Oracle Enterprise Manager アドバンスト構成 10gリリース5(10.2.0.5.0) B53907-01 |
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この章では、Enterprise Managerのソフトウェア・ライブラリ機能について説明します。この章に含まれる項は次のとおりです。
ソフトウェア・ライブラリは、認可されたソフトウェアのイメージ(たとえば、Oracle Database、オペレーティング・システム、Oracle Real Application Clusters、サード・パーティのソフトウェアなど)およびその他の関連エンティティを格納するリポジトリとして機能します。格納されたイメージやエンティティは、ソフトウェア、ソフトウェアの更新およびサーバーをプロビジョニングするために、Oracle Enterprise Mangerによって、信頼性の高い反復可能な方法で大量に自動デプロイされます。このプロビジョニング操作は、自動で行われる上にスケジュール設定が可能なため、大幅な経費削減につながります。
ソフトウェア・ライブラリで格納できるのは、次のタイプのエントリです。
ソフトウェア・ライブラリは、マウントされた任意のファイルシステムを使用して構成でき、Oracle Management Service(OMS)から読込みおよび書込み可能です。Enterprise Managerが単一サーバー設定として構成されている場合は、ローカル・ディレクトリを使用してソフトウェア・ライブラリを構成できます。ソフトウェア・バイナリの記憶域に十分な使用可能領域があること、および作成して格納するエンティティにスクリプトが関連付けられていることを確認する必要があります。
Enterprise Managerが複数サーバー設定として構成されている場合は、ソフトウェア・ライブラリを構成するディレクトリは、すべてのOMSからアクセス可能である必要があります。コンポーネントおよびその他のエンティティのバイナリ・データが保存されているファイルを格納するために必要な使用可能領域が、共有記憶域にあることを確認する必要があります。
ソフトウェア・ライブラリを構成するには、次の手順に従います。
ソフトウェア・ライブラリが構成されると、即時利用可能プロビジョニング・アーカイブ・ファイル(PARファイル)がデプロイされます。これらのファイルには、コンポーネントやディレクティブなど、ベア・メタル・プロビジョニングやパッチ適用などのアプリケーションに使用される、ビルド前のエンティティが含まれています。PARファイルとはデプロイメント・プロシージャとソフトウェア・ライブラリのエンティティの集合またはバンドルであり、様々なプロビジョニング・アプリケーションやパッチ適用アプリケーションで使用されます。
プロビジョニング・アプリケーションのグラフィカル・ユーザー・インタフェースには、ソフトウェア・ライブラリに格納するコンポーネント、ディレクティブ、イメージ、ネットワーク・テンプレートおよびハードウェア・テンプレートを作成するための様々なタブがあります。ソフトウェア・ライブラリでは、エンティティを格納するための様々なサブディレクトリを作成できます。ソフトウェア・ライブラリに格納されているエンティティの削除および編集は、これらのタブで行えます。また、エンティティのメタデータ情報も参照できます。複数のソフトウェア・ライブラリの場所を構成できます。ファイルやバイナリがエンティティに関連付けられている場合は、最も領域の大きい場所が選択されます。
エンティティの作成の詳細は、OTNの『Best Practices for Bare Metal Provisioning』を参照してください。
図15-1に、「管理」ページの「ソフトウェア・ライブラリ」セクションを示します。
「ソフトウェア・ライブラリ」セクションには、ディレクトリの場所、空き領域、使用領域、および削除済エンティティで使用されていた領域が示されます。また、「ソフトウェア・ライブラリ構成」セクションには次の機能もあります。
エンティティが削除されても、エンティティに関連付けられたバイナリ・ファイルは、完全に削除されるまではディスク上に存在します。このようなバイナリ・ファイルによる領域の使用量は、それぞれの場所の「エンティティが削除された使用済領域」列で監視できます。「ソフトウェア・ライブラリ」セクションのパージ機能を使用すると、削除済エンティティとそのバイナリ・ファイルをソフトウェア・ライブラリから完全に消去できます。
ソフトウェア・ライブラリのすべての場所の領域使用量は、リフレッシュ機能で計算できます。「リフレッシュ」をクリックすると、「空き領域」、「使用済領域」、および「エンティティが削除された使用済領域」にそれぞれの場所の最新の領域使用量に関する詳細が表示されます。「最終計算」列には、空き領域が最後に計算された日付が表示されます。
「アクセシビリティの確認」を使用すると、Enterprise Managerに複数のOMSがデプロイされている場合に、すべてのOMSからソフトウェア・ライブラリの場所にアクセスできることを確認できます。Oracle Management Serviceを実行するすべてのホストで通常の優先資格証明が設定されており、アクセシビリティの確認機能を使用できることを確認します。また、Enterprise Managerの即時利用可能ポリシーである「非共有ソフトウェア・ライブラリの存在」を使用し、共有されないソフトウェア・ライブラリの場所がすべてのOMSに存在することを確認します。
ソフトウェア・ライブラリ・エンティティをエクスポートし、プロビジョニング・アーカイブ(PAR)ファイルをソフトウェア・ライブラリにインポートできます。詳細は、「Oracle Enterprise Managerのデプロイメント間でのエンティティのエクスポートおよびインポート」を参照してください。
