ヘッダーをスキップ
Oracle Application Server Adapter for PeopleSoftユーザーズ・ガイド
10g リリース3(10.1.3.4.0)
B53281-01
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

1 概要

Oracle Application Serverは、Oracle Application Server Adapter for PeopleSoft(OracleAS Adapter for PeopleSoft)を介してPeopleSoftシステムに接続します。OracleAS Adapter for PeopleSoftは接続性を提供し、PeopleSoftシステム上で相互作用を実行します。この章の項目は次のとおりです。

アダプタの機能

OracleAS Adapter for PeopleSoftは、PeopleSoftシステムと他のアプリケーション、データベースおよび外部ビジネス・パートナ・システムとの間でリアルタイムのビジネス・データを交換する手段を提供します。このアダプタにより、PeopleSoftとのインバウンド処理およびアウトバウンド処理が可能になります。OracleAS Adapter for PeopleSoftは、J2EE Connector Architecture(J2CA)リリース1.0リソース・アダプタとしてデプロイできます。このデプロイをOracleAS Adapter J2CAと呼びます。また、Oracle Application Server Adapter Business Services Engine(BSE)と呼ばれるように、Webサービス・サーブレットとしてもデプロイできます。

OracleAS Adapter for PeopleSoftはXMLメッセージを使用することにより、PeopleSoft以外のアプリケーションがサービスとイベントを使用してPeopleSoftと通信し、トランザクションを交換できるようにします。サービスとイベントのロールは、次のとおりです。

イベント機能をサポートするために、チャネルがサポートされています。 チャネルは、バックエンド・システムまたは他のタイプのシステムの特定インスタンスへの構成済接続を表します。

チャネルは、企業情報システム(EIS)アプリケーションからリアルタイムでイベントを受信するアダプタ・コンポーネントです。このチャネル・コンポーネントには、ファイル・リーダー、HTTPリスナー、TCP/IPリスナー、FTPリスナーなどがあります。チャネルは常にEIS固有です。 このアダプタでは、特定のEISに対して複数のチャネルがサポートされるため、ユーザーはデプロイメント要件に基づいて最適なチャネル・コンポーネントを選択できます。

OracleAS Adapter for PeopleSoftは次のものを提供します。

アダプタは、サポート対象のビジネス・オブジェクトに対応するコンポーネント・インタフェースのAPIにアクセスし、PeopleSoft Application Serverに接続します。すべてのコンポーネント・インタフェースには、ビジネス・コンポーネントのデータとビジネス・ロジックが含まれているため、ビジネス・コンポーネント内で定義されているプロセスをアダプタが複製する必要性が軽減されます。


参照:


『Oracle Application Server Adapter 概要』

PeopleSoftの概要

PeopleSoftは、コンポーネント・インタフェースのフレームワークとIntegration Broker(リリース8.4)またはApplication Messaging(リリース8.1)機能を介して、他のアプリケーションおよびシステムとの統合を可能にします。OracleAS Adapter for PeopleSoftは、PeopleSoftのフレームワークを使用し、様々な統合アクセス方法を利用して最大限の柔軟性と機能を提供します。OracleAS Adapter for PeopleSoftでは、次の統合アクセス方法がサポートされています。

PeopleSoftコンポーネント・インタフェース

PeopleSoft環境におけるコンポーネント・インタフェースは、PeopleSoft論理システム間でPeopleSoftアプリケーション・データを配布し、PeopleSoft以外のシステム間においてPeopleSoftアプリケーション・データを交換するためのコンテナです。

コンポーネント・インタフェースは、PeopleSoft内の既存のビジネス・プロセスに基づいています。その一例が発注入力で、PeopleSoft提供のプロセスの場合もユーザー開発によるプロセスの場合もあります。また、コンポーネント・インタフェースは、そのメソッド(Add、Updateなど)とビジネス・ロジックを、基礎となるビジネス・プロセスから継承します。

PeopleSoftは、各アプリケーションとの汎用コンポーネント・インタフェースを提供します。これらはEnterprise Integration Points(EIP)と呼ばれます。顧客は独自のカスタム・コンポーネント・インタフェースを開発するか、必要に応じてEIPを変更できます。OracleAS Adapter for PeopleSoftは、両方のタイプのコンポーネント・インタフェースをサポートしています。

PeopleSoft Application Messaging/Integration Broker

PeopleSoft Application Messaging/Integration Brokerは、PeopleSoft XMLとPeopleSoftの統合を容易にします。OracleAS Adapter for PeopleSoftは、TCP/IPトランスポート・サービスを使用してPeopleSoftアプリケーション・ゲートウェイ内で構成する必要のあるハンドラを提供します。

