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Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント
11g リリース 1 (10.3.1)
B55511-01
 

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2 WebLogic Server デプロイメントについて

以下の節では、WebLogic Server デプロイメントの概要を説明します。

デプロイメント プロセスの概要

アプリケーション デプロイメントという用語は、WebLogic Server ドメインにおいて、アプリケーションまたはモジュールをクライアント要求の処理に使用できるようにするプロセスを指します。アプリケーション デプロイメントは、一般的に次のタスクを伴います。

Java EE 5 デプロイメントの実装

WebLogic Server は、Java EE 5 仕様を実装しています。Java EE 5 には、デプロイメント仕様 JSR-88 が含まれています。この仕様には、アプリケーションをアプリケーション サーバにコンフィグレーションおよびデプロイする際に、デプロイメント ツールおよびアプリケーション サーバ プロバイダで使用する標準 API が記述されています。

WebLogic Server は、Java EE 5 デプロイメント仕様に準拠するように、JSR-88 サービス プロバイダ インタフェース (SPI) プラグインとモデル プラグインの双方を実装しています。WebLogic Server に対して J2EE アプリケーションおよびモジュールをコンフィグレーション、デプロイ、および再デプロイするには、(API の WebLogic Server 拡張を使用せずに) WebLogic Server プラグインと共に基本的な Java EE 5 デプロイメント API デプロイメント ツールを使用できます。Java EE 5 デプロイメント API コンフィグレーション プロセスで生成された WebLogic Server コンフィグレーションは、図 2-1 に示すように、デプロイメント プランおよび 1 つまたは複数の生成された WebLogic Server デプロイメント記述子ファイル内に格納されます。WebLogic Server デプロイメント記述子は、WebLogic Server コンフィグレーション データを格納するために、必要に応じて生成されます。

図 2-1 Java EE 5 デプロイメント API によるアプリケーションのコンフィグレーション

図 2-1 の説明については本文を参照

Java EE 5 デプロイメント API のデプロイメント ツールで生成された WebLogic Server デプロイメント プランにより、コンフィグレーション セッション中にアプリケーションのために生成された WebLogic Server デプロイメント記述子が識別されます。

Java EE 5 デプロイメント API は、Java EE 5 準拠のアプリケーション サーバで使用するためのアプリケーションおよびモジュールをコンフィグレーションする、簡単かつ標準化された方法を提供しますが、この仕様では以前の WebLogic Server で利用できた多くのデプロイメント機能に対応していません。そのため、WebLogic Server では、Java EE 5 デプロイメント API 仕様に重要な拡張を行い、「WebLogic Server のデプロイメント機能」に記載の機能をサポートしています。

WebLogic Server のデプロイメント機能

Weblogic Server は、アプリケーションをプロダクション環境に確実にデプロイして管理するのに役立つ以下の高度なデプロイメント機能をサポートしています。

追加のデプロイメント コンフィグレーション プロパティ

Java EE 5 デプロイメント API デプロイメント仕様を使うと、アプリケーションをデプロイするために必要なベンダ固有の記述子の値を生成でき、一方、WebLogic Server における Java EE 5 デプロイメント API の拡張機能では、次のような多くの追加デプロイメント プロパティをコンフィグレーションできます。

  • アプリケーションの動作に必要な外部リソースの名前

  • 他のアプリケーションが独自に使用するために参照できる、デプロイ済みのアプリケーション内に提供されるサービスに対して宣言された名前 (JNDI 名)

  • WebLogic Server 上のアプリケーションのパフォーマンスと動作を制御するチューニング プロパティ

これらのデプロイメント プロパティは、WebLogic Server デプロイメント プランに格納できます。

複数の環境にデプロイするためのアプリケーションのエクスポート

基本的な Java EE 5 デプロイメント API コンフィグレーション プロセスでは、標準化されたデプロイメント ツールを使用して、J2EE アプリケーションを複数のアプリケーション サーバ製品に簡単にデプロイできます。しかし、アプリケーションのコンフィグレーションを組織内のある環境から別の環境へ移行するプロセスには使用できません。一方、Java EE 5 デプロイメント API を拡張した WebLogic Server デプロイメント API では、アプリケーションのコンフィグレーションをエクスポートして複数の WebLogic Server 環境 (テスト、ステージング、プロダクションなどのドメイン) にデプロイメントするプロセスがサポートされています。「新しい環境にデプロイするためのアプリケーションのエクスポート」を参照してください。

