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Oracle® Fusion Middlewareパッチ・アシスタントによる11.1.1.1.0から11.1.1.2.0への移行
11gリリース1(11.1.1)
B61392-01
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2 移行の準備

この章は次の項で構成されています:

2.1 Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)環境の評価と確認

移行プロセスの1つ目の手順は、現在のOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)環境を評価することです。移行プロセス時は、デプロイメントのトポロジを変更する必要はなく、ポート構成を保持する必要があります。ネームスペースについては最小限の変更があります。ネームスペースの変更はすべてpatchMaster.propertiesファイルのプロパティによってカプセル化されています。このファイルは、fmw11gR1ps1_patchassist.zipファイルに含まれています。

このパッチ・セットに含まれる製品のリストについては、3.7項「パッチ・アシスタントでサポートされるOracle Fusion Middlewareコンポーネント」を参照してください。

2.2 構成の移行の準備

このセクションのトピックは次のとおりです:

2.2.1 前提条件

この項では、パッチ・アシスタントを実行するための一般的な前提条件および製品固有の前提条件について説明します。

この項のトピックは次のとおりです:

2.2.1.1 一般的な前提条件

パッチ・アシスタントを実行するための一般的な前提条件は、次のとおりです。

  • Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)がインストールされ、構成されていることを確認します。

  • 11.1.1.1.0インストールと同じオペレーティング・システムに11.1.1.2.0がインストールされていることを確認します。

  • システム構成が製品ドキュメントで説明されている推奨システム構成を満たしていることを確認します。詳細は、http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.htmlを参照してください。

  • Apache Ant 1.7.0およびJava JDK(Java SE 6 1.6.0_11およびjrockit_160_05_R27.6.2-20)があることを確認します。これらは、Oracle WebLogic Serverのパッケージに含まれています。


    注意:

    Oracle Internet Directory、Oracle Virtual Directory、Oracle HTTP ServerまたはOracle Web CacheをスタンドアロンOracle Fusion Middlewareインストールとして使用している場合、Apache Antを別にインストールして構成する必要があります。詳細は、http://ant.apache.org/manual/installlist.htmlの「Installing Ant」および「パッチ・アシスタントの環境の設定」を参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)インストールで使用されているトポロジを詳細に記録しておきます。

  • 既存のOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)インストールのポート構成およびインスタンス名を変更していないことを確認します。

  • Microsoft Windowsのtmpおよびtempディレクトリの環境変数が、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドの説明どおりに設定されていることを確認します。

  • このパッチ・セットを適用する前、または既存のOracleソフトウェアに他の変更を行う前に、Oracleソフトウェア、インベントリ、スキーマおよびドメインをバックアップします。Oracleソフトウェアおよびインベントリのバックアップ手順については、製品の管理者ガイドを参照してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の高度な管理のバックアップとリカバリに関する項を参照してください。

  • Windowsの場合は、メモ帳でpatchMaster.propertiesファイルを編集することをお薦めします。Windowsワードパッドなど、他のテキスト・エディタを使用する場合は、ファイルをテキスト・ドキュメントとして保存します。ファイルをリッチ・テキスト形式で保存しないでください。

  • Windowsでは、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.2.0)をインストールする前にOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)のサービス名を削除する必要があります。これは、11.1.1.1.0と11.1.1.2.0の両方のインストールで同じサービス名が使用されているためです。サービス名を削除するには、コマンドラインで次のAntタスクを実行します。

    ant master-opmn-delete-service
    

    Antタスクによってプロンプトが表示されたら、必要な情報を入力します。


    注意:

    移行を中止して11.1.1.1.0デプロイメントに戻す場合は、コマンドラインで次のAntタスクを実行します。
    ant master-opmn-create-service
    

  • 移行プロセス時に、クラスタ内の異種ノード(11.1.1.2.0のノードと、11.1.1.2.0のノード)はサポートされません。環境を使用可能にするには、すべてのノードを11.1.1.2.0に移行する必要があります。

2.2.1.2 製品固有の前提条件

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントによっては、次に示す追加の前提条件を満たす必要がある場合があります。