PeopleSoftとの統合

OracleAS Adapter for PeopleSoftでは、次のことができます。

PeopleSoftコンポーネントに他のアプリケーションからアクセスする場合は、次を介して作業を行います。

詳細は、第2章「OracleAS Adapter for PeopleSoftの構成」を参照してください。

PeopleSoftからのメッセージを受信するには、次の作業を行います。


参照:


アダプタのアーキテクチャ

OracleAS Adapter for PeopleSoftは、Application Explorerを次のいずれかのコンポーネントとともに使用します。

Application Explorer(PeopleSoft接続の構成とWebサービスおよびイベントの作成に使用)は、Webサービス環境でBSEとともに動作するように構成できます。J2CA環境で動作する場合、コネクタは共通クライアント・インタフェース(CCI)を使用して、Webサービスのかわりにアダプタを使用する統合サービスを提供します。

Oracle Application Server Adapter Business Services Engine(BSE)のアーキテクチャ

図1-1に、パッケージされたアプリケーション用のOracle Webサービス・アダプタの汎用アーキテクチャを示します。 アダプタは、BSEとともに、J2EEアプリケーション・サーバーのWebコンテナにデプロイされて動作します。

Application Explorerは、BSEとともにデプロイされる設計ツールです。この設計ツールを使用し、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照、サービスの構成およびEISイベントをリスニングするリスナーの構成を行います。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、BSEによりリポジトリに格納されます。

BSEはプロトコルとしてSOAPを使用し、クライアントからのリクエストを受信し、EISと相互作用してEISからのレスポンスをクライアントに送信します。

図1-1 Oracle Application Server Adapter Business Services Engine(BSE)の汎用アーキテクチャ

OracleAS Adapter Business Servicesのアーキテクチャ
「図1-1 Oracle Application Server Adapter Business Services Engine(BSE)の汎用アーキテクチャ」の説明


注意:


本番環境ではBSEにファイル・リポジトリを使用しないでください。

Oracle Application Server AdapterのJ2CAアーキテクチャ

図1-2に、パッケージされたアプリケーション用のOracleAS Adapter J2CAの汎用アーキテクチャを示します。OracleAS Adapter J2CAは標準のJ2CAコンテナにデプロイされ、アダプタのホスト・コンテナとして機能します。コネクタは、リポジトリで構成されます。リポジトリには、ファイル・システムまたはOracleデータベースを使用できます。リポジトリはRARファイルとしてデプロイされ、ra.xmlというデプロイメント・ディスクリプタが関連付けられています。OC4Jデプロイメント・ディスクリプタoc4j-ra.xmlを編集すると、複数のコネクタ・ファクトリを作成できます。 OC4Jのデプロイの詳細は、第3章「OC4Jのデプロイおよび統合」を参照してください。Application Explorerは、コネクタとともに動作する設計ツールです。この設計ツールを使用し、アダプタ接続の構成、EISオブジェクトの参照、サービスの構成およびEISイベントをリスニングするリスナーの構成を行います。これらの操作の実行中に作成されるメタデータは、コネクタによりリポジトリに格納されます。

図1-2 Oracle Application Server AdapterのJ2CA汎用アーキテクチャ

OracleAS Adapterの汎用J2CAアーキテクチャ
「図1-2 Oracle Application Server AdapterのJ2CA汎用アーキテクチャ」の説明

BSEとOracleAS Adapter J2CAのデプロイ

BPEL Process ManagerとともにOracleAS Adapter for PeopleSoftを使用する場合は、次のことに注意してください。

BSEとOracleAS Adapter J2CAのデプロイの相違点を、次の3つのファクタで説明します。各ファクタを理解しておくと、デプロイ・オプションを選択する際に役立ちます。

  1. BSEは、次の理由で優先デプロイ・オプションとなっています。

    • Oracle Application Serverの個別インスタンスにデプロイできます。

    • 負荷が適切に分散されます。

    • サード・パーティ・ライブラリのエラーから適切に隔離されます。

    • デバッグを目的とした適切な問題隔離機能が用意されています。

    • アプリケーションをビルドするためのサービス指向アーキテクチャ(SOA)モデルに、より緊密に準拠しています。

  2. OracleAS Adapter J2CAの方が、やや高パフォーマンスです。

    BSEに比べると、OracleAS Adapter J2CAの方がやや高パフォーマンスです。ただし、トランザクション・レートが高くなるとパフォーマンスの違いは小さくなります。

  3. OracleAS Adapter J2CAとBSEオプションでは両方とも、ランタイム時にIDが伝播されます。

    BSEオプションには、SOAPヘッダーを使用してIDを渡す機能があります。OracleAS Adapter J2CAの場合、CCIの接続指定を使用してユーザー名とパスワードを渡すことができます。