この付録では、Application Developerをコマンドラインからサイレント・モードでインストールする方法について説明します。この付録の内容は次のとおりです。
サイレント・インストールでは、グラフィック出力がなく、ユーザー入力も要求されないため、Application Developerのインストールを監視する必要がありません。
Application Developerのサイレント・インストールは、レスポンス・ファイルでインストーラに情報を指定し、コマンドラインで-silentフラグを使用することにより実行します。レスポンス・ファイルとは、インストーラ・プロンプトへの応答を指定する変数とパラメータからなるテキスト・ファイルです。
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注意: UNIXユーザーは、初めてApplication Developerをインストールする場合、開始前にoraInst.locファイルを作成する必要があります。詳細は、第D.3.1項「UNIXユーザー対象: oraInst.locファイルの作成」を参照してください。
Application Developerのインストールが終了したら、 |
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注意: Windowsユーザーは、初めてApplication Developerをインストールする場合、開始前にレジストリ・キーを作成する必要があります。レジストリ・キーの作成方法の詳細は、第D.3.2項「Windowsユーザー対象: レジストリ・キーの作成」を参照してください。 |
サイレント・インストールを実行する前に、レスポンス・ファイルでインストール固有の情報を指定する必要があります。正しく構成されていないレスポンス・ファイルを使用してインストールを実行しようとすると、インストーラは失敗します。レスポンス・ファイルは、テキスト・エディタで作成または編集できるテキスト・ファイルです。
sampleResponse.rspと呼ばれるレスポンス・ファイルのサンプルは、インストールCD-ROMのDisk1/stage/Response(UNIXの場合)またはDisk1\stage\Response(Windowsの場合)ディレクトリにあります。このレスポンス・ファイルを使用してApplication Developerをインストールした後でも、構成ウィザードを実行して、ソフトウェアを構成する必要があります。
このファイルに指定する必要があるパラメータは、ORACLE_HOMEとMIDDLEWARE_HOMEのみです。このファイルの内容を確認するには、第D.2.1項「sampleResponse.rspファイルの内容」を参照してください。
sampleResponse.rspファイルの内容この項では、UNIXシステムに配置されるDisk1/stage/Response/sampleResponse.rspレスポンス・ファイルの内容を示します。
[ENGINE] #DO NOT CHANGE THIS. Response File Version=1.0.0.0.0 [GENERIC] #Provide the Oracle Home location. The location has to be the immediate child under the specified Middleware Home location. The Oracle Home directory name may only contain alphanumeric , hyphen (-) , dot (.) and underscore (_) characters, and it must begin with an alphanumeric character. The total length has to be less than or equal to 128 characters. The location has to be an empty directory or a valid Application Developer Oracle Home. ORACLE_HOME=/home/Oracle/Middleware/Oracle_APPDEV1 #Provide existing Middleware Home location. MIDDLEWARE_HOME=/home/Oracle/Middleware [SYSTEM] [APPLICATIONS] [RELATIONSHIPS]
独自のレスポンス・ファイルを作成するには、次の2とおりの方法があります。
sampleResponse.rspファイルをテンプレートとして使用して、システム上の任意の場所にコピーします。必要に応じて内容を変更して、サイレント・インストールに使用することができます。
インストールGUIを実行して、「インストールの概要」画面で「保存」をクリックします。このレスポンス・ファイルの名前と作成場所を入力するように求められます。作成されたら、そのファイルを使用して、まったく同じインストールを他のシステムにレプリケートしたり、必要に応じてインストールを修正できます。
この項では、サイレント・インストールの実行前に必要となる可能性のある事前タスクについて説明します。
この項の内容は次のとおりです。
oraInst.locファイルの作成Oracleインベントリ・ディレクトリは、コンピュータにインストールされているすべてのOracle製品を記録するためにインストーラによって使用されます。このインベントリ・ディレクトリは、oraInst.locというファイルに格納されています。このファイルがシステムにない場合は、サイレント・インストールを開始する前に作成する必要があります。このファイルはインストーラで使用されます。
rootユーザーとしてログインします。
prompt> su
viやemacsなどのテキスト・エディタを使用して、任意のディレクトリにoraInst.locファイルを作成します。このファイルは、次の2行で構成されています。
inventory_loc=oui_inventory_directory inst_group=oui_install_group
oui_inventory_directoryを、インベントリ・ディレクトリの作成先ディレクトリのフルパスに置き換えます。次に、oui_install_groupを、このディレクトリへの書込み権限を持つメンバーのグループ名に置き換えます。
rootユーザーからログアウトします。
# exit
コンピュータにまだApplication Developerがインストールされていない場合は、次のレジストリ・キーと値を作成する必要があります。
HKEY_LOCAL_MACHINE / SOFTWARE / Oracle / inst_loc = [inventory_directory]
Inventory_Directoryを、インストーラ・ファイルのフルパスに置き換えます。次に例を示します。
C:Program Files\Oracle\Inventory
UNIXシステムの場合、コマンドラインからインストーラを実行するための構文は次のようになります。
runInstaller [-mode] [-options] [(<CommandLinevariable=Value>)*]
Windowsシステム:
setup.exe [-mode] [-options] [(<CommandLinevariable=Value>)*]
