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Oracle® Databaseユーザーズ・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSD
E49829-01
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B Oracle環境変数

この付録では、ORAENVファイルまたはPOSIXシェルに指定可能な変数について説明します。ORACLE_SIDおよびNLS_LANGなどのOracleのパラメータは、ORAENVファイルやPOSIXシェルに指定できます。ORAENVファイルを使用する場合、環境変数の指定で、次の項で説明するORAENVのルールに従う必要があります。POSIXシェルで環境変数を設定およびエクスポートするには、UNIXのルールに従う必要があります。

次の表に、3つのクラスに分類される変数について説明します。

クラス 説明
DBA これらは、データベースの管理に使用する変数です。ほとんどのDBA変数は、データベースの起動時にのみ評価されます。
USER これらは、通常のユーザーおよびDBAで指定できる変数です。特定のユーザーのORAENVファイルに、これらの変数が指定される場合、そのユーザーの環境のみが変更されます。
NET これらは、Oracle Net Servicesのコンポーネントに適用する変数です。これらの変数はDBAのORAENVファイルに含める必要があります。

これらの変数がどのクラス(または複数のクラス)に属するかについては、この付録の変数の説明に記載しています。

通常のユーザーのORAENVファイルに指定されたすべてのDBAまたはNET変数は、無視されます。

B.1 ORAENVのルール

ORAENVファイルを記述する際には、次の一般的なルールがあることを考慮する必要があります。

B.2 組込み変数

次の変数は常に定義され、他の変数の割当てで参照される場合があります。

B.2.1 LOGNAME

LOGNAME変数には、常に現在のBS2000ユーザーIDが含まれます。ORAENVファイルに別の値を割り当てて、この変数の値を変更することはできません。

B.2.2 ORAUID

この変数では、Oracle Databaseプログラム、インストールおよびデモンストレーション・ファイルがインストールされているBS2000ユーザーIDを指定します。初期値は、ORALOADリンク名から導出されます(ORALOADライブラリ名のユーザーIDの部分)。この値は通常は正しいですが、必要に応じてORAENVファイルに別の値を割り当てオーバーライドできます。

書式: ORAUID=$useridまたはORAUID=/BS2/$userid

B.2.3 PGM

PGM変数には、常に現在のSTART_PROGRAMプログラム名の最後の部分が含まれます。ORAENVファイルに別の値を割り当てて、この変数の値を変更することはできません。

B.2.4 TERM

TERM変数には、デフォルトがSNI9750である端末タイプが含まれます。このデフォルト値は通常は正しいですが、必要に応じてORAENVファイルに別の値を割り当てオーバーライドできます。

B.2.5 TSN

TSN変数には、現在のタスクのタスク順序番号が含まれます。ORAENVファイルに別の値を割り当てて、この変数の値を変更することはできません。

B.3 一般変数

次の変数は、Oracle DBAおよびユーザーによって一般に日常的に使用されるものです。

B.3.1 CLN_BASE

これらの変数は、CORENLSおよびNET用に顧客が記述したデータベース・アプリケーションの共有のコード・プールのアドレスを指定します。

書式:

CLN_BASE=address

分類:

USER

デフォルト:

CLN_BASE=37M

B.3.2 CLN_MPID

これらの変数は、CORENLSおよびNET用の顧客によって記述されたデータベース・アプリケーションの共有コード・プールの識別子を指定します。

書式:

CLN_MPID=sid

分類:

USER

デフォルト:

CLN_MPID=&ORASID

B.3.3 DEFAULT_CONNECTION

この変数は、ホスト文字列が指定されていないときの接続要求用のデフォルトのホスト文字列を提供します。常に同じデータベースに接続する場合、これを指定すると便利でしょう。この値には、@の文字の後に指定するすべてのものすべてを含める必要があります。

書式: DEFAULT_CONNECTION=host-string

分類: USER

例:

DEFAULT_CONNECTION=TNS:
(DESCRIPTION=
(ADDRESS=
(PROTOCOL=TCP)
(HOST=MADRID)
(PORT=1521))
(CONNECT_DATA=
(SERVICE_NAME=PROD)))

