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Oracle® WebLogic Communication Services 管理ガイド
11g リリース 1 (11.1.1)
B55505-01
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7 Sash によるユーザのプロビジョニング

この章では、Sash ユーティリティの使用について説明します。この章は以下の節で構成されています。

7.1 Sash の概要

Sapphire Shell (Sash) は、Oracle Database、XDMS (XML Document Management Server)、および RADIUS サーバに OWLCS ユーザをプロビジョニングするためのコマンドライン ユーティリティです。Sash のコマンドライン プロンプト (sash#) から、または CommandService MBean を使用して、ユーザをプロビジョニングできます。

OWLCS デプロイメント用のユーザ プロビジョニング リポジトリとして Oracle Internet Database (OID) を使用する方法については、『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle Internet Directory』を参照してください。

7.2 Sash の起動

Linux システムでは、OWLCS を起動および停止するスクリプトと同じフォルダに、Sash 起動スクリプト (sash.sh) があります。

7.2.1 コマンドラインからの Sash の起動

OWLCS では、コマンドラインから Sash を起動するための、次のようなショートカットが提供されています。

sash.sh (UNIX)

sash.bat (Windows)

このショートカットは、OWLCS インストール先の Oracle/Middleware/as11gr1wlcs1/communications/sash/bin にあります。

7.2.2 外部の OWLCS インスタンスへの Sash の接続

デフォルトでは、Sash は OWLCS のローカル インスタンスに接続します。必要に応じて、このデフォルト動作を無効にし、OWLCS の外部インスタンスまたは Oracle WebLogic Server の別のインスタンスに Sash を接続できます。

7.2.2.1 OWLCS の外部インスタンスへの接続

Sash は、RMI を通して OWLCS サーバに接続します。例 7-1 は、ホスト IP アドレスが 10.0.0.234 であるサーバに Sash を接続する方法を示しています。

例 7-1 OWLCS への Sash の接続

sash –-host 10.0.0.234

OWLCS に接続するときには、ユーザ名とパスワードの入力を求められます。ユーザ名は、OWLCS 管理者のユーザ名と同じです (OWLCSadmin)。パスワードも、OWLCS 管理者のパスワードと同じです。ログインに成功すると、Sash のコマンド プロンプト (sash) が表示されます。ログインに失敗すると、エラー メッセージが表示されます。

7.3 Sash の使用方法

Sash のコマンドは、2 つのグループに分かれています。1 つはシステム オブジェクトを作成、削除および更新するコマンドで、もう 1 つはシステムに情報を問い合わせるコマンドです。


注意 :

新しいアプリケーション使用方法を追加した場合、その新しいアプリケーション使用方法を使用するには、サーバを再起動する必要があります。

既存のアプリケーション使用方法を削除した場合、削除したアプリケーション使用方法を完全にアンロードするには、サーバを再起動する必要があります (つまり、削除したアプリケーション使用方法は、サーバが再起動されるまではロードされた状態のままであり、アンロードされると完全に使用不可になります)。

ファイル内の sash コマンドの前にスペースがある場合、そのファイルは sash コマンドへの入力として使用されても機能しません。sash 入力ファイルでは、sash コマンドの前のスペースを必ず削除してください。


7.3.1 使用できるコマンドの表示

help と入力すると、サーバで使用できるすべてのコマンドのリストが表示されます (表 7-1 を参照)。コマンドのリストは、サーバにデプロイされているコンポーネントによって異なります。

表 7-1 Sash のコマンド

コマンド 説明 エリアス サブコマンド

privateIdentity

認証に使用するプライベート通信 ID を追加および削除するコマンドです。

なし

次のサブコマンドがあります。

  • add – システムに新しいユーザを追加します。次に例を示します。

    privateIdentity add privateId=alice

  • delete – システムからユーザを削除します。次に例を示します。

    privateIdentity delete privateId=alice

publicIdentity

プライベート ID に関連付けられたパブリック ID を追加および削除するコマンドです。

pubid

次のサブコマンドがあります。

  • add – 特定のユーザに関連付けられたパブリック ID をシステムに追加します。次に例を示します。

    publicIdentity add publicId=sip:alice@test.company.com privateId=alice

  • delete – システムから通信 ID を削除します。次に例を示します。

    publicIdentity delete publicId=sip:alice@test.company.com privateId=alice

account

ユーザ アカウント管理用のコマンドが含まれます。このコマンドを使用すると、アカウントを、アクティブ、ロック、または一時的アカウントとして設定できます。

なし

次のサブコマンドがあります。

  • add – システムに新しいアカウントを追加します。構文は次のとおりです。

    account add uid=<string> [active=<true|false>] [locked=<true|false>] [accountExpiresAt=<accountExpiresAt>] [tempAccount=<true|false>] [description=<string>] [lockExpiresAt=<lockExpiresAt>] [currentFailedLogins=<integer>]

