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Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B56238-01
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43 SOAコンポジット・アプリケーションのデプロイ

この章では、Oracle JDeveloperおよびスクリプト・ツールを使用してSOAコンポジット・アプリケーションをデプロイする方法、および構成プランを作成する方法について説明します。構成プランを使用すると、開発、テストおよび本番環境の間でSOAコンポジット・アプリケーションを移動できるため、各環境のURLおよびプロパティを再定義する必要はありません。

項目は次のとおりです。

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlコンソールからSOAコンポジット・アプリケーションをデプロイする手順については、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイド』を参照してください。


注意:

Oracle JDeveloperから双方向のSSL対応Oracle WebLogic Serverへのデプロイメントは、サポートされていません。

43.1 アプリケーション・サーバー接続の作成

SOAコンポジット・アプリケーションのデプロイ先となる、Oracle WebLogic Serverへの接続を作成する必要があります。

アプリケーション・サーバー接続を作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」メイン・メニューから、「新規」を選択します。

  2. 「一般」リストから、「接続」を選択します。

  3. 「アプリケーション・サーバー接続」を選択し、「OK」をクリックします。

  4. 「接続名」フィールドに、接続の名前を入力します。

  5. 「接続タイプ」リストから、「WebLogic 10.3」を選択します。

  6. 「次へ」をクリックします。

  7. 「ユーザー名」フィールドに、アプリケーション・サーバーにアクセスする権限があるユーザーを入力します。

  8. 「パスワード」フィールドに、このユーザーのパスワードを入力します。

  9. 「次へ」をクリックします。

  10. Weblogicホスト名フィールドに、Oracle WebLogic Serverがインストールされているホストを入力します。

  11. 「ポート」および「SSLポート」フィールドに、適切なポート値を入力します。

  12. SSLを使用する場合は、「常にSSLを使用」チェック・ボックスを選択します。

  13. 「WLSドメイン」フィールドに、Oracle SOA Suiteのドメインを入力します。 ドメインの指定に関する詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。

  14. 「次へ」をクリックします。

  15. 「接続のテスト」をクリックして、サーバー接続をテストします。

  16. 接続に成功した場合は、「終了」をクリックします。 成功しなかった場合は、「戻る」をクリックして、前のダイアログで内容を修正します。

43.2 Oracle JDeveloperでの単一のSOAコンポジットのデプロイ

Oracle JDeveloperでは、SOAプロジェクトとアプリケーションをOracle WebLogic Serverにデプロイするためにプロファイルを使用する必要があります。

43.2.1 単一のSOAコンポジットのデプロイ方法

この項では、Oracle JDeveloperで単一のSOAコンポジット・アプリケーションをデプロイする方法を説明します。

43.2.1.1 (オプション)プロジェクト・デプロイメント・プロファイルの作成

必要なデプロイメント・プロファイルは、プロジェクトに対して自動的に作成されます。アプリケーション・プロファイルには、SOAプロジェクトのJARファイルが含まれています。必要に応じて、追加のプロファイルを作成できます。

デプロイメント・プロファイルを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、SOAプロジェクトを右クリックします。

  2. 「プロジェクト・プロパティ」を選択します。

    「プロジェクト・プロパティ」ダイアログが表示されます。

  3. 「デプロイメント」をクリックします。

  4. 「新規」をクリックします。

    「デプロイメント・プロファイルの作成」ダイアログが表示されます。

  5. 次の値を入力します。

    表43-1 「デプロイメント・プロファイルの作成」ダイアログのフィールドと値

    フィールド 説明

    「アーカイブ・タイプ」

    SOA-SARファイルを選択します。

    SOAアーカイブ(SAR)は、SOAコンポジット・アプリケーションを記述するデプロイメント・ユニットです。SARは、BPELプロセス、ビジネス・ルール、ヒューマン・タスクおよびメディエータ・ルーティング・サービスなどのサービス・コンポーネントを単一のアプリケーションにパッケージ化します。SARファイルは、以前のリリースのBPELスーツケース・アーカイブと類似していますが、上位のコンポジット・レベルで対応し、アプリケーションに含まれる追加サービス・コンポーネント(ヒューマン・タスク、ビジネス・ルールおよびメディエータ・ルーティング・サービスなど)があります。

    名前

    デプロイメント・プロファイル名を入力します。


  6. 「OK」をクリックします。

    SARデプロイメント・プロファイル・ダイアログが表示されます。

  7. 「OK」をクリックして「SARデプロイメント・プロファイルのプロパティ」ダイアログを閉じます。

    図43-1に示すデプロイメント・プロファイルが、「アプリケーション・プロパティ」ダイアログに表示されます。

    図43-1 デプロイメント・プロファイル

    図43-1の説明は次にあります。
    「図43-1 デプロイメント・プロファイル」の説明

43.2.1.2 プロファイルのデプロイ

次に、プロジェクト・プロファイルをOracle WebLogic Serverにデプロイします。デプロイメントを実行するには、アプリケーション・サーバー接続の作成が必要です。 デプロイメント時に接続を作成するには、手順3「新規接続」を選択します。またはデプロイメント前に接続を作成するには、第43.1項「アプリケーション・サーバー接続の作成」の手順に従います。

プロファイルをデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、SOAプロジェクトを右クリックします。

  2. 「デプロイ」→「deployment_profile_name」→「デプロイ先」の順に選択します。

    deployment_profile_nameの値は、SOAプロジェクト名です。 図43-2に例を示します。

    図43-2 プロジェクト・プロファイルのデプロイメント

    図43-2の説明は次にあります。
    「図43-2 プロジェクト・プロファイルのデプロイメント」の説明

  3. 次のいずれかのデプロイメント・オプションを選択します。

    • JARへ

      選択したSOAプロジェクトのJARファイルが作成されますが、Oracle WebLogic Serverにはデプロイされません。このオプションは次のような環境に対して有効です。

      • Oracle WebLogic Serverは実行中でないが、JARファイルを作成する場合。

      • バッチ・スクリプトから複数のJARファイルをOracle WebLogic Serverにデプロイする場合。 このオプションは、Oracle JDeveloperですべてのプロジェクト・プロファイル(所有権がないものが含まれている可能性があります)を開いて、それらをデプロイする方法の代替手段として提供されています。

    • 「デプロイ先」→「Server_Connection_Name

      選択したSOAプロジェクトのJARファイルが作成され、Oracle WebLogic Serverにデプロイされます。 Oracle WebLogic Serverにデプロイするには、最初にOracle WebLogic Serverへの接続を作成する必要があります。

    表示される「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」は、選択内容によって異なります。

  4. 環境に適したデプロイメント・オプションを選択します。

    表43-2 デプロイメント・ターゲット

    選択 次の手順に移動します。

    JARへ

    手順4a

    「デプロイ先」→「Server_Connection_Name

    手順4b


    1. 図43-3に示す「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」が表示されていることを確認します。

      図43-3 「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」 - JARのデプロイメント

      図43-3の説明は次にあります。
      「図43-3 「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」 - JARのデプロイメント」の説明

    2. 図43-4に示す「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」が表示されていることを確認します。

      図43-4 「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」 - サーバーのデプロイメント

      図43-4の説明は次にあります。
      「図43-4 「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」 - サーバーのデプロイメント」の説明

  5. 環境に適したオプションを指定します。 サーバーへのデプロイを選択した場合は、デプロイ先のサーバーを選択するための追加フィールドが、ダイアログ上部に表示されます。

