この章では、TimesTenをシステムにインストールする前に確認する必要がある構成情報について説明します。内容は次のとおりです。
TimesTenをインストール、構成および削除する手順については、次の項を参照してください。
この章では、インストール後のTimesTenの構成、デモ・アプリケーションの操作、データベースの今回のリリースへの移行、およびTimesTenのドキュメントの表示についても説明します。
この章の最後では、インストール処理中に発生する可能性のある問題のトラブルシューティングについて説明します。
TimesTen Data ManagerおよびTimesTen Client/Serverは、次の環境でサポートされます。
環境 | 32-bit | 64-bit |
---|---|---|
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のMicrosoft Windows 2000、Windows XP、Windows Vista、Windows Server 2003および2008 | 可 | 可 |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のAsianux 2.0および3.0 | 可 | 可 |
UltraSparc CPU用のSolaris 9および10 | 可 | 可 |
AMD64 CPU用のSolaris 10 | 可 | |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のSUSE LINUX Enterprise Server 10 | 可 | 可 |
Itanium2 CPU用のSuSE LINUX Enterprise Server 10 | 可 | |
Intel Itanium2 CPU用のRed Hat Enterprise Linux 4および5 | 可 | |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のRed Hat Enterprise Linux 4および5 | 可 | 可 |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のOracle Linux 4および5 | 可 | 可 |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のMontaVista Linux Carrier Grade Editionリリース4.0および5.0 | 可 | 可 |
PA-RISC用のHP-UX 11i v2および11i v3 | 可 | 可 |
Itanium2用のHP-UX 11i v2および11i v3 | 可 | 可 |
AIX 5L for POWER CPUバージョン5.3および6.1 | 可 | 可 |
TimesTenは、Oracle Linux 4または5、あるいはRed Hat Enterprise Linux 4または5システムにOracle VMゲストx86およびx86-64オペレーティング・システムでサポートされています。
TimesTenでは、指定したプラットフォームの次のJDKがサポートされます。
環境 | JDK 5.0 | JDK 6.0 |
---|---|---|
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のMicrosoft Windows 2000、Windows XP、Windows Vista、Windows Server 2003および2008 | SunおよびOracle JRockit | SunおよびOracle JRockit |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のAsianux 2.0および3.0 | SunおよびOracle JRockit | SunおよびOracle JRockit |
UltraSparc CPU用のSolaris 9および10 | SunおよびOracle JRockit 64-bit | Sun |
EM64TおよびAMD64 CPU用のSolaris 10 | Sun | Sun |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のSUSE LINUX Enterprise Server 10 | SunおよびOracle JRockit | SunおよびOracle JRockit |
Itanium2 CPU用のSuSE LINUX Enterprise Server 10 | Oracle JRockit | |
Intel Itanium2プロセッサ用のRed Hat Enterprise Linux 4および5 | Oracle JRockit | |
Intel IA-32用のRed Hat Enterprise Linux 4および5 | SunおよびOracle JRockit | SunおよびOracle JRockit |
EM64TおよびAMD64 CPU用のRed Hat Enterprise Linux 4および5 | SunおよびOracle JRockit | SunおよびOracle JRockit |
Intel IA-32 CPU用のOracle Linux 4および5 | SunおよびOracle JRockit | SunおよびOracle JRockit |
EM64TおよびAMD64 CPU用のOracle Linux 4および5 | SunおよびOracle JRockit | SunおよびOracle JRockit |
Intel IA-32およびEM64T CPU用のMontaVista Linux Carrier Grade Editionリリース4.0および5.0 | SunおよびOracle JRockit | SunおよびOracle JRockit |
PA-RISC 32-bitおよび64-bit用のHP-UX 11i v2および11iv3 | HP | HP |
Itanium2用のHP-UX 11i v2および11i v3 | HP | HP |
AIX 5L for POWER CPUバージョン5.3および6.1 | IBM | IBM |
サポートされているプラットフォーム上のTimesTen Clientは、TimesTenがサポートされているすべてのプラットフォーム上のTimesTen Serverに接続できます。
TimesTen 6.0 Clientは、任意のパッチ・レベルのTimesTen 6.0 Serverに接続できます。-insecure-backwards-compat
オプションがttendaemon.options
ファイルに設定されている場合、TimesTen 6.0 ClientはTimesTen 11.2.1サーバーに接続できます。
TimesTen 7.0以上のクライアントは、特定の構成下でTimesTen 6.0以上のサーバーに接続できます。
構成の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTen ClientおよびServerに関する説明を参照してください。
Oracle In-Memory Database Cache(IMDB Cache)を使用すると、Oracle DatabaseのデータをTimesTenにキャッシュできます。TimesTenインストールにはOracle Instant Clientが含まれています。また、次のリリースのOracleサーバーがこのオプションでサポートされています。
Oracle Database 10g リリース2(Oracle 10.2.0.4.0以上)
Oracle Database 11 gリリース1
Oracle Database 11 gリリース2
また、Oracle In-Memory Database Cacheのユーザーズ・ガイドのOracleおよびTimesTenシステムの設定に関する説明も参照してください。
IMDB Cacheは、次の表に示す32-bitおよび64-bitのプラットフォームでサポートされます。
環境 | 32-bit | 64-bit |
---|---|---|
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のMicrosoft Windows 2000、Windows XP、Windows Vista、Windows Server 2003および2008 | 可 | 可 |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のAsianux 2.0および3.0 | 可 | 可 |
UltraSparc CPU用のSolaris 9および10 | 可 | 可 |
AMD64 CPUシステム用のSolaris 10 | 可 | |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のSUSE LINUX Enterprise Server 10 | 可 | 可 |
Itanium2 CPU用のSuSE LINUX Enterprise Server 10 | 可 | |
Intel IA-32 CPU用のOracle Linux 4および5 | 可 | 可 |
EM64TおよびAMD64 CPU用のOracle Linux 4および5 | 可 | |
Intel Itanium2プロセッサ用のRed Hat Enterprise Linux 4および5 | 可 | |
Intel IA-32、EM64TおよびAMD64 CPU用のRed Hat Enterprise Linux 4および5 | 可 | 可 |
PA-RISC 32-bitおよび64-bit用のHP-UX 11i v2および11iv3 | 可 | 可 |
Itanium2用のHP-UX 11i v2および11i v3 | 可 | 可 |
AIX 5L for POWER CPUバージョン5.3および6.1 | 可 | 可 |
UNIXでは、TimesTenの複数のインスタンスをインストールできます。Windowsでは、TimesTenのいずれかのメジャー・リリースまたはマイナー・リリースの1つのインスタンスのみをインストールできます。メジャー・リリース番号は最初の3つの番号で、マイナー・リリース番号はメジャー・リリース番号の後に続く番号です。リリース11.2.1.1.0の場合、メジャー・リリースは11.2.1になり、マイナー・リリースは1.0になります。たとえば、Windowsの場合、リリース11.2.1.0.0と11.2.2.0.0の両方を同じWindowsコンピュータにインストールすることはできます。ただし、11.2.1.0.0と11.2.1.1.0は、メジャー・リリースが同じであるため、この両方をインストールすることはできません。
ttVersion
ユーティリティを使用すると、TimesTenのインスタンス名、リリース番号およびポート設定に関する情報を検索することができます。
TimesTen製品は、TimesTenインストール全体のプライベート・コピーを持つ各コンピュータなど、ローカルのプライベート・ディスク記憶域にインストールできます。TimesTenソフトウェアの単一のコピーを共有記憶域にインストールして、このコピーを複数のコンピュータで共有するという構成はサポートされていません。
TimesTenのインストール・インスタンスの詳細は、次の項を参照してください。
インスタンスの名前は、TimesTenの特定のインストールに関して必要なすべての情報にアクセスするためのキーになります。
Windowsの場合、TimesTenのインストール・スクリプトではインスタンス名を指定するためのプロンプトが表示されません。Windowsでのインスタンス名は、32-bitのシステムではtt1121_32
、64-bitのシステムではtt1121_64
になります。
UNIXシステムの場合、このリリースのデフォルトのインスタンス名は、32-bitのシステムではtt1121_32
、64-bitのシステムではtt1121_64
です。デフォルトの場所は、TimesTenをインストールしているユーザーのホーム・ディレクトリにあるTimesTenディレクトリです。インスタンス名は大/小文字が区別されません。また、255文字以内の英数字で指定します。アンダースコア(_)またはピリオド(.)は使用できますが、その他の特殊文字を使用することはできません。
同一リリースのTimesTenの中で2つ目のインスタンスをインストールする場合は、一意のインスタンス名とポート番号を指定する必要があります。TimesTenのインストール・スクリプトによって、特定のリリースのTimesTenのインスタンスがコンピュータに存在しているかどうかが検出され、TimesTenのメイン・デーモンの新しいインスタンス名およびポート番号の入力が求められます。
TimesTenの複数のインスタンスを同一コンピュータにインストールするときは、インストールの際に必ずTimesTenの各デーモンに一意のTCP/IPポート番号を指定します。
ただし、相互にレプリケートするすべてのTimesTenデータベースは、同じデーモン・ポート番号を使用する必要があります(複製操作で-remoteDaemonPort
オプションを指定する場合を除く)。このポート番号はインストール時に設定します。ttVersion
ユーティリティを使用すると、TimesTenインストールのポート番号を確認できます。
UNIXシステムで、TimesTenメイン・デーモンがリスニングするデフォルトのポートは、32-bitのインストールでは53384、64-bitのアプリケーションでは53388です。
UNIXシステムで、TimesTen Serverデーモンがリスニングするデフォルトのポートは、32-bitのインストールでは53385、64-bitのアプリケーションでは53389です。
TimesTenキャッシュ・エージェントがリスニングするポートは、オペレーティング・システムによって決定され、独立して構成することはできません。
TimesTenでは、インストールするTimesTenのコンポーネントを選択できます。
