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Oracle® Fusion Middleware Oracle Portal開発者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B61384-01
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1 ポートレットの概要

この章では、ポートレットの概要を示し、例を使ってポートレットの使用方法を説明します。また、ポートレットの構造およびポートレットを作成するためのリソースについて説明します。この章の内容は、次のとおりです。

1.1 ポータル開発の概要

Oracle Portalを使用すると、複数の関連性のないデータソースからの情報を1つの編成されたビューに表示できます。このビューがポータル・ページで、1つ以上のポートレットと呼ばれるコンポーネントからなり、各コンポーネントは、それぞれのコンテンツを異なるデータソースから取得できます。

Oracle Portalには、ポートレットを開発してポータル・ページに追加するために必要なツールがすべて用意されています。Oracle Portalのツールは、ビジネス開発の初心者から経験豊かなITプログラマに至る広範な開発技能をサポートします。ポートレットは、Oracle Portalユーザー・インタフェースを介して宣言型としてでも、Oracle Portal Developer Kit(PDK)と呼ばれるOracle PortalのApplication Program Interface(API)のコレクションを介してプログラムとしてでも開発できます。さらに、Oracle Portalに対しては外部の他の開発ツールを使用してポートレットを開発し、PDKおよびプロバイダと呼ばれるOracle Portalエンティティによって統合できます。プロバイダの詳細は、第2章「ポートレット・テクノロジのマトリックス」を参照してください。

この章では、ポートレットを定義し、事前に構築されたポートレットのソースとポートレット構築用のリソースをリストして説明します。また、そのジョブに対する最適なリソースを示します。

1.2 ポートレットの概要

ポートレットは再利用可能なWebコンポーネントで、多数の異なるソースからコンテンツを描画できます。一般的なポートレットは、図1-1に示すように、Webコンテンツのサマリーを表示するポートレットです。

図1-1 My Oracleホーム・ページのポートレット

my.oracle.comのポートレットを示します。
「図1-1 My Oracleホーム・ページのポートレット」の説明

たとえば、ポータルには、リンクされたニュース記事の見出しを表示するニュース・フィード・ポートレットを設定できます。これらの見出しには、記事の内容を説明するセンテンスがそれぞれ含まれています(図1-2)。

図1-2 My Oracleホーム・ページのOracleニュース・ポートレット

my.oracle.comのOracleニュース・ポートレットを示します。
「図1-2 My Oracleホーム・ページのOracleニュース・ポートレット」の説明

ユーザーは、リンクされた見出しをクリックして、外部のニュース・サービスでホスティングされている記事のフル・テキストを取得します(図1-3)。このポートレットには、ソースでのニュース記事の追加と削除にあわせて、見出しを自動的に変更するという動的な性質があります。

図1-3 ポートレット・リンクからのコンテンツ・ターゲット

ポートレット・リンクからのコンテンツ・ターゲットを示します。
「図1-3 ポートレット・リンクからのコンテンツ・ターゲット」の説明

ポートレットは、複数のソースからのデータを意味のある関連付けられた形式で表示する手段を提供します。ポートレットでは、他のWebサイトからの抜粋の表示、主要情報のサマリーの生成、検索の実行および多様なデータソースからの情報を収集したコレクションへのアクセスなどを実行できます。共通のページに様々なポートレットを配置できるため、ユーザーは単一のソースとして利用できます。実際には、コンテンツは複数のソースから導出される場合があります。

1.3 ポートレットの構造

ページ上のOracle Portalポートレットは、HTML表のセルでレンダリングされます。ポートレットには、HTML、書式設定したテキスト、イメージ、HTMLフォームの要素など、様々な種類のコンテンツを表示できます。

図1-4は、標準的なポートレットの構造です。ポートレットのタイトルを含むヘッダーがあります。ポートレット・タイトルにはハイパーリンクを作成できます。このリンクによって、ユーザーがタイトルをクリックすると、ポートレットがフル・ブラウザ・ページに表示されます。ポートレットには、レイアウトをページ上の他のポートレットと区別できるように、境界線を含めることもできます。

