Oracle WebCenter Spacesにようこそ。この章では、最初にWebCenter Spacesインタフェースの主要な要素について説明し、次にこのチュートリアルの演習を行うために使用するシナリオについて説明します。それぞれの演習は、WebCenter Spaces機能の様々な側面に習熟するように設計されています。また、ユーザー自身がその会社でWebCenter Spacesを単独で操作できるよう、各機能のデモを十分に行うように設計されています。 (機能に関する追加情報が必要な場合は、『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle WebCenter』を参照してください。)
Oracle WebCenter Spacesは、ソーシャル・ネットワーキング、コミュニケーション、共同作業および個人的生産性という点で最新のテクノロジを提供します。 統合的なWeb 2.0サービスおよびアプリケーションの堅牢なセットを介し、WebCenter Spacesでは、他者とのアイディアの交換、個人的タスクおよび業務関連タスクの追跡、クリティカルなアプリケーションとのやりとり、ユーザー独自のプロジェクトおよび関心事への注意の集中に必要とされるすべてのものが提供されます。また、WebCenter Spacesでは、組織内にソーシャル・ネットワークを確立するための基盤が提供されます。
WebCenter Spaces管理者であるか、エンド・ユーザーであるかによって、WebCenter Spacesインタフェースのビューはわずかに異なります。(ビューはロールによっても異なりますが、これについては後で説明します。)管理者である場合、ログイン後に最初に表示される画面は次のようになります。
インタフェースは、3つの主要な領域(サイドバー、バナーおよびページ・コンテンツ)に分割できます。管理者であるか、エンド・ユーザーであるかにかかわらず、これらの領域はすべてのWebCenter Spacesユーザーにとって重要です。次に、これらについて詳しく説明します。
サイドバー。 図2-1の左側にあるサイドバーは、Spacesアプリケーションで行われることのスナップショット・ビューであり、この場所からユーザーにとって最も重要なすべてのアプリケーションおよびサービスに迅速にアクセスできます。 デフォルトでは、ページ・コンテンツ領域用の場所を広く取るためにサイドバーが最小化されます。 サイドバーを展開するには、画面の下にスクロールし、右向きの矢印をクリックします。
サイドバー内の青色の各ストライプはペインと呼ばれます。 各ペインには、特定のWebCenter Web 2.0サービスからの情報や、情報をユーザーのニーズに限定した他のソースからの情報が表示されます。 つまり、サイドバーはWebCenter Spacesユーザーごとに完全に一意であり、完全に個人用です。他のWebCenter Spacesユーザーはあなたのサイドバーの内容を表示できません。また、あなたも他のユーザーのサイドバーの内容は表示できません。使用可能なペインは、ログオンする前にWebCenter Spaces管理者が決定します。管理者がこのような作業を行うとしても、様々なパーソナライズ・オプションが用意されているため、ユーザーが表示したいものだけに焦点を絞ることができます。たとえば、「ディスカッション」ペインにWatched Topicsなどを構成して、関心のあるトピックのみに目を向けることができます。また、期限別にではなく、優先順位別にワークリスト・アイテムを表示できます。このチュートリアルでは、これらのパーソナライズ・オプションの一部を確認します。すべてのオプションを確認するわけではありません。 『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle WebCenter』には、どのようにWebCenter Spacesでの体験をパーソナライズできるかというトピックのみを扱っている章が含まれています。
(ストライプの左端にある)プラス記号を使用するとペインを開くことができます。場合によっては他のペインを非表示にしたり、閉じることができます。各ペインの右側のアイコンを使用すると、開いているペインに適したアクションを実行できます。たとえば、「アプリケーション」ペインの鉛筆アイコンでは、新しいブラウザ・ウィンドウまたは新しいタブでアプリケーションを開くかどうかを制御できます。 これについては、各種ペインの機能とともに後で詳しく学習します。
サイドバーを元の状態(最小化された状態)に戻すには、図2-4に示されたアイコンをクリックします。
サイドバーを最小化しても、すべてのペインとのやりとりが可能です。 適切なアイコンをクリックし、一時的にペインのコンテンツをポップアップに表示させます。 たとえば、「個人用メール受信ボックス」アイコン(封筒の絵のもの)をクリックすると、ポップアップが表示され、電子メール・アカウントにアクセスするためのログインが求められます。
次に、インタフェースの右上のリンクについて説明します。
バナーに表示されるリンクは、WebCenter Spaces内のどこを表示していてもほぼ常時使用でき、頻繁に使用するサービスにアクセスできます。 これらの一部については後半の演習で確認しますが、この時点で重要なのは、この場所からオンライン・ヘルプにアクセスしたり、プリファレンスを設定したり、他のユーザーと密接に連携して作業を行うためにグループ・スペースにアクセスできることを認識することです。さらに、管理者にとってこの場所は、WebCenter Spaces全体に影響を与えるために必要なパネルおよび画面にアクセスする場所になります。 (管理者でない場合、バナーに「管理」リンクは表示されません。)
注意: 右上隅の「ログアウト」リンクの横に、楕円形があります。この楕円体が回転しているときは、WebCenter Spacesがデータの保存、画面のリフレッシュ、ダイアログのオープンなどの処理を実行中であり、ビジー状態であることを示します。楕円体の回転は止まったが、期待した結果が得られなかった場合は、要求を再試行します。
リンクの下にある長いテキスト・フィールドは検索フィールドであり、認可されたコンテンツおよび情報の中から指定したキーワードを検索できます。 検索結果は、次に示すように、その結果が得られたアプリケーションまたはサービスごとにグループ化されます。
