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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B61035-04
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ASMCMDボリューム管理コマンド

この項では、ASMCMDボリューム管理コマンドについて説明します。

Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)の詳細は、「Oracle ASM動的ボリューム・マネージャの概要」を参照してください。SQL文を使用したボリューム管理の詳細は、「ディスク・グループ内のボリュームの管理」を参照してください。

表12-66に、Oracle ADVMボリューム管理コマンドの概要を示します。これらのコマンドを正常に実行するには、ローカルOracle ASMインスタンスが実行中で、コマンドに必要なディスク・グループがそのOracle ASMインスタンスに作成され、マウントされている必要があります。

表12-66 ASMCMDボリューム管理コマンドの概要

コマンド 説明

volcreate


指定されたディスク・グループにOracle ADVMボリュームを作成します。

voldelete


Oracle ADVMボリュームを削除します。

voldisable


マウントされているディスク・グループ内のOracle ADVMボリュームを無効にします。

volenable


マウントされているディスク・グループ内のOracle ADVMボリュームを有効にします。

volinfo


Oracle ADVMボリュームに関する情報を表示します。

volresize


Oracle ADVMボリュームのサイズを変更します。

volset


マウントされているディスク・グループ内のOracle ADVMボリュームの属性を設定します。

volstat


ボリュームI/O統計をレポートします。


volcreate

用途

指定されたディスク・グループにOracle ADVMボリュームを作成します。

構文および説明


volcreate -G diskgroup -s size
    [ --column number ] [ --width stripe_width ]
     [--redundancy {high|mirror|unprotected} ]
     [--primary {hot|cold}] [--secondary {hot|cold}] volume

表12-67に、volcreateコマンドのオプションを示します。

表12-67 volcreateコマンドのオプション

オプション 説明

-G diskgroup

ボリュームを含むディスク・グループの名前。

-s size

KMGまたはTの単位で作成されるボリュームのサイズ。単位は、指定する数値の後に付ける必要があります。空白がなくてもかまいません。たとえば200Mまたは20Gと指定します。

--column number

ストライプ・セット内の列数。値の範囲は18です。デフォルト値は4です。

--width stripe

ボリュームのストライプ幅。値は2の累乗の間隔で4KBから1MB。デフォルトは128KB。

--redundancy { high | mirror | unprotected}

標準冗長性のディスク・グループに指定可能なOracle ADVMボリュームの冗長性。値の範囲は、非ミラー化冗長性の場合はunprotected、ダブル・ミラー化冗長性の場合はmirror、トリプル・ミラー化冗長性の場合はhighです。冗長性が指定されていない場合、設定はデフォルトでディスク・グループの冗長性レベルになります。

--primary {hot|cold}

プライマリ・エクステントに対するインテリジェント・データ配置の指定。hotまたはcoldリージョンのいずれか。

--secondary {hot|cold}

セカンダリ・エクステントに対するインテリジェント・データ配置の指定。hotまたはcoldリージョンのいずれか。

volume

ボリュームの名前。英数字のみ11文字まで使用できますが、ハイフンは使用できません。先頭の文字はアルファベットを指定する必要があります。


Oracle ADVMボリュームの作成時に、ボリューム・デバイス名は、一意のOracle ADVM永続ディスク・グループ番号をボリューム名の最後に連結して作成します。一意の番号の桁数は1から3です。

Linuxでは、ボリューム・デバイス名の書式はvolume_name-nnnです(volume1-123など)。Windowsでは、ボリューム・デバイス名の書式はasm-volume_name-nnnです(asm-volume1-123など)。ボリューム・デバイス・ファイルのマウントの詳細は、「Oracle ACFSファイルシステムの作成」を参照してください。

Linuxプラットフォームでは、ボリューム名は11文字以下の英数字とし、先頭の文字はアルファベットにする必要があります。AIXプラットフォームでは、ボリューム名は23文字以下の英数字とし、先頭の文字はアルファベットにする必要があります。WindowsおよびSolarisプラットフォームでは、ボリューム名は30文字以下の英数字とし、先頭の文字はアルファベットにする必要があります。