ポートレット開発者は、「パーソナライズ」や「ヘルプ」、「情報」といったリンクをページ設計者に公開し、ページ設計者はこれらのリンクをオンまたはオフにできます。「パーソナライズ」リンクをクリックすると、多数のオプションが表示されます。このオプションで、エンド・ユーザーはポートレットの各種の属性をパーソナライズできます。「ヘルプ」リンクをクリックすると、ヘルプ・テキストを含むウィンドウが表示されます。このウィンドウは、ポートレットでのエンド・ユーザーの操作を補助するために作成できます。「情報」リンクをクリックすると、ウィンドウが表示されます。このウィンドウは、ポートレットの内容を説明するために作成できます。

各ポートレットには、「リフレッシュ」アイコンおよび標準の「閉じる」アイコンも表示されます。このアイコンをクリックすると、ページ上のポートレットを閉じたり開いたりできます。

図1-4 ポートレットの構造

ポートレットの構造を示します。
「図1-4 ポートレットの構造」の説明

1.4 ポートレット・リソース

ポートレット・リソースには、事前に構築されたポートレットが多数含まれています。これらのポートレットは、複雑な設定なしに、Oracle Portal、Oracle E-Business Suiteおよびサード・パーティのソースなどの多くのソースから使用できます。ポートレット・リソースには、ポートレット構築ツールも含まれています。これらのツールは、Oracle Portalのユーザー・インタフェースを介して利用することも、PDKや他のOracle Toolsから利用することもできます。これらのツールには、異なる開発者のロールをターゲットにした異なる製品機能がそれぞれ用意されています。

この項では、様々なポートレット・リソースについて説明し、リソースの使用に必要な専門知識のレベルと最適な使用例を示します。この項の内容は、次のとおりです。

この項では、様々なポートレット・リソースの概要を説明します。各ツールとその利点の詳細は、第2章「ポートレット・テクノロジのマトリックス」を参照してください。

1.4.1 複雑な設定が不要なポートレット

概要

複雑な設定が不要なポートレットとは、事前に構築されて完全に開発された登録済のポートレットのことで、Oracle Portalをインストールすると、ポートレット・リポジトリからすぐに使用できます(図1-5)。このポートレットには、「検索」、「保存された検索」、「お気に入り」、「通知」などが含まれます。

図1-5 ポートレット・リポジトリ

ポートレット・リポジトリを示します。
「図1-5 ポートレット・リポジトリ」の説明

Oracle Portalの事前に構築されたポートレットについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド』を参照してください。

対象ユーザー

複雑な設定が不要なポートレットは、エンド・ユーザーおよびページ設計者に最適なポートレットですが、あらゆる専門知識レベルのユーザーが使用できます。

使用する場合

複雑な設定が不要なポートレットは、そのポートレットが提供する機能がニーズを満たしている場合や、すぐに利用できるパーソナライズのレベルで目的のタスクを十分に完了できる場合に使用します。

異なるユーザー・インタフェースが必要な場合や希望する機能のために複雑な設定が必要な場合など、ポートレットの拡張やパーソナライズが必要なときには、別の方法を検討してください。

各技術を使用する必要がある場合の詳細は、第2章「ポートレット・テクノロジのマトリックス」を参照してください。

1.4.2 事前に構築されたポートレットのその他のソース

概要

事前に構築されたポートレットのその他のソースには、パートナ・ポートレットと統合化ソリューションが含まれます。

詳細はOTN

パートナ・ポートレットは、オラクル社と、主要なシステム・インテグレータ、ソフトウェア・ベンダーおよびコンテンツ・プロバイダとの提携によって提供されます。キーワードportalまたはportletを使用してOracle PartnerNetwork Solutions Catalogを検索することで、これらのポートレットにアクセスできます。

http://solutions.oracle.com

たとえば、事前に構築されたポートレットには、次の目的に使用されるものがあります。

  • Point-to-Point運転方向の生成

  • 広範囲なソースからのIT情報へのアクセス

  • ニュース、株式および天気に関するサマリー情報の表示

詳細はOTN

Portal Integration(POINT)Solutionsは、Microsoft Exchange、Lotus Notes、SAP、IMAP、SMTPなどの一般的なアプリケーションの基本機能が必要な顧客にソリューションを提供します。これらのポートレットは、OTNの「Oracle Portal Integration Solutions」ページから入手できます。