    表43-3 「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」

    フィールド 説明

    このアーカイブをデプロイするターゲットSOAサーバーを選択してください。

    注意: このオプションは、サーバーへのデプロイを選択した場合のみ表示されます。

    複数のサーバーまたはクラスタ・ノードがある場合は、1つまたは複数のサーバーあるいはノードへのデプロイを選択します。

    プロジェクト

    プロジェクト名が表示されます。

    現在のリビジョンID

    プロジェクトの現在のリビジョンIDが表示されます。

    新規リビジョンID

    必要に応じて、SOAコンポジット・アプリケーションのリビジョンIDを変更します。

    コンポジット・リビジョンをデフォルトとしてマーク

    新規リビジョンをデフォルトにしない場合は、このボックスの選択を解除できます。 デフォルトでは、新しくデプロイしたコンポジット・リビジョンがデフォルトになります。 このリビジョンは、新しいリクエストを受信するとインスタンス化されます。

    同じリビジョンIDで既存のコンポジットを上書きします。

    同じリビジョン値を持つ既存のSOAコンポジット・アプリケーションを上書きする場合に選択します。

    すべてのコンポジットにSOA構成プランを使用します

    「参照」をクリックして、すべてのコンポジット・アプリケーションに対して使用する同じ構成プランを選択します。 このオプションは、複数のコンポジット・アプリケーションをデプロイする場合に使用します。

    構成プランを添付しません

    SOAコンポジット・アプリケーションのJARファイルとともに構成プランを含めない場合に選択します。構成プランを作成していない場合、このフィールドは無効になります。

    リストから構成プランを選択します。

    SOAコンポジット・アプリケーションとともに構成プランを含める場合に選択します。

    構成プランにより、様々な環境で使用するURLおよびプロパティ値を定義できます。 プロセスのデプロイメント時に、構成プランを使用してSOAプロジェクトを検索し、プロジェクトを次に進むターゲット環境に適応させるために置換する必要がある値を検索します。

    構成プランを作成していない場合、このフィールドは無効になります。

    構成プランの作成手順については、第43.7項「開発、テストおよび本番環境間のSOAコンポジット・アプリケーションの移動」を参照してください。


  6. 「OK」をクリックします。

  7. Oracle JDeveloperの下部にあるデプロイメント・ログ・ウィンドウに表示されるメッセージを確認します。

    デプロイメントに成功すると、SOAプロジェクト用のJARファイルが、Oracle JDeveloperの「deploy」フォルダの下に作成されます。ネーミング規則はsca_composite_name_revrevision_number.jarです。

    これで、Oracle Enterprise Manager Grid Controlコンソールからアプリケーションを監視できます。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイド』を参照してください。

    デプロイメントに失敗した場合は、デプロイメント・ログ・ウィンドウに表示されているメッセージを確認して、修正処理を実行してください。


    注意:

    同じバージョンのSOAコンポジット・アプリケーションを再デプロイする場合、コンポジット名は変更できません。 「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」で「同じリビジョンIDで既存のコンポジットを上書きします。」チェック・ボックスを選択した場合は、同じリビジョン番号でデプロイできます。

43.2.2 Oracle JDeveloperによる管理対象Oracle WebLogic Serverへのデプロイメントに関する注意事項

Oracle WebLogic管理サーバーを起動せずに管理対象Oracle WebLogic Serverを起動し(独立モードでの実行と呼ばれます)、Oracle JDeveloperからSOAコンポジット・アプリケーションをデプロイしようとすると、次のエラーが発生します。

Deployment cannot continue! No SOA Configured target servers found

Oracle WebLogic管理サーバーは実行中である必要があります。 デプロイメントでは、Oracle SOA Suiteを実行しているサーバーの識別にOracle WebLogic管理サーバー接続が使用されます。 さらに、管理対象Oracle WebLogic Serverへのアプリケーション・サーバー接続は作成しないでください。Oracle WebLogic管理サーバーへの接続のみ作成してください。

また、SOA構成済Oracle WebLogic Serverの状態が正常でない場合も同様のエラーが発生する場合があります。 この状態は、Oracle WebLogic Server管理コンソールの「サーバー」ページの「ヘルス」列に表示されます。

WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用すると、Oracle WebLogic管理サーバーを起動せずに、SOAコンポジット・アプリケーションを管理対象Oracle WebLogic Serverにデプロイできることに注意してください。 詳細は、第43.6.1項「WLSTユーティリティを使用したSOAコンポジット・アプリケーションの管理方法」を参照してください。

43.2.3 Oracle JDeveloperの一方向SSL環境における参照の起動に関する注意事項

一方向SSL環境で、SOAコンポジット・アプリケーションからWebサービスを外部参照として起動する場合は、証明書名(CN)およびサーバーのホスト名が正確に一致するようにしてください。 この結果、正しいSSLハンドシェイクが保証されます。

たとえば、Webサービス名がadfbcで、証明書に記載されているサーバー名がmyhost05であるとします。この場合、次のように記述すると、SSLハンドシェイク例外が発生します。

  <import namespace="/adfbc1/common/"

@ location="https://myhost05.us.oracle.com:8002/CustomApps-adfbc1-context-root/Ap
pModuleService?WSDL"
          importType="wsdl"/>
 <import namespace="/adfbc1/common/" location="Service1.wsdl"
          importType="wsdl"/>

importの順序を入れ替えると、SSLハンドシェイクは成功します。

<import namespace="/adfbc1/common/" location="Service1.wsdl"
          importType="wsdl"/>
  <import namespace="/adfbc1/common/"

@ location="https://myhost05.us.oracle.com:8002/CustomApps-adfbc1-context-root/Ap
pModuleService?WSDL"
          importType="wsdl"/>

この問題については、次の制限に注意してください。

  • Oracle JDeveloperには、Oracle WebLogic Server管理コンソールにあるオプションのように、ホスト名検証を無視するオプションはありません。 これは、Oracle JDeveloperでは異なるSSLキットが使用されているためです。 コマンドラインから構成できるのはトラスト・ストアのみです。 他のすべての証明書引数は渡されません。

  • 前述のように、WSDLファイルで、https://hostnameは、証明書内の記述と一致する必要があります。 ブラウザで可能な手順と同じ手順を実行することはできません。 たとえば、証明書のCNでホスト名がmyhost05.us.oracle.comである場合、ブラウザからは、myhost05myhost05.us.oracle.comまたはIPアドレスを使用できます。 Oracle JDeveloperでは、証明書内の記述と同じ名前(つまり、myhost05.us.oracle.com)を必ず使用してください。

43.3 Oracle JDeveloperでの複数のSOAコンポジット・アプリケーションのデプロイ

SOAバンドル・プロファイルを使用して、複数のSOAコンポジット・アプリケーションをOracle WebLogic Serverに同時にデプロイできます。 このプロファイルにより、1つ以上のSARプロファイルをバンドルに含めて、そのバンドルをOracle WebLogic Serverにデプロイできます。


注意:

同じSOAバンドル・プロファイル内で相互に依存している複数のSOAアプリケーションはデプロイできません。たとえば、アプリケーションAがアプリケーションBをコールする場合は、最初にアプリケーションBを個別にデプロイする必要があります。

43.3.1 複数のSOAコンポジット・アプリケーションのデプロイ方法

複数のSOAコンポジット・アプリケーションをデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. 図43-5に示すように、「アプリケーション」メニューから「アプリケーション・プロパティ」を選択します。

