自動診断リポジトリ・コマンド・インタプリタ(ADRCI)ユーティリティは、Oracle Database診断データの管理に使用するコマンドライン・ツールです。
この章の内容は、次のとおりです。
参照: 診断データの管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
ADRCIは、Oracle Database 11gに導入された故障診断機能インフラストラクチャに使用されるコマンドライン・ツールです。ADRCIでは、次の操作を実行できます。
自動診断リポジトリ(ADR)内の診断データを表示します。
状態モニターのレポートを表示します。
Oracleサポート・サービスへ送信するために、インシデントや問題の情報をZIPファイルにパッケージ化します。
診断データには、インシデントおよび問題についての説明、トレース・ファイル、ダンプ、状態モニターのレポート、アラート・ログ・エントリなどが含まれます。
ADRデータは、ADRディレクトリのオペレーティング・システム権限により保護されているため、ADRCIにログインする必要はありません。
ADRCIには豊富なコマンド・セットがあり、対話方式モードで使用したり、スクリプト内で使用できます。
注意: 診断データを管理する場合の簡単で推奨される方法は、Oracle Enterprise Managerサポート・ワークベンチ(サポート・ワークベンチ)を使用する方法です。ADRCIでは、サポート・ワークベンチの機能の大部分にかわるコマンドライン機能が備わり、トレース・ファイルのリスト表示や問合せなどの機能が追加されています。サポート・ワークベンチの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
次に、ADRCIおよびOracle Databaseの故障診断機能インフラストラクチャで使用される用語の定義を示します。
自動診断リポジトリ(ADR)
自動診断リポジトリ(ADR)は、データベース診断データ(トレース、ダンプ、アラート・ログ、状態モニターのレポートなど)のファイルベース・リポジトリです。複数のインスタンスや製品にまたがる一元化されたディレクトリ構造を持っています。リリース11g以上では、データベース、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)およびその他のオラクル社の製品やコンポーネントは、すべての診断データをADRに格納します。各製品のインスタンスはそれぞれ、診断データを独自のADRホーム・ディレクトリの下に配置します(「ADRホーム」を参照)。たとえば、共有記憶域とASMを使用するOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境では、各データベース・インスタンスおよび各Oracle ASMインスタンスがADR内にホーム・ディレクトリを持ちます。ADRの統一されたディレクトリ構造を使用することで、ユーザーおよびOracleサポート・サービスによる、複数のインスタンスおよび複数の製品間での診断データを関連付けた分析が可能になります。
問題
問題とは、データベースで発生するクリティカル・エラーのことです。クリティカル・エラーには、ORA-00600
などの内部エラーや、ORA-07445
(オペレーティング・システムの例外)、ORA-04031
(共有プールのメモリー不足)などのその他の重大なエラーが含まれます。問題はADR内で追跡されます。各問題には、問題キーと一意の問題IDが割り当てられます(「問題キー」を参照)。
インシデント
インシデントは、問題が1回発生したことを表します。問題が複数回発生する場合は、発生ごとにインシデントが作成されます。インシデントはADR内で追跡されます。各インシデントは、数値型のインシデントIDによって識別されます。このIDはADR内で一意です。インシデントが発生すると、データベースによりアラート・ログ内にエントリが作成され、Oracle Enterprise Managerにインシデント・アラートが送信されます。次に、インシデントに関する診断データがダンプ・ファイルの形式(インシデント・ダンプ)で収集され、インシデントIDを使用してインシデント・ダンプにタグが付けられ、インシデント・ダンプがそのインシデント用に作成されたADRサブディレクトリに格納されます。
通常、クリティカル・エラーの診断と解決は、インシデント・アラートから開始されます。ADR内のすべてのインシデントのリストは、ADRCIコマンドを使用して取得できます。各インシデントは1つの問題にのみマップされます。
インシデントはフラッド制御されているため、1つの問題が生成するインシデントやインシデント・ダンプが多すぎることはありません。インシデント・フラッド制御の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
問題キー
すべての問題には問題キーが割り当てられています。問題キーはエラー・コード(ORA
600
など)を含むテキスト文字列で、1つ以上のエラー・パラメータを含むことがあります。2つのインシデントは、その2つの問題キーが一致した場合に発生原因が同じとみなされます。
インシデント・パッケージ
インシデント・パッケージ(パッケージ)は、1つ以上の問題に対するインシデント・データの集合です。Oracleサポート・サービスにインシデント・データを送信する前に、インシデント・パッケージング・サービス(IPS)を使用してパッケージにデータを収集する必要があります。パッケージを作成した後は、パッケージに外部ファイルを追加したり、パッケージ内からファイルを選択して削除することや、パッケージ内で選択したファイルを修正(編集)して機密データを削除することも可能です。
パッケージは、パッケージの内容から物理ファイルを作成するまでは論理構成のみです。つまり、インシデント・パッケージは、ADR内のメタデータの集合として開始されます。パッケージの内容を追加および削除する場合は、メタデータのみが変更されます。Oracleサポート・サービスへデータをアップロードする準備ができたら、データをZIPファイルに保存するADRCIを使用して物理パッケージを作成します。次に、ZIPファイルをOracleサポートにアップロードできます。
ファイナライズ
ADRCIで論理パッケージから物理パッケージを生成する前に、パッケージをファイナライズする必要があります。これにより、他のコンポーネントが呼び出され、相関診断データ・ファイルがこのパッケージにすでに存在するインシデントに追加されます。また、ファイナライズすることで、最新のトレース・ファイル、アラート・ログ・エントリ、状態モニター・レポート、SQLテスト・ケースおよび構成情報も追加されます。この手順は、物理パッケージが生成されると自動的に実行されますが、ADRCIユーティリティを使用して手動で実行することもできます。パッケージを手動でファイナライズした後、追加されたファイルを確認し、機密情報を含むファイルを削除または編集することができまます。
参照: 相関診断データの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
ADRホーム
ADRホームは、特定のオラクル社の製品またはコンポーネントの特定のインスタンスに対するすべての診断データ(トレース、ダンプ、アラート・ログなど)のルート・ディレクトリです。たとえば、Oracle ASMを使用するOracle RAC環境では、各データベース・インスタンスと各Oracle ASMインスタンスにADRホームがあります。すべてのADRホームは、同じ階層ディレクトリ構造を共有します。各ADRホームの標準的なサブディレクトリには、アラート(アラート・ログ)、トレース(トレース・ファイル)およびインシデント(インシデント情報)を含むものもあります。すべてのADRホームはADRベース・ディレクトリ内に配置されます。(詳細は、「ADRベース」を参照してください。)
一部のADRCIコマンドは、同時に複数のADRホームでの動作が可能です。カレントADRCIホームパスにより、ADRCIコマンドの発行時に診断データを検索するADRホームが決定されます。詳細は、「ホームパス」を参照してください。
ADRベース
複数のADRホーム間で診断データの相関付けを行うことができるようにするために、ADRホームはADRベースと呼ばれる同じルート・ディレクトリ下でグループ化されます。たとえば、Oracle RAC環境では、ADRベースが共有ディスク上に存在し、各Oracle RACインスタンスのADRホームがこのADRベース下に配置される場合があります。
データベース・インスタンスのADRベースの場所は、DIAGNOSTIC_DEST
初期化パラメータによって設定されます。このパラメータが指定されない場合またはNULLである場合は、データベースではこのパラメータがデフォルト値に設定されます。詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
複数のデータベース・インスタンスがOracleホームを共有しているときは、これらのインスタンスが複数の単一インスタンスであるかOracle RACデータベースの複数のインスタンスであるかどうかに関係なく、1つ以上のこれらのインスタンスがADRベースを異なる場所に設定している場合、最後に起動するインスタンスがADRCIのデフォルトADRベースを決定します。
ホームパス
すべてのADRCIコマンドは、カレントADRホーム内の診断データに対して動作します。常に複数のADRホームをカレントにできます。一部のADRCIコマンド(SHOW
INCIDENT
など)は、すべてのカレントADRホームから診断データを検索して表示します。その他のコマンドは、1つのADRホームをとカレントとし、カレントADRホームが複数存在している場合はエラー・メッセージを表示します。
ADRCIホームパスにより、カレントであるADRホームが決定されます。これは、ADRベース階層内のディレクトリを指定することによって決定されます。1つのADRホーム・ディレクトリが指定されている場合、そのADRホームが唯一のカレントADRホームとなります。ホームパスが階層内のADRホーム・ディレクトリ・レベルより上位のディレクトリを示している場合は、このディレクトリより下位のすべてのADRホームがカレントになります。
デフォルトでは、ADRCI起動時のホームパスはNULLです。つまり、ADRベース下のADRホームはすべてカレントになります。
SHOW
HOME
およびSHOW
HOMEPATH
の各コマンドは、カレントであるADRホームのリストを表示し、SET
HOMEPATH
コマンドはホームパスを設定します。
参照:
|
ADRCIは対話方式モードまたはバッチ・モードで使用できます。詳細は次の項を参照してください。
対話方式モードでは、個々のコマンドを1つずつ入力するように要求されます。
対話方式モードでADRCIを使用するには、次の手順に従います。
ORACLE_HOME
およびPATH
環境変数が適切に設定されていることを確認します。
Windowsプラットフォームの場合、これらの環境変数はインストール時に自動的にWindowsレジストリに設定されます。その他のプラットフォームの場合は、オペレーティング・システムのコマンドを使用して環境変数を設定および確認する必要があります。
PATH
環境変数には、ORACLE_HOME
/binが含まれている必要があります。
オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ADRCI
ユーティリティが起動され、次のプロンプトが表示されます。
adrci>
ADRCIコマンドを入力します。各コマンドの入力後に[Enter]キーを押します。
次のコマンドのいずれかを入力して、ADRCIを終了します。
EXIT QUIT
ADRCIヘルプ・システムを使用すると、次の項目を実行できます。
ADRコマンドのリストの表示
個々のコマンドのヘルプの表示
ADRCIコマンドライン・オプションのリストの表示
ADRCIコマンドのリストを表示するには、次の手順に従います。
対話方式モードでADRCIを起動します。
詳細は、「対話方式モードでのADRCIの使用方法」を参照してください。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
HELP
特定のADRCIコマンドのヘルプを利用するには、次の手順に従います。
対話方式モードでADRCIを起動します。
詳細は、「対話方式モードでのADRCIの使用方法」を参照してください。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
HELP command
たとえば、SHOW
TRACEFILE
コマンドに関するヘルプを利用するには、次のように入力します。
HELP SHOW TRACEFILE
コマンドライン・オプションのリストを表示するには、次の手順に従います。
オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ADRCI -HELP
ユーティリティによって、次のような出力が示されます。
Syntax: adrci [-help] [script=script_filename] [exec="command [;command;...]"] Options Description (Default) ----------------------------------------------------------------- script script file name (None) help help on the command options (None) exec exec a set of commands (None) -----------------------------------------------------------------
バッチ・モードを使用すると、入力を求めるプロンプトが表示されることなく、一連のADRCIコマンドを一度に実行できます。バッチ・モードを使用するには、ADRCIの起動時にADRCI
コマンドにコマンドライン・パラメータを追加します。バッチ・モードでは、シェル・スクリプトまたはWindowsバッチ・ファイルにADRCIコマンドを含めることができます。対話方式モードと同様、ADRCIを起動する前に、ORACLE_HOME
およびPATH
環境変数を設定する必要があります。
次のコマンドライン・パラメータは、バッチ操作に使用できます。
表16-1 バッチ操作用のADRCIのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
ADRCIを起動するオペレーティング・システム・コマンドラインで、1つ以上のADRCIコマンドを発行できます。コマンドが複数ある場合は、セミコロン(;)で区切ります。 |
|
ADRCIコマンドを含むスクリプトを実行できます。 |
コマンドラインでADRCIコマンドを発行するには、次の手順に従います。
オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ADRCI EXEC="COMMAND[; COMMAND]..."