ボリューム・デバイス名は、volinfoコマンドを使用して特定できます。詳細は、「volinfo」を参照してください。

--columnオプションが1に設定される場合、ストライピングは無効になり、ストライピング幅はボリュームのエクステント・サイズと同じになります。 ディスク・グループの割当て単位(AU)が8MB以下の場合、ボリュームのエクステント・サイズは8 MBになります。AUサイズが8MBより大きい場合、Oracle ADVMのボリュームのエクステント・サイズはディスク・グループのAUサイズと同じになります。

ボリュームが正常に作成されると、ボリューム・デバイスは自動的に有効になります。

ボリューム・デバイス・ファイルは、他のディスクまたは論理ボリュームとして、ファイルシステムをマウントするために、またはアプリケーションで直接使用するために機能します。

冗長性の設定の詳細は、「ミラー化、冗長性および障害グループ・オプション」を参照してください。コールドおよびホットのディスク・リージョンの詳細は、「インテリジェント・データ配置」を参照してください。

AIX上にOracle ADVMボリュームを作成する前に、必要なユーザー認証が作成されていることを確認します。詳細は、「AIX環境用のOracle ACFSコマンドライン・ツール」を参照してください。

次に、volcreateコマンドの例を示します。この例では、サイズを10GBに設定してdataディスク・グループにvolume1を作成します。

例12-68 ASMCMD volcreateコマンドの使用方法

ASMCMD [+] >  volcreate -G data -s 10G --width 64K --column 8 volume1

ASMCMD [+] > volinfo -G data volume1
Diskgroup Name: DATA
 
         Volume Name: VOLUME1
         Volume Device: /dev/asm/volume1-123
         State: ENABLED
         Size (MB): 10240
         Resize Unit (MB): 64
         Redundancy: MIRROR
         Stripe Columns: 8
         Stripe Width (K): 64
         Usage: 
         Mountpath: 

voldelete

用途

Oracle ADVMボリュームを削除します。

構文および説明


voldelete -G diskgroup volume

表12-68に、voldeleteコマンドのオプションを示します。

表12-68 voldeleteコマンドのオプション

オプション 説明

-G diskgroup

ボリュームを含むディスク・グループの名前。

volume

ボリュームの名前。


このコマンドを正常に実行するには、ローカルOracle ASMインスタンスが実行中で、このコマンドに必要なディスク・グループがそのOracle ASMインスタンスにマウントされている必要があります。ボリュームを削除する前に、ボリュームに関連付けられたアクティブなファイルシステムがないことを確認する必要があります。

次に、voldeleteコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループからvolume1を削除します。

例12-69 ASMCMD voldeleteコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > voldelete -G data volume1

voldisable

用途

マウントされているディスク・グループ内のOracle ADVMボリュームを無効にし、ローカル・ノードのボリューム・デバイスを削除します。

構文および説明


voldisable { -a | -G diskgroup -a | -G diskgroup volume }

表12-69に、voldisableコマンドのオプションを示します。

表12-69 voldisableコマンドのオプション

オプション 説明

-a

ディスク名を指定せずに使用する場合は、すべてのディスク・グループ内ですべてのボリュームを指定します。

ディスク・グループ名を指定して使用する(-G diskgroup -a)場合は、そのディスク・グループ内のすべてのボリュームを指定します。

-G diskgroup

ボリュームを含むディスク・グループの名前。

volume

ボリュームの名前。


Oracle ASMインスタンスの停止またはディスク・グループのディスマウントの前にボリュームを無効にして、オープン・ボリューム・ファイルのためにforceオプションを指定しなくても正常に操作できることを確認します。また、ボリュームを無効にすると、そのボリュームは存在しなくなるため、それ以降にボリュームまたはデバイス・ファイルはオープンできなくなります。

ボリュームを無効にする前に、ボリュームに関連付けられたアクティブなファイルシステムがないことを確認する必要があります。先に、Oracle ACFSファイルシステムをディスマウントしてから、ボリュームを無効にします。「Oracle ACFSファイルシステムのディスマウント」を参照してください。