表D-1 インストーラのコマンドライン・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
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インストール・モード: 指定できるモードは1つのみ |
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インストーラをGUIモードで起動します。これはデフォルトのモードで、コマンドラインでモードが指定されていない場合に使用されます。 |
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サイレント・モードでインストールします。レスポンス・ファイルまたはコマンドラインの変数値の組合せをインストーラに渡す必要があります。 |
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削除を実行するインストーラをGUIモードで起動します。 |
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インストーラをGUIモードで起動しますが、前提条件のみをチェックします。ソフトウェアはインストールしません。 |
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インストーラをGUIモードで起動して、前提条件チェックと妥当性チェックをすべて実行しますが、ソフトウェアはインストールしません。 |
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前提条件チェックと妥当性チェックをすべてサイレント・モードで実行します。レスポンス・ファイルまたは一連のコマンドラインの変数値の組合せをインストーラに渡す必要があります。 |
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インストール・オプション |
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インベントリの場所ファイルへのポインタ。ファイルには、 |
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レスポンス・ファイルへのポインタ。ファイルには、レスポンス・ファイルのフルパスと名前を代入します。 |
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Java Runtime Environment(JRE)のインストール場所へのポインタ。場所には、JREのインストール先となる |
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インストーラによって実行されるロギングのレベルを指定します。指定したレベルよりも優先度の低いメッセージはすべて記録されます。有効なレベルは次のとおりです。
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インストーラからデバッグ情報を取得します。 |
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空ではないディレクトリでサイレント・インストールを続行できます。 |
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ディスク使用量に関するデバッグ情報をログに記録します。 |
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メモリー使用量に関するデバッグ情報をログに記録します。 |
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時間の使用に関するデバッグ情報をログに記録します。このコマンドを使用すると、 |
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Windowsのみ: インストーラはJavaエンジンを作成して終了するのではなく、完了するまで待機します。 |
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コンソール・ウィンドウにメッセージを表示しません。 |
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システムの前提条件チェックの結果を無視してインストールを続行します。 |
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システムの前提条件チェックのみを実行して終了します。 |
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インストーラで実行される妥当性チェックをすべて無効にします。 |
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GUIインストールでは、情報やデフォルト値が事前に移入されている画面がいくつかあります。このオプションを指定すると、この動作が無効になるため、情報や値は事前に移入されません。 |
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コマンドライン変数 |
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インストーラ変数 |
インストーラ変数は、 UNIXシステムの例 ORACLE_HOME=/home/Oracle/Middleware/Oracle_APPDEV1 Windowsシステムの例 ORACLE_HOME=C:\Products\Oracle\Middleware\Oracle_APPDEV1 |
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セッション変数 |
セッション変数は、 |
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コンポーネント変数 |
コンポーネント変数は、 |
UNIXシステムでは、システムで初めてインストールを行う(つまり、Oracleインベントリの場所がまだ作成されていない)場合は、次のコマンドを使用してサイレント・インストールを実行します。
./runInstaller -silent -response file -invPtrLoc file
Windowsシステム:
setup.exe -silent -response file -invPtrLoc file
UNIXシステムでは、このコマンドの詳細な使用例は次のようになります。
./runInstaller -silent -response /home/Oracle/response/appdev_inst.rsp -invPtrLoc /home/jdoe/oraInst.loc
Windows:
setup.exe -silent -response C:\home\Oracle\response\appdev_inst.rsp -invPtrLoc c:\home\Oracle\oraInst.loc
UNIXシステムでは、すでにOracle製品がインストールされていて、インベントリの場所を指定する必要がない場合は、次のようなコマンドを使用できます。
