウェアハウスのリフレッシュ」を参照し、説明されているタスクを完了します。
操作を最適化します。
第9章「データ・ウェアハウスの操作の最適化」を参照し、説明されているタスクを完了します。
パフォーマンス・ボトルネックを排除します。
第10章「パフォーマンス・ボトルネックの排除」を参照し、説明されているタスクを完了します。
データ・ウェアハウスのバックアップおよびリカバリの基本の一部を確認します。
データ・ウェアハウスをバックアップおよびリカバリする方法に関するいくつかの考慮事項については、第11章「データ・ウェアハウスのバックアップおよびリカバリ」を参照してください。
データ・ウェアハウスのセキュリティの基本の一部を確認します。
安全なデータ・ウェアハウスを作成する方法に関するいくつかの考慮事項については、第12章「データ・ウェアハウスのセキュリティ」を参照してください。
このガイドの手順では、データ・ウェアハウスで目標を達成するための次の製品、ツールおよびユーティリティが示されます。これらが必要となる場合もあります。
Oracle Universal Installer
Oracle Universal Installer(OUI)により、Oracleソフトウェアおよびオプションをインストールします。これによりDatabase Configuration Assistant(DBCA)が自動的に開始され、データベースがインストールされます。OUIおよびDBCAはOracle Databaseに含まれます。オプションの情報は、Oracle Universal Installerユーザーズ・ガイドfor Windows and UNIXを参照してください。
Oracle Enterprise Manager
データベースを管理する主要なツールはWebベースのインタフェースであるOracle Enterprise Managerです。Oracleソフトウェアのインストール、データベースの作成またはアップグレード、およびネットワークの構成後、データベースを管理するOracle Enterprise Managerを使用できます。さらに、Oracle Enterprise Managerではパフォーマンス・アドバイザのインタフェース、およびSQL*Loader、Recovery ManagerなどのOracleユーティリティのインタフェースを使用できます。このガイドの記載よりもさらに詳細な内容を確認する場合は、『Oracle Enterprise Manager管理』を参照してください。
Oracle Warehouse Builder
データ・ウェアハウスの移入および保持のための主要な製品であるOracle Warehouse Builderによって、単一の製品内でのETL、データ品質管理およびメタデータ管理が提供されます。
Warehouse Builderには、Oracle Databaseに格納される統合リポジトリが含まれています。Warehouse Builderは、Oracle Databaseの機能を使用して、Oracle DatabaseターゲットへのロードおよびOracle Databaseターゲットのメンテナンスに適したコードを生成します。詳細および総合的な手順は、『Oracle Warehouse Builderデータ・モデリング、ETLおよびデータ・クオリティ・ガイド』を参照してください。
Oracle Tuning Pack
Oracle Tuning Packでは、データベース全体のチューニング処理を自動化する一連のテクノロジが提供されるため、データベースの管理コストが大幅に削減され、パフォーマンスと信頼性が向上します。このガイドで使用されているOracle Tuning Packの主要な機能は、SQLアクセスおよびSQLチューニング・アドバイザです。『Oracle Databaseライセンス情報』および『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。
注意: この項でリストされているOUIおよびWarehouse Builderは、Oracle Databaseに含まれています。Warehouse Builderの一部のデータ品質機能には、追加のライセンスが必要です。Oracle Tuning Packには、追加のライセンスが必要です。 |