プロダクション アプリケーションを分離するための管理モード

アプリケーションの分散により、デプロイメント ファイルが対象サーバにコピーされ、アプリケーションが準備状態に置かれます。その後は、アプリケーションを管理モードで起動できます。それにより、アプリケーションにアクセスできるのがコンフィグレーションされた管理チャネルのみになるため、アプリケーションを外部クライアント接続に対して開いたリ、接続されたクライアントを中断させたりすることなく、最終テストを実行できます。アプリケーションを管理モードで起動するには、「分散されたアプリケーションの管理モードでの起動」で説明するように -adminmode オプションを使用します。「プロダクション環境へのアプリケーションの分散」および「プロダクション アプリケーションの新しいバージョンの分散」を参照してください。

最終テスト実行後は、アプリケーションをアンデプロイしてさらに変更を加えるか、アプリケーションをプロダクション モードで起動して、全般的にクライアントで使用可能にできます。

アプリケーションの分散」を参照してください。

デプロイ可能な JDBC、JMS、および WLDF アプリケーション モジュール

JDBC、JMS、および WLDF リソースは、アプリケーション モジュールとして格納できます。これらのモジュールは複数サーバまたはクラスタにスタンドアロン状態でデプロイすることも、アプリケーション スコープのリソースとしてエンタープライズ アプリケーション内に含めることも可能です。スタンドアロンの JDBC、JMS および WLDF アプリケーション モジュールを使用すると、複数の WebLogic Server ドメイン内でリソースを簡単にレプリケートできるようになります。アプリケーション スコープのリソース モジュールを使用すると、複数の環境への移植性を最大限に高めるために、アプリケーション モジュール自体の中にアプリケーションが必要とするリソースをすべて含めることができるようになります。アプリケーション スコープのリソースの使用の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションの開発』を参照してください。WebLogic Server へのスタンドアロン リソースまたはアプリケーション スコープのリソースのデプロイについては、「JDBC、JMS、および WLDF アプリケーション モジュールのデプロイ」を参照してください。

エンタープライズ アプリケーションのモジュール レベルでのデプロイメントと再デプロイメント

WebLogic Server では、エンタープライズ アプリケーションの個々のモジュールをさまざまなサーバ対象に割り当てることも、エンタープライズ アプリケーションで利用可能なモジュールのサブセットのみをデプロイすることもできます。これにより柔軟性の高いパッケージング オプションが得られ、関連するモジュールのグループをまとめてエンタープライズ アプリケーション内でバンドルしつつ、ドメイン内の個々のサーバには選択されたモジュールのみをデプロイできます。

プロダクション アプリケーションの安全な再デプロイメント

WebLogic Server により、アプリケーションに対する現在の HTTP クライアントに影響を与えることなく、プロダクション アプリケーションの新しいバージョンを、安全に更新および再デプロイできます。プロダクション再デプロイメントは、アプリケーションのダウンタイムなしに、また変更を加えるために冗長なサーバを作成することなく、バグ フィックスや、新しい機能を実現するのに役立ちます。「プロダクション環境でのアプリケーションの再デプロイメント」を参照してください。

デプロイメントに必要なセキュリティ ロール

「Admin」および「Deployer」ユーザの組み込みセキュリティ ロールにより、WebLogic Server Administration Console を使用してデプロイメント タスクを実行できます。「AppTester」セキュリティ ロールを使用すると、管理モードにデプロイされたアプリケーションのバージョンをテストできます。WebLogic ドメイン間でデプロイを行う場合、CrossDomainConnector ロールを使用して、外部ドメインからドメイン間呼び出しを実行することができます。すべてのセキュリティ ロールの完全なリストについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ロールおよびポリシーによるリソースの保護』の「デフォルト グローバル ロール」を参照してください。

