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Oracle Identity Manager Toolsリファレンス
リリース9.1.0.2

B56035-01
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15 バルク・ロード・ユーティリティ

Oracle Identity Managerは、組織内で多数あるユーザー・データのリポジトリの1つである場合があります。Oracle Identity Managerの使用を開始するとき、他のリポジトリのデータをOracle Identity Managerにロードすることが必要になる場合があります。バルク・ロード・ユーティリティは、このような要件の解決策となります。

バルク・ロード・ユーティリティは、大量のデータをOracle Identity Managerにロードするプロセスを自動化するためのものです。データのロードに必要な停止時間の短縮に役立ちます。このユーティリティは、Oracle Identity Managerのインストール直後に使用することも、Oracle Identity Managerの本番期間中に随時使用することもできます。

バルク・ロード・ユーティリティでは、CSVファイルまたはデータベース表をデータのソースとして使用できます。Oracle Identity Managerにインポートされたデータは、OIMユーザーまたはOIMユーザーにプロビジョニングされたアカウントに自動的に変換されます。

この章は、次の項に分かれています。

15.1 バルク・ロード・ユーティリティの機能

バルク・ロード・ユーティリティの機能は次のとおりです。

15.2 バルク・ロード・ユーティリティのインストール

ユーティリティをインストールする手順は次のとおりです。

  1. インストール・パッケージの次のディレクトリをOracle Identity Managerデータベース・ホスト・コンピュータ上のディレクトリにコピーします。

    InstallServer/Xellerate/db/oracle/Utilities/oimbulkload


    注意:

    リモート・データベースへのデータのロードには、ユーティリティを使用できません。 


  2. ZIPファイルの内容を展開します。

    ZIPファイルの内容を展開すると、oimbulkloadディレクトリが作成されます。このディレクトリ内に、次のディレクトリが作成されます。

    • sqls: このディレクトリには、バルク・ロード処理中に使用されるSQLスクリプトが含まれています。

    • scripts: このディレクトリには、バルク・ロード処理中に使用される.shスクリプトと.batスクリプトが含まれています。

    • csv_files: 入力ソースとして1つまたは複数のCSVファイルを使用する場合、CSVファイルはこのディレクトリに格納する必要があります。

    • lib: このディレクトリには、oimBulkLoad.jarファイルとojdbc5.jarファイルが含まれています。これらのファイルは、バルク・ロード処理中にユーティリティによって使用されます。

    • Sample Data: このディレクトリには、次のサンプルCSVファイルが入っています。

      • OIMユーザーのロード処理の場合:

        master.txt

        OIDusers.csv

        HRusers.csv

      • アカウントのロード処理の場合:

        parentAD.csv

        childAD.csv

    • Logs_ YYYYMMDD_hhmi: ログ・ディレクトリには、バルク・ロード処理のサマリーが格納されるログ・ファイルが含まれています。このディレクトリは実行時に作成されます。

次の項では、ユーティリティおよびバルク・ロード処理に関する追加情報を提供します。

15.2.1 ユーティリティを構成するスクリプト

ユーティリティを構成する主なスクリプトは次のとおりです。

15.2.2 ユーティリティで提供されるオプション

バルク・ロード・ユーティリティを実行すると、次のオプションのいずれかを選択するように要求されます。


注意:

選択するオプションによっては、ユーティリティからさらに入力を要求されます。 


15.3 バルク・ロード処理中に使用される一時表

バルク・ロード処理中には、次の一時表が使用されます。

15.4 OIMユーザー・データのロード

OIMユーザー・データのロードに必要な手順の概要は次のとおりです。

  1. 必要に応じて、バルク・ロード処理中に使用される一時表の表領域を作成します。

  2. 必要に応じて、Oracle Identity Manager表領域にデータファイルを作成します。

  3. パスワードが、バルク・ロード処理中に作成されるすべてのOIMユーザーに対して、デフォルトのパスワードとして使用されるOIMユーザーを作成します。

  4. バルク・ロード処理の入力ソースを作成します。

    データベース表を入力ソースとして使用する場合、表を作成し、ユーザー・データを表にコピーします。

    CSVファイルを入力ソースとして使用する場合、CSVファイルを作成し、ユーザー・データをファイルにコピーします。また、データのロード順にロード元となるファイルの名前が含まれるmaster.txtファイルを作成します。