2.2.1.2.1 Oracle Fusion Middleware監査フレームワーク

Oracle Fusion Middleware監査フレームワークの場合、監査ポリシーはOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)でJavaコンポーネント用に設定されます。パッチ・アシスタントを実行する前に、次のように構成をエクスポートする必要があります。

  1. Oracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. 左のペインで「WebLogicドメイン」を開き、自分のドメインを選択します。

    選択したドメイン・ページが表示されます。

  3. 「WebLogicドメイン」から「セキュリティ」を選択してから、「監査ポリシー」を選択します。

    「監査ポリシー」ページが表示されます。

  4. 「監査ポリシー」を選択して、「エクスポート」をクリックします。

  5. AuditConfigurationファイルをマシンに保存します。

2.2.1.2.2 Oracle Directory Integration Platform

Oracle Directory Integration Platformの場合は、次の手順を実行します。

  1. Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.2.0)のOracle Internet Directoryが起動し、SSL No-Authモードで実行されていることを確認します。

  2. 次のコマンドを実行して、Oracle Internet Directory 11gリリース1(11.1.1.2.0)インストール時に作成されたOracle WebLogicドメインを拡張します。

    Windows

    config.cmd(場所: ORACLE_HOME\bin)

    UNIX

    config.sh(場所: ORACLE_HOME/bin)

    Oracle Fusion Middleware構成ウィザードが表示されます。Oracle Internet Directory 11gリリース1(11.1.1.2.0)の接続の詳細および資格証明を入力します。

  3. Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.2.0)のドメインを停止します。

2.2.1.2.3 Oracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directory

インストールに応じて、次の前提条件を満たします。

  • 11.1.1.1.0構成に新しいOracle WebLogicドメインで作成されたOracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryがある場合は、11.1.1.2.0ドメインの構成時に、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードの「ようこそ」画面で「新しいWebLogicドメインの作成」オプションを選択します。

    11.1.1.2.0の構成時に、「新しいWebLogicドメインの作成」オプションを選択した場合は、「Oracle Internet Directory」および「Oracle Virtual Directory」の選択を解除し、「Oracle Directory Services Manager」を選択する必要があります。

  • Oracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryが11.1.1.1.0の構成のどのOracle WebLogicドメインにも登録されていない場合、11.1.1.2.0の構成は必要ありません。patchMaster.propertiesファイルのプロパティpatchMaster.Oracleinstancenewlistを、インスタンスの新しいディレクトリに設定する必要があります。11.1.1.1.0と同じインスタンス名が保持されていることを確認します。

  • 11.1.1.1.0の構成でOracle Internet DirectoryとOracle Virtual Directoryが既存のOracle WebLogicドメインに登録されている場合、11.1.1.2.0の構成は必要ありません。patchMaster.propertiesファイルのプロパティpatchMaster.Oracleinstancenewlistを新しいディレクトリに設定し、Antターゲットを使用してインスタンスを既存の11.1.1.2.0 WebLogicドメインに登録する必要があります。11.1.1.1.0と同じインスタンス名が保持されていることを確認します。

2.2.1.2.4 Oracle WebCenter

Oracle WebCenterを移行するには、次のいずれかの方法で実行できます。

  • Oracle WebCenterの2つのパラレル・インスタンス(11.1.1.1.0および11.1.1.2.0)を保持します。これを実現するには、Oracle WebCenter 11.1.1.2.0の完全インストールを実行する必要があります。その後、エクスポートおよびインポート・ユーティリティを使用してOracle WebCenter 11.1.1.1.0データを新しいWebCenterインスタンスに移行できます。この方法では、必要に応じて、Oracle WebCenterの両方のインスタンスを使用することができます。たとえば、2つのインスタンスをパラレルに実行して、停止時間を最小限に抑えたり、11.1.1.2.0インスタンスに完全に切り替える前に11.1.1.2.0インスタンスを11.1.1.1.0インスタンスと同レベルまで確実に設定することができます。

    Oracle WebCenterのインストール方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterのインストレーション・ガイドを参照してください。エクスポートおよびインポート・ユーティリティの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterの管理者ガイドの「WebCenterのエクスポート、インポート、バックアップおよびリカバリの管理」を参照してください。

