コンフィグレーション ウィザードまたは WLST を使用すると、基本的な WebLogic Server ドメインを拡張して Avitek Medical Records Sample ドメインを作成することが簡単にできます。これは、Avitek Medical Records Sample Domain 拡張テンプレートで提供されるリソースやサービスを基本的な WebLogic Server ドメインに追加することによって達成することができます。
Avitek Medical Records サンプル アプリケーションの詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Avitek Medical Records 開発チュートリアル』を参照してください。
次の表は、Avitek Medical Records Sample Domain 拡張テンプレートを基本的な WebLogic Server ドメインに適用した後で生成されるデフォルトのディレクトリ構造とファイルを示しています。特に指定がない限り、コンフィグレーション ウィザード フレームワークではデフォルトで MW_HOME\user_projects\domains\base_domain
ディレクトリにこのドメインが作成されます。デフォルトのコンフィグレーション設定を変更すると、その出力ディレクトリ構造は、ここで示したディレクトリ構造と異なる場合があります。
表 2-9 Avitek Medical Records Sample 拡張テンプレート適用後の基本的なドメイン
ディレクトリ | ファイル | 説明 |
---|---|---|
user_projects\applications\base_domain\dist\ |
各種 |
Avitek Medical Records アプリケーションのさまざまな配信を含むサブディレクトリがある。 |
user_projects\applications\base_domain\doc\ |
各種 |
Avitek Medical Records オンライン ドキュメントを含むディレクトリとファイル。 |
user_projects\applications\base_domain\lib\ |
各種 |
Avitek Medical Records サンプルをサポートするライブラリ ファイルを含むサブディレクトリがある。 |
user_projects\applications\base_domain\modules\ |
各種 |
Java、XML、JSP、HTML の各種ファイルなどの Avitek Medical Records ソース コードを含むサブディレクトリがある。 |
user_projects\applications\base_domain\ |
build.xml |
Avitek Medical Records サンプル用のデータベースを設定するための対応するスクリプトで使用される Ant ビルド ファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\ |
fileRealm.properties |
互換性セキュリティの使用時にデフォルトのセキュリティ レルムで使用可能な ACL、ユーザ、およびグループを格納したファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\ |
log4j.properties |
MedRecApp.log ファイルなどの Avitek Medical Records Log4j 実装をコンフィグレーションする。 |
user_projects\domains\base_domain\ |
pointbase.ini |
PointBase JDBC データベースの初期化情報を格納したファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\ |
startWebLogic.cmd startWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\autodeploy\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態では自動デプロイメントのプレースホルダとして機能する。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
setDomainEnv.cmd setDomainEnv.sh |
Windows および UNIX システムの開発環境をそれぞれ設定するために使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
startManagedWebLogic.cmd startManagedWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理対象サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
startPointBaseConsole.cmd startPointBaseConsole.sh |
Windows および UNIX システムで PointBase コンソールを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
startWebLogic.cmd startWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
stopManagedWebLogic.cmd stopManagedWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理対象サーバを停止する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\bin\ |
stopWebLogic.cmd stopWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを停止する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
user_projects\domains\base_domain\config\ |
config.xml |
管理サーバで使用されるコンフィグレーション情報を格納したファイル。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ドメインのコンフィグレーションについて』の「ドメインのコンフィグレーション」を参照。 |
user_projects\domains\base_domain\config\deployments\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、アプリケーションのステージング モードが「staged」の場合に、アプリケーションのステージング用に使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\diagnostics\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、WebLogic 診断フレームワーク (WLDF) のインスツルメンテーションに関連付けられたシステム モジュールを格納するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\diagnostics\ |
MedRecWLDF.xml |
Avitek Medical Records 診断インスツルメンテーションの診断記述子情報。 |
user_projects\domains\base_domain\config\jdbc\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、(JSR-88 とは異なり) JMX から直接コンフィグレーションできるグローバル JDBC モジュールを格納するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\jdbc\ |
MedRec-jdbc.xml |
Avitek Medical Records ドメイン用のグローバルな XA JDBC データ ソース モジュール。 |
user_projects\domains\base_domain\config\jms\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、(JSR-88 とは異なり) JMX から直接コンフィグレーションできるグローバル JMS モジュールを格納するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\jms\ |
MedRec-jms.xml |
Avitek Medical Records ドメイン用のグローバル JMS モジュール。 |