たとえば、SHOW
HOMES
コマンドをバッチ・モードで実行するには、オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。
ADRCI EXEC="SHOW HOMES"
SHOW
HOMES
コマンドを実行してから、SHOW
INCIDENT
コマンドを実行するには、次のように入力します。
ADRCI EXEC="SHOW HOMES; SHOW INCIDENT"
ADRCIスクリプトを実行するには、次の手順に従います。
オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ADRCI SCRIPT=SCRIPT_FILE_NAME
たとえば、adrci_script.txt
というスクリプト・ファイルを実行するには、オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。
ADRCI SCRIPT=adrci_script.txt
スクリプト・ファイルには、次のようにセミコロン(;)または改行で区切られた一連のコマンドが含まれています。
SET HOMEPATH diag/rdbms/orcl/orcl; SHOW ALERT -term
問題を診断するときは、複数のデータベース・インスタンスまたはコンポーネントからの診断データを使用する場合や、1つのインスタンスまたはコンポーネントからの診断データを対象とする場合があります。複数のインスタンスまたはコンポーネントからの診断データを使用するには、これらのインスタンスまたはコンポーネントすべてのADRホームがカレントであることを確認する必要があります。1つのインスタンスまたはコンポーネントからの診断データを使用するには、そのインスタンスまたはコンポーネントのADRホームのみがカレントであることを確認する必要があります。ADRCIホームパスを設定してカレントのADRホームを制御します。
複数のホームがカレントになっている場合は、ADRディレクトリ構造におけるホームパスは、直下に複数のADRホーム・ディレクトリを含むディレクトリを示しています。1つのADRホームを対象とするには、ホームパスをディレクトリ階層の下部にある1つのADRホーム・ディレクトリを示すように設定する必要があります。
たとえば、orclbi
という名前のOracle RACデータベースが、SID orclbi1
とorclbi2
が指定された2つのインスタンスを持ち、Oracle RACが共有Oracleホームを使用している場合は、次の2つのADRホームが存在します。
/diag/rdbms/orclbi/orclbi1/ /diag/rdbms/orclbi/orclbi2/
すべてのADRCIコマンドおよび出力では、ADRホーム・ディレクトリ・パス(ADRホーム)は常にADRベースに対して相対的に示されます。したがって、ADRベースが現在/u01/app/oracleである場合、これら2つのADRホームの絶対パスは次のようになります。
/u01/app/oracle/diag/rdbms/orclbi/orclbi1/ /u01/app/oracle/diag/rdbms/orclbi/orclbi2/
SET
HOMEPATH
コマンドを使用して、1つ以上のADRホームをカレントに設定します。ADRベースが/u01/app/oracleである場合に、ホームパスを/u01/app/oracle/diag/rdbms/orclbi/orclbi2/に設定するには、このコマンドを次のように使用します。
adrci> set homepath diag/rdbms/orclbi/orclbi2
ADRCIの起動時には、ホームパスはデフォルトでNULLになります。つまり、ADRベース下のすべてのADRホームがカレントとなります。前述の例では、両方のOracle RACインスタンスのADRホームがカレントになります。
adrci> show homes ADR Homes: diag/rdbms/orclbi/orclbi1 diag/rdbms/orclbi/orclbi2
この場合、実行するADRCIコマンドはいずれも、複数のカレントADRホームをコマンドがサポートしていると想定して、両方のADRホームからの診断データを処理します。ホームパスを/diag/rdbms/orclbi/orclbi2に設定すると、orclbi2
のSIDを持つインスタンスのADRホームのみがカレントになります。
adrci> set homepath diag/rdbms/orclbi/orclbi2 adrci> show homes ADR Homes: diag/rdbms/orclbi/orclbi2
この場合、実行するADRCIコマンドはいずれも、この1つのADRホームからの診断データのみを使用します。
Oracle Database 11g以上では、アラート・ログがXML形式のファイルおよびテキスト・ファイルの両方で書き込まれます。任意のテキスト・エディタでいずれかの形式のファイルを表示するか、ADRCIコマンドを実行してXMLタグを省略したXML形式のアラート・ログを表示することができます。デフォルトでは、ADRCIはデフォルトのエディタにアラート・ログを表示します。SET
EDITOR
コマンドを使用すると、デフォルトのエディタを変更できます。
ADRCIでアラート・ログを表示するには、次の手順に従います。
対話方式モードでADRCIを起動します。
詳細は、「ADRCIの起動とヘルプの利用」を参照してください。
(オプション)SET
HOMEPATH
コマンドを使用して、ADRホームを1つ選択します(カレントにします)。
最初にSHOW
HOMES
コマンドを使用すると、カレントのADRホームのリストを表示できます。詳細は、「ホームパス」および「ADRCIコマンドを使用する前のADRCIホームパスの設定」を参照してください。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
SHOW ALERT
複数のADRホームがカレントの場合は、リストから1つのADRホームを選択するように要求されます。デフォルトのエディタに、XMLタグを省略したアラート・ログが表示されます。
エディタを終了し、ADRCIコマンド・プロンプトに戻ります。
SHOW
ALERT
コマンドのバリエーションを次に示します。
SHOW ALERT -TAIL
これは、ターミナル・セッションでのアラート・ログの最後の部分(最後の10エントリ)を表示します。
SHOW ALERT -TAIL 50
これは、ターミナル・セッションでのアラート・ログの最後の50エントリを表示します。
SHOW ALERT -TAIL -F
これは、アラート・ログの最後の10エントリを表示した後、アラート・ログに到着する追加メッセージを待機します。各メッセージは、到着時に表示に追加されます。このコマンドにより、アラート・ログのライブ監視を実行できます。待機を停止してADRCIプロンプトに戻るには、[Ctrl]を押しながら[C]を押します。
SPOOL /home/steve/MYALERT.LOG SHOW ALERT -TERM SPOOL OFF
これは、XMLタグのないアラート・ログを/home/steve/MYALERT.LOG
ファイルに出力します。
SHOW ALERT -P "MESSAGE_TEXT LIKE '%ORA-600%'"
これは、文字列ORA-600を含むアラート・ログ・メッセージのみを表示します。出力は次のようになります。
ADR Home = /u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1/log/diag/rdbms/orclbi/orclbi: ****************************************************************************** 01-SEP-06 09.17.44.849000000 PM -07:00 AlertMsg1: ORA-600 dbgris01, addr=0xa9876541
参照:
|
ADRCIにより、現在自動診断リポジトリ(ADR)に存在するトレース・ファイルの名前が表示できます。ADR内に存在するすべてのトレース・ファイルの名前を表示することも、フィルタを適用して名前のサブセットを表示することもできます。たとえば、ADRCIのコマンドで、次の操作を行うことができます。
ファイル名が検索文字列と一致するトレース・ファイルのリストの取得
特定のディレクトリ内に存在するトレース・ファイルのリストの取得
特定のインシデントに関連するトレース・ファイルのリストの取得
適切なコマンドライン・パラメータを使用して、フィルタ処理機能を組み合せることができます。
SHOW
TRACEFILE
コマンドは、カレントADRホーム下のトレース・ディレクトリおよびインシデント・ディレクトリに存在するトレース・ファイルのリストを表示します。複数のADRホームがカレントの場合、すべてのADRホームからのトレース・ファイル・リストが順次出力されます。
次の文は、フィルタ処理を行わずに、カレントADRホームに存在するすべてのトレース・ファイルの名前を表示します。
SHOW TRACEFILE
次の文は、ファイル名に文字列mmon
が含まれるすべてのトレース・ファイルの名前を表示します。パーセント符号(%)はワイルドカード文字として使用されます。また、検索文字列では大/小文字が区別されます。
SHOW TRACEFILE %mmon%
この文は、/home/steve/tempディレクトリ内でファイル名に文字列mmon
を含むすべてのトレース・ファイルの名前を表示します。
SHOW TRACEFILE %mmon% -PATH /home/steve/temp
この文は、トレース・ファイルの名前を、最終変更時間を逆にたどる順序でリストします。つまり、最近変更されたトレース・ファイルがリストの最初に示されます。
SHOW TRACEFILE -RT
この文は、インシデント番号1681に関連付けられているすべてのトレース・ファイルの名前を表示します。
SHOW TRACEFILE -I 1681
ADRCIのSHOW
INCIDENT
コマンドでは、未解決のインシデントに関する情報が表示されます。インシデントごとに、インシデントID、問題キーおよびインシデント作成時間が表示されます。複数のカレントADRホームが存在するようにADRCIホームパスが設定されている場合、レポートにはすべてのカレントADRホームからのインシデントが含まれます。
すべての未解決のインシデントに関するレポートを表示するには、次の手順に従います。
ADRCIを対話方式モードで開始し、ホームパスがADRベース・ディレクトリ階層内で正確なディレクトリを示していることを確認します。
詳細は、「ADRCIの起動とヘルプの利用」および「ホームパス」を参照してください。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
SHOW INCIDENT
ADRCIによって、次のような出力が生成されます。
ADR Home = /u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1/log/diag/rdbms/orclbi/orclbi: ***************************************************************************** INCIDENT_ID PROBLEM_KEY CREATE_TIME ----------------- ------------------------- --------------------------------- 3808 ORA 603 2010-06-18 21:35:49.322161 -07:00 3807 ORA 600 [4137] 2010-06-18 21:35:47.862114 -07:00 3805 ORA 600 [4136] 2010-06-18 21:35:25.012579 -07:00 3804 ORA 1578 2010-06-18 21:35:08.483156 -07:00 4 rows fetched
SHOW
INCIDENT
コマンドのバリエーションを次に示します。
SHOW INCIDENT -MODE BRIEF SHOW INCIDENT -MODE DETAIL
これらのコマンドは、インシデント・レポートの詳細バージョンを生成します。
SHOW INCIDENT -MODE DETAIL -P "INCIDENT_ID=1681"
これは、インシデント1681のみを対象とする詳細なインシデント・レポートを表示します。
Oracleサポート・サービスに送信して分析を依頼するために、ADRCIコマンドを使用して1つ以上のインシデントをパッケージ化できます。詳細は、次の項目を参照してください。
インシデントのパッケージ化プロセスは次の3つの手順で構成されています。
手順1: 論理インシデント・パッケージの作成
インシデント・パッケージ(パッケージ)は、自動診断リポジトリ(ADR)内のメタデータとしてのみ存在するため、論理パッケージとして示されます。インシデント・パッケージは、論理パッケージから物理パッケージを生成するまではコンテンツが含まれません。論理パッケージにはパッケージ番号が割り当てられますので、以降のコマンドではこの番号を使用してパッケージを参照します。
論理パッケージは空のパッケージとして作成することも、インシデント番号、問題番号、問題キーまたは時間間隔に基づいたパッケージとして作成することもできます。パッケージを空のパッケージとして作成する場合は、手順2でパッケージに診断情報を追加できます。