  5. ユーティリティの入力パラメータの値を確認します。

  6. Oracle Identity Managerを停止します。

  7. oim_blkldスクリプトを実行します。

  8. バルク・ロード処理の進捗状況を監視します。

  9. バルク・ロード処理の結果を確認します。

  10. 必要に応じて、最初の実行でロードされなかったデータを再ロードします。

  11. Oracle Identity Managerを再起動します。

  12. バルク・ロード処理の結果を検証します。

  13. 処理のパフォーマンス・データを収集します。

  14. 処理中に作成された一時表およびファイルを削除します。

  15. 監査スナップショットを生成します。

次の項では、OIMユーザー・データのロードに必要な手順に関する詳細な情報を提供します。

15.4.1 一時表の表領域の作成

「バルク・ロード処理中に使用される一時表」で述べたように、バルク・ロード処理中に一時データベース表が使用されます。Oracle Identity Managerデータベースのデフォルトの表領域を使用するかわりに、これらの一時表を収容する表領域を作成することをお薦めします。

データベースのドキュメントの表領域作成手順に従ってください。

15.4.2 Oracle Identity Manager表領域でのデータファイルの作成

Oracle Identity Managerのインストール中に作成されるOracle Identity Manager表領域でのデータファイルのデフォルトのサイズは、500MBです。ロードするデータを収容するために、このデータファイルへの領域の追加が必要になる場合があります。または、データファイルを作成します。

Oracle Identity Managerの表領域でデータファイルを作成する手順は次のとおりです。

  1. SQL*Plusセッションを開始します。

  2. Oracle Identity ManagerデータベースにSYSDBAとして接続します。

  3. oim_blkld_setup.sqlスクリプトを実行します。スクリプトから次の情報の入力を要求されます。

    • Oracle Identity Manager表領域の名前

    • Oracle Identity Manager表領域に追加されるデータファイルのフルパスおよび名前

    • Oracle Identity Managerデータベースのユーザー名

15.4.3 ユーティリティによって追加されたOIMユーザーのデフォルト・パスワードの設定

ユーティリティでは、バルク・ロード処理中に作成されたOIMユーザーに割り当てるパスワードは暗号化されません。かわりに、処理中に作成されたすべてのOIMユーザーに、既存のOIMユーザーのパスワードが割り当てられます。


注意:

各OIMユーザーは、最初のログインでパスワードを変更する必要があります。 


ユーティリティを実行すると、パスワードを新規OIMユーザーのデフォルトのパスワードとして使用する既存のOIMユーザーのログイン名を指定するように要求されます。ユーティリティを実行する前に、このOIMユーザーを次のように作成します。

関連項目:

OIMユーザー作成の詳細は、『Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソール・ガイド』を参照してください。 

  1. Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソールに、「ユーザーの作成」権限を持つユーザーとしてログインします。

  2. 左側のナビゲーション・ペインで、「ユーザー」をクリックしてから、「作成」をクリックします。

  3. 次のフィールドの値を指定します。

    • ユーザーID

    • 組織: Xellerateユーザーを選択します。

    • パスワード

    • パスワードの確認

  4. 「ユーザーの作成」をクリックします。

15.4.4 バルク・ロード処理用の入力ソースの作成

使用する入力ソースに応じて、次のいずれかの項で示されているガイドラインに従います。

15.4.4.1 入力ソースとしてのCSVファイルの使用

バルク・ロード処理用の入力ソースとしてCSVファイルを使用する場合、CSVファイルの作成時、次のガイドラインに従います。

15.4.4.2 入力ソースとしてのデータベース表の作成

OIMユーザー・データのロード用の入力ソースとしてデータベース表を使用する場合、データベース表の作成時、次のガイドラインに従います。

表15-1では、サンプル・データベース表の構造を示します。

表15-1    サンプル・データベース表の構造 
名前  NULLかどうか  データ型 

USR_LOGIN 

NOT NULL 

VARCHAR2(256) 

USR_FIRST_NAME 

 

VARCHAR2(80) 

USR_LAST_NAME 

 

VARCHAR2(80) 

. . . 

. . . 

. . . 

