Coherenceオペレーション・コンフィギュレーション・デプロイメント・ディスクリプタtangosol-coherence.xml
とCoherenceキャッシュ・コンフィギュレーション・デプロイメント・ディスクリプタcoherence-cache-config.xml
は両方とも、ディスクリプタに定義された任意の要素に、Javaコマンドライン・オプション名を割り当てることができます。一部の要素には、このコマンドライン設定オーバーライドがあらかじめ定義されています。オーバーライドは独自に作成することも、事前定義されたものを変更することもできます。
この機能は、単一のJVMの設定を変更する必要がある場合や、別のディスクリプタを使用しないで設定の異なる別のアプリケーションを起動できるようにする場合に役立ちます。最も一般的なアプリケーションでは、マルチキャストの別のアドレスやポートを渡すことによって、別のアプリケーションで別のクラスタを作成できるようにします。
コマンドライン設定オーバーライドを作成するには、system-property
属性を追加して、オーバーライドを作成する要素にJavaコマンドライン・オプションの名前として割り当てる文字列を指定します。次に、Javaコマンドラインで先頭を-D
として指定します。
たとえば、マルチホーム・サーバーのIPアドレスにオーバーライドを作成し、デフォルトのlocalhost
が使用されないようにして、Coherenceで使用するインタフェースに特定のIPアドレス(例、192.168.0.301)を指定できます。このオーバーライドをtangosol.coherence.localhost
と呼ぶとします。
まず、cluster-config
要素、unicast-listener
要素またはaddress
要素にsystem-propertyを追加します。
<address>localhost</address>
このプロパティを追加すると、次のようになります。
<address system-property="tangosol.coherence.localhost">localhost</address>
Javaコマンドラインを変更して次のように使用します。
java -jar coherence.jar
(構成で指定されたデフォルトのlocalhost
のかわりに)次のようにIPアドレス192.168.0.301
を指定します。
java -Dtangosol.coherence.localhost=192.168.0.301 -jar coherence.jar
表L-1には、事前構成されているオーバーライド値がすべて一覧表示されています。
表L-1 事前構成されているシステム・プロパティのオーバーライド値
オーバーライド・オプション | 設定 |
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キャッシュ・コンフィギュレーション・ディスクリプタのファイル名。「configurable-cache-factory-config」を参照してください。 |
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クラスタ名。「member-identity」を参照してください。 |
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クラスタ(マルチキャスト)のIPアドレス。「multicast-listener」の |
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クラスタ(マルチキャスト)のIPポート。「multicast-listener」の |
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データ・バックアップ記憶域の場所。「DistributedCacheサービスのパラメータ」の |
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データ・バックアップの数。「DistributedCacheサービスのパラメータ」の |
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有効化されているローカル・パーティション管理。「DistributedCacheサービスのパラメータ」のlocal-storageサブ要素を参照してください。 |
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スレッド・プールのサイズ。「DistributedCacheサービスのパラメータ」の |
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パーティション送信のしきい値。「DistributedCacheサービスのパラメータ」の |
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製品のエディション。「license-config」を参照してください。 |
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起動サービスのスレッド・プールのサイズ。「InvocationServiceのパラメータ」の |
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ユニキャストのIPアドレス。「unicast-listener」の |
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ユニキャストのIPポート。「unicast-listener」の |
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ユニキャストのIPポートの自動割当て。「unicast-listener」の |
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ロギング先。「logging-config」の |
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ロギング・レベル。「logging-config」の |
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ログ出力文字制限。「logging-config」の |
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マシン名。「member-identity」を参照してください。 |
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JMX管理のモード。「management-config」を参照してください。 |
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JMX管理の読取り専用フラグ。「management-config」を参照してください。 |
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リモートJMX管理の有効フラグ。「management-config」を参照してください。 |
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メンバー名。「member-identity」を参照してください。 |
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操作モード。「license-config」を参照してください。 |
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デプロイメント・コンフィギュレーションのオーバーライド・ファイル名。 |
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優先度。「member-identity」を参照してください。 |
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プロセス名。「member-identity」を参照してください。 |
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Coherence*Extendサービスのスレッド・プールのサイズ。「ProxyServiceのパラメータ」の |
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ラック名。「member-identity」を参照してください。 |
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ロール名。「member-identity」を参照してください。 |
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キャッシュ・アクセス・セキュリティの有効フラグ。「security-config」を参照してください。 |
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セキュリティ・アクセス・コントローラのキーストア・ファイル名。「security-config」を参照してください。 |
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キーストアまたはクラスタの暗号化パスワード。「暗号化フィルタ」を参照してください。 |
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セキュリティ・アクセス・コントローラの権限ファイル名。「security-config」を参照してください。 |
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シャットダウン・リスナー・アクション。「shutdown-listener」を参照してください。 |
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サイト名。「member-identity」を参照してください。 |
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TCMPの有効フラグ。「packet-publisher」の |
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TCPリングの有効フラグ。「tcp-ring-listener」を参照してください。 |
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マルチキャスト・パケットの有効時間(TTL)。「multicast-listener」の |
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既知のIPアドレス。「well-known-addresses」を参照してください。 |
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既知のIPポート。「well-known-addresses」を参照してください。 |