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Oracle Fusion Middleware Application Developerインストレーション・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B55932-01
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D サイレント・インストール

この付録では、Application Developerをコマンドラインからサイレント・モードでインストールする方法について説明します。この付録の内容は次のとおりです。

D.1 サイレント・インストールとは

サイレント・インストールでは、グラフィック出力がなく、ユーザー入力も要求されないため、Application Developerのインストールを監視する必要がありません。

Application Developerのサイレント・インストールは、レスポンス・ファイルでインストーラに情報を指定し、コマンドラインで-silentフラグを使用することにより実行します。レスポンス・ファイルとは、インストーラ・プロンプトへの応答を指定する変数とパラメータからなるテキスト・ファイルです。


注意:

UNIXユーザーは、初めてApplication Developerをインストールする場合、開始前にoraInst.locファイルを作成する必要があります。詳細は、第D.3.1項「UNIXユーザー対象: oraInst.locファイルの作成」を参照してください。

Application Developerのインストールが終了したら、root.shスクリプトをrootユーザーとして実行する必要があります。root.shスクリプトを実行すると環境変数の設定が検出されるので、ローカルのbinディレクトリのフルパスを入力できるようになります。



注意:

Windowsユーザーは、初めてApplication Developerをインストールする場合、開始前にレジストリ・キーを作成する必要があります。レジストリ・キーの作成方法の詳細は、第D.3.2項「Windowsユーザー対象: レジストリ・キーの作成」を参照してください。

D.2 レスポンス・ファイルの作成

サイレント・インストールを実行する前に、レスポンス・ファイルでインストール固有の情報を指定する必要があります。正しく構成されていないレスポンス・ファイルを使用してインストールを実行しようとすると、インストーラは失敗します。レスポンス・ファイルは、テキスト・エディタで作成または編集できるテキスト・ファイルです。

sampleResponse.rspと呼ばれるレスポンス・ファイルのサンプルは、インストールCD-ROMのDisk1/stage/Response(UNIXの場合)またはDisk1\stage\Response(Windowsの場合)ディレクトリにあります。このレスポンス・ファイルを使用してApplication Developerをインストールした後でも、構成ウィザードを実行して、ソフトウェアを構成する必要があります。

このファイルに指定する必要があるパラメータは、ORACLE_HOMEMIDDLEWARE_HOMEのみです。このファイルの内容を確認するには、第D.2.1項「sampleResponse.rspファイルの内容」を参照してください。

D.2.1 sampleResponse.rspファイルの内容

この項では、UNIXシステムに配置されるDisk1/stage/Response/sampleResponse.rspレスポンス・ファイルの内容を示します。

[ENGINE]

#DO NOT CHANGE THIS.
Response File Version=1.0.0.0.0

[GENERIC]

#Provide the Oracle Home location. The location has to be the immediate child under the specified Middleware Home location. The Oracle Home directory name may only contain alphanumeric , hyphen (-) , dot (.) and underscore (_) characters, and it must begin with an alphanumeric character. The total length has to be less than or equal to 128 characters. The location has to be an empty directory or a valid Application Developer Oracle Home.
ORACLE_HOME=/home/Oracle/Middleware/Oracle_APPDEV1

#Provide existing Middleware Home location.
MIDDLEWARE_HOME=/home/Oracle/Middleware


[SYSTEM]


[APPLICATIONS]


[RELATIONSHIPS]

D.2.2 独自のレスポンス・ファイルの作成

独自のレスポンス・ファイルを作成するには、次の2とおりの方法があります。

  • sampleResponse.rspファイルをテンプレートとして使用して、システム上の任意の場所にコピーします。必要に応じて内容を変更して、サイレント・インストールに使用することができます。

  • インストールGUIを実行して、「インストールの概要」画面で「保存」をクリックします。このレスポンス・ファイルの名前と作成場所を入力するように求められます。作成されたら、そのファイルを使用して、まったく同じインストールを他のシステムにレプリケートしたり、必要に応じてインストールを修正できます。

D.2.3 サイレント・インストールの保護

レスポンス・ファイルには、インストーラに必要な特定のパスワードが記述されています。レスポンス・ファイル内のこれらのパスワードに関係するセキュリティ問題を最小限に抑えるには、次のガイドラインに従います。

  • サイレント・インストールを実行するオペレーティング・システム・ユーザーのみがファイルを開けるように、レスポンス・ファイルに権限を設定します。

  • 可能であれば、インストールが完了した後、レスポンス・ファイルをシステムから削除します。

D.3 インストール前のタスク

この項では、サイレント・インストールの実行前に必要となる可能性のある事前タスクについて説明します。

この項の内容は次のとおりです。

D.3.1 UNIXユーザー対象: oraInst.locファイルの作成

Oracleインベントリ・ディレクトリは、コンピュータにインストールされているすべてのOracle製品を記録するためにインストーラによって使用されます。このインベントリ・ディレクトリは、oraInst.locというファイルに格納されています。このファイルがシステムにない場合は、サイレント・インストールを開始する前に作成する必要があります。このファイルはインストーラで使用されます。