OIM_BLKLD_USRSEQ 

NOT NULL 

NUMBER(19) 

15.4.5 ユーティリティの入力パラメータの値の確認

ユーティリティの入力パラメータは次のとおりです。

15.4.6 ユーティリティの実行


注意:

既存の表と競合する名前がある場合、ユーティリティにより既存の一時表が、各実行の開始時に上書きされます。必要に応じて、ユーティリティの前の実行時に作成された一時データベース表の名前を変更します。 


ユーティリティを実行する手順は次のとおりです。

  1. Oracle Identity Managerを停止します。

  2. Oracle Identity Managerデータベースが構成されているコンピュータで、次のスクリプトのいずれかを実行します。

    • UNIXコンピュータの場合:

      OIMBulkload/script/oim_blkld.sh

    • Microsoft Windowsコンピュータの場合:

      OIMBulkload¥script¥oim_blkld.bat

  3. メイン・メニューから「ユーザー・データのロード」を選択します。

  4. 2番目のメニューから、次の選択を行います。

    • 入力ソースとしてCSVファイルを使用する場合、「CSVファイル」を選択します。

    • 入力ソースとしてデータベース表を使用する場合、「DB表」を選択します。

  5. 要求されたら、前述の入力パラメータの値を指定します。

  6. 「処理の進捗状況の監視」で説明する手順に従い、処理のパフォーマンスを監視します。

15.4.7 処理の進捗状況の監視

次の項では、処理の進捗状況を監視するために適用できる情報を提供します。

15.4.7.1 処理中に記録されたデータ

バルク・ロード処理中、ユーティリティにより、進捗状況およびエラーのメッセージがOIM_BLKLD_LOG表に挿入されます。この表のデータは、新規のバルク・ロード処理の開始時に削除されません。この表の列の1つに、表内でメッセージが記録されたときのタイム・スタンプが保持されます。

表15-2で、OIM_BLKLD_LOG表の構造について説明します。

表15-2    OIM_BLKLD_LOG 表の構造 

名前  NULLかどうか  データ型  説明 

MSG_SEQ_NO 

NOT NULL 

NUMBER(19) 

この列には、メッセージがこの表に挿入される順序を示す番号が格納されます。列には、OIM_BLKLD_LOG_SEQ順序を使用して、値が移入されます。この列を使用すれば、メッセージをそれらが表に記録された順序で問い合せることができます。 

MODULE 

NOT NULL 

VARCHAR2(20) 

この列には、次の値のいずれかが格納されます。

USER: この値は、OIMユーザー・データのロード中にメッセージが記録されたことを示します。

ACCOUNT: この値は、アカウント・データのロード中にメッセージが記録されたことを示します。 

LOG_LEVEL 

NOT NULL 

VARCHAR2(20) 

この列には、次の値のいずれかが格納されます。

ERROR

DEBUG

PROGRESS_MSG 

LOAD_SOURCE 

NOT NULL 

VARCHAR2(40) 

この列は、行が挿入されたバルク・ロード処理用のデータのソースを示します。値は、次のいずれかです。

CSV File: filename

DB Table 

MSG 

NOT NULL 

VARCHAR2(4000) 

この列には、LOG_LEVEL列に格納されている値に対応するメッセージが格納されます。 

CREATE_DATE 

 

DATE 

この列には、レコードが作成されたときのタイム・スタンプが格納されます。この列のエントリの書式は次のとおりです。

yyyy/mm/dd hh24:mi:ss

次に例を示します。

2008/06/23 21:49:16:32 

15.4.7.2 OIM_BLKLD_LOG表への進捗状況およびエラー・メッセージの問合せ

バルク・ロード処理中に、処理の進捗状況に関する情報をOIM_BLKLD_LOG表に問い合せることができます。たとえば、次の問合せを実行すれば、OIMユーザー・データをロードするバルク・ロード処理中に生成される進捗状況のメッセージを見ることができます。

SELECT MSG FROM OIM_BLKLD_LOG
WHERE MODULE = 'USER' AND LOG_LEVEL = 'PROGRESS_MSG'
ORDER BY MSG_SEQ_NO;

バルク・ロード処理中に発生するエラーは、OIM_BLKLD_LOG表に問い合せることで表示できます。次に示すのは、エラー・メッセージを取得する問合せの例です。

SELECT MSG FROM OIM_BLKLD_LOG 
WHERE MODULE = 'USER' AND LOG_LEVEL = 'ERROR'
ORDER BY MSG_SEQ_NO;

15.4.8 処理中に記録された例外の処理

バルク・ロード処理の最後に、ユーティリティでは、次のファイルに処理に関連する統計を記録します。

oimbulkload/logs_YYYYMMDD_hhmm/oim_blkld_user_load_summary.log

処理中に例外が発生したかどうかを確認するには、このログ・ファイルを開き、「Number of Records Rejected」ラベルに対する数を探します。却下されたレコードの数がゼロより大きい場合、処理中に例外がスローされたことになります。ユーティリティに却下されたユーザー・レコードは、例外表(OIM_BLKLD_EX_SUFFIX)に記録されます。却下されたレコードごとに、そのレコードをロードできなかった理由に関する情報が、OIM_BLKLD_EX_SUFFIX表のEXCEPTION_MSG列に格納されます。

