この章では、OmniPortletの概要、およびOmniPortletに関連付けられたユーザー・インタフェース要素について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
OmniPortletに関するトラブルシューティング情報は、付録G「WebCenterアプリケーションのトラブルシューティング」を参照してください。OmniPortletの登録および構成については、4.3.1項「ポートレット・プロデューサの登録」を参照してください。
OmniPortletは、Oracle WebCenter Frameworkのサブコンポーネントで、これにより開発者は、コードを書くことなく、様々なレイアウトを使用して、各種データソースのデータを簡単に公開できます。OmniPortletでは、Webサービス、SQLデータベース、スプレッドシート(値を特定の文字で区切ったもの)、XML、さらには既存のWebページのアプリケーション・データなど、ほとんどあらゆる種類のデータソースを使用できます。
注意: 様々な種類のポートレットを開発する方法は、第14章「ポートレットの概要」を参照してください。プロデューサと他のポートレット・テクノロジの詳細は、第15章「ポートレット・テクノロジのマトリックス」を参照してください。 |
OmniPortletを使用すると、WebCenterアプリケーション開発者およびコンポーネント開発者は、次のことができます。
複数ソース(CSV、XML、Webサービス、SQLなど)のデータの表示
表示するデータのソート
多様なレイアウト(箇条書きリスト、チャート、HTMLなど)を使用したデータの書式設定
ポートレット・パラメータの使用
ページ・ビューアへのパーソナライズ可能な設定の公開
パーソナライズされたデータを表示する場合は、データソースから戻された結果をフィルタリングして、取得したデータを絞り込み、保護されたデータのアクセスに使用する資格証明情報をパラメータ化できます。OmniPortletには最初から、表、チャート、HTML、ニュース、箇条書きリストおよびフォームなど、最も一般的なポートレット用のレイアウトが用意されています。
第4章「ページへの移入」で説明しているように、OmniPortletは、Oracle JDeveloperで作成されたJSPドキュメントに追加できます。OmniPortletは、Oracle JDeveloperとともにインストールされるWebCenter Preconfigured Oracle Containers for J2EE(OC4J)に含まれています。WebCenter Preconfigured OC4Jの起動後、Oracle JDeveloper PDK-Javaプロデューサの登録ウィザードを使用して、OmniPortletプロデューサを登録できます。このプロデューサが登録されると、Oracle JDeveloperのコンポーネント・パレット上でポートレットを使用できるようになります。ここから、ポートレットを*.jspx
ページにドラッグ・アンド・ドロップできます。
注意: 詳細の参照先は、次のとおりです。
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OmniPortletのインスタンスをページに追加したら、ページをブラウザに対して実行し、「定義」リンクをクリックしてOmniPortletウィザードを起動する必要があります。ページへのOmniPortletの追加の詳細は、4.3.2項「ページへのポートレットの追加」を参照してください。
注意: Oracle JDeveloperでOmniPortletのインスタンスをページに追加する際、ポートレットの「プロパティ・インスペクタ」を開き、AllModesSharedScreenプロパティとRenderPortletInFrameプロパティが次のように設定されていることを確認します。
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OmniPortletウィザードには最初に、5つのステップが表示されます。OmniPortletを初めて定義するときは、データソース・タイプ、データソース・オプション、フィルタ・オプション、表示オプションおよびレイアウトを設定します。ウィザードのこれらの設定ステップを終えた後にウィザードを再開する場合は、ポートレットの「カスタマイズ」リンクをクリックします。ウィザードを再開すると、「ソース」、「フィルタ」、「表示」および「レイアウト」の各タブで定義を変更できます。
この項では、5つのタブの概要(表16-1を参照)を示します。各タブのオプションの詳細はオンライン・ヘルプでも参照できます。オンライン・ヘルプは、製品内の「ヘルプ」リンクをクリックするとアクセスできます。
表16-1 OmniPortletウィザードとカスタマイズ・モード
