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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ノード マネージャ管理者ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55549-01
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2 ノード マネージャの概要

以下の節ではノード マネージャの概要を説明します。

概要

WebLogic Server のプロダクション環境では、サーバ インスタンスが複数のドメイン、マシン、および地理的な場所にまたがって分散することがよくあります。ノード マネージャは、離れた場所から管理サーバ インスタンスや管理対象サーバ インスタンスを起動、停止、および再起動できる WebLogic Server 付属のユーティリティです。ノード マネージャは任意指定の機能ですが、高可用性が要求されるアプリケーションを WebLogic Server 環境でホストする場合には使用することをお勧めします。

ノード マネージャ プロセスは、特定の WebLogic ドメインではなく、マシンに関連付けられます。サーバ インスタンスがノード マネージャ プロセスと同じマシン上に存在している限り、同じノード マネージャ プロセスを使用して任意の WebLogic Server ドメインのサーバ インスタンスを制御できます。ノード マネージャは、ノード マネージャを使用して制御する WebLogic Server インスタンス (管理サーバまたは管理対象サーバ) をホストするコンピュータごとに実行する必要があります。

ノード マネージャのバージョン

WebLogic Server には、Java ベースのノード マネージャとスクリプトベースのノード マネージャという、同じような機能を持つ 2 つのバージョンのノード マネージャが用意されています。ただし、それぞれのバージョンでは、コンフィグレーションとセキュリティに関する考慮事項が異なっています。

Java ベースのノード マネージャ

Java ベースのノード マネージャは、Java 仮想マシン (JVM) プロセスで動作します。ノード マネージャは、Windows プラットフォームでは Windows サービスとして、UNIX プラットフォームではオペレーティング システムのサービスとして実行することをお勧めします。これにより、システムの再起動時にノード マネージャを自動的に再起動できるようになります。

Oracle では、Windows、Solaris、HP-UX、Linux on Intel、Linux on Z-Series、および AIX オペレーティング システム用のネイティブ ノード マネージャ ライブラリを提供しています。


注意 :

ノード マネージャは、Open VMS、OS/390、AS400、UnixWare、または Tru64 UNIX ではサポートされていません。

このバージョンのノード マネージャのコンフィグレーションは、nodemanager.properties ファイルで指定されます。「nodemanager.properties の検討」を参照してください。

Java ベースのノード マネージャは、スクリプトベースのノード マネージャよりセキュリティ面で優れています。「Java ベースのノード マネージャのセキュリティのコンフィグレーション」を参照してください。

スクリプトベースのノード マネージャ

UNIX および Linux システムに対しては、スクリプトベース バージョンのノード マネージャが提供されます。このスクリプトは UNIX シェル スクリプトに基づいていますが、セキュリティ向上のために SSH を使用します。SSH ではユーザ ID ベースのセキュリティが使用されます。

スクリプト バージョンのノード マネージャのコンフィグレーションについては、「スクリプト ノード マネージャのコンフィグレーション」を参照してください。

このバージョンのノード マネージャでは、Java ベースのノード マネージャほどのセキュリティは提供されません。しかし、スクリプトベースのノード マネージャの利点は、SSH を使用するようにコンフィグレーションされたネットワーク上でサーバをリモート管理できることです。サーバを追加でインストールする必要はありません。スクリプトをリモート マシンにコピーするだけです。


注意 :

スクリプトベースのノード マネージャは、オペレーティング システムのサービスとして実行することをお勧めします。これにより、システムの再起動時にノード マネージャを自動的に再起動できるようになります。

使用するノード マネージャ バージョンの決定

どのバージョンのノード マネージャを使用するかは、お使いの WebLogic Server 環境の要件によって異なります。現在の環境に最適なバージョンを判断する際は、以下の点を考慮してください。

  • WebLogic Server を Windows システムにインストールしている場合は、Java バージョンのノード マネージャを使用する必要があります。スクリプト バージョンのノード マネージャは、Windows ではサポートされません。

  • 非データベース リース (コンセンサス リース) を使用する場合は、Java バージョンのノード マネージャを使用したほうがパフォーマンスが向上する可能性があります。