インシデントに基づいてパッケージを作成する場合は、そのインシデントの診断データ(ダンプ、状態モニターのレポートなど)が含まれます。問題番号または問題キーに基づいてパッケージを作成する場合は、パッケージにその問題番号または問題キーを参照するインシデントの診断データが含まれます。時間間隔に基づいてパッケージを作成する場合は、その時間間隔内で発生したインシデントに関する診断データが含まれます。
手順2: インシデント・パッケージへの診断情報の追加
インシデント番号、問題番号、問題キーまたは時間間隔に基づいて論理パッケージを作成した場合、この手順はオプションとなります。パッケージにインシデントを追加したり、ADR内のファイルをパッケージに追加することができます。空のパッケージを作成した場合は、ADRCIコマンドを使用してパッケージにインシデントまたはファイルを追加する必要があります。
手順3: 物理インシデント・パッケージの生成
コマンドを送信して物理パッケージを生成するときに、ADRCIは必要なすべての診断ファイルを収集して、指定したディレクトリ内のZIPファイルに追加します。完全なZIPファイルまたは増分ZIPファイルを生成できます。増分ファイルには、同じ論理パッケージに対してZIPファイルが最後に作成されて以降に追加または変更された診断ファイルすべてが含まれます。増分ファイルは完全ファイルを作成した後にのみ作成でき、必要な数だけ作成できます。各ZIPファイルには順序番号が割り当てられるため、ファイルを正しい順序で分析できます。
ZIPファイルの名前は次の形式に従って指定されます。
packageName_mode_sequence.zip
次のように指定します。
packageName
は、問題キーの一部とその後のタイムスタンプで構成されます。
mode
は、COM
(完全)またはINC
(増分)のいずれかです
sequence
は、整数です。
たとえば、2006年9月6日午後4時53分に作成した論理パッケージの完全なZIPファイルを生成してから、同じ論理パッケージに対して増分ZIPファイルを生成する場合、次のような名前のファイルを作成します。
ORA603_20060906165316_COM_1.zip ORA603_20060906165316_INC_2.zip
次の各項では、論理インシデント・パッケージ(パッケージ)の作成および物理パッケージの生成に使用するADRCIコマンドについて説明します。
IPS
CREATE
PACKAGE
コマンドの変形を使用して、論理パッケージ(パッケージ)を作成します。
インシデントに基づいてパッケージを作成するには、次の手順に従います。
ADRCIを対話方式モードで開始し、ホームパスがADRベース・ディレクトリ階層内で正確なディレクトリを示していることを確認します。
詳細は、「ADRCIの起動とヘルプの利用」および「ホームパス」を参照してください。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
IPS CREATE PACKAGE INCIDENT incident_number
たとえば、次のコマンドはインシデント3に基づいてパッケージを作成します。
IPS CREATE PACKAGE INCIDENT 3
ADRCIによって、次のような出力が生成されます。
Created package 10 based on incident id 3, correlation level typical
この論理パッケージに割り当てられたパッケージ番号は10です。
IPS
CREATE
PACKAGE
コマンドのバリエーションを次に示します。
IPS CREATE PACKAGE
これは空のパッケージを作成します。IPS
ADD
INCIDENT
またはIPS
ADD
FILE
の各コマンドを使用して、生成する前にパッケージに診断データを追加する必要があります。
IPS CREATE PACKAGE PROBLEM problem_ID
これは、パッケージを作成して、指定した問題ID(問題IDは整数)を参照するインシデントの診断情報を含めます。(問題IDは整数です。)表示されているレポートからインシデントの問題IDを取得するには、SHOW
INCIDENT
-MODE
BRIEF
コマンドを使用します。同じ問題IDを割り当てられたインシデントが数多く存在する場合もあるため、ADRCIは、90日を超えるインシデントを除き、この問題IDを持つインシデントで最初に発生した3つのインシデント(早期インシデント)と最後に発生した3つのインシデント(最新インシデント)の診断情報をパッケージに追加します。
また、ADRCIによって、すでに追加されているインシデントに時間その他の基準で密接に相関付けられている他のインシデントが追加される場合もあります。
IPS CREATE PACKAGE PROBLEMKEY "problem_key"
これは、パッケージを作成し、指定した問題キーを参照するインシデントの診断情報を含めます。表示されているレポートから問題キーを取得するには、SHOW
INCIDENT
コマンドを使用します。同じ問題キーを割り当てられたインシデントが数多く存在する場合もあるため、ADRCIは、90日を超えるインシデントを除き、この問題キーを持つインシデントで最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントの診断情報のみをパッケージに追加します。
また、ADRCIによって、すでに追加されているインシデントに時間その他の基準で密接に相関付けられている他のインシデントが追加される場合もあります。
問題キーに空白や引用符が含まれている場合、問題キーを一重引用符(')または二重引用符(")で囲む必要があります。
IPS CREATE PACKAGE SECONDS sec
これは、パッケージを作成し、sec
秒前から現在までに発生したすべてのインシデントの診断情報を含みます。sec
は整数である必要があります。
IPS CREATE PACKAGE TIME 'start_time' TO 'end_time'
これは、パッケージを作成し、指定した時間範囲内で発生したすべてのインシデントの診断情報を含めます。start_time
およびend_time
は、YYYY-MM-DD HH24:MI:SS.FF TZR
書式で指定する必要があります。これは、NLS_TIMESTAMP_TZ_FORMAT
初期化パラメータに対して有効なフォーマット文字列です。時間の小数(FF
)部分はオプションで、HH24:MI:SS
のデリミタにはコロンまたはピリオドを使用できます。
たとえば、次のコマンドは、2010年7月24日から7月30日に発生したインシデントを含むパッケージを作成します。
IPS CREATE PACKAGE TIME '2010-07-24 00:00:00 -07:00' to '2010-07-30 23.59.59 -07:00'
既存の論理パッケージ(パッケージ)に次の診断情報を追加できます。
特定のインシデントに関するすべての診断情報
ADR内の名前付きファイル
既存のパッケージにインシデントを追加するには、次の手順に従います。
ADRCIを対話方式モードで開始し、ホームパスがADRベース・ディレクトリ階層内で正確なディレクトリを示していることを確認します。
詳細は、「ADRCIの起動とヘルプの利用」および「ホームパス」を参照してください。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
IPS ADD INCIDENT incident_number PACKAGE package_number
既存のパッケージにADR内のファイルを追加するには、次の手順に従います。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
IPS ADD FILE filespec PACKAGE package_number
filespec
は、(パスを含む)完全修飾ファイル名である必要があります。ADRベース・ディレクトリ階層内に存在するファイルのみを追加できます。
パッケージを生成するときは、既存の論理パッケージに対して物理パッケージ(ZIPファイル)を作成します。
物理インシデント・パッケージを生成するには、次の手順に従います。
ADRCIを対話方式モードで開始し、ホームパスがADRベース・ディレクトリ階層内で正確なディレクトリを示していることを確認します。
詳細は、「ADRCIの起動とヘルプの利用」および「ホームパス」を参照してください。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
IPS GENERATE PACKAGE package_number IN path
これは、指定したパスに完全な物理パッケージ(ZIPファイル)を生成します。たとえば、次のコマンドは、ディレクトリ/home/steve/diagnosticsに論理パッケージ番号2から完全な物理パッケージを作成します。
IPS GENERATE PACKAGE 2 IN /home/steve/diagnostics
また、最後にパッケージを生成して以降に発生したインシデントのみを含む増分パッケージも生成できます。
増分物理インシデント・パッケージを生成するには、次の手順に従います。
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
IPS GENERATE PACKAGE package_number IN path INCREMENTAL
ADRCIには次の4種類のコマンドが用意されています。
1つ以上のカレントADRホームで動作するコマンド
1つのカレントADRホームのみで動作し、複数のカレントADRホームが存在する場合にはエラー・メッセージを発行するコマンド
複数のカレントADRホームが存在するときに、1つのADRホームを選択するように要求するコマンド
カレントADRホームを必要としないコマンド
すべてのADRCIコマンドは、1つのカレントADRホームが存在する場合をサポートしています。
表16-2では、ADRCIコマンド・セットを一覧表示します。
表16-2 ADRCIコマンドのリスト
コマンド | 説明 |
---|---|
|
指定したレポート・タイプおよびIDのレポートを作成します。 |
|
入力文字列をエコー処理します。 |
|
カレントのADRCIセッションを終了します。 |
|
ADRCIからオペレーティング・システムのコマンドを実行します。 |
|
IPSユーティリティを起動します。ADRCI内で使用可能なIPSコマンドについては、表16-3を参照してください。 |
|
現在の削除ポリシーに従って、カレントADRホーム内の診断データを削除します。 |
|
カレントのADRCIセッションを終了します。 |
|
ADRCIスクリプトを実行します。 |
|
指定されたインシデントまたは問題から、修飾されたレコードを取得します。 |
|
カレントADRCIセッションのADRベースを設定します。 |
|
今後使用する目的で確保されているコマンドです。 |
|
ADRの内容の削除ポリシーを設定します。 |
|
コマンド出力を切り替えます。 |
|
トレース・ログおよびアラート・ログの内容を表示するデフォルトのエディタを設定します。 |
|
1つ以上のADRホームをカレントにします。 |
|
ターミナル出力を切り替えます。 |
|
アラート・ログ・メッセージを表示します。 |
|
カレントADRベースを示します。 |
|
カレントの削除ポリシーを含むADR情報を表示します。 |
|
状態モニターの実行情報を表示します。 |
|
カレントのホームパスを表示します。 |
|
カレントのADRホームを表示します。 |
|
指定したインシデントに対して作成されたトレース・ファイルを表示します。 |
|
インシデントのリストを出力します。 |
|
問題のリストを出力します。 |
|
指定したレポート・タイプおよびIDのレポートを表示します。 |
|
修飾されたトレース・ファイル名を表示します。 |
|
出力をファイルへ送信します。 |
注意: 特に指定されないかぎり、すべてのコマンドは複数のカレントADRホームで動作します。 |
用途
指定したレポート・タイプと実行IDのレポートを作成し、そのレポートをADRに格納します。現在は、hm_run
(状態モニター)レポート・タイプのみがサポートされています。
注意: 状態モニターの実行の結果は、内部形式でADRに格納されます。これらの結果を表示するには、結果から状態モニター・レポートを作成した後に、このレポートを表示する必要があります。レポートは1回のみ作成する必要があります。その後は、このレポートを複数回表示できます。 |
構文および説明
create report
report_type
run_name
report_type
はhm_run
である必要があります。run_name
は状態モニターの実行名です。SHOW HM_RUNコマンドを使用して実行名を取得します。
すでにレポートが存在する場合は、そのレポートが上書きされます。レポートを表示するにはSHOW REPORTコマンドを使用します。
このコマンドは、複数のADRホームをサポートしていません。
例
この例では、実行名hm_run_1421
を使用した状態モニターの実行に対するレポートを作成します。
create report hm_run hm_run_1421
注意: CREATE REPORT は、複数のADRホームが設定されている場合には機能しません。1つのADRホームの設定については、「ADRCIコマンドを使用する前のADRCIホームパスの設定」を参照してください。 |
用途
入力文字列を出力します。このコマンドを使用すると、ADRCIスクリプトからカスタム・テキストを出力できます。
構文および説明
echo
quoted_string
文字列は、一重引用符または二重引用符で囲んで記述します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
次の例は、文字列Hello, world!を出力します。
echo "Hello, world!"
echo 'Hello, world!'
