コンフィグレーション ウィザードまたは WLST を使用すると、基本的な WebLogic Server ドメインを拡張して Workshop for WebLogic 10.3 を使用するために必要なリソースを簡単に含めることができます。これは、Workshop for WebLogic 10.3 テンプレートで提供されるリソースやサービスを基本的な WebLogic Server ドメインに追加することによって行います。
注意 : グラフィカル モードでコンフィグレーション ウィザードを使用すると、[ドメイン ソースの選択] ウィンドウの [Workshop for WebLogic 10.3] チェック ボックスをチェックすることで新しい Oracle Workshop for WebLogic ドメインを簡単に作成することができます。結果は、基本的な WebLogic Server ドメインを先に作成してからそのドメインを Workshop for WebLogic 10.3 拡張テンプレートで拡張する場合と同じになります。Workshop for WebLogic 10.3 ドメインを作成するために必要なテンプレートの詳細については、「テンプレート間の関係」を参照してください。 |
次の表は、Workshop for WebLogic 10.3 テンプレートを基本的な WebLogic Server ドメインに適用した後で生成されるデフォルトのディレクトリ構造とファイルを示しています。特に指定がない限り、コンフィグレーション ウィザード フレームワークではデフォルトで MW_HOME\user_projects\domains\base_domain
ディレクトリにこのドメインが作成されます。デフォルトのコンフィグレーション設定を変更すると、その出力ディレクトリ構造は、ここで示したディレクトリ構造と異なる場合があります。
表 2-15 Workshop for WebLogic 10.3 テンプレート適用後の基本的なドメイン
ディレクトリ | ファイル | 説明 |
---|---|---|
user_projects\applications\base_domain\ |
empty |
empty |
empty |
該当なし |
作成するカスタム アプリケーション ファイルのプレースホルダとして機能するディレクトリ。 |
user_projects\domains\base_domain\ |
empty |
empty |
empty |
fileRealm.properties |
互換性セキュリティの使用時にデフォルトのセキュリティ レルムで使用可能な ACL、ユーザ、およびグループを格納したファイル。 |
empty |
pointbase.ini |
PointBase JDBC データベースの初期化情報を格納したファイル。 |
empty |
startWebLogic.cmd startWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
empty |
URLs.dat |
JDBC データベースの URL を格納したファイル。 |
autodeploy\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態では自動デプロイメントのプレースホルダとして機能する。 |
bin\ |
setDomainEnv.cmd setDomainEnv.sh |
Windows および UNIX システムの開発環境をそれぞれ設定するために使われるスクリプト。 |
bin |
startManagedWebLogic.cmd startManagedWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理対象サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
bin |
startPointBaseConsole.cmd startPointBaseConsole.sh |
Windows および UNIX システムで PointBase コンソールを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
bin |
startWebLogic.cmd startWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを起動する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
bin |
stopManagedWebLogic.cmd stopManagedWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理対象サーバを停止する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
bin |
stopWebLogic.cmd stopWebLogic.sh |
Windows および UNIX システムで管理サーバを停止する際にそれぞれのシステムで使われるスクリプト。 |
config\ |
config.xml |
管理サーバで使用されるコンフィグレーション情報を格納したファイル。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ドメインのコンフィグレーションについて』の「ドメインのコンフィグレーション ファイル」を参照。 |
config\deployments\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、アプリケーションのステージング モードが「staged」の場合に、アプリケーションのステージング用に使用される。 |
