プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Data Guard Broker
11gリリース2 (11.2)
B56304-09
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

8 Data Guard Brokerプロパティ

この章では、ブローカ構成全体、個別のデータベース、REDO転送サービスおよびログ適用サービスの動作を表示および制御するのに役立つ、様々なデータベース構成とデータベース・プロパティについて説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

プロパティの範囲は、構成全体、データベース全体またはインスタンス固有のいずれかです。構成全体を範囲とするプロパティは構成内のすべてのデータベースのブローカの動作を制御します。このようなプロパティの値は、構成内のすべてのデータベースで均一に適用されます。

データベース全体を範囲とするプロパティにより、特定のデータベースの動作を表示または制御できます。データベース(プライマリまたはスタンバイ)は複数のインスタンスから構成されるOracle RACデータベースであり、このようなプロパティの値はデータベースのすべてのインスタンスで均一に適用されます。

インスタンス固有のプロパティにより、個別のデータベース・インスタンスの動作を表示または制御できます。このようなプロパティはOracle RACデータベースのすべてのインスタンスに存在しますが、その値はインスタンスごとに異なる可能性があります。


注意:

この章では、主にData Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)の視点からプロパティについて説明します。DGMGRLを使用すると、この章で説明するプロパティを、個別のDGMGRLコマンドを使用して表示または変更できます。

Enterprise Managerでは、これらのプロパティの一部が「プロパティの編集」ページに明示的に表示されます。他のプロパティからの情報は、Enterprise Managerで表示される他のWebページに暗黙的に組み込まれている場合があります。この章では、各プロパティについて説明するとともに、そのプロパティがEnterprise Managerにどのように表示されるかについても説明します。


8.1 構成プロパティ

構成プロパティは、ブローカ構成の動作を制御します。これらのプロパティの値は、DGMGRLまたはEnterprise Managerを使用して表示し、動的に更新できます。ただし、一部のプロパティは、DGMGRLを使用しなければ更新できません。

構成プロパティは構成全体が有効範囲です。つまり、プロパティに対して設定した値は、構成内の各データベースに均一に適用されます。

次の項で、構成プロパティについて説明します。

8.1.1 BystandersFollowRoleChange

BystandersFollowRoleChange構成プロパティは、完全フェイルオーバー処理の一部として、その他のスタンバイ・データベースが新しいプライマリ・データベースの実行可能なスタンバイ・データベースであるかどうかをブローカで判定する必要があるかどうかを指定します。このプロパティをALLに設定すると、ブローカは、フェイルオーバー処理の一部として、各スタンバイ・データベースを評価し、新しいプライマリ・データベースの実行可能なスタンバイ・データベースを検出します。このプロパティをNONEに設定すると、ブローカは実行可能なスタンバイ・データベースかどうかを評価せずにフェイルオーバーを実行します。このオプションを指定すると、フェイルオーバーの処理時間は短縮されますが、構成内のすべてのデータベースのブローカ管理が無効になります。ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効な場合は、フェイルオーバーの完了後にオブザーバがスタンバイ・データベースを自動的に回復します。それ以外の場合は、フェイルオーバーの完了後にスタンバイ・データベースを手動で回復する必要があります。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 ALLまたはNONE
ブローカ・デフォルト ALL
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、完全フェイルオーバーのターゲットであるデータベースでブローカによって使用されます。
Enterprise Manager名 該当なし

8.1.2 CommunicationTimeout

CommunicationTimeout構成プロパティは、ブローカが構成内のデータベース間のネットワーク通信をタイムアウトするまで待機する秒数を指定します。値が0(ゼロ)の場合は、ネットワーク通信をタイムアウトしないことを示します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >= 0
ブローカ・デフォルト 180秒
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、構成内のすべてのデータベースでブローカによって使用されます。
Enterprise Manager名 該当なし

8.1.3 ExternalDestination1

ExternalDestination1構成プロパティは、現在のプライマリ・データベースからREDOデータを受信できるREDO転送先を指定するために使用されます。指定された宛先へのREDOデータの転送を設定するために、ブローカは指定された値をこのパラメータに使用し、LOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータをプライマリ・データベースに定義します。さらにブローカは、指定された宛先への転送の健全性を監視します。


注意:

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)で、ExternalDestination1構成プロパティはREDO転送先としてZero Data Loss Recovery Applianceをサポートします。

ロール変更後、ブローカは新しいプライマリ・データベースに対し、自動的にLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータを設定し、REDOデータを指定された宛先に転送します。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 任意のLOG_ARCHIVE_DEST_n属性(例外は次のとおり)
  • ALTERNATE

  • LOCATION

  • MAX_FAILURES

  • SYNC

  • VALID_FOR

  • TEMPLATE

  • MANDATORY

  • DELAY

  • NET_TIMEOUT

LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 構成
Enterprise Manager名 該当なし

8.1.4 ExternalDestination2

ExternalDestination2構成プロパティは、現在のプライマリ・データベースからREDOデータを受信できるREDO転送先を指定するために使用されます。指定された宛先へのREDOデータの転送を設定するために、ブローカは指定された値をこのパラメータに使用し、LOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータをプライマリ・データベースに定義します。さらにブローカは、指定された宛先への転送の健全性を監視します。


注意:

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)で、ExternalDestination2構成プロパティはREDO転送先としてZero Data Loss Recovery Applianceをサポートします。

ロール変更後、ブローカは新しいプライマリ・データベースに対し、自動的にLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータを設定し、REDOデータを指定された宛先に転送します。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 任意のLOG_ARCHIVE_DEST_n属性(例外は次のとおり)
  • ALTERNATE

  • LOCATION

  • MAX_FAILURES

  • SYNC

  • VALID_FOR

  • TEMPLATE

  • MANDATORY

  • DELAY

  • NET_TIMEOUT

LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 構成
Enterprise Manager名 該当なし

8.1.5 FastStartFailoverAutoReinstate

FastStartFailoverAutoReinstate構成プロパティを使用すると、プライマリ・データベースが分離またはクラッシュしたためにファスト・スタート・フェイルオーバーが開始した場合に、元のプライマリ・データベースが自動的に回復されます。この場合に元のプライマリ・データベースを自動的に回復しないようにするには、この構成プロパティをFALSEに設定します。

ユーザー構成条件が検出されたためにファスト・スタート・フェイルオーバーが発生した場合、またはDBMS_DG.INITIATE_FS_FAILOVER関数をコールしてアプリケーションでファスト・スタート・フェイルオーバーを要求した場合は、ブローカは元のプライマリ・データベースを自動的に回復しません。

カテゴリ 説明
データ型 ブール
有効値 TRUEまたはFALSE
ブローカ・デフォルト TRUE
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化された後オブザーバにより使用されます。
Enterprise Manager名 プライマリを自動的に回復

8.1.6 FastStartFailoverLagLimit

FastStartFailoverLagLimit構成プロパティは、REDOの適用に関して、プライマリよりスタンバイが遅れることができる許容範囲を秒単位で確立します。この値を超えて遅れる場合は、ファスト・スタート・フェイルオーバーが実行されません。設定可能な最小値は10秒です。

このプロパティは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化され、構成が最大パフォーマンス・モードで動作しているときに使用します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 整数(秒数)。10以上にする必要があります。
ブローカ・デフォルト 30秒
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化された後、プライマリ・データベースより使用されます。
Enterprise Manager名 ラグ制限

8.1.7 FastStartFailoverPmyShutdown

FastStartFailoverPmyShutdown構成プロパティにより、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されていてプライマリがFastStartFailoverThresholdの秒数よりも長くSTALLEDになったことをV$DATABASE.FS_FAILOVER_STATUSが示すと、プライマリ・データベースが停止します。この場合、プライマリが分離され、ファスト・スタート・フェイルオーバーが実行されている可能性があります。TRUEの値は、分離されたプライマリ・データベースがユーザーの問合せに対応できないことを確認するのに役立ちます。

ユーザーの構成条件が検出されたためにファスト・スタート・フェイルオーバーが発生した場合、またはDBMS_DG.INITIATE_FS_FAILOVER関数をコールしてアプリケーションでファスト・スタート・フェイルオーバーを要求した場合、このプロパティをFALSEに設定してもプライマリ・データベースの停止を防止できません。

カテゴリ 説明
データ型 ブール
有効値 TRUEまたはFALSE
ブローカ・デフォルト TRUE
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化された後、プライマリ・データベースより使用されます。
Enterprise Manager名 プライマリを自動的に停止

8.1.8 FastStartFailoverThreshold

FastStartFailoverThreshold構成プロパティは、ターゲット・スタンバイ・データベースへのファスト・スタート・フェイルオーバーを開始するまでに、オブザーバーがプライマリ・データベースとの再接続を試行する時間(秒数)を指定します。この時間間隔は、オブザーバのプライマリ・データベースとの接続が最初に失われたときに開始されます。オブザーバが指定時間内にプライマリ・データベースへの接続を回復できない場合、オブザーバによりファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されます。このプロパティの設定方法の詳細は、5.5.2項の手順4を参照してください。

構成可能なファスト・スタート・フェイルオーバー条件が検出された場合、またはアプリケーションでファスト・スタート・フェイルオーバーの開始を要求した場合、オブザーバはしきい値を完全に無視します。

このプロパティに対する適切な値を判断するうえで、V$FS_OBSERVER_HISTOGRAMビューで示される情報が役立ちます。このビューでは、異なる時間間隔のオブザーバとプライマリ・データベース間のpingの成功頻度に基づいた統計が表示されます。(V$FS_OBSERVER_HISTOGRAMビューの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。)