    例 : account add uid=alice active=true

  • delete – システムからアカウントを削除します。例 : account delete uid=<string>

  • update – アカウントを更新します。次に例を示します。

    account update uid=<string> [active=<true|false>] [locked=<true|false>] [accountExpiresAt=<accountExpiresAt>] [tempAccount=<true|false>] [description=<string>] [lockExpiresAt=<lockExpiresAt>] [currentFailedLogins=<integer>]

  • info – 特定のアカウントについての情報を取得します。例 : account info uid=<string>

role

システム内のロールの種類とユーザ ロールを管理します。role は、追加のセキュリティおよび認可メカニズムであり、sip.xml<auth-cons raint> 要素で定義されます。このコマンドは、アプリケーションへのユーザ グループのアクセスを認可します。アプリケーションでは、特定のロールに関するチェックを行います。OWLCS では、Proxy Registrar アプリケーションに対して 1 つの Location Services ロールが定義されています。

なし

サブコマンドには role systemrole user があります。

role system (role のサブコマンド)

ロールの種類を管理します。

なし

次のサブコマンドがあります。

  • list – システム内のロールをリストします。次に例を示します。

    role system list

  • add – システムに新しいロールを追加します。次に例を示します。

    role system add name=<string> [description=<string>]

  • update – システム内のロールを更新します。次に例を示します。

    role system update name=<string> [description=<string>]

  • delete – システムからロールを削除します。次に例を示します。

    role system delete name=<string> [description=<string>]

role user (role のサブコマンド)

ユーザ ロールを管理します。

なし

次のサブコマンドがあります。

  • add – ユーザにロールを追加します。次に例を示します。

    role user add uid=<string> name=<string>

  • delete – ユーザからロールを削除します。次に例を示します。

    role user delete uid=<string> name=<string>

  • list – ユーザのロールをリストします。次に例を示します。

    role user list uid=<string>

credentials

資格を管理するコマンドです。

なし

次のサブコマンドがあります。

  • add – ユーザに資格を追加します。次に例を示します。

    credentials add password=<string> realm=<string> uid=<string>

  • addAll – システム内でコンフィグレーション済みのすべてのレルムに対する資格をユーザに追加します。次に例を示します。

    credentials addAll password=<string> uid=<string>

  • delete – ユーザのレルム資格を削除します。次に例を示します。

    credentials delete realm=<string> uid=<string>

  • deleteAll – ユーザのすべての資格を削除します。次に例を示します。

    credentials deleteall uid=<string>

  • update – ユーザの資格を更新します。次に例を示します。

    credentials update password=<string> realm=<string> uid=<string>

  • updateAll – システム内でプロビジョニング済みのすべてのレルムに対するユーザの資格を更新します。次に例を示します。

    credentials updateAll password=<string> uid=<string>

  • list – 特定のユーザに対する資格が存在するすべてのレルムをリストします。次に例を示します。

    credentials list uid=<string>

identity add

ユーザの基本アカウントを作成できます。

なし

なし。「identity add コマンドによるユーザの作成」を参照してください。


7.3.1.1 サブコマンドの表示

特定のコマンドのサブコマンドを表示するには、help <command> と入力します。たとえば、account コマンドに対して help を入力すると (help account)、account コマンドで使用可能なサブコマンドの概要が表示されます (例 7-2 を参照)。

例 7-2 特定のコマンドのヘルプ情報の取得

*** Description ****
Contains commands for management of user accounts.
In an account you can set if the account is active, 
locked or if it perhaps should be a temporarily account.
 
Aliases: [no aliases]
 
Syntax:
account
 
Sub-commands:
# Adds a new account to the system
  account add uid=<string> [ active=<true|false> ] [ locked=<true|false> ] [ accountExpiresAt=<accountExpiresAt> ] [ tempAccount=<true|false> ] [ description=<string> ] [ lockExpiresAt=<lockExpiresAt> ] [ currentFailedLogins=<integer> ]
 
# Deletes an account
  account delete uid=<string> 
 
# Updates an account
  account update uid=<string> [ active=<true|false> ] [ locked=<true|false> ] [ accountExpiresAt=<accountExpiresAt> ] [ tempAccount=<true|false> ] [ description=<string> ] [ lockExpiresAt=<lockExpiresAt> ] [ currentFailedLogins=<integer> ]
 