  • スクリプト ベースのノード マネージャの場合は、セキュリティ コンフィグレーションを Java バージョンよりもかなり単純にする必要があります。RSH および SSH は、Java バージョンのノード マネージャで使用する SSL よりも一般的でコンフィグレーションも容易なセキュリティ手法です。スクリプト バージョンのノード マネージャの場合は、必要なサイズも Java バージョンに比べて小さくなります。

  • Java バージョンのノード マネージャは、サポートされる UNIX システムで inetd と組み合わせて使用できます。inetd を使用すると、コンフィグレーションされたポートでリクエストを受信したときにノード マネージャを自動的に再起動できます。

ノード マネージャへのアクセス

ノード マネージャ クライアントは、通信するノード マネージャのローカルにあってもリモートにあってもかまいません。以下のクライアントから、Java バージョンまたはスクリプトベース (SSH) バージョンのノード マネージャのうち、いずれかにアクセスします (また、スクリプトベースのノード マネージャで使用するための、シェル コマンド テンプレート形式による SSH クライアントが用意されています)。

WLST およびノード マネージャを使用したサーバの制御の詳細については、「ノード マネージャを使用したサーバの制御」を参照してください。

ノード マネージャの機能

以下の節では、基本的なノード マネージャの機能について説明します。

管理サーバの起動、停止、および再起動

WebLogic Scripting Tool (またはスクリプトベースのノード マネージャを使用する場合のみ SSH クライアント) を使用して、管理サーバをホストするマシン上のノード マネージャ プロセスに接続し、管理サーバを起動、停止、または再起動するためのコマンドを発行します。管理サーバとノード マネージャの関係は、シナリオに応じて異なります。

  • 管理サーバをノード マネージャの制御下に置くことができる。ノード マネージャを使用して管理サーバを起動、モニタ、および再起動できます。

  • 管理サーバをノード マネージャ クライアントにできる。Administration Console から管理対象サーバを起動または停止するときには、管理サーバを使用してノード マネージャにアクセスしています。

  • 管理サーバではノード マネージャを使用して管理対象サーバを起動するプロセスがサポートされている。ノード マネージャを使用して管理対象サーバを起動するときには、管理対象サーバは管理サーバにアクセスして未処理のコンフィグレーションの更新を取得します。

管理対象サーバの起動、停止、中断、および再起動

WebLogic Server Scripting Tool (WLST) コマンドラインまたはスクリプトを使用してノード マネージャにコマンドを発行し、管理対象サーバ インスタンスやクラスタを起動、停止、中断、および再起動できます。

ノード マネージャは、管理サーバにアクセスできない場合でも管理対象サーバ独立 (MSI) モードが有効になっていれば、管理対象サーバ インスタンスを障害後に再起動できます。デフォルトでは、これは有効になっています。


注意 :

ノード マネージャは、最初から MSI モードで管理対象サーバを起動することはできません。管理対象サーバが自身のコンフィグレーション設定を取得するには、ドメインの管理サーバにアクセスできなくてはならないからです。


注意 :

ノード マネージャは、スクリプトまたはコマンドラインで管理対象サーバを起動するときに指定するものと同じコマンド引数を使用します。起動引数の詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server コマンド リファレンス』の「weblogic.Server コマンドライン リファレンス」を参照してください。

管理サーバおよび管理対象サーバの再起動

ノード マネージャを使用して起動されたサーバ インスタンスに障害が発生した場合、ノード マネージャはそのインスタンスを自動的に再起動します。


注意 :

ノード マネージャは、ノード マネージャを使用して起動されたサーバのみを再起動できます。

再起動機能はコンフィグレーション可能です。ノード マネージャのデフォルトの動作は、以下のとおりです。

  • 障害の発生した、制御下にあるサーバ インスタンスを自動的に再起動する。この機能は無効にできます。

  • 障害の発生したサーバ インスタンスを特定の回数まで再起動する。再起動の回数は、ノード マネージャの startup.properties ファイルで RestartMax プロパティを設定して定義します。

ノード マネージャに障害が発生した場合や、ノード マネージャが明示的に停止された場合、ノード マネージャは再起動時に前回の終了時に制御下にあったサーバ インスタンスを判別します。ノード マネージャは必要に応じて障害の発生したサーバ インスタンスを再起動できます。


注意 :

ノード マネージャをオペレーティング システムのサービスとして実行することをお勧めします。これにより、ホスト マシンの再起動時にノード マネージャを自動的に再起動できるようになります。