UNIXでは、次のコンポーネントをインストールできます。また、インストール・スクリプトによって、TimesTenクイック・スタートおよびドキュメントをインストールするプロンプトが表示されます。
TimesTenがインストールされていて、コンポーネントを追加または削除する場合は、インストーラを実行し、「Upgrade an existing instance」オプションを選択した後、変更するインスタンスを選択します。
Windowsでは、インストール時に適切なボックスをチェックすることによって、次の中から1つ以上のコンポーネントをインストールできます。
タイプ | 説明 |
---|---|
TimesTen Data Manager | TimesTen Data Managerのみがインストールされます。TimesTen Data Managerをローカルで実行する場合は、このインストールを使用します。 |
TimesTen Data Managerデバッグ・ライブラリ | TimesTen Data Managerデバッグ・ライブラリがインストールされます。特に開発フェーズで使用することによって、発生する可能性のある問題をデバッグすることが可能になります。デフォルトでは、デバッグ・ライブラリはインストールされません。 |
TimesTen Server | TimesTen Data Serverがインストールされます。次の処理が可能です。
|
TimesTen Client | TimesTen Clientのみがインストールされます。TimesTenのその他のコンポーネントはコンピュータにはインストールされません。このインストールでは、TimesTen Clientはリモート・コンピュータ上のTimesTen Serverにアクセスできます。 |
TimesTenクイック・スタート | TimesTenクイック・スタートがインストールされます。これにはデモも含まれます。デフォルトでは、クイック・スタートおよびデモはインストールされません。 |
TimesTenのドキュメント | TimesTenドキュメント・ライブラリがインストールされます。デフォルトでは、ドキュメントはインストールされません。 |
TimesTenをインストールする前に、該当する要件がご使用のオペレーティング・システムで満たされていることを確認します。
JDBCがサポートされるUNIXおよびWindowsプラットフォームの両方でJDBCを使用するには、コンピュータに適切なバージョンのJDKをインストールしておく必要があります。プラットフォームに必要なJDKについては、「JDKサポート」を参照してください。
TimesTenにおけるJDBCのパフォーマンスを改善するには、XenNet仮想デバイスの使用時に、LargeSendOffload
パラメータをFALSE
に構成します。デフォルトでは、XenNet仮想デバイスのLargeSendOffload
パラメータはTRUE
に設定されています。このパラメータは、Windowsレジストリ、またはXenNetプロパティ・ダイアログの「Advanced」タブで変更できます。
この項では、プラットフォーム固有の前提条件についても説明します。
一般的に、UNIXシステムでは、次の構成を行う必要があります。
セマフォの数
許容される共有メモリー
また、次の処理も実行する必要があります。
オペレーティング・システムに最新のパッチが適用されていることの確認
大規模ファイルを許容するファイル・システムの構成
Java環境の構成
クライアント/サーバー環境の構成
レプリケーションのネットワーク設定の構成
次の項では、UNIXシステムで行う必要がある変更の一部について、その概要を示します。また、いくつかの項では、TimesTenでサポートされているそれぞれのUNIXプラットフォームに必要な変更について説明します。
Veritasファイル・システムでは、DurableCommits=1
を使用するTimesTenアプリケーションをインストールする場合、永続性を保証するためにmincache=direct
およびconvosync=direct
オプションを使用します。
dsync
をsync
に変換するオプション、fdatasync
をsync
に変換するオプション、またはO_SYNC
を指定してファイルが開かれるようにすべての書込みを処理するオプションは使用しないでください。
Veritasファイル・システムでは、オプションdiscovered_direct_iosz
およびmax_direct_iosz
をそれぞれ3MBに設定する必要もあります。
ダイレクトI/Oがこのように設定されていないと、TimesTen操作におけるファイル・システムのパフォーマンスが低下する可能性があります。
これらのオプションを設定するには、root
としてログインし、次のコマンドを使用します。
# /usr/sbin/vxtunefs -o discovered_direct_iosz=3145728 # /usr/sbin/vxtunefs -o max_direct_iosz=3145728
vxtunefs
オンライン・オプションを使用するには、Advanced VxFSが必要です。
TimesTenは、アクティブなデータベースごとにSEMMNI
を1つ消費し、クライアント/サーバー通信が共有メモリーを介して実行されるTimesTenインスタンスごとに、さらにSEMMNI
を1つ消費します。TimesTenは、アクティブなデータベースごとに36のSEMMSL
を消費し、接続ごとに、さらにSEMMSL
を1つ消費します。したがって、Connections属性がデフォルト値に設定されている場合、TimesTenは100のSEMMSL
を使用します。さらに、デフォルト値を超えた接続ごとにSEMMSL
を1つ使用します。
注意: 次の式をガイドとして使用できます。ただし、システム内のすべてのプログラムでセマフォが必要であるとはかぎらないため、SEMMNS およびSEMMNU は、SEMMNI * SEMMSL より大幅に小さい値になる可能性があります。
|
JDBCを実行する場合は、最新のJDKパッチおよびベンダーで必要なパッチをインストールします。必要なパッチについては、JDKプロバイダのWebサイトを参照してください。
Sun 64-bit JVMを使用している場合、AIXシステムを除くすべてのシステムで64-bitのJavaアプリケーションを実行するには、java
コマンドラインに-d64
オプションを指定する必要があります。
TimesTenで許容されているTimesTen Serverへの同時IPC接続の最大数は9,999です。ただし、システムでの制限が、単一のDSNへの接続数よりも優先します。クライアント/サーバーのユーザーは、ファイル記述子の制限を引き上げることで、多数の接続および処理をサポートすることができます。
たとえば、Solarisで、サーバーの同時接続が最大1024である場合に、次の行を追加してファイル記述子の制限を変更することができます。
set rlim_fd_max = 1080
これは、/etc/system
に追加します。
この例では、予想されるクライアント/サーバー接続は1080以下であるため、接続数にいくらか余裕を持たせることができます。
AIXでは、レプリケーションを使用する予定がある場合は、インストール前に、カーネル・パラメータsb_max
を512KB以上に設定します。レプリケーション・エージェントは、512KB以上のTCP送信バッファまたは受信バッファを要求します。この値は、次のコマンドで変更できます。
# /usr/sbin/no -p -o sb_max=524288
値を問い合せるには、次のコマンドを使用します。
# /usr/sbin/no -o sb_max
必要なパッチ・レベルが適用されたAIX 5.3システムでは、TimesTenでラージ・ページを使用できます。ラージ・ページを使用すると、共有セグメントがメモリーにロックされるため、ページのサイズ設定ができなくなります。ユーザーには、CAP_BYPASS_RAC_VMM
およびCAP_PROPAGATE
機能が必要です。この機能は、root
ユーザーが/etc/security/userファイルを編集することによって付与されるか、またはローカルに認証されたユーザーに対して次のコマンドを使用して付与されます。
# chuser capabilities=CAP_BYPASS_RAC_VMM,CAP_PROPAGATE user_id
システムのデフォルトでは、ラージ・ページの物理メモリー・プールにメモリーは割り当てられていません。vmoコマンドを使用すると、ラージ・ページの物理メモリー・プールのサイズを構成できます。次の例では、ラージ・ページの物理メモリー・プールに4GBが割り当てられます。
# vmo -r -o lgpg_regions=256 -o lgpg_size=16777216
共有メモリーにラージ・ページを使用するには、次のコマンドを使用して、SHM_PIN
shmget()
システム・コールを有効にする必要があります。このコールは、システムを再起動した後も有効です。
# vmo -p -o v_pinshm=1
HP-UXでは、ご使用のシステムにおけるTimesTenのパフォーマンスを向上させるために、インストールを開始する前に次の項に示す手順を実行します。
HP-UXシステムでは、2つ以上のデータベースに同時に接続する場合は、カーネル・パラメータsemmnsの値を増やす必要があります。
既存のカーネル・パラメータ設定を表示するために、root
ユーザーとしてログインします。
HP-UX 11iv2の場合は、次のコマンドを使用します。
# /usr/sbin/kctune
HP-UXシステムでは、shmmax
パラメータの値も増やす必要があります。この変更を行うには、root
ユーザーとしてログインし、kmtune
コマンドまたはkctune
コマンドを使用するか、あるいはHP System Administration Managerを実行して、カーネル・パラメータの現在の設定を確認します。
HP System Administration Managerを使用するには、次の手順を実行します。
次のようにして、HP System Administration Managerを実行します。
# /usr/sbin/sam
「Kernel Configuration」をダブルクリックし、「Configurable Parameters」をダブルクリックします。
パラメータのリストをスクロールしてsemmns
を表示し、その値を4096(最小値)以上に変更します。
HP-UX 11i システムでは、同様にパラメータのリストをスクロールしてshmmax
を表示して、その値を最大値0x40000000に変更します。
注意: 32-bitシステムにおいては、0x40000000(4と7桁の0(ゼロ))は、作成できる最大の共有メモリー・セグメントが1024MBであることを示します。共有データベースに必要な共有メモリー・セグメントのサイズは、要求したデータベースのサイズよりも大きくなります。この値には、必要となる最大の共有メモリー・セグメントをサポート可能な、高い値を設定してください。 |
カーネルを再コンパイルします。「Actions」メニューから「Create a New Kernel」を選択します。
システムを再起動します。
64-bit HP-UXシステムでは、データベースが2GBを超える場合、大規模ファイルを有効にします。HP-UXがデフォルトでサポートするファイルは2GB以下です。
大規模ファイルを有効にするには、newfs
コマンドに-o largefiles
オプションを指定してファイル・システムを作成するか、またはfsadm
コマンドに-o largefiles
オプションを指定してファイル・システムを変更します。次のfsadm
コマンドは、大規模ファイルが有効になるようにファイル・システムを変更します。
% /usr/sbin/fsadm -F fstype -o largefiles device_name
例:
% /usr/sbin/fsadm -F hfs -o largefiles /dev/vg02/rlvol1
レプリケーション用に、TCP送信バッファおよびTCP受信バッファを512KB以上に増やす必要があります。次のコマンドを、システムの起動時に実行可能なスクリプトに組み込む必要があります。
HP-UX 11.23(11iv2)の場合は、次のコマンドを使用します。
# /usr/bin/ndd -set /dev/tcp tcp_xmit_hiwater_lfp 524288 # /usr/bin/ndd -set /dev/tcp tcp_recv_hiwater_lfp 524288 # /usr/bin/ndd -set /dev/tcp tcp_xmit_hiwater_lnp 524288 # /usr/bin/ndd -set /dev/tcp tcp_recv_hiwater_lnp 524288 # /usr/bin/ndd -set /dev/tcp tcp_xmit_hiwater_max 524288 # /usr/bin/ndd -set /dev/tcp tcp_recv_hiwater_max 524288
Linuxでは、TimesTenはAsianux 2.0および3.0、Red Hat Enterprise Linux 4および5、MontaVista Linux Carrier Grade Editionリリース4.0および5.0、SUSE LINUX Enterprise Server 10の最小限の構成でテスト済です。コンピュータ上でシステム固有の開発を行うには、C開発ツールが必要です。
注意: TimesTenはSELinuxをサポートしていません。TimesTenで使用するためにLinuxをインストールするには、SELinuxオプションを無効にしておく必要があります。 |
Linuxでは、ご使用のシステムにおけるTimesTenのパフォーマンスを向上させるために、インストールを開始する前に次の項に示す手順を実行します。
ラージ・ページ(Linuxでは「ヒュージ・ページ」とも呼ぶ)は、実行中のLinuxカーネルでラージ・ページがサポートされている場合にのみ有効にできます。
カーネルでラージ・ページがサポートされている場合、/proc