B.3.4 EXP_CLIB_FILE_IO

この変数は、エクスポート・ファイルをテープに記述する際、Exportユーティリティを使用してCライブラリの関数の問題を解決しようとするときにFALSEに設定する必要があります。

書式: EXP_CLIB_FILE_IO=FALSE

分類: USER

デフォルト: EXP_CLIB_FILE_IO=TRUE

B.3.5 IMP_CLIB_FILE_IO

この変数は、インポート・ファイルがテープから読み取られる際、Importユーティリティを使用してCライブラリの関数の問題を解決しようとするときにFALSEに設定する必要があります。

書式: IMP_CLIB_FILE_IO=FALSE

分類: USER

デフォルト: IMP_CLIB_FILE_IO=TRUE

B.3.6 NLS_LANG

この変数では、デフォルトの言語とキャラクタ・セットを指定します。次に例を示します。

NLS_LANG=GERMAN_GERMANY.D8BS2000

書式: NLS_LANG=language_territory.character-set

分類: USERDBA

デフォルト: NLS_LANG=AMERICAN_AMERICA.WE8BS2000

B.3.7 OPS_JID

この変数は、OS_AUTHENT_PREFIXとの連結に使用します(初期化パラメータを参照してください)。デフォルト値は、パラメータOS_AUTHENT_PREFIXの値を、BS2000ユーザーIDと連結します。OPS_JIDを使用すると、BS2000のジョブ名(/.jobname LOGON..)をかわりに使用することを指定できます。これは、多くのユーザーで1つのBS2000ユーザーIDを共有している場合に便利です。

書式: OPS_JID=userid/jobname

分類: DBA

デフォルト: userid

B.3.8 ORADUMP

この変数では、Oracle Databaseのダンプ・ファイルとユーザーのトレース出力を指定します。

書式: ORADUMP=dump-file

分類: USER、DBA

デフォルト: ORADUMP=OTRC.?.&TSN..&PGM..TRC

例:

ORADUMP=(SYSOUT)

この割当てにより、トレース出力は、SYSOUTにリダイレクトされます。

B.3.9 ORASID

この変数では、接続時にデータベース識別子が提供されなかった場合、使用されているデータベースを定義します。この変数では、ORACLE_SID変数のシノニムです。

書式: ORASID=sid (sidは、1 <=長さ<= 4のキャラクタ文字列です)

分類: USER、DBA


注意:

ORACLE_SID変数を使用することをお薦めします。

B.3.10 PRINTPAR

この変数では、SPOOL OUTスプール・ファイル用に発行された/PRINTコマンドのオプション変数を指定します。この変数を使用すると、ユーザーはスプールされたジョブを変更できたり、またたとえば、ジョブをリモートのプリンタにルートして、レーザー・プリンタ用に印刷オプションを追加するなどが実行できます。BS2000のスプール・ファイル用の/PRINTコマンドは、次のように発行します。

/PRINT temp.spoolfile,&PRINTPAR

書式: PRINTPAR=print-options

分類: USER

B.3.11 SQLPATH

この変数では、SQL*Plusがコマンド・ファイルを探すパスを指定します。パスの要素はセミコロン(;)で区切ります。次に例を示します。

SQLPATH=PRIVATE;$ORAC1120

このように割り当てると、SQL*Plusはfilename.SQLを探し、続いてPRIVATE.filename.SQLを、そして最後に$ORAC1120.filename.SQLを探します。

書式: SQLPATH=search-path

分類: USER、DBA

B.3.12 SSSIDPWF

この変数では、リモート・インスタンスの起動用のパスワード・ファイルを指定します。詳細は、『Oracle Databaseインストレーションおよび構成ガイドfor Fujitsu BS2000/OSD』のOracle Databaseの管理に関する説明を参照してください。

書式: SSSIDPWF=password-file

分類: DBA

B.4 DBAの起動変数

次の変数は、データベースおよびネットワークの起動時に使用します。これらは、初期化ファイルに含まれる変数を補い(また場合によってはデフォルトを提供し)ます。

データベースの起動およびシャットダウン、バックグラウンド・ジョブ、ネットワーク・ジョブはすべてORAENVファイルを参照するようにして、変数が一貫性を持つようにする必要があります。

