この項では、ASMCMD Oracle ASMファイル・アクセス制御コマンドについて説明します。Oracle ASMファイル・アクセス制御の詳細は、「ディスク・グループのOracle ASMファイル・アクセス制御の管理」を参照してください。
表12-53に、ASMCMD Oracle ASMファイル・アクセス制御コマンドの概要を示します。
表12-53 ASMCMDファイル・アクセス制御コマンドの概要
| コマンド | 説明 |
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ファイルまたはファイルのリストのユーザー・グループを変更します。 |
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ファイルまたはファイルのリストの権限を変更します。 |
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ファイルまたはファイルのリストの所有者を変更します。 |
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ユーザーが属するユーザー・グループをリストします。 |
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ユーザーを既存のユーザー・グループに対して追加または削除します。 |
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ユーザー・グループをリストします。 |
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ディスク・グループ内のユーザーをリストします。 |
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新規ユーザー・グループを作成します。 |
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ディスク・グループにユーザーを追加します。 |
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ユーザーのパスワードを変更します。 |
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ユーザー・グループを削除します。 |
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ディスク・グループからユーザーを削除します。 |
用途
ファイルまたはファイルのリストのユーザー・グループを変更します。
構文および説明
chgrp usergroup file [file ...]表12-54に、chgrpコマンドの構文オプションを示します。
ファイル所有者またはOracle ASM管理者のみがこのコマンドを使用できます。ユーザーがファイル所有者である場合、このコマンドが成功するには、ユーザーがグループの所有者かメンバーのいずれかであることが必要です。
このコマンドには、1つのファイル名または空白で区切られた複数のファイル名を指定できます。
例
次に、chgrpコマンドの例を示します。この例では、指定されたファイルのOracle ASMユーザー・グループを変更します。
用途
ファイルまたはファイルのリストの権限を変更します。
構文および説明
chmod mode file [file ...]modeの書式は、次のいずれかです。
{ ugo | ug | uo | go | u | g | o | a } {+|- } {r|w |rw}
aはすべてのユーザーに対する権限を、uはファイルの所有者に対する権限を、gはグループ権限を、oはその他のユーザーに対する権限を指定します。
{ 0|4|6} {0|4|6} {0|4|6}
1桁目は所有者権限、2桁目はグループ権限、3桁目はその他の権限を指定します。
表12-55に、chmodコマンドの構文オプションを示します。
表12-55 chmodコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
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読取り/書込み権限 |
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読取り専用権限 |
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権限なし |
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所有者権限。 |
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グループ権限。 |
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その他のユーザー権限。 |
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すべてのユーザー権限。 |
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権限を追加します。 |
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権限を削除します。 |
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読取り権限 |
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書込み権限 |
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ファイルの名前 |
このコマンドには、1つのファイル名または空白で区切られた複数のファイル名を指定できます。指定したファイルは閉じている必要があります。
ファイル権限は、読取り/書込み、読取り専用および権限なしにのみ設定できます。ファイル権限を書込み専用に設定することはできません。
ファイルに対する権限を表示するには、--permissionオプションを指定したASMCMD lsコマンドを使用します。「ls」を参照してください。
例
次に、chmodコマンドの例を示します。この例では、指定されたファイルの権限を変更します。
例12-57 ASMCMD chmodコマンドの使用方法
ASMCMD [+fra/orcl/archivelog/flashback] > chmod ug+rw log_7.264.684968167 log_8.265.684972027 ASMCMD [+fra/orcl/archivelog/flashback] > chmod 640 log_7.264.684968167 log_8.265.684972027 ASMCMD [+] > ls --permission +fra/orcl/archivelog/flashback User Group Permission Name grid asm_fra rw-r----- log_7.264.684968167 grid asm_fra rw-r----- log_8.265.684972027
用途
ファイルまたはファイルのリストの所有者を変更します。
構文および説明
chown user[:usergroup ] file [file ...]表12-56に、chownコマンドの構文オプションを示します。
通常、userはデータベース・インスタンス・ホームを所有するユーザーです。Oracle ASMファイル・アクセス制御では、データベースの識別にオペレーティング・システム(OS)名を使用します。
このコマンドには、1つのファイル名または空白で区切られた複数のファイル名を指定できます。指定したファイルは閉じている必要があります。
Oracle ASM管理者のみがこのコマンドを使用できます。
例
次に、chownコマンドの例を示します。この例では、指定されたファイルの所有者をoracle1オペレーティング・システム・ユーザーに変更します。
用途
指定されたユーザーが属するすべてのユーザー・グループをリストします。
構文および説明
groups diskgroup user表12-57に、groupsコマンドの構文オプションを示します。
例
次に、groupsコマンドの例を示します。この例では、oracle1ユーザーが属するdataディスク・グループのユーザー・グループを表示します。
用途
オペレーティング・システム(OS)ユーザーを既存のOracle ASMユーザー・グループに対して追加または削除します。
構文および説明
grpmod { --add | --delete } diskgroup usergroup user [user...]表12-58に、grpmodコマンドの構文オプションを示します。
表12-58 grpmodコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
