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Oracle® Data Guard Broker
11gリリース2 (11.2)
B56304-09
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7 Data Guardコマンドライン・インタフェース・リファレンス

Data Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)を使用すると、Data Guard Broker構成とそのデータベースを、コマンドラインから直接、あるいはバッチ・プログラムやスクリプトから管理できます。Data Guardコマンドライン・インタフェースは、Data Guard構成を管理するためのOracle Enterprise Managerの代替手段として使用できます。

この章では、Data Guardのコマンドライン・インタフェースの参照情報を示します。この章の内容は、次のとおりです。

7.1 Data Guardコマンドライン・インタフェースの起動

DGMGRLを実行するには、SYSDBA権限が必要です。

コマンドライン・インタフェースを起動するには、Oracleがインストールされているシステム上で、コマンドライン・プロンプトからdgmgrlと入力します。

% dgmgrl

DGMGRLコマンド・プロンプトが表示されます。

DGMGRL>

7.1.1 DGMGRLのオプション・パラメータ

コマンドラインからオプション・パラメータを入力して、Data Guardコマンドライン・インタフェースでのコマンド・プロンプト、バナーおよびメッセージなどの出力の表示方法を指定できます。

また、単一コマンド・モードも使用可能です。このモードのDGMGRLでは、1つのコマンドが実行され、そのコマンドの終了時にDGMGRLも終了します。終了コードとしてコマンドの結果が戻されます。終了コードが0であれば、コマンドは正常終了しています。それ以外の場合は、エラーがあります。

DGMGRLのコマンドラインは次のとおりです。

% dgmgrl [<options>] [<logon> [<command>] ]

DGMGRLコマンドライン・インタフェースの起動時に、次の任意のキーワードを指定します。

  • <options>には、次のいずれか1つを選択できます。

    • -echo

      コマンドの入力と出力をデフォルトの表示デバイスに表示します。このパラメータを使用しない場合、コマンドからの出力のみが表示されます。

    • -logfile <file-spec> "<dgmgrl-command>"

      DGMGRLコマンドライン・インタフェースの処理情報を取得するファイルを指定します。これは特に、ファスト・スタート・フェイルオーバーのオブザーバとして機能させるためにDGMGRLを起動する場合に役立ちます。詳細は、「START OBSERVER」コマンドを参照してください。

    • -silent

      DGMGRLのコマンド・プロンプト(DGMGRL>)をデフォルトの表示デバイスに表示しません。このオプションは、コマンド出力をファイルまたは他の表示ツールに送る場合に役立ちます。

  • <logon>は次のとおりです。

    • username [@connect-identifier]

      データベースに接続するには、usernameと、オプションでconnect-identifierを入力します。次に、パスワードの入力を求められます。connect-identifierは、完全指定の接続記述子またはOracleネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。


      警告:

      DGMGRLの起動時にコマンドラインでパスワードを指定することには、安全上のリスクがあります。このリスクは、DGMGRLの起動時はパスワードを省略し、後で求められたときに入力するか、外部の認証方式を使用することで回避できます。


    • オペレーティング・システム認証(リモート・データベースの再起動を除く)、Secure Sockets Layer(SSL)プロトコルまたはウォレットに格納されたデータベース資格証明を使用する場合は、'/'として接続できます。

  • <command>は1つのコマンドです。

    次に例を示します。

    % dgmgrl sys/ "show database 'North_Sales'"

    Password: パスワード

次の各項で、DGMGRL>コマンド・プロンプトから入力するコマンドの書式について説明します。

7.1.2 DGMGRLコマンドの書式とパラメータ

DGMGRLコマンドを使用すると、一度に1つのブローカ構成を作成およびメンテナンスできます。ブローカ構成は、1つのプライマリ・データベースと最大30個のスタンバイ・データベースで構成できます。

コマンドライン・インタフェースの起動後は、表7-1に示す任意のDGMGRLコマンドを入力できます。各コマンドとその関連パラメータの詳細は後述します。

表7-1 DGMGRLコマンドの要約

コマンド 効果

ADD DATABASE


既存のブローカ構成に新しいスタンバイ・データベースのプロファイルを追加します。

CONNECT


指定のユーザー名を使用して指定のデータベースに接続します。

CONVERT DATABASE


指定されたデータベースをスナップショット・スタンバイ・データベースまたはフィジカル・スタンバイ・データベースに変換します。

CREATE CONFIGURATION


ブローカ構成を作成し、プライマリ・データベースのプロファイルを構成に追加します。

DISABLE CONFIGURATION


構成とそのすべてのデータベースがブローカによる管理対象から外れるように、構成のブローカ管理を無効化します。

DISABLE DATABASE


指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を無効化します。

DISABLE FAST_START FAILOVER


ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION


ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の削除を可能にします。

EDIT CONFIGURATION(プロパティ)


ブローカ構成のプロパティ値を変更します。

EDIT CONFIGURATION(保護モード)


ブローカ構成の現在の保護モード設定を変更します。

EDIT DATABASE(プロパティ)


指定したデータベースのプロパティ値を変更します。

EDIT DATABASE(名前の変更)


ブローカにより指定したデータベースの参照に使用される名前を変更します。

EDIT DATABASE(状態)


指定したデータベースの状態を変更します。

EDIT INSTANCE (AUTO PFILE)


指定したインスタンスの初期化パラメータ・ファイル名を設定します。

EDIT INSTANCE(プロパティ)


指定したインスタンスのプロパティ値を変更します。

ENABLE CONFIGURATION


ブローカ構成とそのすべてのデータベースのブローカ管理を有効化します。

ENABLE DATABASE


指定したデータベースのブローカ管理を有効化します。

ENABLE FAST_START FAILOVER


ブローカによるプライマリ・データベースからターゲット・スタンバイ・データベースへの自動的なフェイルオーバーを可能にします。

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION


ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の追加を可能にします。

EXIT


Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

FAILOVER


データベース・フェイルオーバー操作を実行します。この操作では、現在DGMGRLが接続しているスタンバイ・データベースが、プライマリ・データベースのロールにフェイルオーバーされます。

HELP


Data Guardコマンドライン・インタフェースのオンライン・ヘルプを表示します。

QUIT

Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

REINSTATE DATABASE


フェイルオーバー後、データベースを回復します。

REMOVE CONFIGURATION


すべてのデータベース・プロファイルを含め、ブローカ構成をブローカ構成ファイルから削除します。

REMOVE DATABASE


指定したスタンバイ・データベース・プロファイルをブローカ構成から削除します。

REMOVE INSTANCE


インスタンスに関する情報を、ブローカ構成の既存のデータベース・プロファイルから削除します。

SHOW CONFIGURATION


ブローカ構成に関する情報を表示します。

SHOW DATABASE


指定したデータベースに関する情報を表示します。

SHOW FAST_START FAILOVER


すべてのファスト・スタート・フェイルオーバー関連情報を表示します。

SHOW INSTANCE


指定したインスタンスに関する情報を表示します。

SHUTDOWN


現在実行中のOracleデータベースを停止します。

START OBSERVER


オブザーバを開始します。

STARTUP


データベースのマウントやオープンなど、SQL*Plusと同じオプションを指定してOracleインスタンスを起動します。

STOP OBSERVER


オブザーバを停止します。

SWITCHOVER


スイッチオーバー操作を実行します。現行のプライマリ・データベースがスタンバイ・データベースになり、指定したスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースになります。


7.1.3 DGMGRLコマンドの使用上の注意

DGMGRLを使用するには、次の条件が満たされている必要があります。

  • DG_BROKER_START動的初期化パラメータをTRUEに設定します。

  • 手動操作なしでインスタンスを再起動する必要のあるブローカ操作を有効化するには、プライマリとスタンバイのデータベース・インスタンスを含む各ホスト上でOracle Net Servicesを構成する必要があります。特に、listener.oraファイルにインスタンスの静的構成情報が含まれていることが必要です。GLOBAL_DBNAME属性を、db_unique_name_DGMGRL.db_domainに設定する必要があります。詳細は、2.2項を参照してください。

  • 構成の作成時またはデータベースの追加時に使用する接続識別子は、構成内のすべてのホストから解決可能である必要があります。


    参照:

    Oracle Data Guard Brokerの準備および起動の詳細は、第6章を参照してください。スタンバイ・データベースでのネットワーク・ファイルとリスナーの設定の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Data Guardコマンドライン・インタフェースを使用するには、SYSDBA権限が必要です。SYSDBAはCONNECTコマンドのデフォルト設定であるため、このコマンドではAS SYSDBAを指定しないでください。

  • コマンドで複数のオプションを指定する場合、指定する順序は問われません。

  • 各DGMGRLコマンドの末尾にセミコロンを付ける必要があります。

  • DGMGRLコマンド文字列の値で指定する文字は、二重引用符(")または一重引用符(')で囲まれていない場合、小文字として解釈されます。たとえば、databaseとDatAbaSeは同じですが、"database"と"DatAbaSe"は異なります。

  • 一重引用符(')、二重引用符(")およびバックスラッシュ(\)が文字列に含まれている場合は、これらの文字のエスケープ文字としてバックスラッシュ(\)を使用できます。

  • ブローカ構成では、1つ以上のデータベースのシャットダウンと再起動が必要となる操作がいくつかあります。次の条件を満たす場合はほとんど、特定のデータベースのシャットダウンと再起動がDGMGRLによって自動的に行われます。

    • instance-nameがSID(これは、DGMGRLのみでなくEnterprise Managerにも適用されます)。

    • ブローカは、最後のCONNECTコマンドが別のデータベースへの接続に使用された場合でも、最後のCONNECTコマンドに指定された資格証明を使用してデータベースに接続できる必要があります。

コマンドの例

例1   

この例は、ローカル・システム上でDGMGRLコマンドライン・インタフェースに接続する方法を示しています。

% dgmgrl
.
.
.
Welcome to DGMGRL, type "help" for information.

DGMGRL> CONNECT sys;
Password: password
Connected.
例2   

この例は、リモート・システム上でData Guard(DGMGRL)コマンドライン・インタフェースに接続する方法を示しています。

DGMGRL> CONNECT sys@remote-stby;
Password: password
Connected.