サーバのモニタとログ データの表示

ノード マネージャは、ノード マネージャ プロセスのログ ファイルと、自身が制御する各サーバ インスタンスのサーバ出力ログ ファイルを作成します。これらのログ ファイルは、サーバ インスタンスのログ ファイルと同様に Administration Console または WLST またはコマンドを使用して表示できます。

WebLogic Server 環境でのノード マネージャの機能

以下の節では、ノード マネージャがサーバとの通信に使用するプロセスの図および説明と合わせて、ノード マネージャの役割の WebLogic Server 環境における「全体像」を示します。

ノード マネージャとサーバの図

図 2-1 は、ノード マネージャ、ノード マネージャのクライアント、およびノード マネージャが制御するサーバ インスタンスの関係を示します。

図 2-1 WebLogic Server 環境でのノード マネージャ

図 2-1 の説明については以下を参照
「図 2-1 WebLogic Server 環境でのノード マネージャ」の説明

ノード マネージャが管理サーバを起動する仕組み

図 2-2 は、ノード マネージャによる管理サーバ起動プロセスを示します。

この節では、すでに管理サーバをインストールし、コンフィグレーション ウィザードを使用してドメイン ディレクトリを作成していることを前提としています。

ノード マネージャは、管理サーバをホストするマシン A で実行されています。スタンドアロンのノード マネージャ クライアントはリモートにあります。

図 2-2 管理サーバの起動

図 2-2 の説明については以下を参照
「図 2-2 管理サーバの起動」の説明

  1. 認可されたユーザが、管理サーバをホストするマシン上のノード マネージャ プロセスに接続するための WLST オフライン コマンド nmConnect を発行し、管理サーバを起動するためのコマンドを発行します (ノード マネージャ インスタンスが SSH バージョンである場合は、ユーザは SSH クライアントを使用して接続できます)。

    起動コマンドは起動するドメインおよびサーバ インスタンスを特定し、Java ベースのノード マネージャの場合はノード マネージャ ユーザのユーザ名とパスワードを指定します。


    注意 :

    ユーザが以前にノード マネージャに接続したことがある場合には boot.properties ファイルが存在するので、ユーザはユーザ名とパスワードを指定する必要はありません。

  2. ノード マネージャが nodemanager.domains でドメイン ディレクトリをルックアップし、暗号化されたユーザ名とパスワードを格納するローカル ファイルを使用してユーザの資格を認証します。

  3. ノード マネージャが管理サーバのプロセスを作成します。

  4. 管理サーバが、その config ディレクトリからドメイン コンフィグレーションを取得します。

ノード マネージャが管理対象サーバを起動する仕組み

図 2-3 は、ノード マネージャによる管理対象サーバ起動プロセスを示します。

ノード マネージャは、管理対象サーバ 1 をホストするマシン B で実行されています。ドメインの管理サーバはマシン A で実行されています。

図 2-3 管理対象サーバの起動

図 2-3 の説明については以下を参照
「図 2-3 管理対象サーバの起動」の説明

  1. ユーザが、Administration Console から管理対象サーバ 1 の起動コマンドを発行します。


    注意 :

    スタンドアロン クライアントは、管理対象サーバの起動コマンドを発行することもできます。

  2. 管理サーバが、管理対象サーバ 1 用にコンフィグレーションされたリモート起動プロパティを指定して、マシン B 上のノード マネージャに管理対象サーバ 1 の起動コマンドを発行します。引数とその指定方法の詳細については、「手順 5: リモート起動引数のコンフィグレーション」を参照してください。

  3. ノード マネージャが管理対象サーバ 1 を起動します。

    ノード マネージャは、ノード マネージャ プロセスが実行されているものと同じルート ディレクトリを使用してその管理対象サーバを起動します。別のディレクトリで管理対象サーバを実行するには、[サーバ|コンフィグレーション|サーバの起動] コンソール ページで [ルート ディレクトリ] 属性を設定します。

  4. 管理対象サーバ 1 が管理サーバにアクセスし、コンフィグレーション情報の更新をチェックします。

  5. ドメイン コンフィグレーションに未処理の変更がある場合、管理対象サーバ 1 はコンフィグレーション データのローカル キャッシュを更新します。

ノード マネージャが管理サーバを再起動する仕組み

図 2-4 は、ノード マネージャによる管理サーバ再起動プロセスを示します。

ノード マネージャは、管理サーバをホストするマシンで実行されています。ノード マネージャを使用して最初に起動された管理サーバはすでに終了しています。管理サーバの AutoRestart 属性は true に設定されています。