    図43-5 「アプリケーション・プロパティ」

    図43-5の説明は次にあります。
    「図43-5 「アプリケーション・プロパティ」」の説明

  2. 「アプリケーション・プロパティ」ダイアログで、「デプロイメント」をクリックします。

  3. 「新規」をクリックします。

    「デプロイメント・プロファイルの作成」ダイアログが表示されます。

  4. 「アーカイブ・タイプ」リストから、「SOAバンドル」を選択します。

  5. 「名前」フィールドに、名前を入力します。

    図43-6に詳細を示します。

    図43-6 「SOAバンドル」の選択

    図43-6の説明は次にあります。
    「図43-6 「SOAバンドル」の選択」の説明

  6. 「OK」をクリックします。

  7. 左側のナビゲータで、「依存性」ノードを選択します。

  8. 図43-7に示すように、このバンドルに含めるSARを選択します。

  9. 「OK」をクリックします。

  10. 「OK」をクリックして「アプリケーション・プロパティ」ダイアログを閉じます。

  11. 「アプリケーション」メニューを再度選択し、「デプロイ」→「SOA_bundle_name」→「デプロイ先」の順に選択します。 図43-8に詳細を示します。

    図43-8 アプリケーションのデプロイメント

    図43-8の説明は次にあります。
    「図43-8 アプリケーションのデプロイメント」の説明

  12. 次のいずれかのオプションを選択します。

    • 「デプロイ先」→「Server_Connection_Name

      選択したすべてのSOAプロジェクトのJARファイルが含まれたアプリケーション・デプロイメント・プロファイルのZIPファイルが作成され、Oracle WebLogic Serverにデプロイされます。 Oracle WebLogic Serverにデプロイするには、最初にOracle WebLogic Serverへの接続を作成する必要があります。

    • ZIPへ

      選択したすべてのSOAプロジェクトのJARファイルが含まれたアプリケーション・デプロイメント・プロファイルのZIPファイルが作成されますが、Oracle WebLogic Serverにはデプロイされません。このオプションは次のような環境に対して有効です。

      • Oracle WebLogic Serverが実行中でない場合。

      • バッチ・スクリプトから複数のJARファイルをOracle WebLogic Serverにデプロイする場合。このオプションは、Oracle JDeveloperですべてのアプリケーション・プロファイル(所有権がないものが含まれている可能性があります)を開いて、それらをデプロイする方法の代替手段として提供されています。

    表示される「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」は、選択内容に基づきます。

    • ZIPファイルへのデプロイを選択した場合は、図43-3に示す「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」が表示されます。

    • サーバーへのデプロイを選択した場合は、図43-4に示す「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」が表示されます。

  13. 指定する値に関する詳細は、手順5を参照してください。

  14. 「OK」をクリックします。

43.4 SOAコンポジット・アプリケーション間の共有メタデータのデプロイおよび使用

この章では、SOAコンポジット・アプリケーション間で共有メタデータをデプロイおよび使用する方法について説明します。

43.4.1 共有メタデータのデプロイ方法

共有メタデータは、アプリケーション・サーバー上のSOAインフラストラクチャにJARファイルとしてデプロイされます。 JARファイルには、共有するすべてのリソースが含まれている必要があります。 Oracle JDeveloperでは、共有アーチファクト・アーカイブを作成するためのJARプロファイルを作成できます。

すべての共有メタデータは、サーバー上の既存のSOAインフラストラクチャ・パーティションにデプロイされます。このメタデータは、/appsネームスペースの下にデプロイされます。 たとえば、JARファイルにMyProject/xsd/MySchema.xsdファイルがある場合、このファイルはサーバー上の/appsネームスペースの下にデプロイされます。 Oracle JDeveloperでSOA-MDS接続を使用してこのアーチファクトを参照する場合、URLはoramds:/apps/MyProject/xsd/MySchema.xsdになります。

この項では、次のタスクの実行方法について説明します。

  • JARプロファイルの作成および共有するアーチファクトの組込み

  • JARプロファイルを組み込むSOAバンドルの作成

  • アプリケーション・サーバーへのSOAバンドルのデプロイ

43.4.1.1 JARプロファイルの作成および共有するアーチファクトの組込み

JARプロファイルを作成し、共有するアーチファクトを組み込む手順は、次のとおりです。

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、SOAプロジェクトを右クリックします。

  2. 「プロジェクト・プロパティ」を選択します。

    「プロジェクト・プロパティ」ダイアログが表示されます。

  3. 左側のナビゲーション・ツリーにある「デプロイメント」をクリックします。

  4. 「新規」をクリックします。

    「デプロイメント・プロファイルの作成」ダイアログが表示されます。

  5. 「アーカイブ・タイプ」リストから、「JARファイル」を選択します。

  6. 「名前」フィールドに、名前を入力します(この例ではshared_archiveが入力されています)。

    「デプロイメント・プロファイルの作成」は、図43-9のようになります。

    図43-9 JARファイルの選択

    図43-9の説明は次にあります。
    「図43-9 JARファイルの選択」の説明

  7. 「OK」をクリックします。

    「JARデプロイメント・プロファイルのプロパティ」ダイアログが表示されます。

  8. 左側のナビゲーション・ツリーから「JARオプション」を選択します。

  9. 図43-10に示すように、「manifestファイルを含める(META-INF/MANIFEST.MF)」の選択を解除します。

    選択を解除すると、アーカイブ・ジェネレータによってmanifestファイル(META-INF/MANIFEST.MF)がJARファイルに追加されることはありません。

    図43-10 JARファイルのオプション

    図43-10の説明は次にあります。
    「図43-10 JARファイルのオプション」の説明

  10. 左側のナビゲーション・ツリーから、「ファイル・グループ」「プロジェクトの出力」「コントリビュータ」の順に選択します。

  11. 図43-11に示すように、「プロジェクトの出力ディレクトリ」および「プロジェクトの依存性」オプションの選択を解除します。

    選択を解除すると、アーカイブ・ジェネレータによって、プロジェクトの出力およびプロジェクトの依存性の内容がアーカイブに追加されることはありません。

    図43-11 「コントリビュータ」

    図43-11の説明は次にあります。
    「図43-11 「コントリビュータ」」の説明

  12. 「追加」をクリックして、新しいコントリビュータを追加します。

    「コントリビュータの追加」ダイアログが表示されます。 このダイアログで、アーチファクトをアーカイブに追加できます。

  13. 「参照」をクリックします。

  14. 図43-12に示すように、アーチファクトが存在するフォルダを選択します。 この選択によって、アーカイブ内のアーチファクトの階層も決まることに注意してください。

    図43-12 アーチファクトの選択

    図43-12の説明は次にあります。
    「図43-12 アーチファクトの選択」の説明

  15. 「選択」をクリックして、「ディレクトリの選択」ダイアログを閉じます。

  16. 「OK」をクリックして「コントリビュータの追加」ダイアログを閉じます。

  17. 左側のナビゲーション・ツリーから、「ファイル・グループ」「プロジェクトの出力」「フィルタ」の順に選択します。

  18. 図43-13に示すように、アーカイブに組み込むアーチファクトのみ選択します。 この例では、次のXSDファイルが含まれます。

    • SOADemoComposite/xsd/DemoProcess.xsd

    • SOADemoComposite/xsd/Quote.xsd

    • SOADemoComposite/xsd/VacationRequest.xsd

    図43-13 アーカイブに組み込むアーチファクト

    図43-13の説明は次にあります。
    「図43-13 アーカイブに組み込むアーチファクト」の説明

  19. 「OK」をクリックして、変更内容をJARデプロイメント・プロファイルに保存します。

  20. 「OK」をクリックして、新規デプロイメント・プロファイルを保存します。

  21. 「ファイル」メイン・メニューから「すべて保存」を選択します。

43.4.1.2 JARプロファイルを組み込むSOAバンドルの作成

JARプロファイルを組み込むSOAバンドルを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「アプリケーション・メニュー」から、「アプリケーション・プロパティ」「デプロイメント」の順に選択します。