ステップ/タブ | 説明 |
---|---|
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データソース・オプションを提供します。ポートレットの初期定義でのみ表示されます。ポートレットのデフォルトのカスタマイズ時には表示されません。 |
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使用するWebサービスのURLなど、選択したデータソースのオプションを提供します。これらのオプションは、ポートレットのデフォルトの編集時にも変更できます。 |
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結果の絞り込みを可能にするWebCenterアプリケーション・レベルのソート・オプションを提供します。これらのオプションは、ポートレットのデフォルトの編集時にも変更できます。 |
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ポートレットのヘッダーとフッターのテキスト、レイアウト・スタイルおよびキャッシュを表示するオプションを提供します。これらのオプションは、ポートレットのデフォルトの編集時にも変更できます。 |
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レイアウトをカスタマイズするための詳細オプションを提供します。これらのオプションは、ポートレットのデフォルトの編集時にも変更できます。 |
OmniPortletを初めて起動すると「タイプ」ステップが表示され、そのステップでデータソースを選択できます(図16-1)。OmniPortletでは、初めから表16-2に示すデータソースをサポートしています。
表16-2 サポートされるデータソース・タイプ
データソース・タイプ | 説明 |
---|---|
スプレッドシート |
特定文字で区切られた複数値(CSV)を含むテキスト・ファイルのデータを表示します。 |
SQL |
SQLを使用したデータベースのデータを表示します。 |
XML |
XMLファイルのデータを表示します。 |
Webサービス |
標準のプロトコルを使用してインターネット上でアクセスできる個々のビジネス・サービスのデータを表示します。 |
Webページ |
既存のWebコンテンツに基づくデータを表示します。 |
OmniPortletウィザードを実行してポートレットのデフォルトを編集すると、データソース・タイプが変更できなくなります。
データソース・タイプを選択すると、OmniPortletウィザードの「ソース」ステップが表示されます。このステップは、選択したデータソースに対応しているため、そのデータソースが提供するオプションを指定できます。「ソース」タブ内には、「プロキシ認証」セクション(認証を必要とするプロキシ・サーバーを使用するようにOmniPortletプロデューサが構成されている場合)と「接続」セクションが表示されます。「接続」セクションでは、データソースへの接続に必要な情報を入力できます。
この項では、「ソース」タブにある次の2つの一般的な領域について説明します。
また、「ソース」タブ内のデータソース固有部分についても、この項の後半で説明します。使用可能なデータソースは次のとおりです。
注意: 「ソース」タブのオプションの詳細は、ページの右上隅にある「ヘルプ」をクリックしてください。 |
OmniPortletは、グローバルなプロキシ認証やユーザーごとの認証などのプロキシ認証をサポートします。すべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードで自動的にログインするか、各ユーザーが個別のユーザー名とパスワードでログインするか、またはすべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードでログインするかを指定できます。ログインを必要とするプロキシ認証を使用するようにOmniPortletプロデューサが設定されている場合は、「ソース」タブに「プロキシ認証」セクションが表示され、プロキシ認証情報を入力できます。
「プロキシ認証」セクションは、次のデータソースに対してのみ表示されます。これらにアクセスするには、プロキシ・サーバーの使用が必要になる場合があります。
CSV(文字で区切られた値)
XML
Webサービス
Webページ
プロキシ認証を使用するためのOmniPortletプロデューサの構成方法は、「プロデューサの編集: OmniPortlet Produce」ページの「ヘルプ」をクリックすると表示されるオンライン・ヘルプ・トピックを参照してください。OmniPortletプロデューサが「すべてのユーザーにログインを要求」に構成されている場合は、ユーザーはそれぞれ独自のログイン情報を設定する必要があります。ページ設計者の場合は、この設定を「カスタマイズ: ソース」タブで行います。ページ閲覧者の場合は、この設定を「パーソナライズ」スクリーンで行います。