http://www.oracle.com/technology/products/ias/portal/point.html

対象ユーザー

完全に開発されたダウンロード可能なポートレットは、Oracle PortalでのWebプロバイダとデータベース・プロバイダのダウンロード、インストールおよび登録方法を理解しているエンド・ユーザーやページ設計者に最適なポートレットです。これらのポートレットは、すべての経験レベルで使用可能です。

使用する場合

複雑な設定が不要なポートレットと同様に、他のソースによって事前に構築されたポートレットは、そのポートレットが提供する機能がニーズを満たしている場合や、すぐに利用できるパーソナライズのレベルで目的のタスクを十分に完了できる場合に使用します。

異なるユーザー・インタフェースが必要な場合や希望する機能のために複雑な設定が必要な場合など、ポートレットの拡張やパーソナライズが必要なときには、別の方法を検討してください。

1.4.3 Webクリッピング

概要

Webクリッピングは、ブラウザ・ベースの宣言型ツールで、これを使用すると、WebアプリケーションとOracle Portalを統合できます。このツールは、Webアプリケーションの既存のユーザー・インタフェースを利用して迅速に統合できるように設計されています。Webクリッピングは、Oracle PortalのコンポーネントであるPDK-Javaを使用してWebプロバイダとして実装されています。

Webクリッピング・ポートレットを作成する場合、ポータル・ページの設計者は、Webブラウザを使用して必要なコンテンツを含むWebページにナビゲートします。ページ設計者は、Webクリッピング・スタジオを使用して、ターゲット・ページのビジュアル・レンダリングをドリルダウンし、必要なコンテンツを選択できます(図1-6および図1-7)。

図1-6 Webクリッピング・スタジオを使用したWebコンテンツの選択

Webクリッピング・スタジオを使用して選択されたWebコンテンツを示します。
「図1-6 Webクリッピング・スタジオを使用したWebコンテンツの選択」の説明

図1-7 ポータルでポートレットとしてレンダリングされたクリップしたコンテンツ

ポータルでポートレットとしてレンダリングされたクリップしたコンテンツを示します。
「図1-7 ポータルでポートレットとしてレンダリングされたクリップしたコンテンツ」の説明

Webクリッピングは次の機能をサポートします。

  • 様々なスタイルのログイン・メカニズムを介したナビゲーション。これには、フォーム・ベースとJavaScriptベースの送信、およびCookieベースのセッション管理を使用したHTTPのBasic認証とDigest認証が含まれます。

  • クリッピングのファジー・マッチング。ソース・ページ内部でWebクリッピングの順序が変更されたり、文字のフォント、サイズまたはスタイルが変更された場合でも、Webクリッピング・エンジンでは正確に識別され、ポートレット・コンテンツとして配信されます。

  • 広範囲なWebコンテンツの再利用。これには、HTTPのGETとPOST(フォーム送信)を使用して取得された、HTML 4.0.1、JavaScript、アプレットおよびプラグイン対応コンテンツで作成されたページの基本サポートが含まれます。

  • パーソナライズ。ページ設計者は、ページの閲覧者がポートレットのパーソナライズ時に変更できる入力パラメータを公開できます。これらのパラメータは、ページ設計者がOracle Portalのページ・パラメータとしてマップできるパブリック・パラメータとして公開できます。この機能により、エンド・ユーザーはパーソナライズされたクリッピングを取得できます。

  • シングル・サインオンを使用した認証されているWebコンテンツの統合。これには、外部アプリケーションとの統合が含まれます。この統合によって、Oracle Application Server Single Sign-Onの利用や、認証されている外部Webサイトのコンテンツのクリップが可能になります。