例15-1では、OIMユーザー・データを格納するバルク・ロード処理の最後に、ログ・ファイルに記録された統計の例を示しています。

例15-1    OIMユーザー・データのロード後に生成されるログ・ファイルの例

****************************************************************

Processing File: u10.csv
================================================================
U S E R    L O A D    S T A T I S T I C S    F O R   F I L E : u10.csv
================================================================
Start Time:   08-AUG-08 11.44.12.228000 AM
End Time:     08-AUG-08 11.44.13.368000 AM
Number of Records Processed:  10
Number of Records Loaded:     8
Number of Records Rejected:   2
================================================================
The name of the TMP table used during the load:
OIM_BLKLD_TMP_U101

The name of the Exception table used during the load:
OIM_BLKLD_EX_U101

****************************************************************
Processing File: u10b.csv

================================================================
U S E R    L O A D    S T A T I S T I C S    F O R   F I L E : u10b.csv
================================================================
Start Time:   08-AUG-08 11.44.15.368000 AM
End Time:     08-AUG-08 11.44.15.540000 AM
Number of Records Processed:  16
Number of Records Loaded:     15
Number of Records Rejected:   1
================================================================
The name of the TMP table used during the load:
OIM_BLKLD_TMP_U10B2

The name of the Exception table used during the load:
OIM_BLKLD_EX_U10B2
================================================================

================================================================
Time taken in re-building indexes and enabling FK constraints
================================================================
Start time:      08-AUG-08 11.44.15.556000 AM
End Time:        08-AUG-08 11.46.50.586000 AM
================================================================


この例では、却下されたレコード数は2です。ログ・ファイルが、すべてのレコードがユーティリティによって却下されたことを示す場合、これらのレコードのロード処理の再試行については、「例外の修正およびデータ・レコードの再ロード」を参照してください。


注意:

各バルク・ロード処理の最後に、例外表のバックアップを作成することをお薦めします。 


15.4.9 例外の修正およびデータ・レコードの再ロード

前述のように、バルク・ロード処理中に発生するエラーは、OIM_BLKLD_LOG表に問い合せることで表示できます。次に示すのは、エラー・メッセージを取得する問合せの例です。

SELECT MSG FROM OIM_BLKLD_LOG 
WHERE MODULE = 'USER' AND LOG_LEVEL = 'ERROR'
ORDER BY MSG_SEQ_NO;

例外表OIM_BLKLD_EX_SUFFIXは、バルク・ロード処理中に入力ソースとして使用したデータ表ごとに作成されます。処理基準を満たさないレコードは、この例外表にコピーされます。各例外表の名前に追加される接尾辞は、対応するデータ表の名前に追加される接尾辞と同じです。

却下されたレコードを再ロードする手順は次のとおりです。

  1. 却下されたレコードが格納されている例外表のバックアップを作成します。


    注意:

    この手順はオプションですが、バックアップを作成することをお薦めします。 


  2. 例外表の各レコードを見なおし、EXCEPTION_MSG列に記録されているメッセージに基づいて、データのエラーを修正します。

  3. 例外表で却下されたレコードすべてのエラーを修正したら、表名をOIM_BLKLD_TMP_SUFFIXに変更し、これを入力ソースとして使用します。

  4. ユーティリティを実行して、OIM_BLKLD_TMP_SUFFIX表からレコードをロードします。詳細は、「ユーティリティの実行」を参照してください。

  5. oim_blkld_account_load_summary.logファイルで「Number of Records Rejected」ラベルの数値が0になるまで、手順1〜4を繰り返します。

  6. Oracle Identity Managerを再起動します。

15.4.10 バルク・ロード処理の結果の検証

バルク・ロード処理の結果を検証するには、ユーティリティによって追加されたOIMユーザーの1人について、次の手順を実行できるかどうかをチェックします。

関連項目:

これらの手順の詳細は、『Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソール・ガイド』を参照してください。 

