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Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソール・ガイド
リリース9.1.0.2
B56234-01
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24 汎用テクノロジ・コネクタの作成および使用に関するベスト・プラクティス

この章では、汎用テクノロジ・コネクタの作成および使用に関するベスト・プラクティスまたはガイドラインについて説明します。


注意:

ベスト・プラクティスには、マニュアル内の他の該当箇所で繰り返し言及されているものもあります。この章では、他の箇所では扱われていないベスト・プラクティスに関する詳細説明を取り扱います。

ベスト・プラクティスは、適用するコンテキストに応じて次の各項で説明されています。

24.1 「ステップ1: 基本情報の指定」ページ

汎用テクノロジ・コネクタの名前を指定する場合は次のガイドラインを適用します。

24.2 「ステップ2: パラメータ値の指定」ページ

ここでは、「ステップ2: パラメータ値の指定」ページで指定する入力に関する既知の問題について説明します。

24.3 「ステップ3: コネクタ構成の変更」ページ

ここでは、次の領域に関するベスト・プラクティスについて説明します。

24.3.1 フィールドの名前

フィールドの追加時または編集時にフィールド名を指定する場合、次の検証が適用されることに注意してください。

  • 同じデータセット(親または子)に属する2つのフィールドには同じ名前を指定できません。

  • 同じ親データセットの2つの子データセットには同じ名前を指定できません。

  • 親データセットのフィールドの名前には、その子データセットのいずれかと同じ名前は指定できません。

  • その2つの子データセットが同じ親データセットに属しているかどうかに関係なく、2つの異なる子データセットに同じ名前のフィールドをそれぞれ指定することは可能です。たとえば、UsrIDという名前のフィールドをGroupMembershipデータセットとRoleデータセットのそれぞれに指定できます。

  • 2つの異なる親データセットに同じ名前のフィールドをそれぞれ指定することは可能です。同様に、これらのデータセットに同じ名前の子データセットをそれぞれ指定することも可能です。

  • 子データセットの名前には、そのフィールドのいずれかと同じ名前を指定できます。

24.3.2 パスワード・フィールド

パスワードの安全性を確保するため、パスワード情報は汎用テクノロジ・コネクタでリコンサイルしないでください。つまり、「ソース」データセットおよび「リコンシリエーション・ステージング」データセットには「パスワード」フィールドが含まれないようにします。また、「リコンシリエーション・ステージング」データセットのフィールドを「OIM - ユーザー」データセットの「パスワード」フィールドにマップしないでください。

24.3.3 パスワード型フィールド

パスワード型フィールドは、「暗号化」属性および「パスワード・フィールド」属性を(「暗号化」チェック・ボックスおよび「パスワード・フィールド」チェック・ボックスを選択して)設定するフィールドです。「OIM - アカウント」データセットに追加するフィールドにこれらの2つの属性を設定すると、パスワード型フィールドを作成できます。

パスワード型フィールドの内容を保護するため、これらのフィールドの追加時または編集時には次のガイドラインに注意してください。

  • 「パスワード・フィールド」チェック・ボックスおよび「暗号化」チェック・ボックスを使用すると、Oracle Identity Managerでのパスワード情報の表示および格納を保護できます。ただし、パスワード型フィールドを「プロビジョニング・ステージング」データセットのフィールドにマップする場合は、これらのフィールドに伝播されるデータを保護するため、必要なすべての予防措置をとってください。たとえば、このデータがプロビジョニング操作の終了時にターゲット・システムのプレーン・テキスト・ファイルに格納されないようにする必要があります。

    「OIM - アカウント」データセットと「プロビジョニング・ステージング」データセットのパスワード・フィールド間には、1対1のマッピングのみ作成することをお薦めします。つまり、このパスワード・フィールドを、「プロビジョニング・ステージング」フィールドとの変換マッピングの入力フィールドとして使用しないようにしてください。「OIM - ユーザー」データセットの「パスワード」フィールドについても同様の予防措置をとる必要があります。

  • 前述したとおり、「パスワード」フィールドは「OIM - ユーザー」データセットの事前定義済フィールドの1つです。このフィールドには「パスワード・フィールド」属性および「暗号化」属性が設定されます。Design Consoleを使用すると、作成するUDFに「パスワード・フィールド」属性および「暗号化」属性を設定できます。このように設定すると、新規作成されるUDFに既存の「パスワード」フィールドと同じプロパティが指定されます。ただし、汎用テクノロジ・コネクタ・フレームワークではこのフィールドは他のテキスト・フィールド(文字列データ型)と同様に扱われ、その内容は管理およびユーザー・コンソールまたはデータベースでは暗号化されません。

    これについては、「一般的な既知の問題」にも記載されています。

24.3.4 マッピング

「OIM」データセットのフィールドを使用する場合は次のベスト・プラクティスを適用します。

  • サマリー:

    翻訳変換プロバイダを選択してマッピングを作成する場合、「参照コード名」リージョンに参照定義の名前を指定してください。データセット名およびフィールドを「参照コード名」リージョンに指定すると、実際のリコンシリエーションまたはプロビジョニングの操作時に変換に失敗します。

    説明:

    マッピングの作成時に翻訳変換プロバイダを選択すると、「ステップ2: マッピング」ページに、データセットからフィールドを選択してリテラルを指定するオプションが表示されます。翻訳変換プロバイダを使用しているため、「リテラル」オプションを選択して、変換用のコード・キーおよびデコードの値を含む参照定義の名前を入力する必要があります。「参照コード名」リージョンにデータセット名およびフィールドを選択しないでください。データセット名およびフィールドの選択を無効にする検証は行われませんが、実際のリコンシリエーションまたはプロビジョニングの操作時に変換操作に失敗します。