ボリュームは、先にボリュームを無効にしなくても削除できます。

次に、voldisableコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループのvolume1を無効にします。

例12-70 ASMCMD voldisableコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > voldisable -G data volume1

volenable

用途

マウントされているディスク・グループ内のOracle ADVMボリュームを有効にします。

構文および説明


volenable { -a | -G diskgroup -a | -G diskgroup volume }

表12-70に、volenableコマンドのオプションを示します。

表12-70 volenableコマンドのオプション

オプション 説明

-a

ディスク名を指定せずに使用する場合は、すべてのディスク・グループ内ですべてのボリュームを指定します。

ディスク・グループ名を指定して使用する(-G diskgroup -a)場合は、そのディスク・グループ内のすべてのボリュームを指定します。

-G diskgroup

ボリュームを含むディスク・グループの名前。

volume

ボリュームの名前。


ボリュームは作成時に有効になります。

次に、volenableコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループのvolume1を有効にします。

例12-71 ASMCMD volenableコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > volenable -G data volume1

volinfo

用途

Oracle ADVMボリュームに関する情報を表示します。

構文および説明


volinfo { -a | -G diskgroup -a | -G diskgroup volume }
volinfo {--show_diskgroup |--show_volume} volumedevice

表12-71に、volinfoコマンドのオプションを示します。

表12-71 volinfoコマンドのオプション

オプション 説明

-a

ディスク名を指定せずに使用する場合は、すべてのディスク・グループ内ですべてのボリュームを指定します。

ディスク・グループ名を指定して使用する(-G diskgroup -a)場合は、そのディスク・グループ内のすべてのボリュームを指定します。

-G diskgroup

ボリュームを含むディスク・グループの名前。

volume

ボリュームの名前。

--show_diskgroup

ディスク・グループ名のみを戻します。ボリューム・デバイス名が必要です。

--show_volume

ボリューム名のみを戻します。ボリューム・デバイス名が必要です。

volumedevice

ボリューム・デバイスの名前。


1つ目の例では、dataディスク・グループのvolume1ボリュームに関する情報を表示します。これはLinux環境で生成された例です。2つ目の例では、dataディスク・グループのvolume1ボリュームに関する情報を表示します。これはWindows環境で生成された例です。

マウント・パス・フィールドにはそのボリュームの最後のマウント・パスが表示されます。

例12-72 ASMCMD volinfoコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > volinfo -G data volume1
Diskgroup Name: DATA
         Volume Name: VOLUME1
         Volume Device: /dev/asm/volume1-123
         State: ENABLED
         Size (MB): 10240
         Resize Unit (MB): 64
         Redundancy: MIRROR
         Stripe Columns: 8
         Stripe Width (K): 64
         Usage: ACFS
         Mountpath: /u01/app/acfsmounts/acfs1

ASMCMD [+] > volinfo -G data -a
Diskgroup Name: DATA
         Volume Name: VOLUME1
         Volume Device: \\.\asm-volume1-311
         State: ENABLED
         Size (MB): 1024
         Resize Unit (MB): 32
         Redundancy: MIRROR
         Stripe Columns: 4
         Stripe Width (K): 128
         Usage: ACFS
         Mountpath: C:\oracle\acfsmounts\acfs1

volresize

用途

Oracle ADVMボリュームのサイズを変更します。

構文および説明


volresize -G diskgroup -s size [ -f ] volume

表12-72に、volresizeコマンドのオプションを示します。

表12-72 volresizeコマンドのオプション

オプション 説明

-G diskgroup

ボリュームを含むディスク・グループの名前。

-f

Oracle ACFSボリューム以外のボリュームの圧縮を強制し、警告メッセージを非表示にします。

volume

ボリュームの名前。

-s size

ボリュームの新しいサイズ。単位はKMGまたはT


ボリュームが非Oracle ACFSファイルシステムにマウントされている場合、サイズの変更の前にファイルシステムをディスマウントします。新しいサイズが現在より小さい場合、データ破損の可能性が警告されます。-f(強制)オプションを指定しないかぎり、操作を続行するか確認を求められます。