15.4.11 バルク・ロード処理からのパフォーマンス・データの収集

前述のように、バルク・ロード処理中に次のログ・ファイルが作成されます。

oimbulkload/logs_YYYYMMDD_hhmm/oim_blkld_account_load_summary.log

このファイルに記録されたレコードは、バルク・ロード処理に関するパフォーマンス関連の情報の照合に使用できます。バルク・ロード処理後には、次の情報を収集できます。

この情報は、ユーティリティの今後の実行時に使用できます。バルク・ロード処理に関する情報を保持する場合、このファイルを永続的な場所に移します。

15.4.12 バルク・ロード処理後のクリーンアップ

バルク・ロード処理の結果を保存しない場合は、次のようにします。

15.4.13 監査スナップショットの生成

必要に応じて、バルク・ロード処理後に、Oracle Identity Managerデータの監査スナップショットを生成できます。ユーティリティでは、Oracle Identity Managerリリース9.1.0とともに出荷されている監査ユーティリティを使用します。内部的には、監査ユーティリティの実行時に、GenerateSnapshotスクリプトがコールされます。同様に、監査スナップショットを生成するオプションを選択すると、GenerateSnapshotスクリプトがコールされます。


注意:

監査ユーティリティの実行時には、Oracle Identity Managerが起動し、稼働中であることが必要です。 


監査スナップショットを生成する前に、次の手順を実行します。

  1. テキスト・エディタで、OIM_HOME/bin/GenerateSnapshot.sh(またはGenerateSnapshot.bat)ファイルを開きます。

  2. このファイルで、次の行を検索します。

    • GenerateSnapshot.batファイルの場合:

      SET XEL_HOME=..

    • GenerateSnapshot.shファイルの場合:

      XEL_HOME=..

  3. この行を次の行に置き換えます。

    • GenerateSnapshot.batファイルの場合:

      SET XEL_HOME=<OIM_HOMEディレクトリのフルパス>

    • GenerateSnapshot.shファイルの場合:

      XEL_HOME=<OIM_HOMEディレクトリのフルパス>

  4. ファイルを保存してから閉じます。

監査スナップショットを生成する手順の詳細は、『Oracle Identity Manager Audit Report開発者ガイド』を参照してください。

15.5 アカウント・データのロード

アカウント・データのロードに必要な手順の概要は次のとおりです。

  1. 必要に応じて、バルク・ロード処理中に使用される一時表の表領域を作成します。

  2. 必要に応じて、Oracle Identity Manager表領域にデータファイルを作成します。

  3. バルク・ロード処理の入力ソースを作成します。

    データベース表を入力ソースとして使用する場合、表を作成し、アカウント・データを表にコピーします。

    CSVファイルを入力ソースとして使用する場合、CSVファイルを作成し、アカウント・データをファイルにコピーします。

  4. ユーティリティの入力パラメータの値を確認します。

  5. Oracle Identity Managerを停止します。

  6. oim_blkldスクリプトを実行します。

  7. バルク・ロード処理の進捗状況を監視します。

  8. バルク・ロード処理の結果を確認します。

  9. 必要に応じて、最初の実行でロードされなかったデータを再ロードします。

  10. Oracle Identity Managerを再起動します。

  11. バルク・ロード処理の結果を検証します。

  12. 処理のパフォーマンス・データを収集します。

  13. 処理中に作成された一時表およびファイルを削除します。

  14. 監査スナップショットを生成します。

アカウント・データのバルク・ロード処理の要件および機能

アカウント・データのバルク・ロード処理の要件および機能は次のとおりです。

次の項では、アカウント・データのロードに必要な手順に関する詳細な情報を提供します。

15.5.1 一時表の表領域の作成

「バルク・ロード処理中に使用される一時表」で述べたように、バルク・ロード処理中に一時データベース表が使用されます。Oracle Identity Managerデータベースのデフォルトの表領域を使用するかわりに、これらの一時表を収容する表領域を作成することをお薦めします。

データベースのドキュメントの表領域作成手順に従ってください。

15.5.2 Oracle Identity Manager表領域でのデータファイルの作成

Oracle Identity Managerのインストール中に作成されるOracle Identity Manager表領域でのデータファイルのデフォルトのサイズは、500MBです。ロードするデータを収容するために、このデータファイルへの領域の追加が必要になる場合があります。または、データファイルを作成します。