注意 :

サーバ インスタンスの AutoRestart 属性が false に設定されている場合、ノード マネージャはそのインスタンスを再起動しません。

図 2-4 管理サーバの再起動

図 2-4 の説明については以下を参照
「図 2-4 管理サーバの再起動」の説明

  1. ノード マネージャが管理サーバ プロセスの終了コードから再起動が必要であると判断します。

  2. ノード マネージャが boot.properties ファイルから管理サーバの起動に使用するユーザ名とパスワードを取得し、server_name/data/nodemanager/startup.properties ファイルからサーバの起動プロパティを取得します。

  3. ノード マネージャが管理サーバを起動します。

  4. 管理サーバがそのコンフィグレーション データを読み込み、起動します。

ノード マネージャが管理対象サーバを再起動する仕組み

図 2-5 は、ノード マネージャによる管理対象サーバ再起動プロセスを示します。

ノード マネージャは、管理対象サーバ 1 をホストするマシン B で実行されています。ノード マネージャを使用して最初に起動された管理対象サーバ 1 はすでに終了しています。管理対象サーバ 1 の AutoRestart 属性は true に設定されています。


注意 :

サーバ インスタンスの AutoRestart 属性が false に設定されている場合、ノード マネージャはそのインスタンスを再起動しません。

図 2-5 管理対象サーバの再起動

図 2-5 の説明については以下を参照
「図 2-5 管理対象サーバの再起動」の説明

  1. ノード マネージャが管理対象サーバ 1 の最新の既知の状態から再起動が必要であると判断します。

  2. ノード マネージャが boot.properties ファイルから管理対象サーバ 1 の起動に使用するユーザ名とパスワードを取得し、startup.properties ファイルからサーバの起動プロパティを取得します。これらのサーバ固有のファイルは、管理対象サーバ 1 のサーバ ディレクトリにあります。

  3. ノード マネージャが管理対象サーバ 1 を起動します。


    注意 :

    ノード マネージャは、サーバ インスタンスに障害が発生した後から RestartDelaySeconds で指定された秒数待機してから再起動を行います。

  4. 管理対象サーバ 1 が管理サーバにアクセスし、コンフィグレーション データの更新をチェックします。管理サーバにアクセスし、コンフィグレーション データの更新を取得すると、管理対象サーバ 1 は config ディレクトリのローカル キャッシュを更新します。

  5. 管理対象サーバ 1 が管理サーバにアクセスできなかった場合に管理対象サーバ独立 (MSI) モードが有効になっていると、管理対象サーバ 1 はローカルにキャッシュされたコンフィグレーション データを使用します。


    注意 :

    デフォルトでは、管理対象サーバ独立モードは有効になっています。

ノード マネージャがサーバ インスタンスを停止する仕組み

図 2-6 は、ノード マネージャの制御下にある管理対象サーバの停止に伴う通信について説明しています。管理対象サーバの状態と可用性によっては、ノード マネージャは別の方法で停止を始める必要があります。

ノード マネージャは、管理対象サーバ 1 をホストするマシン B で実行されています。

図 2-6 ノード マネージャの制御下にあるサーバ インスタンスの停止

図 2-6 の説明については以下を参照
「図 2-6 ノード マネージャの制御下にあるサーバ インスタンスの停止」の説明

  1. 認可されたユーザが、Administration Console を使用して管理対象サーバ 1 の停止コマンドを発行します。

  2. 管理サーバが管理対象サーバ 1 に直接停止コマンドを発行します。管理対象サーバ 1 へのアクセスが成功すると、管理対象サーバ 1 は『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server サーバの起動と停止の管理』の「正常な停止」で説明されている停止シーケンスを実行します。