サポートされるデプロイメント ユニット

デプロイメント ユニットとは、J2EE 仕様に従って構成されており、WebLogic Server にデプロイ可能な J2EE アプリケーション (エンタープライズ アプリケーションまたは Web アプリケーション) あるいはスタンドアロン J2EE モジュール (EJB、リソース アダプタなど) のことです。

デプロイメント ユニットのタイプごとに、必要なファイル、およびアプリケーションまたはモジュールのディレクトリ構造内での各ファイルの位置が J2EE 仕様で定義されています。デプロイメント ユニットは、EJB とサーブレットの Java クラス、リソース アダプタ、Web ページとサポート ファイル、XML 形式のデプロイメント記述子、およびその他のモジュールで構成されています。

J2EE では、どのようにデプロイメント ユニットを対象サーバにデプロイするかは指定されておらず、標準のアプリケーションおよびモジュールの構造だけが指定されています。WebLogic Server は、以下のタイプのデプロイメント ユニットをサポートします。

エンタープライズ アプリケーション

エンタープライズ アプリケーションは、次に示す 1 つまたは複数の J2EE アプリケーションまたはモジュールで構成されます。

  • Web アプリケーション

  • エンタープライズ JavaBean (EJB) モジュール

  • リソース アダプタ モジュール

エンタープライズ アプリケーションは、拡張子 .ear を持つアーカイブ ファイルとしてパッケージ化されますが、通常は展開 EAR ディレクトリとしてデプロイします。展開 EAR ディレクトリには、アプリケーションで使用する JAR、WAR、および RAR モジュールのすべてが (同じく展開形式で) 格納されるほか、エンタープライズ アプリケーション用の XML 記述子ファイル、およびバンドルされたアプリケーションとモジュールが格納されます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションの開発』を参照してください。

Web アプリケーション

Web アプリケーションは常に以下のファイルを含みます。

  • 1 つのサーブレットまたは JSP ページ、およびヘルパー クラス

  • web.xml デプロイメント記述子 (WAR ファイルの内容を記述する J2EE 標準の XML ドキュメント)

Web アプリケーションは、JSP タグ ライブラリ、静的 .html ファイルと画像ファイル、サポート クラスと .jar ファイル、および weblogic.xml デプロイメント記述子 (Web アプリケーションの WebLogic サーバ固有要素をコンフィグレーションする) を含むこともできます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Web アプリケーション、サーブレット、JSP の開発』を参照してください。

エンタープライズ JavaBean

エンタープライズ JavaBean (EJB) は、ビジネス ロジックを実装する再利用可能な Java コンポーネントで、コンポーネントベースの分散ビジネス アプリケーションの開発を可能にします。EJB モジュールは .jar という拡張子を持つアーカイブ ファイルとしてパッケージ化されますが、通常は展開されたアーカイブ ディレクトリとしてデプロイします。EJB のアーカイブ ファイルまたは展開されたアーカイブ ディレクトリには、コンパイル済みの EJB クラス、省略可能な生成済みクラス、および EJB の XML デプロイメント記述子が格納されます。各種の EJB の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server エンタープライズ JavaBeans (EJB) プログラマーズ ガイド』を参照してください。

リソース アダプタ

リソース アダプタ (コネクタとも呼ばれる) は、エンタープライズ情報システム (EIS) と J2EE プラットフォームの統合を可能にします。コネクタは、WebLogic Server と EIS の接続に使用できるシステムレベルのソフトウェア ドライバとして機能します。コネクタには、Java クラス、および必要に応じて EIS との対話に必要なネイティブ コンポーネントが含まれます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server リソース アダプタ プログラマーズ ガイド』を参照してください。

Web サービス

Web サービスとは、ネットワーク上の他のシステムからも利用でき、分散型 Web ベース アプリケーションのコンポーネントとして共有および使用可能な、1 つのエンティティにまとめられた一連の関数です。これらのサービスは一般的に、CRM (カスタマ リレーションシップ マネージメント)、注文処理システムなどの既存のバックエンド アプリケーションとインタフェースします。