用途
ADRCIユーティリティを終了します。
構文および説明
exit
EXIT
は、QUIT
コマンドのシノニムです。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
用途
ADRCIを終了しないでオペレーティング・システムのコマンドを実行します。
構文および説明
host ["
host_command_string
"]
host
のみを使用すると、オペレーティング・システムのシェルに入り、複数のオペレーティング・システムのコマンドを入力できるようになります。シェルを終了してADRCIに戻るにはEXIT
を入力します。
同じ行でコマンド(host_command_string
)を二重引用符で囲んで指定することもできます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
host
host "ls -l *.pl"
用途
インシデント・パッケージング・サービス(IPS)を呼び出します。IPSコマンドは、論理インシデント・パッケージ(パッケージ)の作成、パッケージへの診断データの追加、およびOracleサポート・サービスへ送信する物理パッケージの生成を行うためのオプションを提供します。
IPSのコマンド・セットには次のコマンドが含まれます。
表16-3 IPSのコマンド・セット
コマンド | 説明 |
---|---|
|
インシデント、問題または問題キーをパッケージに追加します。 |
|
ファイルをパッケージに追加します。 |
|
指定したパッケージ内の問題に対する新しいインシデントを検索して追加します。 |
|
外部ファイル・システムからADRへファイルをコピーします。 |
|
ADRから外部ファイル・システムへファイルをコピーします。 |
|
新しい(論理)パッケージを作成します。 |
|
ADRからパッケージおよびその内容を削除します。 |
|
アップロードする前にパッケージをファイナライズします。 |
|
指定したパッケージの内容のZIPファイルをターゲット・ディレクトリに生成します。 |
|
パッケージのZIPファイルからマニフェストを取得して表示します。 |
|
パッケージのZIPファイルからメタデータを抽出して表示します。 |
|
インシデント、問題または問題キーから直接物理パッケージ(ZIPファイル)を作成します。 |
|
既存のパッケージからインシデントを削除します。 |
|
既存のパッケージからファイルを削除します。 |
|
IPS構成パラメータの値を変更します。 |
|
IPS構成パラメータの値を表示します。 |
|
パッケージ内のファイルを一覧表示します。 |
|
パッケージ内のインシデントを一覧表示します。 |
|
指定したパッケージに関する情報を表示します。 |
|
パッケージのZIPファイルを指定したパスに解凍します。 |
注意: IPSコマンドは、複数のADRホームが設定されている場合には機能しません。1つのADRホームの設定については、「ADRCIコマンドを使用する前のADRCIホームパスの設定」を参照してください。 |
IPSのコマンド・セットは、カレントADRホームおよびADRベースのディレクトリを参照するためのショートカットを提供します。カレントADRホームのディレクトリにアクセスするには、<ADR_HOME>
変数を次のように使用します。
ips add file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc package 12
ADRベース・ディレクトリにアクセスするには、<ADR_BASE>
変数を次のように使用します。
ips add file <ADR_BASE>/diag/rdbms/orcl/orcl/trace/orcl_ora_13579.trc package 12
注意: 山カッコ(< >)は、ここに示すとおりに入力します。 |
用途
インシデントをパッケージに追加します。
構文および説明
ips add {incident first [n] | incident inc_id | incident last [n] | problem first [n] | problem prob_id | problem last [n] | problemkey pr_key | seconds secs | time start_time to end_time} package package_id
表16-4に、IPS ADDの引数を示します。
表16-4 IPS ADDコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
最初に発生した |
|
IDが |
|
最後に発生した |
|
最初に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(注意: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。) |
|
問題IDが |
|
最後に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(注意: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。) |
|
問題キーが |
|
現時点で過去 |
|
|
|
インシデントの追加先となるパッケージを指定します。 |
例
この例では、インシデント22をパッケージ12に追加します。
ips add incident 22 package 12
この例では、90日を超えるインシデントを除き、問題IDが6の最初に発生した3つの早期インシデントおよび最後に発生した3つの最新インシデントをパッケージ2に追加します。
ips add problem 6 package 2
この例では、過去1分間に発生したすべてのインシデントをパッケージ5に追加します。
ips add seconds 60 package 5
この例では、2010年5月1日の午前10時から午後11時の間に発生したすべてのインシデントを追加します。
ips add time '2010-05-01 10:00:00.00 -07:00' to '2010-05-01 23:00:00.00 -07:00'
用途
ファイルを既存のパッケージに追加します。
構文および説明
ips add file file_name package package_id
file_name
は、ファイルのフルパス名です。必要に応じて、<ADR_HOME>
および<ADR_BASE>
変数を使用できます。ファイルは、パッケージと同じADRベース下に存在する必要があります。
package_id
はパッケージのIDです。
例
この例では、トレース・ファイルをパッケージ12に追加します。
ips add file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc package 12
用途
指定したパッケージ内の問題すべてに対して新しいインシデントを検索して追加します。
構文および説明
ips add new incidents package package_id
package_id
は更新するパッケージのIDです。パッケージ内の問題の新しいインシデントのみが追加されます。
例
この例では、パッケージ12内の問題について新しい最新インシデントを3つまで追加します。
ips add new incidents package 12
用途
外部ファイル・システムからADRへファイルをコピーします。
パッケージ内のファイルを編集するには、ファイルを指定したディレクトリにコピーし、そのファイルを編集してから、コピーして元のパッケージに戻す必要があります。この作業は、パッケージをOracleサポート・サービスに送信する前にファイル内の機密データを削除するために行うことがあります。
構文および説明
ips copy in file filename [to new_name][overwrite] package package_id [incident incid]
外部ファイルfilename
(フルパス名で指定)をADRにコピーし、その際に既存のパッケージpackage_id
およびオプションでインシデントincid
と関連付けます。ADR内でコピーされたファイルに新しいファイル名を付ける場合は、to
new_name
オプションを使用します。すでに存在するファイルを上書きする場合は、overwrite
オプションを使用します。
例
この例では、トレース・ファイルをファイル・システムからADRにコピーします。ファイルはパッケージ2およびインシデント4に関連付けます。
ips copy in file /home/nick/trace/orcl_ora_13579.trc to <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc package 2 incident 4
参照:
|
用途
ADRから外部ファイル・システムへファイルをコピーします。
パッケージ内のファイルを編集するには、ファイルを指定したディレクトリにコピーし、そのファイルを編集してから、コピーして元のパッケージに戻す必要があります。この作業は、パッケージをOracleサポート・サービスに送信する前にファイル内の機密データを削除するために行うことがあります。
構文および説明
ips copy out file source to target [overwrite]
ファイルsource
をADRの外の場所target
(フルパス名で指定)にコピーします。すでに存在するファイルを上書きする場合は、overwrite
オプションを使用します。
例
この例では、カレントのADRホームのトレース・サブディレクトリ内のファイルorcl_ora_13579.trcをローカル・フォルダにコピーします。
ips copy out file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc to /home/nick/trace/orcl_ora_13579.trc
参照:
|
用途
新しいパッケージを作成します。ADRCIにより、新しいパッケージに対してパッケージ番号が自動的に割り当てられます。
構文および説明
ips create package {incident first [n] | incident inc_id | incident last [n] | problem first [n] | problem prob_id | problem last [n] | problemkey prob_key | seconds secs | time start_time to end_time} [correlate {basic |typical | all}]
また、指定されたオプションを使用しても、インシデントを新しいパッケージに追加できます。
表16-5に、IPS
CREATE
PACKAGE
の引数を示します。
表16-5 IPS CREATE PACKAGEコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
最初に発生した |
|
IDが |
|
最後に発生した |
|
最初に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(注意: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。) |
|
問題IDが |
|
最後に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(注意: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。) |
|
問題キーが |
|
現時点で過去 |
|
|
|
パッケージに相関インシデントを指定する方法を選択します。この引数には3つのオプションがあります。
デフォルト値は |
例
この例では、インシデントを含まないパッケージを作成します。
ips create package
出力例:
Created package 5 without any contents, correlation level typical
この例では、指定された日の午前10時から午後11時の間に発生したすべてのインシデントを含むパッケージを作成します。
ips create package time '2010-05-01 10:00:00.00 -07:00' to '2010-05-01 23:00:00.00 -07:00'
出力例:
Created package 6 based on time range 2010-05-01 10:00:00.00 -07:00 to 2010-05-01 23:00:00.00 -07:00, correlation level typical
この例では、パッケージを作成し、90日を超えるインシデントを除いて、問題IDが3の最初に発生した3つの早期インシデントおよび最後に発生した3つの最新インシデントを追加します。
ips create package problem 3
出力例:
Created package 7 based on problem id 3, correlation level typical
用途
ADRからパッケージおよびその内容を削除します。
構文および説明
ips delete package package_id
package_id
は削除するパッケージです。
例
ips delete package 12
用途
アップロードする前にパッケージをファイナライズします。
構文および説明
ips finalize package package_id
package_id
はファイナライズするパッケージのIDです。
例
ips finalize package 12
参照: パッケージのファイナライズの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
用途
ターゲット・ディレクトリに物理パッケージ(ZIPファイル)を作成します。
構文および説明
ips generate package package_id [in path] [complete | incremental]
package_id
は生成するパッケージのIDです。オプションで、ディレクトリpath
にファイルを保存できます。このオプションを指定しない場合、パッケージは現在の作業ディレクトリに生成されます。
complete
オプションを指定すると、ADRCIにより、すべてのパッケージ・ファイルがパッケージに強制的に含まれるようになります。これがデフォルトの動作となります。
incremental
オプションを選択すると、このパッケージが最後に生成された後に追加または変更されたファイルのみが指定されます。したがって、incremental
オプションでのコマンドの動作はより短い時間で終了します。
例
この例では、パス/home/steveに物理パッケージ・ファイルを生成します。