注意: 「カスタマイズ: ソース」タブにアクセスするには、変更するポートレットの「カスタマイズ」リンクをクリックします。Webページ・データソースを使用している場合、「ソース」タブで「Webページの選択」ボタンをクリックすると、Webクリッピング・スタジオに「プロキシ認証」セクションが表示されます。 |
Webページ・データソース以外のデータソースごとに、「ソース」ステップでは「接続」セクションが表示され、ここで保護データにアクセスするための接続情報を定義できます。「ソース」ステップでは、すべてのデータソースに対して「ポートレット・パラメータ」セクションが表示され、ここでポートレットのパラメータを定義できます(図16-2)。ポートレット・パラメータはページ・レベルのパラメータにマップできます。
接続情報を編集するには、「接続の編集」ボタンをクリックし、図16-3に示すページに情報を入力します。このページでは、接続情報の名前のみでなく、ユーザー名やパスワードも入力できます。SQLデータソースの場合、データソースへの接続に使用するドライバを指定するための詳細情報を入力できます。詳細は、16.2.2.4項「SQL」を参照してください。
注意: 「接続」セクションおよび「接続の編集」ボタンの詳細は、OmniPortletウィザードの「ソース」タブの「ヘルプ」をクリックしてください。 |
スプレッドシートは、小規模なデータセットを格納するための一般的な方法です。OmniPortletでは、特定文字で区切られた複数値(CSV)をデータソースとしてサポートすることで複数のスプレッドシートの共有を可能にします。「ソース」タブでは、CSVファイルの位置を指定します(図16-4)。保護されたサーバー上にそのファイルがある場合は、図16-2の「接続」セクションで接続情報を指定できます。WebCenter Suiteによるファイルの読取り時に使用するキャラクタ・セットのみでなく、デリミタやテキスト修飾子も選択できます。
注意: OmniPortletプロデューサはWebCenterアプリケーションと異なる層に存在し、そこで実行され、セッション情報にはアクセスできないため、OmniPortletがアクセスできるように、CSVファイルをPUBLICとして公開する必要があります。 |
データを格納する最も一般的な場所は、リレーショナル・データベースです。OmniPortletでは、標準のJDBCドライバを使用できるため、最初からOracleデータベースや任意のJDBCデータベースにアクセスできます。ドライバのタイプは、接続情報の構成時に指定できます。図16-5に、SQLデータソースの「ソース」タブを示します。
DataDirect JDBCドライバを使用して他のリレーショナル・データベースにアクセスできます。OmniPortletでこれらのドライバを使用するように構成するには、B.2.2項「他のリレーショナル・データベースにアクセスできるようにするOmniPortletプロデューサの構成」を参照してください。
ドライバをインストールすると、図16-6に示すように、「ソース」タブの「接続」ダイアログ・ボックスの「ドライバ名」リストに、インストールしたドライバが表示されます。
注意: DataDirectドライバの詳細は、Oracle Application ServerとDataDirect JDBCの動作保証マトリックス(http://www.oracle.com/technology/tech/java/oc4j/htdocs/datadirect-jdbc-certification.html )およびOracle Technology Network(OTN)のOC4Jのページ(http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/htdocs/utilsoft.html )を参照してください。 |
DataDirectドライバのいずれかを使用するときは、hostname:port
という一意の接続文字列書式を使用する必要があります。ここで、hostnameはデータベースが実行されているサーバーの名前で、portはデータベースのリスニング・ポートです。
SQL文のかわりにストアド・プロシージャをコールすることによっても、データにビジネス・ロジックを追加できます。また、データベース内にパッケージとストアド・プロシージャを作成でき、そのストアド・プロシージャをOmniPortletから参照できます。
たとえば、SCOTTサンプル・スキーマを使用して次のように実行できます。
パッケージを作成し、ref cursorを宣言します。
create or replace package emp_pack istype empcurr is ref cursor;end;