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 整数(秒数)。6以上にする必要があります。
ブローカ・デフォルト 30秒
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリ・ロールにフェイルオーバーするターゲット・スタンバイ・データベース
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化された後オブザーバにより使用されます。
Enterprise Manager名 Oracle Enterprise Managerでは、この値は「フェイルオーバーのしきい値」としてData Guardの概要ページに表示されます。

8.1.9 ObserverOverride

ObserverOverride構成プロパティをTRUEに設定すると、スタンバイがプライマリに正常に接続していても、オブザーバのプライマリへの接続が失われた場合、自動フェイルオーバーが発生します。

ObserverOverride構成プロパティはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降のデータベースでのみ使用可能です。

カテゴリ 説明
データ型 ブール
有効値 TRUEまたはFALSE
ブローカ・デフォルト FALSE
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化された後オブザーバにより使用されます。
Enterprise Manager名 該当なし

8.1.10 ObserverReconnect

ObserverReconnect構成プロパティは、オブザーバがプライマリ・データベースに対して新しい接続を確立する頻度を指定します。このプロパティがデフォルト値の0に設定されている場合、オブザーバはプライマリ・データベースへの接続を作成、維持しますが、プライマリ・データベースへの新しい接続を定期的に作成することはしません。これによりプライマリ・データベースに新しいオブザーバ接続を定期的に確立することによる処理オーバーヘッドがなくなる一方、オブザーバがプライマリ・データベースに新しい接続を作成できないことを検出できなくなります。このプロパティは、プライマリ・データベースの障害を適時に検出できる程度には小さいが、定期的なオブザーバ接続によるオーバーヘッドが許容できるレベルに収まる程度には大きい値に設定することをお薦めします。

ObserverReconnect構成プロパティはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降のデータベースでのみ使用可能です。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >=0
ブローカ・デフォルト 0
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化された後オブザーバにより使用されます。
Enterprise Manager名 該当なし

8.1.11 OperationTimeout

OperationTimeout構成プロパティは、ブローカがヘルス・チェック、監視可能なプロパティの取得およびプロパティの操作の設定を完了するまでの待機時間の最大値を指定します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >= 30および<= 600
ブローカ・デフォルト 30秒
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成。このプロパティは、構成内のすべてのデータベースでブローカによって使用されます。
Enterprise Manager名 該当なし

8.1.12 PrimaryLostWriteAction

PrimaryLostWriteAction構成プロパティは、プライマリ・データベースで書込み欠落が発生したことをスタンバイ・データベースが検出した場合の動作を決定します。

  • CONTINUE - プライマリ・データベースで書込み欠落が発生したことをスタンバイ・データベースが検出した場合、プライマリ・データベースは動作を継続します。これはデフォルトのアクションです。

  • SHUTDOWN - プライマリ・データベースで書込み欠落が発生したことをスタンバイ・データベースが検出した場合、プライマリ・データベースは強制終了を実行します。

プライマリ・データベースで書込み欠落が発生したことをスタンバイ・データベースが検出した場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーは無効化されます。そのため、プライマリ・データベースで書込み欠落が発生したことをスタンバイが検出した場合、PrimaryLostWriteActionSHUTDOWNに設定されている場合であっても、自動フェイルオーバーは発生しません。

プライマリ・データベースおよび書込み欠落を検出したスタンバイ・データベースのデータベース・アラートおよびブローカ・ログに診断情報が記述されます。

プライマリ・データベースで書込み欠落が発生した場合は、My Oracle Supportノート1265884.1 (http://support.oracle.com)のスタンバイ・リカバリ時のORA-752またはORA-600 [3020]の解決のガイドラインに従います。

PrimaryLostWriteAction構成プロパティはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)でのみ使用可能です。


注意:

プライマリ・データベースおよび構成内の各スタンバイ・データベースでDB_LOST_WRITE_PROTECTデータベース初期化パラメータをTYPICALまたはFULLに設定し、構成内のすべてのスタンバイ・データベースで、プライマリの書込み欠落を検出できるようにする必要があります。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 CONTINUEまたはSHUTDOWN
ブローカ・デフォルト CONTINUE
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 ブローカ構成
Enterprise Manager名 該当なし

8.1.13 TraceLevel

TraceLevel構成プロパティは、構成のすべてのメンバーに対してブローカが実行するトレースの量を制御するために使用されます。プロパティをUSERに設定すると、トレース対象は、完了した操作と、操作またはヘルス・チェックから発生する警告またはエラー・メッセージに制限されます。プロパティをSUPPORTに設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレースの量が増大します。

TraceLevel構成プロパティはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降のデータベースでのみ使用可能です。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 USERSUPPORT
ブローカ・デフォルト USER
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 該当なし
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

8.2 監視可能な(読取り専用)データベース・プロパティ

監視可能なデータベース・プロパティを使用すると、データベースまたはインスタンスに関連する情報を表示できますが、これらのプロパティの値は変更できません。監視可能なプロパティはすべて、DGMGRLのSHOWコマンドを使用して表示できます。


注意:

監視可能なプロパティの情報を表示できるのは、データベースのブローカ管理が有効な場合のみです。Enterprise Managerでは、これらのプロパティの情報は「プロパティ」ページに表示されます。

データベースがOracle RACデータベースの場合、一部のプロパティの出力値にインスタンス固有の情報も示されることがあります。たとえば、プライマリ・データベースがOracle RACデータベースの場合、LogXptStatusは、Standby2にREDOデータを転送しているInstance1にエラーがあることと、Standby4にREDOデータを転送しているInstance2にエラーがあることを示す場合があります。

次の各項で、監視可能なデータベース・プロパティについて説明します。

8.2.1 InconsistentLogXptProps(非一貫性REDO転送プロパティ)

監視可能なデータベース・プロパティInconsistentLogXptPropsは、プロパティの値が、ブローカ構成ファイルとデータベース内のランタイム値の間で一貫性がないすべてのREDO転送サービスに関連するプロパティを示す表を戻します。

この表にレポートされるプロパティはデータベース固有のプロパティですが、非一貫性についてはインスタンス固有ベースでレポートされます。データベース固有のプロパティの場合、ブローカ構成ファイル内では、データベースを共有する全インスタンスの値は同一ですが(唯一の条件)、ランタイム値はインスタンス間で異なる可能性があります。つまり、一部のインスタンスでのみデータベース固有のプロパティに一貫性がない場合があります。

これはプライマリ・データベース関連のプロパティです。この表の列は、次のとおりです。

  • INSTANCE_NAME

    インスタンスのSIDを識別する値

  • STANDBY_NAME

    このREDO転送サービス・プロパティに関連するスタンバイ・データベースのデータベース一意名(DB_UNIQUE_NAME)

  • PROPERTY_NAME

    一貫性のない値が含まれるREDO転送サービス・プロパティの名前

  • MEMORY_VALUE

    データベースで使用されているランタイム値

  • BROKER_VALUE

    ブローカ構成ファイルに保存されているREDO転送サービス・プロパティの値

8.2.2 InconsistentProperties(非一貫性データベース・プロパティ)

監視可能なデータベース・プロパティInconsistentPropertiesは、ブローカ構成ファイルに含まれている値が、対応するサーバー・パラメータ・ファイル内の値またはデータベース内のランタイム値と一貫性がないすべてのデータベース・プロパティを示す表を戻します。

この表にレポートされるプロパティは、データベース固有のプロパティの場合やインスタンス固有のプロパティの場合があります。データベース固有のプロパティの場合、データベースを共有するすべてのインスタンスについて、ブローカ構成ファイルに値が1つあることのみが保証され、ランタイム・メモリーの値またはSPFILEの値はインスタンス間で異なる可能性があります。つまり、一部のインスタンスでのみデータベース固有のプロパティに一貫性がない場合があります。

このプロパティは各データベースに個別に存在します。この表の列は、次のとおりです。

  • INSTANCE_NAME

    インスタンスのSIDを識別する値

  • PROPERTY_NAME

    一貫性のない値が含まれるデータベース・プロパティの名前

  • MEMORY_VALUE

    データベースで使用されている対応するランタイム値

  • SPFILE_VALUE

    サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)に保存されている対応する値

  • BROKER_VALUE

    ブローカ構成ファイルに保存されているデータベース・プロパティの値

8.2.3 LogXptStatus(REDO転送ステータス)

監視可能なデータベース・プロパティLogXptStatusは、有効な各スタンバイ・データベースに対するREDO転送サービスのエラー・ステータスを含む表を戻します。これはプライマリ・データベース関連のプロパティです。

この表の列は、次のとおりです。

  • PRIMARY_INSTANCE_NAME

    プライマリ・データベースのインスタンスのSIDを識別する値

  • STANDBY_DATABASE_NAME

    スタンバイ・データベースのデータベース一意名(DB_UNIQUE_NAME)

  • ERROR

    REDO転送エラーのテキスト。エラーがない場合、フィールドは空です。

この表の各エントリは、あるプライマリ・インスタンスから1つのスタンバイ・データベースへのREDO転送サービスのステータスを示します。

エラー・ステータスは空の文字列の場合もあります。これは、エラーがないことを示します。

次の例では、South_Sales接続先にはエラーがないので、South_SalesSTATUSは空です。South_Report接続先は、ORA-01034メッセージを戻します。

DGMGRL> SHOW DATABASE 'North_Sales' 'LogXptStatus' ;
LOG TRANSPORT STATUS
PRIMARY_INSTANCE_NAME STANDBY_DATABASE_NAME               STATUS
         north_sales1           South_Sales
         north_sales1          South_Report    ORA-01034: ORACLE not available

8.2.4 LsbyFailedTxnInfo(ロジカル・スタンバイ障害トランザクション情報)

監視可能なデータベース・プロパティLsbyFailedTxnInfoは、ログ適用サービスの停止の原因となった障害トランザクションを識別します。このプロパティには、DBA_LOGSTDBY_EVENTSビューからの次の値で構成される文字列が含まれています。

