OC4Jにはadmin.jar
というコマンドライン・ユーティリティが用意されています。このユーティリティを使用すると、スタンドアロンOC4JインストールのアクティブなOC4Jインスタンスで操作を実行できます。特に、このユーティリティを使用すると、OC4Jの停止と再起動、アプリケーションのデプロイ、および現在のリソース使用状況に関する情報の収集ができます。
この章の内容は次のとおりです。
注意: 旧リリースでadmin.jar ユーティリティに用意されていたOC4Jのweb-site-relatedオプション(-site コマンドを使用してアクセス可能)は、利用できなくなりました。OC4J Webサイトの構成を作成および管理する方法は、第13章「OC4JでのWebサイトの管理」を参照してください。 |
admin.jar
ユーティリティは、スタンドアロンOC4JインスタンスのORACLE_HOME
/j2ee/home
にデフォルトでインストールされます。
「新しい構成への既存のデータソースの変換」で説明されているように、データソースを変換する場合を除き、このユーティリティを使用するにはOC4Jを起動しておく必要があります。また、このユーティリティはOC4Jの起動には使用できません。ただし、「スタンドアロン環境でのOC4Jの停止および再起動」で説明されているように、このユーティリティを使用してインスタンスを停止した後に再起動することはできます。
この項の内容は次のとおりです。
注意: admin.jar ユーティリティは、スタンドアロンOC4Jインストールの単一のOC4Jインスタンスを管理するためのみに使用できます。
Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)を使用して、Oracle Application Serverのコンポーネントとして稼働しているOC4Jインスタンスを管理します。 より高度な機能を装備しているため、 |
admin.jar
ユーティリティは、次の構文を使用します。パラメータは、表7-1で説明します。
java -jar admin.jar ormi://oc4jHost:oc4jOrmiPort adminId adminPassword options
たとえば、次のコマンドはOC4Jサーバーの正常な停止を強制します。oc4jOrmiPort
に指定された値は、デフォルトの23791
です。adminId
に指定されたユーザー名は、デフォルトの管理者アカウントのユーザー名のoc4jadmin
です。
java -jar admin.jar ormi://localhost:23791 oc4jadmin password -shutdown
これらのコマンドの一部には、対象となるアプリケーションの名前をとる-application
パラメータがあります。この値は、server.xml
構成ファイルの該当する<application>
要素内に定義されている、対象となる特定のアプリケーションの名前です。
表7-1 ホストおよびログイン情報の設定
パラメータ | 説明 |
---|---|
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ORMIプロトコル用のOC4Jのデフォルト・ポートは、 <rmi-server port="oc4jOrmiPort" host="oc4jHost" /> |
|
OC4J管理ユーザー名およびパスワード。デフォルトの管理者アカウントのユーザー名は |
この項では、OC4Jサーバーを管理するためにadmin.jar
によって提供される機能の概要を説明します。この項の内容は次のとおりです。
admin.jar
を使用すると、OC4Jサーバーのスタンドアロン・インスタンスを停止した後、再起動できます。
次のコマンドは、OC4Jサーバーの停止を強制し、すべてのスレッドを即時終了させます。停止のreason
として入力された文字列は、サーバー・ログ・ファイルORACLE_HOME
/j2ee/home/log/server.log
に書き込まれます。
java -jar admin.jar ormi://localhost:23791 oc4jadmin password -shutdown force need_to_reboot_host_machine
表7-2 OC4Jサーバーの停止および再起動用オプション
オプション | 説明 |
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OC4Jサーバーを停止します。
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OC4Jサーバーを再起動します。コンテナは、
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|
admin.jar
を使用すると、スタンドアロンOC4Jインスタンスに対してJ2EEアプリケーションをデプロイまたはアンデプロイできます。
注意:
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アプリケーションのデプロイは2段階のプロセスです。最初にアーカイブをOC4Jにデプロイし、次にアプリケーションへのアクセスに使用されるWebサイトにWebモジュールをバインドする必要があります。
最初に、-deploy
コマンドをアプリケーションのデプロイに使用します。
java -jar admin.jar ormi://oc4jHost:oc4jOrmiPort adminId adminPassword -deploy -file path/filename -deploymentName appName -targetPath deploy_dir
アーカイブをデプロイしたら、-bindWebApp
コマンドを使用して、Webアプリケーションをそのアクセスに使用されるWebサイトにバインドします。
java -jar admin.jar ormi://oc4jHost:oc4jOrmiPort adminId adminPassword -bindWebApp appName webAppName webSiteName contextRoot
たとえば、次のコマンドは、utility
アプリケーションをOC4Jにデプロイします。
java -jar admin.jar ormi://localhost:23791 oc4jadmin password -deploy -file utility.ear -deploymentName utility
次の例では、その後に、utility
