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Oracle WebCenter Framework開発者ガイド
10g(10.1.3.4)
B50831-02
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B その他のポートレット構成

この付録では、Oracle WebCenter Suiteで使用可能なポートレット・テクノロジのいくつかの構成情報について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

B.1 Java Portlet構成のヒント

この項では、Javaポートレットの構成について説明します。

WSRPテスト・ページの無効化

WSRPテスト・ページを無効にする手順は、次のとおりです。

  1. Oracle JDeveloperで、アプリケーション・ナビゲータに移動し、「Webコンテンツ」フォルダと「WEB-INF」フォルダを開きます。

  2. web.xmlファイルをダブルクリックして開きます。

  3. ソース・モードで、次の要素を検索して削除します。

    <servlet-mapping>
          <servlet-name>WSRPTestPage</servlet-name>
          <url-pattern>/info</url-pattern>
       </servlet-mapping>
    

    注意:

    後から必要になる可能性のある要素を削除しない場合、その要素を次の例に示すようにコメント・タグ内に入れます。
    <servlet-mapping>
          <!--Added by WSRP install tool-->
          <servlet-name>WSRPTestPage</servlet-name>
          <url-pattern>/info</url-pattern>
       </servlet-mapping>
    

  4. web.xmlファイルを保存します。

  5. ブラウザでテスト・ページを実行すると、エラーが発生します。

B.2 OmniPortlet構成のヒント

この項では、OmniPortletの構成について説明します。OmniPortletウィザードの詳細は、第16章「OmniPortletを使用したポートレットの作成」を参照してください。この項では、次の構成情報を示します。

B.2.1 ファイアウォール外のデータにアクセスするためのOmniPortletプロデューサの構成

OmniPortletプロデューサがファイアウォールの内側にある場合、ファイアウォールの外側にあるデータ(CSV、XMLまたはWebサービスなど)のURLにアクセスするために、OmniPortletを構成する必要があります。provider.xmlファイルのプロキシ情報を構成します。表B-1は、パラメータのリストとその説明を示しています。

表B-1 Provider.xmlのタグ

パラメータ 説明

httpProxyHost

OmniPortletプロデューサからそのデータ・ソースへのURL接続を行うために必要な場合、プロキシ・サーバーのホスト名を入力します。

httpProxyPort

HTTPプロキシ・ホストのポート番号を入力します。

dontProxyFor

プロキシ・サーバーを介さずに直接接続できるドメインまたはホスト名を入力します。ドメイン名は、次の例のように、企業、組織、政府機関などの名前を含むURLの一部です。

*.company.com, *.us.company.com

ホストは、完全修飾ホスト名でもIPアドレスでもかまいません。

proxyUseAuth

指定可能な値: true | false

プロキシ・サーバーに認証が必要な場合は、trueを入力します。認証パラメータは、proxyTypeproxyRealmproxyUseGlobalproxyUserNameおよびproxyPasswordのタグによって指定します。

proxyType

指定可能な値: Basic | Digest

プロキシ・サーバーのタイプを選択します。

注意: BasicまたはDigest認証の詳細は、http://www.faqs.org/rfcs/rfc2617.htmlを参照してください。

proxyRealm

この表で後から説明するログイン情報に従い、ユーザーがアクセスするプロキシ・サーバーのレルムの名前を入力します。レルムの名前がわからない場合は、プロキシ・サーバーの管理者に問い合せてください。

proxyUseGlobal

指定可能な値: true | false

trueの場合、<proxyUser><proxyPassword>の値はすべてのユーザーに使用されます。ユーザーには、「ソース」タブおよび「パーソナライズ」画面の「プロキシ認証」セクションは表示されません。falseの場合、ページ設計者は、ポートレットを定義する際、「ソース」タブの「プロキシ認証」セクションを使用してログインする必要があります。エンド・ユーザーは、「パーソナライズ」画面の「プロキシ認証」セクションを使用してログインする必要があります。<proxyUsername>および<proxyPassword>を指定すると、それらはパブリック・ユーザーにのみ使用されます。

proxyUserName

プロキシ・サーバーにログインするためのユーザー名を入力します。

ProxyPassword

指定したユーザー名のパスワードを入力します。プレーン・パスワード・テキストの前には!を付ける必要があります。プロデューサが起動すると、パスワードは保護のためにprovider.xmlファイルで暗号化されます。


ファイアウォール外のデータにアクセスするためにプロキシを使用する基本的な例は、次のとおりです。

<proxyInfo class="mycompany.portal.provider.v2.ProxyInformation">
<httpProxyHost>www-proxy.mycompany.com</httpProxyHost>
<httpProxyPort>80</httpProxyPort>
<proxyUseAuth>false</proxyUseAuth>
</proxyInfo>

次の例では、プロキシ・サーバーのすべてのユーザーに、ログインおよびBasic認証が必要です。

<proxyInfo class="mycompany.portal.provider.v2.ProxyInformation">
<httpProxyHost>stport823.mycompany.com</httpProxyHost>
<httpProxyPort>8080</httpProxyPort>
<proxyUseAuth>true</proxyUseAuth>
<proxyType>Basic</proxyType>
<proxyRealm>stport823</proxyRealm>
<proxyUseGlobal>false</proxyUseGlobal>
</proxyInfo>

B.2.2 他のリレーショナル・データベースにアクセスするためのOmniPortletプロデューサの構成

OmniPortletで他のリレーショナル・データベースにアクセスする場合は、次の手順を実行します。OmniPortlet SQLデータソースは、OracleデータベースにはOracle JDBCドライバを使用して、ODBCデータ・ソースにはSun社のJDBC-ODBCドライバを使用してアクセスするように事前に構成されています。


関連項目:

サポートされているデータベースのリストは、次のURLにあるOracle Application ServeおよびDataDirect JDBCの動作保証マトリックで入手できます。

http://www.oracle.com/technology/tech/java/oc4j/htdocs/datadirect-jdbc-certification.html


OmniPortlet SQLデータソースを、DataDirect JDBCドライバを使用して他のリレーショナル・データベースにアクセスするように構成できます。そのための手順は、次のとおりです。

B.2.2.1 DataDirect JDBCドライバのインストール

DataDirect JDBCドライバは、サポートされているデータベースへのアクセスに使用する様々なドライバが入った1つのZIPファイルにパッケージ化されています。次の場所からZIPファイルをダウンロードします。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/htdocs/utilsoft.html

DataDirect JDBCドライバをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. ZIPファイルの中身を一時ディレクトリ(/temp/datadirectなど)に解凍します。

  2. ORACLE_HOME/j2ee/<OC4J_INSTANCE_HOME>/applibディレクトリがまだない場合は作成します。

  3. /temp/datadirect/libディレクトリからDataDirect JDBCドライブをORACLE_HOME/j2ee/<OC4J_INSTANCE_HOME>/applibディレクトリにコピーします。