config\diagnostics\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、WebLogic 診断フレームワーク (WLDF) のインスツルメンテーションに関連付けられたシステム モジュールを格納するために使用される。 |
config\jdbc\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、(JSR-88 とは異なり) JMX から直接コンフィグレーションできるグローバル JDBC モジュールを格納するために使用される。 |
config\jdbc\ |
cgDataSource-jdbc.xml |
高度な Web サービス用にコンフィグレーションされるドメインのグローバル XA JDBC データ ソース モジュール。 |
config\jdbc\ |
cgDataSource-nonXA-jdbc.xml |
高度な Web サービス用にコンフィグレーションされるドメインのグローバル非 XA JDBC データ ソース モジュール。 |
config\lib\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、サーバの Java 仮想マシンが開始したときにサーバのシステム クラスパスに追加される JAR ファイルを格納するために使用される。 |
config\nodemanager\ |
nm_password.properties |
ノード マネージャ パスワード プロパティの値を含むファイル。 |
config\security\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、セキュリティ フレームワーク用のシステム モジュールを格納するために使用される。このディレクトリには、ドメインの現在のレルムにおける各タイプのセキュリティ プロバイダごとに 1 つずつのセキュリティ プロバイダ コンフィグレーション拡張が含まれる。 |
config\startup\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではプレースホルダとして機能し、その後、起動プランを含んだシステム モジュールを格納するために使用される。起動プランは、サーバ起動の一部に使用できるシェル スクリプトを生成するために使用される。 |
console-ext\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態では WebLogic Server Administration Console に対するカスタム拡張用のプレースホルダとして機能する。 |
init-info\ |
domain-info.xml |
ドメインの作成と拡張の情報を識別するために使用されるファイル。情報は、ドメイン内のコンポーネントの ID、ドメインで使用される JDK とアプリケーション ディレクトリの場所、ドメインの作成と拡張に使用されるテンプレートなどである。 |
init-info\ |
security.xml |
ドメイン リソースへの ID とアクセスを確立するユーザ グループとロールを作成するために使用されるファイル。 |
init-info\ |
startscript.xml |
ドメインのルート ディレクトリおよび bin ディレクトリに配置される *.cmd ファイルおよび *.sh ファイルを作成するために使用されるファイル。 |
init-info\ |
tokenValue.properties |
起動スクリプトで指定されたトークンを置き換える実際の値を含んでいるファイル。 |
lib\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態ではドメインのライブラリ用のプレースホルダとして機能する。このディレクトリ内の JAR ファイルは、サーバ起動時にサーバ クラスパスの最後に動的に追加される。 |
security\ |
DefaultAuthenticatorInit.ldift DefaultRoleMapperInit.ldift XACMLRoleMapperInit.ldift |
認証 (ユーザとグループ)、認可、ロール マッピングなどのブートストラップ処理で使用されるファイル。これらのファイルには、LDAP 固有の情報が収められている。 注意 : このリリースを使用して作成した WebLogic ドメインは、デフォルトで XACML プロバイダを使用する。それらの XACML プロバイダは、WebLogic 認可プロバイダ (DefaultAuthorizer) および WebLogic ロール マッピング プロバイダ (DefaultRoleMapper) で作成したポリシーやロールに対して互換性がある。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Security について』の「WebLogic セキュリティ プロバイダ」を参照。 |
security\ |
SerializedSystemIni.dat |
暗号化されたセキュリティ情報を格納したファイル。 |
servers\AdminServer\security\ |
boot.properties |
サーバの起動に必要なユーザ名やパスワードなど、サーバの起動プロパティを格納したファイル (暗号化形式)。このファイルは、起動モードとして開発モードを選択した場合にのみ生成される。 このファイルによって、サーバの起動サイクル時におけるユーザ名とパスワードの入力を省略できる。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server サーバの起動と停止の管理』の「サーバの起動と停止を行うユーザ資格の指定」を参照。 |