ディレクトリに、ラージ・ページの数およびサイズを指定する特別なファイルが存在する必要があります。
Linux 2.4.xシステムでは、/proc/sys/vm/hugetlb_pool
はラージ・ページの合計サイズを示します。
2.6.xシステムでは、/proc/sys/vm/nr_hugepages
ファイルはラージ・ページの合計数を示します。
ラージ・ページの合計数および合計サイズは、これらのファイルの内容を変更すると変更できます。たとえば、次のコマンドを使用して変更できます。
echo 32 > /proc/sys/vm/nr_hugepages
割り当てられたラージ・ページの数およびサイズを確認するには、次のコマンドを使用します。
cat /proc/meminfo
このコマンドでは次のように出力されます。16のラージ・ページが存在し、合計4GB(各サイズ256MB)であることが示されています。
HugePages_Total: 16 HugePages_Free: 16 Hugepagesize: 262144 kB
注意: ラージ・ページは連続したメモリー領域に割り当てる必要があるため、割り当てられたラージ・ページの実際のサイズは、要求されたサイズより小さくなる場合があります。また、ラージ・ページのサイズ自体は構成できません。/proc/meminfo 内のHugepagesize の値によって、システムの固定ラージ・ページ・サイズが指定されます。 |
PAM(Pluggable Authentication Modules)が有効な場合は、/etc/security/limits.conf
ファイルを変更してmemlock
制限を増やす必要があります。デフォルトでは、この制限は32KBです。
また、/proc/sys/vm/hugetlb_shm_group
をTimesTenメイン・デーモンを実行しているユーザーのグループIDに設定する必要もあります。
この時点で、オペレーティング・システムではラージ・ページをサポートできます。TimesTenでこの機能を有効にするには、-linuxLargePageAlignment
Size_in_MB
をデーモン・オプション・ファイル(ttendaemon.options
)に設定します。
ラージ・ページの位置サイズは、/proc/meminfo
のHugepagesize
値にMBで指定する必要があります。
ラージ・ページを設定すると、TimesTenではできるだけ多数のラージ・ページが使用されます。十分なページがない場合は、すべての使用可能なラージ・ページを消費した後、通常のページが使用されます。
TimesTenでラージ・ページを使用する場合は、/proc/meminfo
のHugePages_Free
ファイルが変更されます。
既存のカーネル・パラメータ設定を表示するには、root
としてログインし、次のコマンドを使用します。
# /sbin/sysctl -a
Linuxシステムでは、kernel.semの最初のパラメータは128以上である必要があります。TimesTenは36のSEMMSL
を使用し、さらに、アクティブな接続ごとに1つを使用します。多数の接続を使用する予定がある場合は、カーネル・パラメータ設定を増やす必要があります。
たとえば、200の接続を使用する予定がある場合は、次の行を追加することをお薦めします。
kernel.sem = 250 32000 100 128
(1つ目のパラメータは配列ごとのセマフォの最大数(SEMMSL
)、2つ目のパラメータはシステム全体のセマフォの最大数(SEMMNS
)、3つ目のパラメータはsemopコールごとの最大処理数(SEMOPM
)、4つ目のパラメータは最大配列数(SEMNI
)です。)
この行を/etc/sysctl.conf
ファイルに追加した後、再起動するか、または次のコマンドを実行します。
# /sbin/sysctl -p
共有メモリー・サイズを2048MBに増やすには、root
としてログインし、次の行を追加して/etc/sysctl.conf
ファイルを編集します。
kernel.shmmax=2147483648
構成が8GBを超える場合、shmall
パラメータの値を増やす必要があります。値はKBで、ceil(SHMMAX/PAGE_SIZE)
と同じである必要があります。通常、ページ・サイズは、x86システムでは4K、Itaniumでは16Kです。たとえば、Itaniumの64GBのデータベースの場合は、次のパラメータ値を指定する必要があります。
kernel.shmmax=68719476736 kernel.shmall=4194304
再起動せずに共有メモリーのサイズを増やすには、次のコマンドを使用します。
% /sbin/sysctl -w kernel.shmmax=2147483648
/proc
ファイル・システムにカーネルを構成してマウントしている場合は、次のコマンドを使用して共有メモリーの現在の最大セグメント・サイズ(バイト単位)を確認できます。
% cat /proc/sys/kernel/shmmax
この値は、次のコマンドを使用して変更することもできます。
% echo 2147483648 > /proc/sys/kernel/shmmax
このコマンドの機能は、sysctl
コマンドと同じです。
Red Hat Linuxシステムで、6を超えるShmIpcクライアント/サーバー接続を可能にするには、次の行を追加します。
kernel.sem = 250 32000 100 128
この行を/etc/sysctl.conf
ファイルに追加した後、再起動するか、または次のコマンドを実行します。
# /sbin/sysctl -p
レプリケーション用に、TCP送信バッファおよびTCP受信バッファを512KB以上に増やす必要があります。バッファを4MBに増やすには、次の行を追加します。
net.ipv4.tcp_rmem=4096 4194304 4194304 net.ipv4.tcp_wmem=98304 4194304 4194304 net.core.rmem_default=65535 net.core.wmem_default=65535 net.core.rmem_max=4194304 net.core.wmem_max=4194304 net.ipv4.tcp_window_scaling=1
この行を/etc/sysctl.conf
ファイルに追加した後、再起動するか、または次のコマンドを実行します。
# /sbin/sysctl -p
IMDB Cache用に、TCP送信バッファおよびTCP受信バッファをより大きな値に増やす必要があります。このように変更するには、次の行を追加します。
net.ipv4.tcp_rmem=4096 4194304 4194304 net.ipv4.tcp_wmem=98304 4194304 4194304 net.core.rmem_default=262144 net.core.wmem_default=262144 net.core.rmem_max=4194304 net.core.wmem_max=4194304 net.ipv4.tcp_window_scaling=1 net.ipv4.ip_local_port_range="1024 65000"
次のようにします。
この行を/etc/sysctl.conf
ファイルに追加した後、再起動するか、または次のコマンドを実行します。
# /sbin/sysctl -p
Solarisでは、ご使用のシステムにおけるTimesTenのパフォーマンスを向上させるために、インストールを開始する前に次の項に示す手順を実行します。
Solaris UFSファイル・システムでは、DurableCommits=1
を使用するTimesTenアプリケーションをインストールする場合、「UNIXの一般的な要件」に示すファイル・システム・オプションに加え、-forcedirectio
オプションを指定してファイル・システムをマウントします。
Solaris 9では、TimesTenはインストール時にIPC構成を確認します。IPC SemaphoresモジュールまたはIPC共有メモリー・モジュールのいずれかがインストールされていない場合は、それらを手動でインストールできます。次のコマンドを使用します。
ryps3# modload /kernel/sys/semsys ryps3# modload /kernel/sys/shmsys
Solaris 10システムの場合、/etc/system
にエントリがなければ、セマフォはデフォルトの設定で十分です。
その他のSolarisシステムの場合は、セマフォの数を増やす必要があります。TimesTenは、アクティブなデータベースごとにSEMMNI
を1つ消費し、クライアント/サーバー通信が共有メモリーを介して実行されるTimesTenインスタンスごとに、さらにSEMMNI
を1つ消費します。
TimesTenは、データベースごとに36のSEMMSL
を消費し、アクティブな接続ごとに、さらに1つを消費します。Connections属性がデフォルト値(64)に設定されている場合、TimesTenは100のSEMMSL
を消費します。さらに、推定接続数がデフォルト値を超えている場合は、デフォルト値を超えた接続ごとにSEMMSL
を1つ消費します。追加の接続を使用する場合は、セマフォの数を増やすことをお薦めします。例:
root
ユーザーとしてログインします。
次の行を/etc/system
に設定または追加します。
set semsys:seminfo_semmni = 20 set semsys:seminfo_semmsl = 512 set semsys:seminfo_semmns = 2000 set semsys:seminfo_semmnu = 2000
注意: この手順の値は、必要なセマフォの最小数です。この値は、必要に応じて増やすことができます。次の式をガイドとして使用できます。ただし、システム内のすべてのプログラムでセマフォが必要であるとはかぎらないため、SEMMNS およびSEMMNU は、SEMMNI * SEMMSL より大幅に小さい値になる可能性があります。
|
システムを再起動します。
現在の制限を表示するには、次のコマンドを使用します。
% /usr/sbin/sysdef
このコマンドによって、SEMMSL、SEMMNS、SEMOPMおよびSEMMNIの制限が表示されます。SEMOPMは、semop
コールごとの最大処理数です。変更する必要はありません。
Solaris 10より前のSolarisシステムでは、プロセスごとのShmIpc対応クライアントDSN接続が6を超える場合、SHMSEG
カーネル・パラメータを変更する必要があります。たとえば、1つのプロセスが12のデータベースにアクセスできるようにするには、次の行を/etc/system
に追加して、TimesTenを使用する前に再起動します。
set shmsys:shminfo_shmseg=12
データベースに多数の接続を行うには、次の行を/etc/system
に追加し、TimesTenを使用する前に再起動します。
set rlim_fd_cur=4096 set rlim_fd_max=4096
Solaris 10システムで共有メモリーを設定するには、project.max-shm-memory
を指定します。
Solarisで、大規模な共有メモリー・オブジェクトを使用するには、次の行を/etc/system
に追加し、TimesTenを使用する前に再起動します。
set shmsys:shminfo_shmmax = 0x40000000
注意: 値0x40000000(4と7桁の0(ゼロ))は、作成できる最大の共有メモリー・セグメントが1024MBであることを示します。データベースに必要な共有メモリー・セグメントのサイズは、データベースの永続的なサイズよりも大きくなります。この値には、必要となる最大の共有メモリー・セグメントをサポート可能な、高い値を設定してください。 |
データベースをSolaris UFSファイル・システムに格納し、トランザクション整合性チェックポイントを使用している場合、チェックポイントに対して最高のパフォーマンスを得るために、一部のカーネル・パラメータの設定を変更する必要がある場合があります。Solaris UFS Throttleアルゴリズムは、バイト・カウントのしきい値が最高水位標を超えると、大きなファイルを書き込む処理をスリープ状態にします。このアルゴリズムを無効にするには、次の行を追加します。
set ufs:ufs_WRITES = 0
この行を/etc/system
ファイルに追加します。
かわりに、次の行を追加して、最高水位標を引き上げることもできます。
set ufs:ufs_HW = desired value
この行を/etc/system
ファイルに追加します。
新しい値を有効にするには、システムを再起動する必要があります。
最高水位標は、値を小さくしていても問題はありませんが、チェックポイント・ファイルのサイズに設定すると、パフォーマンスが向上します。UFS Throttleアルゴリズムについては、ホワイト・ペーパー『Understanding Solaris Filesystems and Paging』(SMLI TR-98-55)を参照してください。これは、http://labs.oracle.com/techrep/1998/abstract-55.html
から入手できます。
適切に動作するには、TimesTenデバッグ・ライブラリでVisual Studio 2003、2005または2008を使用します。デバッグ・ライブラリを使用するには、最初にVisual Studio 2003、2005または2008をインストールしておく必要があります。
Windows VistaおよびWindows 2008では、TimesTenデーモンの起動や停止など、特定の操作を実行するために管理者権限が必要になります。ユーザー・アカウント制御が有効になっている状態でローカル管理者としてログインした場合は、通常どおりこれらの操作を正常に実行できます。ただし、Administratorsグループのメンバーとしてログインした場合は、Windowsの管理者権限を使用してこれらのタスクを明示的に実行する必要があります。
Windowsの管理者権限でコマンド・プロンプト・ウィンドウを起動するには、次の手順を実行します。
