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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ノード マネージャ管理者ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55549-01
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3 ノード マネージャの一般的なコンフィグレーション

以下の節では、Java バージョンおよびスクリプト バージョンの双方のノード マネージャに適用される全般的な手順の概要を説明します。

ノード マネージャのコンフィグレーションの概要

この節では、ノード マネージャの一般的なコンフィグレーションについて説明します。この節の内容は、Java バージョンおよびスクリプト バージョンのノード マネージャに適用されます。以下の節に示す手順を実行する際は、必ずすべての手順項目を実施してください。

ノード マネージャの一般的なコンフィグレーションを実施した後は、使用するノード マネージャのバージョンに応じて、「Java ノード マネージャのコンフィグレーション」または「スクリプト ノード マネージャのコンフィグレーション」のコンフィグレーション手順を実施する必要があります。

手順 1: ノード マネージャを実行するためのコンピュータのコンフィグレーション

ノード マネージャは、WebLogic Server インスタンスをホストする各コンピュータ上で実行される必要があります。WebLogic Server で各コンピュータを 1 つのマシン リソースとしてコンフィグレーションし、ノード マネージャを使用して制御する各サーバ インスタンスを、ノード マネージャが実行されるマシンに割り当てます。

理想としては、システム障害の発生時や再起動時にノード マネージャが自動的に再起動されるように、ノード マネージャはオペレーティング システムのサービスまたはデーモンとして実行する必要があります。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server インストール ガイド』の「Windows サービスのインストール」を参照してください。

ノード マネージャは、ノード マネージャと管理サーバを同じマシンで実行し、デモ用の SSL コンフィグレーションを使用するのであれば、WebLogic Server のインストール後すぐに実行することができます。デフォルトでは、以下の動作がコンフィグレーションされます。

WLST を使用したノード マネージャの制御およびコンフィグレーション

WebLogic Scripting Tool (WLST) は、システム管理者やオペレータが、WebLogic Server インスタンスおよびドメインのモニタと管理に使用する、コマンドライン スクリプト インタフェースです。WLST をノード マネージャ クライアントとして使用することで、サーバ インスタンスをリモートまたはローカルで起動、停止、および再起動できます。加えて、WLST ではサーバのステータスを取得し、サーバ出力のログとノード マネージャのログの内容を取得できます。WLST コマンドの詳細については、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Tool コマンド リファレンス』の「WLST コマンドおよび変数リファレンス」を参照してください。

プロダクション環境での nmConnect の使用

WLST では、任意のマシン上で実行されているノード マネージャに接続でき、そのマシン上の 1 つまたは複数の WebLogic Server インスタンスを起動できます。この方法を使用して WLST およびノード マネージャでサーバ インスタンスを起動するために、ドメインの管理サーバが実行されている必要はありません。

ただし、デフォルトでは、nmConnect コマンドはプロダクション環境では使用できません。nmConnect をプロダクション環境で使用するには、最初に次の手順を実行する必要があります。

  1. 管理サーバを起動します。

  2. Administration Console を使用し、[domain_nameセキュリティ全般] の [詳細] オプションからノード マネージャの資格を更新します。

  3. WLST を呼び出しconnect コマンドを使用して管理サーバに接続します。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool ガイド』の「WebLogic Scripting Tool の使用」を参照してください。

  4. 以下の構文を使用して nmEnroll を実行します。

    nmEnroll([domainDir], [nmHome])
    

    次に例を示します。

    nmEnroll('C:/oracle/user_projects/domains/prod_domain',
    'C:/oracle/wlserver_10.3/common/nodemanager')
    

    nmEnroll() を実行すると、各管理対象サーバへ、確実に正しいノード マネージャのユーザおよびパスワード トークンが供給されます。これらが各管理対象サーバで使用可能になれば、nmConnect() をプロダクション環境で使用できます。


    注意 :

    管理対象サーバを実行している各マシン上で nmEnroll() を実行する必要があります。加えて、各マシン上の各ドメイン ディレクトリについて、nmEnroll() を実行することが必要です。

手順 2: ノード マネージャのユーザ名とパスワードの指定

nm_password.properties ファイルには、ノード マネージャのユーザ名とパスワードが格納されます。ユーザ名とパスワードは、クライアント (たとえば管理サーバ) とノード マネージャの間の接続を認証するために使用します。


注意 :

このユーザ名とパスワードは、ノード マネージャとクライアントの間の接続の認証にのみ使用されます。サーバ管理用の ID およびパスワードとは無関係です。

このファイルは、ドメインの作成時に、nmEnroll() を使用して必要なコンフィグレーション ファイルをあるマシンから別のマシンにコピーしたときに作成されます。nm_password.properties が作成されたら、Administration Console を使用してノード マネージャのパスワードやプロパティの値を変更できます。変更は、nm_password.properties ファイルに伝播され、ノード マネージャによって使用されます。