ストアド・プロシージャを定義します。たとえば、次のプロシージャはパラメータとしてJOB
を受け入れ、ref cursorを返します。ここで、JOBはscott.Emp
表の列で、その値にはCLERK
、MANAGER
などがあります。
create or replace procedure emp_proc(eset OUT emp_pack.empcurr, jname IN VARCHAR2) is sql_statement varchar2(200); begin sql_statement := 'select empno,ename,hiredate from emp where job = '''||jname||''' order by EMPNO,hiredate'; open eset for sql_statement; end;
手順1と2のPL/SQL文をSQLファイル(たとえば、proc.sql
)に追加し、それをディレクトリに保存します。
次のコマンドを使用して、データベースに接続します。
sqlplus userid/password@Connection_String
userid
、password
およびConnection_String
を、データベースの接続情報に置き換えます。接続文字列については、ORACLE_HOME/network/admin
ディレクトリ内のtnsnames.ora
ファイルを参照してください。
プロシージャを実行します。
@proc
最後に、SQLデータソースに基づいてOmniPortletを作成し、適切なデータベース接続情報を入力します。「SQL文」ボックスで、次のコードを入力します。
call emp_proc('CLERK')
XMLデータソースにはイントラネットまたはインターネットでアクセスできます。「ソース」タブでは、使用するデータを格納するXMLファイルのURLを図16-7に示すように指定できます。
「XML URL」および「XSLフィルタのURL」フィールドの横にあるのが「テスト」ボタンです。XMLデータソースおよびXSLフィルタを検証するのに使用できます。
指定したXMLファイルは表(ROWSET/ROW)構造でかまいません。あるいはXMLスタイル・シート(XSL)を用意してデータをROWSET/ROW構造に変換できます。次の図は、XMLデータソースのROWSET/ROW構造の例を示しています。
<TEAM> <EMPLOYEE> <DEPTNO>10</DEPTNO> <ENAME>KING</ENAME> <JOB>PRESIDENT</JOB> <SAL>5000</SAL> </EMPLOYEE> <DEPTNO>20</DEPTNO> <ENAME>SCOTT</ENAME> <JOB>ANALYST</JOB> <SAL>3000</SAL> <EMPLOYEE> </TEAM>
この例では、<TEAM>タグが行セットを表し、<EMPLOYEE>タグが行を表しています。
OmniPortletは、XMLファイルの形式に関係なく、自動的にXMLを確認して列名を決定します。この列名は後でレイアウトの定義に使用されます。この情報を自分で指定する場合は、データを記述するXMLスキーマへのURLを指定できます。
XMLファイルがHTTP Basic認証で保護されている保護サーバー上にある場合は、他のデータソースと同様に、このデータソースの接続情報も指定できます。
注意: OmniPortletプロデューサはWebCenterアプリケーションと異なる層に存在し、そこで実行され、セッション情報にはアクセスできないため、OmniPortletがアクセスできるように、XMファイルをPUBLICとして公開する必要があります。 |
Webサービスは、SOAPやHTTPなどの標準プロトコルを使用してインターネット上でプログラムを使用してアクセスできる個別のビジネス・サービスです。Webサービスはプラットフォームや言語にとらわれないサービスで、通常、Webサービス・ブローカに登録されています。使用するWebサービスを検索するには、Webサービスを記述し、コール可能なメソッド、必要なパラメータおよび戻されたデータの記述などを指定するWebサービス記述言語(WSDL)ファイルへのURLを取得する必要があります。
OmniPortletは、ドキュメントとRPC(リモート・プロシージャ・コール)の2つのタイプのWebサービスをサポートしています。指定したWSDLドキュメント/ファイルは解析され、コールできる使用可能なメソッドが「ソース」タブに表示されます。
XMLデータソースと同様に、OmniPortletではROWSET/ROW形式のWebサービス・データが必要です。ただし、データは、XSLファイルを使用して変換することもできます。OmniPortletは、WSDLドキュメント/ファイルを確認して列名を決定します。ただし、XMLスキーマを指定して、戻されたデータセットを記述することもできます。