Oracle Identity Managerの表領域でデータファイルを作成する手順は次のとおりです。

  1. SQL*Plusセッションを開始します。

  2. Oracle Identity ManagerデータベースにSYSDBAとして接続します。

  3. oim_blkld_setup.sqlスクリプトを実行します。スクリプトから次の情報の入力を要求されます。

    • Oracle Identity Manager表領域の名前

    • Oracle Identity Manager表領域に追加されるデータファイルのフルパスおよび名前

    • Oracle Identity Managerデータベースのユーザー名

15.5.3 バルク・ロード処理用の入力ソースの作成

使用する入力ソースに応じて、次のいずれかの項で示されているガイドラインに従います。

15.5.3.1 入力ソースとしてのCSVファイルの使用

バルク・ロード処理用の入力ソースとしてCSVファイルを使用する場合、CSVファイルの作成時、次のガイドラインに従います。

15.5.3.2 入力ソースとしてのデータベース表の作成

アカウント・データのロード用の入力ソースとしてデータベース表を使用する場合、データベース表の作成時、次のガイドラインに従います。

表15-3では、サンプルの親表の構造を示します。

表15-3    サンプル・データベース表の構造 
名前  NULLかどうか  データ型 

UD_ADUSER_UID 

 

VARCHAR2(20) 

UD_ADUSER_ORGNAME 

 

VARCHAR2(256) 

UD_ADUSER_FNAME 

 

VARCHAR2(80) 

UD_ADUSER_LNAME 

 

VARCHAR2(80) 

UD_ADUSER_MNAME 

 

VARCHAR2(80) 

UD_ADUSER_FULLNAME 

 

VARCHAR2(240) 

OIM_BLKLD_SEQ 

NOT NULL 

NUMBER(19) 

表15-4では、サンプルの子表の構造を示します。

表15-4    サンプルの子データベース表の構造 
名前  NULLかどうか  データ型 

UD_ADUSER_UID 

 

VARCHAR2(20) 

UD_ADUSER_ORGNAME 

 

VARCHAR2(256) 

UD_ADUSRC_GROUPNAME 

 

VARCHAR2(32) 

OIM_BLKLD_SEQ 

NOT NULL 

NUMBER(19) 

15.5.4 ユーティリティの入力パラメータの値の確認

ユーティリティの入力パラメータは次のとおりです。

15.5.5 ユーティリティの実行


注意:

既存の表と競合する名前がある場合、ユーティリティにより既存の一時表が、各実行の開始時に上書きされます。必要に応じて、ユーティリティの前の実行時に作成された一時データベース表の名前を変更します。 


ユーティリティを実行する手順は次のとおりです。

  1. Oracle Identity Managerを停止します。

  2. Oracle Identity Managerデータベースが構成されているコンピュータで、次のスクリプトのいずれかを実行します。

    • UNIXコンピュータの場合:

      OIMBulkload/script/oim_blkld.sh

    • Microsoft Windowsコンピュータの場合:

      OIMBulkload¥script¥oim_blkld.bat

  3. メイン・メニューから「ユーザー・データのロード」を選択します。

  4. 2番目のメニューから、次の選択を行います。

    • 入力ソースとしてCSVファイルを使用する場合、「CSVファイル」を選択します。

    • 入力ソースとしてデータベース表を使用する場合、「DB表」を選択します。

  5. 要求されたら、前述の入力パラメータの値を指定します。

  6. 「処理の進捗状況の監視」で説明する手順に従い、処理のパフォーマンスを監視します。

15.5.6 処理の進捗状況の監視

次の項では、処理の進捗状況を監視するために適用できる情報を提供します。

15.5.6.1 処理中に記録されたデータ

バルク・ロード処理中、ユーティリティにより、進捗状況およびエラーのメッセージがOIM_BLKLD_LOG表に挿入されます。この表のデータは、新規のバルク・ロード処理の開始時に削除されません。この表の列の1つに、表内でメッセージが記録されたときのタイム・スタンプが保持されます。

表15-5で、OIM_BLKLD_LOG表の構造について説明します。

表15-5    OIM_BLKLD_LOG 表の構造 
名前  NULLかどうか  データ型  説明 

MSG_SEQ_NO 

NOT NULL 

NUMBER(19) 

この列には、メッセージがこの表に挿入される順序を示す番号が格納されます。列には、OIM_BLKLD_LOG_SEQ順序を使用して、値が移入されます。この列を使用すれば、メッセージをそれらが表に記録された順序で問い合せることができます。 

MODULE 

NOT NULL 

VARCHAR2(20) 