ソフトウェア・ライブラリの新しいディレクトリの場所を追加して編集するか、既存のソフトウェア・ライブラリのディレクトリの場所を削除できます。
ソフトウェア・ライブラリ・エンティティは、様々なEnterprise Managerのデプロイメントで使用される、異なるソフトウェア・ライブラリ間でエクスポートおよびインポートできます。
プロビジョニング・アーカイブ・ファイル(PARファイル)には、デプロイメント・プロシージャ、またはソフトウェア・ライブラリのコンポーネントやディレクティブなどのソフトウェア・ライブラリ・エンティティが含まれます。Oracleには、Oracleベスト・プラクティス・デプロイメント・プロシージャ、およびプロビジョニング・アプリケーションとパッチ適用アプリケーションでこのプロシージャを実行するために必要なソフトウェア・ライブラリ・エンティティを含むPARファイルが用意されています。
「ソフトウェア・ライブラリ」セクションで「エクスポート」をクリックし、PAR(プロビジョニング・アーカイブ(PAR)ファイルとしてエクスポートされる「コンポーネント」、「イメージ」、「ディレクティブ」、「スイート」、「ネットワーク」を選択します。その後、新しいリポジトリにPARファイルをインポートします。図15-2に、「ソフトウェア・ライブラリ・エンティティのエクスポート」ページを示します。
ソフトウェア・ライブラリ・エンティティをエクスポートするには、次の値を指定する必要があります。
「インポート」をクリックし、ソフトウェア・ライブラリにPAR(プロビジョニング・アーカイブ)ファイルをインポートします。図15-3に、「ソフトウェア・ライブラリ・エンティティのインポート」ページを示します。
ソフトウェア・ライブラリ・エンティティをインポートするには、次の値を指定する必要があります。
また、deploymentLibrabryExport deploymentLibrabryImport
スクリプトを使用し、ソフトウェア・ライブラリ・エンティティのインポートとエクスポートをそれぞれ実行することもできます。これらのスクリプトはOMS Oracleホームのbinディレクトリにあり、これらのスクリプトを使用することで、テストから本番への転送または異なる本番環境間での転送を柔軟に行えます。
スクリプトは、次に示すインポートまたはエクスポートのユースケースをサポートします。
エクスポート・スクリプトは、LinuxまたはWindowsの<OMS HOME>/bin/deploymentLibraryExport.pl
にあります。
インポート・スクリプトは、LinuxまたはWindowsの<OMS HOME>/bin/deploymentLibraryImport.pl
にあります。
インポート・スクリプトとエクスポート・スクリプトの使用の詳細は、コマンドラインで--help
と入力します。
ソフトウェア・ライブラリ・エンティティの削除は、プロビジョニング・アプリケーションで提供される関連タブから行えます。ただし、エンティティを削除しても、エンティティに関連付けられているファイルは、ソフトウェア・ライブラリのファイルシステムからパージされません。エンティティを削除すると、ユーザー・インタフェースには表示されなくなりますが、ディスクには存在し、ディスク領域を使用し続けます。ソフトウェア・ライブラリのファイルシステムから、エンティティを完全にクリーンアップおよび削除するには、削除済エンティティをパージする必要があります。
削除済エンティティをパージするには、「ソフトウェア・ライブラリ」セクション」の「パージ」をクリックします。
またはpurgeDeploymentLibraryスクリプトを実行し、削除済エンティティをパージすることもできます。このスクリプトは、次の場所にあります。
LinuxのOMSの場合: <OMS HOME>/bin/ purgeDeploymentLibrary
「管理」タブの「ソフトウェア・ライブラリ」セクションに移動し、ソフトウェア・ライブラリのエントリを選択して「削除」ボタンをクリックすると、ソフトウェア・ライブラリの構成が解除されます。ソフトウェア・ライブラリのエントリが削除されると、そのエントリにはアクセスできなくなります。
削除された場所は、それ以降は、新規作成されたソフトウェア・ライブラリ・エンティティのバイナリ、ファイルおよびスクリプトの保存には使用されませんが、作成済エンティティのファイルを保存できます。すべてのOracle Management Serverからこの場所にアクセスできない場合、後でこのエンティティをデプロイする際に問題が生じることがあります。
ソフトウェア・ライブラリに複数の場所が構成されている場合は、ソフトウェア・ライブラリの構成を解除すると、1つのソフトウェア・ライブラリの場所以外はすべて削除できます。
ソフトウェア・ライブラリを正常に機能させるため、システム管理者は、次の管理タスクを定期的に実行することをお薦めします。
これらの機能に関する情報は、「ソフトウェア・ライブラリの使用方法」を参照してください。
これは、Enterprise Managerでソフトウェア・ライブラリが構成されていない場合に発生します。15.2項に従ってソフトウェア・ライブラリを構成します。ソフトウェア・ライブラリを構成した後、コンポーネントを作成してください。
ファイルシステムをリストアすること自体には問題はありませんが、最後のバックアップ以降に作成されたエンティティは失われます。失われたエンティティは、その後もプロビジョニングのUIに表示されますが、アクセスやデプロイを試みるとエラーが発生します。
その他のトラブルシューティングについては、OTNの『Best Practices for Bare Metal Provisioning』を参照してください。
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