図16-8に、サンプルのWebサービスの「ソース」タブを示します。
OmniPortletでは、既存のWebコンテンツをデータのソースとして使用し、情報をWebCenterアプリケーションに公開できます。クリップされたWebコンテンツはデータソースとして提供され、レンダリングされます。
Webページ・データソースでは、スクレイプ機能を組み込むために、Webクリッピング・ポートレットが提供する範囲が拡張されます。次の機能もサポートしています。
様々なログイン・メカニズムを介したナビゲーション。これには、フォーム・ベースとJavaScriptベースの送信、およびCookieベースのセッション管理を使用したHTTPのBasic認証とDigest認証が含まれます。
クリッピングのファジー・マッチング。ソース・ページ内部でWebクリッピングの順序が変更されたり、文字のフォント、サイズまたはスタイルが変更されたりした場合でも、Webページ・データソースでは正確に識別され、ポートレット・コンテンツとして配信されます。
広範囲なWebコンテンツの再利用。これには、HTTPのGETとPOST(フォーム送信)を使用して取得された、HTML 4.0.1やJavaScriptで作成されたページの基本サポートが含まれます。
すべてのWebクリッピングの定義は、デフォルトでは、Oracle Metadata Services(MDS)に永続的に格納されます。ただし、かわりにOracleデータベースを使用することもできます。MDSを使用すれば、構成ファイルに変更を加える必要はありません。OracleデータベースをWebクリッピング・リポジトリとして使用する場合、provider.xml
ファイルを更新する必要があります。パスワードなどの保護情報は、Oracle Databaseの暗号化テクノロジを使用し、Data Encryption Standard(DES)に基づいて暗号化された形で格納されます。
OmniPortletウィザードの「ソース」タブ(図16-9)では、「Webページの選択」ボタンをクリックしてWebクリッピング・スタジオを起動できます。Webクリッピング・スタジオが起動すると、Oracle Application Server Web Clippingのオンライン・ヘルプを参照できます。
データソースを選択し、データソース・オプションを指定した後は、OmniPortletのフィルタリング・オプションを使用してデータをさらに絞り込むことができます。フィルタリングを効率的に使用するには、「ソース」タブのデータソース・レベルで可能なかぎりデータを絞り込んでから、「フィルタ」タブのオプションを使用してデータを簡素化することをお薦めします。たとえば、SQLデータソースを使用している場合は、WHERE句を使用して指定の列から特定のデータのみを戻すことができます。この場合は、「フィルタ」タブをスキップして、ウィザードの「表示」ページに進むことができます。ただし、データソース・レベルにフィルタリング・オプションがない場合は、「フィルタ」タブのオプションを使用してデータをソートできます(図16-10)。
データの指定とソートが完了すると、OmniPortletに対して表示オプションとレイアウトを選択できます。「表示」タブ(図16-11)ではヘッダーとフッターのテキストを追加し、「レイアウト」タブで後から調整できるレイアウト・スタイルを選択し、キャッシュを有効にできます。次のレイアウトから選択できます。
表
チャート
ニュース
箇条書き
フォーム
HTML
注意: OmniPortletで使用できる様々なレイアウト・スタイルの詳細は、次の項を参照するかまたはOmniPortletウィザードのページの右上隅にある「ヘルプ」をクリックしてください。 |
「レイアウト」タブは、「表示」タブで選択したレイアウト・スタイルによって変わります。このタブでは、ポートレットの外観をさらにカスタマイズできます。たとえば、OmniPortletはチャート・レイアウトのドリルダウン・ハイパーリンクをサポートしています。つまり、ユーザーがチャートの特定部分をクリックすると操作(別のURLへのジャンプなど)が実行されるように、チャートを設定できます。
他のレイアウト・スタイルの場合は、それぞれの列が特定の形式(プレーン・テキスト、HTML、イメージ、ボタンまたはフィールドなど)で表示されるように定義できます。たとえば、イメージへのURLを含むデータソースを選択したとします。このイメージを表示するには、この列の表示に対して「イメージ」を選択できます。それぞれの列も、チャートのハイパーリンクの動作と同じように、操作にマップできます。
OmniPortletで使用できるレイアウト・スタイルは、次のとおりです。
注意: 現在のところイベントがサポートされていないため、レイアウトの設計時にアクションを選択すると、予期しない結果が生じる可能性があります。 |