Oracle ACFSファイルシステムがボリューム上に存在する場合、volresizeコマンドではボリュームのサイズを変更できません。acfsutil sizeコマンドを使用する必要があります。このコマンドではボリュームとファイルシステムのサイズも変更できます。詳細は、「acfsutil size」を参照してください。

次に、volresizeコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループのvolume1のサイズを20GBに変更します。

例12-73 ASMCMD volresizeコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > volresize -G data -s 20G volume1

volset

用途

マウントされているディスク・グループ内のOracle ADVMボリュームの属性を設定します。

構文および説明


volset -G diskgroup [ --usagestring string]
        [--mountpath mount_path ]
        [--primary {hot|cold}] [--secondary {hot|cold}] volume

表12-73に、volsetコマンドのオプションを示します。

表12-73 volsetコマンドのオプション

オプション 説明

-G diskgroup

ボリュームを含むディスク・グループの名前。

--usagestring string

ボリュームにタグを付けるオプションの使用状況文字列(30文字まで)。この文字列は、ボリュームがOracle ACFSファイルシステムに接続されている場合はACFSに設定されます。この設定を変更しないでください。

--mountpath mount_path

マウント・パス文字列でボリュームにタグを付けるオプションの文字列(1024文字まで)。この文字列は、ファイルシステムがマウントされている場合にに設定されます。この設定を変更しないでください。

--primary {hot|cold}

プライマリ・エクステントに対するインテリジェント・データ配置の指定。hotまたはcoldリージョンのいずれか。

--secondary {hot|cold}

セカンダリ・エクステントに対するインテリジェント・データ配置の指定。hotまたはcoldリージョンのいずれか。

volume

ボリュームの名前。


mkfsを実行してファイルシステムを作成しているときは、usageフィールドはACFSに設定され、mountpathフィールドは設定されていれば空白文字列にリセットされます。usageフィールドはACFSのままにしておく必要があります。

mountコマンドを実行してファイルシステムをマウントしているときは、mountpathフィールドはファイルシステムのマウント・ポイントを識別するマウント・パス値に設定されます。この値がmountコマンドにより設定されると、mountpathフィールドは更新できません。

次に、volsetコマンドの例を示します。この例では、ファイルシステムに関連付けられていないボリュームに対するusage文字列を設定します。

例12-74 ASMCMD volsetコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > volset -G data --usagestring 'no file system created' volume1

volstat

用途

Oracle ADVMボリュームに関するI/O統計をレポートします。

構文および説明


volstat [-G diskgroup] [volume]
       

表12-74に、volstatコマンドのオプションを示します。

表12-74 volstatコマンドのオプション

オプション 説明

-G diskgroup

ボリュームを含む、マウントされているディスク・グループの名前。

volume

ボリュームの名前。


volstatコマンドを使用する際は、次のことが適用されます。

  • ディスク・グループを指定せず、ボリューム名を指定すると、すべてのマウントされているディスク・グループで指定したボリューム名が検索されます。

  • ディスク・グループ名を指定し、ボリューム名を省略すると、名前が付いたディスク・グループについて、すべてのボリュームが表示されます。

  • ディスク・グループ名とボリューム名の両方を省略すると、すべてのディスク・グループ上のすべてのボリュームが表示されます。

次に、volstatコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループ内のボリュームに関する情報を表示します。

例12-75 ASMCMD volstatコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > volstat -G data
DISKGROUP NUMBER / NAME:  1 / DATA
---------------------------------------
  VOLUME_NAME
     READS           BYTES_READ      READ_TIME       READ_ERRS 
     WRITES          BYTES_WRITTEN   WRITE_TIME      WRITE_ERRS
  -------------------------------------------------------------
  VOLUME1
     10085           2290573312      22923           0
     1382            5309440         1482            0