  2. 「新規」をクリックして、SOAバンドル・プロファイルを作成します。

    「デプロイメント・プロファイルの作成」ダイアログが表示されます。

  3. 「アーカイブ・タイプ」リストから、「SOAバンドル」を選択します。バンドルは、複数のSOAコンポジット・アプリケーションの集まりです。

  4. 「名前」フィールドに、名前を入力します(この例ではsharedArtifactBundleが入力されています)。

    図43-14 SOAバンドルの作成

    図43-14の説明は次にあります。
    「図43-14 SOAバンドルの作成」の説明

  5. 「OK」をクリックします。

  6. 左側のナビゲーション・ツリーから「依存性」を選択します。

  7. 以前に作成したJARファイルおよびSOA-SARプロファイルを選択します(この例では、それぞれshared_archiveおよびsharedArtifactBundle)。 JAR、SOA-SARまたは両方のいずれかを選択できます。

    図43-15 デプロイメント・プロファイルの依存性

    図43-15の説明は次にあります。
    「図43-15 デプロイメント・プロファイルの依存性」の説明

  8. 「OK」をクリックして、SOAバンドル・デプロイメント・プロファイルの変更内容を保存します。

  9. 「OK」をクリックして、新規デプロイメント・プロファイルを保存します。

  10. 「ファイル」メイン・メニューから「すべて保存」を選択します。

43.4.1.3 SOAバンドルのデプロイ

SOAバンドルをデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. 「アプリケーション」メニューを右クリックし、「デプロイ」→「SOA_bundle_name」→「デプロイ先」→「server_connection」の順に選択します。 既存の接続がない場合は、最初に接続を作成する必要があります。

    この結果、SOAバンドルがアプリケーション・サーバーにデプロイされます(共有アーチファクトがOracle SOA SuiteのMDSデータベースにデプロイされます)。

43.4.2 共有メタデータの使用方法

この項では、第43.4.1項「共有メタデータのデプロイ方法」で作成した共有メタデータの参照方法および選択方法について説明します。

43.4.2.1 SOA-MDS接続の作成

SOA-MDS接続を作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」メニューから、「新規」「接続」SOA-MDS接続の順に選択します。

  2. 「ようこそ」ページで「次へ」をクリックします。

  3. 「接続名」フィールドに、名前を入力します。

  4. 「接続タイプ」リストから、DBベースのMDSを選択します。

  5. 「次へ」をクリックします。

    「接続タイプ」ページが表示されます。

  6. 既存の接続を選択するか、MDSスキーマが含まれているOracle SOA Suiteデータベースへの新規接続を作成します。

  7. 「MDSパーティションの選択」リストから、MDSパーティション(例: soa-infra)を選択します。

  8. 「次へ」をクリックします。

  9. 「終了」をクリックします。

    これで、「リソース・パレット」で接続を参照し、/appsノードの下に表示される共有アーチファクトを確認できます。

43.4.2.2 BPELプロセスの作成

これまでの作業で、様々なSOAコンポジット・アプリケーションから共有メタデータを参照し、使用できる状態になりました。 この例では、様々なアプリケーションにBPELプロセス・サービス・コンポーネントを作成します。

BPELプロセスを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 様々なアプリケーションに新規BPELプロセス・サービス・コンポーネントを作成します。 詳細は、第5.1.1項「BPELプロセス・サービス・コンポーネントの追加方法」を参照してください。

  2. 「BPELプロセスの作成」ダイアログで、「入力」フィールドの右側にある「参照」アイコンをクリックします。

    「タイプ・チューザ」ダイアログが表示されます。

  3. 右上隅にある「スキーマ・ファイルのインポート」アイコンをクリックします。

    「スキーマ・ファイルのインポート」ダイアログが表示されます。

  4. 「URL」フィールドの右側にある「参照」アイコンをクリックします。

    「SOAリソース・ブラウザ」ダイアログが表示されます。

  5. ダイアログ上部にあるリストから、「リソース・パレット」を選択します。

  6. 図43-16に示すように、共有メタデータを選択します。 この例では、第43.4.1.1項「JARプロファイルの作成および共有するアーチファクトの組込み」の手順18でアーカイブへの組込みを選択したQuote.xsdファイルが選択されています。

    図43-16 「SOAリソース・ブラウザ」の共有メタデータ

    図43-16の説明は次にあります。
    「図43-16 「SOAリソース・ブラウザ」の共有メタデータ」の説明

  7. 「OK」をクリックします。

  8. 「スキーマ・ファイルのインポート」ダイアログで「OK」をクリックします。

  9. 「タイプ・チューザ」ダイアログで、Quote.xsdのノード(この例ではQuoteRequest)を選択し、「OK」をクリックします。

  10. 「BPELプロセスの作成」ダイアログで、「OK」をクリックして作成を完了します。

  11. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、BPELプロセスのWSDLファイルを選択します。

  12. 「ソース」をクリックします。

    WSDLファイルには、次の定義が含まれています。

    <wsdl:types>
      <schema xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">
        <import namespace="http://www.mycompany.com/ns/salesquote"
     schemaLocation="oramds:/apps/SOADemoComposite/xsd/Quote.xsd" />
      </schema>
    </wsdl:types>
    
  13. 必要に応じて、BPELプロセスのモデル化を続行します。

  14. BPELプロセスを組み込んだSOAコンポジット・アプリケーションをデプロイします。

43.5 Oracle Jdeveloperでの既存のSOAアーカイブのデプロイ

Oracle JDeveloperの「アプリケーション・サーバー・ナビゲータ」から、既存のSOAアーカイブをデプロイできます。


注意:

  • アーカイブは存在している必要があります。SOAアーカイブのデプロイ・ダイアログではアーカイブを作成できません。

  • ここで説明する手順は、SOAインフラストラクチャがデプロイされたOracle WebLogic管理サーバーへのアプリケーション・サーバー接続が作成済であることを前提にしています。 Oracle WebLogic管理サーバーへの接続を作成すると、同じドメインにデプロイされたSOAコンポジット・アプリケーションを参照できます。「ファイル」メイン・メニューから、「新規」「接続」「アプリケーション・サーバー接続」の順に選択して、接続を作成します。


43.5.1 Oracle Jdeveloperからの既存のSOAアーカイブのデプロイ方法

Oracle Jdeveloperから既存のSOAアーカイブをデプロイする手順は、次のとおりです。

  1. 「表示」メニューから、「アプリケーション・サーバー・ナビゲータ」を選択します。

  2. 接続名を展開します(この例では「myConnection」)。

  3. 「SOA」フォルダを右クリックします。

  4. SOAアーカイブのデプロイを選択します。

    図43-17に示すSOAアーカイブのデプロイ・ダイアログが表示されます。

    図43-17 SOAアーカイブのデプロイ

    図43-17の説明は次にあります。
    「図43-17 SOAアーカイブのデプロイ」の説明

  5. 表43-4に示すように、環境に適した値を指定します。

    表43-4 「デプロイメント・プロファイルの作成」ダイアログのフィールドと値

    フィールド 説明

    このアーカイブをデプロイするターゲットSOAサーバーを選択します

    アーカイブをデプロイするOracle WebLogic管理サーバーを選択します。

    SOAアーカイブ

    「参照」をクリックして、ビルトインのSOAコンポジット・アプリケーション・アーカイブを選択します。アーカイブは、単一アプリケーションのJARファイル、または複数のアプリケーションを含むSOAバンドルZIPファイルで構成されます。

    構成プラン(オプション)

    「参照」をクリックして、SOAコンポジット・アプリケーション・アーカイブに添付する構成プランを選択します。 構成プランにより、様々な環境で使用するURLおよびプロパティ値を定義できます。 プロセスのデプロイメント時に、構成プランを使用してSOAプロジェクトを検索し、プロジェクトを次に進むターゲット環境に適応させるために置換する必要がある値を検索します。