  3. 前の手順で管理対象サーバ 1 へのアクセスが失敗した場合、管理サーバはマシン B 上のノード マネージャに管理対象サーバ 1 の停止コマンドを発行します。

  4. ノード マネージャが、オペレーティング システムに管理対象サーバ 1 を強制停止するように要求を発行します。

  5. オペレーティング システムが管理対象サーバ 1 のプロセスを終了させます。

ノード マネージャとシステム クラッシュの回復

システム クラッシュの後に、ノード マネージャによってサーバが確実に再起動されるようにするには、以下を実行する必要があります。

システムの再起動後、ノード マネージャは nodemanager.domains ファイルで指定された各管理対象ドメインをチェックして、停止に問題のあったサーバ インスタンスがあるかどうかを判断します。これは、WebLogic Server プロセスの作成時にノード マネージャによって作成されたロック ファイルが存在するかどうかによって決まります。このロック ファイルには、WebLogic Server 起動スクリプトのプロセス識別子が含まれています。ロック ファイルが存在するが、プロセス ID が実行されていない場合、ノード マネージャは自動的にサーバを再起動しようとします。

プロセスが実行中であれば、ノード マネージャはさらにチェックを行ってプロセス内で実行されている管理サーブレットにアクセスし、プロセス ID に対応するプロセスが、WebLogic Server インスタンスであることを確認します。


注意 :

ノード マネージャがチェックを実行して管理サーブレットにアクセスする際、不適切な資格に関し、サーバ ログ内に警告が示されることがあります。

ノード マネージャのコンフィグレーション ファイルとログ ファイル

複数のサーバを管理する場合、ノード マネージャは、図 2-7 に示すように複数のコンフィグレーション ファイルを使用し、複数のディレクトリにログ ファイルを出力します。

図 2-7 ノード マネージャのコンフィグレーションとロギングの環境

図 2-7 の説明については以下を参照
「図 2-7 ノード マネージャのコンフィグレーションとロギングの環境」の説明

以下の節では、ノード マネージャのコンフィグレーション ファイルとログ ファイルについて説明します。

コンフィグレーション ファイル

言及されていない限り、コンフィグレーション ファイルは Java ベースのノード マネージャとスクリプトベースのノード マネージャの両方に適用されます。

nodemanager.properties

Java ベースのノード マネージャによって使用されるコンフィグレーション ファイルです。「nodemanager.properties の検討」を参照してください。

このファイルは WL_HOME/common/nodemanager にあります。WL_HOME は WebLogic Server のインストール先ディレクトリです。

nodemanager.domains

このファイルには、ノード マネージャによって管理されるドメインの名前と、それに対応するディレクトリのマッピングが格納されます。「手順 4: nodemanager.domains ファイルのコンフィグレーション」を参照してください。

このファイルは WL_HOME/common/nodemanager にあります。

nm_data.properties

このファイルには、ノード マネージャが対称暗号化キーとして使用する暗号化データが格納されます。データは暗号化された形で保存されます。

このファイルは WL_HOME/common/nodemanager にあります。

nm_password.properties

このファイルには、ノード マネージャのユーザ名とパスワードが格納されます。「手順 2: ノード マネージャのユーザ名とパスワードの指定」を参照してください。

このファイルは DOMAIN_HOME/config/nodemanager にあります。

boot.properties

ノード マネージャはこのファイルを使用して、サーバの起動時にユーザ資格を指定します。「ノード マネージャの一般的なコンフィグレーション」を参照してください。

このファイルは DOMAIN_HOME/servers/server_name/data/nodemanager にあります。

startup.properties

各管理対象サーバ インスタンスには、ノード マネージャによるサーバの起動方法および管理方法を指定するプロパティが記載された、独自の startup.properties ファイルがあります。最後に管理サーバを使用してこのサーバを起動したときにノード マネージャに渡されたプロパティを使用して、ノード マネージャはこのファイルを自動的に作成します。これにより、ノード マネージャ クライアントまたは起動スクリプトは、管理サーバによって最後に使用されたものと同じプロパティを使用して管理対象サーバを再起動できるようになります。

startup.properties の詳細については、「手順 6: サーバの起動プロパティの設定」を参照してください。これらのプロパティは、ServerStartMBean のサーバ起動属性と ServerStartMBean の状態モニタ属性に対応しています。

このファイルは DOMAIN_HOME/servers/server_name/data/nodemanager にあります。

server_name.addr

server_name.addr は、サーバが起動または移行される際に追加された IP アドレスを格納します。このファイルは、移行中にサーバ IP アドレスが正常にオンラインになった後に生成されます。IP アドレスがオフラインになると、server_name.addr は削除されます。サーバ IP アドレスは、サーバの停止中に、アドレスが誤って削除されてしまうことを回避するための、削除要求の検証に使用されます。