# Retrieve information about a particular account
  account info uid=<string> 

help <command> と入力して表示される情報には、コマンド グループの概要だけでなく、コマンドのエリアス (ある場合) も含まれます。たとえば、例 7-2 の account コマンドの概要では、[no aliase ] (エリアスなし) と示されています。


注意 :

accountrolerole systemrole userprivateIdentitypublicIdentity、および identity とともに使用する delete コマンドには、以下のエリアスがあります。
  • remove

  • del

  • rm


コマンドの中には、パラメータを必要とするものがあります。たとえば、help role system add と入力すると、add コマンドにはロールの名前と、オプションで説明を設定するためのコマンドが必要であることが示されます。

role system add name=<string> [description=<string>]


注意 :

[description=<string>] のように、省略可能なコマンドは角括弧 [...] で囲まれています。

必須のパラメータを省略した場合、または認識できないパラメータを渡した場合は、警告が表示されます。

7.4 ユーザの作成

この節では、publicIdentity コマンドと privateIdentity コマンドについて、およびこれらと組み合わせて表 7-1 のサブコマンド addaccountrole、および credentials を使用して、Oracle Database にユーザ アカウントをプロビジョニングする方法について説明します。

プライベート ID (privateIdentity) は、特定の認証レルム内のユーザを一意に識別します。パブリック ID (publicIdentity) は、デバイスを登録するためにユーザが入力する SIP アドレスです。このアドレスはユーザの AOR (Address of Record) であり、ユーザが相互に呼び出しを行う手段です。1 人のユーザが持つことのできるプライベート ID は 1 つだけですが、そのプライベート ID に対して複数のパブリック ID を関連付けることができます。


注意 :

サードパーティのデータベース (RADIUS など) に対する認証を有効にする場合、Proxy Registrar および認証が必要な他のアプリケーションが正しく機能するためには、認証データを含み外部に格納されるユーザ アカウントが、プライベート ID と一致している必要があります。

ユーザを作成するには、最初に privateIdentity コマンドと add privateId サブコマンドを使用してプライベート ID を作成することでシステムにユーザを追加した後、publicIdentity コマンドと add publicId サブコマンドを使用してユーザに対するパブリック ID を追加します。

ユーザのプライベート ID とパブリック ID を作成した後は、account add uid コマンドでユーザのアカウントを作成し、必要に応じてアカウントのステータス (アクティブやロックなど) を設定します。role コマンドは、ロールベースのパーミッションに対するロール メンバーシップを設定します。role コマンドを使用してユーザのパーミッションのレベルを設定した後、credentials コマンドでユーザのレルムとパスワードを定義してユーザの資格を設定します。

7.4.1 Sash コマンドライン プロンプトからのユーザの作成

この節では、表 7-1 で説明したコマンドを使用して alice という名前の OWLCS ユーザを作成することで、Sash コマンド プロンプト (sash#、例 7-3 を参照) からユーザを作成する方法を示します。

  1. 次のようにして、privateIdentity コマンドを使用してユーザを作成します。

    privateIdentity add privateId=alice
    
  2. SIP アドレスを入力して alice のパブリック ID を作成します。

    publicIdentity add publicId=sip:alice@test.company.com privateId=alice
    
  3. alice のアカウントを追加し、表 7-1 で説明した省略可能なコマンドのいずれかを使用してアカウントのステータスを設定します。alice に対してアクティブなアカウントを作成するには、次のように入力します。

    account add uid=alice active=true
    

    注意 :

    OWLCS バージョン 10.1.3.2 では、uid は小文字である必要があります。OWLCS バージョン 10.1.3.2 を使用してプロビジョニングされている Oracle Communicator ユーザも、ログイン時には小文字でアカウント名を入力する必要があります。OWLCS バージョン 10.1.3.3 および 10.1.3.4 では、大文字と小文字が混在した uid がサポートされています。ただし、Oracle Communicator ユーザがログインするには、プロビジョニングされたとおりにユーザ名を入力する必要があります。たとえば、uid が Alice と定義されているユーザは、Alice でログインする必要があります。10.1.3.2 でプロビジョニングされたユーザは、10.1.3.2 から 10.1.3.4 にアップグレードしても、引き続き小文字を使用してログインする必要があります。

  4. role コマンドを使用して、Location Service ユーザ グループに alice を追加します。これにより、Proxy Registrar のロケーション サービス検索に対するパーミッションを alice に付与します。

    role user add uid=alice name="Location Service"
    