  • 「OIM - アカウント」データセットのIDフィールドと、「リコンシリエーション・ステージング」データセットのレコードを一意に識別するフィールドとのマッピングを作成します。

  • IDフィールドに加えて、「OIM - アカウント」データセットの他のフィールドを「リコンシリエーション・ステージング」データセットの対応するフィールドに(一致のみで)マップして、リコンシリエーション一致のコンポジット・キー・フィールドを作成できます。

  • 「プロビジョニング・ステージング」データセットのすべてのフィールドと、「OIM」データセットの対応するフィールドとのマッピングを作成します。

  • リコンシリエーション・ルールを作成するには、「リコンシリエーション・ステージング」データセットのフィールドと「OIM - ユーザー」データセットのフィールド間で一致のみのマッピングを作成します。子データセットがある場合は、一致のみのマッピングの入力フィールドとなる「リコンシリエーション・ステージング」データセットのフィールドの名前が「リコンシリエーション・ステージング」の子データセットで使用されていないことを確認してください。このガイドラインに従っていないと、リコンシリエーションは失敗します。

    これについては、「「ステップ3: コネクタ構成の変更」ページ」にも記載されています。

  • 変換マッピングの入力フィールドの1つとしてリテラル・フィールドを使用できます。「リテラル」オプションを選択した場合は、そのフィールドに値を入力する必要があります。このオプションの選択後は、リテラル・フィールドを空白にしないでください。

24.3.5 「OIM」データセット

「OIM」データセットのフィールドを使用する場合は次のベスト・プラクティスを適用します。

  • 信頼できるソースのリコンシリエーションでは、「OIM - ユーザー」データセットの次の各フィールドに常に値が保持されている必要があります。

    • ユーザーID

    • 組織名

    • Xellerateのタイプ

    • ロール

    また、この他に選択できる「OIM - ユーザー」のフィールドにも、ユーザー・アカウントがリコンシリエーションを通じて作成された場合に入力が必要なものがあります。これらの各フィールドに対し、「リコンシリエーション・ステージング」データセットの対応するフィールドとのマッピングを作成する必要があります。リコンシリエーションの実行中は、これらのフィールドのソースとなるターゲット・システムのフィールドに、常に値が保持されているようにしてください。

    プロビジョニングに選択できる「OIM - ユーザー」データセットまたは「OIM - アカウント」データセットのフィールドには、ターゲット・システムへの値の伝播が必要なものがあります。これらのフィールドは、特定した後に、「プロビジョニング・ステージング」データセットの対応するフィールドとのマッピングを作成してください。プロビジョニング操作中に、これらの各フィールドに値を入力する必要があります。

  • 必要に応じて、Design Consoleを使用すると、事前定義済の「OIM - ユーザー」フィールドのリストにユーザー定義フィールド(UDF)を追加できます。

    ただし、UDFの「パスワード・フィールド」属性および「暗号化」属性の設定にDesign Consoleを使用しないでください。Design Consoleを使用して「パスワード・フィールド」属性および「暗号化」属性がフィールドに設定された場合、UDFの内容は暗号化されません。

    これについては、「一般的な既知の問題」にも記載されています。

  • 既存の汎用テクノロジ・コネクタで、「OIM - アカウント」データセットのフィールドの属性を変更または削除しないでください。

24.4 共有ドライブ・リコンシリエーション・トランスポート・プロバイダ

サマリー:

親レコードと子データ・レコードが作成され、ターゲット・システムおよびOracle Identity Managerの両方でリンクされる場合は、各リコンシリエーションの実行開始時に、親データと子データ両方のファイルがステージング・ディレクトリに格納されていることを確認してください。

説明

ターゲット・システムに、子データ・レコードの関連付けられた親データ・レコードがあるとします。これらのレコードをOracle Identity Managerでリコンサイルするには、レコードが含まれる親データファイルおよび子データファイルをステージング・ディレクトリに配置します。リコンシリエーションの実行中、子データ・レコードがその対応する親データ・レコードにリンクされます。その後、別のリコンシリエーションを実行する前に、ステージング・ディレクトリから子データファイルを削除すると、このような形の子データ・レコードの削除に対してリコンシリエーション・イベントは作成されなくなります。特定の親データ・レコードの子データ・レコードを削除する場合、子データファイルから子データ・レコードを削除してください。各リコンシリエーションの実行時には、子データファイルがステージング・ディレクトリに配置されていることを確認してください。そのファイルに子データ・レコード(3行目以降)がない場合にも同様です。

24.5 カスタム・プロバイダ

カスタム・プロバイダを使用する場合は次のガイドラインを適用します。

カスタム・プロビジョニング・トランスポート・プロバイダのコードを開発する場合、「ユーザーの作成」操作の終了時にプロバイダが一意のフィールドの値を戻すことを確認してください。この機能は、プロビジョニング・トランスポート・プロバイダのsendDataメソッドによって実装されます。詳細は、「プロビジョニング中のプロバイダの役割」を参照してください。

24.6 コネクタ・オブジェクト

汎用テクノロジ・コネクタの作成時に自動的に作成されたコネクタ・オブジェクトを使用する場合は、次のガイドラインを適用します。

24.7 汎用テクノロジ・コネクタの変更

汎用テクノロジ・コネクタを変更する場合は次のベスト・プラクティスを適用します。

一度に複数の汎用テクノロジ・コネクタを変更しようとしないでください。同じOracle Identity Managerインストールの管理およびユーザー・コンソールで、別のセッションから作成する場合も同様です。