「表示」タブで選択した表スタイルは、「レイアウト」タブで調整できます(図16-12)。通常、データの1つ以上の列を表に表示する場合は、表レイアウトを使用します。「プレーン」を選択すると、表のすべての行が背景色なしで表示されます。「代替」を選択すると、表の行の1行おきに背景色が表示されます。
「列のレイアウト」セクションでは、ポートレットに表示するデータの列を選択し、次にそのデータの表示形式を選択できます。このセクションでは、ハイパーリンクを表示する列を設定できます。これによって、ユーザーが表内でその列をクリックすると、2番目のWebページが表示されます。2番目のWebページを新しいウィンドウに表示するかどうかを指定することもできます。図16-13に、表形式を使用したOmniPortletの例を示します。
注意: OmniPortletウィザードの使用方法の詳細は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックしてください。 |
チャート・レイアウトを使用すると、データを棒、円または折れ線のグラフで表示できます。「レイアウト」タブ(図16-14)で、チャート・スタイルと列のレイアウトを選択します。列のレイアウトを選択した場合は、ラベルの基となるグループまたは列を選択できます。カテゴリはチャートの凡例の作成に使用する値を定義し、値はチャート内の棒、線またはスライスの相対サイズを決定します。チャートの各セクションがハイパーリンクを指すかどうか、およびターゲットの情報を新しいウィンドウに表示するかどうかも選択できます。図16-15に、円グラフ・レイアウト用の「レイアウト」タブの例を示します。
注意: チャート内の情報をグループ化するには、データ・レベル(SQL問合せ文など)で情報をグループ化する必要があります。また、データソースの数値に、書式設定された文字列、カンマまたは通貨が含まれている場合(たとえば$32,789.00)、その内容はテキストとみなされ、チャートの生成時に無視されます。数値として正しく読み取られるようにするには、これらの書式設定文字を削除する必要があります。 |
棒、スライスまたは線のそれぞれが別のWebページにリンクするように、チャートのハイパーリンクを定義することもできます。たとえば、ページにチャート・ポートレットとレポート・ポートレットを表示し、次に、チャートのハイパーリンクを設定して、選択したデータに関する詳細な情報を表示するレポートの行を表示できます。
図16-16には、前述の図の「レイアウト」タブで選択したオプションの結果が表示されています。チャートの下に、凡例で使用されているカテゴリ(「レイアウト」タブの「部門名」)が表示されています。
ニュース・レイアウトを使用すると、各記事へのリンクを、簡単な説明付きで表示できます。このレイアウトを使用して、ページにResource Description Framework(RDF)やRDF Site Summary(RSS)などの標準XML形式で情報を公開できます。「列のレイアウト」セクション(図16-17)では、ポートレットの最上部に表示するヘッダーを追加できます。ロゴも追加できます。また、スクロール・レイアウトを使用すると、ユーザーは垂直に移動するポートレットにすべての情報を表示できます。ユーザーがポートレットの特定のデータをクリックすると別のWebページが表示されるように、URLも入力できます。2番目のWebページを新しいウィンドウに表示するかどうかを指定することもできます。
図16-18に、ニュース・レイアウトを使用したOmniPortletの例を示します。
注意: OmniPortletのニュース・レイアウトのスクロール・タイプは、Microsoft Internet ExplorerとNetscape 7.0でサポートされています。 |
注意: OmniPortletウィザードの使用方法の詳細は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックしてください。 |
箇条書きレイアウトを使用すると、箇条書きリストのデータを表示できます。「レイアウト」タブ(図16-19)には様々な箇条書きスタイルと番号付き箇条書きスタイルが用意されています。「列のレイアウト」セクションでは、ポートレットでの列の表示方法とユーザーが列をクリックしたときに2番目のWebページを表示するかどうかも選択できます。2番目のWebページを新しいウィンドウに表示するかどうかを指定することもできます。
図16-20に、箇条書きレイアウトを使用したOmniPortletの例を示します。
注意: OmniPortletウィザードの使用方法の詳細は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックしてください。 |