7.2 Data Guardコマンドライン・インタフェースの終了

コマンドライン・インタフェースでの作業を完了し、オペレーティング・システムに戻るには、DGMGRLコマンド・プロンプトからEXITまたはQUITコマンドを入力します。次に例を示します。

DGMGRL> EXIT;

ADD DATABASE

新しいスタンバイ・データベースのプロファイルを作成して既存のブローカ構成に追加します。AS CONNECT IDENTIFIER句は、オプションです。この句を指定しなかった場合、ブローカはプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータを検索して、追加するデータベースに対応するエントリを探します。

MAINTAINED AS句を使用して、スタンバイ・データベースのタイプを指定できます。この句を指定しなければ、スタンバイ・データベースのタイプがフィジカル、ロジカルまたはスナップショットであるかをブローカが自動的に判別します。

書式

ADD DATABASE database-name

[AS CONNECT IDENTIFIER IS connect-identifier]

コマンド・パラメータ

database-name

ブローカでこのスタンバイ・データベースを参照するために使用される名前。この名前は、対応するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と一致する(大/小文字は区別されません)必要があります。

connect-identifier

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、データベース・プロパティDGConnectIdentifierの初期値としても使用されます。このオプションを指定しない場合、ブローカがプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータを検索して、対応するスタンバイ・データベースのエントリを探し、そのSERVICE値を接続識別子として使用します。

使用上の注意

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたは構成内にすでに存在する有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。

  • ブローカでは、指定したconnect-identifierが、他のデータベースから指定したデータベースへの通信に使用されます。したがって、構成内のすべてのデータベースから指定のデータベースへのアドレス指定に、connect-identifierを使用できることを確認する必要があります。たとえば、TNSをネーミング・メソッドとして使用する場合、構成内のすべてのデータベースとインスタンスのtnsnames.oraファイルにconnect-identifierのエントリが含まれることを確認する必要があります。接続識別子は同じ接続記述子に解決される必要があります。追加するデータベースがOracle RACデータベースである場合、Oracle RACのすべてのインスタンスにアクセスできる接続識別子を指定する必要があります。FAILOVER属性を設定することをお薦めします。


    参照:

    『Oracle Database Net Services管理者ガイド』

  • 接続できない場合、ブローカでは新しいデータベースが構成に追加されません。

  • MAINTAINED AS句は、このリリースで非推奨になりました。スタンバイ・データベースのタイプは、ブローカによって自動的に判別されます。

コマンドの例

例1   

次の例に、データベースSouth_Salesを追加する方法を示します。

DGMGRL> ADD DATABASE South_Sales AS CONNECT IDENTIFIER IS South_Sales.example.com;
Database "South_Sales" added

CONNECT

指定したデータベースに特定のユーザー名で接続します。

書式

CONNECT username [@connect-identifier];

コマンド・パラメータ

username

データベースへの接続に使用するユーザー名。ユーザー名と、オプションでconnect-identifierを入力すると、パスワードの入力を求められます。

connect-identifier

このパラメータはオプションです。このパラメータは、接続先データベースのOracle Net Services接続識別子です。正確な構文は、Oracleのインストールで使用されるOracle Net Services通信プロトコルによって異なります。

使用上の注意

  • 接続先データベースに有効なユーザー名とパスワードを指定する必要があります。指定するユーザー名には、SYSDBA権限が必要です。SYSDBAはCONNECTコマンドのデフォルト設定であるため、このコマンドでAS SYSDBAを指定する必要はありません。

  • CONNECTコマンドでエラーが戻される場合は、有効なconnect-identifierを指定したことを確認してください。

コマンドの例

例1   

この例では、ローカル・システム上のデフォルト・データベースに接続しています。

DGMGRL> CONNECT sys;
Password: password
Connected.
例2   

この例では、connect-identifierNorth_Sales.example.comのリモート・データベースに接続します。

DGMGRL> CONNECT sys@North_Sales.example.com;
Password: password
Connected.
例3   

この例では、コマンドラインで接続資格証明を表示できないように、CONNECT '/'を使用してデータベースに接続しています。

DGMGRL> CONNECT /@North_Sales.example.com;

CONNECT '/'を使用するには、OracleウォレットまたはSSLを設定する必要があります。OracleウォレットまたはSSLを設定することで、スクリプトでデータベース資格証明を指定せずに、オブザーバをバックグラウンド・ジョブとして安全に起動および実行するためのスクリプトを記述できます。


参照:

OracleウォレットおよびSSLの詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

CONVERT DATABASE

フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換するか、スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。

スナップショット・スタンバイ・データベースは完全に更新可能なスタンバイ・データベースです。フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースと同様に、スナップショット・スタンバイ・データベースは、プライマリ・データベースからREDOデータを受信し、アーカイブします。フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースとは異なり、スナップショット・スタンバイ・データベースは、受信したREDOデータを適用しません。スナップショット・スタンバイ・データベースが受信したREDOデータは、スナップショット・スタンバイが元のフィジカル・スタンバイ・データベースに変換され、スナップショット・スタンバイ・データベースに対するすべてのローカルな更新が破棄された後に適用されます。

スナップショット・スタンバイ・データベースの最適な使用例は、更新可能なフィジカル・スタンバイ・データベースのスナップショットが一時的に必要な場合です。スナップショット・スタンバイ・データベースでは、フィジカル・スタンバイに戻るまで受信したREDOデータが適用されないため、ロール遷移の実行に要する時間は、適用する必要があるREDOデータの量に正比例します。

スナップショット・スタンバイ・データベースの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

書式

CONVERT DATABASE db_unique_name TO {SNAPSHOT | PHYSICAL} STANDBY;

使用上の注意

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットである場合、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換できません。「ORA-16668: ファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットのスタンバイ・データベースでは操作を実行できません」というエラーが表示されます。

  • DGMGRL ADD DATABASEコマンドを使用して、既存のスナップショット・スタンバイ・データベースをData Guard Broker構成にインポートしてください。

  • スナップショット・スタンバイ・データベースを、スイッチオーバーまたはファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットにすることはできません。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが無効化されている場合、スナップショット・スタンバイ・データベースは、手動フェイルオーバーのターゲットにすることができます。

  • SHOW CONFIGURATIONまたはSHOW DATABASEコマンドを使用して、変換の結果を確認できます。次に例を示します。

    DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
     
    Configuration - DRSolution
     
      Protection Mode: MaxPerformance
      Databases:
        North_Sales  - Primary database
        South_Sales  - Snapshot standby database
     
    Fast-Start Failover: DISABLED
     
    Configuration Status:
    SUCCESS
    
  • スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻すと、フィジカル・スタンバイ・データベースのデフォルトのAPPLY-ONの状態になります。

コマンドの例

例1   

次のコマンドを発行して、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換します。

DGMGRL> CONVERT DATABASE 'South_Sales' to SNAPSHOT STANDBY;
Converting database "South_Sales" to a Snapshot Standby database, please wait...
Database "South_Sales" converted successfully
例2   

次のコマンドを発行して、スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。

DGMGRL> CONVERT DATABASE 'South_Sales' to PHYSICAL STANDBY;
Converting database "South_Sales" to a Physical Standby database, please wait...
Operation requires shutdown of instance "south_sales1" on database "South_Sales"
Shutting down instance "south_sales1"...
Database closed.
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "south_sales1" on database "South_Sales"
Starting instance "south_sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Continuing to convert database "South_Sales" ...
Operation requires shutdown of instance "south_sales1" on database "South_Sales"
Shutting down instance "south_sales1"...
ORA-01109: database not open
 
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "south_sales1" on database "South_Sales"
Starting instance "south_sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Database "South_Sales" converted successfully

CREATE CONFIGURATION

新しいブローカ構成を作成し、プライマリ・データベースのプロファイルを構成に追加します。

書式

CREATE CONFIGURATION configuration-name AS

PRIMARY DATABASE IS database-name

CONNECT IDENTIFIER IS connect-identifier;

コマンド・パラメータ

configuration-name

作成する構成のわかりやすい名前。有効な名前には英数字が含まれます。名前に空白を含める場合は、その名前を二重引用符または一重引用符で囲む必要があります。名前は30バイト以内で指定してください。

database-name

ブローカでプライマリ・データベースを参照するために使用される名前。この名前は、プライマリ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と一致する(大/小文字は区別されません)必要があります。

connect-identifier

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、データベース・プロパティDGConnectIdentifierの初期値としても使用されます。このオプションを指定しない場合、ブローカがプライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータを検索して、対応するスタンバイ・データベースのエントリを探し、そのSERVICE値を接続識別子として使用します。

使用上の注意

  • ブローカ構成は、グループとして管理する必要のある1つ以上のデータベースの名前付きコレクションです。各コマンド・パラメータの値を指定する必要があります。デフォルト値はありません。

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースに接続する必要があります。

  • ブローカでは、指定したconnect-identifierが、他のデータベースから指定したデータベースへの通信に使用されます。したがって、構成内のすべてのデータベースから指定のデータベースへのアドレス指定に、connect-identifierを使用できることを確認する必要があります。たとえば、TNSをネーミング・メソッドとして使用する場合、構成内のすべてのデータベースとインスタンスのtnsnames.oraファイルにconnect-identifierのエントリが含まれることを確認する必要があります。接続識別子は同じ接続記述子に解決される必要があります。追加するデータベースがOracle RACデータベースである場合、Oracle RACのすべてのインスタンスにアクセスできる接続識別子を指定する必要があります。FAILOVER属性を設定することをお薦めします。


    参照:

    『Oracle Database Net Services管理者ガイド』

  • ブローカ構成の作成後にスタンバイ・データベースを追加するには、ADD DATABASEコマンドを使用します。

コマンドの例

例1   

次の例では、プライマリ・データベースNorth_Salesを含む新しいブローカ構成DRSolutionを作成しています。

DGMGRL> CREATE CONFIGURATION 'DRSolution' AS
> PRIMARY DATABASE IS 'North_Sales'
> CONNECT IDENTIFIER IS North_Sales.example.com;
Configuration "DRSolution" created with primary database "North_Sales"

DISABLE CONFIGURATION

構成とそのすべてのデータベースがブローカによる管理対象から外れるように、構成のブローカ管理を無効化します。

書式

DISABLE CONFIGURATION

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • 無効化された構成およびそこに含まれるすべてのデータベースが、ブローカで管理されなくなります。

  • プライマリ・データベースのブローカ管理を無効にするには、DISABLE CONFIGURATIONコマンドを使用する必要があります。

  • このコマンドは、構成ファイルからブローカ構成を削除しません。構成を削除する方法の詳細は、REMOVE CONFIGURATIONコマンドを参照してください。

  • 構成が無効になっている間、データベース・プロパティを編集したり構成の保護モードを変更できます。ただし、プロパティや保護モードの変更結果は、構成が有効化されるまで有効になりません。

  • このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。

コマンドの例

例1   

次の例では、ブローカ構成およびそのすべてのデータベースの管理を無効化しています。

DGMGRL> DISABLE CONFIGURATION;
Disabled.