  1. rootユーザーとしてログインします。

    prompt> su
    
  2. viやemacsなどのテキスト・エディタを使用して、任意のディレクトリにoraInst.locファイルを作成します。このファイルは、次の2行で構成されています。

    inventory_loc=oui_inventory_directory
    inst_group=oui_install_group
    

    oui_inventory_directoryを、インベントリ・ディレクトリの作成先ディレクトリのフルパスに置き換えます。次に、oui_install_groupを、このディレクトリへの書込み権限を持つメンバーのグループ名に置き換えます。

  3. rootユーザーからログアウトします。

    # exit
    

D.3.2 Windowsユーザー対象: レジストリ・キーの作成

コンピュータにまだApplication Developerがインストールされていない場合は、次のレジストリ・キーと値を作成する必要があります。

HKEY_LOCAL_MACHINE / SOFTWARE / Oracle / inst_loc = [inventory_directory]

Inventory_Directoryを、インストーラ・ファイルのフルパスに置き換えます。次に例を示します。

C:Program Files\Oracle\Inventory

D.4 サイレント・インストールの手順

UNIXシステムの場合、コマンドラインからインストーラを実行するための構文は次のようになります。

runInstaller [-mode] [-options] [(<CommandLinevariable=Value>)*]

Windowsシステム:

setup.exe [-mode] [-options] [(<CommandLinevariable=Value>)*]

表D-1 インストーラのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 説明

インストール・モード: 指定できるモードは1つのみ

-i

-install

インストーラをGUIモードで起動します。これはデフォルトのモードで、コマンドラインでモードが指定されていない場合に使用されます。

-silent

サイレント・モードでインストールします。レスポンス・ファイルまたはコマンドラインの変数値の組合せをインストーラに渡す必要があります。

-d

-deinstall

削除を実行するインストーラをGUIモードで起動します。

-p

-prerequisite

インストーラをGUIモードで起動しますが、前提条件のみをチェックします。ソフトウェアはインストールしません。

-v

-validate

インストーラをGUIモードで起動して、前提条件チェックと妥当性チェックをすべて実行しますが、ソフトウェアはインストールしません。

-sv

-silentvalidate

前提条件チェックと妥当性チェックをすべてサイレント・モードで実行します。レスポンス・ファイルまたは一連のコマンドラインの変数値の組合せをインストーラに渡す必要があります。

インストール・オプション

-help

--help

--usage

runInstallerコマンドの使用パラメータを表示します。

-invPtrLoc ファイル

インベントリの場所ファイルへのポインタ。ファイルには、oraInst.locファイルのフルパスと名前を代入します。

-response ファイル

-responseFile ファイル

レスポンス・ファイルへのポインタ。ファイルには、レスポンス・ファイルのフルパスと名前を代入します。

-jreLoc 場所

Java Runtime Environment(JRE)のインストール場所へのポインタ。場所には、JREのインストール先となるjreディレクトリのフルパスを代入します。

-logLevel レベル

インストーラによって実行されるロギングのレベルを指定します。指定したレベルよりも優先度の低いメッセージはすべて記録されます。有効なレベルは次のとおりです。

  • 重度

  • 警告

  • 情報

  • 構成

  • 詳細

  • 最も詳細

-debug

インストーラからデバッグ情報を取得します。

-force

空ではないディレクトリでサイレント・インストールを続行できます。

-printdiskusage

ディスク使用量に関するデバッグ情報をログに記録します。

-printmemory

メモリー使用量に関するデバッグ情報をログに記録します。

-printtime

時間の使用に関するデバッグ情報をログに記録します。このコマンドを使用すると、timeTakentimestamp.logファイルが作成されます。

-waitforcompletion

Windowsのみ: インストーラはJavaエンジンを作成して終了するのではなく、完了するまで待機します。

-noconsole

コンソール・ウィンドウにメッセージを表示しません。

-ignoreSysPrereqs

システムの前提条件チェックの結果を無視してインストールを続行します。

-executeSysPrereqs

システムの前提条件チェックのみを実行して終了します。

-paramFile ファイル

oraparam.iniファイルのフルパスを指定します。このファイルはインストーラの初期化ファイルです。このファイルのデフォルトの場所は、Disk1/install/プラットフォーム(UNIXの場合)またはDisk1\install\プラットフォーム(Windowsの場合)です。

-novalidation

インストーラで実行される妥当性チェックをすべて無効にします。

-nodefaultinput

GUIインストールでは、情報やデフォルト値が事前に移入されている画面がいくつかあります。このオプションを指定すると、この動作が無効になるため、情報や値は事前に移入されません。

コマンドライン変数

インストーラ変数

インストーラ変数は、varName=を使用して指定します。

UNIXシステムの例

ORACLE_HOME=/home/Oracle/Middleware/Oracle_APPDEV1

Windowsシステムの例

ORACLE_HOME=C:\Products\Oracle\Middleware\Oracle_APPDEV1

セッション変数

セッション変数は、session:varName=を使用して指定します。

コンポーネント変数

コンポーネント変数は、session:compInternalName:[Version:]varName=を使用して指定します。


D.4.1 サンプル・コマンド

UNIXシステムでは、システムで初めてインストールを行う(つまり、Oracleインベントリの場所がまだ作成されていない)場合は、次のコマンドを使用してサイレント・インストールを実行します。