注意 :

nm_password.properties を手動で編集した場合は、ノード マネージャを再起動して変更を有効にする必要があります。

nm_password.properties ファイルは、ノード マネージャを実行する物理マシンごとに存在していなければなりません。ただし、ノード マネージャのユーザ名とパスワードを、ドメイン内のすべてのマシンで一致させる必要はありません。

手順 3: ノード マネージャを使用するためのマシンのコンフィグレーション

WebLogic Server マシン リソースでは、特定のマシンとそれがホストするサーバ インスタンスを関連付け、そのシステム上のノード マネージャ プロセスの接続属性を指定します。

Administration Console の [環境マシンmachine_nameノード マネージャ] ページを使用して、ノード マネージャ プロセスを実行するマシンごとにマシン定義をコンフィグレーションします。[リスン アドレス] フィールドに、ノード マネージャがリスンする DNS 名または IP アドレスを入力します。

手順 4: nodemanager.domains ファイルのコンフィグレーション

nodemanager.domains ファイルには、ノード マネージャ インスタンスが制御するドメインを指定します。このため、スタンドアロンのクライアントではドメイン ディレクトリを明示的に指定する必要はありません。

このファイルには、ノード マネージャ インスタンスが制御する各ドメインのドメイン ディレクトリを次の形式で指定するエントリが含まれている必要があります。

domain-name=domain-directory

ユーザがドメインに対してコマンドを発行すると、ノード マネージャは nodemanager.domains からドメイン ディレクトリをルックアップします。

このファイルではノード マネージャ クライアントのアクセスがファイル内に表示されたドメインに制限されるので、セキュリティがさらに強化されます。クライアントは、nodemanager.domains に表示されたドメインに対してのみコマンドを実行できます。

コンフィグレーション ウィザードを使用してドメインを作成した場合には、nodemanager.domains ファイルは自動的に作成されています。必要に応じて、nodemanager.domains を手動で編集し、ドメインを追加できます。


注意 :

nodemanager.domains でバックスラッシュ文字 (\) を使用している場合は、(\\) としてエスケープする必要があります。

手順 5: リモート起動引数のコンフィグレーション

Administration Console で、管理対象サーバの [サーバコンフィグレーションサーバの起動] ページで、ノード マネージャが管理対象サーバの起動に使用する起動引数を指定します。管理対象サーバの起動引数を指定しない場合、ノード マネージャは独自のプロパティをデフォルトとして使用して管理対象サーバを起動します。詳細については、「nodemanager.properties の検討」を参照してください。それらのデフォルトでも管理対象サーバを起動することができますが、起動プロセスの一貫性と信頼性を確保するためには、管理対象サーバ インスタンスごとに起動引数をコンフィグレーションします。指定された起動引数は管理対象サーバの起動にのみ使用されます。ノード マネージャによって起動される管理サーバ インスタンスで使用されることはありません。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server インストール ガイド』の「Windows サービスのインストール」に説明されているようにノード マネージャを Windows サービスとして実行する場合は、ノード マネージャの制御下に置かれる管理対象サーバごとに以下の JVM プロパティをコンフィグレーションする必要があります

このオプションを設定しない場合、ノード マネージャはシステムの再起動後に管理対象サーバを再起動できません。それは、次のような一連のイベントが発生するためです。

  1. 再起動が行われると、ノード マネージャ サービスと管理サーバのオペレーティング システム サービスが停止される前に、実行中の管理対象サーバが強制終了されます。

  2. 管理対象サーバの強制終了と、ノード マネージャ サービスの停止の間の間隔に、ノード マネージャは継続して管理対象サーバをモニタし、それが強制終了されたことを検出し、再起動を行おうとします。

  3. マシンが停止しようとしているので、オペレーティング システムは管理対象サーバの再起動を許可しません。

  4. ノード マネージャは障害が発生したものとして管理対象サーバにマークを付け、マシンが再起動したときにそのサーバを起動しません。

-Xrs オプションまたは -Xnohup オプションを使用して管理対象サーバを起動すると、マシンの停止時に管理対象サーバを即座に停止しないようになり、このような一連のイベントが回避されます。

手順 6: サーバの起動プロパティの設定

ノード マネージャを使用して、サーバの起動プロパティを設定できます。これらのプロパティは、startup.properties で定義することも、WLST などの管理ユーティリティを使用してオブジェクトとして渡すこともできます。起動プロパティと、その有効な値を設定する方法を、以下の節で概説します。

startup.properties

ノード マネージャは、startup.properties ファイルを使用して、サーバ起動時の起動コンフィグレーションを決定します。このファイルは、サーバ インスタンスごとに定義されており、下記の場所に置かれています。DOMAIN_HOME/servers/server_name/data/nodemanager/startup.properties

startup.properties の内容は、サーバ Mbean から派生するか、サーバがクラスタの一部である場合は、クラスタ MBean から派生します。詳細については、Mbean のリファレンスを参照してください。