DISABLE DATABASE

指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を無効化します。つまり、ブローカではこのデータベースの状態を変更できなくなり、ブローカはデータベースの健全性ステータスや監視可能なデータベース・プロパティを監視しません。

書式

DISABLE DATABASE database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

無効化するスタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

  • プライマリ・データベース名は指定できません。

  • プライマリ・データベースとすべてのスタンバイ・データベースを無効化するには、DISABLE CONFIGURATIONコマンドを使用します。

  • スタンバイ・データベースを1つのみ無効化する場合、フェイルオーバー・オプションを使用できません。このスタンバイ・データベースは、再び有効化するまでは実行できなくなります。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されているとき、このコマンドを使用してファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・データベースを無効にすることはできません。

コマンドの例

例1   

次の例に、データベースSouth_Salesを無効化する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE DATABASE 'South_Sales';
Disabled.

DISABLE FAST_START FAILOVER

ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化し、オブザーバによりターゲット・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーが開始されないようにします。詳細は、5.5.5項「ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化」を参照してください。

書式

DISABLE FAST_START FAILOVER [ FORCE ];

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースにネットワーク接続がある場合、ブローカ構成内のすべてのデータベースでファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化するには、FORCEオプションを指定せずにDISABLE FAST_START FAILOVERを使用します。無効化操作中にエラーが発生した場合、ブローカによりエラー・メッセージが戻され、無効化操作が停止されます。エラー状態をオーバーライドし、接続先データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化するには、FORCEオプションを指定してDISABLE FAST_START FAILOVERコマンドを再発行する必要があります。詳細は、5.5.5項「ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化」を参照してください。

  • プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベース間のネットワークが切断されている場合、またはコマンドを受信するデータベースに、プライマリ・データベースとの接続がない場合には、FORCEオプションを指定してDISABLE FAST_START FAILOVERを使用します。FORCEオプションは、エラー発生時でも、接続先データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。

  • オブザーバおよびターゲットのスタンバイ・データベースから切断されたプライマリ・データベース上でFORCEオプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化しても、オブザーバによる、ターゲットのスタンバイ・データベースへのファスト・スタート・フェイルオーバーの開始を無効にはできません。

  • ブローカ構成のいずれかのデータベースに接続している場合、そのデータベースとプライマリ間が接続されていれば、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化できます。

  • ターゲットのスタンバイ・データベース上で強制オプション付きで無効化され、その後プライマリ・データベースとの接続が再開された場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーは、構成内のすべてのデータベースで無効化されています。

  • プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースがネットワークで接続されている場合、プライマリに接続しているときにFORCEオプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化すると、ターゲット・スタンバイ・データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーが無効になります。

コマンドの例

例1   

次の例に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER;
Disabled.

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION

ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の削除を可能にします。

書式

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION value;

コマンド・パラメータ

value

可能な値は、SHOW FAST_START FAILOVERコマンドで健全性条件またはOracleエラー番号として示される値です。

使用上の注意

条件が認識されないか設定されていないとエラーが発生します。

コマンドの例

例1   
DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION "Corrupted Controlfile";

破損した制御ファイルが検出されてもすぐに自動的にファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されないように指定します。

例2   
DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION 27102;

ORA-27102エラーによってすぐに自動的にファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されないように指定します。

EDIT CONFIGURATION(プロパティ)

ブローカ構成のプロパティ値を変更します。

書式

EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY property-name = value;

コマンド・パラメータ

property-name

構成プロパティの名前

value

新しいプロパティ値。


参照:

構成プロパティの詳細は、第4章および第8章を参照してください。

使用上の注意

  • プライマリ・データベースに、またはそのプライマリ・データベースと接続された構成内の任意のスタンバイ・データベースに接続されている場合に、このコマンドを発行します。

  • 構成の現在のプロパティ情報を表示するには、SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用します。

コマンドの例

例1   

次の例に、FastStartFailoverThreshold構成プロパティを90秒に設定する方法を示します。

DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY FastStartFailoverThreshold=90;

EDIT CONFIGURATION(保護モード)

ブローカ構成の現在の保護モード設定を編集します。

書式

EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE ASprotection-mode;

コマンド・パラメータ

protection-mode

構成が有効な場合に、その構成で実行するデータ保護モード。可能な保護モードは次のとおりです。


MAXPROTECTION
MAXAVAILABILITY
MAXPERFORMANCE

使用上の注意

  • EDIT CONFIGURATIONコマンドを使用して保護モードをMAXPROTECTIONモードまたはMAXAVAILABILITYモードに設定する前に、1つ以上のスタンバイ・データベースでデータベース・プロパティLogXptModeSYNCに設定されていることを確認してください。

  • 次の表は、構成の保護モードと、REDO転送サービスの対応する最低限の設定を示しています。

    保護モード REDO転送 スタンバイREDOログ・ファイルの要否 ファスト・スタート・フェイルオーバーとの併用
    MAXPROTECTION SYNC 必要 いいえ
    MAXAVAILABILITY SYNC 必要 はい
    MAXPERFORMANCE ASYNC 必要 はい

    構成のデフォルトの保護モードはMAXPERFORMANCEです。


    参照:

    保護モードとREDO転送サービスの詳細は、第4章を参照してください。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化するには、MAXAVAILABILITYまたはMAXPERFORMANCEが必要です。

  • このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。

  • 保護モードの変更後、必要な場合はブローカによりプライマリ・データベースが自動的に再起動されます。

  • SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用して構成の現在の保護モードを表示します。

    DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
     
    Configuration - DRSolution
     
      Protection Mode: MaxPerformance
      Databases:
        North_Sales  - Primary database
        South_Sales     - Physical standby database
     
    Fast-Start Failover: DISABLED
     
    Configuration Status:
    SUCCESS
    

EDIT CONFIGURATIONコマンドの入力時に構成のブローカ管理が無効になっている場合、構成の保護モードは、次回ENABLE CONFIGURATIONコマンドを使用して構成を有効化するまで有効にはなりません。

コマンドの例

例1   

次の例は、ブローカ構成をMAXAVAILABILITY保護モードにアップグレードする方法を示しています。

次のように、スタンバイ・データベースでスタンバイREDOログ・ファイルが構成されていること、REDO転送サービスがSYNCに設定されていることを確認します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' SET PROPERTY 'LogXptMode'='SYNC';
Property "LogXptMode" updated
 
DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE AS MAXAVAILABILITY;
Succeeded.

EDIT DATABASE(プロパティ)

指定したデータベースのプロパティ値を変更します。

書式

EDIT DATABASE database-name

SET PROPERTY property-name value;

コマンド・パラメータ

database-name

プロパティ値を変更するデータベースの名前。

property-name

データベース固有の既存のプロパティの名前。これがOracle RACデータベースの場合、このプロパティを変更するとデータベースのインスタンスすべてに影響します。


参照:

プロパティの情報については、第4章および第8章を参照してください。

value

新しいプロパティ値。


注意:

このコマンドを使用してインスタンス固有のプロパティの値を変更できるのは、指定したデータベースに関してブローカでインスタンスが1つしか認識されていない場合のみです。ブローカでデータベースのインスタンスが複数認識されている場合は、このコマンドを使用してインスタンス固有のプロパティを変更しようとしても拒否されます。インスタンス固有のプロパティの値の変更には、EDIT INSTANCE(プロパティ)のみを使用することをお薦めします。

コマンドの例

例1   

データベース・レベルの構成可能なデータベース固有のプロパティを編集します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_Sales' SET PROPERTY 'ArchiveLagTarget'=1200;
Property "ArchiveLagTarget" updated
例2   

非Oracle RACデータベースの構成可能なインスタンス固有のプロパティを編集します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' SET PROPERTY 
> 'StandbyArchiveLocation'='/archfs/arch/';
Property "StandbyArchiveLocation" updated
例3   

Oracle RACデータベースの構成可能なインスタンス固有のプロパティを編集します。プロパティの変更が適用されるインスタンスが明らかでないため、このコマンドは失敗します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_Sales' SET PROPERTY
> 'StandbyArchiveLocation'='/archfs/arch/';
Error: ORA-16587: ambiguous object specified to Data Guard broker

Failed.

EDIT DATABASE(名前の変更)

指定されたデータベースを参照するためにブローカが使用する、ブローカ構成内のそのデータベースのプロファイルに記録されている名前を変更します。

書式

EDIT DATABASE database-name

RENAME TO new-database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

変更するデータベース名。

new-database-name

新しいデータベース名。

使用上の注意

  • このコマンドを使用して、このデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの変更を追跡します。


    注意:

    database-nameは、そのデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と常に一致する必要があります。

  • このコマンドを実行できるのは、名前を変更するデータベースのブローカ管理が無効化されている場合のみです。

コマンドの例

例1   

次の例に、データベースを編集して名前を変更する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE DATABASE 'South_Sales_typo';
Disabled.

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales_typo' RENAME TO 'South_Sales';
Succeeded.

DGMGRL> ENABLE DATABASE 'South_Sales';
Enabled.

EDIT DATABASE(状態)

指定したデータベースの状態を変更します。

書式

EDIT DATABASE database-name

SET STATE = state

[WITH APPLY INSTANCE = instance-name];

コマンド・パラメータ

database-name

状態を変更するデータベースの名前。

state

データベースを実行する状態。可能な状態は次のとおりです。


TRANSPORT-ON(プライマリ・データベースのみ)
TRANSPORT-OFF(プライマリ・データベースのみ)
APPLY-ON(フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのみ)
APPLY-OFF(フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのみ)
instance-name

Oracle RACスタンバイ・データベースの場合に、適用インスタンスにするインスタンスの名前。

使用上の注意

  • ターゲットの状態がAPPLY-ONで、このデータベースが現在フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースである場合は、オプションのWITH APPLY INSTANCE句で適用インスタンスを指定します。

  • ターゲットの状態がAPPLY-ONではない場合、またはデータベースが現在プライマリ・ロールになっている場合は、WITH APPLY INSTANCE句を指定しても無視されます。

  • スナップショット・スタンバイ・データベースの状態は変更できません。

  • このデータベースの状態変更は、Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスに影響します。

コマンドの例

次の各例に、データベースの状態を変更する方法を示します。

例1   
DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' SET STATE='APPLY-ON';
Succeeded.