  • XIDUSN: トランザクションIDのUNDOセグメント番号

  • XIDSLT: トランザクションIDのスロット番号

  • XIDSQN: トランザクションIDの順序番号

  • STATUS_CODE: STATUSメッセージ内のステータス(またはOracleエラー・コード)

  • STATUS: プロセスの現行アクティビティの説明、またはログ適用サービスの停止理由

トランザクションIDとステータス情報は、番号記号の文字列(###)で区切られます。

これはロジカル・スタンバイ・データベース関連のプロパティです。

8.2.5 LsbyParameters(ロジカル・スタンバイ・パラメータ)

監視可能なデータベース・プロパティLsbyParametersには、ログ適用サービス用に特別に予約されたMAX_SGA(最大システム・グローバル領域)およびMAX_SERVERS(パラレル問合せサーバーの最大数)の値を識別する文字列が含まれています。これらの値は、LsbyParametersプロパティ内で番号記号の文字列(###)で区切られます。

これはロジカル・スタンバイ・データベース関連のプロパティです。

8.2.6 LsbySkipTable(ロジカル・スタンバイ・スキップ表)

監視可能なデータベース・プロパティLsbySkipTableプロパティは、SQL Applyスキップ指定をリストします。これらのスキップ指定では、SQL Applyにロジカル・スタンバイ・データベース上で特定クラスのオンラインREDOログ・ファイルの適用をスキップさせるためのフィルタが指定されています。このプロパティは、DBA_LOGSTDBY_SKIPビューからの次の列を含む表を戻します。

  • ERROR

    文をスキップするか(Y)、または文に関するエラーを戻すか(N)を示します。

  • STATEMENT_OPT

    スキップする文のタイプを示します。

  • SCHEMA

    このスキップ・オプションが使用されるスキーマ名。

  • NAME

    このスキップ・オプションが使用されるオブジェクトの名前。

  • PROCEDURE

    スキップ・オプションの処理時に実行するストアド・プロシージャの名前。

これはロジカル・スタンバイ・データベース関連のプロパティです。

8.2.7 LsbySkipTxnTable(SQL Applyスキップ・トランザクション表)

監視可能なデータベース・プロパティLsbySkipTxnTableは、選択されたスキップ設定をリストします。このプロパティは、次の列を含む表を戻します。

  • XIDUSN: トランザクションIDのUNDOセグメント番号

  • XIDSLT: トランザクションIDのスロット番号

  • XIDSQN: トランザクションIDの順序番号

  • ACTIVE: プロセスの現行アクティビティの説明、またはSQL Applyの停止理由

これはSQL Apply関連のプロパティです。

8.2.8 RecvQEntries(受信キュー・エントリ)

監視可能なデータベース・プロパティRecvQEntriesプロパティは、スタンバイ・データベースで受信済で、まだ適用されていないすべてのログ・ファイルを示す表を戻します。行が戻されていない場合は、受信されたすべてのログ・ファイルが適用済であることを意味します。これはスタンバイ・データベース関連のプロパティです。

この表には、次の順序で列が含まれています。

  • STATUS

    ロジカル・スタンバイ・データベース上のログ・ファイルの場合は、STATUS列が次のいずれかの値に設定されます。

    • NOT_APPLIED: このログ・ファイル内のREDOレコードは適用されていません。

    • PARTIALLY_APPLIED: このログ・ファイル内のREDOレコードのうち、一部は適用済で残りは適用されていません。

    • COMMITTED_TRANSACTIONS_APPLIED: このステータス値は、ロジカル・スタンバイ・データベースにのみ適用されます。コミット済トランザクションに属するREDOレコードはすべて適用済です。コミットされていないトランザクションに属するREDOレコードは、LogMinerにより読み取られておらず、まだ将来トランザクションがコミットされるときに必要になる可能性があります。したがって、このオンラインREDOログ・ファイルはまだ安全に破棄できません。

  • RESETLOGS_ID

    アーカイブREDOログ・ファイルに関連付けられたリセットログ識別子。

  • THREAD

    REDOスレッド番号。

  • LOG_SEQ

    オンラインREDOログ・ファイルの順序番号。

  • TIME_GENERATED

    オンラインREDOログ・ファイルがプライマリ・データベースに初めて書き込まれた時刻。

  • TIME_COMPLETED

    ログ・ファイルがプライマリ・データベースに2度目にアーカイブされた時刻(NEXT_CHANGE#列に対応)。

  • FIRST_CHANGE#

    アーカイブREDOログ・ファイル内の最初の変更番号。

  • NEXT_CHANGE#

    次のログ・ファイル内の最初の変更番号。

  • SIZE (KB)

    オンラインREDOログ・ファイルのSIZE(KB単位)。

次に例を示します。

DGMGRL> SHOW DATABASE 'South_Sales' 'RecvQEntries' ;
              STATUS     RESETLOGS_ID           THREAD
LOG_SEQ          TIME_GENERATED       TIME_COMPLETED    FIRST_CHANGE#
NEXT_CHANGE#        SIZE (KBs)
         NOT_APPLIED        497198843                1                    5
06/20/2003 14:55:38  06/20/2003 16:31:26           202138
210718             7364
         NOT_APPLIED        497198843                1                    6
06/20/2003 16:31:26  06/20/2003 16:31:39           210718
210753               13
         NOT_APPLIED        497198843                1                    7
06/20/2003 16:31:39  06/20/2003 16:31:54           210753
210758                1
         NOT_APPLIED        497198843                1                    8
06/20/2003 16:31:54  06/20/2003 16:31:59           210758
210789               11

注意:

Enterprise Managerでは、この情報は「ログ・ファイルの詳細」ページに表示されます。

8.2.9 SendQEntries(送信キュー・エントリ)

監視可能なデータベース・プロパティSendQEntriesは、1つ以上のスタンバイ・データベースに正常にアーカイブされていない、プライマリ・データベース上のすべてのログ・ファイルを示す表を戻します。これはプライマリ・データベース関連のプロパティです。

この表の列は、次のとおりです。

  • STANDBY_NAME

    この値は空か、またはスタンバイ・データベースのデータベース一意名(DB_UNIQUE_NAME)になります。空の場合、STATUS列にはCURRENTまたはNOT_ARCHIVEDの値が含まれます。

  • STATUS

    STATUS列は、次のいずれかの値に設定されます。

    • CURRENT: 現在オンラインREDOを書込み中のログ・ファイル。

    • NOT_ARCHIVED: ローカルにアーカイブされていない、完了済のオンラインREDOログ・ファイル。

    • ARCHIVED: ローカルにアーカイブされているが、STANDBY_NAME列で指定されたスタンバイ・データベースには転送されていない完了済ログ・ファイル。

    この表には、STATUS=CURRENTの値を持つ行が1つのみ含まれます。値がSTATUS=ARCHIVEDまたはSTATUS=NOT_ARCHIVEDの行は複数含まれる場合があります。

  • RESETLOGS_ID

    アーカイブREDOログ・ファイルに関連付けられたリセットログ識別子。

  • THREAD

    REDOスレッド番号。

  • LOG_SEQ

    ログ順序番号。複数行に(異なるSTANDBY_NAME値について)同じLOG_SEQ値が含まれる場合があります。

  • TIME_GENERATED

    オンラインREDOログ・ファイルがプライマリ・データベースに初めて書き込まれた時刻。

  • TIME_COMPLETED

    ログ・ファイルがプライマリ・データベースに2度目にアーカイブされた時刻(NEXT_CHANGE#列に対応)。

  • FIRST_CHANGE#

    アーカイブREDOログ・ファイル内の最初の変更番号。

  • NEXT_CHANGE#

    次のログ・ファイル内の最初の変更番号。

  • SIZE (KB)

    オンラインREDOログ・ファイルのSIZE(KB単位)。

SHOW DATABASEコマンドの出力例を次に示します。

DGMGRL> SHOW DATABASE 'North_Sales' 'SendQEntries' ;
PRIMARY_SEND_QUEUE
        STANDBY_NAME       STATUS     RESETLOGS_ID
THREAD              LOG_SEQ       TIME_GENERATED       TIME_COMPLETED
FIRST_CHANGE#     NEXT_CHANGE#       SIZE (KBs)
       South_Sales   ARCHIVED        497198843
1                    9  06/20/2003 16:31:59  06/20/2003 16:39:57
210789           211411              186
       South_Sales   ARCHIVED        497198843
1                   10  06/20/2003 16:39:57  06/20/2003 16:40:01
211411           211415                1
       South_Sales   ARCHIVED        497198843
1                   11  06/20/2003 16:40:01  06/20/2003 16:40:07
211415           211418                1
                          CURRENT        497198843
1                   12  06/20/2003 16:40:07
211418                                 1

注意:

Enterprise Managerでは、この情報は「ログ・ファイルの詳細」ページに表示されます。

8.2.10 TopWaitEvents

監視可能なデータベース・プロパティTopWaitEventsは、指定したインスタンス内で待機時間が最長のイベントを5つ指定します。イベントとその待機時間はV$SYSTEM_EVENTから取得されます。構成内のインスタンスごとに、このプロパティがあります。これは、インスタンス固有の監視可能なプロパティです。この表には、次の順序で列が含まれています。

  • イベント

    システム待機イベント

  • 待機時間

    このイベントが待機されていた時間の合計(0.01秒単位)

SHOW INSTANCEコマンドの出力例を次に示します。

DGMGRL> SHOW INSTANCE north_sales1 'TopWaitEvents';
TOP SYSTEM WAIT EVENTS
               Event            Wait Time
   rdbms ipc message               671350
SQL*Net message from client         62390
          pmon timer                47897
  Queue Monitor Wait                43016
 wakeup time manager                38508