  4. OC4J_Portalインスタンスをチェックし、DataDirectライブラリがロードされていることを確認します。そのための手順は、次のとおりです。

    1. ORACLE_HOME/j2ee/<OC4J_INSTANCE_HOME>/config/server.xmlファイルを開きます。

    2. eXtensible Markup Language(XML)エントリ<code-source path="../applib"/>をoracle.portal共有ライブラリ・タグに追加します。

      <shared-library name="oracle.portal" version="10.1.3.2.0" library
      compatible="true">
        <code-source path="../applib"/>
      
    3. ファイルを保存して閉じます。

B.2.2.2 OmniPortletでのDataDirectドライバの登録

OmniPortletはWebプロデューサとして実装され、構成プロパティはすべてprovider.xmlファイルに格納されています。DataDirect JDBCドライバをOmniPortletで使用するには、これらのドライバをprovider.xmlファイルに登録する必要があります。

DataDirect JDBCドライバを登録する手順は、次のとおりです。

  1. ORACLE_HOME/j2ee/<OC4J_INSTANCE_HOME>/applications/portalTools/omniPortlet/WEB-INF/providers/omniPortlet/provider.xmlファイルをバックアップしてから、ファイルを開きます。

  2. SQLデータソース構成エントリに使用するドライバを追加します。そのための手順は、次のとおりです。

    1. XMLタグdriverInfoを検索します。

    2. 最後のdriverInfoタグの後に新しいエントリを追加します。

    次の例は、Microsoft SQL Serverエントリを示しています。

    • OmniPortletリリース9.0.4.1以上の場合:

      <!-- registration of DataDirect Connect for JDBC SQL Server driver -->
      <driverInfo class="oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCDriverInfo">
        <name>Microsoft SQL Server</name>
        <sourceDataBase>other</sourceDataBase>
        <subProtocol>sqlserver</subProtocol>
        <connectString>mainProtocol:subProtocol://databaseName</connectString>
        <driverClassName>com.oracle.ias.jdbc.sqlserver.SQLServerDriver
        </driverClassName>
        <dataSourceClassName>com.oracle.ias.jdbcx.sqlserver.SQLServerDataSource
        </dataSourceClassName>
        <connHandlerClass>oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCConnectionHandler
        </connHandlerClass>
        <connPoolSize>5</connPoolSize>
        <loginTimeOut>30</loginTimeOut>
      </driverInfo>
      
    • OmniPortleリリース9.0.4.1より前の場合:

      <!-- registration of DataDirect Connect for JDBC SQL Server driver -->
      <driverInfo class="oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCDriverInfo">
        <name>Microsoft SQL Server</name>
        <sourceDataBase>other</sourceDataBase>
        <subProtocol>sqlserver</subProtocol>
        <connectString>mainProtocol:subProtocol://databaseName</connectString>
        <driverClassName>com.oracle.ias.jdbc.sqlserver.SQLServerDriver
        </driverClassName>
        <connHandlerClass>
        oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCODBCConnectionHandler
        </connHandlerClass>
        <connPoolSize>5</connPoolSize>
        <loginTimeOut>30</loginTimeOut>
      </driverInfo>
      

    表B-2では、driverInfoプロパティのパラメータについて説明しています。

    表B-2 driverInfoプロパティのパラメータ

    パラメータ 説明

    name

    使用するデータベースの名前。この名前は、OmniPortletウィザードの「ソース」タブで使用されます。

    sourceDataBase

    内部値。値をotherに設定します。

    subProtocol

    接続文字列(sqlserversybaseまたはdb2など)の作成で、OmniPortletによって使用されるJDBCサブプロトコルの名前。サブプロトコル名のリストを取得するには、この項の最後にあるリンクを使用してDataDirect JDBCドライバのドキュメントを参照してください。

    connectString

    接続文字列の書式の説明。DataDirectドライバの場合、書式はmainProtocol:subProtocol://databaseNameです。

    driverClassName

    ドライバ・クラスの名前。様々な値を取得するには、この項の最後にあるリンクを使用して、DataDirect JDBCドライバのドキュメントを参照してください。

    dataSourceClassName

    接続プーリングを実装するデータソース・クラスの名前。このパラメータは、OmniPortletリリース9.0.4.1以上でのみ使用可能です。使用するドライバの正しいデータソース・クラス名は、表B-3を参照してください。

    connHandlerClass

    ドライバおよび接続プーリングの管理にOmniPortletで使用されるクラス。値は次のいずれかです。

    • OmniPortletリリース9.0.4.1以上の場合:

      oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCConnectionHandler

    • OmniPortleリリース9.0.4.1より前の場合:

      oracle.webdb.reformlet.data.jdbc.JDBCODBCConnectionHandler

    connPoolSize

    接続プールによって開かれる接続の最小数。

    loginTimeOut

    このデータソースが、データベースへの接続を試みる間待機する最大時間(秒)。


    表B-3では、特定のDataDirect JDBCドライバに対するdriverClassNameプロパティおよびdataSourceClassNameプロパティの値を示しています。

    表B-3 driverClassNameおよびdataSourceClassNameのパラメータと値

    サポートされるDataDirectドライバ プロパティ

    Microsoft SQL Server

    • パラメータ: driverClassName

      値: com.oracle.ias.jdbc.sqlserver.SQLServerDriver

    • パラメータ: dataSourceClassName

      値: com.oracle.ias.jdbcx.sqlserver.SQLServerDataSource

    Sybase

    • パラメータ: driverClassName

      値: com.oracle.ias.jdbc.sybase.SybaseDriver

    • パラメータ: dataSourceClassName

      値: com.oracle.ias.jdbcx.sybase.SybaseDataSource

    DB2

    • パラメータ: driverClassName

      値: com.oracle.ias.jdbc.db2.DB2Driver

    • パラメータ: dataSourceClassName

      値: com.oracle.ias.jdbcx.db2.DB2DataSource

    Informix

    • パラメータ: driverClassName

      値: com.oracle.ias.jdbc.informix.InformixDriver

    • パラメータ: dataSourceClassName

      値: com.oracle.ias.jdbcx.informix.InformixDataSource


  3. provider.xmlファイルを保存します。

  4. Oracle Application Serverインスタンスを停止して起動します。そのためには、ORACLE_HOME、さらにサブディレクトリのopmn/binにナビゲートします。

  5. 次のコマンドを入力します。

    opmnctl restartproc process-type=<OC4J_Instance_Name>
    

注意:

複数ノード構成(クラスタリングまたはロードバランシング環境など)でOmniPortletを使用している場合、provider.xmlファイルを手動で各ノードにコピーする必要があります。


関連項目:

DataDirect JDBCドライバについては、次のドキュメントを参照してください。

トラブルシューティング情報

OmniPortletプロデューサの構成または使用中にエラーや問題が発生した場合、トラブルシューティング情報は付録G「WebCenterアプリケーションのトラブルシューティング」を参照してください。

B.2.3 PortalツールおよびWebプロデューサの構成(オプション)

ローカルに構築されたPortalツール(OmniPortletおよびOracleAS Webクリッピング)・プロデューサとカスタム構築されたWebプロデューサを、中間層環境で確実に正しく機能させるには、追加の構成が必要です。OmniPortletまたはその他のWebプロデューサが、ファイル・システムですでにカスタマイズされている場合は、PDK-Javaには、プリファレンス・ストア移行/アップグレード・ユーティリティが用意されています。このユーティリティを使用すると、既存のカスタマイズをデータベースに移行し、旧リリースからのカスタマイズをアップグレードできます。PDKプリファレンス・ストア移行ユーティリティの詳細は、B.4項「ポートレット・プリファレンス・ストア移行ユーティリティ」を参照してください。

複数中間層環境でのPortalツール・プロデューサの構成

デフォルトでは、OmniPortletプロデューサはファイルベースのプリファレンス・ストアを使用します。複数中間層環境では、共有ファイル・システムに対してファイル・プリファレンス・ストアを構成するか、データベース・プリファレンス・ストア(DBPreferenceStore)を使用します。

共有ファイル・システムを使用するようにOmniPortletのファイル・プリファレンス・ストアを構成するには、OmniPortletのprovider.xmlファイルの<rootDirectory>タグを共有ファイル・システム・パスに設定します。

  <preferenceStore class="oracle.webdb.reformlet.ReformletFilePreferenceStore">
      <name>omniPortletprefStore</name>
      <useHashing>true</useHashing>
      <rootDirectory>shared-file-system-path</rootDirectory>
   </preferenceStore>

DBPreferenceStoreを使用するようにOmniPortletプロデューサを構成する手順は、次のとおりです。

    1. ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/applications/jpdk/jpdk/doc/dbPreferenceStoreディレクトリにナビゲートします。次に例を示します。

      cd ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/applications/jpdk/jpdk/doc/dbPreferenceStore
      
    2. PORTALスキーマを含むデータベースでユーザーを作成し、SQL*Plusでcreate userコマンドとgrant connectコマンドを使用して、リソース作成権限と接続権限を付与します。次のコマンドで実際のパスワードを代入します。welcomeのデフォルト・パスワードは、セキュリティ・リスクをもたらしますので、使用しないでください。次に例を示します。

      create user prefstore identified by password;
      grant connect, resource to prefstore;
      
    3. ユーザーprefstoreとして接続し、SQL*Plusでjpdk_preference_store2.sqlスクリプトを次のように実行します。

      @jpdk_preference_store2
      
    4. ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/configディレクトリにあるdata-sources.xmlファイルに、次のエントリを追加します。

      <connection-pool name="ConPool_1">
      <connection-factory factory-class="oracle.jdbc.pool.OracleDataSource"
      username="prefstore"
      password="password"
      url="jdbc:oracle:thin:@infra.host.com:1521:orcl">
      </connection-factory>
      </connection-pool>
      
      <managed-data-source name="PooledConnection"
      connection-pool-name="ConPool_1"
      jndi-name="jdbc/PooledConnection"/>
      

      注意:

      デプロイ・ファイルおよび構成ファイルへのパスワードの埋込みは、セキュリティ・リスクをもたらします。data-sources.xmlファイルでクリア・テキスト・パスワードを使用しない場合は、次の手順を実行することで、間接パスワードを作成できます。
      1. ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/config/jazn-data.xmlファイルを編集して、次の例に示すように、jazn.comレルムにprefstoreユーザーを追加します(このために、jazn.comレルムを使用するかわりに、新規のレルムを作成できます)。

        <realm>
            <name>jazn.com</name>
            <users>
              <user>
                 <name>prefstore</name>
                 <display-name>OmniPortletprefstore</display-name>
                 <description>OmniPortlet prefstore</description>
                 <credentials>!welcome</credentials>
              </user>
              <user>
                 ...
        

        パスワードは<credentials>要素に含まれていて、接頭辞として感嘆符(!)が付いています。次回jazn-data.xmlを読み取るとき、Oracle Containers for J2EE(OC4J)ではこのパスワードを曖昧化してファイルをリライトします。

      2. パスワード属性を次のように置き換えることにより、前の手順で作成した間接パスワードを使用するようにORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/config/data-sources.xmlファイルを再び編集します。

        password="->jazn.com/prefstore"
        

        間接パスワードの作成の詳細は、『Oracle Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』を参照してください。


    5. ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/omniPortlet/WEB-INF/providers/omniPortletディレクトリにあるprovider.xmlファイルを編集します。太字で示したようにpreferenceStoreタグを編集します。

      <provider class="oracle.webdb.reformlet.ReformletProvider">
         <vaultId>0</vaultId>
         <session>true</session>
         <preferenceStore class="oracle.portal.provider.v2.preference.DBPreferenceStore"> 
            <name>omniPortletprefStore</name> 
            <connection>jdbc/PooledConnection</connection> 
         </preferenceStore> 
      
    6. OC4J_Portalを再起動します。

    データベース・プリファレンス・ストアの構成の詳細は、Oracle Technology Network(http://www.oracle.com/technology/products/webcenter/index.html)にあるpdksoftware10132.zipファイルに入っているPDKアーティクル「Installing the DBPreferenceStore Sample(V2)」(ファイル名installing.db.preference.store.v2.html)を参照してください。

    カスタマイズを行ったOmniPortletインスタンスをファイル・システム内で作成済の場合は、プリファレンス・ストア移行ユーティリティを使用して、これらのカスタマイズをデータベースに移行する必要があります。移行ユーティリティを実行する手順は、次のとおりです。

    1. 次のコマンドを使用して、中間層のOracleホーム・ディレクトリにナビゲートします。

      cd ORACLE_HOME
      
    2. 次のコマンドを実行して、OmniPortletデータをファイルベースのプリファレンス・ストア(FilePreferenceStore)からデータベース・プリファレンス・ストア(DBPreferenceStore)に移行します。

      java -classpath lib/dms.jar:jdbc/lib/ojdbc14dms.jar:portal/jlib/pdkjava.jar:portal/jlib/
      ptlshare.jar oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool -mode
      filetodb -pref1UseHashing true -pref1RootDirectory portal/portletdata/tools/omniPortlet
      -pref2User <User_Name> -pref2Password <User_Password> -pref2URL
      jdbc:oracle:thin:@infra.host.com:1521:orcl
      

    PDKプリファレンス・ストア移行ユーティリティの詳細は、B.4項「ポートレット・プリファレンス・ストア移行ユーティリティ」を参照してください。

  1. 通常、LBRを構成する前に、OmniPortletおよびWebクリッピングのHTTPプロキシ構成を実行します。LBRの構成後にこれを行う手順は、次のとおりです。