フォーム・レイアウト(図16-21)は、Name: <name>のように、フォーム内にラベルまたはデフォルト値として表示するデータがある場合に使用できます。この場合は、ポートレット・パラメータを使用して、選択した行にデータを渡すことができます。
ターゲットのURLを新しいウィンドウに表示するかどうかを指定することもできます(図16-22)。図16-23に、フォーム・レイアウトを使用したOmniPortletの例を示します。
注意: OmniPortletウィザードの使用方法の詳細は、「レイアウト」タブの右上隅にある「ヘルプ」リンクをクリックしてください。 |
HTMLレイアウトを使用して、カスタマイズされたルック・アンド・フィールをポートレットに作成できます。これには、組込みHTMLレイアウトを選択してそのコードを変更するか、または新規レイアウトをスクラッチから作成するかのいずれかを選択します。選択されたデータソースを基にOmniPortletが取得したデータ列に基づいて、独自のHTMLまたはJavaScriptをハンドコードできます(図16-24)。独自のHTMLおよびJavaScriptをコーディングすることで、ポートレットについて外観の詳細の変更やリッチ・インタフェースの開発を行うことができます。
このタブのフィールドの使用方法については、ウィザードの「ヘルプ」ボタンをクリックしてください。HTMLレイアウトでJavaScriptを使用する例の場合、このタブにある「クイック・スタート」リストから「ソート可能表」レイアウトを選択します。
注意: 各セクション(「非繰返しヘッダー・セクション」、「繰返しセクション」、「非繰返しフッター・セクション」)で入力できる最大文字数は30,000文字です。 |
図16-25に、HTMLレイアウトを使用したOmniPortletの例を示します。
OmniPortletを作成してアプリケーションに戻った後で、ポートレットのオプションを変更する必要が生じた場合は、ポートレットの「カスタマイズ」リンクをクリックします。カスタマイズ・モードでは、OmniPortletウィザードの様々なステップ(「タイプ」ステップを除く)に対応したタブが表示されるので、このタブから直接様々なオプションにアクセスできます。
OmniPortletをカスタマイズ・モードで編集する際には、次の事項に注意してください。
カスタマイズ・モードでポートレットに加えた変更は、現行セッションの言語やユーザーのブラウザーのロケールに関係なく、すべてのユーザーに適用されます。
ポートレットは、ポートレット上の「パーソナライズ」リンクをクリックして実行時にパーソナライズできます。ポートレットをパーソナライズすると、パーソナライズされたオブジェクトのコピーが作成されます。すべてのプロパティが複製されるため、その後のカスタマイズ・モードを使用したポートレットの変更は、パーソナライズされたポートレットには反映されません。最新のカスタマイズの変更内容がポートレットに反映されるようにするには、カスタマイズ・モードで変更を加えた後に「パーソナライズ」を再度クリックし、「デフォルトに戻す」オプションを選択する必要があります。
デフォルトでは、OmniPortletプロデューサはパーソナライズされたオブジェクトを格納するのにファイルベースのプリファレンス・ストアを使用します。このストアは、中間層のファイル・システム内にオブジェクトを格納します。OmniPortletを複数の中間層の環境にデプロイする場合は、共有ファイル・システムに対してファイル・プリファレンス・ストアを構成するか、データベース・プリファレンス・ストア(DBPreferenceStore)を使用する必要があります。これを行うには、B.2.3項「ポータル・ツールおよびWebプロデューサの構成(オプション)」の手順に従います。
1つのOmniPortletに対して5つまでのポートレット・パラメータを定義できます。パラメータは、次の画面で定義できます。
OmniPortletを定義するときに、ウィザードの「ソース」タブで指定
OmniPortletに対する「カスタマイズ」を選択するときに、「ソース」タブで指定
図16-26に、「ソース」タブの「ポートレット・パラメータ」セクションを示します。
注意: ポートレット・パラメータの詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。オンライン・ヘルプにアクセスするには、OmniPortletウィザードの「ソース」タブにある「ヘルプ」リンクをクリックします。このオンライン・ヘルプでは、ポートレット・パラメータの詳細とOmniPortletへの設定方法を説明しています。 |
OmniPortletでポートレット・パラメータを設定したら、ポートレットをページ上の他のポートレットやコンポーネントに状況に応じてマップできます。この詳細は、4.5項「コンテキストに即したコンポーネントのリンク」を参照してください。