./runInstaller -silent -response file -invPtrLoc file

Windowsシステム:

setup.exe -silent -response file -invPtrLoc file

UNIXシステムでは、このコマンドの詳細な使用例は次のようになります。

./runInstaller -silent -response /home/Oracle/response/appdev_inst.rsp -invPtrLoc /home/jdoe/oraInst.loc

Windows:

setup.exe -silent -response C:\home\Oracle\response\appdev_inst.rsp -invPtrLoc c:\home\Oracle\oraInst.loc

UNIXシステムでは、すでにOracle製品がインストールされていて、インベントリの場所を指定する必要がない場合は、次のようなコマンドを使用できます。

./runInstaller -silent -response file

Windowsシステム:

setup.exe -silent -response file

UNIXシステムでは、このコマンドの詳細な使用例は次のようになります。

./runInstaller -silent -response /home/Oracle/response/appdev_inst.rsp

Windows:

setup.exe -silent -response c:\home\Oracle\response\appdev_inst.rsp

D.4.2 サンプル出力

次のサンプルは、sampleResponse.rspテンプレートを使用してサイレント・インストールを実行した場合の出力を示しています。

$ ./runInstaller -jreLoc /home/Oracle/Middleware/jdk160_11/ -silent -response /home/Oracle/response/sampleResponse.rsp
Platform is Linux X86 32 bit
Starting Oracle Universal Installer...

Checking if CPU speed is above 300 MHz.    Actual 2999 MHz    Passed
Checking Temp space: must be greater than 150 MB.   Actual 69795 MB    Passed
Checking swap space: must be greater than 512 MB.   Actual 4029 MB    Passed
Preparing to launch Oracle Universal Installer from /tmp/OraInstall2009-04-22_12-35-31PM. Please wait ...[user@system Disk1]$ Log: /home/Oracle/oraInventory/logs/install2009-04-22_12-35-31PM.log
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Reading response file..
Expected result: One of enterprise-4,enterprise-5,redhat-4,redhat-5,SuSE-10
Actual Result: enterprise-4
Check complete. The overall result of this check is: Passed
CertifiedVersions Check: Success.
Checking for gcc-3.4.3-22.1; found gcc-3.4.6-10.0.1-i386.       Passed
Checking for gcc-c++-3.4.3-22.1; found gcc-c++-3.4.6-10.0.1-i386.       Passed
Checking for openmotif21-2.1.30-11.RHEL4.4 ; found openmotif21-2.1.30-11.0.1.RHEL4.6-i386.      Passed
Checking for setarch-1.6-1; found setarch-1.6-1-i386.   Passed
Checking for pdksh-5.2.14-30; found pdksh-5.2.14-30.6-i386.     Passed
Checking for sysstat-5.0.5-1; found sysstat-5.0.5-19.el4-i386.  Passed
Checking for gnome-libs-1:1.4.1.2.90-44.1; found gnome-libs-1:1.4.1.2.90-44.2-i386.     Passed
Checking for libstdc++-3.4.3-22.1 ; found libstdc++-3.4.6-10.0.1-i386.  Passed
Checking for libstdc++-devel-3.4.3-22.1; found libstdc++-devel-3.4.6-10.0.1-i386.       Passed
Checking for compat-libstdc++-296-2.96-132.7.2; found compat-libstdc++-296-2.96-132.7.2-i386.   Passed
Checking for compat-db-4.1.25-9; found compat-db-4.1.25-9-i386. Passed
Checking for control-center-2.8.0-12; found control-center-1:2.8.0-12.rhel4.5-i386.     Passed
Checking for glibc-common-2.3.4-2.9; found glibc-common-2.3.4-2.41-i386.        Passed
Checking for binutils-2.15.92.0.2-13; found binutils-2.15.92.0.2-25-i386.       Passed
Checking for make-1:3.80-5; found make-1:3.80-7.EL4-i386.       Passed
Checking for xscreensaver-4.18-5.rhel4.2; found xscreensaver-1:4.18-5.rhel4.14.0.1-i386.        Passed
Check complete. The overall result of this check is: Passed
Packages Check: Success.
Checking for VERSION=2.6.9; found VERSION=2.6.9-78.0.0.0.1.ELxenU.      Passed
Checking for hardnofiles=4096; found hardnofiles=4096.  Passed
Checking for softnofiles=4096; found softnofiles=4096.  Passed
Check complete. The overall result of this check is: Passed
Kernel Check: Success.
Expected result: ATLEAST=2.3.4-2.19
Actual Result: 2.3.4-2.41
Check complete. The overall result of this check is: Passed
GLIBC Check: Success.
Expected result: 922MB
Actual Result: 4000MB
Check complete. The overall result of this check is: Passed
TotalMemory Check: Success.
Verifying data......
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