./runInstaller -silent -response file
Windowsシステム:
setup.exe -silent -response file
UNIXシステムでは、このコマンドの詳細な使用例は次のようになります。
./runInstaller -silent -response /home/Oracle/response/appdev_inst.rsp
Windows:
setup.exe -silent -response c:\home\Oracle\response\appdev_inst.rsp
次のサンプルは、sampleResponse.rspテンプレートを使用してサイレント・インストールを実行した場合の出力を示しています。
$ ./runInstaller -jreLoc /home/Oracle/Middleware/jdk160_11/ -silent -response /home/Oracle/response/sampleResponse.rsp Platform is Linux X86 32 bit Starting Oracle Universal Installer... Checking if CPU speed is above 300 MHz. Actual 2999 MHz Passed Checking Temp space: must be greater than 150 MB. Actual 69795 MB Passed Checking swap space: must be greater than 512 MB. Actual 4029 MB Passed Preparing to launch Oracle Universal Installer from /tmp/OraInstall2009-04-22_12-35-31PM. Please wait ...[user@system Disk1]$ Log: /home/Oracle/oraInventory/logs/install2009-04-22_12-35-31PM.log Copyright © 1999, 2009, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Reading response file.. Expected result: One of enterprise-4,enterprise-5,redhat-4,redhat-5,SuSE-10 Actual Result: enterprise-4 Check complete. The overall result of this check is: Passed CertifiedVersions Check: Success. Checking for gcc-3.4.3-22.1; found gcc-3.4.6-10.0.1-i386. Passed Checking for gcc-c++-3.4.3-22.1; found gcc-c++-3.4.6-10.0.1-i386. Passed Checking for openmotif21-2.1.30-11.RHEL4.4 ; found openmotif21-2.1.30-11.0.1.RHEL4.6-i386. Passed Checking for setarch-1.6-1; found setarch-1.6-1-i386. Passed Checking for pdksh-5.2.14-30; found pdksh-5.2.14-30.6-i386. Passed Checking for sysstat-5.0.5-1; found sysstat-5.0.5-19.el4-i386. Passed Checking for gnome-libs-1:1.4.1.2.90-44.1; found gnome-libs-1:1.4.1.2.90-44.2-i386. Passed Checking for libstdc++-3.4.3-22.1 ; found libstdc++-3.4.6-10.0.1-i386. Passed Checking for libstdc++-devel-3.4.3-22.1; found libstdc++-devel-3.4.6-10.0.1-i386. Passed Checking for compat-libstdc++-296-2.96-132.7.2; found compat-libstdc++-296-2.96-132.7.2-i386. Passed Checking for compat-db-4.1.25-9; found compat-db-4.1.25-9-i386. Passed Checking for control-center-2.8.0-12; found control-center-1:2.8.0-12.rhel4.5-i386. Passed Checking for glibc-common-2.3.4-2.9; found glibc-common-2.3.4-2.41-i386. Passed Checking for binutils-2.15.92.0.2-13; found binutils-2.15.92.0.2-25-i386. Passed Checking for make-1:3.80-5; found make-1:3.80-7.EL4-i386. Passed Checking for xscreensaver-4.18-5.rhel4.2; found xscreensaver-1:4.18-5.rhel4.14.0.1-i386. Passed Check complete. The overall result of this check is: Passed Packages Check: Success. Checking for VERSION=2.6.9; found VERSION=2.6.9-78.0.0.0.1.ELxenU. Passed Checking for hardnofiles=4096; found hardnofiles=4096. Passed Checking for softnofiles=4096; found softnofiles=4096. Passed Check complete. The overall result of this check is: Passed Kernel Check: Success. Expected result: ATLEAST=2.3.4-2.19 Actual Result: 2.3.4-2.41 Check complete. The overall result of this check is: Passed GLIBC Check: Success. Expected result: 922MB Actual Result: 4000MB Check complete. The overall result of this check is: Passed TotalMemory Check: Success. Verifying data...... Copying Files... -----------20%----------40%----------60%----------80%--------100% The installation of Oracle Application Developer 11g completed successfully.