ips generate package 12 in /home/steve
この例では、物理パッケージが最後に生成された後に追加または変更されたファイルからパッケージを生成します。
ips generate package 14 incremental
用途
パッケージのZIPファイルからマニフェストを抽出して表示します。
構文および説明
ips get manifest from file filename
filename
は、パッケージのZIPファイルです。マニフェストは、パッケージ・ファイルのXML形式のメタデータのセットで、ADR構成、相関ファイル、インシデントおよびパッケージが生成された方法に関する情報を含みます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
ips get manifest from file /home/steve/ORA603_20060906165316_COM_1.zip
用途
パッケージ・ファイルからADR関連のメタデータを抽出して表示します。
構文および説明
ips get metadata {from file filename | from adr}
filename
は、パッケージのZIPファイルです。(metadata.xml
に格納されている)パッケージ・ファイルのメタデータには、ADRホーム、ADRベースおよび製品に関する情報が含まれています。
IPS
UNPACK
を使用してADRホームに解凍されたパッケージZIPファイルからメタデータを取得するには、from
adr
オプションを使用します。
from
adr
オプションを使用する場合は、ADRホームを設定する必要があります。
例
この例では、パッケージ・ファイルからメタデータを表示します。
ips get metadata from file /home/steve/ORA603_20060906165316_COM_1.zip
次の例では、ディレクトリ/scratch/oracle/package1に解凍したパッケージ・ファイルからメタデータを表示します。
set base /scratch/oracle/package1 ips get metadata from adr
前述の例でADRCIは、SET
BASE
コマンドを受け取ると、IPS
UNPACK
FILE
コマンドで/scratch/oracle/package1に作成されたADRホームをホームパスに自動的に追加します。
用途
すぐにパッケージを作成して、物理パッケージを生成します。
構文および説明
ips pack [incident first [n] | incident inc_id | incident last [n] | problem first [n] | problem prob_id | problem last [n] | problemkey prob_key | seconds secs | time start_time to end_time] [correlate {basic |typical | all}] [in path]
ADRCIにより、自動的に新しいパッケージに対してパッケージ番号が生成されます。パッケージの内容が指定されない場合、IPS
PACK
は空のパッケージを作成します。
表16-6に、IPS
PACK
の引数を示します。
表16-6 IPS PACKコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
最初に発生した |
|
IDが |
|
最後に発生した |
|
最初に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(注意: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。) |
|
問題IDが |
|
最後に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(注意: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。) |
|
問題キーが |
|
現時点で過去 |
|
|
|
パッケージに相関インシデントを指定する方法を選択します。この引数には3つのオプションがあります。
デフォルト値は |
|
物理パッケージをディレクトリ |
例
この例では、空のパッケージを作成します。
ips pack
この例では、インシデント861に関するすべての情報を含む物理パッケージを作成します。
ips pack incident 861
次の例では、過去1分間のすべてのインシデントを完全な相関状態で含む物理パッケージを作成します。
ips pack seconds 60 correlate all
用途
既存のパッケージからインシデントを削除します。
構文および説明
ips remove {incident inc_id | problem prob_id | problemkey prob_key} package package_id
パッケージからインシデントを削除した後も、これらのインシデントは引き続きパッケージのメタデータ内で追跡され、(ADD
NEW
INCIDENTS
などを使用したときに)ADRCIが後から自動的にこれらのインシデントを追加してしまうのを防ぎます。
表16-7では、IPS
REMOVE
の引数を示します。
表16-7 IPS REMOVEコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
IDが |
|
問題IDが |
|
問題キーが |
|
IDが |
例
この例では、パッケージ12からインシデント22を削除します。
ips remove incident 22 package 12
用途
既存のパッケージからファイルを削除します。
構文および説明
ips remove file file_name package package_id
file_name
はパッケージpackage_id
から削除するファイルです。ファイルの完全パスを指定する必要があります。(必要に応じて、<ADR_HOME>
および<ADR_BASE>
変数を使用できます。)
削除後も、このファイルは引き続きパッケージのメタデータ内で追跡され、(ADD
NEW
INCIDENTS
などを使用したときに)ADRCIが後から自動的にこのファイルを追加してしまうのを防ぎます。したがって、ファイルを削除しても、そのファイルのEXCLUDE
フラグがExplicitly excluded
に設定されるだけです。
例
この例では、パッケージ12からトレース・ファイルを削除します。
ips remove file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc package 12 Removed file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc from package 12 ips show files package 12 . . . FILE_ID 4 FILE_LOCATION <ADR_HOME>/trace FILE_NAME orcl_ora_13579.trc LAST_SEQUENCE 0 EXCLUDE Explicitly excluded . . .
参照:
|
用途
IPS構成パラメータの値を変更します。
構文および説明
ips set configuration {parameter_id | parameter_name} value
parameter_id
は変更するパラメータのIDでparameter_name
は、変更するパラメータの名前です。value
は新規の値です。構成パラメータおよびそのIDのリストに対しては、「IPS SHOW CONFIGURATION」を使用します。
例
ips set configuration 3 10
用途
IPS構成パラメータおよびその値のリストを表示します。これらのパラメータは、タイムアウトおよびインシデント追加間隔など、IPSデータの各種しきい値を制御します。
構文および説明
ips show configuration {parameter_id | parameter_name}]
IPS
SHOW
CONFIGURATION
は、構成パラメータごとに次の情報を表示します。
パラメータID
名前
説明
パラメータを使用する単位(日数や時間数など)
値
デフォルト値
最小値
最大値
フラグ
オプションで、parameter_id
またはparameter_name
を指定して特定のパラメータに関する情報を取得できます。
例
次のコマンドは、すべてのIPS構成パラメータを示します。
ips show configuration
出力例:
PARAMETER INFORMATION: PARAMETER_ID 1 NAME CUTOFF_TIME DESCRIPTION Maximum age for an incident to be considered for inclusion UNIT Days VALUE 90 DEFAULT_VALUE 90 MINIMUM 1 MAXIMUM 4294967295 FLAGS 0 PARAMETER INFORMATION: PARAMETER_ID 2 NAME NUM_EARLY_INCIDENTS DESCRIPTION How many incidents to get in the early part of the range UNIT Number VALUE 3 DEFAULT_VALUE 3 MINIMUM 1 MAXIMUM 4294967295 FLAGS 0 PARAMETER INFORMATION: PARAMETER_ID 3 NAME NUM_LATE_INCIDENTS DESCRIPTION How many incidents to get in the late part of the range UNIT Number VALUE 3 DEFAULT_VALUE 3 MINIMUM 1 MAXIMUM 4294967295 FLAGS 0 PARAMETER INFORMATION: PARAMETER_ID 4 NAME INCIDENT_TIME_WINDOW DESCRIPTION Incidents this close to each other are considered correlated UNIT Minutes VALUE 5 DEFAULT_VALUE 5 MINIMUM 1 MAXIMUM 4294967295 FLAGS 0 PARAMETER INFORMATION: PARAMETER_ID 5 NAME PACKAGE_TIME_WINDOW DESCRIPTION Time window for content inclusion is from x hours before first included incident to x hours after last incident UNIT Hours VALUE 24 DEFAULT_VALUE 24 MINIMUM 1 MAXIMUM 4294967295 FLAGS 0 PARAMETER INFORMATION: PARAMETER_ID 6 NAME DEFAULT_CORRELATION_LEVEL DESCRIPTION Default correlation level for packages UNIT Number VALUE 2 DEFAULT_VALUE 2 MINIMUM 1 MAXIMUM 4 FLAGS 0
例
このコマンドは、構成パラメータNUM_EARLY_INCIDENTS
を示します。
ips show configuration num_early_incidents
このコマンドは、構成パラメータ3を示します。
ips show configuration 3
構成パラメータの説明
表16-8に、IPS構成パラメータの詳細を示します。
表16-8 IPS構成パラメータ
パラメータ | ID | 説明 |
---|---|---|
|
1 |
インシデントが追加対象とみなされる最長期間(日単位)。 |
|
2 |
問題に基づいてパッケージを作成するときに、前半部分に含めるインシデントの数。デフォルトでは、ADRCIは最初の3つのインシデントと最新の3つのインシデントをパッケージに追加します。 |
|
3 |
問題に基づいてパッケージを作成するときに、後半部分に含めるインシデントの数。デフォルトでは、ADRCIは最初の3つのインシデントと最新の3つのインシデントをパッケージに追加します。 |
|
4 |
2つのインシデントが相関とみなされるためのインシデント発生の間隔(分数)。 |
|
5 |
インシデントをパッケージに追加するための時間ウィンドウとして使用時間数。たとえば、値が5の場合、パッケージ内でインシデントが最初に発生した5時間前、およびパッケージ内の最新のインシデントの発生から5時間後のインシデントを含めます。 |
|
6 |
パッケージ内のインシデントを相関付けるために使用するデフォルトの相関レベル。相関レベルは次のとおりです。
|
用途
指定したパッケージ内に含まれているファイルを表示します。
構文および説明
ips show files package package_id
package_id
は表示するパッケージのIDです。
例
この例では、パッケージ1に関連付けられているすべてのファイルを示します。
ips show files package 1
出力例:
FILE_ID 1 FILE_LOCATION <ADR_HOME>/alert FILE_NAME log.xml LAST_SEQUENCE 1 EXCLUDE Included FILE_ID 2 FILE_LOCATION <ADR_HOME>/trace FILE_NAME alert_adcdb.log LAST_SEQUENCE 1 EXCLUDE Included FILE_ID 27 FILE_LOCATION <ADR_HOME>/incident/incdir_4937 FILE_NAME adcdb_ora_692_i4937.trm LAST_SEQUENCE 1 EXCLUDE Included FILE_ID 28 FILE_LOCATION <ADR_HOME>/incident/incdir_4937 FILE_NAME adcdb_ora_692_i4937.trc LAST_SEQUENCE 1 EXCLUDE Included FILE_ID 29 FILE_LOCATION <ADR_HOME>/trace FILE_NAME adcdb_ora_692.trc LAST_SEQUENCE 1 EXCLUDE Included FILE_ID 30 FILE_LOCATION <ADR_HOME>/trace FILE_NAME adcdb_ora_692.trm LAST_SEQUENCE 1 EXCLUDE Included . . .