    構成プランの作成方法については、第43.7.4項「Oracle Jdeveloperでの構成プランの作成方法」または第43.7.5項「WLSTユーティリティを使用した構成プランの作成方法」を参照してください。

    同じリビジョンIDで既存のコンポジットを上書きします。

    同じリビジョンIDを持つ既存のSOAコンポジット・アプリケーションを上書き(再デプロイ)する場合に選択します。このアクションを実行すると、次のような結果になります。

    • SOAコンポジット・アプリケーションの新規バージョン1.0が再デプロイされ、以前にデプロイした1.0バージョンが上書きされます。

    • 現在デプロイされているこのリビジョンの古いバージョンは削除(上書き)されます。

    • 現在デプロイされているリビジョンの古いバージョンに実行中のインスタンスがある場合、それらのインスタンスの状態は「失効」に変更されます。


  6. 「OK」をクリックします。

43.6 スクリプトを使用したSOAコンポジット・アプリケーションの管理

WLSTまたはantを使用して、コマンドラインまたはスクリプト環境からSOAコンポジット・アプリケーションを管理することもできます。 これらのオプションは、自動化に適しており、既存リリースのプロセスに容易に統合できます。

43.6.1 WLSTユーティリティを使用したSOAコンポジット・アプリケーションの管理方法

WLSTスクリプト・ユーティリティを使用して、SOAコンポジット・アプリケーションを管理できます。 手順は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Tool Command Reference』を参照してください。

43.6.2 antスクリプトを使用したSOAコンポジット・アプリケーションの管理方法

antユーティリティを使用して、SOAコンポジット・アプリケーションを管理できます。antはJavaベースのビルド・ツールであり、SOAコンポジット・アプリケーションを管理するためにOracle SOA Suiteで使用されます。 構成ファイルはXMLベースであり、様々なタスクが実行されるターゲット・ツリーをコールします。

表43-5に、Middleware_Home\SOA_Suite_Home\binディレクトリで使用可能なantスクリプトを示します。

表43-5 ant管理スクリプト

スクリプト 説明

ant-sca-test.xml

SOAコンポジット・アプリケーションに対する構成プランの添付、抽出、生成および検証を実行します。

ant-sca-compile.xml

SOAコンポジット・アプリケーションをコンパイルします。

ant-sca-package.xml

SOAコンポジット・アプリケーションをコンポジットSARファイルにパッケージ化します。

ant-sca-deploy.xml

SOAコンポジット・アプリケーションをデプロイします。

ant-sca-deploy.xml undeploy

SOAコンポジット・アプリケーションをアンデプロイします。

ant-sca-mgmt.xml

SOAコンポジット・アプリケーションを管理します。起動、停止、アクティブ化、リタイア、デフォルトのリビジョン・バージョンの割当て、デプロイ済SOAコンポジット・アプリケーションの一覧表示などを実行します。

ant-sca-upgrade.xml

BPELおよびESBリリース10.1.3のメタデータをリリース11gに移行します。

注意: プロジェクト内にJavaコードが含まれている場合、11gのコンパイラで正常にコンパイルするには、コードを手動で変更する必要があります。 BPELプロセスのインスタンス・データについては、10.1.3 Oracle BPEL Serverで使用されるアクティブ・データは移行されません。


antの詳細は、次のURLを参照してください。

http://ant.apache.org

43.6.2.1 SOAコンポジット・アプリケーションのテスト

例43-1に、テスト・ケースの実行例を示します。 テスト・ケースを使用すると、SOAコンポジット・アプリケーションのテストを自動化できます。

例43-1 アプリケーションのテスト

ant -f ant-sca-test.xml -Dscatest.input=MyComposite
-Djndi.properties=/home/jdoe/jndi.properties
引数 定義
scatest
使用可能な入力は、次のとおりです。
  • java.passed.home

    JAVA_HOMEの環境値から取得されます。 上書きする場合は、この入力を指定します。

  • wl_home

    Oracle WebLogic Serverホームの場所です(デフォルトはOracle_Home/.../wlserver_10.3)。

  • scatest.input

    テストするコンポジットの名前。

  • scatest.format

    出力ファイルのフォーマット(デフォルトはnative。他のオプションはjunit)。

  • scatest.result

    出力ファイルを格納する結果のディレクトリ(デフォルトはtemp_dir/out)。

  • jndi.properties.input

    使用するjndi.propertiesファイル。

jndi. properties
JNDIプロパティ・ファイルの絶対パス。 これは、サーバーに接続するためのJNDIプロパティが含まれているプロパティ・ファイルです。次に例を示します。
java.naming.factory.initial=weblogic.jndi.WLInitialContextFactory
java.naming.provider.url=t3://myserver.us.oracle.com:8001/soa-infra
java.naming.security.principal=weblogic
dedicated.connection=true
dedicated.rmicontext=true

(テスト・スイート内の)コンポジット・テストはSOAインフラストラクチャで実行されるため、このプロパティ・ファイルには接続情報が含まれています。 この例では、これらのプロパティによって、myserver.us.oracle.com、ポート8001でホストされるSOAインフラストラクチャへの接続が作成され、ユーザー名weblogicが使用されます。 パスワードについては、指定を求めるプロンプトが表示されます。

通常は、1つのjndi.propertiesファイルを(たとえば/home/myhome/jndi.propertiesに)作成し、そのファイルをすべてのテスト実行に対して使用します。


SOAコンポジット・アプリケーションにおけるテストの作成方法および実行方法の詳細は、第49章「SOAコンポジット・アプリケーションのテスト」および『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイド』を参照してください。

43.6.2.2 SOAコンポジット・アプリケーションのコンパイル

例43-2に、SOAコンポジット・アプリケーションのコンパイル例を示します。コンパイルでは、アプリケーションの構造および構文が検証されます。

例43-2 アプリケーションのコンパイル

ant -f ant-sca-compile.xml
-Dscac.input=/myApplication/myComposite/composite.xml
引数 定義
scac
使用可能な入力は、次のとおりです。
  • java.passed.home

    JAVA_HOMEの環境値から取得されます。 上書きする場合は、この入力を指定します。

  • wl_home

    Oracle WebLogic Serverホームの場所です(デフォルトはOracle_Home/.../wlserver_10.3)。

  • scac.input

    コンパイルするcomposite.xmlファイル。

  • scac.output

    scacの結果が格納される出力ファイル(デフォルトはtemp_dir/out.xml)。

  • scac.error

    scacのエラーが格納されるファイル(デフォルトはtemp_dir/out.err)。

  • scac.application.home

    コンパイル対象のコンポジットのアプリケーション・ホーム・ディレクトリ。

  • scac.displayLevel

    scac.outputファイルに書き込まれるログのレベルを制御します。 値は、12または3のいずれかです(デフォルトは1)。


43.6.2.3 コンポジットSARファイルへのSOAコンポジット・アプリケーションのパッケージ化

例43-3に、SOAコンポジット・アプリケーションをコンポジットSARファイルにパッケージ化する例を示します。 このコマンドの結果はSOAアーカイブです。 結果ファイルの正確な場所については、コマンドの出力を確認してください。

例43-3 アプリケーションのパッケージ化

ant -f ant-sca-package.xml
-DcompositeDir=C:\demo\end2end-105-POProcessing\po\solutions\ch9\POProcessing\POPr
ocessing
-DcompositeName=POProcessing
-Drevision=6-cmdline
-Dsca.application.home=C:\demo\end2end-105-POProcessing\po\solutions\ch9\POProces
sing
引数 定義
compositeDir
コンポジット・アーチファクトが含まれるディレクトリの絶対パス。
compositeName
コンポジットの名前。
revision
コンポジットのリビジョンID。
sca.application.home
オプション。 アプリケーション・ホーム・ディレクトリの絶対パス。 データを共有している場合、このプロパティは必須です。
oracle.home
オプション。 oracle.homeプロパティ。