Windows VistaまたはWindows 2008デスクトップで、コマンド・プロンプト・ウィンドウのショートカットを作成します。デスクトップにショートカットのアイコンが表示されます。
新しく作成したショートカットのアイコンを右クリックし、「管理者として実行」を指定します。
コマンド・プロンプト・ウィンドウが開くと、タイトル・バーに「管理者: コマンド プロンプト」と表示されます。このウィンドウ内で実行するコマンドは管理者権限で実行されます。
TimesTenリリース11.2.1のデフォルトのインストール・ディレクトリは、次のとおりです。
Windows: C:\TimesTen
UNIX: $HOME
/TimesTen
トランザクションがデータベースの大きな領域を解放する際、TimesTenは一時ファイルを作成します。また、大規模な削除処理など、その他のTimesTenの操作では、ファイルをコピーする際に一時ディレクトリが使用されます。
一時ディレクトリは、オペレーティング・システムによって異なります。通常、次のディレクトリに存在します。
Windows: C:\Documents and Settings\%USERNAME%\Local Settings\Temp
SolarisおよびLinux: /tmp
HP-UXおよびAIX: /var/tmp
一時ディレクトリの場所は、Windowsの場合はTMP
環境変数を設定すると変更できます。UNIXの場合は、TMPDIR
環境変数を設定すると変更できます。
注意: Windowsでは、正常にインストールを完了するために、一時ディレクトリのフルパスを190文字未満にする必要があります。また、TimesTenでは、マルチバイト文字を含むファイル・パス名はサポートされていません。インストール・パス、データベース・パス、トランザクション・ログ・パスおよび一時ファイル・パスにマルチバイト文字が含まれていないことを確認してください。 |
次の項では、オペレーティング・システム・グループを作成し、TimesTenのための正しいディレクトリ権限を設定する方法について説明します。
セキュリティを目的に、TimesTenインストールへのアクセス権を単一のオペレーティング・システム・グループのメンバーに制限しています。この権限で、TimesTenをインストールします。このグループをTimesTenユーザー・グループと呼びます。TimesTenユーザー・グループのメンバーだけが、TimesTenへのダイレクト・ドライバ接続を許可され、TimesTenデータベースに対する操作を実行できます。クライアント接続でTimesTenデータベースに接続しているユーザーは、TimesTenユーザー・グループのメンバーである必要はありません。
TimesTenをインストールするユーザーはインスタンス管理者です。 インスタンス管理者は、TimesTenインスタンス管理者グループのメンバーであり、TimesTenユーザー・グループのメンバーである必要があります。
Windowsでは、TimesTenユーザー・グループと、TimesTen管理者グループは、同じオペレーティング・システム・グループになります。TimesTenは、必ずAdminstratorsオペレーティング・システム・グループにインストールされます。したがって、Windowsでのインストールのインスタンス管理者がTimesTenをインストールするには、Administratorsグループのメンバーである必要があります。また、ダイレクト・ドライバ接続を実行するすべてのユーザーはAdminstratorsグループのメンバーである必要があります。
UNIXでは、TimesTenインスタンス管理者グループとTimesTenユーザー・グループは、同じオペレーティング・システム・グループでも、異なるオペレーティング・システム・グループでもかまいません。
TimesTenインスタンス管理者グループ: TimesTenをインストールしているすべてのユーザーはこのグループのメンバーである必要があります。このグループには、/etc/TimesTen
に対する読取りおよび書込み権限が付与されている必要があります。ここには、コンピュータにインストールされているすべてのTimesTenインスタンスについての情報が含まれます。
TimesTenユーザー・グループ: インスタンス管理者がTimesTenをインストールするには、このグループのメンバーである必要もあります。インストール後は、このオペレーティング・システム・グループのメンバーのみが、TimesTenへのダイレクト・ドライバ接続を許可され、TimesTenデータベースでの操作を実行できます。
UNIXでこれらの2つのオペレーティング・システム・グループを作成する方法については、「UNIXのTimesTen管理者およびユーザー・グループの作成」を参照してください。
インストールが終了した時点では、TimesTenのファイルおよびディレクトリへの読取りおよび書込み権限は、TimesTenが「world accessible」としてインストールされていないかぎり、TimesTenユーザー・グループのメンバーに制限されています。TimesTenプロセスには、これらの権限が必要です。
次の項では、WindowsおよびUNIXシステムにおけるディレクトリおよびファイルの権限について説明します。
Windowsでは、TimesTenのファイルおよびディレクトリにアクセスできるのは、Administratorsグループのメンバーのみです。
world accessibleとしてTimesTenをインストールした場合、TimesTenのファイルおよびディレクトリにはすべてのユーザーがアクセスできるようになります。その場合は、TimesTenデータベース・ファイルおよび共有メモリー・セグメントに対し、誰でも、どんな操作でも実行することができます。ただし、推奨はされていません。コンピュータ上のすべてのユーザーが信頼でき、オペレーティング・システム・レベルのすべてのアクセス制御を無効する場合のみ、このオプションを有効にします。
オペレーション・システム・グループの詳細は、「TimesTenインスタンス管理者およびTimesTenユーザー・グループ」を参照してください。
Windowsの場合、TimesTenについての情報は、オペレーティング・システム・レジストリに格納されています。
UNIXでは、TimesTenは特定のコンピュータにインストールされたすべてのTimesTenインスタンスのレジストリを/etc/TimesTen
に格納します。インスタンスのレジストリ自体は操作に必要なものではありませんが、TimesTenを正常にインストールおよび削除する場合には必須です。TimesTenをインストールする前に、TimesTenをインストールするユーザーが、管理者のグループのメンバーであり、/etc/TimesTen
ディレクトリに対する読取りおよび書込み権限を持っていることを確認してください。
/etc/TimesTen
のディレクトリ権限をインスタンス管理者グループに設定する方法については、「UNIXのTimesTen管理者およびユーザー・グループの作成」を参照してください。
注意: データベースのチェックポイント・ファイルおよびログ・ファイルは、別々のオペレーティング・システム・デバイスにインストールする必要があります。データベースのトランザクション・ログ・ファイルおよびチェックポイント・ファイルが同じオペレーティング・システム・デバイスにある場合は、デーモン・ログにメッセージが返されます。 |
次の項では、必須のオペレーティング・システム・グループを作成したり、UNIXでのTimesTenインストールのためにディレクトリ権限を設定する場合のインストール前の手順について説明します。
インストール時に、TimesTenユーザー・グループを指定する必要があります。デフォルトでは、インスタンスのためのTimesTenユーザー・グループは、TimesTenをインストールしているユーザーのプライマリ・オペレーティング・システム・グループになります。TimesTenユーザー・グループをインストーラのプライマリ・グループ以外に変更する場合は、インストール時にグループ名を指定する必要があります。
または、TimesTenインスタンスをworld accessibleにすることもできます。ただし、これは推奨されていません。
TimesTenユーザー・グループを変更するには、TimesTenインスタンスを削除して再インストールします。その際に、新しいグループ名を指定します。
TimesTenユーザー用のオペレーティング・システム・グループを用意していない場合は、TimesTenをインストールする前にroot
ユーザーとして次の操作を実行し、TimesTenユーザー・グループを作成します。
root
としてログインします。
TimesTenインスタンスをインストールできるオペレーティング・システム・グループを作成します。このオペレーティング・システム・グループを作成する際には、timesten
という名前を使用することをお薦めしますが、任意の名前を使用することも可能です。
注意: このマニュアルの例では、timesten をTimesTenユーザー・グループを表す名前として使用します。 |
インストールを行っているユーザー、およびTimesTenを管理しているユーザーを、作成したTimesTenユーザー・グループに追加します。
デフォルトのTimesTenユーザー・グループと名前が同じでない場合は、インストール時に適宜このグループの名前を指定します。
TimesTenインストールのディレクトリおよびファイル権限には、インストール時に定義したグループとして指定されたグループがあります。これによって、ほとんどのディレクトリ、ファイル、チェックポイント・ファイル、トランザクション・ログ・ファイル、共有メモリー・セグメントおよびセマフォに対する読取りおよび書込み権限を制限するための権限が、定義したこのグループに設定されます。特定のリソースの場合の例外がTimesTenによって定義されています。権限の詳細は、「ディレクトリおよびファイルの権限」を参照してください。
HP-UXシステムにインストールする場合、TimesTenのMemoryLock
機能を使用するには、TimesTenデーモンを実行しているオペレーティング・システム・ユーザーは、MLOCK
権限が付与されているオペレーティング・システム・グループに属している必要があります。
たとえば、ユーザーがtimesten
というグループのメンバーである場合、root
として次のコマンドを実行すると、timesten
グループにMLOCK
権限が付与されます。
# setprivgrp timesten MLOCK
getprivgrp
コマンドを使用して、グループの権限を確認できます。
$ getprivgrp timesten timesten: MLOCK
注意: Solarisシステムでは、1または2を設定したMemoryLock を使用して、root としてインストールする必要があります。Solarisシステムでは、TimesTenのroot 以外のインスタンスのデータベースは、この属性に3および4の設定を使用できます。 |
UNIXプラットフォームでは、インスタンス・レジストリは/etc/TimesTen/
にあります。/etc/TimesTen/
ディレクトリをはじめて作成する場合はroot
アクセスが必要なことがあります。このディレクトリの作成は、インストール前の手順としてコンピュータごとに行う必要があります。
TimesTenをインストールしているユーザーが、/etc/TimesTen
ディレクトリに対する読取りおよび書込み権限を持っていない場合は、TimesTenをインストールする前に、root
ユーザーとして次の手順を実行する必要があります。
root
としてログインします。
ディレクトリ/etc/TimesTen
がない場合は作成します。
# mkdir /etc/TimesTen
このディレクトリのファイルに必要なディスク領域は、100KB以上です。
インスタンス・レジストリ・ファイルinstance_info
がない場合は作成します。
# touch /etc/TimesTen/instance_info
TimesTenインスタンス管理者グループ用のオペレーティング・システム・グループを作成します。これには任意のグループ名を付けることができます。ここでは、ttadmin
という名前を使用します。
# groupadd ttadmin
/etc/TimesTen
ディレクトリに対する所有権限を、TimesTenインスタンス管理者グループに割り当てます。こうすることで、インスタンス管理者のみにアクセスおよび実行が許可されます。インストール時に、instance_info
ファイルが/etc/TimesTen
ディレクトリに追加されます。このファイルは、インスタンスの管理者グループによる読取りと書込みが可能である必要があります。
TimesTenをインストールする前に、/etc/TimesTen
の権限モードを770に、また/etc/TimesTen
にあるすべてのファイルの権限モードを660に設定します。
次のコマンドでは、TimesTenディレクトリのグループ所有権をttadmin
グループに変更し、このディレクトリにあるすべてのファイルに対する権限を、ttadmin
グループのメンバーについて読み書き両用に変更します。
# chgrp -R ttadmin /etc/TimesTen # chmod 770 /etc/TimesTen/ # chmod 660 /etc/TimesTen/*
これで、UNIXシステムにTimesTenをインストールできます。インストーラによって、/etc/TimesTen
の有無と権限が検証され、権限が正しくなかった場合、インストールは失敗します。
インスタンスは、TimesTenインスタンス管理者が十分な権限を所有している任意のディレクトリにインストールすることができます。
UNIXシステムでのTimesTenのインストールについては、次の項を参照してください。
UNIXシステムにTimesTenをインストールするには、次の手順を実行します。
TimesTenをシステムにダウンロードします。ダウンロードはgzipで圧縮されたTARファイルで構成され、timesten
release
.