用途
指定したパッケージ内に含まれているインシデントを表示します。
構文および説明
ips show incidents package package_id
package_id
は表示するパッケージのIDです。
例
この例では、パッケージ1のインシデントを表示します。
ips show incidents package 1
出力例:
MAIN INCIDENTS FOR PACKAGE 1: INCIDENT_ID 4985 PROBLEM_ID 1 EXCLUDE Included CORRELATED INCIDENTS FOR PACKAGE 1:
用途
指定したパッケージに関する情報を表示します。
構文および説明
ips show package package_id {basic | brief | detail}
package_id
は表示するパッケージのIDです。
basic
オプションを使用して、最小限の情報を表示します。これは、package_id
が指定されていない場合のデフォルトです。
brief
オプションを使用して、basic
オプションよりも詳細なパッケージ情報を表示します。これは、package_id
が指定されている場合のデフォルトです。
detail
オプションを使用して、brief
オプションで表示される情報に加えて、パッケージ履歴および含まれているインシデントやファイルの情報を表示します。
例
ips show package 12
ips show package 12 brief
用途
物理パッケージ・ファイルを指定したパスに解凍します。
構文および説明
ips unpack file file_name [into path]
file_name
は、解凍する物理パッケージ(ZIPファイル)のフルパス名です。オプションで、ファイルをディレクトリpath
に解凍することもできます。このディレクトリは、すでに存在していて書込み可能である必要があります。パスを省略すると、現在の作業ディレクトリが使用されます。解凍先のディレクトリはADRベースとして処理され、有効なADRホームが含まれるADRベースのディレクトリ階層が完全に作成されます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
ips unpack file /tmp/ORA603_20060906165316_COM_1.zip into /tmp/newadr
用途
現在の削除ポリシーに従って、カレントADRホーム内の診断データを削除します。削除が予定されているADRの内容のみが削除されます。
ADR内の診断データにはデフォルトのライフサイクルが設定されています。たとえば、インシデントおよび問題に関する情報は1年後に削除されますが、関連するダンプ・ファイル(ダンプ)はわずか30日後に削除されます。
Oracle Databaseなどの一部のオラクル社の製品では、ライフ・サイクルの終了時に診断データが自動的に削除されます。その他の製品やコンポーネントでは、このコマンドを使用して診断データを手動で削除する必要があります。また、このコマンドで、自動削除される予定のデータも削除できます。
SHOW CONTROLコマンドでは、存続期間が短いADRの内容と存続期間が長いADRの内容に対して、デフォルトの削除ポリシーが表示されます。
構文および説明
purge [-i {id | start_id end_id} | -age mins [-type {ALERT|INCIDENT|TRACE|CDUMP|HM|UTSCDMP}]]
表16-9に、PURGE
のフラグを示します。
表16-9 PURGEコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
特定のインシデントID( |
|
|
|
削除する診断データのタイプを指定します。 次のタイプを指定できます。
|
例
この例では、デフォルトの削除ポリシーに基づいて、カレントADRホーム内のすべての診断データを削除します。
purge
この例では、123から456の間のすべてのインシデントについて、診断データをすべて削除します。
purge -i 123 456
この例では、過去1時間のすべてのインシデント・データを削除します。
purge -age 60 -type incident
「EXIT」を参照してください。
用途
ADRCIスクリプトを実行します。
構文および説明
run
script_name
@
script_name
@@
script_name
script_name
は、実行するADRCIコマンドを含むファイルです。フルパス名が指定されていないかぎり、ADRCIはカレント・ディレクトリでスクリプトを検索します。ファイル拡張子のないファイル名が指定されている場合、ADRCIはデフォルトの拡張子.adi
を使用します。
run
および@
コマンドはシノニムです。@@
コマンドは、run
や@
と似ていますが、スクリプト内で使用される場合に、@@
はカレント・ディレクトリではなくコール側スクリプトのパスを使用してscript_name
を検索する点が異なります。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
run my_script
@my_script
用途
指定されたインシデントまたは問題に関して、修飾されたレコードを取得します。
構文および説明
select {*|[field1, [field2, ...]} FROM {incident|problem} [WHERE predicate_string] [ORDER BY field1 [, field2, ...] [ASC|DSC|DESC]] [GROUP BY field1 [, field2, ...]] [HAVING having_predicate_string]
表16-10 SELECTコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
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取得するフィールドをリストします。 |
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インシデントまたは問題を問い合せるかどうかを示します。 |
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SQLに類似した述語文字列を使用して、述語がtrueであるインシデントまたは問題のみを表示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 表16-16に、インシデントの述語文字列で使用できるフィールドを表示します。 表16-18に、問題の述語文字列で使用できるフィールドを表示します。 |
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フィールドを指定順序、昇順( |
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指定したフィールドごとにグループ化された結果が表示されます。
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返される行のグループを、HAVINGの述語がtrueであるグループに制限します。 |
注意: WHERE 、ORDER BY 、GROUP BY およびHAVING フラグは、SELECT SQL文の同名の句に似ています。SELECT SQL文における句の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。 |
例
次の例では、1
を超えるincident_id
を持つインシデントの、incident_id
およびcreate_time
を取得します。
select incident_id, create_time from incident where incident_id > 1
この問合せの出力例を次に示します。
INCIDENT_ID CREATE_TIME -------------------- ---------------------------------------- 4801 2011-05-27 10:10:26.541656 -07:00 4802 2011-05-27 10:11:02.456066 -07:00 4803 2011-05-27 10:11:04.759654 -07:00
次の例では、problem_key
に600
が含まれる各問題の、problem_id
およびfirst_incident
を取得します。
select problem_id, first_incident from problem where problem_key like '%600%'
この問合せの出力例を次に示します。
PROBLEM_ID FIRST_INCIDENT -------------------- -------------------- 1 4801 2 4802 3 4803
このセクションでは、SELECT
コマンドと一緒に使用できる関数について説明します。
これらの関数の目的および構文は、対応するSQL関数に似ていますが、一部において異なっています。この項では、ADRCIユーティリティで使用される関数とおよびSQL関数の間の相違点について説明します。
すべての関数に次の制限事項が適用されます。
式は、単純式である必要があります。単純式については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
複数の関数コールを組み合せることはできません。たとえば、次の関数コールの組合せはサポートされません。
sum(length(column_name))
関数はオーバーロードされません。
すべての関数の引数は必須です。
関数は、他のADRCIユーティリティ・コマンドと一緒に使用できません。
表16-11 SELECTコマンドのADRCIユーティリティ関数
関数 | 説明 |
---|---|
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式の平均値を返します。 |
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2つの文字列を連結して返します。 |
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問合せによって返された行数を返します。 |
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1つの式を各検索値と1つずつ比較します。 |
|
入力キャラクタ・セットによる定義に従って、文字列の長さを返します。 |
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式の最大値を返します。 |
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式の最小値を返します。 |
|
問合せの結果において、null(空白として返される)を文字データに置換します。 |
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指定した正規表現の指定パターンに一致する行を返します。 |
|
文字データの一部を返します。 |
|
式の値の合計を返します。 |
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すべての文字を小文字にして、文字データを返します。 |
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すべての文字を大文字にして、文字データを返します。 |
式の平均値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでAVG
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
式は、数値型の列または正の数値定数である必要があります。
この関数は、DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。
この関数は、OVER
句をサポートしていません。
2つの文字列を連結して返します。データ型がCHAR
およびVARCHAR2
の文字データを使用できます。戻り値は、文字データと同じデータ型です。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでCONCAT
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この関数は、BLOB
、CLOB
、NCLOB
、BFILE
データ型などのLOBデータ型をサポートしていません。
この関数は、NCHAR
、NVARCHAR2
、NCLOB
データ型などの各国語キャラクタ・セットのデータ型をサポートしていません。
問合せによって返された行数を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでCOUNT
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この式は、列、数値定数または文字列定数である必要があります。
この関数は、DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。
この関数は、OVER
句をサポートしていません。
この関数は、通常、重複およびNULLを含めて問合せのすべての行をカウントします。
例
この例では、flood_controlled
が0
(ゼロ)のインシデントの数を返します。
select count(*) from incident where flood_controlled = 0
この例では、problem_key
にORA-600
が含まれる問題の数を返します。
select count(*) from problem where problem_key like '%ORA-600%'
1つの式を各検索値と1つずつ比較します。式が検索値に等しい場合、Oracle Databaseは対応する結果を返します。一致するものがない場合、Oracle Databaseは指定されたデフォルト値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでDECODE
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
検索引数は、文字データである必要があります。
デフォルト値を指定する必要があります。
例
次の例では、各incident_id
と、インシデントがフラッド制御されているかどうかを示します。この例では、DECODE
関数を使用して、flood_controlled
フィールドの数値のかわりにテキストを表示します。
select incident_id, decode(flood_controlled, 0, \ "Not flood-controlled", "Flood-controlled") from incident
入力キャラクタ・セットによる定義に従って、文字列の長さを返します。
この文字列のデータ型には、CHAR
、VARCHAR2
、NCHAR
、NVARCHAR2
、CLOB
、NCLOB
のいずれかを使用できます。戻り値のデータ型はNUMBER
です。文字列のデータ型がCHAR
の場合、長さにはすべての後続の空白が含まれます。文字列がNULLの場合、この関数は0(ゼロ)を返します。
注意: 文字列がNULLの場合、SQL関数はNULLを戻します。 |
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドは、関数LENGTHB
、LENGTHC
、LENGTH2
およびLENGTH4
をサポートしていません。
例
この例では、各問題のproblem_id
およびproblem_key
の長さを示します。
select problem_id, length(problem_key) from problem
式の最大値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでMAX
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この関数は、DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。
この関数は、OVER
句をサポートしていません。
例
この例では、すべての記録された問題の最大のlast_incident
値を示します。
select max(last_incident) from problem
式の最小値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでMIN
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この関数は、DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。
この関数は、OVER
句をサポートしていません。
例
この例では、すべての記録された問題に関する最小のfirst_incident
値を示します。
select min(first_incident) from problem
問合せの結果において、null(空白として返される)を文字データに置換します。指定した最初の式がNULLの場合、NVL
は指定した2番目の式を返します。指定した最初の式がNULLでない場合、NVL
は最初の式の値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでNVL
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
置換する値(2番目の式)は、文字データとして指定する必要があります。
この関数は、データ変換をサポートしません。
例
この例では、singalling_component
の出力のNULL
をテキスト"No component"に置換します。
select nvl(signalling_component, 'No component') from incident
指定した正規表現の指定パターンに一致する行を返します。
注意: SQLでは、REGEXP_LIKE は関数ではなく条件です。 |
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでREGEXP_LIKE
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
パターン一致では、常に大/小文字が区別されます。
この関数は、match_param
引数をサポートしていません。
例
この例では、problem_key
が数値で終了するすべての問題のproblem_id
およびproblem_key
を表示します。
select problem_id, problem_key from problem \ where regexp_like(problem_key, '[0-9]$') = true
文字データの一部を返します。返されるデータ部分は、指定した部分から始まる、指定した文字長の部分文字列となります。 SUBSTR
は、入力キャラクタ・セットによって定義された文字を使用して、長さを計算します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでSUBSTR
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この関数は、正の整数のみをサポートします。負の値または浮動小数点数については、サポートしていません。
SELECT
コマンドは、SUBSTRB
、SUBSTRC
、SUBSTR2
およびSUBSTR4
関数をサポートしていません。
例
この例では、各problem_key
の5文字目以降を表示します。
select substr(problem_key, 5) from problem
式の値の合計を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでSUM
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この式は、数値型の列または数値定数である必要があります。
この関数は、DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。
この関数は、OVER
句をサポートしていません。
TIMESTAMP
データ型の値を、VARCHAR2
データ型の値に、指定した書式で変換します。形式を指定しない場合、値が関数によってデフォルトのタイムスタンプ形式に変換されます。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』でTO_CHAR
関数の構文を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでTIMESTAMP_TO_CHAR
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この関数は、TIMESTAMP
データ型のみを変換します。TIMESTAMP
WITH
TIME
ZONE
、TIMESTAMP
WITH
LOCAL
TIME
ZONE
などのデータ型はサポートされていません。
この関数は、nlsparm
引数をサポートしていません。この関数は、セッションのデフォルト言語を使用します。
例
この例では、各インシデントのcreate_time
を、TIMESTAMP
データ型からVARCHAR2
データ型にDD-MON-YYYY
形式で変換します。
select timestamp_to_char(create_time, 'DD-MON-YYYY') from incident
すべての文字を小文字にして、文字データを返します。データ型がCHAR
およびVARCHAR2
の文字データを使用できます。戻り値は、文字データと同じデータ型です。データベースは、基礎となるキャラクタ・セットに対して定義されているバイナリ・マッピングに基づいて文字の大/小文字を設定します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』でLOWER
関数の構文を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでTOLOWER
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この関数は、BLOB
、CLOB
、NCLOB
、BFILE
データ型などのLOBデータ型をサポートしていません。
この関数は、NCHAR
、NVARCHAR2
、NCLOB
データ型などの各国語キャラクタ・セットのデータ型をサポートしていません。
例
この例では、各problem_key
をすべて小文字で表示します。
select tolower(problem_key) from problem
すべての文字を大文字にして、文字データを返します。データ型がCHAR
およびVARCHAR2
の文字データを使用できます。戻り値は、文字データと同じデータ型です。データベースは、基礎となるキャラクタ・セットに対して定義されているバイナリ・マッピングに基づいて文字の大/小文字を設定します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』でUPPER
関数の構文を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでTOUPPER
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
この関数は、BLOB
、CLOB
、NCLOB
、BFILE
データ型などのLOBデータ型をサポートしていません。
この関数は、NCHAR
、NVARCHAR2
、NCLOB
データ型などの各国語キャラクタ・セットのデータ型をサポートしていません。
例
この例では、各problem_key
をすべて大文字で表示します。
select toupper(problem_key) from problem
用途
カレントADRCIセッションで使用するADRベースを設定します。
構文および説明
set
base
base_str
base_str
は、ディレクトリへのフルパスです。base_str
の形式は、オペレーティング・システムによって異なります。ベース・ディレクトリ下に有効なADRホームが存在する場合、これらのホームはカレントADRCIセッションのホームパスに追加されます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
set base /u01/app/oracle
用途
レポートを表示するデフォルトのブラウザを設定します。
注意: このコマンドは今後使用する目的で確保されています。現時点では、ADRCIはブラウザでHTML形式のレポートをサポートしていません。 |
構文および説明
set browser
browser_program
browser_program
は、ブラウザのプログラム名です(ブラウザはカレントのADR作業ディレクトリから起動可能であると想定されています)。ブラウザが設定されていない場合、ADRCIはレポートを端末またはスプール・ファイルに表示します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
set browser mozilla
用途
ADRの内容の削除ポリシーを設定します。
構文および説明
set
control
(purge_policy
= value
, ...
