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SQL*Plus®ユーザーズ・ガイドおよびリファレンス
リリース11.2
B56314-03
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10 SQL*Plusによるデータベース管理

この章では、SQL*Plusで使用可能なデータベース管理ツールの概要を説明します。ここでは、次の項目について説明します。

この章は、データベース管理者向けです。この機能を使用するには、データベース管理者の権限が必要です。

データベース管理の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。

概要

データベースの起動、停止などの特別な操作は、データベース管理者(DBA)が行います。DBAは、一般ユーザーには割り当てられていない権限を所有しています。この章で概要を説明するコマンドは、通常、DBAが使用します。

SQL*Plusでのセキュリティおよびロールの詳細は、「SQL*Plusのセキュリティ」を参照してください。

データベースの起動および停止の概要

すべてのユーザーが、Oracle Databaseを利用できるとはかぎりません。データベースをオープンまたはクローズするか、あるいはインスタンスを起動または停止するには、DBA権限を持っているか、SYSOPERまたはSYSDBAで接続する必要があります。それ以外のユーザーは、Oracle Databaseの現在の状態を制御できません。

データベースの起動

データベースの起動には、次の3つの手順が含まれています。

  1. インスタンスの起動

    インスタンスは、バックグラウンド・プロセスを制御し、Oracle Databaseに接続するためのメモリー領域を割り当てます。

  2. データベースのマウント

    データベースをマウントすることによって、データベースがすでに起動されているインスタンスと対応付けられます。

  3. データベースのオープン

    データベースをオープンすると、通常のデータベース操作が可能になります。

データベース起動の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。また、「STARTUP」コマンドも参照してください。

例10-1 インスタンスの起動

データベースをマウントせずにOracle Databaseインスタンスを起動するには、次のように入力します。

STARTUP NOMOUNT

例10-2 データベースのマウント

インスタンスを起動し、データベースをクローズしたままマウントするには、次のように入力します。

STARTUP MOUNT

例10-3 データベースのオープン

Oracle Databaseサーバーのパラメータ・ファイルINITSALES.ORAを使用してインスタンスを起動し、SALESというデータベースをマウントおよびオープンして、データベース管理者に対してアクセスを制限するには、次のように入力します。

STARTUP OPEN sales PFILE=INITSALES.ORA RESTRICT

SALESは、INITSALES.ORAパラメータ・ファイルのDB_NAMEパラメータで指定したデータベース名です。

データベースの停止

データベースの停止には、次の3つの手順が含まれます。

  1. データベースのクローズ

    データベースがクローズされると、SGA内のすべてのデータベースおよびリカバリ・データがデータ・ファイルおよびREDOログ・ファイルに書き込まれ、すべてのオンライン・データ・ファイルがクローズされます。

  2. データベースのディスマウント

    データベースをディスマウントすることによって、データベースがインスタンスから切り離され、データベースの制御ファイルがクローズされます。

  3. インスタンスの停止

    インスタンスの停止によって、SGAがメモリーから解放され、Oracle Databaseインスタンスを構成するバックグラウンドのOracle Databaseプロセスが終了します。

データベース停止の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。また、「SHUTDOWN」コマンドも参照してください。

例10-4 データベースの停止

オープンおよびマウントされたデータベースを正常に停止するには、次のように入力します。

SHUTDOWN
Database closed.
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.

REDOログ・ファイル

各Oracle Databaseには、2つ以上のREDOログ・ファイルが用意されています。1つのデータベースに対するREDOログ・ファイルのセットは、データベースのREDOログと呼ばれます。

REDOログは、データに加えられた変更を記録するために使用されます。たとえば、データベースに障害が発生した場合、REDOログを使用してデータベースをリカバリします。REDOログ自体の障害を防ぐため、Oracle Databaseでは、REDOログのミラー化によって、2つ以上のREDOログのコピーを異なるディスクに保持できます。

ARCHIVELOGモード

データベースをARCHIVELOGモードでオープンすると、オンラインREDOログをアーカイブできます。

アーカイブREDOログには、データベースに加えられたすべての変更が永久に保存されているため、SQL ALTER SYSTEMコマンドを使用すると、インスタンス障害のみでなくディスク障害も完全にリカバリできます。

REDOログ・ファイルおよびデータベースのアーカイブ・モードの詳細は、『Oracle Database概要』および「ARCHIVE LOG」コマンドを参照してください。

アーカイブされた現行のログ・ファイルの詳細を表示するには、次のように入力します。

ARCHIVE LOG LIST
Database log mode              Archive Mode 
Automatic archival             Enabled 
Archive destination            /vobs/oracle/dbs/arch 
Oldest online log sequence     221 
Next log sequence to archive   222 
Current log sequence           222 

データベースのリカバリ

破損したデータベースがARCHIVELOGモードの場合、完全メディア・リカバリまたは不完全メディア・リカバリの操作の候補となります。メディア・リカバリ操作を開始するには、RECOVERコマンドを使用します。データのリカバリの詳細は、「RECOVER」コマンドを参照してください。

リカバリ操作を開始するには、DBA権限が必要です。

制御ファイルのバックアップ・ファイルを使用し指定時間までにデータベースをリカバリするには、次のように入力します。

RECOVER DATABASE UNTIL TIME '1998-11-23:12:47:30'-
USING BACKUP CONTROLFILE

2つのオフライン表領域をリカバリするには、次のように入力します。

RECOVER TABLESPACE ts1, ts2

表領域のリカバリを続行する前に、対象の表領域がオフラインになっていることを確認してください。