  • Oracle WebCenter 11.1.1.1.0リポジトリおよび中間層を、完全にOracle WebCenter 11.1.1.2.0に移行します。この方法では、Oracle WebCenter 11.1.1.1.0リポジトリ・データが保持され、そのリポジトリを再利用することができます。

    このマニュアルでは、Oracle WebCenterのこの移行方法を実現するために必要なタスクについて説明します。

2.2.2 パッチ・アシスタントの内容の解凍

fmw11gR1ps1_patchassist.zipをダウンロードできます。これは、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1パッチ・セット1パッチ・スクリプト・メディアに含まれています。このzipファイルは、Oracle Technology Network(OTN)のOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.2.0)と同じメディア・パックから利用できます。OTNには、http://oracle.com/technologyでアクセスできます。

このzipファイルをダウンロードしたら、その内容を、ローカル・マシン(新旧のOracle Fusion Middlewareコンポーネントがインストールされる)の専用の場所に解凍します。11.1.1.1.0インストールと11.1.1.2.0インストールで使用するオペレーティング・システムが、同じであることを確認します。zipファイルには、次のファイルが含まれています。

  • README: 環境についての説明。

  • patchMaster.properties: ユーザーの入力ファイル。

  • build.xml: マスター・ビルド・ファイル。各Oracle Fusion Middlewareコンポーネントはそれ専用のbuild.xmlファイルを持ちます。

2.2.3 パッチ・アシスタントの環境の設定

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.2.0)のパッチ・アシスタントの環境を設定するには、ANT_HOMEを設定し、それをPATHに追加し、JAVA_HOMEpermgenサイズを設定する必要があります。

Windowsの場合の例:

set ANT_HOME=MW_HOME\modules\org.apache.ant_1.7.0
set PATH=%PATH%;%ANT_HOME%\bin
set JAVA_HOME=MW_HOME\jdk160_14_R27.6.4-18
set ANT_OPTS=-Xmx512M -XX:MaxPermSize=512m

UNIXの場合の例:

setenv MW_HOME ##set mw home here##
setenv ANT_HOME $MW_HOME/modules/org.apache.ant_1.7.0
setenv PATH $ANT_HOME/bin:$PATH
setenv JAVA_HOME $MW_HOME/jdk160_14_R27.6.5-32
setenv ANT_OPTS "-Xmx512M -XX:MaxPermSize=512m"

2.2.4 Oracle Fusion Middlewareの停止

パッチ・アシスタントを実行する前に、次のものを停止する必要があります。

  • Oracle WebLogic Server

  • 管理サーバー

  • 管理対象サーバー

  • Oracle Management Agent

  • Java EEアプリケーション

  • 高可用性環境

詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の「Oracle Fusion Middlewareの起動と停止」を参照してください。

2.2.5 ロギング・プロパティの設定

移行の検証、またはパッチ・アシスタント実行後のエラーの検出には、ログ・ファイルを使用できます。パッチ・アシスタントはパッチ・アシスタント・ホームにタイムスタンプ・ファイルを作成します。次のロギング・レベルを指定できます。

  • info (デフォルト設定)

  • error

  • warning

  • verbose

  • debug


注意:

debugおよびverboseオプションの場合、ログに機密情報が表示される場合があるため、標準として使用することはお薦めしません。

ログ・ファイルを使用する前に、ロギング・プロパティを次のように設定する必要があります。

patchMaster.propertiesファイルをテキスト・エディタで開いて、次のプロパティを更新します。

# Description: Specifies the directory where the log files go
patchMaster.Logdir=${patchMaster.Dir}

ログ・ファイルが保存されるデフォルトの場所を指定します。

# Description: Specifies the logging level to be recorded in the log file
patchMaster.Loglevel=info

ロギング・レベルを設定します。

デフォルトのpatchMaster.propertiesログ・レベルをオーバーライドするには、次の例に示すようにコマンドを実行します。

ant -DpatchMaster.Loglevel=error

注意:

コマンドラインでプロパティを設定することで、patchMaster.propertiesをオーバーライドできます。コマンドラインでdebugまたはverboseオプションを使用すると、これらはpatchMaster.propertiesファイルで設定されているロギング・レベルのプロパティをオーバーライドします。詳細は、3.6.1項「patchMaster.propertiesファイルで設定されているプロパティのオーバーライド」を参照してください。