EDIT INSTANCE (AUTO PFILE)

指定したインスタンスの初期化パラメータ・ファイル名を設定します。

書式

EDIT DATABASE instance-name

[ON DATABASE database-name]

SET AUTO PFILE [= { initialization-file | OFF } ];

コマンド・パラメータ

instance-name

初期化パラメータ・ファイルを指定するインスタンスの名前(SID)。

database-name

instance-nameが関連付けられているデータベースの名前。

initialization-file

後続のブローカ操作でインスタンスを自動的に起動する必要がある場合は、そのインスタンスの起動操作を実行します。SET AUTO PFILEOFFに設定すると、そのインスタンスの自動再起動は無効化されます。そのインスタンスを後続の操作で起動する必要がある場合は、手動で起動する必要があります。インスタンスに対してSET AUTO PFILEを指定しない場合、自動起動操作では初期化パラメータ・ファイルがデフォルト位置で検索されます。

使用上の注意

  • instance-nameには、構成全体で一意の名前を指定できます。instance-nameが一意ではない場合、database-nameおよびinstance-nameの両方を指定してインスタンスを完全に識別する必要があります。

  • SET AUTO PFILEは、現行のDGMGRLセッションの存続期間中にのみ有効です。DGMGRLを終了して再起動した場合は、SET AUTO PFILEを再指定する必要があります。

コマンドの例

例1   

次の例に、データベースのインスタンスの起動に使用するパラメータ・ファイルを変更する方法を示します。

DGMGRL> EDIT INSTANCE 'south_sales1' ON DATABASE 'South_Sales' 
> SET AUTO PFILE='initsales1.ora';
Instance 'south_sales1' updated

EDIT INSTANCE(プロパティ)

指定したインスタンスのインスタンス固有のプロパティ値を変更します。

書式

EDIT INSTANCE { {instance-name [ON DATABASE database-name] } | {* ON DATABASE database-name} }

SET PROPERTY property-name = value;

コマンド・パラメータ

instance-name

インスタンス固有のプロパティ値を変更するインスタンスの名前(SID)。インスタンス名にアスタリスクが付いている場合、ON DATABASE句も指定し、この変更をそのデータベースに関連する各インスタンスの指定プロパティに適用する必要があります。EDIT INSTANCE * ON DATABASE database-nameコマンドを使用して変更可能なインスタンス固有のプロパティについては、第8章を参照してください。

database-name

instance-nameが関連付けられているデータベースの名前。instance-nameにアスタリスクが付けられている場合、または構成内でinstance-nameが一意でない場合は、このパラメータを指定する必要があります。

property-name

新しい値を設定するインスタンス固有のプロパティの名前。


参照:

プロパティの情報については、第4章および第8章を参照してください。

value

新しいプロパティ値。

使用上の注意

  • instance-nameには、構成全体で一意の名前を指定できます。instance-nameが一意ではない場合、database-nameおよびinstance-nameの両方を指定してインスタンスを完全に識別する必要があります。

  • このコマンドは、データベース固有のプロパティの変更には使用できません。

コマンドの例

例1   

インスタンス固有のプロパティを編集します。

DGMGRL> EDIT INSTANCE 'north_sales1' ON DATABASE 'North_Sales' 
> SET PROPERTY 'StandbyArchiveLocation'='/archfs/arch/';
Property "StandbyArchiveLocation" updated.
例2   

データベース固有のプロパティを編集します。この操作は許可されません。

DGMGRL> EDIT INSTANCE 'north_sales1' ON DATABASE 'North_Sales' 
> SET PROPERTY 'LogXptMode'='SYNC';
Error: ORA-16586: cannot change database property with EDIT INSTANCE command

Failed.
例3   

Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスのインスタンス固有のプロパティを変更します。

DGMGRL> EDIT INSTANCE * ON DATABASE 'North_Sales' LogArchiveTrace=4095;

ENABLE CONFIGURATION

すべてのデータベースを含むブローカ構成をブローカでアクティブに管理できるようにします。

書式

ENABLE CONFIGURATION

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • このコマンドを使用すると、プライマリ・データベースとすべてのスタンバイ・データベース(スタンバイ・データベースがユーザーによって明示的に無効化されていない場合)をブローカで管理できるようになります。

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースに接続する必要があります。

  • デフォルトでは、構成のデータベースのブローカ管理は、プライマリ・データベースではTRANSPORT-ON状態で有効化され、REDO転送サービスがオンになり、スタンバイ・データベースではAPPLY-ON状態で有効化され、ログ適用サービスが起動します。EDIT DATABASE(状態)コマンドを使用して任意のデータベースの状態を変更できますが、対象のデータベースまたは構成全体が無効になっている場合は変更できません。

  • 構成に関する情報を表示するには、SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用します。

コマンドの例

例1   

次の例では、ブローカ構成の管理を有効化しています。

DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION;
Enabled.

ENABLE DATABASE

指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を有効化します。


注意:

回復する必要があるスタンバイ・データベースでENABLE DATABASEコマンドを発行しないでください。詳細は、5.4.3項を参照してください。

書式

ENABLE DATABASE database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

ブローカ管理を有効化するスタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたはすでに有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。

  • 前のフェイルオーバー操作またはスイッチオーバー操作の結果、ブローカによりスタンバイ・データベースが無効化されている場合があります。データベースを回復または再作成する方法は、5.4.3項を参照してください。

  • デフォルトでは、フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのブローカ管理はAPPLY-ON状態で有効化され、ログ適用サービスが有効化されます。データベースが有効になっている場合にのみ、EDIT DATABASE(状態)コマンドを使用してスタンバイ・データベースの状態を変更できます。

  • 構成に関する情報を表示するには、SHOW DATABASEコマンドを使用します。

  • Oracle RACデータベースの場合は、インスタンスを1つ起動してマウントすれば、このコマンドが正常に実行されます。

コマンドの例

例1   

次の例に、データベースSouth_Salesを有効化する方法を示します。

DGMGRL> ENABLE DATABASE 'South_Sales';
Enabled.

ENABLE FAST_START FAILOVER

プライマリ・データベースが消失した場合、ブローカによる、具体的に選択されたスタンバイ・データベースへのフェイルオーバーが可能になり、フェイルオーバーを起動するために手動による手順を実行する必要がありません。詳細は、5.5.2項「ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化」を参照してください。

書式

ENABLE FAST_START FAILOVER;

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • このコマンドを発行してファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する前に、5.5.1項で説明する前提条件を満たす必要があります。

  • ENABLE FAST_START FAILOVERコマンドの発行により、フェイルオーバーが起動されることはありません。構成を監視しているオブザーバが、フェイルオーバーの条件が満たされた場合に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを開始できるようにするだけです。

  • ブローカ構成のデータベースに接続されている間は、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化できます。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化した後にオブザーバを開始しない場合、プライマリ・データベースとターゲットのスタンバイ・データベースにORA-16819の警告が表示されます。次に例を示します。

    DGMGRL> SHOW DATABASE 'South_Sales';
    Database - South_Sales
     
      Role:            PRIMARY
      Intended State:  TRANSPORT-ON
      Instance(s):
        south_sales1
     
      Database Warning(s):
        ORA-16819: fast-start failover observer not started
     
    Database Status:
    WARNING
    
  • 複数のスタンバイ・データベースを含むブローカ構成でファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する場合は、目的のターゲット・スタンバイ・データベースを指すようにFastStartFailoverTarget構成プロパティをプライマリ・データベース上で設定する必要があります。プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースの両方が次の条件を満たしている必要があります。

    • スタンバイREDOログが構成されていること

    • データベース・プロパティLogXptModeSYNCに設定され、保護モードがMAXAVAILABILITYに設定されているか、LogXptModeプロパティがASYNCに設定され、保護モードがMAXPERFORMANCEに設定されていること

    • プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの両方で「データベースをフラッシュバック」が有効化されていること

    FastStartFailoverTarget構成プロパティの詳細は、5.5.2項の手順2、および8.3.10項を参照してください。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化した後は、5.5.2.2項「ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合の制限事項」の説明にある制約に従う必要があります。

コマンドの例

例1   

次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化しています。

DGMGRL> ENABLE FAST_START FAILOVER;
Enabled.
例2   

次の例では、最大パフォーマンス・モードで動作している構成で、ファスト・スタート・フェイルオーバーが正常に有効化されました。

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;
 
Fast-Start Failover: ENABLED
 Threshold:           30 seconds
 Target:              South_Sales
 Observer:            (none)
 Lag Limit:           30 seconds
 Shutdown Primary:    TRUE
 Auto-reinstate:      TRUE
 
Configurable Failover Conditions
 Health Conditions:
   Corrupted Controlfile          YES
   Corrupted Dictionary           YES
   Inaccessible Logfile            NO
   Stuck Archiver                  NO
   Datafile Offline               YES
 
 Oracle Error Conditions:
   (none)

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION

ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行する追加条件を指定します。

書式

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION value;

コマンド・パラメータ

value

可能な値は、SHOW FAST_START FAILOVERコマンドで健全性条件またはOracleエラー番号として示される値です。

使用上の注意

  • 可能な値は、データベース健全性チェック機能によって保持されるセットまたはいずれかのORA-xxxxエラーに対応する番号です。

  • 健全性チェック機能によって保持される条件は将来変更される場合がありますが、いくつかの一般的な例が表7-2に示されています。

    表7-2 健全性条件の例

    健全性条件 説明

    データファイル・オフライン

    書込みエラーによってデータファイルがオフラインになりました。

    破損した制御ファイル

    制御ファイルが破損しました。

    破損したディクショナリ

    重要なデータベース・オブジェクトのディクショナリが破損しました。

    アクセス不可能なログ・ファイル

    I/Oエラーにより、LGWRがログ・グループのどのメンバーにも書き込むことができません。

    スタック・アーカイバ

    デバイスに空き容量がないかデバイスを使用できないためにアーカイバがREDOログをアーカイブできません。

    Oracleエラー番号(例: 27102)

    エラー番号が発生すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーが実行されます。


    デフォルトでは、「データファイル・オフライン」、「破損した制御ファイル」、「破損したディクショナリ」が有効になっています。

  • SHOW FAST_START FAILOVERコマンドでこれらの構成可能な条件を表示できます。

コマンドの例

例1   
ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION "Corrupted Controlfile";

破損した制御ファイルが検出された場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように指定します。

例2   
ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION 27102;

ORA-27102エラーが発生した場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように指定します。

EXIT

コマンドライン・インタフェースを終了します。

書式

EXIT;

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • このコマンドの効果は、QUITコマンドと同じです。

  • このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。ただし、接続されている場合は、このコマンドにより接続が解除されます。

コマンドの例

例1   

次の例に、コマンドライン・インタフェースを終了する方法を示します。

DGMGRL> EXIT;

FAILOVER

指定したターゲットのスタンバイ・データベースをプライマリ・データベースのロールに遷移するフェイルオーバーを開始します。このタイプのフェイルオーバーは、手動フェイルオーバーと呼びます。詳細は、5.4項「手動フェイルオーバー」を参照してください。


注意:

フェイルオーバーを実行すると、スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースのロールに遷移するため、フェイルオーバーは、プライマリ・データベースに障害が発生するか使用不可になり、適時にリカバリできない場合に実行してください。フェイルオーバーの結果、実行時に有効になっている保護モード、およびターゲット・スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同期化されていたかどうかによっては、データが消失する場合があります。

プライマリ・データベースに障害がなく、データの消失なしに現在のプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのロールを切り替えるには、SWITCHOVERコマンドを使用します。


書式

FAILOVER TO database-name

[ IMMEDIATE ];

コマンド・パラメータ

database-name

プライマリ・データベース・ロールへのフェイルオーバーの対象となるフィジカル、ロジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

  • ORA-752またはORA-600 [3020]エラーにより、フェイルオーバー・ターゲットでREDO Applyが停止されていないかぎり、常に完全フェイルオーバーを最初に実行するようにします。これらのエラーのいずれかが発生した場合は、先に進む前に、My Oracle Supportノート1265884.1 (http://support.oracle.com)のスタンバイ・リカバリ時のORA-752またはORA-600 [3020]の解決のガイドラインに従います。即時フェイルオーバーは、完全フェイルオーバーが失敗するか、前述のエラーの場合にのみ実行してください。

  • 指定したスタンバイ・データベースは、プライマリ・データベースに障害が発生する前に有効化されている必要があります。ただし、有効化されているスタンバイ・データベースが停止している場合は、フェイルオーバー操作の候補とみなすことができます。この場合は、DGMGRLのSTARTUPコマンドを使用してスタンバイ・データベースを再起動してからFAILOVERコマンドを発行します。

  • フェイルオーバーは、指定したスタンバイ・データベースに対して動作し、スタンバイ・データベースのロールがプライマリ・データベースのロールに変更されます。フェイルオーバーに関係しないその他のスタンバイ・データベースは、スタンバイ・ロールのままです。

  • FAILOVERコマンドを発行する前に、新しいプライマリ・データベースになるスタンバイ・データベースに接続していることを確認します。必要な場合は、CONNECTコマンドを発行してフェイルオーバーするスタンバイ・データベースに接続します。

  • オプションを指定せずにFAILOVERコマンドを発行すると、フェイルオーバー・ターゲットとして選択したスタンバイ・データベースにより、プライマリ・ロールへの変更前に受信した未適用のREDOがすべて適用されます。これを完全フェイルオーバーと呼びます。

  • ブローカ構成が最大保護モードで動作している場合、手動フェイルオーバー操作を実行すると、保護モードが強制的に最大パフォーマンスに設定されます。REDO転送サービスの設定は影響を受けません。フェイルオーバー操作後に、構成に必要な保護モードをリストアする必要があります。


    注意:

    ファスト・スタート・フェイルオーバーの場合は、ブローカにより、フェイルオーバー前に有効になっていた保護モードが維持されます。ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、ブローカ構成を最大保護モードにすることはできません。

  • IMMEDIATEオプションを指定してFAILOVERコマンドを発行すると、受け取った未適用のREDOの適用は試行されません。このオプションを指定すると、スタンバイ・データベースでスタンバイREDOログ・ファイルが構成されている場合でも、アプリケーション・データが消失する可能性があります。また、構成内の他のスタンバイ・データベースは、回復または再作成されるまで機能しません。詳細は、5.4.3項を参照してください。

  • 手動フェイルオーバーを実行するか、ブローカをファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように設定できます。フェイルオーバーの条件が満たされた場合に、ブローカにより自動的にフェイルオーバーを起動させる方法については、ENABLE FAST_START FAILOVERコマンドを参照してください。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は、完全手動フェイルオーバーを、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースに対してのみ、そのスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同期化されているかプライマリ・データベースのラグ制限内である場合にのみ、およびオブザーバーが開始されている場合にのみ実行できます。ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合に、即時手動フェイルオーバーは実行できません。

  • 障害が発生した元のプライマリ・データベース上で、フェイルオーバーの前に「データベースをフラッシュバック」が有効化されていた場合は、ブローカのREINSTATEコマンド(REINSTATE DATABASEコマンドを参照)を使用して、そのプライマリ・データベースを回復できます。

    フィジカル・スタンバイ・データベースに対してフェイルオーバーが実行された場合は、そのスタンバイ・データベースで「データベースをフラッシュバック」が有効化されていて、使用可能なフラッシュバック・ログ情報が不足なくある場合にのみ、そのフェイルオーバーにより無効化されたその他のフィジカル・スタンバイ・データベースも回復できます。手順については、5.4.3項「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。

  • 元のプライマリ・データベースは、回復または再作成後、スタンバイ・データベースとしてのみ構成に関係できます。


    注意:

    フェイルオーバー前にまだアクティブなインスタンスが実行されている場合は、元のプライマリ・データベースを停止してください。


    参照:

    プライマリ・データベースのスタンバイ・データベースとして機能するように、元のプライマリ・データベースを再有効化する方法については、5.4.3項を参照してください。

コマンドの例

例1   

次の例では、スタンバイ・データベースSouth_Salesがプライマリ・ロールに遷移するフェイルオーバーを実行しています。

DGMGRL> FAILOVER TO 'South_Sales';
Performing failover NOW, please wait...
Failover succeeded, new primary is "South_Sales"

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Configuration - DRSolution
 
  Protection Mode: MaxPerformance
  Databases:
    South_Sales - Primary database
    North_Sales - Physical standby database (disabled)
      ORA-16661: the standby database needs to be reinstated
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration Status:
WARNING

HELP

Data Guardコマンドライン・インタフェースのオンライン・ヘルプを表示します。

書式

HELP [topic];

コマンド・パラメータ

topic

ヘルプ情報を表示するトピック。トピックを指定しない場合、すべてのトピックおよび書式が表示されます。有効なトピックは、次のとおりです。


ADD
CONNECT
CONVERT
CREATE
DISABLE
EDIT
ENABLE
EXIT
FAILOVER
HELP
QUIT
REINSTATE
REM
REMOVE
SHOW
SHUTDOWN
START
STARTUP
STOP
SWITCHOVER

使用上の注意

  • このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。

コマンドの例

例1   

次の例では、EDITコマンドのヘルプを取得しています。

DGMGRL> HELP EDIT;
 
Edits a configuration, database, or instance
 
Syntax:
 
  EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE AS
    {MaxProtection|MaxAvailability|MaxPerformance};
 
  EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY <property name> = <value>;
 
  EDIT DATABASE <database name> SET PROPERTY <property name> = <value>;
 
  EDIT DATABASE <database name> RENAME TO <new database name>;
 
  EDIT DATABASE <database name> SET STATE = <state>
    [WITH APPLY INSTANCE = <instance name>];
 
  EDIT INSTANCE <instance name> [ON DATABASE <database name>]
    SET AUTO PFILE [ = {<initialization file path>|OFF} ];
 
  EDIT INSTANCE <instance name> [ON DATABASE <database name>]
    SET PROPERTY <property name> = <value>;
 
  EDIT INSTANCE * ON DATABASE <database name>
    SET PROPERTY <property name> = <value>;

QUIT

Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

書式

QUIT

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • このコマンドの効果は、EXITコマンドと同じです。

  • このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。ただし、接続されている場合は、このコマンドにより接続が解除されます。

コマンドの例

例1   

次の例に、コマンドライン・インタフェースを終了する方法を示します。

DGMGRL> QUIT;

REINSTATE DATABASE

ブローカ構成内で、データベースを現在のプライマリ・データベースの新規スタンバイ・データベースとして回復します。

書式

REINSTATE DATABASE database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

ブローカ構成内の回復するデータベースの名前

使用上の注意

  • 5.5.8項で説明する回復の条件が満たされていない場合、回復処理は失敗し、対応するエラー・ステータスが表示され、指定されたデータベースは無効なままになります。

  • database-nameに、元のプライマリの名前が指定され、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、元のプライマリ・データベースは、新規プライマリ・データベースのスタンバイとして回復し、ファスト・スタート・フェイルオーバー環境は、新規スタンバイ・データベースの可用性を反映して更新されます。新規スタンバイ・データベースは、新規プライマリ・データベースに障害が発生した場合、新規プライマリ・データベースからREDOデータを受け取り、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットとなります。FastStartFailoverAutoReinstate構成プロパティがFALSEに設定されている場合を除き、オブザーバが実行中であれば自動的に回復が実行されます。

  • このコマンドでは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている必要はありません。このコマンドは、完全手動フェイルオーバーが実行された後、元のプライマリ・データベースを回復する場合に使用できます。完全または即時フェイルオーバー後に無効化されたその他のスタンバイ・データベースを回復するために使用することもできます。

  • このコマンドは、ブローカ構成内で回復させるデータベース以外のデータベースに接続されている場合に発行します。

コマンドの例

例1   

次の例に、South_Salesデータベースを、ブローカ構成のスタンバイ・データベースとして回復させる方法を示します。

DGMGRL> REINSTATE DATABASE 'North_Sales';
Reinstating database "North_Sales", please wait...
Operation requires shutdown of instance "north_sales1" on database "North_Sales"
Shutting down instance "north_sales1"...
ORA-01109: database not open
 
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "north_sales1" on database "North_Sales"
Starting instance "north_sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Continuing to reinstate database "North_Sales" ...
Reinstatement of database "North_Sales" succeeded

REMOVE CONFIGURATION

Data Guardブローカ構成ファイルから、すべてのデータベース・プロファイルを含む全ブローカ構成情報を削除し、ブローカ構成に関連付けられているすべてのデータベースのブローカ管理を終了します。


注意:

REMOVE CONFIGURATIONコマンドを使用すると、Data Guardブローカ構成ファイルからすべてのプロファイル情報が削除され、リカバリできません。

書式

REMOVE CONFIGURATION [ PRESERVE DESTINATIONS ];

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • ブローカ構成を削除すると、その構成に関連付けられているすべてのデータベース管理が無効化されます。

  • デフォルトでは、このコマンドを実行すると、プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータと構成内の全データベースのLOG_ARCHIVE_CONFIG初期化パラメータから、対応するブローカ設定が削除されます。これらの設定を保持するには、PRESERVE DESTINATIONSオプションを使用します。

  • このコマンドでは、基礎となるData Guard構成の実際のプライマリまたはスタンバイ・データベース・インスタンス、データベース、データファイル、制御ファイル、初期化パラメータ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルまたはログ・ファイルは削除されず、影響を受けません。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合は、その構成を削除できません。

コマンドの例

次の例では、REMOVE CONFIGURATIONコマンドの成功例と失敗例を示します。

例1   REMOVE CONFIGURATIONコマンドの成功例

次のコマンドは、構成ファイルから構成情報を削除する方法を示します。

DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION;
Removed configuration
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Error: ORA-16532: Data Guard broker configuration does not exist
 
Configuration details cannot be determined by DGMGRL
例2   REMOVE CONFIGURATIONコマンドの失敗例

次のコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっているために失敗しています。

DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION;
Error: ORA-16654: fast-start failover is enabled
 
Failed.