user_staged_config\ |
readme.txt |
ディレクトリに関する情報を提供するファイル。このディレクトリは初期状態では、管理者がドメイン内の管理対象サーバにコピーするために必要に応じてステージングするコンフィグレーション情報のプレースホルダとして機能する。 |
以下の表は、Workshop for WebLogic 10.3 テンプレートで拡張されるドメイン内でコンフィグレーションされるリソースとサービスを示しています。
表 2-16 Workshop for WebLogic 10.3 テンプレートでコンフィグレーションされるリソース
リソースの種類 | 名前 | 拡張の結果 |
---|---|---|
管理サーバ |
AdminServer |
基本的な WebLogic Server ドメインで提供される管理サーバを使用する。ドメイン作成時に名前を変更しない限り、デフォルト名は AdminServer である。拡張テンプレートで参照される管理サーバは cgServer である。 ドメイン作成時に管理サーバの名前を変更する方法については、「WebLogic Server Domain テンプレートでコンフィグレーションされるリソースとサービス」を参照。 |
JDBC データ ソース |
cgDataSource |
関連付けられた JDBC 接続プールを含む XA JDBC データ ソースを定義する。このデータ ソースには cgDataSource という名前が付けられる。 |
JDBC データ ソース |
cgDataSource-nonXA |
cgDataSource として定義される JDBC データ ソースと接続プール設定をドメインに含め、これらの設定を正しいサーバの対象とする。 |
JDBC ストア |
cgJMSStore |
Workshop for WebLogic 10.3 拡張テンプレートによって提供された JDBC ストアを使用する。JDBC ストアは JDBC データ ソース cgDataSource-nonXA および JMS サーバ、WseeJmsServer とともに永続ストアとして使用され、管理サーバである AdminServer を対象とする。 |
JDBC システム リソース |
cgDataSource cgDataSource-nonXA |
JDBC システムに使用する JDBC データ ソースと接続プール設定を識別する。 |
JMS サーバ |
WseeJmsServer |
Workshop for WebLogic 10.3 拡張テンプレートによって提供された JMS サーバを使用する。JMS サーバをシステム リソースとして識別し、それを管理サーバである AdminServer の対象とする。 |
セキュリティ レルム |
myrealm |
基本的な WebLogic Server ドメインで提供されるセキュリティ レルムを使用する。 |
Commons-Logging ブリッジ |
wls-commonslogging-bridge#1.0@1.0 |
commons-logging を WLS ロギング メカニズムにフックする。 |
デプロイされたライブラリ |
beehive-netui-1.0#1.0@1.0 |
Apache Beehive NetUI Version 1.0 ライブラリを追加する。これらのライブラリは struts-1.1.war および weblogic-beehive-1.0.ear に含まれるライブラリに基づきページ フロー開発をサポートする。 |
デプロイされたライブラリ |
jstl#1.1@1.1.2 |
Java standard tagging (JSTL) Version 1.1 ライブラリを追加する。 |
デプロイされたライブラリ |
jsf-ri#1.1@1.1.1 |
Java Server Faces Reference Implementation ライブラリを追加する。 |
デプロイされたライブラリ |
jsf-myfaces#1.1@1.1.1 |
Apache MyFaces ライブラリを追加する。 |
デプロイされたライブラリ |
struts-1.1#1.1@1.0 |
Apache Struts Version 1.1 ライブラリを追加する。 |
デプロイされたライブラリ |
struts-1.2#1.2@1.0 |
Apache Struts Version 1.2 ライブラリを追加する。 |
デプロイされたライブラリ |
weblogic-controls-10.0#10.0@10.0 |
サービス コントロールやタイマー コントロールなどの追加のシステム コントロールを含む Workshop for WebLogic 10.3 コントロール拡張機能、トランザクション追加のサポート、セキュリティ、およびメッセージ バッファリングを、既存のコントロールに追加する。EAR 用のパッケージである。 |
デプロイされたライブラリ |
weblogic-controls-10.0-war#10.0@10.0 |
サービス コントロールなどの追加のシステム コントロールを含む Workshop for WebLogic 10.3 コントロール拡張機能、トランザクション追加のサポート、セキュリティ、およびメッセージ バッファリングを、既存のコントロールに追加する。タイマー コントロールなどの EAR サポートを必要とする機能は含まれていない。WAR 用のパッケージである。 |
デプロイされたライブラリ |
beehive-controls-1.0#1.0@1.0 |
Apache Beehive Controls 1.0.1 ライブラリをドメインに追加する。これには、コントロール ランタイムと Beehive システム コントロール - JdbcControl、JMSControl、および EJBControl が含まれる。 |