オラクル社は、業界標準に準拠するよう努力し、SQL標準化委員会にも積極的に参加しています。業界で認知されている委員会には、ANSI(米国規格協会)、およびIEC(国際電気標準会議)が電気・電子部門を担当しているISO(国際標準化機構)があります。ANSIとISO/IECはともに、SQLをリレーショナル・データベースの標準言語として認めています。新しいSQL規格がこの両機関から同時に発表された場合、その規格の名前は、各機関の規則に従って付けられますが、技術的な詳細は同じです。
2008年7月に採用された最新のSQL規格をSQL:2008といいます。この規格の正式名称は、次のとおりです。
ANSI/ISO/IEC 9075:2008、『Database Language SQL』、Part 1「SQL/Framework」、Part 2「SQL/Foundation」、Part 3「SQL/CLI」、Part 4「SQL/PSM」、Part 9「SQL/MED」、Part 10「SQL/OLB」、Part 11「SQL/Schemata」、Part 13「SQL/JRT」、ANSI/ISO/IEC 9075-14:2008、『Database Language SQL』、Part 14「SQL/XML」
ISO/IEC 9075:2008、『Database Language SQL』、Part 1「SQL/Framework」、Part 2「SQL/Foundation」、Part 3「SQL/CLI」、Part 4「SQL/PSM」、Part 9「SQL/MED」、Part 10「SQL/OLB」、Part 11「SQL/Schemata」、Part 13「SQL/JRT」、ISO/IEC 9075-14:2008、『Database Language SQL』、Part 14「SQL/XML」
SQLは、アプリケーション・プログラマ、データベース管理者、マネージャ、エンド・ユーザーなど、あらゆる分野のユーザーに利益をもたらします。技術的ないい方をすると、SQLはデータ副言語です。SQLの目的は、Oracle Databaseのようなリレーショナル・データベースとのインタフェースを提供することであり、すべてのSQL文はデータベースに対する命令です。この点において、SQLは、CやBASICのような汎用プログラミング言語と異なります。SQLには、次のような特長があります。
個々の単位としてではなく、グループとして一連のデータを処理します。
データへの自動的なナビゲーション・アクセス(経路設定)を実行します。
使用される文は、それぞれが複雑、強力で、スタンドアロン型の文です。これまで、SQLにはフロー制御文は含まれていませんでしたが、最近認められたSQLのオプション部分ISO/IEC 9075-5 : 1996にはフロー制御文が含まれています。フロー制御文は、永続保存モジュール(PSM)としてよく知られており、SQLの拡張機能であるOracleのPL/SQLは、PSMに似ています。
SQLでは、データを論理的なレベルで処理できます。処理系について考えることは、データの細部を操作する場合のみで済みます。たとえば、表から一連の行を検索するには、行をフィルタ処理するための条件を定義します。この条件を満たすすべての行が1つの手順で検索され、ユーザー、別のSQL文またはアプリケーションに1つの単位として渡されます。行単位で処理する必要がなく、行の物理的な格納方法や検索方法を気にする必要もありません。SQL文を実行すると、Oracle Databaseの問合せオプティマイザが働きます。この機能によって、指定したデータに最も速くアクセスする方法が決定されます。Oracleには、オプティマイザの性能を向上させる方法も用意されています。
SQL文を使用して、次の処理を行うことができます。
データの問合せ
表の中の行の挿入、更新、削除
オブジェクトの作成、置換、変更、削除
データベースとデータベース・オブジェクトへのアクセス制御
データベースの一貫性と整合性の保証
SQLでは、前述のすべてのタスクを1つの一貫性のある言語に統一しました。