8.3 構成可能なデータベース・プロパティ

構成可能なデータベース・プロパティは、ブローカ構成内のデータベースの動作を制御します。これらのプロパティの値は、DGMGRLまたはEnterprise Managerを使用して表示し、動的に更新できます。ただし、一部のプロパティは、DGMGRLを使用しなければ更新できません。

ほとんどの場合、構成可能なデータベース・プロパティにはデータベース単位の有効範囲があります。つまり、プロパティに対して設定した値は、データベースの各インスタンスに均一に適用されます。ただし、一部の構成可能なデータベース・プロパティにはインスタンス固有の有効範囲が設定されています。これは、一部の特定のプロパティの値が、複数インスタンスのデータベース環境では、データベースのインスタンスごとに異なる可能性があることを意味します。表8-1に、構成可能な各データベース・プロパティと、その有効範囲がデータベース単位かインスタンス固有かを示します。有効範囲列の意味は、次のとおりです。

  • データベース: プロパティの値はインスタンスや構成に固有ではなくデータベース単位です。

  • インスタンス: プロパティの値はデータベースや構成に固有ではなくインスタンス単位です。

    アスタリスク(*)は、EDIT INSTANCE * ON DATABASEコマンドを使用して、Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスにプロパティ値を設定できることを示します。

  • 構成: プロパティの値はインスタンスやデータベースに固有ではなく構成単位です。

表8-1 構成プロパティ

構成可能なプロパティの名前 有効範囲 関連先

AlternateLocation


インスタンス

REDO転送サービス

ApplyInstanceTimeout


データベース

REDO ApplyおよびSQL Apply

ApplyLagThreshold


データベース

REDO転送サービス

ApplyParallel


データベース

REDO Apply

ArchiveLagTarget


データベース

REDO転送サービス

Binding


データベース

REDO転送サービス

DbFileNameConvert


データベース

REDO Apply

DelayMins


データベース

REDO ApplyおよびSQL Apply

DGConnectIdentifier


データベース

ブローカ通信、REDO転送サービス

FastStartFailoverTarget


データベース

ファスト・スタート・フェイルオーバー

LogArchiveFormat


インスタンス*

REDO転送サービス

LogArchiveMaxProcesses


データベース

REDO転送サービス

LogArchiveMinSucceedDest


データベース

REDO転送サービス

LogArchiveTrace


インスタンス*

診断

LogFileNameConvert


データベース

REDO Apply

LogShipping


データベース

REDO転送サービス

LogXptMode


データベース

REDO転送サービス

LsbyASkipCfgPr


データベース

SQL Apply

LsbyASkipErrorCfgPr


データベース

SQL Apply

LsbyASkipTxnCfgPr


データベース

SQL Apply

LsbyDSkipCfgPr


データベース

SQL Apply

LsbyDSkipErrorCfgPr


データベース

SQL Apply

LsbyDSkipTxnCfgPr


データベース

SQL Apply

LsbyMaxEventsRecorded


データベース

SQL Apply

LsbyMaxSga


インスタンス*

SQL Apply

LsbyMaxServers


インスタンス*

SQL Apply

LsbyPreserveCommitOrder


データベース

SQL Apply

LsbyRecordAppliedDdl


データベース

SQL Apply

LsbyRecordSkipDdl


データベース

SQL Apply

LsbyRecordSkipErrors


データベース

SQL Apply

MaxConnections


データベース

REDO転送サービス

MaxFailure


データベース

REDO転送サービス

NetTimeout


データベース

REDO転送サービス

ObserverConnectIdentifier


データベース

ファスト・スタート・フェイルオーバー

PreferredApplyInstance


データベース

REDO ApplyおよびSQL Apply

RedoCompression


データベース

REDO転送サービス

ReopenSecs


データベース

REDO転送サービス

SidName


インスタンス

インスタンス識別

StandbyArchiveLocation


インスタンス

REDO転送サービス

StandbyFileManagement


データベース

REDO ApplyおよびSQL Apply

StaticConnectIdentifier


インスタンス

インスタンス起動

TransportDisconnectedThreshold


データベース

REDO転送サービス

TransportLagThreshold


データベース

REDO転送サービス



参照:

データベース・プロパティの管理の詳細は、第4章を参照してください。


注意:

プライマリ・データベースとともにブローカ構成が作成され、スタンバイ・データベースが構成に追加されると、ブローカは、多数のプロパティを設定するために、データベースから既存の設定をインポートします。既存の設定のインポートに失敗したり、プロパティ値がインポートされなかった場合、ブローカは、ブローカ・デフォルト値を使用します。プロパティがインポートされたかどうか、およびデフォルト値を、各プロパティの説明で示します。

8.3.1 AlternateLocation

構成可能なデータベース・プロパティAlternateLocationは、StandbyArchiveLocationで指定された位置に格納できない場合に、アーカイブREDOログ・ファイルの格納先としてスタンバイ内の代替ディスク位置を指定します。このプロパティの有効範囲はインスタンス固有であるため、指定する位置はインスタンスからアクセスできる必要があります。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 スタンバイ・インスタンスがあるシステム上のディレクトリ指定
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ脚注1
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • スタンバイ・インスタンスの場合は構成可能なデータベース・プロパティStandbyArchiveLocationと一致するローカル格納先の代替格納先を表すLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのLOCATION属性
  • プライマリ・データベースの場合は、代替格納先を表すLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのTEMPLATE属性

有効範囲 インスタンス
Enterprise Manager名 スタンバイの代替場所

脚注1 このプロパティはスタンバイ・インスタンスに対して設定されますが、プライマリ・データベースのREDO転送サービスに間接的に関係します。ブローカはスタンバイ・インスタンスにはローカルの代替格納先、プライマリ・データベースにはリモートの代替格納先を設定します。


注意:

ロジカル・スタンバイ・データベースの場合は、ローカルの格納先を示すLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのLOCATION属性と構成可能なデータベース・プロパティAlternateLocationの値には別の値を設定することをお薦めします。

8.3.2 ApplyInstanceTimeout

構成可能なデータベース・プロパティApplyInstanceTimeoutは、現行の適用インスタンスの障害を検出してから適用インスタンスのフェイルオーバーを開始するまでの、ブローカの待機秒数を指定します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >=0(秒)
ブローカ・デフォルト 0(即時適用インスタンス・フェイルオーバーとなります)
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカルまたはロジカル
対応 該当なし
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

8.3.3 ApplyLagThreshold

構成可能なデータベース・プロパティApplyLagThresholdは、ロジカルまたはフィジカルのスタンバイでのデータベースの適用ラグがプロパティで指定された値を上回った場合の警告ステータスを生成します。プロパティ値を表す単位は秒です。値が0秒の場合、適用ラグが存在しても警告を生成しません。

ApplyLagThreshold構成プロパティはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降のデータベースでのみ使用可能です。

カテゴリ 説明
データ型 数値
有効値 >=0
ブローカ・デフォルト 0秒
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカル
対応 該当なし
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

8.3.4 ApplyParallel

構成可能なデータベース・プロパティApplyParallelは、REDO Applyがフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に複数のプロセスを使用する必要があるかどうかを指定します。REDO Applyが停止している場合は、プロパティを設定してもすぐには有効になりません。ただし、REDO Applyが再び実行中になったとき、このプロパティの値によって、REDO Applyのパラレル適用動作が決定します。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値
  • AUTO: REDO Applyに使用されるパラレル・プロセスの数は、システムのCPU数に基づいてOracleにより自動的に判断されます。
  • NO: パラレル適用を使用しません。

  • 23など: Redo Applyに使用されるパラレル・プロセスの数を手動で指定します。(0の指定はNOの指定と同じです。1の指定はAUTOの指定と同じです。)

ブローカ・デフォルト AUTO
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル
対応
  • AUTOALTER DATABASE RECOVER MANAGED STANDBY DATABASE文のPARALLEL句に対応
  • NOALTER DATABASE RECOVER MANAGED STANDBY DATABASE文のNOPARALLEL句に対応

  • 23などの数値は、ALTER DATABASE RECOVER MANAGED STANDBY DATABASE文のPARALLEL n句に対応

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

8.3.5 ArchiveLagTarget

構成可能なデータベース・プロパティArchiveLagTargetは、指定した期間(秒単位)が経過した後にログ・スイッチを強制して、失われる可能性のあるデータ量を制限し、スタンバイ・データベースの可用性を向上させます。つまり、スタンバイ・データベースでは、ARCHIVE_LAG_TARGET初期化パラメータに設定された値を超える期間に生成されたREDOレコードは失われなくなります。

カテゴリ 説明
データ型 数値
有効値 秒(0秒、または60から7200秒の数値)
ブローカ・デフォルト 0(無効)
インポート ARCHIVE_LAG_TARGET初期化パラメータからインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール プライマリ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 ARCHIVE_LAG_TARGET=seconds初期化パラメータ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 アーカイブ・タイムラグ・ターゲット

8.3.6 バインド

構成可能なデータベース・プロパティBindingは、スタンバイ接続先がMANDATORYであるかOPTIONALであるかを指定します。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値
  • MANDATORY

    MANDATORY値を使用すると、オンラインREDOログ・ファイルの再利用ポリシーを指定できます。必須接続先のアーカイブ操作に失敗すると、オンラインREDOログ・ファイルを上書きできません。

  • OPTIONAL

    OPTIONAL値を使用すると、オンラインREDOログ・ファイルの再利用ポリシーを指定できます。オプションの接続先のアーカイブ操作に失敗すると、オンラインREDOログ・ファイルが上書きされます。

ブローカ・デフォルト OPTIONAL
インポート プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのBINDING列からインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ脚注1
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのMANDATORYおよびOPTIONAL属性
  • プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのBINDING

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

脚注1 このプロパティはスタンバイ・データベースに対して設定されますが、プライマリ・データベースのREDO転送サービスに間接的に関係します。スタンバイ・データベースに指定した設定は、ブローカによりプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n値の対応する属性に伝播されます。

8.3.7 DbFileNameConvert

構成可能なデータベース・プロパティDbFileNameConvertは、プライマリ・データファイルのファイル名からフィジカル・スタンバイ・データファイルのファイル名を識別します。プライマリ・データベースにデータファイルを追加すると、このプロパティによりプライマリ・データベース上のデータファイル名がフィジカル・スタンバイ・データベース上のデータファイルに変換されます。

このプロパティは、次の場合に使用されます。

  • フィジカル・スタンバイのマウント時に、フィジカル・スタンバイ・システム上のデータファイルのパスがプライマリ・データベース・システムと異なる場合は、このプロパティを使用してプライマリ・データファイルのファイル名がスタンバイ・データファイルのファイル名に変更されます。

  • プライマリ・データベース上で新規データファイルが作成されるときに、構成可能なデータベース・プロパティStandbyFileManagementAUTOに設定されている場合は、対応する新規データファイルがフィジカル・スタンバイ・データベース上に作成されます。Oracleでは、DbFileNameConvertプロパティからのデータファイルのファイル・パス・マッピング情報を使用して、新規スタンバイ・データファイルのスタンバイ・ファイル・パスが判別されます。StandbyFileManagementプロパティが'MANUAL'に設定されている場合は、対応するファイルをフィジカル・スタンバイ・データベースに追加する必要があります。


注意:

データベースが構成に追加されると、ブローカはこのプロパティの初期値をDB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータのインメモリーの値に設定します。このパラメータのインメモリーの値とサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)の値は異なる可能性があります。パラメータのインメモリーの値を使用する場合は、データベースを有効化し、ブローカによりパラメータのSPFILEの値がインメモリーの値に設定されることが保証されるようにします。SPFILEの値を使用する場合は、プロパティの値をSPFILEに格納されているパラメータの値に設定します。その後でデータベースを有効化します。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 このパラメータの値は、次のように文字列ペアのリストに設定します。
  1. 最初の文字列は、プライマリ・データベース上のデータファイル名に含まれるサブストリングです。

  2. 2番目の文字列は、スタンバイ・データベース上のデータファイル名に含まれるサブストリングです。

たとえば、('string1', 'string2', 'string3', 'string4',...)とします。

各項目の意味は次のとおりです。

  • string1はプライマリ・データベース・ファイル名のサブストリング

  • string2はスタンバイ・データベース・ファイル名のサブストリング

  • string3はプライマリ・データベース・ファイル名のサブストリング

  • string4はスタンバイ・データベース・ファイル名のサブストリング

ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート DB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータからインポート
パラメータ・クラス 静的
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル
対応 DB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 DBファイル名の変換

8.3.8 DelayMins

構成可能なデータベース・プロパティDelayMinsは、ログ適用サービスで、スタンバイ・データベースでのアーカイブREDOログ・データの適用を遅延する時間(分)を指定します。DelayMinsプロパティがデフォルト値の0(分)に設定されている場合、ログ適用サービスは、REDOデータをできるかぎり速やかに適用します。

DelayMinsプロパティが0に設定されている場合は、ログ適用サービスを次の手順で開始します。

  • 次のSQL文を使用して、フィジカル・スタンバイ・データベース上でREDO Applyを開始します。

    ALTER DATABASE RECOVER MANAGED STANDBY DATABASE USING CURRENT LOGFILE;
    
  • 次のSQL文を使用して、ロジカル・スタンバイ・データベース上でSQL Applyを開始します。

    ALTER DATABASE START LOGICAL STANDBY APPLY IMMEDIATE;
    
カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >=0(分)
ブローカ・デフォルト 0
インポート プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのDELAY_MINS列からインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ脚注1
スタンバイ・タイプ フィジカルおよびロジカル
対応
  • プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのDELAY属性
  • プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのDELAY_MINS

  • REDO ApplyおよびSQL Applyの開始に使用するオプション

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 遅延の適用(分)

脚注1 このプロパティはスタンバイ・データベースに対して設定されますが、プライマリ・データベースのREDO転送サービスに間接的に関係します。スタンバイ・データベースに指定した設定は、ブローカによりプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n値の対応する属性に伝播されます。

8.3.9 DGConnectIdentifier

構成可能なデータベース・プロパティDGConnectIdentifierは、ブローカでデータベースへの接続の際に使用される接続識別子を指定します。DGMGRLを使用する場合は、CREATE CONFIGURATIONまたはADD DATABASEコマンドの入力時に値を指定します。Enterprise Managerを使用する場合、値は自動的に設定されます。データベースの接続識別子は、次の条件を満たす必要があります。

  • 構成内のその他すべてのデータベースからアクセスできます。

  • データベースは自分自身にアクセスできます。

  • Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスにアクセスできます。

  • Oracle RACデータベース上の接続時フェイルオーバーを可能にするため、すべてのインスタンスが動的にリスナーに登録するサービスを指定します。

  • プライマリ・データベースのREDO転送サービスによるOracle RACスタンバイ・データベースへのREDOデータの転送が、そのスタンバイ・データベースの受信インスタンスでエラーが発生した場合でも続行されるようにフェイルオーバー属性が設定されています。

このプロパティの値は、ブローカがプライマリ・データベース上でREDO転送サービスを構成する際にLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータのSERVICE属性で指定されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 このデータベースの接続に使用できる接続識別子
ブローカ・デフォルト 該当なし
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応 プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのSERVICE_NAME属性
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし


注意:

Oracle Databaseリリース11.1以前には、構成可能なデータベース・プロパティDGConnectIdentifierは、InitialConnectIdentifierプロパティと呼ばれていました。10g構成をこのリリースにアップグレードする場合、InitialConnectIdentifier値は、そのデータベースの新しいDGConnectIdentifier値として保持されます。

これがOracle RACデータベースの場合は、必ず、アップグレードする前に、InitialConnectIdentifierDGConnectIdentifierのために列記された基準に一致していることを確認してください。



参照:

『Oracle Database Net Services管理者ガイド』

8.3.10 FastStartFailoverTarget

FastStartFailoverTarget構成プロパティは、このデータベースがプライマリ・データベースの場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットになるデータベースのDB_UNIQUE_NAMEを指定します。このプロパティの設定方法の詳細は、5.5.2項の手順2を参照してください。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットとなるデータベースのDB_UNIQUE_NAME
ブローカ・デフォルト フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースが1つのみ存在している場合、ブローカはそのデータベースを、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されたときに、プライマリ・データベースのこのプロパティのデフォルト値として選択します。

複数のフィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースが存在する場合は、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する前に、このFastStartFailoverTargetの値を明示的に指定する必要があります。ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されると、指定されたターゲットが検証されます。

ターゲット・スタンバイ・データベース側では、ブローカは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されたときに自動的に、このプロパティの値として現在のプライマリ・データベースを選択します。

インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリまたはスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカルまたはロジカル
対応 該当なし
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 Enterprise Managerでは、Data Guardの概要ページに、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されているかどうかの情報とともに、現在のプライマリ・データベースの値が表示されます。

8.3.11 LogArchiveFormat

構成可能なインスタンス固有のプロパティLogArchiveFormatは、データベースID(%d)、スレッド(%t)、順序番号(%s)およびリセットログID(%r)を使用して、アーカイブREDOログ・ファイルのファイル名の書式を指定します。


注意:

データベースが構成に追加されると、ブローカはこのプロパティの初期値をLOG_ARCHIVE_FORMAT初期化パラメータのメモリー内の値に設定します。このパラメータのインメモリーの値とサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)の値は異なる可能性があります。パラメータのインメモリーの値を使用する場合は、データベースを有効化し、ブローカによりパラメータのSPFILEの値がインメモリーの値に設定されることが保証されるようにします。SPFILEの値を使用する場合は、プロパティの値をSPFILEに格納されているパラメータの値に設定します。その後でデータベースを有効化します。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 %d_%t_%s_%r
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_FORMAT初期化パラメータからインポート
パラメータ・クラス 静的
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応 LOG_ARCHIVE_FORMAT初期化パラメータ
有効範囲 インスタンス(Oracle RACデータベースでは、EDIT INSTANCE * ON DATABASEコマンドを使用して、すべてのインスタンスでこのプロパティに同じ値を指定することができます。)
Enterprise Manager名 該当なし

8.3.12 LogArchiveMaxProcesses

構成可能なデータベース・プロパティLogArchiveMaxProcessesは、Oracleデータベースが最初に起動するアーカイバ・プロセス数(ARCn)を指定します。使用されるアーカイバ・プロセスの実際の数は、アーカイブのワークロードに基づき後で増える場合があります。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 1から30
ブローカ・デフォルト 4
インポート LOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES初期化パラメータからインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応 LOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES初期化パラメータ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 アーカイバ・プロセス

8.3.13 LogArchiveMinSucceedDest

構成可能なデータベース・プロパティLogArchiveMinSucceedDestは、オンラインREDOログ・ファイルが再利用可能になる時期を制御します。オンラインREDOログ・ファイルが再利用可能になるには、最小数のアーカイブ先に対するアーカイブが正常終了する必要があります。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 1から10
ブローカ・デフォルト 1
インポート LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST初期化パラメータからインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール プライマリ
スタンバイ・タイプ 該当なし
対応 LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST初期化パラメータ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