Java クラス、または Web サービスを実装する EJB のいずれかを含む場合もあります。Web サービスは、実装に応じて、Web アプリケーション アーカイブ (WAR) または EJB モジュール (JAR) のどちらかとしてパッケージ化されます。通常、WAR または EJB JAR ファイルは、さらにエンタープライズ アプリケーションにパッケージ化されます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JAX-WS を使用した Web サービス入門』を参照してください。

J2EE ライブラリ

J2EE ライブラリとは、デプロイメント時に共有ライブラリとして J2EE アプリケーション コンテナに登録される、スタンドアロンの J2EE モジュール、またはエンタープライズ アプリケーション (EAR) にパッケージ化された複数の J2EE モジュールです。J2EE ライブラリの登録後は、weblogic-application.xml デプロイメント記述子内のライブラリを参照するエンタープライズ アプリケーションをデプロイできるようになります。参照側の各アプリケーションは、デプロイメントの際に共有 J2EE ライブラリ モジュールのコピーを受け取り、アプリケーションそのものの一部としてパッケージ化されているかのように、これらのモジュールを使用できます。J2EE ライブラリのサポートにより、依存関係にある各アプリケーションに共有モジュールを物理的に追加することなく、複数のエンタープライズ アプリケーション間で 1 つまたは複数の J2EE モジュールを簡単に共有できます。

共有ライブラリのデプロイメント ファイルは、標準のエンタープライズ アプリケーションか、この節で説明している J2EE モジュールの、どちらかに類似しています。共有ライブラリと、標準 EAR およびモジュールとの相違点は、MANIFEST.MF ファイルの内容だけです。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションの開発』の「共有 Java EE ライブラリおよびオプション パッケージの作成」で、J2EE ライブラリを組み立ててコンフィグレーションする方法と、J2EE ライブラリを利用するエンタープライズ アプリケーションのコンフィグレーション方法を説明しています。

共有 Java EE ライブラリおよびそれに依存するアプリケーションのデプロイ」では、J2EE ライブラリおよび J2EE ライブラリを参照するエンタープライズ アプリケーションのデプロイ方法について説明します。

オプション パッケージ

オプション パッケージは、J2EE ライブラリと似た機能を提供しており、これを使用すると複数のアプリケーション間で単一の JAR ファイルを簡単に共有できます。ただし、オプション パッケージは、エンタープライズ アプリケーションとしてではなく、(スタンドアロンまたはエンタープライズ アプリケーション内の) 個々の J2EE モジュールとして機能します。たとえば、複数の Web アプリケーションで必要とされるサード パーティの Web アプリケーション フレームワーク クラスを、単一の JAR ファイル内にパッケージ化およびデプロイし、ドメイン内の複数の Web アプリケーション モジュールから参照することが可能です。

オプション パッケージは、デプロイメント記述子のない基本の JAR ファイルとして配信されます。デプロイメントの際に、JAR をオプション パッケージとして指定するだけで、WebLogic Server はそのファイルを選択した対象サーバに登録します。オプション パッケージの登録後は、MANIFEST.MF ファイル内においてオプション パッケージを参照する J2EE モジュールおよびアプリケーションをデプロイできるようになります。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server アプリケーションの開発』の「共有 Java EE ライブラリおよびオプション パッケージの作成」で、オプション パッケージを組み立ててコンフィグレーションする方法と、オプション パッケージを利用する J2EE モジュールのコンフィグレーション方法を説明しています。

共有 Java EE ライブラリおよびそれに依存するアプリケーションのデプロイ」では、オプション パッケージ、およびオプション パッケージを参照する J2EE モジュールのデプロイ方法を説明します。

JDBC、JMS、および WLDF モジュール

JMS、JDBC、または WLDF (診断フレームワーク) アプリケーション モジュールは、スタンドアロンのリソースとしてデプロイ可能です。その場合リソースは、デプロイメント中に対象指定されたドメインで、またはエンタープライズ アプリケーションの一部として、使用可能です。エンタープライズ アプリケーションの一部としてデプロイされたアプリケーション モジュールは、同梱されたアプリケーション (アプリケーション スコープのリソース) でのみ利用可能です。アプリケーション スコープのリソースを使用することにより、アプリケーションは常に必要なリソースへ確実にアクセスでき、アプリケーションを新しい環境にデプロイする処理が簡素化されます。