WLST を使用して起動プロパティを設定する

WLST nmStart コマンドを使用する場合、サーバのコンフィグレーションは、直接決定することができません。したがって、サーバの起動プロパティを WLST プロパティ オブジェクトとして nmStart() コマンドに渡す必要があります。

サーバの起動プロパティ

以下のサーバの起動プロパティを、ノード マネージャを使用して起動する際にサーバに渡すことができます。

表 3-1 サーバの起動プロパティ

プロパティ 説明

JavaHome

サーバを起動する際に使用される Java ホーム ディレクトリを定義する。

Arguments

サーバを起動する際に使用される引数。

SSLArguments

これらの引数は、ドメイン全体の管理ポートを有効化した場合に使用される。

RestartMax

ノード マネージャがサーバの再起動を試行できる回数。

RestartDelaySeconds

ノード マネージャがサーバの再起動を試行するまでに待機する秒数。

ClassPath

サーバを起動する際に使用されるクラスパス。

OracleHome

サーバを起動する際に使用される Oracle ホーム ディレクトリ。

AdminURL

管理サーバの URL。

注意 : この値は、管理対象サーバの startup.properties ファイルにおいてのみ指定する。

AutoRestart

このサーバで障害が発生した場合に、ノード マネージャが自動的にそれを再起動できるかどうかを指定する。

AutoKillIfFailed

サーバの状態が failed になった場合に、ノード マネージャで自動的にサーバを強制終了するかどうかを指定する。

SecurityPolicyFile

このサーバを起動する際に使用するセキュリティ ポリシー ファイルを指定する。

ServerIP

サーバの IP アドレス。


手順 7: 管理サーバ アドレスの定義

ノード マネージャ プロセスに接続する各管理サーバのリスン アドレスを確実に定義する必要があります。管理サーバのリスン アドレスが定義されていない場合、ノード マネージャは、管理対象サーバの起動時に、その管理対象サーバに対して localhost にアクセスしてコンフィグレーション情報を取得するように指示します。

リスン アドレスは、Administration Console の [サーバコンフィグレーション全般] ページで設定します。

手順 8: ノード マネージャ環境変数の設定

ノード マネージャを起動する前に、ノード マネージャの環境変数を設定する必要があります。

コマンドラインでこれらの変数を手動で設定することもできますし、これらの変数を自動で設定する起動スクリプトを作成することもできます。WebLogic Server に付属のサンプル起動スクリプト (startNodeManager.cmd および startNodeManager.sh) では、必須の変数が設定されます。

表 3-2 ノード マネージャの環境変数

環境変数 説明
JAVA_HOME 

ノード マネージャで使用される JDK ルート ディレクトリ。次に例を示す。

set JAVA_HOME=c:\oracle\jdk131

ノード マネージャには、WebLogic Server と同じ JDK のバージョンに関する必要条件がある。

WL_HOME 

WebLogic Server のインストール ディレクトリ。次に例を示す。

set WL_HOME=c:\oracle\wlserver_10.3
PATH

WebLogic Server の bin ディレクトリと Java 実行ファイルのパスを指定する必要がある。次に例を示します。

set PATH=%WL_HOME%\server\bin;%JAVA_HOME%\bin;%PATH%
LD_LIBRARY_PATH 

(UNIX および Linux)

HP UX および Solaris システムの場合、ネイティブ ノード マネージャ ライブラリのパスを指定する必要がある。

Solaris の例 :

LD_LIBRARY_PATH:$WL_HOME/server/lib/solaris:$WL_HOME/server/lib/solaris/oci816_8

HP UX の例 :

SHLIB_PATH=$SHLIB_PATH:$WL_HOME/server/lib/hpux11:$WL_HOME/server/lib/hpux11/oci816_8

Linux の例 :

LD_LIBRARY_PATH:$WL_HOME/server/native/linux:$WL_HOME/server/native/linux/i686

注意 : Linux は i686ia64、または x86_64 アーキテクチャが可能。該当するアーキテクチャに応じてパスは変わる可能性がある。

CLASSPATH

ノード マネージャ CLASSPATH は、ノード マネージャを起動するための java コマンドラインのオプション、または環境変数として設定できる。

Windows NT の例 :

set CLASSPATH=.;%WL_HOME%\server\lib\weblogic_sp.jar;%WL_HOME%\server\lib\
weblogic.jar