 
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 
Configuration - The SUPER cluster
 
  Protection Mode: MaxAvailability
  Databases:
    North_Sales  - Primary database
    South_Sales  - (*) Physical standby database
 
Fast-Start Failover: ENABLED
 
Configuration status:
SUCCESS

REMOVE DATABASE

指定したスタンバイ・データベースのプロファイルをブローカ構成から削除し、スタンバイ・データベースのブローカ管理を終了します。


注意:

REMOVE DATABASEコマンドを使用すると、ブローカ構成ファイルからデータベースのプロファイル情報が削除され、リカバリできません。

書式

REMOVE DATABASE database-name [ PRESERVE DESTINATIONS ];

コマンド・パラメータ

database-name

ブローカ構成からプロファイルを削除するスタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

  • ブローカ構成に含まれるプライマリ・データベースの名前を指定すると、エラーが戻されます。

  • デフォルトでは、このコマンドを実行すると、プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータと構成内の全データベースのLOG_ARCHIVE_CONFIG初期化パラメータから、対応するブローカ設定が削除されます。これらの設定を保持するには、PRESERVE DESTINATIONSオプションを使用します。

  • このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。また、database-nameには、ターゲットのスタンバイ・データベースの名前を指定します。

コマンドの例

例1   

次の例に、Data Guard Broker構成からデータベースを削除する方法を示します。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 
Configuration - The SUPER cluster
 
  Protection Mode: MaxPerformance
  Databases:
    North_Sales  - Primary database
    South_Sales  - Physical standby database
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration status:
SUCCESS
 
DGMGRL> REMOVE DATABASE 'South_Sales';
Removed database "South_Sales" from the configuration.
 
 
Configuration - The SUPER cluster
 
  Protection Mode: MaxPerformance
  Databases:
    North_Sales  - Primary database
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration status:
SUCCESS

REMOVE INSTANCE

ブローカ構成の既存のデータベース・プロファイルからインスタンスを削除します。

書式

REMOVE INSTANCE instance-name

[ON DATABASE database-name];

コマンド・パラメータ

instance-name

ブローカ構成から削除するインスタンスの名前(SID)。

database-name

instance-nameが関連付けられているデータベースの名前。

使用上の注意

  • Oracle RACデータベースの場合は、ブローカにより自動的に、対応するデータベース・プロファイルに起動済インスタンスが追加されます。ただし、データベース・プロファイルからはインスタンスを自動的に削除できません。REMOVE INSTANCEコマンドを使用すると、存在しなくなったインスタンスをデータベース・プロファイルから手動で削除できます。

  • instance-nameには、構成全体で一意の名前を指定できます。instance-nameが一意ではない場合、database-nameおよびinstance-nameの両方を指定してインスタンスを完全に識別する必要があります。

  • ブローカ構成内で現在アクティブなインスタンスの場合は、このコマンドが拒否されます。

  • 現在そのインスタンスのみがデータベース・プロファイルに関連付けられている場合、このコマンドは拒否されます。

コマンドの例

例1   

次の例に、データベースのインスタンスを削除する方法を示します。

DGMGRL> REMOVE INSTANCE 'south_sales3' ON DATABASE 'South_Sales';
Removed instance "south_sales3" from the database "South_Sales"

SHOW CONFIGURATION

ブローカ構成のサマリーおよびステータスを表示します。サマリーには、ブローカ構成に含まれるすべてのデータベースと、ファスト・スタート・フェイルオーバーのステータスなど、ブローカ構成自体に関するその他の情報が表示されます。

書式

SHOW CONFIGURATION [VERBOSE | property-name];

コマンド・パラメータ

property-name

サマリー情報を表示するプロパティの名前。

プロパティの詳細は、第8章「Data Guard Brokerプロパティ」を参照してください。

使用上の注意

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーに関連するプロパティを表示するには、SHOW CONFIGURATION VERBOSEコマンド(またはSHOW FAST_START FAILOVERコマンド)を使用します。

  • VERBOSEまたはproperty-nameのどちらかをオプションで指定できますが、両方指定することはできません。

コマンドの例

例1   DRSolution構成のサマリーの表示

次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーが無効化されているDRSolution構成のサマリーを表示しています。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 
Configuration - The SUPER cluster
 
  Protection Mode: MaxPerformance
  Databases:
    North_Sales  - Primary database
    South_Sales  - Physical standby database
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration status:
SUCCESS
例2   DRSolution構成の詳細な説明の表示

次の例では、DRSolution構成の詳細な情報を、構成プロパティ、ファスト・スタート・フェイルオーバー関連の情報を含めて表示しています。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION VERBOSE;
 
Configuration - DRSolution
 
  Protection Mode: MaxAvailability
  Databases:
    North_Sales  - Primary database
    South_Sales  - (*) Physical standby database
 
  (*) Fast-Start Failover target
 
  Properties:
    FastStartFailoverThreshold      = '60'
    OperationTimeout                = '30'
    FastStartFailoverLagLimit       = '30'
    CommunicationTimeout            = '180'
    FastStartFailoverAutoReinstate  = 'TRUE'
    FastStartFailoverPmyShutdown    = 'TRUE'
    BystandersFollowRoleChange      = 'ALL'
 
Fast-Start Failover: ENABLED
 
  Threshold:        180 seconds
  Target:           South_Sales
  Observer:         observer.example.com
  Lag Limit:        30 seconds (not in use)
  Shutdown Primary: TRUE
  Auto-reinstate:   TRUE
 
Configuration Status:
SUCCESS

SHOW DATABASE

指定したデータベースとそのインスタンスに関する情報またはプロパティ値を表示します。

書式

SHOW DATABASE [VERBOSE] database-name [property-name];

コマンド・パラメータ

database-name

情報を表示するデータベースの名前。VERBOSEキーワードを使用する場合は、database-nameの前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。

property-name

値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、VERBOSEキーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には指定したプロパティのみ(データベースのすべてのプロパティではなく)が表示されます。


参照:

プロパティの情報については、第4章および第8章を参照してください。

使用上の注意

  • SHOW DATABASEコマンドを使用すると、データベースの簡潔なサマリーが表示されます。SHOW DATABASE VERBOSEコマンドを使用すると、簡潔なサマリーに加えてデータベースのプロパティが表示されます。データベースのステータスは、どちらのコマンドでも表示されます。

  • SHOW DATABASE VERBOSEコマンドを使用すると、データベース固有のプロパティとインスタンス固有のプロパティが表示されます。非Oracle RACデータベースの場合、インスタンス固有のプロパティの値は、データベースの唯一のインスタンスの値です。Oracle RACデータベースの場合、プロパティ名は表示されますが、インスタンス固有のプロパティの値は表示されません。これらのプロパティについてインスタンス固有の値を表示するには、SHOW INSTANCEコマンドを使用します。

  • SHOW DATABASE VERBOSEコマンドで表示されるプロパティは、データベース・ロールと構成の内容によって異なります。

    • プライマリ・データベースの場合は、構成に少なくとも1つのフィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ、フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベース固有のプロパティが表示されます。ロジカル・スタンバイ・データベース固有のプロパティは、構成に少なくとも1つロジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ表示されます。

    • フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースの場合、ロジカル・スタンバイ・データベース固有のプロパティは表示されません。

    • ロジカル・スタンバイ・データベースの場合、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベース固有のプロパティは表示されません。

  • Oracle RACデータベースのインスタンス固有のプロパティを表示するためにSHOW DATABASE database-name property-nameコマンドを使用すると、このコマンドは拒否されます。

コマンドの例

例1   

データベース情報を簡略形式で表示します。

DGMGRL> SHOW DATABASE 'South_Sales';
 
Database - South_Sales
 
  Role:            PHYSICAL STANDBY
  Intended State:  APPLY-ON
  Transport Lag:   0 seconds
  Apply Lag:       0 seconds
  Real Time Query: OFF
  Instance(s):
    south_sales1
 
Database Status:
SUCCESS
例2   

データベース情報を拡張形式で表示します。

DGMGRL> SHOW DATABASE VERBOSE 'South_Sales';
 
Database - South_Sales
 
  Role:            PHYSICAL STANDBY
  Intended State:  OFFLINE
  Transport Lag:   0
  Apply Lag:       0
  Real Time Query: OFF
  Instance(s):
    south_sales1
 
  Properties:
    DGConnectIdentifier             = 'South_Sales.example.com'
    ObserverConnectIdentifier       = ''
    LogXptMode                      = 'SYNC'
    DelayMins                       = '0'
    Binding                         = 'optional'
    MaxFailure                      = '0'
    MaxConnections                  = '1'
    ReopenSecs                      = '300'
    NetTimeout                      = '30'
    RedoCompression                 = 'DISABLE'
    LogShipping                     = 'ON'
    PreferredApplyInstance          = ''
    ApplyInstanceTimeout            = '0'
    ApplyParallel                   = 'AUTO'
    StandbyFileManagement           = 'AUTO'
    ArchiveLagTarget                = '0'
    LogArchiveMaxProcesses          = '5'
    LogArchiveMinSucceedDest        = '1'
    DbFileNameConvert               = 'dbs/t, dbs/bt'
    LogFileNameConvert              = 'dbs/t, dbs/bt'
    FastStartFailoverTarget         = 'North_Sales'
    InconsistentProperties          = '(monitor)'
    InconsistentLogXptProps         = '(monitor)'
    SendQEntries                    = '(monitor)'
    LogXptStatus                    = '(monitor)'
    RecvQEntries                    = '(monitor)'
    SidName                         = 'south_sales1'
    StaticConnectIdentifier         = '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)
(HOST=south_sales1.example.com)(PORT=2840))
(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=South_Sales_DGMGRL.example.com)
(INSTANCE_NAME=south_sales1)(SERVER=DEDICATED)))'
    StandbyArchiveLocation          = 'USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST'
    AlternateLocation               = ''
    LogArchiveTrace                 = '255'
    LogArchiveFormat                = 'db2r_%d_%t_%s_%R.arc'
    LatestLog                       = '(monitor)'
    TopWaitEvents                   = '(monitor)'
 
Database Status:
SUCCESS

SHOW FAST_START FAILOVER

すべてのファスト・スタート・フェイルオーバー関連情報を表示します。

書式

SHOW FAST_START FAILOVER;