43.6.2.4 SOAコンポジット・アプリケーションのデプロイ

例43-4に、SOAコンポジット・アプリケーションのデプロイ例を示します。

例43-4 アプリケーションのデプロイ

ant -f ant-sca-deploy.xml
-DserverURL=http://localhost:8001
-DsarLocation=C:\demo\end2end-105-POProcessing\po\solutions\ch9\POProcessing\POPro
cessing\deploy\sca_POProcessing_rev6-cmdline.jar
-Doverwrite=true
-Duser=weblogic
-DforceDefault=true
-Dconfigplan=C:\demo\end2end-105-POProcessing\po\solutions\ch9\POProcessing\POProc
 essing\demed_cfgplan.xml

注意:

ユーザー名の指定後、プロンプトが表示された場合はパスワードを入力してください。

引数 定義
serverURL SOAインフラストラクチャ・アプリケーションをホストするサーバーのURL(例: http://myhost10:8001)。
sarLocation 次のいずれかへの絶対パス。
  • SARファイル

  • 複数のSARを含むZIPファイル

overwrite オプション。 サーバー上の既存のSOAコンポジット・アプリケーションを上書きするかどうかを指定します。
  • false(デフォルト): ファイルを上書きしません。

  • true: ファイルを上書きします。

user オプション。 コンポジットのデプロイ実行者のサーブレットにアクセスするためのユーザー名(基本認証が構成されている場合)。
password オプション。 コンポジットのデプロイ実行者のサーブレットにアクセスするためのパスワード(基本認証が構成されている場合)。

ユーザー名を入力した場合、ここでパスワードを指定しないとパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

forceDefault オプション。 デプロイするバージョンを、そのコンポジット・アプリケーションに対するデフォルト・バージョンとして設定するかどうかを指定します。
  • true(デフォルト): 新規コンポジットをデフォルトのコンポジットにします。

  • false: 新規コンポジットをデフォルトのコンポジットにしません。

configplan 指定したSARファイル、またはZIPファイルに組み込まれているすべてのSARファイルに適用される構成プランの絶対パス。
sysPropFile デバッグ用、SSL構成用など、特別なシステム・プロパティの設定に有効なシステム・プロパティ・ファイルを渡します。

ファイル名(例: tmp-sys.properties)を指定した場合は、プロパティを次のように定義できます。

javax.net.debug=all

43.6.2.5 SOAコンポジット・アプリケーションのアンデプロイ

例43-5に、SOAコンポジット・アプリケーションのアンデプロイ例を示します。

例43-5 SOAコンポジット・アプリケーションのアンデプロイ

ant -f ant-sca-deploy.xml undeploy
-DserverURL=http://localhost:8001
-DcompositeName=POProcessing
-Drevision=rev6-cmdline
-Duser=weblogic

注意:

ユーザー名の指定後、プロンプトが表示された場合はパスワードを入力してください。

引数 定義
serverURL SOAインフラストラクチャ・アプリケーションをホストするサーバーのURL(例: http://myhost10:7001)。
compositeName SOAコンポジット・アプリケーションの名前。
revision SOAコンポジット・アプリケーションのリビジョンID。
user オプション。 コンポジットのデプロイ実行者のサーブレットにアクセスするためのユーザー名(基本認証が構成されている場合)。

ユーザー名を入力すると、対応するパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

password オプション。 コンポジットのデプロイ実行者のサーブレットにアクセスするためのパスワード(基本認証が構成されている場合)。

43.6.2.6 SOAコンポジット・アプリケーションの管理

例43-6例43-11に、SOAコンポジット・アプリケーションの管理例を示します。

例43-6 アプリケーションの起動

ant -f ant-sca-mgmt.xml startComposite -Dhost=myhost -Dport=8001 -Duser=weblogic
  -DcompositeName=HelloWorld -Drevision=1.0

注意:

ユーザー名の指定後、プロンプトが表示された場合はパスワードを入力してください。

引数 定義
host Oracle WebLogic Serverのホスト名(例: myhost)。
port Oracle WebLogic Serverのポート(例: 7001)。
user 実行中のサーバーに接続してMBean情報を取得するためのユーザー名(例: weblogic)。
password ユーザー名に対応するパスワード。
compositeName SOAコンポジット・アプリケーションの名前。
revision SOAコンポジット・アプリケーションのリビジョン。
label オプション。 SOAコンポジット・アプリケーションのラベル。 ラベルによって、アプリケーションに関連付けられているメタデータ・サービス(MDS)アーチファクトが識別されます。 ラベルを指定しない場合は、最新のラベルが検索されます。

例43-7 アプリケーションの停止

ant -f ant-sca-mgmt.xml stopComposite -Dhost=myhost -Dport=8001 -Duser=weblogic
-DcompositeName=HelloWorld -Drevision=1.0

注意:

ユーザー名の指定後、プロンプトが表示された場合はパスワードを入力してください。

引数 定義
host Oracle WebLogic Serverのホスト名(例: myhost)。
port Oracle WebLogic Serverのポート(例: 7001)。
user 実行中のサーバーに接続してMBean情報を取得するためのユーザー名(例: weblogic)。
password ユーザー名に対応するパスワード。
compositeName SOAコンポジット・アプリケーションの名前。
revision SOAコンポジット・アプリケーションのリビジョン。
label オプション。 SOAコンポジット・アプリケーションのラベル。 ラベルによって、アプリケーションに関連付けられているMDSアーチファクトが識別されます。 ラベルを指定しない場合は、最新のラベルが検索されます。

例43-8 アプリケーションのアクティブ化

ant -f ant-sca-mgmt.xml activateComposite -Dhost=myhost -Dport=8001
-Duser=weblogic-DcompositeName=HelloWorld -Drevision=1.0

注意:

ユーザー名の指定後、プロンプトが表示された場合はパスワードを入力してください。

引数 定義
host Oracle WebLogic Serverのホスト名(例: myhost)。
port Oracle WebLogic Serverのポート(例: 7001)。
user 実行中のサーバーに接続してMBean情報を取得するためのユーザー名(例: weblogic)。
password ユーザー名に対応するパスワード。
compositeName SOAコンポジット・アプリケーションの名前。
revision SOAコンポジット・アプリケーションのリビジョン。
label オプション。 SOAコンポジット・アプリケーションのラベル。 ラベルによって、アプリケーションに関連付けられているMDSアーチファクトが識別されます。 ラベルを指定しない場合は、最新のラベルが検索されます。

例43-9 アプリケーションのリタイア

ant -f ant-sca-mgmt.xml retireComposite -Dhost=myhost -Dport=8001 -Duser=weblogic
-DcompositeName=HelloWorld -Drevision=1.0

注意:

ユーザー名の指定後、プロンプトが表示された場合はパスワードを入力してください。

引数 定義
host Oracle WebLogic Serverのホスト名(例: myhost)。
port Oracle WebLogic Serverのポート(例: 7001)。
user 実行中のサーバーに接続してMBean情報を取得するためのユーザー名(例: weblogic)。
password ユーザー名に対応するパスワード。
compositeName SOAコンポジット・アプリケーションの名前。
revision SOAコンポジット・アプリケーションのリビジョン。
label オプション。 SOAコンポジット・アプリケーションのラベル。 ラベルによって、アプリケーションに関連付けられているMDSアーチファクトが識別されます。 ラベルを指定しない場合は、最新のラベルが検索されます。

例43-10 SOAコンポジット・アプリケーションへのデフォルト・バージョンの割当て

ant -f ant-sca-mgmt.xml assignDefaultComposite -Dhost=myhost -Dport=8001
-Duser=weblogic -DcompositeName=HelloWorld -Drevision=1.0