このファイルは DOMAIN_HOME/servers/server_name/data/nodemanager にあります。

server_name.lck

サーバごとに生成される server_name.lck は、内部的に使用されるロック ID を格納します。

このファイルは DOMAIN_HOME/servers/server_name/data/nodemanager にあります。

server_name.pid

サーバごとに生成される server_name.pid は、サーバのプロセス ID を格納します。ノード マネージャは、クラッシュ回復中、サーバによって生成されたプロセス ID をチェックします。

このファイルは DOMAIN_HOME/servers/server_name/data/nodemanager にあります。

server_name.state

サーバごとに生成される server_name.state は、サーバの現在の状態を格納します。ノード マネージャは、このファイルの内容をモニタして、サーバの現在の状態を判別します。


注意 :

このファイルは削除も変更もしないでください。このファイルがないと、ノード マネージャはサーバの現在の状態を判別できません。

このファイルは DOMAIN_HOME/servers/server_name/data/nodemanager にあります。

ログ ファイル

個々の管理対象サーバの起動または停止に関する問題を解決するには、ノード マネージャおよび WebLogic Server のログ ファイルを利用します。

表 2-1 ノード マネージャ ログ ファイルの場所

ログ ファイル 場所

ノード マネージャのログ ファイル

NodeManagerHome/nodemanager.logNodeManagerHomeWL_HOME/common/nodemanager

ノード マネージャ サーバ インスタンスのログ ファイル

DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server_name.outDOMAIN_HOME は WebLogic Server ドメインのインストール先ディレクトリ (d:\oracle\user_projects\domains\domain-name など)

WebLogic Server のログ ファイル

DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server_name.log


nodemanager.log

ノード マネージャは、NodeManagerHome/nodemanager.log にログ ファイルを作成します。このログ ファイルには、ノード マネージャによって管理されるすべてのドメインに関するデータが記載されます。

このログ ファイルは、ノード マネージャによって生成され、特定の物理的なマシン上でノード マネージャによって制御されるすべてのドメインに関するデータが格納されます。「nodemanager.log」を参照してください。

このファイルは WL_HOME/common/nodemanager にあります。

ログ出力は、現在の nodemanager.log に追加されます。ログ ローテーションはデフォルトでは無効になっていますが、nodemanager.propertiesLogCount を設定することで有効にできます。

以下の方法で、ノード マネージャのログ ファイルを表示できます。

  • Administration Console で [マシン|モニタ|ノード マネージャのログ] ページを選択する。

  • WLST の nmLog コマンドを使用する。

server_name.out

ノード マネージャは制御対象の各サーバ インスタンスについて、サーバ インスタンスで生成される stdout メッセージおよび stderr メッセージを格納するログ ファイルを保持します。サーバ インスタンスのリモート起動プロパティとしてリモート起動デバッグ プロパティが有効になっている場合や、ノード マネージャのデバッグ プロパティが有効になっている場合には、ノード マネージャによってサーバの出力ログ情報に未公開情報が追加されます。


注意 :

ノード マネージャが作成するこのログ ファイルのサイズは制限できません。stdout へのロギングはデフォルトでは無効になっています。

このファイルは、domain_name/servers/server_name/logs にあります。

ノード マネージャによって、サーバ インスタンスの logs ディレクトリにそのサーバ インスタンスのサーバ出力ログが次の名前で作成されます。

server_name.out

server_name はサーバ インスタンスの名前です。

以下の方法で、特定のサーバ インスタンスに関するノード マネージャのログ ファイルを表示できます。

  • [診断|ログ ファイル] を選択する。

  • WLST の nmServerLog コマンドを使用する。

ノード マネージャが作成できるサーバ出力ログ数に制限はありません。

WebLogic Server のログ ファイル

ノード マネージャによって作成されるログ ファイルとは別に、ノード マネージャの制御下にあるサーバ インスタンスには独自のログ ファイルがあります。

サーバ インスタンスのログ ファイルを表示するには、[診断|ログ ファイル] を選択してサーバのログ ファイルを選択し、[表示] をクリックします。