次の項に示すデフォルト値は、多くは出荷時に設定されているDEMO.P.ORAENVを設定してオーバーライドできる、組込みのデフォルトです。

B.4.1 アドレスおよびサイズ仕様

この項で説明する変数のいくつかは、メモリー・アドレスおよびサイズを定義します。これらの項目を指定する場合、次に注意してください。

  • 修飾子のない数値は、10進数に変換されます

  • KまたはMの前の数値は、それぞれ1024または1048576 (1024*1024)を掛けた10進数に解釈されます

  • 一重引用符で囲まれ、先頭にXの文字がある数値は、16進数として解釈されます

たとえば、次はすべてKNL_BASE変数を8Mに設定します。

KNL_BASE=8M
KNL_BASE=8388608
KNL_BASE=X'800000'

B.4.2 BGJPAR

この変数では、バックグラウンド・ジョブの起動時に使用されるENTER-PROCEDUREコマンドのパラメータを指定します。ENTER-PROCEDUREコマンドは、次のようにジョブを発行する際に使用します。

.jobname ENTER-PROCEDURE jobfile, &BGJPAR

書式: BGJPAR=parameters

分類: DBA


注意:

BGJPAR変数は、インストール処理により設定されます。

B.4.3 BGJPRC_UID / BGJPRC_SID

これらの変数は、バックグラウンド入力ジョブのファイルのユーザーIDおよびorasidを指定します。特殊な入力ジョブ・ファイルを使用する必要がある場合は、必要なuseridおよびorasidにパラメータを設定する必要があります。

書式:

BGJPRC_UID=$userid
BGJPRC_SID=sid

分類: DBA, NET

デフォルト:

BGJPRC_UID=&ORAUID
BGJPRC_SID=DEMO

B.4.4 BGJ_LOG_JOBSTART

この変数は、新しいジョブが受け入れられたというオペレーティング・システム・メッセージをSYSOUTに記録するかどうかを指定ます。

書式: BGJ_LOG_JOBSTART=Y/N

分類: DBAUSERNET

デフォルト: BGJ_LOG_JOBSTART=N

B.4.5 sid_BGJPAR

この変数では、SIDで指定されたインスタンス用のサーバー・プロセスを起動するためのENTER-PROCEDUREコマンドで使用されるパラメータを指定します。

書式: sid_BGJPAR=parameters

構文: sidは、最大で4の英数字で構成される文字列です

parametersは、BS2000/OSDのコマンドで説明されているENTER-PROCEDUREコマンドのパラメータです

分類: DBAUSERNET

B.4.6 sid_USER

この変数では、SIDによって割り当てられたインスタンスが存在するUSER-IDを指定します。

書式: sid_USER=userid

構文: sidは、最大で4の英数字で構成される文字列です

useridは、BS2000/OSD USER-IDのルールに準拠する最大8文字の英数字の文字列です

分類: DBAUSERNET

B.4.7 user_ACCOUNT/ user_PASSWORD

user_ACCOUNTまたはuser_PASSWORDでは、プロセスを起動するためにENTER-PROCEDUREコマンドによって使用されるUSER-IDの資格証明を定義します。

書式: user_ACCOUNT=account

user_PASSWORD=password

構文: userは、BS2000/OSD USER-IDのルールに準拠し、パラメータsid_USERによって定義されるUSER-IDに一致する必要のある、最大で8文字の英数字です

accountは、BS2000/OSDのアカウント番号のルールに準拠する最大8文字の英数字の文字列です

passwordは、BS2000/OSDのパスワードのルールに準拠する最大8文字の英数字の文字列です

分類: DBA, NET

B.4.8 COM_MPID

このパラメータは、CORENLSおよびNET用のOracleインスタンス用の共有コード・プールの識別子を指定します。

書式: COM_MPID=sid

分類: DBA

デフォルト: COM_MPID=&ORASID

B.4.9 COM_BASE

このパラメータでは、COREおよびNLS用のOracleインスタンスの共有コード・プールのアドレスを指定します。

書式: COM_BASE=address

分類: DBA

デフォルト: COM_BASE=37M

B.4.10 JOBID

この変数は、バックグラウンド・タスクの識別とタスク固有の名前の生成のために、内部で使用されます。いくつかの場所に記載されていますが、ご自身では指定しないでください。