  5. alice のユーザ認証資格を追加します。

    credentials add uid=alice realm=test.company.com password=welcome1
    

    RADIUS ログイン モジュールを使用して RADIUS サーバに対してユーザを認証するようにコンフィグレーションされているアプリケーションの場合、credentials コマンドは必要ありません。これらのログイン モジュールの詳細については、第 5 章「セキュリティ機能の管理」を参照してください。


    注意 :

    Sash を使用してユーザに認証資格を追加する前に、SIP Servlet Container MBean を使用して realms をコンフィグレーションする必要もあります。

例 7-3 Sash コマンドライン プロンプトからのユーザの作成

sash# privateIdentity add privateId=alice
sash# publicIdentity add publicId=sip:alice@test.company.com privateId=alice
sash# account add uid=alice active=true
sash# role user add uid=alice name="Location Service"
sash# credentials add uid=alice realm=test.company.com password=welcome1

ヒント :

Sash バッチ ファイルを作成することで、複数のユーザを作成できます。詳細については、「Sash でのスクリプト作成」を参照してください。

7.4.2 Command Service MBean でのユーザの作成

Command Service MBean の execute 操作を使用して Sash のコマンドを実行できます。Command Service MBean は subscrdataservcommandsear アプリケーションで定義されています。

ユーザを作成するには、次の手順を実行します。

  1. execute 操作を選択します。execute 操作の [操作] ページが表示されます。

  2. [] フィールドに privateIdentity add privateId=alice と入力します。

  3. [起動操作] をクリックします。このプロセスをユーザ作成コマンドごとに繰り返します。たとえば、この後で publicIdentity コマンドと account コマンドを実行し、そのつど [起動操作] をクリックします。

7.4.3 identity add コマンドによるユーザの作成

identity add コマンドを使用すると、1 つのコマンド文字列でユーザを作成できます。このコマンドは、privateIdentitypublicIdentityaccountrole、および credentials の各コマンドに対するエリアスであり、ユーザが SIP クライアント経由で OCMS に接続するために必要な最低限の情報を含む基本的なユーザ アカウントを簡単に作成できます。たとえば、このコマンドを使用してユーザ alice の基本アカウントを作成するには、コマンドラインから、または Command Service Mbean の execute 操作を使用して、次のように入力します。

identity add privateId=alice publicId=sip:sip.alice@company.com role="Location Service" realm=company.com password=welcome1

注意 :

RADIUS システムに対してユーザを認証するようにコンフィグレーションされているアプリケーション (セキュリティ プロバイダとして RADIUS ログイン モジュールを使用するアプリケーション) の場合は、ユーザ アカウントを作成するコマンドは次のようになります。
identity add privateId=alice publicId=sip:sip.alice@company.com role="Location Service" 

identity add コマンドを使用して作成できるのは、基本ユーザ アカウントのみです。複数の publicId を単一の privateId と関連付けるような複雑な構成を必要とするアカウントの場合は、例 7-3 で示されているように、複数の Sash コマンドを使用して作成する必要があります。

7.4.3.1 identity delete コマンドによるユーザ アカウントの削除

identity delete コマンドを使用すると、単一のコマンド文字列で、ユーザのロール、資格、アカウント情報、パブリック ID とプライベート ID のすべてを削除できます。たとえば、このコマンドを使用してユーザ alice のアカウントを削除するには、コマンドラインから、または Command Service Mbean の execute 操作を使用して、次のように入力します。

identity delete privateId=alice

7.5 Sash を使用した XDMS のプロビジョニング

XDMS をプロビジョニングするためのコマンドは、xcap グループに含まれます。これらの各コマンドの前には xcap が付きます。ユーザのプロビジョニングをサポートする xcap グループの XDMS コマンドは、user サブグループと applicationUsage サブグループに含まれます。XDMS のプロビジョニングは、Sash プロンプトから、または Presence アプリケーションで提供されている CommandService MBean を使用して行うことができます。

7.5.1 CommandService MBean を使用した XDMS ユーザ アカウントのプロビジョニング

Presence アプリケーションに登録された CommandService MBean で提供されている execute コマンドを使用して、XDMS をプロビジョニングすることができます。XDMS にアカウントをプロビジョニングするには、「Command Service MBean でのユーザの作成」で説明されている CommandService MBean の execute 操作を使用します。MBean 自体の詳細については、「Command Service (XDMS プロビジョニング)」を参照してください。

7.5.2 Sash プロンプトからの XDMS ユーザ アカウントのプロビジョニング

XDMS コマンドを使用して Sash プロンプトからユーザおよびアプリケーション使用方法をプロビジョニングするには、最初に Presence などの XMDS 利用アプリケーションに接続する必要があります。