platform
.tar.gz
という名前になっています。たとえば、timesten112140.linux86.tar.gz
などです。
TimesTenインスタンス管理者としてログインし、インストールを実行する場所にGZIPファイルをコピーします。
インストール・ファイルを解凍します。
% gunzip timestenrelease.platform.tar.gz
TimesTenファイルを展開します。
% tar -xf timestenrelease.platform.tar
プラットフォーム・ディレクトリに移動します。
% cd platform
Linuxシステムの例:
% cd linux86
TimesTenのsetupスクリプトを実行します。
% ./setup.sh
TimesTenのインストールにオプションは必要ありませんが、setup.sh
スクリプトは次のオプションを使用します。
オプション | 説明 |
---|---|
-install |
TimesTenをインストールします。 |
-uninstall |
TimesTenを削除します。 |
-batch filename |
プロンプトを表示せずにTimesTenをインストールまたは削除します。filename を指定すると、インストール時にファイルからすべてのインストール・プロンプトが読み込まれます。バッチ・ファイルfilename はオプションです。ただし、バッチ・ファイルを作成し、インストール先のインスタンス名を指定することをお薦めします。
バッチ・ファイルが指定されていなかったり、バッチ・ファイルにインスタンス名が含まれていない場合、TimesTenはインスタンス名として |
-help |
ヘルプ・メッセージを表示します。 |
-installDoc |
TimesTenのドキュメントをインストールします。 |
-quickstart |
クイック・スタートをインストールします。 |
-record filename |
TimesTenをインストールまたは削除して、ファイル名に記述されたプロンプトへの応答を記録します。その後、このファイルは-batch オプションに対するパラメータとして使用できます。 |
-verbose |
その他のインストール情報を表示します。 |
インストールにはTimesTenコンポーネントのTARファイルが含まれています。setupスクリプトでこれらのコンポーネントの抽出元のTARファイルを検索できない場合は、その場所の指定を求められます。
setupスクリプトのプロンプトへの応答を入力します。
注意: プロンプトに応答せずにTimesTenをインストールまたは削除するには、setup.sh スクリプトで-batch フラグを使用します。以前のリリースのTimesTenのバッチ・ファイルを使用して、今回のリリースをインストールすることはできません。今回のリリースのインストール・スクリプトのすべての新しいプロンプトにはデフォルトの応答が割り当てられるため、異なるリリースのバッチ・ファイルが使用されると、予期しない結果が発生する可能性があります。
変更を行うたびに |
setupスクリプトによって、次の処理が実行されます(ユーザーの応答が原因で、インストール処理が終了した場合を除きます)。
次の操作を実行するように求められます。
新しいインスタンスのインストール
既存のインスタンスのアップグレード (このオプションでは、以前のリリースをTimesTen11.2.1リリースにアップグレードできます。)
既存のインスタンスに関する情報の表示
インストールの終了
デフォルトのインスタンス名の選択またはTimesTenインスタンスの名前の選択を行うように求められます。
注意: それぞれのTimesTenインストールは一意のインスタンス名によって識別されます。インスタンス名は1つ以上の英数字で、255文字以下である必要があります。 |
次のいずれかのコンポーネントをインストールするように求められます。
Client/ ServerおよびData Manager
Data Managerのみ
Clientのみ
TimesTenインスタンスの場所の入力を求めます。デフォルトでは、$HOME
/TimesTen
にインストールされます。TimesTenのドキュメントでは、インストール・ディレクトリをinstall_dir
と表します。
TimesTenデーモンのホーム・ディレクトリの位置の指定を求められます。
TimesTenデーモンのログ・ファイルの位置の指定を求められます。デフォルトはinstall_dir
/
info
です。
デーモン・ポート番号の指定を求められます。デフォルトのポート番号は、32-bitのインストールでは53384、64-bitのアプリケーションでは53388です。
TimesTenユーザー・グループの指定またはworld accessibilityの選択を求められます。これらのオプションの詳細は、「オペレーティング・システム・グループおよびファイル権限のインストール前の要件」を参照してください。次のことが可能です。
default group
グループへのアクセス制限
異なるグループへのアクセス制限
TimesTenインスタンスをworld accessibleにする(非推奨)。コンピュータ上のすべてのユーザーが信頼でき、オペレーティング・システム・レベルのすべてのアクセス制御を無効する場合のみ、このオプションを選択します。
インスタンスでPL/SQLを有効にするかどうかの決定が求められます。デフォルトの応答は「yes」です。インストール時に有効にしなかった場合は、後でttmodinstall
ユーティリティを使用して、そのインスタンスでのPL/SQLを有効にできます。
注意: PL/SQLを有効にすると、一部のTimesTenライブラリのサイズが増加します。 |
tnsnames.ora
ファイルが格納されるディレクトリを指定するためのTNS_ADMIN
環境変数として指定する位置の設定が求められます。
このフィールドは空のままでかまいません。インストール時にTNS_ADMIN
環境変数の値を指定しない場合、後でttmodinstall
ユーティリティを使用して設定できます。ただし、In-Memory Database Cacheを使用する前に、この環境変数を設定しておく必要があります。
サーバー・ポート番号の指定を求められます。デフォルトのポート番号は、32-bitのインストールでは53385、64-bitのアプリケーションでは53389です。クライアントおよびサーバーのコンポーネントをインストールします。
クイック・スタートおよびTimesTenドキュメントのインストールが求められます。TimesTenクイック・スタートのアプリケーションは最大64MBのディスク領域を使用します。デフォルトのディレクトリは、install_dir
/quickstart
およびinstall_dir
/doc
です。
デモ・データベースのインストール場所の指示を求められます。これは、クイック・スタートのインストール時にDemoDataStore
ディレクトリにTimesTenのデモ・データベース・ファイルがインストールされることを示します。デフォルトのインストール先は、install_dir
/info/DemoDataStore
です。
クライアント・コンポーネントがインストールされます。
TimesTenレプリケーションおよびOracle Clusterwareをインストールするかどうかの決定を求められます。コンピュータ上のOracle Clusterwareのインストール先となるパスと、TimesTen Clusterwareエージェントのためのポート番号の入力が求められます。
インストールによってOracle Clusterwareが構成済のノードが確認され、Oracle Clusterwareが含まれているTimesTenレプリケーションのノード・リストの指定が求められます。
アップグレードをインストールする場合、今回のリリースのTimesTenの以前のインストールはすべて削除されます。
TimesTenコンポーネントが適切なディレクトリにインストールされます。
デーモンが起動されます。
デーモンは、デーモンが起動されたディレクトリにtimestend.pid
ファイルを書き込みます。デフォルトではinstall_dir
/info
です。このファイルには、デーモンのプロセスIDが含まれています。デーモンを停止するときに、このIDを使用してどのプロセスを停止するかを決定します。プロセスが停止すると、timestend.pid
は削除されます。
注意: データベースのトランザクション・ログ・ファイルおよびチェックポイント・ファイルが同じオペレーティング・システム・デバイスにある場合は、デーモン・ログにメッセージが返されます。 |
コンピュータを再起動するたびにTimesTenインスタンスが起動するようにするには、root
ユーザーとしてログインし、setuproot
スクリプトをroot
として実行します。setuproot
スクリプトはinstall_dir
/bin
ディレクトリにあります。
# cd install_dir
/bin
# setuproot -install
TimesTenメイン・デーモン(timestend
)は、オペレーティング・システムの起動時に自動的に起動され、常にバックグラウンドで稼働します。アプリケーション開発者が、timestend
と直接やりとりを行うことはありません。デーモンではアプリケーション・コードは実行されないため、通常、アプリケーション開発者はデーモンを意識する必要はありません。TimesTenデータベースを使用するアプリケーション・プログラムは、TimesTen内部ルーチンを使用して透過的にデーモンとの通信を行います。
ただし、TimesTenメイン・デーモンの起動スクリプトを使用して、デーモンを手動で起動および停止する必要がある場合があります。この項では、デーモンを起動および停止する方法について説明します。TimesTen Serverをインストールしている場合、TimesTen Serverは、TimesTenデーモンの起動時に自動的に起動され、TimesTenデーモンの停止時に自動的に停止されます。
注意: TimesTenデーモンとやりとりするには、TimesTenインスタンス管理者であるか、またはroot 権限を持っている必要があります。 |
デーモンを手動で停止するには、次のユーティリティ・コマンドを使用します。
% ttDaemonAdmin -stop
デーモンを手動で起動するには、次のユーティリティ・コマンドを使用します。
% ttDaemonAdmin -start
TimesTenデーモンが実行されていると、TimesTenのシステム管理用およびアプリケーションのデバッグ用に、エラー、警告、情報およびデバッグ・メッセージが生成されます。インストール時に、これらのメッセージをファイルに格納するか、syslog
機能に送信するかを指定します。
syslog
を使用してメッセージがログに記録されている場合は、デフォルトでLOG_USER
syslog機能が使用されます。
syslog
機能を使用してTimesTenデーモンおよびサブデーモンのメッセージを記録するには、ttendaemon.options
ファイルの別の行に、次の行を追加します。
-facility name
nameに指定できる値は、auth
、cron
、daemon
、local0-local7
、lpr
、mail
、news
、user
またはuucp
です。
syslog
機能によって、メッセージをファイルに記録するなど、様々な方法でメッセージを記録できます。メッセージの処理は、構成ファイル/etc/syslog.conf
で制御します。
syslog.conf
ファイルのエントリには、2つの列が含まれています。1つ目の列には、特定のファイルに記録するメッセージ・タイプのリストが含まれています。2つ目の列には、ログ・ファイルの名前が含まれています。メッセージ・タイプとファイル名の間にタブが表示されます。syslog.conf
ファイルのエントリの書式は、message_type
file_name
です。メッセージ・タイプは、2つの部分で構成されています。
subsystem-facility.severity-level
このファイルに指定されている構成に基づいて、様々なファイルにメッセージを記録することができます。TimesTenデーモンのメッセージ・タイプには、user.debug
、user.info
、user.warn
およびuser.err
を指定します。ワイルドカード文字(*)を使用して、サブシステム機能を表すこともできます。デバッグ・メッセージは最優先されるため、サポート・ログまたはエラー・ログのファイルの指定には、*.debug
またはuser.debug
を使用しても効率的です。メッセージ・タイプのリスト内の項目は、セミコロンで区切ります。例:
*.debug /var/adm/syslog/syslog.log user.err; user.warn; user.info /var/adm/messages
/etc/syslog.conf
を変更するには、root
権限が必要です。変更した内容が有効になるのは、コマンドkill -1
を使用して、syslog
デーモン(syslogd
)・プロセスを停止し、再起動した後です。
このファイルの構成については、オペレーティング・システムのドキュメントで、syslog.conf
またはsyslogd
の説明を参照してください。
注意: システム上に/etc/syslog.conf ファイルがない場合は、syslog.conf のマニュアル・ページの説明に従って作成し、デーモンがsyslog 機能にデータを記録できるようにします。 |
syslog
構成ファイルが正しく設定されているかどうかを確認するには、TimesTenのttSyslogCheck
ユーティリティを実行します。最終的に、syslogd
が正しく設定されていれば、TimesTenのttDaemonLog
ユーティリティを使用して、システム・ログ・ファイルの中からTimesTenが記録したメッセージだけを表示することができます。
インスタンス・レジストリを使用すると、TimesTenインスタンスに対してTCP/IPポートの一意性を保証できますが、TimesTenメイン・デーモンのポートとTimesTen以外のアプリケーションが使用するポートの競合の可能性が常に存在します。