分類: DBA

B.4.11 KNL_BASE

この変数は、メモリー内に共有メモリー・プールがマップされるベース・アドレスを提供します。これはメガバイト単位の整数である必要があります。

書式: KNL_BASE=address

分類: DBA

デフォルト: KNL_BASE=72M

B.4.12 ORACLE_HOME

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアのインストールを含むPOSIXファイル・システム内のディレクトリです。

書式: ORACLE_HOME=/path-name

分類: DBAUSER

B.4.13 PGA_BASE

この変数では、PGAの固定部分のベース・アドレスを指定します。PGAは、タスクに固有ですが、カーネルがアクセスできるように固定のメモリー・アドレスに配置する必要があります。ベース・アドレスは64KBの境界に存在する必要があります。

書式: PGA_BASE=address

分類: DBA

デフォルト: PGA_BASE=189M


注意:

PGA_BASEの値は、共有のカーネルがすでにロードされている場合、カーネルより取得されます。

B.4.14 PGA_SIZE

この変数では、PGAの固定部分のサイズを指定します。この変数は、デフォルト値から変更しないようにする必要があります。

書式: PGA_SIZE=size

分類: DBA

デフォルト: PGA_SIZE=64K


注意:

PGA_SIZEの値は、共有のカーネルがすでにロードされている場合、カーネルより取得されます。

B.4.15 SF_PBLKSIZE

この変数では、redoログ・ファイルの物理ブロックサイズを指定します。

書式: SF_PBLKSIZE=2K|4K

分類: DBA

デフォルト: 2K


注意:

この変数は、データベースの作成後は変更できません。デフォルトとは異なる値を指定すると、それ以降のすべてのコールでそれを指定する必要があります。

B.4.16 SGA_BASE

この変数は、SGAがメモリー内でマップされている場所のアドレスを指定し、メガバイト境界を表す必要があります。

書式: SGA_BASE=address

分類: DBA

デフォルト: SGA_BASE=190M


注意:

SGA_BASEの値は、共有のカーネルがすでにロードされている場合、カーネルより読み取られます。対応するSGA_SIZE変数はありません(SGAメモリー・プールのサイズは、データベースの起動時に計算されます)。

B.5 Oracle Net Servicesの変数

次にOracle Net Servicesの変数を示します。

B.5.1 BREAK_HANDLING

この変数は、ネットワークを介してブレークを送信するユーザーの割込みの信号ルーチンを解除します。割込みは[K2]キーを押すことによって解除できます。

書式:

BREAK_HANDLING=ON|OFF

分類:

DBAUSERNET

デフォルト:

BREAK_HANDLING=ON

B.5.2 TNS_ADMIN

この変数では、Oracle Net Servicesの構成ファイルのユーザーID(たとえば、LISTENER.ORATNSNAMES.ORAおよびSQLNET.ORA)を指定します。TNS_ADMINが定義されていない場合、プレフィックスNETWORK.ADMINを使用して、ローカル・ユーザーIDの下で構成ファイルが検索されます。

書式: TNS_ADMIN=$userid

分類: DBAUSERNET

B.5.3 TNS_BEQ_TIMEOUT

この変数では、親および子プロセス間に接続がなくなってから、それらの間の接続を閉じる時間を指定します。

書式: TNS_BEQ_TIMEOUT=lifetime (in seconds)

分類: NET

デフォルト: TNS_BEQ_TIMEOUT=180

B.5.4 TNS_UPDATE_IPNODE

この変数では、常にサーバーのIP-Node名とIP-Nodeアドレスに変換するようOracle Netソフトウェアを強制します。

書式: TNS_UPDATE_IPNODE=TRUE/FALSE

分類: NET

デフォルト: TNS_UPDATE_IPNODE=FALSE