    1. Portalツールの構成情報は、中間層サーバー上のprovider.xmlファイルに格納されています。1つの中間層(M1など)で構成を直接更新し、それをLBRがフロントエンド処理を行うすべての中間層に伝播する必要があります。これを行う前に、M1以外のすべての中間層を停止します。

    2. HTTPプロキシ設定をprovider.xmlファイルで変更できます。詳細は、B.2.1項「ファイアウォール外のデータにアクセスできるようにするOmniPortletプロデューサの構成」を参照します。

    3. provider.xmlファイルに加えた変更を中間層M2に伝播します。

      • ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/omniPortlet/WEB-INF/providers/omniPortlet/provider.xmlファイルをM1からM2にコピーします。

      • ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/webClipping/WEB-INF/providers/webClipping/provider.xmlファイルをM1からM2にコピーします。

  2. ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/config/data-sources.xmlファイルをM1からM2にコピーします。

  3. ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/config/jazn-data.xmlファイルをM1からM2にコピーします。

  4. 中間層M2を再起動します。

  5. WebCenterアプリケーションでポートレット・プロデューサ登録を更新します。プロデューサ登録URLの最初の部分をhttp://m1.abc.com:7777/からhttp://lbr.abc.com/に変更します。

  6. OmniPortletプロデューサおよびWebクリッピング・プロデューサが、LBRを介して正常に機能することを、次のURLにあるテスト・ページに移動して確認します。

    • OmniPortletプロデューサ: http://lbr.abc.com/portalTools/omniPortlet/producers/omniPortlet

      OmniPortletプロデューサ・テスト・ページの「ポートレット情報」セクションの下に「使用可能なポートレットはありません」が表示された場合、手順1でOmniPortletを正しく構成できていない可能性があります。OmniPortletが正しく構成されている場合、OmniPortletポートレットとシンプル・パラメータ・フォーム・ポートレットがテスト・ページで使用可能です。

    • Webクリッピング・プロデューサ: http://lbr.abc.com/portalTools/webClipping/producers/webClipping


    注意:

    OracleAS Webクリッピング・ポートレット、またはOmniPortletのWebページ・データソースを使用する場合、Oracle Web Cacheでセッション・バインディングを有効にすることも必要です。

B.3 Webクリッピング・ポートレット構成のヒント

Webクリッピングを使用する前に、次のものを含むいくつかの管理タスクを実行する必要があります。

B.3.1 Webクリッピング・リポジトリの構成

Webクリッピングには、Oracle Metadata Servicesストアに永続的に格納する必要のある定義があります。または、Webクリッピング・リポジトリも、Oracleデータベースでホスティングできます。

Webクリッピング・リポジトリ構成は、次の場所にあるWebクリッピング・プロデューサのテスト・ページにアクセスすることで表示できます。

http://<host>:<port>/portalTools/webClipping/providers/webClipping

Webクリッピングのテスト・ページでは、Webクリッピング・プロデューサが有効なリポジトリで構成されているかどうかを自動的に検出します。構成されていない場合、Webクリッピング・リポジトリの「ステータス」列には「未構成」と表示されます。図B-1は、Webクリッピングのテスト・ページを示しています。

図B-1 Webクリッピング - プロデューサ・テスト・ページ

図B-1の説明が続きます
「図B-1 Webクリッピング - プロデューサ・テスト・ページ」の説明

プロデューサ・テスト・ページを使用してWebクリッピング構成情報を変更することはできません。WebCenter Framework管理者は、<ORACLE_HOME>\j2ee\home\applications\portalTools\webClipping\WEB-INF\providers\webClippingディレクトリにあるprovider.xmlファイルの該当する値を設定することにより、Webクリッピング・リポジトリを構成できます。

デフォルトでは、Webクリッピング・プロデューサは、Webクリッピング・リポジトリとしてOracle Metadata Servicesを使用するように構成されています。Webクリッピング・リポジトリとして、次のいずれかを選択できます。

  • Oracle Metadata Services

  • バージョン9i以上のその他のOracleデータベース

リポジトリ設定を変更する手順は、次のとおりです。

  1. テキスト・エディタで、<ORACLE_HOME>\j2ee\home\applications\portalTools\webClipping\WEB-INF\providers\webClipping\provider.xmlファイルを開きます。

  2. 次のいずれかをWebクリッピング・リポジトリとして指定します。

    • Oracle Metadata Services (デフォルト): Webクリッピング・リポジトリとしてOracle Metadata Servicesを選択した場合、Webクリッピング定義はファイル・システムに保存されます。Webクリッピングはデータベースがなくても使用できます。

      これがデフォルトのWebクリッピング・リポジトリ・オプションです。Oracle Metadata Servicesをリポジトリとして使用するには、例B-1に示すように、provider.xmlファイルのmdsConfigLocationエントリで、(このエントリの下のガイドラインに従って)mds-config.xmlファイルのパスを指定します。

      例B-1 Webクリッピング・リポジトリとしてのOracle Metadata Servicesの設定

      - <repositoryInfo class="oracle.portal.wcs.provider.info.MdsInformation">
      - <!--
          Specify the location of the MDS configuration file here. It can be
          absolute or relative. The definition of absolute pathname is system
          dependent. On UNIX systems, a pathname is absolute if it begins with a
          single forward slash "/". On Microsoft Windows systems, a pathname is
          absolute if it begins with a drive specifier followed by single
          backslash "\", or if begins with a double backslash "\\".
      
          When a relative path is specified, it is assumed to be relative to the
          base directory identified by
          OH/j2ee/home/applications/portalTools/webClipping/WEB-INF or
          OH/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/webClipping/WEB-INF
          depending on where the portalTools EAR file is deployed.
        -->
        <mdsConfigLocation>mds-config.xml</mdsConfigLocation>
        </repositoryInfo>
      

      注意:

      mds-config.xmlファイルには、メタデータ・ストア構成情報(メタデータ・ストアのパスを含む)が納められています。メタデータ・ストアのパスは、<ORACLE_HOME>\j2ee\home\applications\portalTools\webClipping\WEB-INF\mds-config.xmlmetadata-pathプロパティを、次の例に示すように編集することで変更できます。
      <property name="metadata-path" value="portletdata/tools/webClipping"/>
      

      複数中間層デプロイの場合、メタデータ・パスを共有ファイル・システムに変更します。


    • その他のOracle9i(以上の)データベース: このオプションを選択した場合、Webクリッピング・リポジトリは、Oracleデータベース内のユーザー定義のスキーマに格納されます。この場合、Oracleデータベースの接続パラメータを指定する必要があります。Webクリッピング・リポジトリとしてOracleAS Infrastructureデータベースを使用する場合にも、このオプションを指定できます。