user_projects\domains\base_domain\config\lib\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、サーバの Java 仮想マシンが開始したときにサーバのシステム クラスパスに追加される JAR ファイルを格納するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\config\nodemanager\ |
nm_password.properties |
ノード マネージャ パスワード プロパティの値を含むファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\config\security\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、セキュリティ フレームワーク用のシステム モジュールを格納するために使用される。このディレクトリには、ドメインの現在のレルムにおける各タイプのセキュリティ プロバイダごとに 1 つずつのセキュリティ プロバイダ コンフィグレーション拡張が含まれる。 |
user_projects\domains\base_domain\config\startup\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、起動プランを含んだシステム モジュールを格納するために使用される。起動プランは、サーバ起動の一部に使用できるシェル スクリプトを生成するために使用される。 |
user_projects\domains\base_domain\console-ext\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態では WebLogic Server Administration Console に対するカスタム拡張用のプレースホルダとして機能する。 |
user_projects\domains\base_domain\console-ext\ |
diagnostics-console-extension.jar |
診断機能を表示する WebLogic Server Administration Console に拡張を示すために使用されたファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\init-info\ |
domain-info.xml |
ドメインの作成と拡張の情報を識別するために使用されるファイル。情報は、ドメイン内のコンポーネントの ID、ドメインで使用される JDK とアプリケーション ディレクトリの場所、ドメインの作成と拡張に使用されるテンプレートなどである。 |
user_projects\domains\base_domain\init-info\ |
security.xml |
ドメイン リソースへの ID とアクセスを確立するユーザ グループとロールを作成するために使用されるファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\init-info\ |
startscript.xml |
ドメインのルート ディレクトリおよび bin ディレクトリに配置される *.cmd ファイルおよび *.sh ファイルを作成するために使用されるファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\init-info\ |
tokenValue.properties |
起動スクリプトで指定されたトークンを置き換える実際の値を含んでいるファイル。 |
user_projects\domains\base_domain\lib\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではドメインのライブラリ用のプレースホルダとして機能する。このディレクトリ内の JAR ファイルは、サーバ起動時にサーバ クラスパスの最後に動的に追加される。 |
user_projects\domains\base_domain\security\ |
DefaultAuthenticatorInit.ldift DefaultAuthorizerInit.ldift |
認証 (ユーザとグループ)、認可、ロール マッピングなどのブートストラップ処理で使用されるファイル。これらのファイルには、LDAP 固有の情報が収められている。 注意 : このリリースを使用して作成した WebLogic ドメインは、デフォルトで XACML プロバイダを使用する。それらの XACML プロバイダは、WebLogic 認可プロバイダ (DefaultAuthorizer) および WebLogic ロール マッピング プロバイダ (DefaultRoleMapper) で作成したポリシーやロールに対して互換性がある。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Security について』の「WebLogic セキュリティ プロバイダ」を参照。 |
user_projects\domains\base_domain\servers\AdminServer\security\ |
boot.properties |
サーバの起動に必要なユーザ名やパスワードなど、サーバの起動プロパティを格納したファイル (暗号化形式)。このファイルは、起動モードとして開発モードを選択した場合にのみ生成される。 このファイルによって、サーバの起動サイクル時におけるユーザ名とパスワードの入力を省略できる。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server サーバの起動と停止の管理』の「サーバの起動と停止を行うユーザ資格の指定」を参照。 |
以下の表は、Avitek Medical Records Sample 拡張テンプレートで拡張されるドメイン内でコンフィグレーションされるリソースとサービスを示しています。
表 2-10 Avitek Medical Records Domain でコンフィグレーションされるリソース
リソースの種類 | 名前 | 拡張の結果 |
---|---|---|
管理サーバ |
AdminServer |
基本的な WebLogic Server ドメインで提供される管理サーバを使用する。ドメイン作成時に名前を変更しない限り、デフォルト名は ドメイン作成時に管理サーバの名前を変更する方法については、「WebLogic Server Domain テンプレートでコンフィグレーションされるリソースとサービス」を参照。 |
アプリケーション デプロイメント |
browser-starter |
アプリケーションを追加し、それを管理サーバである AdminServer の対象とする。 |
アプリケーション デプロイメント |
medrec |
アプリケーションを追加し、それを管理サーバである AdminServer の対象とする。 |
アプリケーション デプロイメント |
physician |
Physician アプリケーションを追加し、それを管理サーバである AdminServer の対象とする。 |
JDBC データ ソース |
MedRecGlobalDataSourceXA |
JDBC データ ソースを MedRecGlobalDataSource システム リソースとして識別する。 |
JMS キュー |
com.bea.medrec.jms.RecordToCreateQueue com.bea.medrec.jms.PatientNotificationQueue weblogic.wsee.DefaultQueue |
JMS キューを JMS サーバである MedRecWseeJMSServer に追加する。 |
JMS サーバ |
MedRecJMSServer |
JMS サーバを MedRec-jms システム リソースとして追加し、それを管理サーバである AdminServer の対象とする。 |
JMS システム リソース |
MedRec-jms |
JMS サーバ、接続ファクトリ、およびキューを JMS システム リソースとして使用するように追加し、リソースを管理サーバである AdminServer の対象とする。 |
メール セッション |
mail/MedRecMailSession |
メール セッションを追加する。 |
SAF エージェント |
WsrmAgent |
この SAF (ストア アンド フォワード) エージェントを追加する。このエージェントはファイル ストアである MedRecWseeFileStore を使用し、それを管理サーバである AdminServer の対象とする。 |
セキュリティ レルム |
myrealm |
基本的な WebLogic Server ドメインで提供されるセキュリティ レルムを使用する。 |
WLDF システム リソース |
MedRecWLDF |
仕分けインジェクション用の WLDF システム リソースと定義された WLDF インスツルメンテーション モニタを追加し、それらを管理サーバである AdminServer の対象とする。 |