ttmodinstall
ユーティリティを使用すると、インスタンス管理者はTimesTenのメイン・デーモンがリスニングしているポート番号を変更できます。ttmodinstall
を使用する前にTimesTenデーモンを停止していない場合、ユーティリティはデーモンを停止してからポート番号を変更します。ポートが変更されると、デーモンは自動的に再起動されます。この機能は、TimesTenをインストールし、その後にポートが使用されていることを検出する場合に役に立ちます。
このユーティリティは、-port
オプションに引数として新しいポート番号を指定して、コマンドラインから実行します。例:
% ttmodinstall -port 12345
ttmodinstall
の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』を参照してください。
TimesTenのすべてのコンポーネントを削除するには、次の手順を実行します。
TimesTenインスタンス管理者としてログインします。
TimesTenのsetupスクリプトは、install_dir
/bin
ディレクトリにあります。このスクリプトは、インストール・ディレクトリ以外のディレクトリから、-uninstall
オプションを指定して実行します。
% install_dir/bin/setup.sh -uninstall
システムを削除すると、TimesTenのすべてのライブラリおよび実行可能ファイルが削除され、デーモンとサーバーも停止および削除されます。ps
を実行すると、TimesTenのすべてのプロセスが停止されていることを確認できます。TimesTenが正常に削除されたことを確認するには、install_dir
が存在しないことを確認します。
この項では、Windowsシステムでのインストールおよびその関連項目について説明します。
TimesTenがサポートしているWindowsプラットフォームのリストについては、「プラットフォームおよび構成」を参照してください。
Windows 64-bitシステムでは、TimesTenの32-bitインスタンスと64-bitインスタンスを同じコンピュータに共存させることはできません。
InstallShieldプログラムが、TimesTenインスタンスをWindowsシステムにインストールします。手動でTimesTenをインストールするには、setup.exe
実行可能ファイルを実行します。
TimesTenのインストール・スクリプトは、次のアクションを実行します。
インストールの場所を指定するよう求めます。デフォルトでは、TimesTenはC:\TimesTen\
tt1121_
bits
にインストールされます。
インストールするコンポーネントを選択するよう求められます。
TimesTen Data Manager
TimesTen Data Managerデバッグ・ライブラリ
TimesTen Server
TimesTen Client
任意のコンポーネント
TimesTenクイック・スタート
TimesTenのドキュメント
詳細は、「Windowsで使用可能なコンポーネント」を参照してください。
デモ・データベースのインストール場所の指示を求められます。これは、クイック・スタートのインストール時にDemoDataStore
ディレクトリにTimesTenのデモ・データベース・ファイルがインストールされることを示します。デフォルトのインストール先は、次のとおりです。
C:\Documents and Settings\username\Application Data\TimesTen\
tnsnames.ora
ファイルが格納されるディレクトリを指定するためのTNS_ADMIN
環境変数として指定する位置の設定が求められます。
このフィールドは空のままでかまいません。インストール時にTNS_ADMIN
環境変数の値を指定しない場合、後でttmodinstall
ユーティリティを使用して設定できます。ただし、In-Memory Database Cacheを使用する前に、この環境変数を設定しておく必要があります。
スタート・メニュー用のプログラム・フォルダを選択するよう求められます。参照して、このインストール用のフォルダを既存のフォルダまたは新しいフォルダを選択します。デフォルトは、Timesten 11.2.1 (bits)です。
コンピュータへのアクセス権のあるすべてのユーザーが読み書きできるようにこのインストールに対する権限を設定するかどうかが尋ねられます。ただし、推奨はされていません。無効にすると、権限はAdministratorsグループのメンバーであるユーザーに制限されます。権限およびworld accessibilityの詳細は、「オペレーティング・システム・グループおよびファイル権限のインストール前の要件」を参照してください。このオプションは、このインストールに対するオペレーティング・システム・レベルのすべてのアクセス制御を無効にする場合のみ選択します。
32-bitシステムでは、インスタンスでPL/SQLを有効にするかどうかの決定が求められます。デフォルトでは有効です。インストール時に有効にしなかった場合は、後でttmodinstall
ユーティリティを使用して、そのインスタンスでのPL/SQLを有効にできます。
環境変数を登録するよう求められます。選択した場合、インストール・プログラムによって、TimesTenディレクトリがシステム環境変数LIB
およびINCLUDE
に追加され、その他の適切な変数も設定されます。環境変数をインストール時には登録しない場合は、セッションごとにinstall_dir
\bin\ttenv.bat
スクリプトを実行し、インストール後の任意のタイミングで環境変数を設定することができます。ttenv
スクリプトについては、「TimesTenの環境変数の設定」を参照してください。
CLASSPATH
変数に追加するJDKのバージョンを選択するよう求められます(ある場合)。
TimesTenのインストールを続行する前に、インストール時の選択項目が表示されます。
リリース・ノートが表示され、クイック・スタート・ガイドが起動します。クイック・スタートの詳細は、「TimesTenクイック・スタート」を参照してください。
注意: TimesTenは、マップされたネットワーク・ドライブにインストールすることはできません。マップされたネットワーク・ドライブにTimesTenをインストールしようとすると、エラーになります。 |
TimesTenでは、インストール・オプションをバッチ・ファイルに保存しておき、後でダイアログ・ボックスの個々のオプションには応答せずにTimesTenをインストールできます。このようなサイレント・モードを設定する手順は、次のとおりです。
コマンドラインで、次のコマンドを実行します。
C:> setup.exe /r
このオプションでは、通常のセットアップ処理を実行できます。応答の内容はC:\WINDOWS\setup.iss
ファイルに保存されます。
このファイルを使用して、サイレント・モードでインストールを実行する手順は、次のとおりです。
コマンドラインから、setup.exe -s -fl
response_file
を実行します。例:
C:> setup.exe -s -f1C:\WINDOWS\setup.iss
レスポンス・ファイルから、インストール・オプションが取得されます。ダイアログ・ボックスは表示されません。サービスの開始を通知する情報ポップアップ・ダイアログなど、いくつかの情報ポップアップ・ダイアログは表示されます。
注意: TimesTenリリース11.2.1より前のバッチ・ファイルを使用して、今回のリリースをインストールしないでください。今回のリリースのインストール・スクリプトのすべての新しいプロンプトにはデフォルトの応答が割り当てられるため、異なるリリースのバッチ・ファイルが使用されると、予期しない結果が発生する可能性があります。 |
TimesTenが正常にインストールされたことを確認するには、ドライバ・ファイルが使用可能であり、サービスが実行中であることを確認します。
TimesTen 11.2.1のスタート・メニューのショートカットが、Windowsのデスクトップの「スタート」→「プログラム」メニューに追加されていることを確認します。
Windowsのデスクトップで、「スタート」→「設定」→「コントロール パネル」→「管理ツール」→「データ ソース(ODBC)」を選択します。これによって、「ODBC データソース アドミニストレータ」が表示されます。
「ドライバ」をクリックします。適切なドライバがインストールされていることを確認します。TimesTen Data Managerのドライバが表示されます。TimesTen Clientをインストールした場合、TimesTen Client 11.2.1ドライバが表示されます。「OK」をクリックします。
Windowsのデスクトップで、「スタート」→「設定」→「コントロール パネル」→「管理ツール」→「サービス」を選択し、TimesTen Data Manager 11.2.1サービスの「状態」フィールドが「開始」であることを確認します。この段階で、「回復」オプションを指定して、障害の発生後にサービスを再起動するようにすることができます。
前述の手順で、システムが正常にインストールされていることを確認します。
クライアントとサーバーが正常にインストールされたことを確認するには、次の手順を実行します。
注意: この項の説明は、32-bit TimesTenを32-bit Windowsへインストールする場合または64-bit TimesTenを64-bit Windowsへインストール場合に有効です。32-bit TimesTenを64-bit Windowsへインストールする場合は、次のものを実行し、TimesTen ODBCエントリを確認してください。
|
Windowsのデスクトップで、「スタート」→「設定」→「コントロール パネル」→「管理ツール」→「データ ソース(ODBC)」を選択します。これによって、「ODBC データソース アドミニストレータ」が表示されます。
「システム DSN」をクリックします。
sampledb_1121
サンプル・データソースを選択し、「構成」をクリックします。
注意: sampledb_1121 DSNは、TimesTen ServerとのTCP/IP通信を行うクライアント・アプリケーションによって使用されます。sampledbCS_1121 DSNは、クライアント・サーバー接続に使用されます。 |
「TimesTen Client Data Source Setup」ダイアログ・ボックスが表示されます。
「Test TimesTen Server Connection」をクリックして、サーバーとの接続を試行します。
ODBC アドミニストレータはTimesTen Serverに接続し、成功するとメッセージを表示します。このボタンをクリックすると、TimesTen Clientによって、検証が行われます。
ODBC、Windows sockets、TimesTen Clientがコンピュータにインストールされます。
選択したTimesTen Serverが定義されます。
TimesTen Serverのホスト・コンピュータが実行されます。
TimesTen Serverが実行されます。
「Test Data Source Connection」をクリックして、TimesTen Serverのデータソースに接続します。
ODBC データソース アドミニストレータはTimesTenのデータソースに接続し、成功するとメッセージを表示します。「Test Data Source Connection」をクリックすると、TimesTen Clientによって、検証が行われます。
選択したデータソースがサーバーに定義されます。
TimesTen Clientはデータソースに接続できます。
TimesTen Data Managerをインストールすると、TimesTen Data Managerのサービスが自動的に開始されます。また、TimesTen Serverをインストールしている場合、TimesTen Data Managerのサービスを開始すると、TimesTen Serverが自動的に起動されます。TimesTen Data Managerのスタートアップ・モードを手動に変更することもできます。
注意: スタートアップ・モードの設定や、TimesTen Data Managerのサービスの開始と終了には管理権限が必要です。 |
スタートアップ・モードを変更するには、次の手順を実行します。
Windowsのデスクトップで、「スタート」→「設定」→「コントロール パネル」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。現在使用可能なサービスがすべて表示されます。
「TimesTen Data Manager 11.2.1」を選択します。
「スタートアップの種類」のリストから、「手動」または「自動」のいずれかを選択します。「OK」をクリックします。
TimesTen Data Managerのスタートアップ・モードが「手動」の場合、サービスの開始と停止を行うには、次の手順を実行します。
Windowsのデスクトップで、「スタート」→「設定」→「コントロール パネル」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。現在使用可能なサービスがすべて表示されます。
「TimesTen Data Manager 11.2.1」を選択します。
サービスを開始するには、「開始」をクリックします。サービスが実行中で、そのサービスを停止するには、「停止」をクリックします。
注意: TimesTenはEvent Logファイルにイベントを書き込みます。WindowsアプリケーションのEvent Logは一杯になることがあります。これを回避するには、Event Viewerでログ設定を確認します。Event Logのサイズを変更したり、既存のイベントを上書きするように設定することができます。 |
TimesTenでは、エラー・メッセージがtterrors.log
ファイルに書き込まれます。このファイルは、install_dir
\srv\info
ディレクトリにあります。ttDaemonLog