)
purge_policy
は、SHORTP_POLICY
またはLONGP_POLICY
のいずれかです。詳細は、「SHOW CONTROL」を参照してください。
value
は、ADRの内容が削除可能になるまでの時間数です。
SHORTP_POLICY
およびLONGP_POLICY
は相互に排他的ではありません。各ポリシーは、異なるタイプの内容を制御します。
このコマンドは、1つのADRホームでのみ機能します。
例
set control (SHORTP_POLICY = 360)
用途
コマンド出力をオンまたはオフにします。このコマンドは、スクリプトに表示される出力またはスプール・モードを使用する出力のみに影響します。
構文および説明
set
echo
on|off
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
set echo off
用途
アラート・ログおよびトレース・ファイルの内容を表示するためのエディタを設定します。
構文および説明
set
editor
editor_program
editor_program
は、エディタのプログラム名です。エディタが設定されていない場合、ADRCIはオペレーティング・システムの環境変数EDITOR
で指定されているエディタを使用します。EDITOR
が設定されていない場合、ADRCIはデフォルトのエディタとしてvi
を使用します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
set editor xemacs
用途
1つ以上のADRホームをカレントにします。多くのADRコマンドが、カレントADRホームでのみ動作します。
構文および説明
set
homepath
homepath_str1
homepath_str2
...
homepath_str
n
文字列は、カレントADRベースに対して相対的なADRホームのパスです。ディレクトリ名diagはパスから省略可能です。指定したパスに複数のADRホームが含まれている場合は、すべてのホームがホームパスに追加されます。
目的とする新しいADRホームがカレントADRベース内に存在しない場合は、SET
BASE
を使用して新しいADRベースを設定してから、SET
HOMEPATH
を使用します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
set homepath diag/rdbms/orcldw/orcldw1 diag/rdbms/orcldw/orcldw2
次のコマンドにより、前述の例と同一のホームパスを設定できます。
set homepath rdbms/orcldw/orcldw1 rdbms/orcldw/orcldw2
用途
端末への出力をオンまたはオフにします。
構文および説明
set
termout
on|off
この設定はスプールとは関係なく使用できます。つまり、出力は端末とファイル両方に同時に送信できます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
set termout on
用途
デフォルトのエディタにアラート・ログの内容を表示します。
構文および説明
show alert [-p "predicate_string"] [-tail [num] [-f]] [-term] [-file alert_file_name]
-term
フラグを使用している場合を除き、このコマンドは1つのカレントADRホームでのみ動作します。複数のADRホームが設定されている場合、ADRCIによって、使用するADRホームを選択するように要求されます。
表16-12 SHOW ALERTコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
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SQLに類似した述語文字列を使用して、述語がtrueであるアラート・ログのエントリのみを表示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 表16-13に、述語文字列で使用できるフィールドを表示します。 |
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アラート・ログの最新のエントリを表示します。
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結果を端末に送信します。すべてのカレントADRホームからアラート・ログ全体を順次出力します。このオプションが指定されていない場合、結果はデフォルトのエディタに表示されます。 |
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ADRの外のアラート・ファイルを指定できます。 |
表16-13 SHOW ALERTのアラート・フィールド
フィールド | 型 |
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例
この例では、カレントADRホームのすべてのアラート・メッセージをデフォルトのエディタに表示します。
show alert
この例では、カレントADRホームのすべてのアラート・メッセージを表示し、デフォルトのエディタではなく端末に出力を送信します。
show alert -term
この例では、カレントADRホームのすべてのアラート・メッセージを、インシデントを示すメッセージ・テキストとともに表示します。
show alert -p "message_text like '%incident%'"
この例では、最新の20個のアラート・メッセージを表示してから、アラート・ログをオープンしたままにし、新しいアラート・ログのエントリが到着すると、それらのエントリを表示します。
show alert -tail 20 -f
この例では、複数のADRホームが設定されているときに、1つのカレントADRホームのすべてのアラート・メッセージをデフォルトのエディタに表示します。
show alert Choose the alert log from the following homes to view: 1: diag/tnslsnr/dbhost1/listener 2: diag/asm/+asm/+ASM 3: diag/rdbms/orcl/orcl 4: diag/clients/user_oracle/host_9999999999_11 Q: to quit Please select option: 3
用途
カレントADRベースを示します。
構文および説明
show base
[-product
product_name
]
特定の製品では、オプションで、製品のADRベースの場所を表示できます。現在サポートされている製品は、CLIENT
とADRCI
です。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
次の例では、カレントADRベースを示します。
show base
出力例:
ADR base is "/u01/app/oracle"
次の例では、Oracle DatabaseクライアントのカレントADRベースを示します。
show base -product client
用途
削除ポリシー属性を含む、ADRについての情報を示します。
構文および説明
show control
次の削除ポリシー属性を含む、ADRの各種属性を示します。
属性名 | 説明 |
---|---|
SHORTP_POLICY |
存続期間の短いADRの内容が削除可能になるまでの時間数。デフォルト値は720(30日)です。
0(ゼロ)を設定すると、存続期間の短い内容をすべて削除できます。設定の最大値は、35791394です。35791394を超える値を指定すると、この属性は0(ゼロ)に設定されます。 存続期間の短いADRの内容を次に示します。
|
LONGP_POLICY |
存続期間の長いADRの内容が削除可能になるまでの時間数。デフォルト値は8760(365日)です。
0(ゼロ)を設定すると、存続期間の長い内容をすべて削除できます。設定の最大値は、35791394です。35791394を超える値を指定すると、この属性は0(ゼロ)に設定されます。 存続期間の長いADRの内容を次に示します。
|
注意: SHORTP_POLICY およびLONGP_POLICY 属性は相互に排他的ではありません。各ポリシーは、異なるタイプの内容を制御します。 |
用途
状態モニターの実行に関するすべての情報を表示します。
構文および説明
show hm_run
[-p
"predicate_string
"]
predicate_string
は、選択するフィールド名を指定するSQLに類似した述語です。表16-14に、使用可能なフィールド名のリストを示します。
表16-14 状態モニターの実行に使用するフィールド
フィールド | 型 |
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例
次の例では、すべての状態モニターの実行に関するデータを示します。
show hm_run
次の例では、123のIDを持つ状態モニターの実行に関するデータを示します。
show hm_run -p "run_id=123"
参照: 状態モニターの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
用途
SHOW
HOMES
コマンドと同じです。
構文および説明
show homepath | show homes | show home
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
show homepath
出力例:
ADR Homes: diag/tnslsnr/dbhost1/listener diag/asm/+asm/+ASM diag/rdbms/orcl/orcl diag/clients/user_oracle/host_9999999999_11
用途
カレントADRCIセッションのADRホームを表示します。
構文および説明
show homes | show home | show homepath
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
show homes
出力例:
ADR Homes: diag/tnslsnr/dbhost1/listener diag/asm/+asm/+ASM diag/rdbms/orcl/orcl diag/clients/user_oracle/host_9999999999_11
用途
指定したインシデントのトレース・ファイルを表示します。
構文および説明
show incdir [
id
|
id_low
id_high
]
1つのインシデントID(id
)またはインシデントの範囲(id_low
からid_high
)を指定できます。インシデントIDが指定されていない場合は、すべてのインシデントのトレース・ファイルが表示されます。
例
この例では、すべてのインシデントのすべてのトレース・ファイルを表示します。
show incdir
出力例:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3801/emdb_ora_23604_i3801.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3801/emdb_m000_23649_i3801_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3802/emdb_ora_23604_i3802.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3803/emdb_ora_23604_i3803.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3804/emdb_ora_23604_i3804.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3805/emdb_ora_23716_i3805.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3805/emdb_m000_23767_i3805_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3806/emdb_ora_23716_i3806.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3633/emdb_pmon_28970_i3633.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3633/emdb_m000_23778_i3633_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3713/emdb_smon_28994_i3713.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3713/emdb_m000_23797_i3713_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3807/emdb_ora_23783_i3807.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3807/emdb_m000_23803_i3807_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3808/emdb_ora_23783_i3808.trc
この例では、インシデント3713のすべてのトレース・ファイルを表示します。
show incdir 3713
出力例:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3713/emdb_smon_28994_i3713.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3713/emdb_m000_23797_i3713_a.trc
次の例では、3801から3804の間のインシデントのすべてのトレース・ファイルを表示します。
show incdir 3801 3804
出力例:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3801/emdb_ora_23604_i3801.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3801/emdb_m000_23649_i3801_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3802/emdb_ora_23604_i3802.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3803/emdb_ora_23604_i3803.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3804/emdb_ora_23604_i3804.trc
用途
カレントADRホームに関連付けられているすべてのインシデントを表示します。未解決のインシデントとクローズしたインシデントの両方を含めます。
構文および説明
show incident [-p "predicate_string"] [-mode {BASIC|BRIEF|DETAIL}] [-orderby field1, field2, ... [ASC|DSC]]
表16-15に、SHOW
INCIDENT
のフラグを示します。
表16-15 SHOW INCIDENTコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
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述語文字列を使用して、述語がtrueであるインシデントのみを示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 表16-16に、述語文字列で使用できるフィールドを表示します。 |
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インシデントの出力モードを選択します。
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結果を指定した順序のフィールドでソートするだけでなく、昇順( |
表16-16 SHOW INCIDENTのインシデント・フィールド
フィールド | 型 | 説明 |
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インシデントのID |
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インシデントが属する問題のID |
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インシデントが作成された時間 |
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インシデントがクローズされた時間 |
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このインシデントの状態 |
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内部使用のフラグ |