      Webクリッピング・リポジトリとしてOracleデータベースを使用するには、provider.xmlファイルで例B-1のデフォルトのリポジトリ設定をコメント・アウトし、例B-2のエントリを非コメント化します。

      例B-2 Webクリッピング・リポジトリとしてのOracle Database 9i以上の設定

      - <!--
       Uncomment the following and set the connection information to use database as the repository
          <repositoryInfo class="oracle.portal.wcs.provider.info.DatabaseInformation">
             <useRAA>false</useRAA>
             <databaseHost>mycompany.dbhost.com</databaseHost>
             <databasePort>1521</databasePort>
             <databaseSid>iasdb</databaseSid>
             <databaseUsername>scott</databaseUsername>
             <databasePassword>!tiger</databasePassword>
             <useASO>false</useASO>
          </repositoryInfo>
       -->
      

      このエントリでは、データベース接続パラメータを設定する必要があります。パラメータの説明は、次のとおりです。

      • databaseHost: データベースを実行しているコンピュータのホスト名。

      • databasePort: データベース・リスナーのポート番号。

      • databaseSid: データベースのSID。接続文字列の書式がhost:port:sidの場合、この書式を使用します。たとえば、myhost.company.com:1521:mydbのようになります。

      • databaseUsername: データベース・アカウント・ユーザー名。

      • databasePassword: データベース・アカウント・パスワード。セキュリティを保証するために、例B-2に示すように、接頭辞として!文字を付けたプレーン・テキスト・パスワードを入力し、Webクリッピング・プロデューサでプロデューサ内のパスワードを暗号化できるようにします。

      セキュアなデータベース接続が必要な場合は、useASOエントリをtrueに設定することで、詳細セキュリティ・オプション(ASO)を有効にします。

      詳細セキュリティ・オプションの構成の詳細は、B.3.3「Webクリッピング・プロデューサの保護」を参照してください。

  3. provider.xmlファイルを保存します。

  4. OC4Jインスタンスを再起動します。

B.3.2 HTTPまたはHTTPSプロキシ設定の構成

HTTPまたはHTTPSプロキシ設定は、Webクリッピング・スタジオがファイアウォール外のWebサイトに接続できるように設定する必要があります。provider.xmlファイルを手動で編集することにより、設定を指定できます。

WebCenterアプリケーション管理者として、プロキシ設定をHTTPまたはHTTPS構成に従って手動で設定できます。<ORACLE_HOME>\j2ee\home\applications\portalTools\webClipping\WEB-INF\providers\webClippingディレクトリにあるprovider.xmlファイルで該当するエントリを編集します。

例では、provider.xmlファイルの該当する部分を示しています。

- <!--
 proxy information: Fill the following up if you have a proxy
 server between the provider and external sites.
   <proxyInfo class="oracle.portal.provider.v2.ProxyInformation">
      <httpProxyHost>yourproxy.yourdomain.com</httpProxyHost>
      <httpProxyPort>80</httpProxyPort>
      <dontProxyFor>.yourdomain.com</dontProxyFor>
   </proxyInfo>

  -->

前述の表B-1では、provider.xmlファイルで行う必要のあるプロキシ設定について説明しています。表内の説明は、Webクリッピング・プロデューサにも適用されます。


注意:

外部のWebサイトに接続するためにプロキシ・サーバーを使用する環境の場合、dontProxyForエントリを使用して、プロキシ例外リストを指定できます。Webクリッピングではプロキシ例外リストを使用して、ユーザーが未認可の外部Webサイトからコンテンツをクリッピングできないように制限します。

ユーザーがWebクリッピング・スタジオから、リストに記載されたドメインの1つにあるWebサイトに接続しようとすると、HTTPタイムアウト・エラーが発生します。


B.3.3 Webクリッピング・プロデューサの保護

ここまでの項では、Webクリッピング・プロデューサを使用できるようにするために実行する必要のある管理タスクについて説明しました。この後の項では、Webクリッピング・プロデューサが信頼できるサイトにアクセスし、自身とデータベース間のチャネルを暗号化できるようにするために、実装する必要のあるセキュリティ構成オプションのいくつかについて説明します。

B.3.3.1 信頼できるサイトの証明書の追加

ユーザーがセキュアなサイトにナビゲートすると、Webサイトでは通常、セキュアな情報を要求する際に、ユーザーに対して自身を識別する証明書を返します。ユーザーが証明書を受け入れると、証明書はブラウザの信頼できる証明書のリストに置かれ、ブラウザとそのサーバー間でセキュアなチャネルが開けるようになります。Webブラウザと同様に、Webクリッピング・プロデューサは、外部のWebサイトに対してHTTPクライアントの役割を果します。Webクリッピング・プロデューサでは、信用できるサイトを把握するために、それらのサイトの証明書を格納するファイル、すなわちca-bundle.crtファイルを利用します。このファイルは、ORACLE_HOME/portal/confディレクトリにあります。

付属のca-bundle.crtは、信頼できるサーバー証明書ファイルのOracle Wallet Managerからのエクスポート・バージョンです。Oracle Wallet Managerにあるデフォルトの信頼できるサーバーの証明書は、Web上に存在する可能性のあるすべてのサーバーの証明書をカバーしているわけではありません。このため、ユーザーがHTTPSを使用してセキュアなサーバーにナビゲートしたにもかかわらず、ユーザーがWebクリッピング・スタジオで、Secure Sockets Layer(SSL)ハンドシェイク失敗例外を受け取ることがあります。この問題を解決するには、アクセス先の新しい信用できるサイトをca-bundle.crtファイルに追加する必要があります。WebCenterアプリケーション管理者として、次の手順で付属のa-bundle.crtファイルを拡張する必要があります。

  1. ブラウザ(できればInternet Explorer)を使用して、アクセス先の外部HTTPS Webサイトで、信用できる証明書ファイルにない各サイトから、ルート・サーバー証明書をBASE64の書式でダウンロードします。

  2. Oracle Wallet Managerを使用して、各証明書をインポートします。

  3. 信頼できるサーバーの証明書をファイルにエクスポートし、その内容をca-bundle.crtファイルにコピーします。

OTNの詳細

Oracle Wallet Managerの詳細は、OTN(http://www.oracle.com/technology/)にあるOracle Databaseドキュメントの『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

B.3.3.2 Webクリッピング・プロデューサに対するOracle Advanced Securityの構成

Webクリッピング・プロデューサでは、Oracle Advanced Security Option(ASO)を使用して、自身とWebクリッピング・リポジトリをホスティングするデータベースとの間のチャネルを保護し、暗号化できます。この機能は、任意のOracleデータベースをWebクリッピング・リポジトリとして選択した場合にのみ使用可能です。Oracle Metadata ServicesがデフォルトのWebクリッピング・リポジトリであるため、この機能はデフォルトでは無効です。機能を有効にするための手順は、次のとおりです。