ユーティリティを使用すると、TimesTen Data Managerによって記録されたメッセージを表示できます。システム管理ユーティリティについては、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のユーティリティの説明を参照してください。
TimesTen for Windowsを削除するには、次の手順を実行します。
Windowsのデスクトップで、「スタート」→「コントロール パネル」→「アプリケーションの追加と削除」を選択します。
正常に削除されたことを確認するには、次の内容を確認します。
「スタート」→「プログラム」メニューから、TimesTen 11.2.1のスタート・メニューのショートカットが削除されている。
「サービス」リストから、TimesTen Data Manager 11.2.1が削除されている。
「ODBC」コントロール パネルにあるODBCの「ドライバ」タブから、TimesTen 11.2.1ドライバが削除されている。
注意: TimesTenのインストール時に生成されたDSNは、TimesTenの削除により削除されます。ユーザーが作成したDSNについては、TimesTenを削除しても削除されません。 |
Windowsシステムでは、Windowsドライバ・マネージャによって、Microsoft ODBC 3.5 SDK以下のすべてのバージョンがサポートされます。TimesTenでは、Microsoft ODBC 2.5 SDKがサポートされます。最新のバージョンのMicrosoft ODBC Data Source Administrator(ODBC32.LIB
ファイル)に関連付けられたすべてのODBCアプリケーションについては、TimesTenドライバ・マネージャがODBC 2.5を使用して接続を処理します。
ODBC SDKの再配布可能なコンポーネントは、WindowsシステムのC:\WINDOWS\SYSTEM32
にインストールされます。Microsoft社はTimesTenによるODBC SDKの一部の再配布のみを許可しており、それらは自動的にインストールされます(インストールされていない場合)。Microsoft社のサンプル・プログラム、オンライン・ヘルプ・ファイル、C言語ヘッダー・ファイルなど、その他のコンポーネントは、Microsoft ODBC SDKの一部としてMicrosoft社から個別に入手でき、必要に応じて個別にインストールできます。また、ODBC C言語ヘッダー・ファイルおよびODBCオンライン・ヘルプは、Microsoft Visual .NET 2003、Microsoft Visual Studio 2005または2008の一部としてバンドルされています。ほとんどのTimesTen開発者は、SDKを個別にインストールする必要はありません。
UNIXシステムでは、SDKを個別にインストールする必要はありません。
この項では、ユーザーのアプリケーションで使用するTimesTenの機能に応じて設定が必要となる、様々な環境変数について説明します。次の表に、この項またはこのドキュメントの他の項で説明する環境変数のサマリーをアルファベット順に示します。プラットフォーム固有の環境変数もあります。
環境変数 | 設定内容 | 参照先 |
---|---|---|
LIB 、LIBPATH 、LD_LIBRARY_PATH またはSHLIB_PATH |
UNIXシステムでは、TimesTenインストール・ディレクトリにあるlib ディレクトリを含みます。 |
「共有ライブラリ・パス環境変数」 |
NLS_LANG |
NLS_LANG がNA として設定されている場合、OCI接続エラーまたはORA-12705メッセージが表示されます。 |
Windowsでは、古いバージョンのOracle(Oracle9iなど)がインストールされている場合、レジストリ・キーHKEY_LOCAL_ computer\Software\ORACLE\NLS_LANG が、NAのような無効な値に設定されている場合があります。値がNAの場合、TimesTenインストーラによってその値がAMERICAN_AMERICA.US7ASCII に置換されます。こうすることで、TimesTen OCI、Pro*CおよびIMDB Cacheを正しく接続できるようになります。TimesTenは、Oracle Instant Clientを使用して、これらの接続を確立します。Oracle Instant Clientでは、この値を有効なNLS_LANG 設定にする必要があります。 |
ODBCINI |
TimesTenデータベースが使用するodbc.ini ファイルが検出される場所を設定します。 |
「ODBCINI環境変数」 |
PATH |
TimesTenインストール・ディレクトリにあるbin ディレクトリを含みます。WindowsでIMDB Cacheオプションを使用している場合は、Oracleインストールへのパスも含みます。 |
「PATH環境変数」、「共有ライブラリ・パス環境変数」および「WindowsシステムへのTimesTenのインストール」 |
SYSODBCINI |
TimesTenシステム・データベースが使用するsys.odbc.ini ファイルが検出される場所を設定します。この環境変数は、起動スクリプトに設定する必要があります。 |
「SYSODBCINI環境変数」 |
SYSTTCONNECTINI |
TimesTen Clientアプリケーションが、論理サーバー名の定義に使用するsys.ttconnect.ini ファイルの場所を設定します。 |
「SYSTTCONNECTINI環境変数」 |
TMP またはTMPDIR |
一時ディレクトリの場所を設定します。TimesTenは、リカバリやその他の処理時にこのディレクトリを使用します。 | 「デフォルトのインストール・ディレクトリ」 |
TNS_ADMIN |
IMDB Cacheを使用している場合は、tnsnames.ora ファイルの場所を設定します。IMDB Cacheオプションを使用する場合は必須です。 |
「TNS_ADMIN環境変数」 |
Java | Javaアプリケーションの場合、設定する必要のある環境変数があります。 | 「Java環境変数」 |
次の項では、TimesTenにおける環境変数について説明します。
インストール後に環境変数をTimesTenの標準設定にする場合は、ttenv
スクリプトを使用します。これには、TimesTenユーティリティを実行するためのパスの設定も含まれます。すべての変更を有効にするには、TimesTenを起動する前にこのスクリプトを実行する必要があります。
UNIXプラットフォームでは、使用しているシェルに応じて次のいずれかのスクリプトを使用します。
install_dir/bin/ttenv.sh install_dir/bin/ttenv.csh
Windowsプラットフォームでは、install_dir
/bin/ttenv.bat
スクリプトを使用します。
install_dir\bin\ttenv.bat
ttenv
のコマンドライン・オプションの詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。
source ttenv.csh -help
または
. ttenv.sh -help
TimesTenには、TimesTenアプリケーションの管理とデバッグを行うためのユーティリティが用意されています。これらのユーティリティを使用するには、PATH
環境変数にinstall_dir
にあるbin
ディレクトリを含めます。
注意: install_dir は、TimesTenがインストールされているディレクトリです。 |
WindowsでIMDB Cacheオプションを使用する場合は、PATH
環境変数にOracleインストールのbin
ディレクトリも含める必要があります。
TimesTenアプリケーションはodbc.ini
ファイルを使用して、データソースおよびその接続属性を定義します。(接続属性の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』の接続属性に関する章を参照してください。) UNIXプラットフォームの場合、デフォルトではTimesTenアプリケーションを実行しているユーザーのホーム・ディレクトリの.odbc.ini
ファイルが最初に検索されます。実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、TimesTenアプリケーションを起動する前に$ODBCINI
環境変数に.odbc.ini
ファイルのパス名を設定します。
TimesTenがユーザーDSNファイルの場所が検索できない場合は、install_dir
/info
にあるsys.odbc.ini
も捜索します。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のユーザーおよびシステムDSNの概要に関する説明を参照してください。
TimesTenアプリケーションはsys.odbc.ini
ファイルを使用して、システム・データソースおよびその接続属性を定義します。(接続属性の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』の接続属性に関する章を参照してください。) システム・データソースは、コンピュータ上のすべてのユーザーが使用できます。Windowsでは、ODBCデータソース管理者タブの「システムDSN」でシステムDSNが定義されます。UNIXでは、ファイルinstall_dir
/info/sys.odbc.ini
で定義されます。実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、TimesTenアプリケーションを起動する前に、$SYSODBCINI
環境変数をsys.odbc.ini
ファイルのパス名に設定します。
TimesTenがユーザーDSNファイルの場所を検索できない場合は、install_dir
/info
にある sys.odbc.ini
ファイルも検索されます。
詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のユーザーおよびシステムDSNの概要に関する説明を参照してください。
TimesTen Clientアプリケーションは、sys.ttconnect.ini
ファイルを使用して、論理サーバー名を定義します。論理サーバー名については、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTen ClientおよびServerの使用に関する説明を参照してください。UNIXプラットフォームの場合、デフォルトでは、install_dir
/sys.ttconnect.ini
が検索されます。実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、TimesTen Clientアプリケーションを起動する前に、SYSTTCONNECTINI
環境変数を設定します。
TimesTenは、install_dir
/info
にあるsys.ttconnect.ini
も検索します。
Windowsシステムの場合、論理サーバー名は、ODBC データソース アドミニストレータを使用して構成できます。
IMDB CacheがサポートされているプラットフォームでOracleデータを使用するには、TNS_ADMIN
環境変数にtsnnames.ora
ファイルのパスを設定する必要があります。
-tns_admin
オプションを指定したttmodinstall
ユーティリティを使用すると、インストール後にこの環境変数を設定できます。ttmodinstall
の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』を参照してください。
SolarisおよびLinuxシステムでは、LD_LIBRARY_PATH
環境変数にinstall_dir
/lib
ディレクトリを追加します。
AIXシステムでは、LIBPATH
環境変数にinstall_dir
/lib
ディレクトリを追加します。
HP-UX 32-bitシステムでは、SHLIB_PATH
環境変数にinstall_dir
/lib
を追加します。
HP-UX 64-bitシステムの場合、LD_LIBRARY_PATH
環境変数にinstall_dir
/lib
を追加します。
次の項では、TimesTen Javaアプリケーションの環境に影響する環境変数について説明します。
Javaクラスおよびクラス・ライブラリはCLASSPATH
で設定します。いずれかのTimesTen JDBCドライバをロードするJavaプログラムを実行する前に、CLASSPATH
環境変数にクラス・ライブラリ・ファイルが含まれている必要があります。
install_dir/ttjdbcjdk_ver.jar
jdk_ver
は、使用中のJDKのバージョンです。たとえば、JDK 5.0ではjdk_ver
は5になり、ファイル名はttjdbc5.jar
となります。JDK 6.0ではjdk_ver
は6になり、ファイル名はttjdbc6.jar
となります。
注意: 複数のJARファイルがCLASSPATH にリストされている場合は、TimesTen JARファイルが最初にリストされていることを確認します。 |
UNIXでは、CLASSPATH
要素はコロンで区切ります。例:
set CLASSPATH .:install_dir/lib/ttjdbc6.jar
または
setenv CLASSPATH .:install_dir/lib/ttjdbc6.jar
Windowsでは、CLASSPATH
要素はセミコロンで区切ります。
また、Windowsでは、ディレクトリ・パス名に空白が含まれている場合でも、CLASSPATH
環境変数を設定するときに引用符を使用しないでください。
正しい例を示します。
set CLASSPATH=.;install_dir/lib/ttjdbc6.jar
間違った例を示します。
set CLASSPATH=.;"install_dir/lib/ttjdbc6.jar"
システムにインストールしたJDKのバージョンが不明確な場合は、次のように入力します。
> java -version
JMS/XLAインタフェースを使用する場合は、CLASSPATH
に次の行も追加する必要があります。