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インシデントのフラッド制御の状態をエンコード |
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インシデントの原因となったエラーのエラー機能 |
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インシデントの原因となったエラーのエラー番号 |
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インシデントの原因となったエラーに関する最初の引数 エラーの引数では、エラーを発行したコードの位置など、エラーの追加情報が提供されます。 |
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インシデントの原因となったエラーに関する2番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する3番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する4番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する5番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する6番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する7番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する8番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラー信号を出したコンポーネント |
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インシデントの原因となったエラー信号を出したサブコンポーネント |
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インシデントの原因の可能性があると自動的に識別されたコンポーネント |
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インシデントの原因の可能性があると自動的に識別されたサブコンポーネント |
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実行コンテキストID |
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インシデントの影響のエンコード化 |
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インシデントの原因となったエラーに関する9番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する10番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する11番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する12番目の引数 |
例
次の例では、このADRホームのすべてのインシデントを示します。
show incident
出力例:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* INCIDENT_ID PROBLEM_KEY CREATE_TIME -------------------- -------------------------------------------- ---------------------------- 3808 ORA 603 2010-06-18 21:35:49.322161 -07:00 3807 ORA 600 [4137] 2010-06-18 21:35:47.862114 -07:00 3806 ORA 603 2010-06-18 21:35:26.666485 -07:00 3805 ORA 600 [4136] 2010-06-18 21:35:25.012579 -07:00 3804 ORA 1578 2010-06-18 21:35:08.483156 -07:00 3713 ORA 600 [4136] 2010-06-18 21:35:44.754442 -07:00 3633 ORA 600 [4136] 2010-06-18 21:35:35.776151 -07:00 7 rows fetched
次の例では、インシデント3805の詳細を示します。
adrci> show incident -mode DETAIL -p "incident_id=3805"
出力例:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* ********************************************************** INCIDENT INFO RECORD 1 ********************************************************** INCIDENT_ID 3805 STATUS closed CREATE_TIME 2010-06-18 21:35:25.012579 -07:00 PROBLEM_ID 2 CLOSE_TIME 2010-06-18 22:26:54.143537 -07:00 FLOOD_CONTROLLED none ERROR_FACILITY ORA ERROR_NUMBER 600 ERROR_ARG1 4136 ERROR_ARG2 2 ERROR_ARG3 18.0.628 ERROR_ARG4 <NULL> ERROR_ARG5 <NULL> ERROR_ARG6 <NULL> ERROR_ARG7 <NULL> ERROR_ARG8 <NULL> SIGNALLING_COMPONENT <NULL> SIGNALLING_SUBCOMPONENT <NULL> SUSPECT_COMPONENT <NULL> SUSPECT_SUBCOMPONENT <NULL> ECID <NULL> IMPACTS 0 PROBLEM_KEY ORA 600 [4136] FIRST_INCIDENT 3805 FIRSTINC_TIME 2010-06-18 21:35:25.012579 -07:00 LAST_INCIDENT 3713 LASTINC_TIME 2010-06-18 21:35:44.754442 -07:00 IMPACT1 0 IMPACT2 0 IMPACT3 0 IMPACT4 0 KEY_NAME Client ProcId KEY_VALUE oracle@dbhost1 (TNS V1-V3).23716_3083142848 KEY_NAME SID KEY_VALUE 127.52237 KEY_NAME ProcId KEY_VALUE 23.90 KEY_NAME PQ KEY_VALUE (0, 1182227717) OWNER_ID 1 INCIDENT_FILE /.../emdb/emdb/incident/incdir_3805/emdb_ora_23716_i3805.trc OWNER_ID 1 INCIDENT_FILE /.../emdb/emdb/trace/emdb_ora_23716.trc OWNER_ID 1 INCIDENT_FILE /.../emdb/emdb/incident/incdir_3805/emdb_m000_23767_i3805_a.trc 1 rows fetched
用途
カレントADRホームの問題情報を示します。
構文および説明
show problem [-p "predicate_string"] [-last num | -all] [-orderby field1, field2, ... [ASC|DSC]]
表16-17に、SHOW
PROBLEM
のフラグを示します。
表16-17 SHOW PROBLEMコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
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SQLに類似した述語文字列を使用して、述語がtrueであるインシデントのみを示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 表16-18に、述語文字列で使用できるフィールドを表示します。 |
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最新の |
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結果を指定した順序のフィールド( |
表16-18 SHOW PROBLEMの問題フィールド
フィールド | 型 | 説明 |
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問題のID |
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問題の問題キー |
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問題の最初のインシデントのインシデントID |
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問題の最初のインシデントの作成時間 |
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問題の最後のインシデントのインシデントID |
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問題の最後のインシデントの作成時間 |
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この問題の影響のエンコード化 |
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この問題の影響のエンコード化 |
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この問題の影響のエンコード化 |
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この問題の影響のエンコード化 |
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問題のサービス・リクエスト(サポート・ワークベンチで入力) |
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問題のバグ番号(サポート・ワークベンチで入力) |
例
次の例では、カレントADRホームのすべての問題を表示します。
show
problem -all
次の例では、IDが4の問題を示します。
show
problem
-p
"problem_id=4"
用途
指定したレポート・タイプおよび実行名のレポートを表示します。現在は、hm_run
(状態モニター)レポート・タイプのみが、XML形式のみでサポートされています。HTML形式の状態モニター・レポートを表示するには、Oracle Enterprise ManagerまたはDBMS_HM
PL/SQLパッケージを使用します。詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
構文および説明
SHOW
REPORT
report_type
run_name
report_type
はhm_run
である必要があります。run_name
は、レポートの作成元となる状態モニターの実行名です。CREATE
REPORT
コマンドを使用して、最初にレポートを作成する必要があります。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
show report hm_run hm_run_1421
用途
トレース・ファイルを表示します。
構文および説明
show tracefile [file1 file2 ...] [-rt | -t] [-i inc1 inc2 ...] [-path path1 path2 ...]
このコマンドは、-i
または-path
フラグが指定されていないかぎり、カレントADRホームのトレース・ディレクトリおよびすべてのインシデント・ディレクトリ下で1つ以上のファイルを検索します。
このコマンドの使用時に-i
オプションを指定しないかぎり、ADRホームを設定しておく必要はありません。
表16-19に、SHOW
TRACEFILE
の引数を示します。
表16-20 SHOW TRACEFILEコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
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トレース・ファイル名をタイムスタンプに従って並べ替えます。 このオプションを使用すると、タイムスタンプが各ファイル名の横に表示されます。 |
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指定したインシデントIDに対して作成されたトレース・ファイルのみを選択します。 |
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指定したパス名下のトレース・ファイルのみを問い合せます。 |
例
次の例では、カレントADRホーム下のすべてのトレース・ファイルを示します。
show tracefile
次の例では、すべてのmmon
トレース・ファイルを、タイムスタンプに従って降順で表示します。
show tracefile %mmon% -rt
次の例では、/home/steve/temp下にある、インシデント1および4に対するすべてのトレース・ファイルを示します。
show tracefile -i 1 4 -path /home/steve/temp
用途
ADRCI出力をファイルへ送信します。
構文および説明
SPOOL
filename
[[APPEND] | [OFF]]
filename
は、出力が送信されるファイル名です。フルパス名が指定されていない場合、ファイルはカレントADRCI作業ディレクトリに作成されます。ファイル拡張子が指定されていない場合、デフォルトの拡張子.ado
が使用されます。APPEND
を指定すると、出力がファイルの末尾に追加されます。指定されていない場合は、ファイルが上書きされます。スプールをオフにするにはOFF
を使用します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
spool myfile
spool myfile.ado append
spool off
spool
一般的なADRCIエラー・メッセージの一部と、その考えられる原因および回避策を次に示します。
ADRベースが設定されていません
原因: ORACLE_HOME
環境変数にNULLまたは無効な変数を指定してADRCIを起動した可能性があります。
処理: ADRCI
を終了し、ORACLE_HOME
環境変数を設定してからADRCIを再起動します。詳細は、「ADRベース」を参照してください。
DIA-48323: 指定されたパス名[string]は現行ADRホームの内部に存在する必要があります
原因: ADRホームの外のファイルは、このコマンドではインシデント・ファイルとして使用できません。
処理: ADRホーム内のインシデント・ファイルを使用して再試行します。
DIA-48400: ADRCIの初期化に失敗しました
原因: ADRベース・ディレクトリが存在しません。
処理: DIAGNOSTIC_DEST
初期化パラメータの値をチェックし、1つ以上のADRホームを含むADRベース・ディレクトリを示していることを確認します。DIAGNOSTIC_DEST
が欠落している場合やNULLである場合は、ORACLE_HOME/logで有効なADRベース・ディレクトリ階層を確認します。
DIA-48431: ADRホーム・パスを1つ以上指定する必要があります
原因: そのコマンドで、1つ以上のADRホームをカレントにする必要があります。
処理: SET
HOMEPATH
コマンドを使用して、1つ以上のADRホームをカレントにします。
DIA-48432: ADRホーム・パス[string]が無効です
原因: 指定されたADRホームが有効ではありません。パスが存在していない可能性があります。
処理: 指定されたADRホームパスが存在していることを確認します。
DIA-48447: 入力パス[path]にADRホームが含まれていません
原因: SET
HOMEPATH
を使用してADRホームを設定する場合、カレントADRベースに対して相対的なパスを指定する必要があります。
処理: 目的とする新しいADRホームがカレントADRベースに存在しない場合は、まずSET
BASE
を使用してADRベースを設定し、その後でSHOW
HOMES
を使用して新しいADRベースの下でADRホームを確認します。次に、必要に応じて、SET
HOMEPATH
を使用して新しいADRホームを設定します。
DIA-48448: このコマンドは、複数のADRホームをサポートしていません
原因: カレントADRCIセッションに複数のカレントADRホームが存在します。
処理: SET
HOMEPATH
コマンドを使用して、1つのADRホームをカレントにします。