  1. テキスト・エディタで、<ORACLE_HOME>\j2ee\home\applications\portalTools\webClipping\WEB-INF\providers\webClipping\provider.xmlファイルを開きます。

  2. ファイルのリポジトリ設定セクション(例 B–2)で、useASOエントリをtrueに設定します。

  3. provider.xmlファイルを保存します。

さらに、sqlnet.oraファイルで次のASO構成パラメータを設定して、Webクリッピング・プロデューサと、Webクリッピング・リポジトリをホスティングするデータベース間で作成されたデータベース接続が、確実にASOを使用するようにします。使用する値のリストは、『Oracle Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。考えられるすべてのパラメータの組合せが詳細に説明されています。

  • SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES: このパラメータは、ASOによるデータベース接続作成で、サポートされている認証方法を選択するために使用されます。このパラメータの設定の詳細は、『Oracle Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

  • SQLNET.CRYPTO_SEED: このパラメータは、ASOによるデータベース接続作成に使用される、暗号化シード値(FIPS 140-1設定)を示しています。

    このパラメータの設定の詳細は、『Oracle Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。


    注意:

    初期構成(データベース・パラメータが設定済)後にこれらのパレメータを設定する際には、データベース接続がすでに開かれていることを前提とします。ASOを有効にすると、データベースに対して作成されるすべての接続に影響が及ぶため、Webクリッピング・プロデューサを含むOC4Jインスタンスを再起動し、現行のすべての接続でASOが使用されるようにリセットすることをお薦めします。ASOを無効にする際にも、同様の操作が必要になります。

B.4 ポートレット・プリファレンス・ストア移行ユーティリティ

プリファレンス・ストアは、ユーザー・プリファレンス・データ、ポートレットおよびプロデューサの設定、さらにポートレット・データなどの情報を格納するメカニズムです。プリファレンスは、データベース(高可用性構成のために推奨)またはファイル・システムに格納できます。WebCenterアプリケーション用に次のストアを移行できます。

B.4.1 JPSポートレット・プリファレンス・ストア

WSRPコンテナ・ファイル・プリファレンス・ストアは、コンシューマ登録およびポートレット・プリファレンス・データを永続化するためのメカニズムです。現在、プリファレンス・ストアの実装には、データベース・プリファレンス・ストアとファイル・プリファレンス・ストアの2つがあります。データベース・プリファレンス・ストアは、リレーショナル・データベースを使用してデータを永続化します。ファイル・プリファレンス・ストアは、ファイル・システムを使用してデータを永続化します。WSRPリリース2の場合、デフォルトではORACLE_HOME/portal/portletdataにあるファイル・プリファレンス・ストアを使用します。10.1.2リリースのポートレット・コンテナの場合、デフォルト(かつ唯一)のプリファレンス・ストアは、データベース・プリファレンス・ストアです。

ファイル・プリファレンス・ストアにより、ユーザーはデータベースに依存せずに済みます。ファイル・プリファレンス・ストアは、デフォルトのプリファレンス・ストアとして使用されます。このため、既存のデータベース・プリファレンス・ストアからファイル・プリファレンス・ストアへの移行が必要な場合があります。ただし、高可用性構成には、データベース・プリファレンス・ストアをお薦めします。

B.4.1.1 PersistenceMigrationTool

WSRPコンテナ・プリファレンス・ストア移行ユーティリティPersistenceMigrationToolを使用すると、異なるプリファレンス・ストア間で(たとえば、データベース・プリファレンス・ストアからファイル・プリファレンス・ストアへ)既存のデータを移行できます。また、このユーティリティを使用して、アップグレード中のユーザーは、既存のロケール固有のポートレット・プリファレンス・データが最新のJSPリリースと互換性のある名前形式を使用していることを確認できます。さらに、同じタイプのソース・ストアと宛先ストア間の移行に、このユーティリティを使用することもできます。これにより、あるデータベース・ストアから別のデータベース・ストアにデータを移動できます。

PersistenceMigrationToolの構文は、次のとおりです。


注意:

この構文は、次のコマンドを入力することで、コマンドラインからも取得できます。
java -classpath
ORACLE_HOME/j2ee/wsrp/shared-lib/oracle.wsrp/1.0/
  wsrp-container.jar:
ORACLE_HOME/javacache/lib/cache.jar:
ORACLE_HOME/webservices/lib/saaj-api.jar:
ORACLE_HOME/webservices/lib/orasaaj.jar:
ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc14.jar
oracle.portlet.server.containerimpl.PersistenceMigrationTool

java oracle.portlet.server.containerimpl.PersistenceMigrationTool
-sourceType file | db
-destType file | db
{-sourcePath dir |
 -sourceUsername username -sourcePassword password -sourceDatabase db}
{-destPath dir | destUsername username -destPassword password -destDatabase db}
[-debug]

これらの意味は、次のとおりです。

sourceTypeは、ソース・ストアがファイルまたはデータベースのどちらにあるかを指定します。ソース・ストアと宛先ストアを同じタイプにすることができます。したがって、1つのデータベースからもう1つのデータベース、あるいは1つのファイル・システムからもう1つのファイル・システムへの移行が可能です。

destTypeは、宛先ストアがファイルまたはデータベースのどちらにあるかを指定します。ソース・ストアと宛先ストアを同じタイプにすることができます。したがって、1つのデータベースからもう1つのデータベース、あるいは1つのファイル・システムからもう1つのファイル・システムへの移行が可能です。

sourcePathは、ファイルベース・プリファレンス・ストアの場所です。この引数は、sourceTypefileの場合に必要です。

sourceUsernameは、プリファレンス・ストア・データベースのデータベース・ユーザー名です。この引数は、sourceTypedbの場合に必要です。

sourcePasswordは、プリファレンス・ストア・データベースのデータベース・パスワードです。この引数は、sourceTypedbの場合に必要です。

sourceDatabaseは、プリファレンス・ストア・データベースの名前です。この引数は、sourceTypedbの場合に必要です。

destPathは、ファイルベース・プリファレンス・ストアの場所です。この引数は、destTypefileの場合に必要です。

destUsernameは、プリファレンス・ストア・データベースのデータベース・ユーザー名です。この引数は、destTypedbの場合に必要です。

destPasswordは、プリファレンス・ストア・データベースのデータベース・パスワードです。この引数は、destTypedbの場合に必要です。

destDatabaseは、プリファレンス・ストア・データベースの名前です。この引数は、destTypedbの場合に必要です。

debugは、標準出力による完全ロギングをオンにします。これによりユーザーは、ツール実行時に発生する問題を診断できます。

例B-3は、PersistenceMigrationToolユーティリティの実行を示しています。この例では、データベース・ストアからファイル・ストアにプリファレンスをコピーします。