8.3.14 LogArchiveTrace

構成可能なインスタンス固有のプロパティLogArchiveTraceを整数値に設定して、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースでのオンラインREDOログ・ファイルのアーカイブの進行状況を確認します。Oracleデータベースでは、プライマリ・データベースから受け取ったアーカイブREDOログ・ファイルの監査証跡がプロセス・トレース・ファイルに書き込まれます。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 有効値は、次の任意の値の組合せです。

0: アーカイブREDOログのトレースの無効化

1: オンラインREDOログ・ファイルのアーカイブの追跡

2: 各アーカイブREDOログ接続先のアーカイブ・ステータスの追跡

4: アーカイブ操作フェーズの追跡

8: ARCHIVELOG接続先のアクティビティの追跡

16: ARCHIVELOG接続先のアクティビティ詳細の追跡

32: ARCHIVELOG接続先のパラメータ変更の追跡

64: ARCnプロセスの状態アクティビティの追跡

128: FAL(フェッチ・アーカイブ・ログ)サーバー関連のアクティビティの追跡

256: RFSロジカル・クライアントの追跡

512: LGWR REDO送信ネットワーク・アクティビティの追跡

1024: RFSフィジカル・クライアントの追跡

2048: RFS/ARCnのpingハートビートの追跡

4096: リアルタイム適用活動の追跡

8192: REDO Applyの追跡(メディア・リカバリまたはフィジカル・スタンバイ)

ブローカ・デフォルト 255
インポート LOG_ARCHIVE_TRACE初期化パラメータからインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応 LOG_ARCHIVE_TRACE初期化パラメータ
有効範囲 インスタンス(Oracle RACデータベースでは、EDIT INSTANCE * ON DATABASEコマンドを使用して、すべてのインスタンスでこのプロパティに同じ値を指定することができます。)
Enterprise Manager名 ログ・アーカイブ・トレース

8.3.15 LogFileNameConvert

構成可能なデータベース・プロパティLogFileNameConvertは、プライマリ・データベースのオンラインREDOログ・ファイルのファイル名を、フィジカル・スタンバイ・データベースの対応するオンラインREDOログ・ファイルのファイル名に変換します。


注意:

データベースが構成に追加されると、ブローカはこのプロパティの初期値をLOG_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータのインメモリーの値に設定します。このパラメータのインメモリーの値とサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)の値は異なる可能性があります。パラメータのインメモリーの値を使用する場合は、データベースを有効化し、ブローカによりパラメータのSPFILEの値がインメモリーの値に設定されることが保証されるようにします。SPFILEの値を使用する場合は、プロパティの値をSPFILEに格納されているパラメータの値に設定します。その後でデータベースを有効化します。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 このパラメータの値を、偶数個の文字列ペアのカンマで区切ったリストに設定します。
  1. 最初の文字列は、プライマリ・データベース上のデータファイル名に含まれるサブストリングです。

  2. 2番目の文字列は、スタンバイ・データベース上のデータファイル名に含まれるサブストリングです。

たとえば、('string1', 'string2', 'string3', 'string4',...)とします。

各項目の意味は次のとおりです。

  • string1はプライマリ・データベース・ファイル名のサブストリング

  • string2はスタンバイ・データベース・ファイル名のサブストリング

  • string3はプライマリ・データベース・ファイル名のサブストリング

  • string4はスタンバイ・データベース・ファイル名のサブストリング

ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート される(LOG_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータからのインポート)
パラメータ・クラス 静的
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル
対応 LOG_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 ログ・ファイル名の変換

8.3.16 LogShipping

構成可能なデータベース・プロパティLogShippingは、REDO転送サービスで、特定のスタンバイ・データベースへのREDOデータの送信を可能にするかどうかを指定します。ブローカは、プライマリ・データベースがTRANSPORT-ON状態の場合にのみ、LogShippingプロパティの値を使用します。

  • プライマリ・データベースがTRANSPORT-OFF状態の場合は、LogShippingプロパティのON/OFFに関係なく、REDO転送サービスはすべてのスタンバイ・データベースに対して無効化されます。

  • プライマリ・データベースがTRANSPORT-ON状態で、LogShippingプロパティの値がONの場合は、REDO転送サービスによる特定スタンバイ・データベースへのREDOデータの送信が有効化されます。LogShippingプロパティがOFFの場合は、REDO転送サービスによる特定スタンバイ・データベースへのREDOデータの送信が無効化されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 ONまたはOFF
ブローカ・デフォルト ON
インポート 不要
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ脚注1
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応 プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_STATE_n初期化パラメータのENABLEおよびDEFER
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 ログ送信

脚注1 このプロパティはスタンバイ・データベースに対して設定されますが、プライマリ・データベースのREDO転送サービスに間接的に関係します。スタンバイ・データベースに指定した設定は、ブローカによりプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n値の対応する属性に伝播されます。

8.3.17 LogXptMode

構成可能なデータベース・プロパティLogXptModeでは、REDO転送サービスを設定できます。各スタンバイ・データベースのREDO転送サービスを次のいずれかのモードに設定します。

  • SYNC

    このスタンバイ・データベースに対するREDO転送サービスを、LOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのSYNCおよびAFFIRM属性を使用して構成します。スタンバイREDOログ・ファイルが必要です。データ保護モードが最大保護、最大可用性の場合はこのモードを設定する必要があります。このREDO転送サービスでは、プライマリ・データベースに対して最高レベルのデータ保護が可能ですが、パフォーマンスへの影響も最大になります。

  • ASYNC

    このスタンバイ・データベースに対するREDO転送サービスを、LOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのASYNCおよびNOAFFIRM属性を使用して構成します。スタンバイREDOログ・ファイルが必要です。このモードではプライマリ・データベースに対して適度なレベルのデータ保護が可能になり、SYNCに比べるとパフォーマンスへの影響も小さくなります。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 SYNCまたはASYNC
ブローカ・デフォルト ASYNC
インポート プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのARCHIVERTRANSMIT_MODEおよびAFFIRM列からインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ脚注1
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのSYNCASYNCAFFIRMおよびNOAFFIRM属性
  • プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのARCHIVERTRANSMIT_MODEおよびAFFIRM

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 REDOトランスポート・サービス

脚注1 このプロパティはスタンバイ・データベースに対して設定されますが、プライマリ・データベースのREDO転送サービスに間接的に関係します。スタンバイ・データベースに指定した設定は、ブローカによりプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n値の対応する属性に伝播されます。


参照:

REDO転送サービスのデータ保護モードの設定方法の詳細は、第4章を参照してください。

8.3.18 LsbyASkipCfgPr

構成可能なデータベース・プロパティLsbyASkipCfgPrは、適用サービスを制御して、ロジカル・スタンバイ・データベースに適用しないSQL文をスキップ(無視)するために、スキップ指定をSQL Applyに追加する方法を提供します。SKIP操作の内容は、次のとおりです。

  • スタンバイ・データベースに適用しないSQL文を識別する基準を設定します。

  • 必要な場合は、実行する追加の処理を指定します。

スタンバイ・データベースの管理が無効化されている場合は、このプロパティの値を指定しても効果はなく、無視されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 DBMS_LOGSTDBY.SKIPプロシージャの有効な引数のセット
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.SKIPプロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 スキップする表エントリの追加


参照:

Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス

8.3.19 LsbyASkipErrorCfgPr

構成可能なデータベース・プロパティLsbyASkipErrorCfgPrは、SQL Applyにスキップ・エラー指定を追加します。エラーが発生したときにSQL Applyを停止するかどうかを判断する基準を提供します。スキップ対象のすべてのエラーが、例外の処理方法を記述したシステム表に格納されます。

スタンバイ・データベースの管理が無効化されている場合は、このプロパティの値を指定しても効果はなく、無視されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 DBMS_LOGSTDBY.SKIP_ERRORプロシージャの有効な引数のセット。文字列は、引数の間をカンマで区切る必要があります。
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.SKIP_ERRORプロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 スキップする表エントリの追加


参照:

Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス

8.3.20 LsbyASkipTxnCfgPr

構成可能なデータベース・プロパティLsbyASkipTxnCfgPrは、SQL Applyがロジカル・スタンバイ・データベースへのトランザクションの適用を停止する原因となったトランザクションをスキップします。このプロパティでは、SQL Applyの処理対象から除外する、問題のあるトランザクションのトランザクションID(XIDSQN NUMBER)を指定できます。SQL Applyを再起動する前に、スキップされたトランザクションにかわってロジカル・スタンバイ・データベースを正常に更新するSQLトランザクションを発行する必要があります。補足的なトランザクションを適用すると、ロジカル・スタンバイ・データベースとプライマリ・データベースとのトランザクション的な一貫性を維持できます。

スタンバイ・データベースの管理が無効化されている場合は、このプロパティの値を指定しても効果はなく、無視されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 DBMS_LOGSTDBY.SKIP_TRANSACTIONプロシージャの有効な引数のセット。引数の間をカンマで区切ります。
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.SKIP_TRANSACTIONプロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 プロパティの編集のスキップ


注意:

Enterprise Managerでは、プロパティの編集のスキップ・ページを使用してトランザクションをスキップする操作が間接的にサポートされます。


参照:

Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス

8.3.21 LsbyDSkipCfgPr

構成可能なデータベース・プロパティLsbyDSkipCfgPrは、SQL Applyから既存のスキップ指定を削除します。レコードを検索してすべてのパラメータを照合し、システム表からレコードを削除して、LsbyASkipCfgPrプロパティの処理を元に戻すか削除します。照合は正確に行う必要があります。複数のスキップ処理は、一致するアンスキップ処理のみを削除できます。このプロパティの値にワイルドカード文字を使用して複数のスキップ処理を削除することはできません。

スタンバイ・データベースの管理が無効化されている場合は、このプロパティの値を指定しても効果はなく、無視されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 DBMS_LOGSTDBY.UNSKIPプロシージャの有効な引数のセット
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.UNSKIPプロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 スキップする表エントリの削除