  • インライン・レンダリング。このレンダリングによって、Webクリッピング・ポートレットは、ポートレットのコンテキスト内にリンクを表示するように設定できます。その結果、ユーザーがWebクリッピング・ポートレット内でリンクをクリックすると、同じポートレット内に結果が表示されます。この機能は、内部および外部のWebサイトで使用できます。

  • プロキシ認証。これには、グローバルなプロキシ認証やユーザーごとの認証のサポートも含まれます。プロキシ・サーバーのレルムを指定し、すべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードで自動的にログインするか、各ユーザーが個別のユーザー名とパスワードでログインするか、またはすべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードでログインするかを指定できます。

  • イメージのリソース・トンネリング

  • Open Transport API。クリップされたサイトに対する認証メカニズムをカスタマイズするためのAPI。

  • セキュリティ拡張。これにより、管理者はWebクリッピング・ポートレットによってクリッピングできるコンテンツへのアクセスを制御できます。

  • URLベースのポートレットからの移行。URLベースのポートレットからWebクリッピングへの移行を可能にします。

対象ユーザー

Webクリッピングは、既存のWebページを利用してポートレットを迅速に開発するページ設計者およびポートレット開発者に最適です。Webクリッピング・ポートレットは、Oracle Portalのポートレット・リポジトリで複雑な設定をしなくてもアクセスし、使用できます。適切な権限を持つユーザーであれば誰でも、このポートレットをページに追加できます。

使用する場合

Webクリッピングは、既存のWebページのライブ・コンテンツおよび機能の目的を変更し、ポータルでポートレットとして公開する場合に使用します。クリップしたポートレット内で情報の表示方法を変更する場合は、別の方法を検討してください。つまり、ユーザー・インタフェースやアプリケーション・フローを制御する必要なしに、Webベースのアプリケーションにアクセスします。より高いレベルの制御が必要な場合は、WebクリッピングのかわりにOmniPortletのWebページ・データソースを使用してください。

Webクリッピング・ポートレットの使用は、次の例のような場合に検討します。

  • 株式チャート・ポートレット。株式市場の日次実績チャートを、自社の財務顧問のWebサイトから表示するポートレットを作成する場合。この情報は、自社でプロキシを使用している場合でも、外部Webサイトからクリップできます。

  • パーソナライズされた天気ポートレット。天気情報を主要なインターネット天気サイトから表示するポートレットを作成し、必要な郵便番号を指定して、ユーザーがそのポートレットをパーソナライズできるようにする場合。

  • Webメール・ポートレット。ユーザーがそれぞれの機密Webメール・アカウントにポートレット経由でアクセスし、そのポートレット内に表示する受信ボックスにアクセスする場合。

Webクリッピングの使用方法は、第5章「Webクリッピングを使用したコンテンツ・ベースのポートレットの作成」を参照してください。


注意:

Webクリッピング・ポートレットまたはOmniPortletまたはWindows(2000 SP4、2003(32ビット)SP2/R2またはそれ以降、XP SP2/R2またはそれ以降、Vista、Server 2008)搭載のシンプル・パラメータ・フォームを使用するには、Firefox 3.0またはそれ以降か、Microsoft Internet Explorer 7あるいはそれ以降を使用する必要があります。

1.4.4 OmniPortlet

概要

OmniPortletは宣言型のポートレット構築ツールで、これを使用すると、XMLファイル、複数値を特定文字で区切ったファイル(CSV、たとえばスプレッドシートなど)、Webサービス、データベース、WebページおよびSAPデータソースを含めた多様なデータソースに対してポートレットを構築できます。OmniPortletユーザーは、データに対して事前に作成されたレイアウトを選択することもできます。事前に作成されたレイアウトには、表、ニュース、箇条書き、フォーム、チャートまたはHTMLが含まれます。HTMLレイアウトを使用すると、OmniPortletユーザーは独自のHTMLを作成し、データをそのHTMLに挿入できます。図1-8は、表形式を使用したOmniPortletを示します。

図1-8 表形式を使用したOmniPortlet

表形式を使用したOmniPortletを示します。
「図1-8 表形式を使用したOmniPortlet」の説明


注意:

Oracle PortalにはSAPデータソースは含まれていません。SAPデータソースの使用方法は、OTNの「Oracle Portal Integration Solutions」ページを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/products/ias/portal/point.html


Webクリッピングと同様に、OmniPortletでは、グローバルなプロキシ認証やユーザーごとの認証などのプロキシ認証をサポートします。すべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードで自動的にログインするか、各ユーザーが個別のユーザー名とパスワードでログインするか、またはすべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードでログインするかを指定できます。

詳細はOTN

OmniPortletの詳細は、Portal Centerを参照してください。次のURLにアクセスし、「Portlet Development」をクリックします。

http://portalcenter.oracle.com

対象ユーザー

OmniPortletは、対象データへのURLについて最小限のことしかわからないビジネス・ユーザーに最適です。

使用する場合

OmniPortletは、多様なレイアウトを使用した多様なデータソースに対してポートレットを迅速に構築する場合に使用します。ポートレットの設計や機能を完全に制御する場合は、別の方法を検討してください。

OmniPortletの使用は、次の例のような場合に検討します。

  • RSSニュース・フィード・ポートレット。ユーザーに対してライブのニュース情報をスクロール表示するポートレットを作成する場合。データの発信元は、Oracle Technology Network HeadlinesなどのReally Simple Syndication(RSS)ニュース・フィードです。ニュース・ソースへのハイパーリンクを含むポートレットも必要です。

  • 販売チャート・ポートレット。自社の販売結果に関する最新情報を表す場合。円グラフでもデータを表示します。自社の販売情報はリモートのリレーショナル・データベースに保存されます。

  • SAPポートレット。会社のSAPシステムの情報を表示する場合。会社のSAP Business Suiteへの負荷を最小化するために、システムから取得した情報は1日分ごとに各ユーザーに対してキャッシュする必要があります。

OmniPortletの詳細は、第3章「OmniPortletを使用したポートレットの作成」および第4章「OmniPortletを使用したポートレットの構築例」を参照してください。

1.4.5 ポートレット・ビルダー

概要

Oracle Portalには、複数のポートレット構築ウィザードが含まれています。これらのウィザードには、Portalナビゲータの「プロバイダ」タブを使用してアクセスできます。これらのウィザードは、図1-9に示すような、チャート、レポート、フォーム、カレンダおよび値リストの構築に使用できます。

図1-9 ポートレット・ビルダーのサンプルのフォーム、レポートおよびチャート

ポートレット・ビルダーのサンプルのフォーム、レポートおよびチャートを示します。
「図1-9 ポートレット・ビルダーのサンプルのフォーム、レポートおよびチャート」の説明

使用する場合

可能なかぎり、ポートレット・ビルダーのかわりにOmniPortletを使用することをお薦めします。OmniPortletにはより柔軟性があり、データとレイアウトを切り離すことができるため、ポートレット全体を再作成せずに、レポートをチャートに変更できます(ポートレット・ビルダーの場合は再作成が必要です)。また、OmniPortletには、多数の異なるポータルを同時にデプロイするためのオプションがより多く用意されています。Oracle Portalでは、今後もポートレット・ビルダーをポートレット構築オプションとしてサポートします。ただし、新機能と拡張機能はOmniPortletツールが対象となります。

OmniPortletの詳細は、1.4.4項「OmniPortlet」を参照してください。ポートレット・ビルダーの詳細は、付録A「ポートレット・ビルダーを使用したポートレットの作成」を参照してください。

1.4.6 JSFポートレット

概要

JSFポートレットは、JSFポートレット・ブリッジを使用して作成します。JSFポートレット・ブリッジを使用すると、アプリケーション開発者は、既存のJSFアプリケーションおよびタスク・フローをJSR 168ポートレットとして公開できます。ポートレット・ブリッジは、JSFアプリケーションとOracle PortalなどのWSRPポートレット・コンシューマとの統合を容易にします。