COMMAND PARAMETERS

なし。

使用上の注意

SHOW FAST_START FAILOVERコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成のサマリーを表示します。

コマンドの例

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 Threshold:           30 seconds
 Target:              (none)
 Observer:            (none)
 Lag Limit:           30 seconds
 Shutdown Primary:    TRUE
 Auto-reinstate:      TRUE
 
Configurable Failover Conditions
 Health Conditions:
   Corrupted Controlfile          YES
   Corrupted Dictionary           YES
   Inaccessible Logfile            NO
   Stuck Archiver                  NO
   Datafile Offline               YES
 
 Oracle Error Conditions:
   ORA-27102: out of memory

SHOW INSTANCE

指定したインスタンスの情報またはプロパティ値を表示します。

書式

SHOW INSTANCE [VERBOSE] instance-name [property-name] [ON DATABASE database-name];

コマンド・パラメータ

instance-name

情報を表示するインスタンスの名前。VERBOSEキーワードを使用する場合は、インスタンス名の前に指定する必要があります。

property-name

値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、VERBOSEキーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には指定したプロパティのみ(すべてのプロパティではなく)が表示されます。


参照:

プロパティの情報については、第4章および第8章を参照してください。

database-name

情報を表示するインスタンスに関連付けられているデータベースの名前。

使用上の注意

  • SHOW INSTANCEコマンドを使用すると、インスタンスの簡潔なサマリーが表示されます。SHOW INSTANCE VERBOSEコマンドを使用すると、簡潔なサマリーに加えてインスタンスのプロパティが表示されます。インスタンスのステータスは、どちらのコマンドでも表示されます。

  • SHOW INSTANCE VERBOSEコマンドでは、インスタンス固有のプロパティのみが表示されます。

  • SHOW INSTANCE VERBOSEコマンドで表示されるプロパティは、データベース・ロールと構成の内容によって異なります。

    • プライマリ・データベースのインスタンスの場合は、構成に少なくとも1つのフィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ、フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティが表示されます。ロジカル・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは、構成に少なくとも1つロジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ表示されます。

    • フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースのインスタンスの場合、ロジカル・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは表示されません。

    • ロジカル・スタンバイ・データベースのインスタンスの場合、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは表示されません。

  • instance-nameには、構成全体で一意の名前を指定できます。instance-nameが一意ではない場合、database-nameおよびinstance-nameの両方を指定してインスタンスを完全に識別する必要があります。

コマンドの例

例1   

次の例では、データベースの特定のインスタンスに関する情報を表示します。

DGMGRL> SHOW INSTANCE 'north_sales1';
 
Instance 'north_sales1' of database 'North_Sales'
 
Instance Status:
SUCCESS
例2   

インスタンス情報を拡張形式で表示します。

DGMGRL> SHOW INSTANCE VERBOSE 'north_sales1';
 
Instance 'north_sales1' of database 'North_Sales'
 
  Host Name: north.example.com
  PFILE:
  Properties:
    SidName                         = 'north_sales1'
    StaticConnectIdentifier         = '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)
(HOST=north.example.com)(PORT=2094))
(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=North_Sales_DGMGRL.example.com)
(INSTANCE_NAME=north_sales1)(SERVER=DEDICATED)))'
    StandbyArchiveLocation          = 'USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST'
    AlternateLocation               = ''
    LogArchiveTrace                 = '255'
    LogArchiveFormat                = 'r_%d_%t_%s_%R.arc'
    LatestLog                       = '(monitor)'
    TopWaitEvents                   = '(monitor)'
 
Instance Status:
SUCCESS

SHUTDOWN

現在実行中のOracleインスタンスを停止します。

書式

SHUTDOWN [ ABORT | IMMEDIATE | NORMAL ];

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • 引数を指定せずにSHUTDOWNコマンドを使用すると、SHUTDOWN NORMALコマンドを使用した場合と同じ結果になります。

  • SHUTDOWNコマンドのオプションを次に示します。

    • ABORT

      コールの完了やデータベースからのユーザーの切断を待たずに、データベースを可能なかぎり高速でシャットダウンします。コミットされていないトランザクションはロールバックされません。処理中のクライアントのSQL文は終了します。データベースに接続されているユーザー全員が暗黙的に切断され、次回のデータベース起動時にはインスタンスのリカバリが必要になります。バックグラウンド・プロセスが異常終了した場合は、このオプションを使用する必要があります。


      注意:

      ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化され、オブザーバが実行されている場合に、プライマリ・データベースにABORTオプションを使用すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーが実行される場合があります。意図しないファスト・スタート・フェイルオーバーの実行を防ぐには、IMMEDIATEまたはNORMALオプションを使用します。

    • IMMEDIATE

      現在のコールが完了したり、ユーザーがデータベースから切断するまで待機しません。それ以降の接続は禁止されます。データベースはクローズされ、ディスマウントされます。インスタンスはシャットダウンされ、次回のデータベース起動時にインスタンスのリカバリは不要です。

    • NORMAL

      これはデフォルトのオプションです。プロセスは、ユーザーがデータベースから切断するまで待機します。それ以降の接続は禁止されます。データベースはクローズされ、ディスマウントされます。インスタンスはシャットダウンされ、次回のデータベース起動時にインスタンスのリカバリは不要です。

コマンドの例

例1   

次のコマンドにより、プライマリ・データベースをNORMALモードでシャットダウンします。

DGMGRL > SHUTDOWN;

Database closed. 
Database dismounted. 
Oracle instance shut down.

START OBSERVER

ファスト・スタート・フェイルオーバーを開始します。

書式

START OBSERVER [ FILE=observer_configuration_filename ];

コマンド・パラメータ

observer_configuration_filename

オブザーバ・コンピュータ上で明示的なディレクトリ・パスおよびファイル名を指定します。

使用上の注意

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する予定のブローカ構成を監視するには、Oracle Client Administratorキット、Oracle Database Enterprise EditionまたはOracle Database Personal Editionのフルキットを、オブザーバ・コンピュータ上にインストールする必要があります。詳細は、5.5.1項を参照してください。

  • START OBSERVERコマンドは、オブザーバ・コンピュータ上で発行する必要があります。オブザーバが正常に開始されると、制御は、(別のクライアント接続からのSTOP OBSERVERのコマンドの発行などにより)オブザーバが停止されるまでユーザーには戻されません。そのブローカ構成とさらに交信する場合は、他のクライアントを介して接続する必要があります。

  • オブザーバは、正常に起動すると自動的に動作します。このため、START OBSERVERコマンドを発行する目的でDGMGRLを起動する場合、オブザーバとして機能する間に生成された出力が失われないように、コマンドラインでオプション・パラメータ-logfileを指定することをお薦めします。このパラメータの詳細は7.1.1項を参照し、-logfileオプションの使用例は9.5.3項を参照してください。

  • ディレクトリ・パスがFILEパラメータを使用して指定されていない場合、オブザーバは、現在の作業ディレクトリでfsfo.datファイルを検索します。fsfo.datファイルが検出されない場合で、START OBSERVERコマンドを初めて発行する場合には、オブザーバにより、fsfo.datファイルが作成されます。

  • プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータおよび接続識別子は、fsfo.dat構成ファイルに格納されています。このファイルの不正アクセスを確実に防止することをお薦めします。

  • このコマンドを発行する前に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化しておく必要はありません。

    • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、オブザーバは、プライマリおよびターゲット・スタンバイの接続識別子をブローカ構成から取得し、構成の監視を開始します。

    • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されていない場合、オブザーバは、継続的にファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化の時期を監視します。

  • このコマンドの発行時、実行されている必要があるのはプライマリ・データベースのみです。コマンドを正常に実行するために、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットとなるスタンバイ・データベースが実行されている必要はありません。

  • オブザーバおよびそのホスト・コンピュータのステータスを表示するには、SHOW FAST_START FAILOVERコマンドまたはSHOW CONFIGURATION VERBOSEコマンドを使用するか、プライマリ・データベースのV$DATABASEビューでFS_FAILOVER_*列を問い合せます。

  • SHOW FAST_START FAILOVERコマンドは、オブザーバが起動済であるとブローカ構成で認識されているかどうかを示します。コマンドで次のように表示される場合、任意のコンピュータでSTART OBSERVERコマンドを発行しオブザーバを起動できます。

    Observer:       (none)
    

    SHOW FAST_START FAILOVERコマンドで「Observer:」の値が表示されたが、そのオブザーバの場所にあるオブザーバがなんらかの理由で実行されていない場合、次のいずれかの操作を実行できます。

    • オブザーバを最初に起動したときに使用したオブザーバ構成ファイルを指定して、START OBSERVERコマンドを、最初にオブザーバを起動したオブザーバ・コンピュータ上で発行します。

    • 任意のコンピュータ上で、STOP OBSERVERコマンドを発行してからSTART OBSERVERコマンドを発行してオブザーバを起動します。

    SHOW FAST_START FAILOVERコマンドで「Observer:」の値が表示され、オブザーバがその場所ですでに実行されている場合、同じ場所で再度オブザーバを起動しようとすると、次のエラーが表示されて失敗します。

    DGM-16954: Unable to open and lock the Observer configuration file
    

    SHOW FAST_START FAILOVERコマンドで「Observer:」の値が表示された場合、別の場所でオブザーバを起動しようとすると、次のエラーが表示されてコマンドは失敗します。

    ORA-16647: could not start more than one observer
    
  • プライマリ・データベースとターゲットのスタンバイ・データベースの間の接続が維持されている状態でオブザーバとの接続が失われた場合、プライマリ・データベースは監視されない状態になります。この状態は、ブローカの健全性チェック機能により報告されます。

コマンドの例

例1   

次の例では、オブザーバの起動方法を示しています。

DGMGRL> CONNECT sys@North_Sales.example.com;
Password: password
Connected.
DGMGRL> START OBSERVER;
Observer started
例2   

次の例は、コマンドラインで接続資格証明を表示できないように、CONNECT '/'を使用してオブザーバを起動する方法を示しています。

DGMGRL> CONNECT /@North_Sales.example.com;
DGMGRL> START OBSERVER;
Observer started.