参照:

Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス

8.3.22 LsbyDSkipErrorCfgPr

構成可能なデータベース・プロパティLsbyDSkipErrorCfgPrは、SQL Applyから既存のスキップ・エラー指定を削除します。レコードを検索してすべてのパラメータを照合し、システム表からレコードを削除して、LsbyASkipErrorCfgPrプロパティの処理を元に戻すか削除します。照合は正確に行う必要があります。複数のスキップ処理は、一致するアンスキップ処理のみを削除できます。このプロパティの値にワイルドカード文字を使用して複数のスキップ処理を削除することはできません。

スタンバイ・データベースの管理が無効化されている場合は、このプロパティの値を指定しても効果はなく、無視されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 DBMS_LOGSTDBY.UNSKIP_ERRORプロシージャの有効な引数のセット。文字列は、引数の間をカンマで区切る必要があります。
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.UNSKIP_ERRORプロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 スキップする表エントリの削除


参照:

Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス

8.3.23 LsbyDSkipTxnCfgPr

構成可能なデータベース・プロパティLsbyDSkipTxnCfgPrは、LsbyASkipTxnCfgPrプロパティの処理を元に戻すか削除します。トランザクションIDは正確に一致する必要があります。複数のスキップ・トランザクション処理は、一致するアンスキップ・トランザクションの処理のみを削除できます。このプロパティの値にワイルドカード文字を使用して複数のスキップ・トランザクション処理を削除することはできません。

スタンバイ・データベースの管理が無効化されている場合は、このプロパティの値を指定しても効果はなく、無視されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 DBMS_LOGSTDBY.UNSKIP_TRANSACTIONプロシージャの有効な引数のセット
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.UNSKIP_TRANSACTIONプロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし


参照:

Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス

8.3.24 LsbyMaxEventsRecorded

構成可能なデータベース・プロパティLsbyMaxEventsRecordedは、ロジカル・スタンバイのイベント情報が格納されているDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に格納するイベントの数を指定します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >=0
ブローカ・デフォルト 0
インポート SYSTEM.LOGSTDBY$PARAMETERSMAX_EVENTS_RECORDED行からインポート
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.APPLY_SET('MAX_EVENTS_RECORDED')およびDBMS_LOGSTDBY.APPLY_UNSET('MAX_EVENTS_RECORDED')プロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 最大記録済イベント数

8.3.25 LsbyMaxSga

構成可能なインスタンス固有のプロパティLsbyMaxSgaは、システム・グローバル領域(SGA)内でSQL Applyキャッシュ用に割り当てるMB数を指定します。値が0(ゼロ)の場合、SQL ApplyはSHARED_POOL_SIZE初期化パラメータに設定された値の4分の1を使用します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >=0
ブローカ・デフォルト 0
インポート SYSTEM.LOGSTDBY$PARAMETERSMAX_SGA行からインポート
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.APPLY_SET('MAX_SGA')およびDBMS_LOGSTDBY.APPLY_UNSET('MAX_SGA')プロシージャ
有効範囲 インスタンス(Oracle RACデータベースでは、EDIT INSTANCE * ON DATABASEコマンドを使用して、すべてのインスタンスでこのプロパティに同じ値を指定することができます。)
Enterprise Manager名 最大SGA(MB)

8.3.26 LsbyMaxServers

構成可能なインスタンス固有のプロパティLsbyMaxServersは、SQL Applyのために確保されたパラレル問合せサーバー数を指定します。値が0(ゼロ)の場合、SQL Applyは使用可能なすべてのパラレル問合せサーバーを使用して、ログ・ファイルを読み取り、変更を適用します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >=0
ブローカ・デフォルト 0
インポート SYSTEM.LOGSTDBY$PARAMETERSMAX_SERVERS行からインポート
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.APPLY_SET('MAX_SERVERS')およびDBMS_LOGSTDBY.APPLY_UNSET('MAX_SERVERS')プロシージャ
有効範囲 インスタンス(Oracle RACデータベースでは、EDIT INSTANCE * ON DATABASEコマンドを使用して、すべてのインスタンスでこのプロパティに同じ値を指定することができます。)
Enterprise Manager名 最大サーバー数

8.3.27 LsbyPreserveCommitOrder

構成可能なデータベース・プロパティLsbyPreserveCommitOrderは、プライマリ・データベースでコミットされた順序と同じ順序でトランザクションがロジカル・スタンバイ・データベースにコミットされるかどうかを制御します。次のいずれかの値を指定します。

  • TRUE: トランザクションは、プライマリ・データベースでコミットされた順序と同じ順序でロジカル・スタンバイ・データベースに適用されます。

  • FALSE: オーバーラップしていない行セットが含まれるトランザクションは、プライマリ・データベースでコミットされた順序とは異なる順序でコミットされる場合があります。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 TRUEまたはFALSE
ブローカ・デフォルト TRUE
インポート SYSTEM.LOGSTDBY$PARAMETERSPRESERVE_COMMIT_ORDER行からインポート
パラメータ・クラス 静的。SQL Applyには再起動が必要です。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.APPLY_SET('PRESERVE_COMMIT_ORDER')およびDBMS_LOGSTDBY.APPLY_UNSET('PRESERVE_COMMIT_ORDER')プロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 コミット順序を保持

8.3.28 LsbyRecordAppliedDdl

構成可能なデータベース・プロパティLsbyRecordAppliedDdlは、ロジカル・スタンバイ・データベースに適用されたSQL文をDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に記録するかどうかを制御します。次のいずれかの値を指定します。

  • TRUE: ロジカル・スタンバイ・データベースに適用されたDDL文はDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に記録されます。このモードがデフォルトの設定です。

  • FALSE: 適用したDDL文は記録されません。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 TRUEまたはFALSE
ブローカ・デフォルト TRUE
インポート SYSTEM.LOGSTDBY$PARAMETERSRECORD_APPLIED_DDL行からインポート
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.APPLY_SET('RECORD_APPLIED_DDL')およびDBMS_LOGSTDBY.APPLY_UNSET('RECORD_APPLIED_DDL')プロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 レコード適用DDL

8.3.29 LsbyRecordSkipDdl

構成可能なデータベース・プロパティLsbyRecordSkipDdlは、スキップしたDDL文をDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に記録するかどうかを制御します。次のいずれかの値を指定します。

  • TRUE: スキップしたDDL文がDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に記録されます。このモードがデフォルトの設定です。

  • FALSE: スキップしたDDL文はDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に記録されません。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 TRUEまたはFALSE
ブローカ・デフォルト TRUE
インポート SYSTEM.LOGSTDBY$PARAMETERSRECORD_SKIP_DDL行からインポート
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.APPLY_SET('RECORD_SKIP_DDL')およびDBMS_LOGSTDBY.APPLY_UNSET('RECORD_SKIP_DDL')プロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 レコード・スキップDDL

8.3.30 LsbyRecordSkipErrors

構成可能なデータベース・プロパティLsbyRecordSkipErrorsは、スキップしたエラー(DBMS_LOGSTDBY.SKIP_ERRORプロシージャを参照)をDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に記録するかどうかを制御します。次のいずれかの値を指定します。

  • TRUE: スキップしたエラーがDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に記録されます。

  • FALSE: スキップしたエラーはDBA_LOGSTDBY_EVENTS表に記録されません。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 TRUEまたはFALSE
ブローカ・デフォルト TRUE
インポート SYSTEM.LOGSTDBY$PARAMETERSRECORD_SKIP_ERRORS行からインポート
パラメータ・クラス 動的。SQL Applyには再起動は必要ではありません。
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ ロジカル
対応 DBMS_LOGSTDBY.APPLY_SET('RECORD_SKIP_ERRORS')およびDBMS_LOGSTDBY.APPLY_UNSET('RECORD_SKIP_ERRORS')プロシージャ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 レコード・スキップ・エラー

8.3.31 MaxConnections

構成可能なデータベース・プロパティMaxConnectionsは、プライマリ・データベースの単一のアーカイブREDOログからリモート・サイトのアーカイブREDOログにREDOデータを転送するために同時にいくつのARCnプロセスを使用するかを指定します。MaxConnectionsプロパティが1よりも大きい値に設定されている場合、REDO転送サービスでは、複数のARCnプロセスを使用してREDOデータをリモートの保存先のアーカイブREDOログ・ファイルに転送します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 1から20
ブローカ・デフォルト 1
インポート される(プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのMAX_CONNECTIONS列からインポート)
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • LOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES初期化パラメータ脚注1
  • プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのMAX_CONNECTIONS属性

  • プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのMAX_CONNECTIONS

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

脚注1 LOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES初期化パラメータは、インスタンスが実際に使用するARCnプロセスの数に影響します。

8.3.32 MaxFailure

構成可能なデータベース・プロパティMaxFailureは、連続してアーカイブに失敗する最大許容数を指定します。この回数を超えると、REDO転送サービスにより、スタンバイ・データベースへのアーカイブREDOログ・ファイルの転送が停止されます。値が0(ゼロ)の場合は、障害の発生が無制限に許容されることを示します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >=0
ブローカ・デフォルト 0
インポート プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのMAX_FAILURE列からインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ脚注1
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのMAX_FAILURE属性
  • プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのMAX_FAILURE

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

脚注1 このプロパティはスタンバイ・データベースに対して設定されますが、プライマリ・データベースのREDO転送サービスに間接的に関係します。スタンバイ・データベースに指定した設定は、ブローカによりプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n値の対応する属性に伝播されます。