システム モジュールと対照的に、アプリケーション モジュールの所有者は、モジュールをデプロイする管理者ではなく、モジュールを作成およびパッケージ化した開発者となります。つまり、JDBC、JMS、および WLDF アプリケーション モジュールに対しては、管理者の制御が及ぶ範囲のほうが、より制限されています。アプリケーション モジュールをデプロイする際、管理者はモジュールで指定されていたリソース プロパティを変更できますが、リソースの追加や削除は行えません。

システム モジュールは、WebLogic Administration Console を介して管理者によって作成され、必要に応じて、管理者により変更または削除可能です。同様に、管理者によって作成されたスタンドアロンのアプリケーション モジュールは、モジュールを新しいドメインにデプロイするだけで、複数の WebLogic Server 環境におけるグローバル リソースの再作成に使用できます。

JDBC、JMS、および WLDF モジュールのデプロイ方法の詳細については、以下を参照してください。

クライアント アプリケーション アーカイブ

J2EE 仕様では、クライアント アプリケーションのアーカイブ ファイルをエンタープライズ アプリケーション内に組み込むことができます。J2EE クライアント アプリケーション モジュールには、クライアント JVM (Java 仮想マシン) で実行される Java クラスと、EJB (エンタープライズ JavaBean)、およびクライアントによって使用されるその他の WebLogic Server リソースに関するデプロイメント記述子が収められます。これによって、サーバサイドとクライアントサイドのコンポーネントを 1 つのユニットとして配布できます。EAR 内で、クライアント モジュールを J2EE 標準 application-client.xml デプロイメント記述子および WebLogic Server weblogic-appclient.xml 記述子を使用して定義します。

デプロイメント ツール

Weblogic Server では、アプリケーションのコンフィグレーションとデプロイに役立つ次のツールが用意されています。

weblogic.Deployer

weblogic.Deployer では、コマンドライン ベースのインタフェースを使用して、デプロイメントの基本的なタスクおよび高度なタスクの両方を実行できます。weblogic.Deployer は、WebLogic Server のデプロイメント機能にコマンドラインからアクセスする必要がある場合、またはサポートされていないデプロイメント タスクを Administration Console を使用して実行する必要がある場合に使用します。

Administration Console

Administration Console では、一連の Web ベースのデプロイメント アシスタントを使用して、デプロイ手順を実行できます。Administration Console では、デプロイメント ステータスを変更およびモニタしたり、デプロイメント ユニットが起動され実行されている間に、選択したデプロイメント記述子の値を変更したりできます。

Administration Console は、基本的なデプロイメントの機能をインタラクティブに実行する必要があり、サポートされているブラウザにアクセスできる場合に使用します。

WLST

WebLogic Scripting Tool (WLST) は、アプリケーション デプロイメント コンフィグレーション、デプロイメント操作などドメイン コンフィグレーション タスクの自動化に使用できる、コマンドライン インタフェースです。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool ガイド』を参照してください。

開発者用のデプロイメント ツール

WebLogic Server にはアプリケーションとスタンドアロン モジュールのデプロイに使用するいくつかのツールがあります。

  • wldeployweblogic.Deployer ユーティリティの Ant タスク バージョンです。デプロイメント タスクを自動化するには、Ant の build.xml ファイルに wldeploy コマンドを配置し、Ant を実行してそのコマンドを実行します。

  • weblogic.PlanGenerator。開発者が複数の WebLogic Server 環境へのデプロイメント用にアプリケーションのコンフィグレーションをエクスポートできる、コマンドライン ツールです。

  • デプロイメント API。Java クラスを使用してデプロイメント タスクをプログラム的に実行できます。

  • autodeploy ドメイン ディレクトリ。開発環境で評価またはテストを行うためのアプリケーションを素早くデプロイできます。