JSFポートレットでは、JSFアプリケーションとは別のソース・コードは必要ありません。これらのポートレットはポートレット・ブリッジを使用して作成されるので、アプリケーションとポートレットの両方で1つのソースを維持するだけで済みます。同様に、JSFアプリケーションをデプロイすると、JSFポートレットも一緒にデプロイされます。したがって、ブリッジを使用すると、アプリケーションとは別にポートレットを保存、管理、デプロイする必要がなくなります。


注意:

JSFポートレット・ブリッジは、Oracle WebCenter ServicesをOracle Portalに統合しています。ライセンスを受けたOracle WebCentreを使用している場合にのみ、利用可能です。

対象ユーザー

FacesとWSRPの知識があるアプリケーション開発者。

使用する場合

JSFポートレットは、アプリケーション開発者が、アプリケーション全体をホストしないで、または別にポートレットを作成しないで、JSFアプリケーションからのコンテンツをポートレットとして表示する場合に最適です。ポートレット化すると、ポートレットの使用は、プロバイダURLを使用してWSRPプロバイダを登録するのと同じです。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Developer's Guide for Oracle WebCenter Suite』を参照してください。

1.4.7 プログラム的なポートレット

概要

プログラム的なポートレットは、JavaまたはPL/SQLを使用して作成するポートレットです。Oracle PDKには、プログラム的なポートレットの構築に使用できる一連のポートレット構築APIが含まれています。

詳細はOTN

これらのAPIの詳細は、Portal Centerを参照してください。

http://portalcenter.oracle.com


注意:

PDK-PL/SQLについては、このマニュアルでは詳しく説明していません。PDK-PL/SQL固有の情報は、Portal Centerの「Developer Services」エリアを参照してください。

http://portalcenter.oracle.com


対象ユーザー

このツールは経験と知識の豊富なIT開発者に最適なツールです。

使用する場合

プログラム的なポートレットは、非常に特化したビジネス・ルールやロジックがある、またはパーソナライズした認証、動的結果の精度の高い処理およびユーザー・インタフェースの完全な制御が必要な場合に使用します。さらに、次のいずれかの条件を満たす必要がある場合にプログラム的なポートレットを使用します。

  • 最初からポートレットを構築していて、そのポートレットの全機能を完全に制御する必要がある場合。

  • JavaまたはPL/SQLの知識がある場合。

  • PDKとOracle Portalプロバイダの構成をよく理解している場合。

複雑な設定が不要な宣言型ツールがニーズに対応していない場合は、このツールの使用を検討してください。

Oracle Portal Developer Kitで作成したJavaポートレットの使用は、次の例のような場合に検討します。

  • ディスカッション・フォーラム・ポートレット。自社のJSPベースのディスカッション・フォーラム・アプリケーションをOracle Portalに統合するポートレットを作成する場合。ディスカッション・フォーラム・ポストはリレーショナル・データベースに格納されます。このポートレットは、自社のインターネットWebサイトのルック・アンド・フィールに厳密に従う必要があります。

  • 電子メール・ポートレット。ユーザーが電子メールを自社のイントラネット・ポータルから送信できるポートレットを作成する場合。ユーザーがLDAPサーバー上のアドレス帳を使用できるように、電子メール・ポートレットを会社のLDAPサーバーに統合する必要があります。

PDK-Javaの使用方法の詳細は、第6章「Javaポートレットの作成」および第7章「Javaポートレットの拡張」を参照してください。PDK-PL/SQLの使用方法の詳細は、第8章「PL/SQLポートレットの作成」を参照してください。

1.4.8 使用するツールの決定

図1-10に、前項で説明したポートレット・リソースの範囲を示します。範囲の片方はページ設計者が必要とする宣言的環境を対象とし、もう片方は手動でのコーディングおよびポートレット開発者を対象にしていることに注意してください。自分のスキルに対して最も快適で適切な環境タイプに従ってツールを選択できます。

使用するツールの決定方法は、第2章「ポートレット・テクノロジのマトリックス」を参照してください。

図1-10 ページ設計者から経験豊かな開発者までを対象としたポートレット・リソース

ポートレット・リソースの範囲を示します。
「図1-10 ページ設計者から経験豊かな開発者までを対象としたポートレット・リソース」の説明