8.3.33 NetTimeout

構成可能なデータベース・プロパティNetTimeoutは、Oracle Net ServicesがLGWR要求に応答するまでLGWRが待機する秒数を指定します。このプロパティを使用して、TCPでの長い接続タイムアウトが迂回されます。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 0、15から1200
ブローカ・デフォルト 30
インポート プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのNET_TIMEOUT列からインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのNET_TIMEOUT属性
  • プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのNET_TIMEOUT

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

8.3.34 ObserverConnectIdentifier

構成可能なデータベース・プロパティObserverConnectIdentifierは、このデータベースとの接続のためにオブザーバが使用できる接続識別子を指定します。ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合は、プライマリ・データベースまたはターゲット・スタンバイ・データベースにのみ関連があります。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 このデータベースの接続にオブザーバが使用できる接続識別子
ブローカ・デフォルト 空の文字列脚注1
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカルまたはロジカル
対応 該当なし
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 オブザーバの接続識別子

脚注1 空の文字列である場合(ユーザーが設定しなかった場合)、このデータベースのDGConnectIdentifierプロパティで指定された接続識別子がオブザーバによって使用されます。

8.3.35 PreferredApplyInstance

構成可能なデータベース・プロパティPreferredApplyInstanceは、特定のインスタンスがログ適用サービス提供に関して優先候補であることを示します。このプロパティを使用するのは、スタンバイOracle RACデータベースの場合のみです。空の文字列(デフォルト)を指定できます。この場合、ブローカでは適用インスタンスが選択されます。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 インスタンス名(SID)または空の文字列。特定のプラットフォームでは、SIDの大/小文字が区別される場合があることに注意してください。
ブローカ・デフォルト 空の文字列
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカルまたはロジカル
対応 該当なし
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 適用インスタンス


参照:

  • SIDの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle RAD環境での適用サービスの詳細は、4.5.7項を参照してください。


8.3.36 RedoCompression

構成可能なデータベース・プロパティRedoCompressionは、スタンバイ・データベースに転送されるREDOデータが圧縮形式か非圧縮形式かを指定します。


注意:

REDO転送圧縮は、Oracle Advanced Compressionオプションの機能です。REDO転送圧縮機能を使用する前にこのオプションのライセンスを購入する必要があります。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 DISABLEまたはENABLE
ブローカ・デフォルト DISABLE
インポート プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのCOMPRESSION列からインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ脚注1
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのCOMPRESSION属性
  • プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのCOMPRESSION

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

脚注1 このプロパティはスタンバイ・データベースに対して設定されますが、プライマリ・データベースのREDO転送サービスに間接的に関係します。スタンバイ・データベースに指定した設定は、ブローカによりプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n値の対応する属性に伝播されます。

8.3.37 ReopenSecs

構成可能なデータベース・プロパティReopenSecsは、アーカイバ・プロセス(ARCn、フォアグラウンドまたはログ・ライター・プロセス)が、以前失敗した宛先に再度アクセスしようとするまでの最小時間(秒)を指定します。

カテゴリ 説明
データ型 整数
有効値 >=0(秒)
ブローカ・デフォルト 300
インポート プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのREOPEN_SECS列からインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ脚注1
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのREOPEN属性
  • プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのREOPEN_SECS

有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

脚注1 このプロパティはスタンバイ・データベースに対して設定されますが、プライマリ・データベースのREDO転送サービスに間接的に関係します。スタンバイ・データベースに指定した設定は、ブローカによりプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n値の対応する属性に伝播されます。

8.3.38 SidName

構成可能なデータベース・プロパティSidNameは、インスタンスのOracleシステム識別子(SID)を指定します。このプロパティは、データベースのブローカ管理が無効化されている場合にのみ更新できます。このプロパティの値は、SIDを変更する場合にのみ更新してください。その場合は、データベースのブローカ管理を無効化し、SidNameプロパティを新しいSIDに合せて更新してから、ブローカ管理を再び有効化する必要があります。


注意:

名前がこのインスタンスのdb_unique_nameと一致し、SidNameプロパティの値がこのインスタンスの実際のSID値と一致するデータベース・オブジェクトの既存インスタンス・オブジェクトがブローカ構成にない場合は、このインスタンスのdb_unique_nameを持つデータベースの新しいインスタンス・オブジェクトがブローカによって作成されます。詳細は、1.3項「Data Guard Brokerの管理モデル」を参照してください。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 インスタンスのSID。特定のプラットフォームでは、SIDの大/小文字が区別される場合があることに注意してください。
ブローカ・デフォルト 該当なし
インポート はい
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応 V$INSTANCEビューのINSTANCE_NAME
有効範囲 インスタンス
Enterprise Manager名 該当なし


参照:

SIDの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

8.3.39 StandbyArchiveLocation

構成可能なデータベース・プロパティStandbyArchiveLocationは、プライマリ・データベースから受け取るアーカイブREDOログ・ファイルの場所を指定します。値は常に明示的に設定することをお薦めします。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 空ではないファイル。スタンバイ・データベース上にあるアーカイブREDOログ・ファイルの場所を指定。データベース・リカバリ領域が必要な場合はDB_RECOVERY_FILE_DESTを使用。
ブローカ・デフォルト dgsby_db_unique_name
インポート 接続先がローカルである、VALID_FOR属性に文字列(STANDBY_ROLE, STANDBY_LOGFILE)との互換性があるスタンバイ・データベースのV$ARCHIVE_DEST固定ビューのDESTINATION列からインポートし、この接続先が存在しない場合は、STANDBY_ARCHIVE_DEST初期化パラメータからインポートします。STANDBY_ARCHIVE_DESTパラメータは非推奨になっており、下位互換性のみがサポートされていることに注意してください。
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応
  • VALID_FOR(STANDBY_ROLE, STANDBY_LOGFILE)との互換性があるスタンバイ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのLOCATION属性
  • スタンバイ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのDESTINATION

有効範囲 インスタンス
Enterprise Manager名 スタンバイ・アーカイブの場所


注意:

データベース・リカバリ領域を使用する場合を除き、ロジカル・スタンバイ・データベースで、ローカルの格納先を示すLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータのLOCATION属性とStandbyArchiveLocationプロパティの値には別の値を設定することをお薦めします。

8.3.40 StandbyFileManagement

構成可能なデータベース・プロパティStandbyFileManagementは、プライマリ・データベース上でのデータファイル追加操作をスタンバイ・データベースに適用する方法に影響します。このプロパティをAUTOに設定し、構成可能なデータベース・プロパティDbFileNameConvertを有効な値に設定すると、対応する新規データファイルがスタンバイ・データベース上で自動的に作成されます。この新規スタンバイ・データファイルの位置は、DbFileNameConvertプロパティの値により決定されます。

このプロパティをMANUALに設定した場合は、スタンバイ・データベース上で適切な新規データファイルを手動で作成する必要があります。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 AUTOまたはMANUAL
ブローカ・デフォルト AUTO
インポート STANDBY_FILE_MANAGEMENT初期化パラメータからインポート
パラメータ・クラス 動的
ロール スタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応 STANDBY_FILE_MANAGEMENT初期化パラメータ
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

8.3.41 StaticConnectIdentifier

構成可能なインスタンス固有のプロパティStaticConnectIdentifierは、データベース・インスタンスの起動時にDGMGRLクライアントが使用する接続識別子を指定します。

カテゴリ 説明
データ型 文字列
有効値 静的に登録されているサービスを参照する接続識別子。
ブローカ・デフォルト 次の値の連結である接続識別子。脚注1
  • LOCAL_LISTENER初期化パラメータに指定されているリスナーのADDRESS属性の値

  • db_unique_name_DGMGRL.db_domainの連結した値に設定されるSERVICE_NAME属性の値

インポート LOCAL_LISTENERおよびDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータからインポート
パラメータ・クラス 該当なし
ロール プライマリおよびスタンバイ
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット
対応 該当なし
有効範囲 インスタンス
Enterprise Manager名 該当なし

脚注1SidNameプロパティで指定されたインスタンスが、以前開始されたホストとは異なるホスト(V$INSTANCEビューのHOST_NAME列から読み取られた)で開始される場合、ブローカはStaticConnectIdentifierプロパティのデフォルト値を、LOCAL_LISTENER初期化パラメータに指定したリスナーの現在のADDRESS属性に組み込むように自動的に更新します。


参照:

静的に登録されたサービスの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

8.3.42 TransportDisconnectedThreshold

構成可能なデータベース・プロパティTransportDisconnectedThresholdは、プライマリ・データベースからの最後の通信がプロパティによって指定された値を超過した場合に、ロジカル・スタンバイ、フィジカル・スタンバイまたはスナップショット・スタンバイについての警告ステータスを生成するために使用できます。プロパティ値を表す単位は秒です。値が0秒の場合、警告を生成しません。

TransportDisconnectedThreshold構成プロパティはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降のデータベースでのみ使用可能です。

カテゴリ 説明
データ型 数値
有効値 >=0
ブローカ・デフォルト 30秒
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール スタンバイ・データベース
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット・スタンバイ
対応 該当なし
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし

8.3.43 TransportLagThreshold

構成可能なデータベース・プロパティTransportLagThresholdは、データベースの転送ラグがプロパティで指定された値を上回った場合に、ロジカル、フィジカルまたはスナップショットのスタンバイについての警告ステータスを生成するために使用できます。プロパティ値を表す単位は秒です。値が0秒の場合、転送ラグが存在しても警告を生成しません。

TransportLagThreshold構成プロパティはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以降のデータベースでのみ使用可能です。

カテゴリ 説明
データ型 数値
有効値 >=0
ブローカ・デフォルト 0秒
インポート 不要
パラメータ・クラス 該当なし
ロール スタンバイ・データベース
スタンバイ・タイプ フィジカル、ロジカルまたはスナップショット・スタンバイ
対応 該当なし
有効範囲 データベース
Enterprise Manager名 該当なし