この例では、「search」という単語の検索により、「ドキュメント」サービスから20件の検索結果が得られ、さらに別のSearchというページが16件検索されています。 検索結果をクリックすると、詳細が表示されます。
ページ・コンテンツ。ここは、WebCenter Spaces内の作業の大半を行う場所です。 次の図では、ページ・コンテンツ領域に4つのタブ(「個人用スペース」、「WebCenter管理」、「FinanceProject」および「Photography」)が開いています。
各タブは異なるアプリケーション、サービスまたはグループ・スペースを表します。 グループ・スペースとは、メンバーが特定のタスクまたは関心事について共同作業を行うのに役立つ、コンテンツまたはサービスの集合です。 メンバー間のやりとりを円滑にすることで、グループ・スペースでは、組織内のソーシャル・ネットワーキングのベースが提供されます。 図2-8では、「FinanceProject」および「Photography」がグループ・スペースの例です。WebCenter Spacesでは、3種類のグループ・スペースを作成するためのテンプレートが提供されます。
グループ・プロジェクト: ファイナンス・プロジェクトに従事するメンバーなど、目標プロジェクトに取り組んでいるチームのメンバーを呼び集めます。
空白: 単一ページ(ホームページ)でグループ・スペースを作成します。他のテンプレートによって提供されるページおよびコンテンツがニーズに合わないときにこのテンプレートが役立つ場合があります。 名前からわかるように、空白テンプレートではゼロからユーザー独自のグループ・スペースを構築する機会が得られます。 その後、そのグループ・スペースをテンプレートとして保存し、後で他のグループ・サイトに適用することができます。
このチュートリアルでは、架空の電子製品店の従業員のチームが売上問題に取り組み、最終的に解決策を見出すのに役立つグループ・プロジェクトを操作します。また、個人向けの電子製品産業に関する件名に基づいて関心のあるコミュニティも構築します。
図2-8に示されている「個人用スペース」と「WebCenter管理」はいずれもグループ・スペースではありません。 個人用スペースとは、ユーザー独自のアプリケーションやドキュメントなどを格納する領域です。サイドバーと同様、個人用スペースでは、より効率的に個人の作業に焦点を合わせるために、個人に関係するデータのみが提供されます。WebCenter Spacesユーザーごとに独自の個人用スペースを所有します。 名前からわかるように、「WebCenter管理」とは、WebCenter Spacesインスタンスが使用可能なサービス、ユーザーとロールの情報、グループ・スペースのオンライン/オフラインなどをWebCenter Spaces管理者が制御するのに役立つ領域です。このチュートリアルの後半では、このユーザー・インタフェースの一部にアクセスします。
再度図2-8を見ると、「個人用スペース」に「ようこそ」、「レポート」および「トラッキング」が表示されています。 これらの各タブは異なるページを表します。 現在のページの名前である「ようこそ」は太字で表示され、名前の横にある矢印で、ページのコピーや非表示などの操作を実行できます。 WebCenter Spacesでの作業では、Oracleによって事前に作成されるページと、WebCenter Spaces管理者や他のWebCenter Spacesユーザーによって作成されるページと、次に示すように「ページ・アクション」メニューでユーザー自身が作成するそれ以外のページがあります。
このチュートリアルでは、ページの作成方法を確認します。 現時点では、すべてのグループ・スペースにページが1つ以上含まれることに留意してください。 関心のあるコミュニティまたはグループ・プロジェクトのテンプレートに基づいてグループ・スペースを作成すると、特定の種類のネットワーキングに役立つサービスやアプリケーションが事前に移入されたページを自動的に取得できます。
「ページ・アクション」は別のリンクのグループの一部で、バナー・リンクと同様、個人用スペース、グループ・スペースまたはアプリケーションのいずれを参照しているかにかかわらず、ほぼ常時使用できます。 相違点は、これらのリンクが現在のページに限定されるのに対し、バナー・リンクはWebCenter Spaces全体に関連するタスクに役立つことです。 このチュートリアルの後半では、これらのほとんどのリンクを使用します。
これまでに、WebCenter Spacesのインタフェースの外観について理解しました。ここからは、チュートリアルを進める際に使用するシナリオを学習します。
このチュートリアルはStorefront社という架空の企業をベースにしており、顧客はStorefront社のオンラインWebアプリケーションを介して電子製品を購入できます。 コンセプトはAmazon.comに似ており、Storefront社のWebサイトを使用すると、ユーザーは商品を探して買物かごに入れ、それをオンラインで安全に購入できます。 このチュートリアルでは、Storefront社の従業員(実際には3人の従業員)になり、WebCenter Spacesを使用して日常の一連のタスクを行います。このチュートリアルの演習を行うことで、Storefront社の従業員が日々生産性を高めるのにWebCenter Spacesがどのように役立つか、また組織内で発生する問題の解決に焦点を当てるためにStorefront社の従業員を編成するのにWebCenter Spacesがどのように役立つかがわかります。
注意: 各手順を進めていくと、このチュートリアルから得られる情報が、当面のタスクの実行に必要なものだけであることがわかります。特定のページに表示される他のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware User's Guide for Oracle WebCenter』を参照してください。また、WebCenter Spaces内のフィールドの多くは大/小文字が区別されるため、テキストは指示どおり正確に入力してください。
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