アプリケーションおよびutility-web
WebモジュールをデフォルトのOC4J Webサイトにバインドしています。
java -jar admin.jar ormi://localhost:23791 oc4jadmin password -bindwebapp utility utility-web default-web-site /utility
表7-4 アプリケーションのデプロイ用オプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
アプリケーションをデプロイします。次のパラメータを使用して関連情報を指定します。
また、デプロイ済EARファイルもこのディレクトリにコピーされます。後続のデプロイのたびに、このEARファイルは上書きされます。
デフォルトのディレクトリは、
必要に応じて、生成されたスタブの出力先となるJARのパスおよびファイル名を指定できます。指定しない場合、スタブのコピーは、 この機能を使用するには、OC4Jの起動時に java -DGenerateIIOP=true -jar oc4j.jar |
|
Webアプリケーションを指定されたWebサイトおよびコンテキスト・ルートにバインドします。
このオプションにより、web_site_name変数に指定された |
|
デプロイ済J2EEアプリケーションをOC4Jインスタンスから削除します。 アプリケーションをアンデプロイすると、次のような結果になります。
オプションの |
この項では、スタンドアロンOC4Jインスタンスのアプリケーションを管理するためにadmin.jar
によって提供される機能の概要を説明します。この項の内容は次のとおりです。
admin.jar
を使用すると、スタンドアロンOC4Jインスタンスで停止していたアプリケーションの起動、停止または再起動ができます。
次の例では、OC4Jで稼働している特定のアプリケーションを再起動しています。アプリケーション内のファイルが変更されている場合、アプリケーションまたはモジュールは自動的に再デプロイされます。
java -jar admin.jar ormi://localhost:23791 oc4jadmin password -application myapplication -restart
admin.jar
ユーティリティには、OC4Jインスタンスで稼働中のアプリケーション内でEJBモジュールの増分的または部分的な再デプロイを可能にする-updateEJBModule
オプションがあります。このオプションは、開発環境からJARファイルを直接再デプロイするためにアプリケーション開発者が使用することを主な目的としています。
注意: 増分的な再デプロイは、CMPまたはBMPエンティティBeanにアプリケーション全体を再デプロイするよりも効率的ですが、セッションBean、メッセージドリブンBeanまたはEJB 3.0 JPAエンティティでは当てはまりません。この機能の使用に関する詳細は、『Oracle Containers for J2EEデプロイメント・ガイド』の更新されたEJBモジュールの増分再デプロイに関する項を参照してください。 |
構文は次のとおりです。
java -jar admin.jar ormi://oc4jHost
:oc4jOrmiPort adminId adminPassword -applicationappName
-updateEJBModulerelativePath
[-filepath
/ejbJarName
]
たとえば、次のコマンドを使用すると、petstore
アプリケーションのcustomerEjb.jar
モジュールを更新できます。開発者のマシン上には次のディレクトリ構造があると想定します。
/work /src - application source code /build - compiled class files /dist - assembled EAR and JAR files
更新済EJB JARが/dist
ディレクトリのアプリケーションのapplication.xml
J2EE標準デプロイメント・ディスクリプタに定義されている相対パスと一致する場所にある場合、次のコマンドを/dist
ディレクトリから発行できます。
java -jar $ORACLE_HOME/admin.jar ormi://myoc4jserver:23791 oc4jadmin password -application petstore -updateEJBModule customerEjb.jar
更新済ファイルが/build
ディレクトリ内にある場合、JARの場所を-file
オプションに指定した次のコマンドを/dist
ディレクトリから発行できます。
java -jar admin.jar ormi://myoc4jserver:23791 oc4jadmin password -application petstore -updateEJBModule customerEjb.jar -file build/customerEjb.jar
admin.jar
を使用して、特定のアプリケーションのデータソースを作成、削除、リスト出力またはテストします。また、10.1.3より前のdata-sources.xml
ファイルを新しいファイル形式に変換できます。
新しいアプリケーション固有のデータソースを構成する-installDataSource
オプションの構文は、次のとおりです。
java -jar admin.jar ormi://oc4jHost:oc4jOrmiPort adminId
adminPassword
-application appName -installDataSource -jar path
-url url -location jndiName [-pooledLocation jndiName]
[-xaLocation jndiName] [-ejbLocation jndiName] -username name
-password password [-connectionDriver className] -className className
[-sourceLocation jndiName][-xaSourceLocation jndiName]
次に例を示します。
java -jar admin.jar ormi://localhost:23791 oc4jadmin password -application myapp -installDataSource -jar C:/jdbc/lib/ojdbc14dms.jar -url jdbc:oracle:thin:@dev2:1521:main -location jdbc/OracleUddi -username dbuser -password dbpw -className oracle.jdbc.pool.OracleDataSource