この列には、次の値のいずれかが格納されます。

USER: この値は、OIMユーザー・データのロード中にメッセージが記録されたことを示します。

ACCOUNT: この値は、アカウント・データのロード中にメッセージが記録されたことを示します。 

LOG_LEVEL 

NOT NULL 

VARCHAR2(20) 

この列には、次の値のいずれかが格納されます。

ERROR

DEBUG

PROGRESS_MSG 

LOAD_SOURCE 

NOT NULL 

VARCHAR2(40) 

この列は、行が挿入されたバルク・ロード処理用のデータのソースを示します。値は、次のいずれかです。

CSV File: <filename>

DB Table 

MSG 

NOT NULL 

VARCHAR2(4000) 

この列には、LOG_LEVEL列に格納されている値に対応するメッセージが格納されます。 

CREATE_DATE 

 

DATE 

この列には、レコードが作成されたときのタイム・スタンプが格納されます。この列のエントリの書式は次のとおりです。

yyyy/mm/dd hh24:mi:ss

次に例を示します。

2008/06/23 21:49:16:32 

15.5.6.2 OIM_BLKLD_LOG表への進捗状況およびエラー・メッセージの問合せ

バルク・ロード処理中に、処理の進捗状況に関する情報をOIM_BLKLD_LOG表に問い合せることができます。たとえば、次の問合せを実行すれば、アカウント・データをロードするバルク・ロード処理中に生成される進捗状況のメッセージを見ることができます。

SELECT MSG FROM OIM_BLKLD_LOG
WHERE MODULE = 'ACCOUNT' AND LOG_LEVEL = 'PROGRESS_MSG'
ORDER BY MSG_SEQ_NO;

たとえば、次の問合せを実行すれば、アカウント・データをロードするバルク・ロード処理中に生成される進捗状況のメッセージを見ることができます。

SELECT MSG FROM OIM_BLKLD_LOG
WHERE MODULE = 'ACCOUNT' AND LOG_LEVEL = 'PROGRESS_MSG'
ORDER BY MSG_SEQ_NO;

バルク・ロード処理中に発生するエラーは、OIM_BLKLD_LOG表に問い合せることで表示できます。次に示すのは、エラー・メッセージを取得する問合せの例です。

SELECT MSG FROM OIM_BLKLD_LOG 
WHERE MODULE = 'ACCOUNT' AND LOG_LEVEL = 'ERROR'
ORDER BY MSG_SEQ_NO;

15.5.7 処理中に記録された例外の処理

バルク・ロード処理の最後に、ユーティリティでは、次のファイルに処理に関連する統計を記録します。

oimbulkload/logs_YYYYMMDD_hhmm/oim_blkld_account_load_summary.log

処理中に例外が発生したかどうかを確認するには、このログ・ファイルを開き、「Number of Records Rejected」ラベルに対する数を探します。却下されたレコードの数がゼロより大きい場合、処理中に例外がスローされたことになります。ユーティリティに却下されたユーザー・レコードは、例外表(OIM_BLKLD_EX_SUFFIX)に記録されます。却下されたレコードごとに、そのレコードをロードできなかった理由に関する情報が、OIM_BLKLD_EX_SUFFIX表のEXCEPTION_MSG列に格納されます。

例15-2では、アカウント・データを格納するバルク・ロード処理の最後に、ログ・ファイルに記録された統計の例を示しています。

例15-2    アカウント・データのロード後に生成されるログ・ファイルの例

=============================================================
A C C O U N T    L O A D    S T A T I S T I C S
=============================================================
Start Time:   22-JUL-08 03.59.30.206000 PM
End Time:     22-JUL-08 04.03.21.126000 PM
Number of Records Processed:  100026
Number of Records Loaded:     100000
Number of Records Rejected:   26
=============================================================
 
The names of the TMP tables used during the load:
OIM_BLKLD_TMP_P100001
OIM_BLKLD_TMP_C100002
The names of the Exception tables used during the load:
OIM_BLKLD_EX_P100001
OIM_BLKLD_EX_C100002

この例では、却下されたレコード数は26です。ログ・ファイルが、すべてのレコードがユーティリティによって却下されたことを示す場合、これらのレコードのロード処理の再試行については、「例外の修正およびデータ・レコードの再ロード」を参照してください。


注意:

各バルク・ロード処理の最後に、例外表のバックアップを作成することをお薦めします。 


15.5.8 例外の修正およびデータ・レコードの再ロード


注意:

複数のターゲット・システムのCSVファイルからデータをロードする場合、次の方法のいずれかを使用できます。

  • 方法1: CSVファイルのすべてのセットに対してユーティリティを実行し、この項で説明する手順を実行します。

  • 方法2: CSVファイルの1つのセットに対してユーティリティを実行し、この項で説明する手順を実行します。その後、次のセットのCSVファイルに対してこの手順を繰り返します。

 

前述のように、バルク・ロード処理中に発生するエラーは、OIM_BLKLD_LOG表に問い合せることで表示できます。次に示すのは、エラー・メッセージを取得する問合せの例です。

SELECT MSG FROM OIM_BLKLD_LOG 
WHERE MODULE = 'ACCOUNT' AND LOG_LEVEL = 'ERROR'
ORDER BY MSG_SEQ_NO;

例外表OIM_BLKLD_EX_SUFFIXは、バルク・ロード処理中に入力ソースとして使用したデータ表ごとに作成されます。処理基準を満たさないレコードは、この例外表にコピーされます。各例外表の名前に追加される接尾辞は、対応するデータ表の名前に追加される接尾辞と同じです。

却下されたレコードを再ロードする手順は次のとおりです。

  1. 却下されたレコードが格納されている例外表のバックアップを作成します。


    注意:

    この手順はオプションですが、バックアップを作成することをお薦めします。 


  2. 例外表の各レコードを見なおし、EXCEPTION_MSG列に記録されているメッセージに基づいて、データのエラーを修正します。

  3. 例外表で却下されたレコードすべてのエラーを修正したら、表名をOIM_BLKLD_TMP_SUFFIXに変更し、これを入力ソースとして使用します。

  4. ユーティリティを実行して、OIM_BLKLD_TMP_SUFFIX表からレコードをロードします。詳細は、「ユーティリティの実行」を参照してください。

  5. oim_blkld_account_load_summary.logファイルで「Number of Records Rejected」ラベルの数値が0になるまで、手順1〜4を繰り返します。

  6. Oracle Identity Managerを再起動します。

15.5.9 バルク・ロード処理の結果の検証

バルク・ロード処理の結果を検証するには、ユーティリティによってアカウントが追加されたOIMユーザーの1人について、次の手順を実行できるかどうかをチェックします。

関連項目:

これらの手順の詳細は、『Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソール・ガイド』を参照してください。 

15.5.10 バルク・ロード処理からのパフォーマンス・データの収集

前述のように、バルク・ロード処理中に次のログ・ファイルが作成されます。

oimbulkload/logs_YYYYMMDD_hhmm/oim_blkld_account_load_summary.log

このファイルに記録されたレコードは、バルク・ロード処理に関するパフォーマンス関連の情報の照合に使用できます。バルク・ロード処理後には、次の情報を収集できます。

この情報は、ユーティリティの今後の実行時に使用できます。バルク・ロード処理に関する情報を保持する場合、このファイルを永続的な場所に移します。

15.5.11 バルク・ロード処理後のクリーンアップ

バルク・ロード処理の結果を保存しない場合は、次のようにします。

15.5.12 監査スナップショットの生成

必要に応じて、バルク・ロード処理後に、Oracle Identity Managerデータの監査スナップショットを生成できます。ユーティリティでは、Oracle Identity Managerリリース9.1.0とともに出荷されている監査ユーティリティを使用します。内部的には、監査ユーティリティの実行時に、GenerateSnapshotスクリプトがコールされます。同様に、監査スナップショットを生成するオプションを選択すると、GenerateSnapshotスクリプトがコールされます。


注意:

監査ユーティリティの実行時には、Oracle Identity Managerが起動し、稼働中であることが必要です。 


監査スナップショットを生成する前に、次の手順を実行します。

  1. テキスト・エディタで、OIM_HOME/bin/GenerateSnapshot.sh(またはGenerateSnapshot.bat)ファイルを開きます。

  2. このファイルで、次の行を検索します。

    • GenerateSnapshot.batファイルの場合:

      SET XEL_HOME=..

    • GenerateSnapshot.shファイルの場合:

      XEL_HOME=..

  3. この行を次の行に置き換えます。

    • GenerateSnapshot.batファイルの場合:

      SET XEL_HOME=<OIM_HOMEディレクトリのフルパス>

    • GenerateSnapshot.shファイルの場合:

      XEL_HOME=<OIM_HOMEディレクトリのフルパス>

  4. ファイルを保存してから閉じます。

監査スナップショットを生成する手順の詳細は、『Oracle Identity Manager Audit Report開発者ガイド』を参照してください。


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