注意:

ユーザー名の指定後、プロンプトが表示された場合はパスワードを入力してください。

引数 定義
host Oracle WebLogic Serverのホスト名(例: myhost)。
port Oracle WebLogic Serverのポート(例: 7001)。
user 実行中のサーバーに接続してMBean情報を取得するためのユーザー名(例: weblogic)。
password ユーザー名に対応するパスワード。
compositeName SOAコンポジット・アプリケーションの名前。
revision SOAコンポジット・アプリケーションのリビジョン。

例43-11 デプロイ済SOAコンポジット・アプリケーションの一覧表示

ant -f ant-sca-mgmt.xml listDeployedComposites -Dhost=myhost -Dport=8001
-Duser=weblogic

注意:

ユーザー名の指定後、プロンプトが表示された場合はパスワードを入力してください。

引数 定義
host Oracle WebLogic Serverのホスト名(例: myhost)。
port Oracle WebLogic Serverのポート(例: 7001)。
user 実行中のサーバーに接続してMBean情報を取得するためのユーザー名(例: weblogic)。
password ユーザー名に対応するパスワード。

43.6.2.7 SOAコンポジット・アプリケーションのアップグレード

antを使用すると、SOAコンポジット・アプリケーションを10.1.3から11gにアップグレードできます。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite, WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド』を参照してください。

43.6.2.8 antスクリプトを使用したSOAコンポジット・アプリケーションの管理方法

WebLogic Fusion Order Demoアプリケーションには、antスクリプトを使用してアプリケーションをコンパイル、パッケージ化およびデプロイする例が用意されています。 初期antビルド・ファイルを作成するには、「ファイル」メイン・メニューから、「新規」「Ant」「プロジェクトからのビルドファイル」の順に選択します。

図43-18は、build.propertiesおよびbuild.xmlファイルが、作成後に「アプリケーション・ナビゲータ」に表示された状態を示しています。

図43-18 Antビルド・ファイル

図43-18の説明は次にあります。
「図43-18 Antビルド・ファイル」の説明

  • build.properties

    環境を反映するために編集するファイル(例: OracleホームおよびJavaホーム・ディレクトリの指定、デプロイメントに使用するホスト名やポート番号などのサーバー・プロパティの設定、デプロイするアプリケーションの指定など)。

  • build.xml

    antによって、build.propertiesファイルで指定したコンポジット・アプリケーションのコンパイル、ビルド、およびサーバーへのデプロイのために使用されます。

  1. 環境を反映するようにbuild.propertiesファイルを変更します。

  2. 「ビルド」メニューから、project_nameでAntを実行」を選択します。

    この結果、現在のプロジェクトのビルド・ファイルに定義されているターゲットがビルドされます。

WebLogic Fusion Order Demoのダウンロードおよびこれらのファイルの変更方法と使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteアプリケーションの作成および実行のためのチュートリアル』を参照してください。

43.7 開発、テストおよび本番環境間のSOAコンポジット・アプリケーションの移動

通常、プロジェクトをある環境から別の環境に(たとえば、テスト環境から本番環境に)移動する場合は、JDBC接続文字列や様々なサーバーのホスト名など、環境固有の値をいくつか変更する必要があります。 これらの値は、構成プランと呼ばれる単一のテキスト(XML)ファイルを使用して変更できます。 構成プランは、Oracle JDeveloperまたはコマンドラインから作成します。 プロセスのデプロイメント時に、構成プランを使用してSOAプロジェクトを検索し、プロジェクトを次に進むターゲット環境に適応させるために置換する必要がある値を検索します。

43.7.1 構成プランの概要

構成プランを使用すると、次の属性やプロパティを置換できます。

  • 次の属性やプロパティを置換できる構成プラン・ファイルを作成して編集します。

    • SOAコンポジット・アプリケーション・ファイル(composite.xml)内のすべてのコンポジット、サービス・コンポーネント、参照、サービスおよびバインディング・プロパティ

    • バインディング用の属性値(例: binding.wsの場所)

    • WSDLファイル内のインポートのschemaLocation属性

    • WSDLファイル内のインクルードのlocation属性

    • XSDファイル内のインクルード、インポートおよび再定義のschemaLocation属性

    • JCAアダプタ・ファイル内のすべてのプロパティ

    • 次のポリシー参照を変更および追加します。

      • サービス・コンポーネント

      • サービス・バインディング・コンポーネントおよび参照バインディング・コンポーネント


    注意:

    構成プランは、SOAコンポジット・アプリケーションのXSLTアーチファクトを変更しません。 XSLを変更する場合は、XSLTマッパーを使用します。 構成プランの使用は有効ではありません。 たとえば、構成プラン・ファイルを使用してXSLの参照を変更することはできません。かわりに、テスト、開発および本番環境の間を移動するときに、Oracle JDeveloperのXSLTマッパーで参照を手動で変更する必要があります。これにより、設計時にXSLTマッパーが問題なく開きます。 ただし、参照を未変更のままにしても実行時の動作に影響はありません。

  • 構成プラン・ファイルをSOAコンポジット・アプリケーションのJARファイルまたはZIPファイル(SOAバンドルをデプロイする場合)に添付します。

  • デプロイメント時に、構成プラン・ファイルを使用して、SOAコンポジット・アプリケーションのJARファイルにあるcomposite.xml、WSDLおよびXSDファイルを検索し、プロジェクトを次に進むターゲット環境に適応させるために置換する必要がある値を検索します。

43.7.2 構成プラン・ファイルの概要

次の例は、次の項目を変更する構成プランを示しています。

  • コンポジットFileAdaptorCompositeinFileFolderプロパティは、mytestserver/newinFileFolderで置換されます。

  • 次の場所のホスト名(myserver17)は、test-serverで置換され、ポート88888198で置換されます。

    • すべてのインポートWSDL

    • すべての参照binding.wsの場所

composite.xmlファイルは例43-12のようになります。

例43-12 composite.xmlファイル

<composite .....>
  <import namespace="http://example.com/hr/"
 location="http://myserver17.us.oracle.com:8888/hrapp/HRAppService?WSDL"
 importType="wsdl"/>
  <service name="readPO">
    <interface.wsdl
interface="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/file/readPO/#wsdl.interface(Read
_ptt)"/>
    <binding.jca config="readPO_file.jca"/>
    <property name="inFileFolder" type="xs:string" many="false"
 override="may">/tmp/inFile</property>
  </service>
  <reference name="HRApp">
    <interface.wsdl
 interface="http://example.com/hr/#wsdl.interface(HRAppService)"/>
    <binding.ws
port="http://example.com/hr/#wsdl.endpoint(HRAppService/HRAppServiceSoapHttpPort)"
 location="http://myserver17.us.oracle.com:8888/hrapp/HRAppService?WSDL"/>
    <binding.java serviceName="{http://example.com/hr/}HRAppService"
 registryName="HRAppCodeGen_JBOServiceRegistry"/>
  </reference>
</composite>

構成プラン・ファイルは例43-13のようになります。

例43-13 構成プラン・ファイル

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<soaConfigPlan xmlns:jca="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/wsdl/jca/">
  <composite name="FileAdaptorComposite">
    <service name="readPO">
      <binding type="*">
        <property name="inFileFolder">
          <replace>/mytestserver/newinFileFolder</replace>
        </property>
      </binding>
    </service>
  </composite>
  <!-- For all composite replace host and port in all imports wsdls -->
  <composite name="*">
    <imports>
      <searchReplace>
        <search>myserver17</search>
        <replace>test-server</replace>
      </searchReplace>
      <searchReplace>
        <search>8888</search>
        <replace>8198</replace>
      </searchReplace>
    </imports>
    <reference name="*">
      <binding type="ws">
        <attribute name="location">
          <searchReplace>
            <search>myserver17</search>
            <replace>test-server</replace>
          </searchReplace>
          <searchReplace>
            <search>8888</search>
            <replace>8198</replace>
          </searchReplace>
        </attribute>
      </binding>
    </reference>
  </composite>
</soaConfigPlan>