CONNECT '/'を使用するには、OracleウォレットまたはSSLを設定する必要があります。OracleウォレットまたはSSLを設定することで、スクリプトでデータベース資格証明を指定せずに、オブザーバをバックグラウンド・ジョブとして安全に起動および実行するためのスクリプトを記述できます。Oracleウォレットをセキュアな外部パスワード・ストアとして使用する場合は、プライマリ・データベースおよびファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースの資格証明を追加する必要があります。各データベースの資格証明を追加するとき、指定するデータベース接続文字列は、データベース・プロパティObserverConnectIdentiferまたはDGConnectIdentifierと一致している必要があります。


参照:

Oracleウォレットの詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

STARTUP

次のいずれかのオプションを指定してOracleデータベース・インスタンスを起動します。

  • FORCE: 現行のOracleインスタンスをSHUTDOWN ABORTモードでシャットダウンしてから、再起動します。

  • RESTRICT: RESTRICTED SESSIONシステム権限を持つOracleユーザーにのみインスタンスへの接続を許可します。

  • PFILE: データベース・インスタンスの起動時に使用するPFILE初期化パラメータ・ファイルを指定します。

  • MOUNT: 指定したデータベースをオープンせずにマウントします。

  • OPEN: 指定したデータベースをマウントしてオープンします。

  • NOMOUNT: 指定したデータベース・インスタンスを、データベースをマウントせずに起動します。

書式

STARTUP

[FORCE]

[RESTRICT]

[PFILE=filename]

[MOUNT | OPEN [open-options] | NOMOUNT];

コマンド・パラメータ

filename

データベース・インスタンスの起動時に使用する初期化パラメータ・ファイルの名前。PFILEパラメータ・オプションを指定しない場合は、(オペレーティング・システム固有の)デフォルトのサーバー・パラメータ・ファイルが使用されます。

open-options

指定したデータベースを起動するためのアクセス・モード。可能なモードは次のとおりです。


READ ONLY
READ WRITE

使用上の注意

  • 引数を指定せずにSTARTUPコマンドを使用すると、STARTUP OPENコマンドを使用した場合と同じ結果になります。

  • STARTUPコマンドの使用時にFORCE句を指定せず、現行のデータベース・インスタンスが実行中の場合は、エラーになります。FORCE句は、デバッグ時やエラー条件の発生時に役立ちます。それ以外の場合は、使用しないでください。

  • RESTRICT句を使用すると、RESTRICTED SESSIONシステム権限を持つOracleユーザーにのみインスタンスへの接続が許可されます。後でSQL*Plusを介しALTER SYSTEMコマンドを使用して、制限付きセッション機能を無効化できます。

  • 初期化パラメータ・ファイルの指定にPFILE句を使用しない場合、STARTUPコマンドではデフォルトのサーバー・パラメータ・ファイル(存在する場合)が使用されます。それ以外の場合、STARTUPコマンドではデフォルトの初期化パラメータ・ファイルが使用されます。デフォルトのファイルはプラットフォーム固有です。

    デフォルトのパラメータ・ファイルの詳細は、オペレーティング・システム固有のマニュアルを参照してください。

  • 指定したデータベースをマウントしてオープンするには、OPEN句を使用します。

  • NOMOUNT句を指定すると、データベースをマウントせずにデータベース・インスタンスを起動できます。NOMOUNT句は、MOUNTまたはOPENオプションと併用できません。

コマンドの例

例1   

次の例では、データベース・インスタンスの2つの起動方法を示します。各コマンドでは、標準パラメータ・ファイルを使用してデータベース・インスタンスを起動し、デフォルト・データベースを排他モードでマウントしてオープンしています。

DGMGRL> STARTUP;
DGMGRL> STARTUP OPEN;
例2   

次のコマンドでは、現行のインスタンスをシャットダウンし、その直後にマウントもオープンもせずにデータベースを再起動し、制限付きセッション権限のあるユーザーにのみ接続を許可しています。

DGMGRL > STARTUP FORCE RESTRICT NOMOUNT;
例3   

次のコマンドでは、パラメータ・ファイルtestparmを使用して、データベースをマウントせずにインスタンスを起動しています。

DGMGRL > STARTUP PFILE=testparm NOMOUNT;
例4   

次の例では、データベース・インスタンスを起動してマウントしていますが、オープンはしていません。

DGMGRL> STARTUP MOUNT;

STOP OBSERVER

ファスト・スタート・フェイルオーバーを停止します。

書式

STOP OBSERVER

コマンド・パラメータ

なし。

使用上の注意

  • このコマンドは、ブローカ構成内のいずれかのデータベースと接続されている場合に発行できます。

  • このコマンドではファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化できませんが、ファスト・スタート・フェイルオーバーはオブザーバがないと開始できません。

  • このコマンドの発行時に、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている必要はありません。

  • STOP OBSERVERコマンドの発行時にファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合は、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースが接続され、相互に交信している必要があります。そうでない場合は、次のエラーが戻されます。

    ORA-16636 fast-start failover target standby in error state, cannot stop observer
    

    プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースが接続されていない場合、プライマリ・データベースでDISABLE FAST_START FAILOVER FORCEコマンドを発行してからSTOP OBSERVERコマンドを発行できます。オブザーバおよびターゲットのスタンバイ・データベースから切断されたプライマリ・データベース上でFORCEオプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化しても、オブザーバによる、ターゲットのスタンバイ・データベースへのファスト・スタート・フェイルオーバーの開始を無効にはできません。

  • STOP OBSERVERコマンドの発行時にファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されていない場合は、オブザーバの停止時にプライマリ・データベースのみが実行されている必要があります。

  • オブザーバは、STOP OBSERVERコマンドの発行後すぐには停止されません。オブザーバは、次回オブザーバーがブローカと接続されるまで停止されたことを検出しません。

    STOP OBSERVERコマンドの発行後ただちに、任意のコンピュータでSTART OBSERVERコマンドを再度入力できます。旧オブザーバがまだ自身の停止を検出していない場合でも、新規オブザーバを即座に開始できます。ブローカ構成では新しいオブザーバがすでに開始されているため、元のオブザーバの開始を試行すると失敗します。

コマンドの例

例1   

次の例ではオブザーバを停止しています。

DGMGRL> STOP OBSERVER;

SWITCHOVER

スイッチオーバー操作は、プライマリ・データベースがスタンバイ・データベースの1つとロールを交換する計画的な遷移です。SWITCHOVERコマンドを発行すると、現行のプライマリ・データベースがスタンバイ・データベースになり、指定したスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースになります。

書式

SWITCHOVER TO database-name;

コマンド・パラメータ

database-name

プライマリ・データベースのロールに変更するスタンバイ・データベースの名前。

使用上の注意

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効な場合は、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーのみ実行できます。

  • スイッチオーバーの起動前に、ブローカによって、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースが次の状態であることが検証されます。

    • REDO転送サービスが起動するように、プライマリ・データベースが有効化され、TRANSPORT-ON状態になっている必要があります。

    • スタンバイ・データベースが有効化され、TRANSPORT-ON状態になっており、ログ適用サービスが起動している必要があります。

  • ブローカは、スイッチオーバーに関係するように選択したスタンバイ・データベースにREDO転送サービスのエラーがないかぎり、スイッチオーバーを続行します。その他のスタンバイ・データベースにエラーが発生しても、スイッチオーバーの続行には影響しません。

  • ロジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーは、構成が最大保護モードで動作している場合には許可されません。

  • ブローカ構成が最大保護モードまたは最大可用性モードで動作している場合、スイッチオーバーの操作後も同じ保護モードが維持されます(5.3.1項を参照)。スイッチオーバーのターゲットとなるスタンバイ・データベースが保護モード要件を満たす唯一のスタンバイであったためにモードを維持できない場合、スイッチオーバーは許可されません。

  • プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがフィジカル・スタンバイ・データベースの場合は、スイッチオーバーの完了後に、元のプライマリ・データベースが再起動されます。スタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースの場合は、プライマリ・データベースもロジカル・スタンバイ・データベースも再起動されません。

  • プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがフィジカル・スタンバイ・データベースの場合、元のプライマリ・データベースはフィジカル・スタンバイ・データベースとなります。

  • プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースの場合、元のプライマリ・データベースはロジカル・スタンバイ・データベースとなります。

  • Oracle RACプライマリ・データベースがフィジカル・スタンバイ・データベースになる場合、スイッチオーバーを実行する前に、プライマリ・データベース上のインスタンスのうち1つを残してそれ以外はすべては停止されます。詳細は、5.3項を参照してください。

  • スナップショット・スタンバイ・データベースにスイッチオーバーすることはできません。

  • プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースで、構成にフィジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合、スイッチオーバー後、フィジカル・スタンバイ・データベースは無効化されます。


    注意:

    このため、通常、スイッチオーバーには、ロジカル・スタンバイ・データベースのかわりにフィジカル・スタンバイ・データベースを指定することをお薦めします。ロジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーが必要な場合、フィジカル・スタンバイ・データベースを再作成する方法については、5.4.3項を参照してください。

    比較的すぐに元のプライマリ・データベースにスイッチバックする場合は、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースを無効なままにしておくことができます。フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースはまだ元のプライマリ・データベースの実行可能なスタンバイ・データベースであるため、元のプライマリ・データベースへのスイッチバックの完了後、これらを再有効化できます。


コマンドの例

例1   

次の例では、フィジカル・スタンバイ・データベースSouth_Salesがプライマリ・ロールに遷移する正常なスイッチオーバーを示しています。

DGMGRL> switchover to 'South_Sales';
Performing switchover NOW, please wait...
New primary database "South_Sales" is opening...
Operation requires shutdown of instance "north_sales1" on database "North_Sales"
Shutting down instance "north_sales1"...
ORA-01109: database not open
 
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "north_sales1" on database "North_Sales"
Starting instance "north_sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"
例2   

オペレーティング・システム認証を使用してデータベースに接続する場合は、任意のユーザー名およびパスワードを使用して接続できます。ただし、DGMGRLはリモートでは自己認証できないため、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースを自動的にシャットダウンして起動することができません。

次に、スイッチオーバーには成功したが、DGMGRLでプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのシャットダウンおよび起動ができなかったためにエラーが戻された例を示します。

DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales';
Performing switchover NOW, please wait...
New primary database "South_Sales" is opening...
Operation requires shutdown of instance "north_sales1" on database "North_Sales"
Shutting down instance "north_sales1"...
ORA-01031: insufficient privileges
 
Warning: You are no longer connected to ORACLE.
 
Please complete the following steps to finish switchover:
        shut down instance "north_sales1" of database "North_Sales"
        start up and mount instance "north_sales1" of database "North_Sales"

注意:

DGMGRLでインスタンスを自動的に再起動するには、最後のCONNECTコマンドが別のデータベースへの接続に使用された場合でも、最後のCONNECTコマンドに指定された資格証明を使用してデータベースに接続する必要があります。

SHUTDOWNおよびSTARTUPコマンドを手動で発行して、新しいプライマリおよび停止されたスタンバイ・インスタンスを再起動する必要があります。