Windows システムの場合、コマンド プロンプトから次のように入力します。

launch_sash.bat -a <application name>

Linux の場合、次のように入力します。

launch_sash.sh -a <application name>

たとえば、Windows システムで Presence アプリケーションに接続するには、次のようにします。

  1. コマンド プロンプトで、Sash の実行可能ファイルが格納されている sbin ディレクトリに移動します。このファイルは MIDDLEWARE_HOME/as11gr1wlcs/communications/sash/sbin にあります。

  2. sash.bat -a presenceapplication を使用して、Presence アプリケーションの名前を入力します。

  3. プロンプトが表示されたら、OWLCS 管理者の名前とパスワードを使用して Sash にログインします。

  4. Sash のコマンド プロンプトから、xcap user list などの XDMS コマンドを入力します。

7.5.3 xcap コマンドの使用

この節では、xcap グループのコマンドを使用してユーザ アカウントとアプリケーション使用方法を管理する方法について説明します。

7.5.3.1 XDMS ユーザ アカウントのプロビジョニング

adddeletelist の各コマンドを使用して、XDMS のユーザ アカウントを管理できます。

7.5.3.2 XDMS ユーザの追加

xcap user add コマンドは、指定したユーザ名とアプリケーション使用方法で XDMS ユーザを追加します。たとえば、Sash プロンプトからユーザを追加するには、次のように入力します。

sash# xcap user add userName=<string> appusage=<string>

注意 :

自動的にユーザを作成するように XDMS がコンフィグレーションされている場合は、add コマンドを使用しないでください。XCAP のコンフィグレーションの詳細については、節 9.2.9「XCapConfigManager」を参照してください。

7.5.3.3 XDMS ユーザの削除

xcap user delete コマンドは、指定したユーザ名の XDMS ユーザ (およびすべての既存ドキュメント) をアプリケーション使用方法から削除します。たとえば、Sash プロンプトからユーザを削除するには、次のように入力します。

sash# xcap user delete userName=<string> [ appusages=<string> ]

アプリケーション使用方法のパラメータ (appusages) は省略可能です。アプリケーションの使用方法を指定しないと、ユーザはすべてのアプリケーション使用方法から削除されます。

7.5.3.4 XDMS ユーザのアプリケーション使用方法の検索

xcap user appusages コマンドは、指定したユーザに該当するすべてのアプリケーション使用方法を返します。ユーザに割り当てられているアプリケーション使用方法を確認するには、Sash プロンプトから次のように入力します。

sash# xcap user appusages userName=<string>

7.5.3.5 XDMS ユーザのリスト表示

xcap user list コマンドは、システム内のすべての XDMS ユーザを返します。オプションを指定して、特定のアプリケーション使用方法に対する XDMS ユーザのみを取得することもできます。

sash# xcap user list [ all=<true|false> ] [ appusage=<string> ]

省略可能な all パラメータを設定しないと、結果の表示は最大 100 ユーザに限定されます。

7.5.3.6 アプリケーション使用方法のプロビジョニング

XDMS アプリケーション使用方法のプロビジョニングのためのコマンドは、appusage グループ (xcap appusage) のものです。resource-lists_au.xmlpidfmanipulation_au.xml、および presrules_au.xml という 3 種類のアプリケーションがサポートされています。

アプリケーション使用方法を追加するための SASH コマンドは、次のようになります。

xcap appusage create appusage=<application_usage> configurationFilename=<application>_au.xml

3 種類のアプリケーションを次の表に示します。

表 7-2 サポートされているアプリケーションの種類

applicationUsage configurationFilename

resource-lists

resource-lists_au.xml

pidf-manipulation

pidfmanipulation_au.xml

pres-rules

presrules_au.xml


7.5.3.7 すべてのアプリケーション使用方法のリスト表示

xcap appusage list コマンドは、サーバ上のすべてのアプリケーション使用方法を返します。たとえば、Sash プロンプトから次のように入力します。

sash# xcap appusage list

7.6 Sash でのスクリプト作成

複数の操作を含む、よく実行されるタスクのためのスクリプトを作成できます。Sash を起動して、コマンドのリストを含むファイルを実行できます。スクリプトを有効にするために、Sash では次のようなコマンドライン フラグが提供されています。

7.7 Sash でのエラー ロギング

Sash はいずれのファイルにもログを記録しません (デフォルト コンフィグレーション)。コンソールのみにメッセージを出力します。Sash のログ レベルは、$ORACLE _HOME/as11gr1wlcs1/communications/sash/conf でコンフィグレーションされます。