例B-3 PersistenceMigrationToolユーティリティの実行

java oracle.portlet.server.containerimpl.PersistenceMigrationTool -sourceType
db -sourceUsername scott -sourcePassword tiger -sourceDatabase
abc.mycompany.com:1521:e10gdev3 -destType file -destRoot /data/prefs

B.4.1.2 プリファレンス・ストアの指定および設定方法

データを永続化するために使用するデータ・ストアを指定するには、persistentStore JNDI環境変数をweb.xmlファイル(ORACLE_HOME\j2ee\OC4J_Portal\applications\portletapp\wsrp-samples\WEB-INF\web.xml)に追加する必要があります。この変数のデフォルト値はFileです。デフォルト値のままにする場合は、ファイル・ストアのファイル・システム位置を指定するために、fileStoreRoot変数も追加する必要があります。この変数のデフォルト値はportletdataで、この値はORACLE_HOME/portalディレクトリからの相対パスです。つまり、ファイル・ストアのデフォルト位置はORACLE_HOME/portal/portletdataです。

サンプルのWSRPプロデューサをデプロイした場合、またはアプリケーションがこのサンプル・プロデューサに基づいている場合、これらのJNDI環境変数はすでにweb.xmlファイルに指定されている場合があります。例B-4で示すコードをweb.xmlファイルに追加します(環境変数およびそれらのデフォルト値は太字で示しています)。

例B-4 web.xmlファイルのpersistentStore変数とfileStoreRoot変数

<env-entry>
    <env-entry-name>oracle/portal/wsrp/server/persistentStore</env-entry-name>
    <env-entry-type>java.lang.String</env-entry-type>
    <env-entry-value>File</env-entry-value>
</env-entry>
<env-entry>
    <env-entry-name>oracle/portal/wsrp/server/fileStoreRoot</env-entry-name>
    <env-entry-type>java.lang.String</env-entry/type>
    <env-entry-value>portletdata</env-entry-value>
</env-entry>

注意:

プリファレンス・ストアのタイプまたはストアの位置を明示的に選択する必要がない場合は、ファイルでデフォルト値のままにすることができます。

B.4.2 PDK-Javaポートレット・プリファレンス・ストア

PDK-Javaには、DBPreferenceStoreおよびFilePreferenceStoreの2つのPreferenceStore実装があります。DBPreferenceStoreは、JDBCと互換性のあるリレーショナル・データベースを使用してデータを永続化し、FilePreferenceStoreは、ファイル・システムを使用してデータを永続化します。

MigrationTool

すでにOracleAS PDKをインストールしている場合は、プリファレンス・ストア移行およびアップグレード・ユーティリティを使用することで、プリファレンス・ストアに格納された情報を管理できます。ユーティリティは、pdkjava.jarファイルに含まれています。このツールは、ORACLE_HOME.から実行する必要があります。移行ユーティリティの構文は、次のとおりです。


注意:

この構文は、次のコマンドを入力することで、コマンドラインからも取得できます。
java -classpath lib/dms.jar:jdbc/lib/ojdbc14dms.jar:
  portal/jlib/pdkjava.jar:portal/jlib/ptlshare.jar
  oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool

java -classpath lib/dms.jar:jdbc/lib/ojdbc14dms.jar:portal/jlib/pdkjava.jar:
                portal/jlib/ptlshare.jar
 oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool
  -mode [file | db | filetodb | filetofile | dbtofile | dbtodb]
  [-remap language | locale]
  [-countries iso_country_code]
  [-pref1UseHashing true | false]
  {-pref1RootDirectory directory |
   -pref1User username -pref1Password password -pref1URL url}
  [-pref1UseHashing true | false]
  {-pref2RootDirectory directory |
   -pref2User username -pref2Password password -pref2URL url}
  [-upfixwpi filename]

これらの意味は、次のとおりです。

-modeは、プリファレンス・ストア移行およびアップグレード・ユーティリティを実行するモードです。

  • fileまたはdbは、アップグレード・モードで実行することを指定します。このモードの詳細は、「アップグレード・モード」を参照してください。

  • filetodbfiletofiledbtofileまたはdbtodbは、移行モードで実行することを指定します。このモードの詳細は、「移行モード」を参照してください。

-remapは、localePersonalizationLevellanguageまたはlocale)です。アップグレードまたは移行の一部としてlocalePersonalizationLevelを変更する場合にのみ、このオプションを使用する必要があります。

-countriesは、ISO国コードの優先リストを指定します。優先リストは、様々な国に再マップされたプリファレンス間で衝突が生じた場合の優先順位を示します。-countriesは、-remapオプションも指定した場合にのみ意味があります。

-pref1UseHashingは、この操作のためにソースに対してハッシングを使用するかどうかを指定します。

-pref1RootDirectoryは、ソース・ファイル・システムのパスです(j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sampleなど)。

-pref1Userは、ソース・データベースのユーザー名です。

-pref1Passwordは、ソース・データベースのパスワードです。

-pref1URLは、ソース・データベースへのURLです(jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysidなど)。

-pref2UseHashingは、この操作のために宛先に対してハッシングを使用するかどうかを指定します。

-pref2RootDirectoryは、宛先ファイル・システムのパスです(j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sampleなど)。

-pref2Userは、宛先データベースのユーザー名です。

-pref2Passwordは、宛先データベースのパスワードです。

-pref2URLは、宛先データベースへのURLです(jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysidなど)。

- upfixwpiは、操作のログ・ファイルを指定します。


注意:

ユーティリティの実行後、ポートレット・コンテナおよびOracle HTTP Serverを持つOC4Jインスタンスを再起動し、最新のプリファレンス・ストア情報が使用されているかどうかを確認することをお薦めします。

アップグレード・モード

データを適切にアップグレードし、プレファレンス・ストア内で既存のロケール固有のプリファレンスを変更して、使用されているネーミングの書式がOracleAS Portalの現行バージョンおよび所定のlocalePersonalizationLevelの設定に適合するようにするには、アップグレード・モードを使用します。

表B-4では、ユーティリティを実行できるアップグレード・モードについて説明しています。

表B-4 ユーティリティを実行するためのアップグレード・モード

モード 説明

file

FilePreferenceStore内のデータをアップグレードする必要がある場合に使用します。

db

DBPreferenceStore内のデータをアップグレードする必要がある場合に使用します。


アップグレード・モードは、次のような場合に使用できます。

  • OracleAS PDK 9.0.4.0.0以前からアップグレードして、既存のポートレットをデフォルトの言語設定localePersonalizationLevelで使用する場合(旧リリースでは、デフォルトの設定はlocaleでした)。

  • OracleAS Portal 9.0.2.0.0以前からアップグレードして、既存のポートレットをlocalelocalePersonalizationLevel設定で使用する場合(OracleAS Portalでは現在、一部のロケールに対して異なる名前を使用しているため、既存のデータで再マップが必要なものがあります)。