ポリシーは、同じURIに対するポリシーが使用可能な場合は置換されます。 それ以外の場合は追加されます。 これは、変更されるが追加はされないプロパティとは異なります。

43.7.3 構成プランのユースケースの概要

次の手順では、開発環境からテスト環境に移動するときに構成プランを使用する方法の概要を説明します。

  1. ユーザーAはSOAコンポジット・アプリケーションFooを作成します。

  2. ユーザーAはFooを開発サーバーにデプロイし、ステージング領域でテストする準備が整うまで不具合を修正してプロセスを調整します。

  3. ユーザーAはFoo用の構成プランを作成して編集します。これにより、テスト環境に適合するようにアプリケーション内のURLおよびプロパティを変更できます。

  4. ユーザーAは、Oracle JDeveloperまたは一連のコマンドライン・スクリプト(WLSTベース可能)を使用して、Fooをテスト・サーバーにデプロイします。手順3で作成した構成プランにより、Foo内のURLおよびプロパティが変更されます。

  5. ユーザーAは、今後、SOAコンポジット・アプリケーションBarをデプロイし、デプロイメント時に同じプランを適用します。URLおよびプロパティも変更されます。

次の手順では、環境に依存しないプロセスを作成するときに構成プランを使用する方法の概要を説明します。


注意:

このユースケースは、独自の開発サーバー、および共通の開発およびテスト・サーバーを持つユーザーが、同じプロセスの開発を共有している場合に役立ちます。同じデプロイメント環境(つまり、同じ開発サーバー)を共有するユーザーには、このユースケースは参考にならない場合があります。

  1. ユーザーAはSOAコンポジット・アプリケーションFooを作成します。

  2. ユーザーAはFooを開発サーバーにデプロイし、ステージング領域でテストする準備が整うまで不具合を修正してプロセスを調整します。

  3. ユーザーAはFoo用の構成プランを作成します。これにより、ユーザーAの環境の設定に適合するようにプロセス内のURLおよびプロパティを変更できます。

  4. ユーザーAは、ソース・コントロール・システムに対して、Fooおよび手順3で作成した構成プランをチェックインします。

  5. ユーザーBは、ソース・コントロールからFooをチェックアウトします。

  6. ユーザーBは、環境に適合する構成プランのコピーを作成し、新規の構成プランをFooのアーチファクトに適用します。

  7. ユーザーBはアプリケーションをOracle JDeveloperにインポートし、いくつかの変更を行います。

  8. ユーザーBは、Fooおよび(ユーザーBの環境に適合する)構成プランBの両方をチェックインします。

  9. ユーザーAは、両方の構成プランとともに、Fooを再度チェックアウトします。

43.7.4 Oracle Jdeveloperでの構成プランの作成方法

この項では、構成プランの作成方法と使用方法を説明します。特に、次の項目について説明します。

  • 構成プランの作成および編集

  • SOAコンポジット・アプリケーションのJARファイルへの構成プランの添付

  • 構成プランの検証

  • 構成プランが含まれるSOAコンポジット・アプリケーションのJARまたはZIPファイルのデプロイ

Oracle JDeveloperで構成プランを作成する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle JDeveloperを開きます。

  2. 構成プランを作成するプロジェクトのcomposite.xmlファイルを右クリックし、「構成プランの生成」を選択します。 図43-19に詳細を示します。

    図43-19 構成プランの生成

    図43-19の説明は次にあります。
    「図43-19 構成プランの生成」の説明

    「コンポジット構成プラン・ジェネレータ」ダイアログが表示されます。

    図43-20 「コンポジット構成プラン・ジェネレータ」ダイアログ

    図43-20の説明は次にあります。
    「図43-20 「コンポジット構成プラン・ジェネレータ」ダイアログ」の説明

  3. 表43-6に示すように、構成プラン・ファイルを作成して編集します。

    表43-6 構成プランの生成

    フィールド 説明

    構成プランのファイル名(.xml)を指定してください

    構成プランの特定の名前を入力するか、またはデフォルト名をそのまま使用します。ファイルはプロジェクトのディレクトリ内に作成され、SOAコンポジット・アプリケーションのJARまたはZIPファイルにパッケージ化されます。

    注意: デプロイメント時にプロンプトが表示された時点で、「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」で別の構成ファイルを指定できます。

    既存ファイルの上書き

    既存の構成プラン・ファイルをプロジェクト・ディレクトリ内の別のファイルで上書きする場合に選択します。


  4. 「OK」をクリックします。

    これで、単一の構成プラン・ファイルが作成され、編集のために開きます。ファイルは例43-13のようになります。SOAコンポジット・アプリケーションのcomposite.xml、WSDLおよびスキーマ・ファイルのURLとプロパティを変更できます。 図43-21に詳細を示します。

    例43-21 構成プラン・エディタ

    図43-21の説明は次にあります。
    「図43-21 構成プラン・エディタ」の説明

  5. サーバー名、ポート番号などの値を既存の構文に追加します。また、新しい値を指定するときは、置換専用の構文を追加できます。各セクションに複数の検索コマンドや置換コマンドを追加できます。

  6. 「ファイル」メニューから「すべて保存」をクリックします。

  7. エディタの上部で、ファイル名の右側にあるxをクリックして構成プラン・ファイルを閉じます。

  8. composite.xmlファイルを再度右クリックし、「構成プランを検証します」を選択します。

    図43-22に示すように、「コンポジット構成プラン・バリデータ」が表示されます。

    図43-22 構成プランの検証

    図43-22の説明は次にあります。
    「図43-22 構成プランの検証」の説明

  9. 検証する構成プランを選択します。この手順では、デプロイメント中に行われた検索および置換による変更がすべて識別されます。このオプションは、デバッグの目的でのみ使用します。

  10. 検証結果が記述されたレポートが作成されたディレクトリをメモし、「OK」をクリックします。

    Oracle JDeveloperの「ログ」ウィンドウには、検証が成功したかどうかが表示され、SOAコンポジット・アプリケーションのデプロイメント中に実行された検索コマンドと置換コマンドがすべてリストされます。この情報は検証レポートにも書き込まれます。


    注意:

    古いcomposite.xml、WSDLおよびXSDファイルは、次に進む環境に適したURLおよびプロパティの新しい値を含むファイルに置換されません。このような置換は、SOAコンポジット・アプリケーションがデプロイされた場合のみ発生します。

  11. 次のいずれかの項で説明する手順に従って、SOAコンポジット・アプリケーションをデプロイします。

    デプロイメント中に、手順5に示す「SOAデプロイメントと構成ダイアログ」で、SOAコンポジット・アプリケーション・アーカイブに含める構成プランを選択するように要求されます。

  12. SOAコンポジット・アプリケーションとともに含める構成プランを選択します。

  13. 「OK」をクリックします。

43.7.5 WLSTユーティリティを使用した構成プランの作成方法

Oracle JDeveloperのかわりにWLSTコマンドライン・ユーティリティを使用して、次の構成プラン管理タスクを実行できます。

  • 構成プランの生成および編集

  • SOAコンポジット・アプリケーションのJARファイルへの構成プラン・ファイルの添付

  • 構成プランの検証

  • JARファイルにパッケージ化された構成プランの抽出および編集

手順は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Tool Command Reference』を参照してください。