表7-7 データソースの管理用オプション
オプション | 説明 |
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指定されたアプリケーションの新しいデータソースをインストールします。次のパラメータを使用してデータソース情報を指定します。
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admin.jar
を使用すると、特定のアプリケーションに関連付けられたデータソースのリスト出力やテスト、または削除も可能です。
表7-8 アプリケーションおよびデータソースの管理用オプション
オプション | 説明 |
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インストールされた各データソース・オブジェクトについて静的に構成された情報を取得します。 |
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既存のデータソースをテストします。次のパラメータを使用して情報を指定します。
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既存のデータソースを削除します。次のパラメータを使用して情報を指定します。
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OC4J 10g(10.1.3.5.0)実装では、10.1.3および10.1.3より前(10.1.2および9.0.4)の形式のdata-sources.xml
ファイルも使用できます。10.1.3より前のOC4J実装で使用され、独自のdata-sources.xml
ファイルを含むアプリケーションでは、Application Server Controlを使用してdata-sources.xml
ファイルを変更(既存のデータソースの変更またはデータソースの作成や削除など)すると、OC4J 10g(10.1.3.5.0)実装によりdata-sources.xml
ファイルが10.1.3より前の形式から10.1.3形式に自動的に変換されます。
admin.jar
コマンドの-convertDataSourceConfiguration
オプションを使用すると、10.1.3より前のdata-sources.xml
ファイルを新しいファイル形式に変換できます。
スタンドアロン環境でOC4Jインスタンスがアクティブな状態では、次の構文でadmin.jar
を使用して、10.1.3より前のdata-sources.xml
ファイルを10.1.3形式に手動で変換できます。
java -jar admin.jar ormi://oc4jHost:oc4jOrmiPort adminId adminPassword -convertDataSourceConfiguration old-data-sources.xml new-data-sources.xml
たとえば、次のコマンドは、既存の構成を変換して新しいファイルに書き込みます。
java -jar admin.jar ormi://localhost:23791 oc4jadmin password -convertDataSourceConfiguration C:\oc4j\j2ee\home\config\data-sources.xml C:\new\data-sources.xml
変換後、古いdata-sources.xml
は参照に必要な情報が含まれているため、削除するのではなく名前を変更することをお薦めします。生成された新しいファイルは、レガシー・ファイルが格納されているディレクトリにコピーします。
構文では、ORMI URLはオプションです。ORMI URLは、OC4Jが稼働している場合にのみ指定できます。
また、OC4Jインスタンスが稼働していなくても、デプロイ前にdata-sources.xml
ファイルを変換できます。オフライン変換の構文は次のとおりです。
java -jar admin.jar -convertDataSourceConfiguration
old-data-sources.xml new-data-sources.xml
注意:
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変換後、アプリケーションと新しいファイルの間にデータソースの参照に使用されるJNDIロケーションに関する一貫性があることを確認するために、手動または自動で、新しいdata-sources.xml
ファイルを表示して調査します。
古い形式では複数のロケーション属性(location
、ejb-location
およびxa-location
など)が使用されています。そのため、新しいファイルには使用されていないデータソース定義が含まれているので、この一貫性チェックを実行することをお薦めします。新しい10.1.3形式への変換により、古いdata-sources.xml
ファイルで指定されている各ロケーション属性に対応する別のデータソースが、新しいdata-sources.xml
ファイルに作成されます。多くの場合、クライアント・アプリケーションでは、location
またはejb-location
属性で定義されているデータソースのみが使用されます。変換されたdata-sources.xml
ファイルには、アプリケーションでは使用されない定義が含まれていますが、削除できます。
新しいdata-sources.xml
形式の例は、『Oracle Containers for J2EEサービス・ガイド』の「データソース」の章を参照してください。
次のコマンドの1つを使用すると、RARファイルにパッケージされたJavaコネクタ・アーキテクチャに準拠するリソース・アダプタをデプロイまたはアンデプロイできます。
表7-9 アプリケーションのデプロイ用オプション
オプション | 説明 |
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コネクタをデプロイします。次のパラメータにアプリケーション情報を指定します。
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指定されたコネクタをアンデプロイします。
スタンドアロンRARのアンデプロイでは、 |