  • 既存のポートレットのlocalePersonalizationLevellocaleからlanguageに、またはその逆に変更する場合。

アップグレード・モードを使用する際、-remapオプションを使用して、アップルグレードする目的のlocalePersonalizationLevellanguageまたはlocale)を指定する必要があります。-countriesオプションを使用して、ISO国コードの優先リストを指定し、様々な国に対して再マップされたプリファレンス間で衝突が生じた場合の優先順位を指定することもできます。たとえば、コマンドで-remap language -countries GB,USと指定すると、ユーティリティが所定のプリファレンス・ストアでアメリカ英語とイギリス英語の両方のプリファレンス(en_USen_GB)に遭遇した場合には、イギリス英語のプリファレンスを英語全体のプリファレンス(en)になるように再マップすることになります。


注意:

ユーティリティをdbモードで実行中の場合、pref1Userプロパティとpref1passwordプロパティには、<j2ee-home>/config/data-sources.xmlファイルのJDBC接続定義で指定された値を使用します。

移行モード

データをソース・プリファレンス・ストアからターゲット・プリファレンス・ストアにコピーするには、移行モードを使用します。ユーティリティをこのモードで実行すると、すべてのポートレット定義のプリファレンス・ストアが更新されます。

表B-5では、ユーティリティを実行できる移行モードについて説明しています。

表B-5 ユーティリティを実行するための移行モード

モード 説明

filetodb

FilePreferenceStoreからDBPreferenceStoreにデータをコピーする必要がある場合に使用します。

filetofile

1つのFilePreferenceStoreから別の場所にあるもう1つのFilePreferenceStoreにデータをコピーする必要がある場合に使用します。

dbtofile

DBPreferenceStoreからFilePreferenceStoreにデータをコピーする必要がある場合に使用します。

dbtodb

1つのDBPreferenceStoreから別のデータベース表に基づくもう1つのDBPreferenceStoreにデータをコピーする必要がある場合に使用します。


操作の宛先がデータベースである場合、移行ユーティリティを実行する前に、宛先データベースに該当する表があることを確認する必要があります。これらの表は、ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_WebCenter/applications/jpdk/jpdk/doc/dbPreferenceStoreにあるjpdk_preference_store2.sqlを実行して作成します。

移行モードを使用中の場合、-remapオプションおよび-countriesオプションを使用して、データが移行中にアップグレードされ、ロケール固有のプリファレンスが適切に再マップされるように指定することもできます。

ユーティリティで使用できるその他のオプションは、アップグレードまたは移行プロセスで必要なプリファレンス・ストアのプロパティの指定に使用されます。これらのオプションは、プリファレンス・ストアを説明するためにprovider.xmlで指定したタグに対応している必要があります。プリファレンス・ストアで設定できるプロパティの詳細は、Portal Studio上のドキュメント「PDK-Java XML Provider Definition Tag Reference」を参照してください。

http://www.oracle.com/technology/products/ias/portal/html/javadoc/apidoc/oracle/portal/provider/v2/ProviderDefinition.html

接頭辞-pref1で始まるプロパティは、ソース・プリファレンス・ストア(アップグレード・モードではこれが唯一のプリファレンス・ストア)のプロパティに対応します。たとえば、-pref1UseHashing true -pref1RootDirectory j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sampleを指定すると、ソースのFilePreferenceStoreのuseHashingプロパティおよびrootDirectoryプロパティが設定されます。


注意:

OracleAS PDKをスタンドアロンOC4Jインスタンスにインストールした場合、または構成済スタンドアロンOC4JをOracleAS PDKとともにダウンロードした場合、ソース・プリファレンス・ストアは次の場所にあります。
ORACLE_HOME/j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers
/sample

Oracle Application Serverの一部としてOracleAS Portalをインストールした場合、ソース・プリファレンス・ストアは次の場所にあります。

ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF
/providers/sample

移行基本モードの1つを選択した場合、接頭辞-pref2で始まるプロパティは、ターゲット・プリファレンス・ストアのプロパティに対応します。たとえば、-pref2User portlet_prefs -pref2Password portlet_prefs -pref2URL jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysidを指定すると、ターゲットのDBPreferenceStoreのデータベース接続詳細が設定されます。

例B-5および例B-6は、ユーティリティの使用方法を示しています。

例B-5 PDK-Java移行ユーティリティ・コマンドライン、アップグレード

java -classpath lib/dms.jar:jdbc/lib/ojdbc14dms.jar:
      portal/jlib/pdkjava.jar:portal/jlib/ptlshare.jarjava
oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool
 -mode file -remap language
 -countries GB,US -pref1UseHashing true
 -pref1RootDirectory j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sample

例B-6 PDK-Java移行ユーティリティ・コマンドライン、移行

java -classpath lib/dms.jar:jdbc/lib/ojdbc14dms.jar:
      portal/jlib/pdkjava.jar:portal/jlib/ptlshare.jarjava
oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool -mode filetodb -remap locale
 -countries AR,MX -pref1UseHashing true
 -pref1RootDirectory j2ee/home/applications/jpdk/jpdk/WEB-INF/providers/sample
 -pref2User portlet_prefs
 -pref2Password portlet_prefs
 -pref2URL jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysid

B.4.3 Webクリッピング・リポジトリ

Webクリッピングにはプリファレンス・ストア自体はありませんが、Webクリッピング定義および関連メタデータを格納します。デフォルトでは、この目的でファイルベースのOracle Metadata Services(MDS)を使用しますが、データベースを使用するようにWebクリッピングを構成することもできます。WebCenterアプリケーション用にこのリポジトリを移行するには、エクスポートおよびインポート・モードでデプロイ前ツールを使用して、MDSからデータベースへ、あるいはその逆に移行します。この手順は、アプリケーションごとに次のように実行する必要があります。

  1. Webクリッピング・プロデューサを使用するすべてのWebCenterアプリケーションに対して、デプロイ前ツールをエクスポート・モードで実行します。詳細は、12.4.1項「カスタマイズのエクスポート」を参照してください。

  2. 別のリポジトリを使用するように、プロデューサを更新します。たとえば、18.4.3.1項「データベース・リポジトリを使用するためのWebクリッピング・ポートレット・プロデューサの構成」で説明しているように、データベースを使用します。

  3. Webクリッピング・プロデューサを使用するすべてのWebCenterアプリケーションに対して、デプロイ前ツールをインポート・モードで実行します。詳細は、12.4.2項「カスタマイズのインポート」を参照してください。


注意:

Oracle Application Server Portal(OracleAS Portal)がWebクリッピング・プロデューサを使用している場合、リポジトリの移行にはOracleAS Portalのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティを使用する必要があります。