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ユーザーをユーザー・グループに追加することを指定します。 |
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ユーザーをユーザー・グループから削除することを指定します。 |
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ユーザー・グループが属するディスク・グループの名前。 |
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ユーザー・グループの名前。 |
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ユーザー・グループに対して追加または削除するユーザーの名前。 |
ユーザー・グループの所有者のみがこのコマンドを使用できます。このコマンドを実行するにはSYSASM権限が必要です。
このコマンドには、1つのオペレーティング・システム・ユーザー名または空白で区切られた複数のユーザー名を指定できます。通常、オペレーティング・システム・ユーザーはデータベース・インスタンス・ホームの所有者です。
例
次に、grpmodコマンドの例を示します。1つ目の例では、fraディスク・グループのasm_fraユーザー・グループにoracle1およびoracle2ユーザーを追加します。2つ目の例では、dataディスク・グループのasm_dataユーザー・グループからoracle2ユーザーを削除します。
用途
すべてのOracle ASMユーザー・グループ、または指定されたパターンと一致するグループのみをリストします。
構文および説明
lsgrp [--suppressheader][-a] [ -G diskgroup ] [ pattern ]表12-59に、lsgrpコマンドの構文オプションを示します。
表12-59 lsgrpコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
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列ヘッダーを非表示にします。 |
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すべての列をリストします。 |
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指定されたディスク・グループ名に結果を制限します。 |
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パターン表現と一致するユーザー・グループを表示します。 |
例
次に、lsgrpコマンドの例を示します。1つ目の例では、asm%パターンと一致する名前のユーザー・グループに関する情報の一部を表示します。2つ目の例では、すべてのユーザー・グループに関する情報を全部表示します。
用途
ディスク・グループ内のOracle ASMユーザーをリストします。
構文および説明
lsusr [--suppressheader][-a] [-G diskgroup ] [ pattern ]表12-60に、lsusrコマンドの構文オプションを示します。
表12-60 lsusrコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
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すべてのユーザーと、ユーザーが属するディスク・グループをリストします。 |
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|
列ヘッダーを非表示にします。 |
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指定されたディスク・グループ名に結果を制限します。 |
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パターン表現と一致するユーザーを表示します。 |
例
次に、lsusrコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループ内のユーザーと、ユーザーに割り当てられたオペレーティング・システムIDを表示します。
用途
新しいOracle ASMユーザー・グループを作成します。
構文および説明
mkgrp diskgroup usergroup [user] [user...]表12-61に、mkgrpコマンドの構文オプションを示します。
表12-61 mkgrpコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
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ユーザー・グループが追加されるディスク・グループの名前。 |
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追加するユーザー・グループの名前。最大文字数は30です。 |
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ユーザー・グループに追加するデータベース・ユーザーの名前。 |
必要に応じて、新しいユーザー・グループのメンバーとして含めるユーザーのリストを指定できます。
例
次に、mkgrpコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループにasm_dataユーザー・グループを作成し、作成したユーザー・グループにoracle1およびoracle2ユーザーを追加します。
用途
オペレーティング・システム(OS)ユーザーをディスク・グループに追加します。
構文および説明
mkusr diskgroup user表12-62に、mkusrコマンドの構文オプションを示します。
追加するユーザーは、有効なオペレーティング・システム・ユーザーである必要があります。SYSASMとして認証されたユーザーのみがこのコマンドを実行できます。
例
次に、mkusrコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループにoracle1ユーザーを追加します。2つ目の例では、fraディスク・グループにoracle2ユーザーを追加します。
用途
ユーザーのパスワードを変更します。
構文および説明
passwd user表12-63に、passwdコマンドの構文オプションを示します。
Oracle ASMパスワード・ファイルにユーザーが存在しない場合は、エラーが発生します。ユーザーは、まず現在のパスワードを要求され、次に新しいパスワードを要求されます。このコマンドを実行するにはSYSASM権限が必要です。
例
次に、passwdコマンドの例を示します。この例では、oracle2ユーザーのパスワードを変更します。
用途
ディスク・グループからユーザー・グループを削除します。
構文および説明
rmgrp diskgroup usergroup表12-64に、rmgrpコマンドの構文オプションを示します。
グループを削除すると、有効なユーザー・グループのないファイルがいくつか残る可能性があります。それらのファイルが必ず有効なグループを持つようにするには、ファイルを有効なユーザー・グループに明示的に更新します。「chgrp」を参照してください。
このコマンドはユーザー・グループの所有者が実行する必要があり、実行するにはSYSASM権限が必要です。
例
次に、rmgrpコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループからasm_dataユーザー・グループを削除します。
用途
オペレーティング・システム(OS)ユーザーをディスク・グループから削除します。
構文および説明
rmusr [-r] diskgroup user表12-65に、rmusrコマンドの構文オプションを示します。
表12-65 rmusrコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
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ユーザーの削除と同時に、そのユーザーが所有するディスク・グループ内のすべてのファイルを削除します。 |
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ユーザーが削除されるディスク・グループの名前を指定します。 |
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削除するユーザーの名前。 |
このコマンドを実行するにはSYSASM権限が必要です。
例
次に、rmusrコマンドの例を示します。この例では、dataディスク・グループからoracle2ユーザーを削除します。