install_dir/lib/timestenjmsxla.jar install_dir/3rdparty/jms1.1/lib/jms.jar install_dir/lib/orai18n.jar
たとえば、CLASSPATH
は次の例のようになります(install_dir
は該当する値に置き換えてください)。
.:install_dir/lib/ttjdbc6.jar:install_dir/lib/timestenjmsxla.jar :install_dir/3rdparty/jms1.1/lib/jms.jar:install_dir/lib/orai18n.jar
デフォルトでは、JMS/XLAは現行の作業ディレクトリにあるjmsxla.xml
という構成ファイルを検索します。別の名前および場所を使用する場合は、InitialContext
クラスの環境変数の一部として指定し、CLASSPATH
設定にその場所を追加する必要があります。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Database Java開発者ガイド』のjmsxla.xml
設定ファイルについての説明を参照してください。
TimesTen JDBCドライバをロードするJavaプログラムを使用する前に、TimesTen install_dir
/lib
ディレクトリを含めるようにシステム環境変数の共有ライブラリ・パスを設定する必要があります。共有ライブラリ・パスに使用する変数の名前は、使用するシステムによって異なります。
システム | 変数名 |
---|---|
Linux | LD_LIBRARY_PATH |
Solaris | LD_LIBRARY_PATH |
HPUX | SHLIB_PATH またはLD_LIBRARY_PATH |
AIX | LIBPATH |
Windows | PATH |
TimesTen JDBCドライバは、ネイティブ・スレッドを使用します。グリーン・スレッドはサポートされていません。
一部のUNIXプラットフォームでネイティブ・スレッド・パッケージを使用するには、THREADS_FLAG
環境変数をネイティブに設定する必要があります。フラグの設定方法は、シェルの種類によって異なります。
csh
での構文は次のとおりです。
setenv THREADS_FLAG native
sh
での構文は次のとおりです。
THREADS_FLAG=native export THREADS_FLAG
インストール時に、TimesTenクイック・スタートをインストールすることができます。これには、様々なチュートリアル、デモ・アプリケーション、その他のリソースが含まれています。クイック・スタートをインストールすることを選択した場合は、デフォルトでinstall_dir
/quickstart
ディレクトリにインストールされます。UNIXでは、他の場所を指定するオプションがあります。インストール場所にかかわらず、詳細情報についてのホーム・ページはinstall_dir
/quickstart.html
です。
クイック・スタートでは、管理、アクセス制御、アプリケーション開発、レプリケーションおよびキャッシュに関するチュートリアル、デモ、サンプル・コードが提供されます。次の領域についての情報が提供されます。デモ・データベースは、クイック・スタートのインストール時に最初にインストールされます。
構成および設定:
TimesTenデータベースの作成、ロードおよびアンロード
ユーザー・アカウントおよび権限の設定
システム操作のためのTimesTenユーティリティおよび組込みプロシージャの使用
Oracle DatabaseをキャッシュするためのIn-Memory Database Cacheの設定
アクティブ・スタンバイ・ペアおよびOracle Clusterwareを使用したレプリケーションの設定
Java EEまたはJ2EEアプリケーション・サーバーをTimesTenと連携させるための構成
TimesTenでのOracle SQL Developerの使用
TimesTenでのOracle Enterprise Managerの使用
アプリケーション開発
ODBCおよびXLAを使用するCアプリケーション
Oracle Call Interface(OCI)またはPro *C/C++ Precompilerを使用するCアプリケーション
TimesTen TTClassesおよびXLAを使用するC++アプリケーション
JDBCおよびJTAを使用するJavaアプリケーション
PL/SQLアプリケーション
パフォーマンスおよびベスト・プラクティス
レスポンス時間のデモ
プログラミングのヒント
データベース・スキーマの設定のヒント
ハードウェア構成のヒント
オペレーション・システム構成のヒント
クイック・スタートのホーム・ページを使用すると、デモを設定および実行するための手順を検索できます。
デモ・スキーマおよび設定: build_sampledb
スクリプトは、サンプル・データベースおよびデモ・スキーマを作成します。デモを使用する前にこのスクリプトを実行する必要があります。
デモ環境および設定: ttquickstartenv
(TimesTenの設定に使用するttenv
スクリプトのスーパーセット)はデモ環境を設定します。これは、デモをコンパイルおよび実行するセッションに入るごとに実行する必要があります。
デモおよび設定: クイック・スタートのデモは、quickstart/sample_code
ディレクトリの下のサブディレクトリにあります。デモのコンパイルと実行については、サブディレクトリにあるREADMEファイルを参照してください。また、クイック・スタートのホーム・ページにある「Getting Started」および「Sample Programs」の下にある様々なAPIリンクも参照してください。
ドキュメントをインストールしないように選択した場合を除き、TimesTenドキュメントのオンライン・コピーはTimesTen製品とともにインストールされます。ドキュメントはHTMLおよびPDF形式で提供されます。HTMLはブラウザを使用して参照できます。PDFはAdobe Acrobat Readerを使用して参照できます。Adobe Acrobat Readerをインストールしていない場合は、Adobe Systems社のWebページhttp://www.adobe.com
からダウンロードできます。
オンライン・ドキュメントは、install_dir
/doc
ディレクトリにインストールされています。
注意: オンライン・ドキュメントの内容は最新のものです。 |
次の項では、HP-UXのメモリー・ウィンドウへのインストールと、その関連項目について説明します。
TimesTenのインスタンスは、メモリー・ウィンドウで実行できます。各メモリー・ウィンドウには、TimesTenのインスタンスがそれぞれ必要です。インストール中、TimesTenのインストーラによって、このインスタンスをメモリー・ウィンドウで実行するかどうかを指定するように求められます。
メモリー・ウィンドウのインストールでは、インストーラによって、デーモンのインスタンス名およびポート番号が/etc/services.window
に追加され、getmemwindow(1M)
コマンドに対するキーとしてそのインスタンス名を使用することが可能になります。getmemwindow
<instance>
コマンドを使用すると、インスタンスが使用しているポートを特定できます。
メモリー・ウィンドウで実行中のTimesTenインスタンスを使用するには、HP-UXのsetmemwindow(1M)
コマンドを使用してアプリケーションを起動する必要があります。
たとえば、インスタンスがtt1121_32
の場合は、次のように使用します。
% setmemwindow -j -i `getmemwindow tt1121_32` <prog>
TimesTenのユーティリティでは、setmemwindow
コマンドを使用しません。次に例を示します。
% ttBackup ...
単一のデータベースの最大サイズは、32-bitのTimesTenでは1GBです。
TimesTenは、データベースごとに単一の共有メモリー・セグメントを割り当てます。また、TimesTenは、クライアント/サーバーに共有メモリーIPCメカニズムを使用するように構成されても、共有メモリー・セグメントを割り当てることができます。
TimesTenによって提供されるデーモンおよびユーティリティ・プログラム(プログラム)は、EXEC_MAGIC
(ld(1)
に-N
オプションを使用)とリンクしています。TimesTenのプログラムを、SHMEM_MAGIC
とマーク付けするように変更できます。これによって、ウィンドウ内の共有メモリーを2GBにすることができます。ただし、単一のデータベースの制限は1GBのままです。
たとえば、SHMEM_MAGIC
を使用するには、root
としてログインし、次のコマンドを使用します。
# chatr -M tt_instance/bin/timesten* tt_instance/bin/*Cmdtt_instance/bin/ttcserver
EXEC_MAGIC
に戻すには、次のコマンドを使用します。
# chatr -N tt_instance/bin/timesten* tt_instance/ bin/ *Cmdtt_instance/bin/ttcserver
プログラムがSHMEM_MAGIC
であるか、またはEXEC_MAGIC
であるかを確認するには、次のコマンドを使用します。
# chatr binary
chatr(1M)
コマンドによって、EXEC MAGIC
プログラムの場合は、「normal executable」と出力されます。このようにマーク付けされているプログラムの場合は、SHMEM_MAGIC
と出力されます。
注意: TimesTenプログラムがSHMEM_MAGIC とマーク付けされている場合は、ユーザー・アプリケーションもSHMEM_MAGIC とマーク付けする必要があります。アプリケーションにSHMEM_MAGIC をマーク付けしていないと、TimesTenへの接続時に、「Invalid Argument(EINVAL, errno=22 )」エラーが発生します。 |
メモリー・ウィンドウの使用時における問題を診断するために、次の情報が必要になる場合があります。
構成済のメモリー・ウィンドウの数
% /usr/sbin/kmtune -q max_mem_windows
共有メモリー・セグメントの最大サイズ
% /usr/sbin/kmtune -q shmmax
使用しているウィンドウの数
% cat /etc/services.window
適切なインスタンスがパスに存在すること
% ttVersion % ttStatus % getmemwindow tt_instance
TimesTenで提供されるユーティリティに接続できるか
% ttIsql -connStr dsn=my_dsn
クイック・スタートをインストールしていた場合、デモ・プログラムを正常に実行できるか。TimesTenデモはinstall_dir
/quickstart/sample_code
にあります。
使用中の他のセグメント
% ipcs -m -a
setmemwindow(1M)
またはTimesTenユーティリティ(ttStatus
など)出力が戻されるか
setmemwindow
コマンドからのエラー・ステータスの確認
memwin_stats
ツールによる表示内容
% memwin_stats -w
memwin_stats
ツールは、HP(ftp://contrib:9unsupp8@hprc.external.hp.com/
)からダウンロードできます。
接続時に表示されるエラー内容
次に示すリストは、すべてが網羅されているわけではありませんが、問題の解決に役立つ場合があります。
「Not enough core(ENOMEM, errno=12
)」は、要求された共有メモリー量の割当てに問題があることを示しています。小さいPermSizeおよびTempSize属性にアタッチできるかどうかを確認します。
共有メモリーが断片化されている可能性があります。割当てを行うまで、比較的大きなセグメントにアタッチしていることがあります。ウィンドウ内で1GB(SHMEM_MAGIC
を使用する場合は2GB)を超える割当てを試行していないか確認します。
「Permission Denied(EACCES, errno=13
)」は、不適切なインスタンスにアタッチしようとしているか、不適切なメモリー・ウィンドウを指していることを示しています。setmemwindow(1M)
に渡される-i
引数を確認します。
「Invalid Argument(EINVAL, errno=22
)」は、共有セグメントが別のクワドラントに割り当てられている可能性があることを示しています。TimesTenプログラムをSHMEM_MAGIC
とマーク付けしたかどうかを確認します。また、ユーザー・アプリケーションもSHMEM_MAGIC
とマーク付けしたかどうかを確認します。
「No space left on device(ENOSPC, errno=28
)」は、システム構成で共有メモリー・セグメントまたは識別子が不十分であるか、あるいはシステムのスワップ領域が共有セグメントを割り当てるには不十分であることを示している可能性があります。shmseg
、shmmni
およびmaxswapchunks
の値を確認し、swapinfo(1M)
コマンドを実行します。
インストール時の問題を回避するには、前提条件をすべて満たす必要があります。インストレーション・ガイドおよびリリース・ノートの情報を使用して、次の項目を確認します。
必要なオペレーティング・システム・パッチをすべて適用していること。サポートされているバージョンのオペレーティング・システムを実行していること。
必要なカーネル構成の変更をすべて行っていること。
十分なディスク領域があること。
UNIXでは、ユーザーはTimesTen管理者グループのメンバーです。「TimesTenインスタンス管理者およびTimesTenユーザー・グループ」を参照してください。
Windowsでは、ローカルのAdministrators
グループのメンバーであるユーザーAdministrator
としてインストールすること。