この章では、Data Guard環境のデータベースに影響を与える初期化パラメータについて説明します。
表14-1に初期化パラメータと、そのパラメータがプライマリ・データベース・ロール、スタンバイ・データベース・ロール、あるいはその両方のいずれに適用されるかを示します。また、これらのパラメータをData Guard環境で設定する場合の固有の注意点および推奨事項も記載します。『Oracle Databaseリファレンス』には、ALTER SYSTEM SET
文の発行(たとえばALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_TRACE
など)、または初期化パラメータ・ファイルの編集による初期化パラメータの更新方法を含む、完全な初期化パラメータ情報が記載されています。初期化パラメータの設定方法の詳細は、オペレーティング・システム固有のOracleマニュアルを参照してください。
表14-1 Data Guard構成内のインスタンスの初期化パラメータ
パラメータ | 適用可能先 | 注意点および推奨事項 |
---|---|---|
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
スイッチオーバーを実行すると思われる場合は、同じ値をプライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースに指定します。値が異なる場合は、REDO転送サービスがREDOデータをプライマリ・データベースからスタンバイ・データベースに転送できない可能性があります。3.2.3項の例を参照してください。 ロジカル・スタンバイ・データベースは、スイッチオーバーがないと思われる場合、プライマリ・データベースより SQL Applyを使用したローリング・アップグレードの場合は、このパラメータを12.4項「ロジカル・スタンバイ・データベースの新規作成によるローリング・アップグレードの実行」で説明したガイドラインに従って設定します。 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
オプション。このパラメータを使用して、指定された日数(0から365)内に、制御ファイル内(アーカイブREDOログ・ファイルなどの必要な情報が含まれている)の再使用可能レコードが上書きされないようにします。 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
必須。1つ以上の制御ファイルのパス名とファイル名を指定します。制御ファイルはすでにデータベースに存在している必要があります。2つの制御ファイルを使用することをお薦めします。現行の制御ファイルの別のコピーが存在していれば、問題のない制御ファイルを問題のある制御ファイルの場所にコピーした後、容易にインスタンスを再開できます。3.2.3項の例を参照してください。 |
|
フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同じシステムにある場合、またはデータファイルが格納されているスタンバイ・システムのディレクトリがプライマリ・システムと異なる場合は必須。このパラメータには、文字列をペアで指定する必要があります。最初の文字列は、プライマリ・データベース・ファイル名の中で検索される文字列です。その文字列が一致すると、スタンバイ・データベース・ファイル名を構成する2番目の文字列に置き換えられます。複数のペアのファイル名を指定できます。例3-1も参照してください。 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
|
|
フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
このパラメータは必要なくなりました。設定されていない場合、フェッチ・アーカイブ・ログ(FAL)サーバーは、クライアントの |
|
フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
欠落しているアーカイブREDOログ・ファイルをこのスタンバイ・データベースがフェッチ(要求)できるフェッチ元データベースのOracle Netサービス名を1つ以上指定します。 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
オプション。このパラメータが定義されており、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースが同じホストに存在する場合は、スタンバイ・データベースに対してプライマリ・データベースとは異なる名前を指定します。3.2.3項の例を参照してください。 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
強く推奨いたします。Data Guard機能をすべて有効化するには、このパラメータの |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
必須。最大30(ここでn = 1, 2, 3, ...31)の宛先を定義します。それぞれが |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
必須。 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
|
|
プライマリ スナップショット・スタンバイ |
このパラメータは非推奨であり、下位互換性のためにのみ保持されています。このパラメータを明示的に設定する場合は、 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
オプション。Oracleソフトウェアが最初に起動するアーカイバ( |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
オプション。このパラメータは、ログ・ファイル・グループを再使用する前にアーカイブする必要のあるローカルまたはリモートの必須の宛先、またはローカルのオプションの宛先の数を指定します。 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
オプション。スタンバイ・サイトへのREDOデータの転送をトレースするには、このパラメータを設定します。有効な整数値は、付録Fを参照してください。 |
|
ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同じシステムにある場合、またはログ・ファイルが存在するスタンバイ・サイトのディレクトリ構造がプライマリ・サイトと異なる場合は必須。このパラメータは、プライマリ・データベースのオンラインREDOログ・ファイルのパス名をスタンバイ・データベースのパス名に変換します。3.2.3項の例を参照してください。 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
オペレーティング・システムの認証を管理ユーザーに使用する場合およびSSLをREDO転送の認証に使用する場合はオプション。それ以外の場合は、Data Guard構成内の各データベースに対して、 |
|
プライマリ ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
オプション。オンラインREDOログ・ファイルから読み込んだ情報を処理するSystem Global Area(SGA)の指定に使用します。使用可能なSGAが大きいと、処理できる情報量も大きくなります。 |
|
ロジカル・スタンバイ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
このパラメータは非推奨であり、下位互換性のためにのみ保持されています。 |
|
プライマリ フィジカル・スタンバイ スナップショット・スタンバイ |
|